JP6125032B2 - パラジウム錯体での1,3−ジエン誘導体のヒドロカルボニル化又はメトキシカルボニル化 - Google Patents

パラジウム錯体での1,3−ジエン誘導体のヒドロカルボニル化又はメトキシカルボニル化 Download PDF

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Description

本発明は、有機合成の分野に関し、より詳述すれば、本発明は、パラジウム錯体により触媒作用を及ぼすカルボニル化反応による式(I)で定義されたポリ不飽和アリルカルボキシ誘導体の製造方法に関する。
先行技術
式(I)で定義された多くのポリ不飽和アリルカルボキシ誘導体は、それ自体有用な生成物であり、又は他の重要な原料の製造の有用な中間体である。式(I)のポリイソプレノイド誘導体は、香料産業について特に興味深く、特に4,8−ジメチルノナ−3,7−ジエノン酸又は4,8,12−トリメチルトリデカ−3,7,11−トリエン酸である。後者の化合物は、工業的に関連のある化合物、例えばCetalox(登録商標)(ドデカヒドロ−3a,6,6,9a−テトラメチル−ナフト[2,1−b]フラン;出所:Firmenish SA、Geneva、Switzerland)の製造のための重要な中間体として記載されている。
式(I)のポリイソプレノイド化合物は、多くの異なる方法による(WO 92/06063号における金属により触媒作用を及ぼすアリル中間体のカルボニル化として、又はUS 4503240号におけるシアノ誘導体の加水分解による)文献において製造されている。全てのこれらの先行技術の方法は、複雑な又は長い合成であり、工業規模で可能な挑戦である。前記化合物(I)は、対応するジエンのカルボキシル化により得られ、従ってかかるアプローチに対する当業者への先入観が生じる文献において、決して報告又は示唆されていない。これは、おそらく、式(II)の物質が、非常に感受性が高くかつ化学的に不安定であり、カルボニル化が、高温を含む厳しい条件及びしばしば酸性条件(例えばイソプレン又はブタジエンについて記載されている)を要求するからである。
従って、標的の化合物を製造するための、及び良好な収率並びに高い位置選択性及び立体選択性を有する前記化合物を得ることを可能にする方法についての必要性が未だある。
最も単純な及び感受性の少ないイソプレン又はブタジエンのカルボニル化は、文献において種々の方法で記載されている:
− EP 0728732号は、モノホスフィン及びカルボン酸の存在でPd(AcO)2により触媒作用を及ぼすジエンのカルボニル化を記載している;
− US 5041642号は、ハロゲン化水素酸及び第四級オニウム塩の存在でPd錯体により触媒作用を及ぼすジエンのカルボニル化を記載している;
− PdCl2の存在でのイソプレンのカルボニル化がTetrahedron 1971、3821において記載されている;
− PdCl2(PPh32が、ブタジエンのカルボニル化のための触媒としてJ. Tsuji、Y. Mori、M. Hara、Tetrahedron 1972、3721において記載されている。
これらの例において記載されている基材は、単純であり、かつ式(II)の基材についての場合であるために、選択性又は化学安定性のあらゆる挑戦又は多少の挑戦が存在しない。
チオカルボニル化のみが、チオール及びパラジウム触媒の存在で、この種類の物質について報告されていた(Journal of Organic Chemistry 2000、65、4138)。しかしながら、対応するアルコールと比較してチオールが非常により酸性であるために(Bordwell pKa Table)、前記文献は、アルコールの存在で同様の系の反応性を予期することができない。実際に、さらに以下で見出せるように、チオール及びアルコールは、非常に異なる反応性を示す。
発明の詳細
式(I)の誘導体を、高い選択性及び少ない副生成物形成を可能にする新たな触媒性カルボニル化による有利な方法で製造することができることを見出している。
従って、本発明の第一の目的は、式(I)
Figure 0006125032
[式中、R1は、水素原子又はC1-5アルキル基を示し、かつ
Rは、C4-12非共役アルケニル基又はC6-12非共役アルカジエニル基を示す]の化合物を、式(II)
Figure 0006125032
[式中、Rは式(I)と同様の意味を有する]の対応する化合物のカルボニル化により製造するための方法であり、
その際カルボニル化は、一酸化炭素、式R1OH[式中R1は前記と同様の意味を有する]の化合物、及び式
Figure 0006125032
[式中、P2は、2つのモノホスフィン単座配位子又は1つのビホスフィン二座配位子である]のホスフィン配位子含有二塩化パラジウム錯体の存在下で実施する。
前記のように、本発明の挑戦は、良好な収率並びに高い位置選択性及び立体選択性を有する所望の生成物(I)を得ることにあり、実際に、先行技術に基づいて、種々のモル比での反応から多くの生成物が期待されてよい。前記種々の生成物は、制限されずに、ミルセンについて次の式で例示される。
図式1:ミルセンのカルボニル化条件下で得られる生成物
Figure 0006125032
本発明の特定の一実施態様に従って、少なくとも70%の化合物(I)が得られる。化合物(I)は、種々の立体化学を有してよい(すなわち、E又はZの立体配置であってよい)1つ又は2つの炭素−炭素二重結合を有してよい。前記化合物のそれぞれの前記炭素−炭素二重結合は、互いに独立して、立体配置ZもしくはE、又はそれらの混合物であってよく、又は言い換えれば、それぞれの炭素−炭素二重結合は、実質的に純な異性体(すなわち(3E,7E)のもの)の形で、又は異性体の混合物の形であってよく、例えば、2つの炭素−炭素二重結合が存在する場合に、混合物は、異性体(3E,7E)及び(3Z,7E)を種々のw/wでの割合で含む。
本発明の前記実施態様のいずれか1つに従って、化合物(I)は、有利には立体配座E又はZの異性体の混合物の形での4,8,12−トリメチルトリデカ−3,7,11−トリエン酸又は4,8,12−トリメチルトリデカ−3,7,11−トリエン酸エステルであり、その際(3E)/(3Z)の割合は、約1〜4、又はさらに約1〜2.5である。
本発明の前記実施態様のいずれか1つに従って、出発化合物(II)は、有利には立体配座E又はZの異性体の混合物の形でのβ−ファルネセンであり、その際E異性体は、出発材料の総質量に対して、少なくとも50%(w/w)又はさらに80%(w/w)を示す。
本発明の特定の一実施態様に従って、前記R1はC1-3直鎖又は分枝鎖アルキル基を示す。
本発明の前記実施態様のいずれか1つに従って、前記Rは、式
Figure 0006125032
[式中、mは1又は2である]の基である。
本発明の前記実施態様のいずれか1つに従って、式(I)の化合物は、4,8−ジメチルノナ−3,7−ジエノン酸又は4,8−ジメチルノナ−3,7−ジエノンエステルであり、かつ対応する化合物(II)は、ミルセンであり、又は式(I)の化合物は、4,8,12−トリメチルトリデカ−3,7,11−トリエン酸であり、かつ対応する化合物(II)はβ−ファルネセンである。
式(II)の化合物は、公知の化合物であり、市販されている。
本発明の方法は、酸又は塩基の不在下で実施されるという利点を有し、先行技術におけるいくつかの同様の方法とは対照的である。
本発明の方法は、前記のように式(III)の触媒の存在下で実施する。
本発明の前記実施態様のいずれか1つに従って、前記P2は、式P(R22Ar[式中、R2は、同時に又は独立して、C3〜C6環状アルキル基もしくはC3〜C6分枝鎖アルキル基又はAr基を示し、Arは、場合により1〜5個のハロゲン原子、C1-3ハロ炭化水素基又はC1-3ペルハロ炭化水素基、C1-4アルコキシ基又はC1-4アルキル基で置換されていてよいC4〜C10ヘテロ芳香族基又は芳香族基を示す]の2つの単座モノホスフィンを示す。
本発明の特定の一実施態様に従って、前記P2は、式P(R22Ar[式中、R2は、同時に又は独立して、C3〜C6環状アルキル基もしくはC3〜C6分枝鎖アルキル基又はAr基を示し、Arは、場合により1〜3個のハロゲン原子、C1-3ハロ炭化水素基又はC1-3ペルハロ炭化水素基、又はC1-4アルキル基で置換されていてよいC6〜C10芳香族基を示す]の2つの単座モノホスフィンを示す。
“ハロ炭化水素又はペルハロ炭化水素”の表現は、ここで、当業者における通常の意味を有し、例えばCF3基又はCClH2基を意味する。
本発明の前記実施態様のいずれか1つに従って、前記P(R22Arは、R2が、α位で分枝したC3-4アルキル基、C5-6環状アルキル基又はAr基を示し、かつArが場合により1〜2個のメチル基、1〜2個のメトキシ基、1〜5個のフルオロ原子、又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基を示し、又はArは、場合により1〜2個のメチル基で置換された、フリル基、ベンゾフリル基又はチエニル基を示す化合物である。
本発明の特定の一実施態様に従って、前記P(R22Arは、R2が、α位で分枝したC3-4アルキル基、C5-6環状アルキル基又はAr基を示し、かつArが場合により1〜2個のメチル基又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基を示す化合物である。
代わりに、前記P(R22Arは、R2がAr基を示し、かつArが、場合により1〜2個のメチル基で置換されたフリル基を示す化合物である。
本発明の前記実施態様のいずれか1つに従って、かかるP(R22Arの特定の例及び制限のない例は、トリフェニルホスフィン、トリ−オルト−トリルホスフィン、トリ−メタ−トリルホスフィン、トリ−パラ−トリルホスフィン、((4−トリフルオロメチル)フェニル)ジ−tert−ブチルホスフィン、トリ−2−フリルホスフィンである。
本発明の前記実施態様のいずれか1つに従って、前記P2は、95°〜130°である、及びより有利には98°〜115°である自然のバイトアングルを有する二座のビホスフィンである。“自然のバイトアングル”の表現に関しては、当業者における通常の意味であると理解され、例えば、P. W. N. M. van Leeuwen, P. C. J. Kamer, J. N. H. Reek, P. Dierkes, Chem. Rev. 2000, 2741において定義されている。
前記実施態様に従って、二座のビホスフィンは、二座のビス(ジ−Ar−ホスフィン)であってよく、ここでArは前記と同様の意味を有する。
さらに、前記P2の二座のビス(ジ−Ar−ホスフィン)は、式(Ar)2PQP(Ar)2[式中、Arは前記と同様の意味を有し、Qはオキシビス(2,1−フェニレン)又は9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイルである]の化合物であってよい。
本発明の前記実施態様のいずれか1つに従って、かかる(Ar)2PQP(Ar)2
特定の例及び制限のない例は、1,1’−[(オキシジ−2,1−フェニレン)]ビス[1,1−ジフェニルホスフィン]、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテンである。
本発明に従った方法は、R1OHの存在下で実施する。本発明の前記実施態様のいずれか1つに従って、前記R1はC1-3アルキル基を示す。
適したR1OHの制限のない例として、化合物、例えば水、メタノール、エタノール又はプロパノール又はイソプロパノールを挙げてよい。
本発明の前記実施態様のいずれか1つに従って、好ましいR1OHは、水又はエタノールである。
1OHを、本発明の方法の反応媒体中に広範囲の濃度で添加してよい。制限のない例として、R1OHの濃度値として、基材の量に対して、約0.9モル当量〜約2.5モル当量の範囲の濃度値を挙げてよい。有利にはR1OH濃度は、0.95モル当量〜1.2モル当量である。R1OHの最適濃度が、当業者に公知であるように、後の性質に、基材の性質に、温度に、及び前記方法中に使用される触媒に、並びに所望の反応の時間に依存することは言うまでもない。
触媒を、本発明の方法の反応媒体中に広範囲の濃度で添加してよい。制限のない例として、錯体の濃度値として、基材の量に対して、約0.1モル%当量〜約10モル%当量の範囲の濃度値を挙げてよい。有利には錯体濃度は、0.5モル%当量〜5モル%当量である。錯体の最適濃度が、当業者に公知であるように、後の性質に、基材の性質に、温度に、及び前記方法中に使用されるCOの圧力に、並びに所望の反応の時間に依存することは言うまでもない。
遊離ホスフィン、例えば触媒に対してホスフィンに対応するものを、本発明の方法の反応媒体に広範囲の濃度で添加してよい。制限のない例として、ホスフィンの濃度値として、触媒の量に対して、約0.1モル当量〜約1モル当量の範囲の濃度値を挙げてよい。遊離ホスフィンの最適濃度が、当業者に公知であるように、後の性質に、基材の性質に、温度に、及び前記方法中に使用される触媒に、並びに所望の反応の時間に依存することは言うまでもない。
反応を、溶媒の存在下で又は溶媒の不在下で実施してよい。溶媒を実践理論のために要求又は使用する場合に、かかる反応タイプにおいて現行のあらゆる溶媒を本発明の目的のために使用してよい。制限のない例は、THF、Me−THF、MTBE、DME、Et2O、トルエン、酢酸エチルを含む。溶媒の選択は、基材の及び錯体の性質の作用であり、当業者は、反応を最適化するためにそれぞれの場合に最も簡便な溶媒をうまく選択することができる。
カルボニル化を実施できる温度は、0℃〜160℃、より有利には60℃〜110℃の範囲である。もちろん、当業者は、出発生成物及び最終生成物の融点及び沸点の作用として好ましい温度、並びに反応又は変換の所望の時間を選択することもできる。
本発明のカルボニル化プロセスにおいて、反応を、10bar〜100bar、より有利には20bar〜80barである、及びより有利には40bar〜80barの範囲であるCO圧力で実施してよい。もちろん、当業者は、触媒装填の作用、及び溶媒中の基材の希釈の作用として圧力を調整することができる。
実施例
本発明は、全ての実施態様において、次の実施例の方法によってさらに詳細に記載され、その際略語は、当業者において通常の意味を有し、温度は、摂氏度(℃)で示される。
本明細書において以下で使用した次の省略は、次の意味を有する:
DPEphos:1,1’−[(オキシジ−2,1−フェニレン)]ビス[1,1−ジフェニルホスフィン
Xantphos:4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン。
反応式:Rが4,8−ジメチル−3,7−ノナジエニルである化合物について
Figure 0006125032
及び副生成物。
形成された主な異性体は、E異性体(化合物(I))である。
実施例1
種々の[PdCl22]錯体を使用したβ−ファルネセンの触媒によるヒドロカルボニル化
典型的な実験方法は以下である。
撹拌棒を含む75mLのKeimオートクレーブに、THF(20ml)中で(E)−7,11−ジメチル−3−メチレンドデカ−1,6,10−トリエン(1.02g、4.99mmol)を置く。水(0.088ml、4.89mmol)及び0.11mmolの[PdCl22](表1を参照)を添加した。反応器を密閉し、そしてその混合物を、3×10barの一酸化炭素(CO)でパージした。撹拌しながら、オートクレーブをCOで63barまで加圧し、そして油浴中で90℃で加熱した。一度温度が設定点と平衡になったら、オートクレーブをCOで68barまで加圧し、そして反応をこれらの条件下で実施した。そして、その反応混合物を、回転蒸発器上で濃縮して、粗残留物を得て、続いて、クロマトグラフィーカラム(SiO2、Et2O/ペンタン、1:4)上を通過させて、3Z,7E−ホモファルネセン酸及び(3E,7E)−ホモファルネセン酸及び他の異性体の酸を得た。
得られた所望の生成物(I)は、同一の生成物について文献において記載されたものと同様のスペクトル特性を有した。
これらの条件下でいくつかの錯体を表1において報告したように試験した。
Figure 0006125032
a) P2が一座のモノホスフィンを示す場合に、2つのモノホスフィンは同一の化合物である。
b) 時間。
c) パーセントでの出発材料の変換率。
d) 使用した出発材料の総量に対して算出したパーセントでの単離した収率。
e) 変換した出発材料の量に対して算出したパーセントでの単離した収率。
f) かかる場合において、0.16mmolの[PdCl22]を使用した。
実施例2
[PdCl2(PPh32]錯体を使用したβ−ファルネセンの触媒によるメトキシカルボニル化
撹拌棒を含む75mLのKeimオートクレーブに、THF(20ml)中で(E)−7,11−ジメチル−3−メチレンドデカ−1,6,10−トリエン(1.00g、4.89mmol)を置いた。メタノール(200μl、4.94mmol)及びPdCl2(PPh32(80mg、0.114mmol)を添加した。そして反応器を密閉し、そしてその混合物を、3×10barの一酸化炭素(CO)でパージした。撹拌しながら、オートクレーブをCOで40barまで加圧し、そして油浴中で90℃で加熱した。一度温度が設定点と平衡になったら、オートクレーブをCOで67barまで加圧し、そして反応をこれらの条件下で64時間実施した。そして、その反応混合物を、回転蒸発器上で濃縮して、粗残留物を得て、続いてKugelrohr装置(0.3mbar/170℃)で蒸留して、(3E,7E)−ホモファルネセン酸メチルエステル及び(3Z,7E)−ホモファルネセン酸メチルエステル(61%、2/1)を含む無色の液体(1.17g)を得た。
得られた所望の生成物(I)は、同一の生成物について文献において記載されたものと同様のスペクトル特性を有した。
実施例3
[PdCl2(トリ−2−フリルホスフィン)2]錯体を使用したβ−ファルネセンの触媒によるメトキシカルボニル化
300ml/500barの反応器Premexに、THF(100ml)中で(E)−7,11−ジメチル−3−メチレンドデカ−1,6,10−トリエン(10.0g、48.9mmol)を置いた。メタノール(2.0ml、49.4mmol)及びPd(Cl)2(トリ−2−フリルホスフィン)2(157mg、0.245mmol;0.5mol%)を添加した。そして反応器を密閉し、そしてその混合物を、3×10barの一酸化炭素でパージした。撹拌しながら、オートクレーブをCOで50barまで加圧し、そして含有物を90℃まで加熱した。一度温度が設定点と平衡になったら、オートクレーブをCOで70barまで加圧し、そして、それらの条件を68時間維持した。その粗混合物を、回転蒸発器で濃縮させて、11.7gの黄色い液体を得た。その粗材料を、バルブツーバルブで蒸留(0.4mbar、170℃)させて、(3E,7E)−メチル−4,8,12−トリメチルトリデカ−3,7,11−トリエノエート及び(3Z,7E)−メチル−4,8,12−トリメチルトリデカ−3,7,11−トリエノエート(87%、2/1)を含む11.3gの無色の液体留分を得た。
得られた所望の生成物(I)は、同一の生成物について文献において記載されたものと同様のスペクトル特性を有した。
実施例4(比較例)
種々の触媒を使用したミルセンの触媒によるチオカルボニル化又はメトキシカルボニル化
チオカルボニル化についての典型的な実験方法は以下である。
ガラスライナーを備えた75mlのKeimオートクレーブに、7−メチル−3−メチレンオクタ−1,6−ジエン(表2を参照)、溶媒(表2を参照)、ベンゼンチオール(表2を参照)、ホスフィン(表2を参照)及び触媒(表2を参照)を装填した。反応器を密閉し、そして3×10barの一酸化炭素でパージした。撹拌しながら、オートクレーブをCOで加圧し、そして油浴中で所望の温度まで加熱した。30分後に、圧力を所望の圧力で平衡にし、そして反応をこれらの条件下で60時間維持した。そして、その粗反応混合物を回転蒸発器で濃縮させ、そして残留物を、クロマトグラフィーカラム(シリカゲル;ペンテン/EtOAc 95/5)上を通過させた。
メトキシカルボニル化ついての典型的な実験方法は以下である。
75mlのKeimオートクレーブに、7−メチル−3−メチレンオクタ−1,6−ジエン(表2を参照)、溶媒(表2を参照)、メタノール(表2を参照)、ホスフィン(表2を参照)及び触媒(表2を参照)を装填した。反応器を密閉し、そして3×10barの一酸化炭素でパージした。撹拌しながら、オートクレーブをCOで加圧し、そして油浴中で所望の温度まで加熱した。30分後に、圧力を所望の圧力で平衡にした。そして反応をこれらの条件下で60時間維持した。そして、その粗反応混合物を回転蒸発器で濃縮させ、そして残留物を、蒸留して(0.9mbar/170℃)、無色の液体を得た。
Figure 0006125032
a) Xiao, W. J.; Vasapollo, G.; Alper, H. J. Org. Chem. 2000, 65 (13), 4138−4144。
見て分かるように、本発明は、高い収率及び良好な選択性を得ることができ、一方で、先行技術は、生成物の低い収率を導く。

Claims (9)

  1. 式(I)
    Figure 0006125032
    [式中、R1は、水素原子又はC1-3アルキル基を示し、かつ
    Rは、式
    Figure 0006125032
    示し、式中、mは1又は2である]の化合物を、式(II)
    Figure 0006125032
    [式中、Rは式(I)と同様の意味を有する]の対応する化合物のカルボニル化により製造するための方法であって、
    カルボニル化を、一酸化炭素、式R1OH[式中R1は前記と同様の意味を有する]の化合物、及び式
    Figure 0006125032
    [式中、P2は、2つのモノホスフィン単座配位子又は1つのビホスフィン二座配位子である]のホスフィン配位子含有二塩化パラジウム錯体の存在下で実施する、前記方法。
  2. 前記化合物(I)が、立体配座E及びZの異性体の混合物の形での4,8,12−トリメチルトリデカ−3,7,11−トリエン酸又は4,8,12−トリメチルトリデカ−3,7,11−トリエン酸エステルであり、(3E)/(3Z)の割合が、1〜2.5であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記P2が、式P(R22Ar[式中、R2は、同時に又は独立して、C3〜C6環状アルキル基もしくはC3〜C6分枝鎖アルキル基又はAr基を示し、Arは、場合により1〜5個のハロゲン原子、C1-3ハロ炭化水素基又はC1-3ペルハロ炭化水素基、C1-4アルコキシ基又はC1-4アルキル基で置換されたC4〜C10ヘテロ芳香族基又はC4〜C10芳香族基を示す]の2つの単座モノホスフィンを示すことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 前記P(R22Arが、トリフェニルホスフィン、トリ−オルト−トリルホスフィン、トリ−メタ−トリルホスフィン、トリ−パラ−トリルホスフィン、((4−トリフルオロメチル)フェニル)ジ−tert−ブチルホスフィン、又はトリ−2−フリルホスフィンを示すことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 前記P2が、95°〜130°である自然のバイトアングルを有する二座のビホスフィンを示すことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  6. 前記二座のビホスフィンが、式(Ar)2PQP(Ar)2[式中、Arは、場合により1〜5個のハロゲン原子、C1-3ハロ炭化水素基又はC1-3ペルハロ炭化水素基、C1-4アルコキシ基又はC1-4アルキル基で置換されたC4〜C10ヘテロ芳香族基又はC4〜C10芳香族基を示し、Qはオキシビス(2,1−フェニレン)又は9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイルである]の化合物を示すことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 前記二座のビホスフィンが、1,1’−[(オキシジ−2,1−フェニレン)]ビス[1,1−ジフェニルホスフィン]、又は4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテンであることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  8. 前記R1OHが、水、メタノール、エタノール、プロパノール又はイソプロパノールであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  9. 酸又は塩基の不存在下で行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
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