JP6080397B2 - 圧電材料、圧電素子、積層圧電素子、液体吐出ヘッド、液体吐出装置、超音波モータ、光学機器、圧電音響部品および電子機器 - Google Patents

圧電材料、圧電素子、積層圧電素子、液体吐出ヘッド、液体吐出装置、超音波モータ、光学機器、圧電音響部品および電子機器 Download PDF

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本発明は圧電素子、積層圧電素子、液体吐出ヘッド、液体吐出装置、超音波モータ、光学機器および電子機器に関し、特に鉛を含まずに実用温度領域において安定に駆動する圧電素子、積層圧電素子、液体吐出ヘッド、液体吐出装置、超音波モータ、光学機器および電子機器に関する。
圧電材料は、チタン酸ジルコン酸鉛(以下「PZT」という)のようなABO型ペロブスカイト型金属酸化物が一般的である。しかしながら、PZTはAサイト元素として鉛を含有するために、環境に対する影響が問題視されている。このため、鉛を含有しないペロブスカイト型金属酸化物を用いた圧電材料が求められている。
鉛を含有しないペロブスカイト型金属酸化物の圧電材料として、チタン酸バリウムが知られている。また、その特性を改良する目的で、チタン酸バリウムの組成をベースとした材料開発が行われており、その材料を用いた素子が開示されている。特許文献1にはチタン酸バリウムのAサイトを一部、Caに置換し、さらにMn、Fe、またはCuを添加する圧電素子が開示されている。これらの圧電素子は、チタン酸バリウムに比べて機械的品質係数に優れるものの、圧電特性が低いため、素子の駆動に高い電圧を要するという課題があった。
また、特許文献2にはチタン酸バリウムにBaとBを添加する材料を用いたアクチュエータおよび液体吐出ヘッドが開示されている。しかし、これらの材料は焼結温度が低くなるというメリットがあるものの、圧電定数d33が65[pC/N]と低く、素子の駆動に高い電圧を要するという課題があった。
また圧電材料のキュリー温度が80℃以下となる場合には、夏季の車中など過酷な環境下において、脱分極を起こし、圧電性が消失する恐れが生じる。あるいは、アクチュエータの駆動によって発生する熱によって圧電性が消失する恐れも生じうる。
特開2010−120835号公報 特開2011−032111号公報
本発明は上述の課題に対処するためになされたもので、広い実用温度領域で安定に駆動する非鉛圧電素子を提供するものである。
前記課題を解決するための圧電材料は、Ba,Ca,Ti,およびZrを含む酸化物、
およびMn、
含有する圧電材料であって、
前記Baおよび前記Caの和に対する前記Caのモル比であるxが0.02≦x≦0.30であり、
前記Tiおよび前記Zrの和に対する前記Zrのモル比であるyが、0.020≦y≦0.095であり、かつy≦xであり、
前記Tiおよび前記Zrの和に対する前記Baおよび前記Caの和のモル比であるaが、1.00≦a≦1.01であり、
前記酸化物100重量部に対する前記Mnの含有量は、金属換算で0.02重量部以上0.40重量部以下であり、
前記圧電材料を構成する結晶粒の平均円相当径が1μm以上10.8μm以下であり、前記圧電材料の相対密度が91.8%以上100%以下であり、前記酸化物100重量部に対する前記酸化物およびMn以外の成分の含有量が、1.2重量部以下であることを特徴とする。
前記課題を解決するための液体吐出ヘッドは、上記の圧電素子または上記の積層圧電素子を配した振動部を備えた液室と、前記液室と連通する吐出口を少なくとも有することを特徴とする。
前記課題を解決するための液体吐出装置は、対象物の載置部と上記の液体吐出ヘッドを備えることを特徴とする。
前記課題を解決するための超音波モータは、上記の圧電素子または上記の積層圧電素子を配した振動体と、前記振動体と接触する移動体と、を少なくとも有することを特徴とする。
前記課題を解決するための光学機器は、駆動部に上記の超音波モータを備えることを特徴とする。
前記課題を解決するための圧電音響部品は、上記の圧電素子または上記の積層圧電素子を備えていることを特徴とする。
前記課題を解決するための電子機器は、上記の圧電素子または上記の積層圧電素子を配したことを特徴とする。
本発明によれば、広い実用温度領域で安定に駆動する非鉛圧電素子を提供することができる。また、本発明は前記非鉛圧電素子を用いた液体吐出ヘッド、液体吐出装置、超音波モータ、光学機器および電子機器を提供することができる。
本発明の圧電素子の構成の一実施様態を示す概略図である。 本発明の液体吐出ヘッドの構成の一実施様態を示す概略図である。 本発明の超音波モータの構成の一実施様態を示す概略図である。 本発明の製造例1から73の圧電セラミックスのx値とy値の関係を示す相図である。点線の内部は請求項1のx値とy値の範囲を示している。 本発明の積層圧電素子の構成の一実施形態を示す断面概略図である。 本発明の液体吐出装置の一実施態様を示す概略図である。 本発明の液体吐出装置の一実施態様を示す概略図である。 本発明の光学機器の一実施態様を示す概略図である。 本発明の光学機器の一実施態様を示す概略図である。 本発明の電子機器の一実施態様を示す概略図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は本発明の圧電素子の構成の一実施形態を示す概略図である。本発明の圧電素子は、圧電材料2と、その圧電材料2に対して設けられた第一の電極1と第二の電極3とからなる。
本発明に係る圧電素子は、第一の電極、圧電材料、第二の電極を少なくとも有する圧電素子であって、前記圧電材料が下記一般式(1):
一般式(1) (Ba1−xCa(Ti1−yZr)O(1.00≦a≦1.01、0.02≦x≦0.30、0.020≦y≦0.095であり、かつy≦x)
で表わされるペロブスカイト型金属酸化物を主成分とし、前記金属酸化物にMnが含有されており、前記Mnの含有量が前記金属酸化物100重量部に対して金属換算で0.02重量部以上0.40重量部以下であることを特徴とする。
前記第一の電極および第二の電極は、厚み5nmから2000nm程度の導電層よりなる。その材料は特に限定されず、圧電素子に通常用いられているものであればよい。例えば、Ti、Pt、Ta、Ir、Sr、In、Sn、Au、Al、Fe、Cr、Ni、Pd、Ag、Cuなどの金属およびこれらの化合物を挙げることができる。
前記第一の電極および第二の電極は、これらのうちの1種からなるものであっても、あるいはこれらの2種以上を積層してなるものであってもよい。また、第一の電極と第二の電極が、それぞれ異なる材料であっても良い。
前記第一の電極と第二の電極の製造方法は限定されず、金属ペーストの焼き付けにより形成しても良いし、スパッタ、蒸着法などにより形成してもよい。また第一の電極と第二の電極とも所望の形状にパターニングして用いても良い。
本発明において、ペロブスカイト型金属酸化物とは、岩波理化学辞典 第5版(岩波書店 1998年2月20日発行)に記載されているような、理想的には立方晶構造であるペロブスカイト構造(ペロフスカイト構造とも言う)を持つ金属酸化物を指す。ペロブスカイト構造を持つ金属酸化物は一般にABOの化学式で表現される。ペロブスカイト型金属酸化物において、元素A、Bは各々イオンの形でAサイト、Bサイトと呼ばれる単位格子の特定の位置を占める。例えば、立方晶系の単位格子であれば、A元素は立方体の頂点、B元素は体心に位置する。O元素は酸素の陰イオンとして立方体の面心位置を占める。
前記一般式(1)で表わされる金属酸化物は、Aサイトに位置する金属元素がBaとCa、Bサイトに位置する金属元素がTiとZrであることを意味する。ただし、一部のBaとCaがBサイトに位置してもよい。同様に、一部のTiとZrがAサイトに位置してもよい。
前記一般式(1)における、Bサイトの元素とO元素のモル比は1対3であるが、モル比が若干ずれた場合(例えば、1.00対2.94〜1.00対3.06)でも、前記金属酸化物がペロブスカイト構造を主相としていれば、本発明の範囲に含まれる。
前記金属酸化物がペロブスカイト構造であることは、例えば、X線回折や電子線回折による構造解析から判断することができる。
本発明の一実施形態に係る圧電材料の形態は限定されず、セラミックス、粉末、単結晶、膜、スラリーなどのいずれの形態でも構わないが、セラミックスであることが好ましい。本明細書中において「セラミックス」とは、基本成分が金属酸化物であり、熱処理によって焼き固められた結晶粒子の凝集体(バルク体とも言う)、いわゆる多結晶を表す。焼結後に加工されたものも含まれる。
前記一般式(1)において、AサイトにおけるBaとCaのモル量とBサイトにおけるTiとZrのモル量との比を示すaは、1.00≦a≦1.01の範囲である。aが1.00より小さいと異常粒成長が生じ易くなり、材料の機械的強度が低下してしまう。一方で、aが1.01より大きくなると粒成長に必要な温度が高くなり過ぎ、一般的な焼成炉で焼結ができなくなる。ここで、「焼結ができない」とは密度が充分な値にならないことや、前記圧電材料内にポアや欠陥が多数存在している状態を指す。
前記一般式(1)において、AサイトにおけるCaのモル比を示すxは、0.02≦x≦0.30の範囲である。xが0.02より小さいと誘電損失(tanδ)が増加する。誘電損失が増えると、圧電素子に電圧を印加して駆動させた際に発生する発熱が増え、駆動効率が低下する恐れがある。一方で、xが0.30より大きいと圧電特性が充分でなくなる。
前記一般式(1)において、BサイトにおけるZrのモル比を示すyは、0.020≦y≦0.095の範囲である。yが0.020より小さいと、圧電特性が充分でなくなる。一方で、yが0.095より大きいとキュリー温度(T)が85℃未満と低くなり、高温において圧電特性が消失する。
本明細書において、キュリー温度とは、強誘電性が消失する温度をいう。その特定方法は、測定温度を変えながら強誘電性が消失する温度を直接測定する方法に加えて、微小交流電界を用いて測定温度を変えながら誘電率を測定し誘電率が極大を示す温度から求める方法がある。
前記一般式(1)において、Caのモル比xとZrのモル比yはy≦xの範囲である。y>xであると、誘電損失が増加したり、絶縁性が充分でなくなったりする。また、これまで示したxとyの範囲を同時に満たすと、結晶構造相転移温度(相転移点)を室温付近から実用温度以下に移動させることが可能となり、広い温度領域において安定に素子を駆動させることが可能となる。
本発明に係る圧電素子における前記圧電材料の組成を測定する手段は特に限定されない。手段としては、X線蛍光分析、ICP発光分光分析、原子吸光分析などが挙げられる。いずれの手段においても、前記圧電材料に含まれる各元素の重量比および組成比を算出できる。
本発明に係る圧電素子における前記圧電材料は、Mnの含有量が前記金属酸化物100重量部に対して金属換算で0.02重量部以上0.40重量部以下である。前記圧電材料は、前記範囲のMnを含有すると、絶縁性や機械的品質係数が向上する。ここで、機械的品質係数とは圧電材料を振動子として評価した際に振動による弾性損失を表す係数であり、機械的品質係数の大きさは、インピーダンス測定における共振曲線の鋭さとして観察される。つまり振動子の共振の鋭さを表す定数である。絶縁性と機械的品質係数の向上は、TiやZrと価数が異なるMnによって欠陥双極子が導入されて内部電界が発生することに由来すると考えられる。内部電界が存在すると、素子に電圧を印加し駆動させた際に、素子の長期信頼性が確保できる。
ここで、Mnの含有量を示す「金属換算」とは、前記圧電材料から蛍光X線分析(XRF)、ICP発光分光分析、原子吸光分析などにより測定されたBa、Ca、Ti、ZrおよびMnの各金属の含有量から、前記一般式(1)で表わされる金属酸化物を構成する元素を酸化物換算し、その総重量を100としたときに対するMn重量との比によって求められた値を表す。
Mnの含有量が0.02重量部未満であると、素子の駆動に必要な分極処理の効果が充分でなくなる。一方、Mnの含有量が0.40重量部より大きくなると、圧電特性が充分でなくなることや、圧電特性に寄与しない六方晶構造の結晶が発現するので好ましくない。
Mnは金属Mnに限らず、Mn成分として圧電材料に含まれていれば良く、その含有の形態は問わない。例えば、Bサイトに固溶していても良いし、粒界に含まれていてもかまわない。または、金属、イオン、酸化物、金属塩、錯体などの形態でMn成分が圧電材料に含まれていても良い。より好ましい含有の形態は、絶縁性や焼結容易性という観点からBサイトに固溶することである。Bサイトに固溶された場合、AサイトにおけるBaとCaのモル量とBサイトにおけるTi、ZrおよびMnのモル量の比をA/Bとすると、圧電センサ、圧電トランスや超音波モータといった共振周波数で駆動する共振デバイス(ハードデバイス)における好ましいA/Bの範囲は0.993≦A/B≦0.998である。A/Bがこれらの範囲にある圧電素子は、高い圧電定数と機械的品質係数を有するため、耐久性に優れたデバイスを作製できる。また、光ピックアップ用アクチュエータや液体吐出ヘッドといった非共振周波数で駆動する変位型アクチュエータ(ソフトデバイス)における好ましいA/Bの範囲は0.996≦A/B≦0.999である。A/Bがこれらの範囲にある圧電素子は、高い圧電定数と低い誘電損失を両立することができ、耐久性に優れたデバイスを作製できる。
本発明に係る圧電素子における前記圧電材料は、前記一般式(1)およびMn以外の成分(以下、副成分)を特性が変動しない範囲で含んでいてもよい。前記副成分は、前記一般式(1)で表現される金属酸化物100重量部に対してその合計が1.2重量部以下であることが好ましい。前記副成分が1.2重量部を超えると、前記圧電材料の圧電特性や絶縁特性が低下する恐れがある。また、前記副成分のうち前記Ba、Ca、Ti、Zr、Mn以外の金属元素の含有量は、前記圧電材料に対して酸化物換算で1.0重量部以下、または金属換算で0.9重量部以下であることが好ましい。本明細書中において「金属元素」とはSi、Ge、Sbのような半金属元素も含む。前記副成分のうち前記Ba、Ca、Ti、Zr、Mn以外の金属元素の含有量が、前記圧電材料に対して酸化物換算で1.0重量部、または金属換算で0.9重量部を超えると、前記圧電材料の圧電特性や絶縁特性が著しく低下する恐れがある。前記副成分のうち、Li、Na、Mg、Al元素の合計は、前記圧電材料に対して金属換算で0.5重量部以下であることが好ましい。前記副成分のうち、Li、Na、Mg、Al元素の合計が、前記圧電材料に対して金属換算で0.5重量部を超えると、焼結が不十分となる恐れがある。前記副成分のうち、Y、V元素の合計は、前記圧電材料に対して金属換算で0.2重量部以下であることが好ましい。前記副成分のうち、Y、V元素の合計が前記圧電材料に対して金属換算で0.2重量部を超えると、分極処理が困難になる恐れがある。
前記副成分の例として、SiやCuといった焼結助剤が挙げられる。また、BaおよびCaの市販原料に不可避成分として含まれる程度のSrは、本発明の圧電材料に含んでいてもよい。同じく、Tiの市販原料に不可避成分として含まれる程度のNbと、Zrの市販原料に不可避成分として含まれる程度のHfは、本発明の圧電材料に含んでいてもよい。
前記副成分の重量部を測定する手段は特に限定されない。手段としては、X線蛍光分析、ICP発光分光分析、原子吸光分析などが挙げられる。
本発明に係る圧電素子における前記圧電材料は、前記圧電材料を構成する結晶粒の平均円相当径が1μm以上10μm以下であることが好ましい。平均円相当径をこの範囲にすることによって、本発明の前記圧電材料は、良好な圧電特性と機械的強度を有することが可能となる。平均円相当径が1μm未満であると、圧電特性が充分でなくなる恐れがある。一方で、10μmより大きくなると機械的強度が低下する恐れがある。より好ましい範囲としては3μm以上8μm以下である。
本発明における「円相当径」とは、顕微鏡観察法において一般に言われる「投影面積円相当径」を表し、結晶粒の投影面積と同面積を有する真円の直径を表す。本発明において、この円相当径の測定方法は特に制限されない。例えば圧電材料の表面を偏光顕微鏡や走査型電子顕微鏡で撮影して得られる写真画像を画像処理して求めることができる。対象となる粒子径により最適倍率が異なるため、光学顕微鏡と電子顕微鏡を使い分けても構わない。材料の表面ではなく研磨面や断面の画像から円相当径を求めても良い。
本発明に係る圧電素子における前記圧電材料は、前記圧電材料の相対密度が93%以上100%以下であることが好ましい。
相対密度が93%より小さくなると、圧電特性や機械的品質係数が充分でなかったり、機械的強度が低下したりする恐れがある。
本発明に係る圧電素子における前記圧電材料は、前記圧電材料の主成分におけるxとyがそれぞれ0.125≦x≦0.175、0.055≦y≦0.090の範囲であり、かつ前記Mnの含有量が金属酸化物100重量部に対して金属換算で0.02重量部以上0.10重量部以下であることが好ましい。
この組成範囲の圧電材料を用いた圧電素子は、光ピックアップ用アクチュエータや液体吐出ヘッドといった変位型アクチュエータ(ソフト系デバイスともいう)に特に好適である。Caのモル比を表わすxの範囲が0.125より小さくなると、耐久性が悪くなる恐れがある。一方、xの範囲が0.175より大きくなると圧電歪が小さくなる恐れがある。好ましくは、0.140≦x≦0.175である。また、Zrのモル比を表わすyの範囲が0.055より小さくなると圧電歪が小さくなる恐れがある。一方、yの範囲が0.09より大きくなると、キュリー温度が低下するため、素子の実用温度領域が狭くなる恐れがある。好ましくは0.055≦y≦0.075である。さらに、Mnの含有量は0.02重量部より小さいと、分極処理が充分でない恐れがあり、0.10重量部より大きいと、圧電歪が小さくなる恐れがある。また、好ましいaの範囲は1.000≦a≦1.005である。
本発明に係る圧電素子における前記圧電材料は、前記圧電材料の主成分におけるxとyがそれぞれ0.155≦x≦0.300、0.041≦y≦0.069の範囲であり、かつ前記Mnの含有量が金属酸化物100重量部に対して金属換算で0.12重量部以上0.40重量部以下であることが好ましい。
この組成範囲の圧電材料を用いた圧電素子は、圧電センサ、圧電トランスや超音波モータといった共振デバイス(ハード系デバイスともいう)に特に好適である。Caのモル比を表わすxの範囲が0.155より小さくなると、機械的品質係数が小さくなる恐れがある。一方、xの範囲が0.300より大きくなると圧電歪が悪くなる恐れがある。好ましくは、0.160≦x≦0.300である。また、Zrのモル比を表わすyの範囲が0.041より小さくなると圧電歪が小さくなる恐れがある。一方、yの範囲が0.069より大きくなると、素子の実用温度領域が狭くなる恐れがある。好ましくは、0.045≦y≦0.069である。さらに、Mnの含有量は0.12重量部より小さいと、機械的品質係数が小さくなり、共振周波数でデバイス駆動する際に消費電力が増大する恐れがある。一方、Mnの含有量が0.40重量部より大きいと、圧電歪が小さくなり、デバイス駆動時により高い電圧を必要とする恐れがある。好ましくは、0.20重量部以上0.40重量部以下である。また、好ましいaの範囲は1.004≦a≦1.009である。
本発明に係る圧電素子における前記圧電材料の製造方法は特に限定されない。
圧電セラミックスを製造する場合は、構成元素を含んだ酸化物、炭酸塩、硝酸塩、蓚酸塩などの固体粉末を常圧化で焼結する一般的な手法を採用することができる。原料としては、Ba化合物、Ca化合物、Ti化合物、Zr化合物およびMn化合物といった金属化合物から構成される。
使用可能なBa化合物としては、酸化バリウム、炭酸バリウム、蓚酸バリウム、酢酸バリウム、硝酸バリウム、チタン酸バリウム、ジルコン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウムなどが挙げられる。
使用可能なCa化合物としては、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、蓚酸カルシウム、酢酸カルシウム、チタン酸カルシウム、ジルコン酸カルシウムなどが挙げられる。
使用可能なTi化合物としては、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、チタン酸カルシウムなどが挙げられる。
使用可能なZr化合物としては、酸化ジルコニウム、ジルコン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウムなどが挙げられる。
使用可能なMn化合物としては、炭酸マンガン、酸化マンガン、二酸化マンガン、酢酸マンガン、四酸化三マンガンなどが挙げられる。
また、本発明に係る圧電素子における前記圧電セラミックスのAサイトにおけるBaとCaのモル量とBサイトにおけるTiとZrのモル量との比を示すaを調整するための原料は特に限定されない。Ba化合物、Ca化合物、Ti化合物、Zr化合物のいずれでも効果は同じである。
本発明に係る圧電素子における前記圧電セラミックスの原料粉を造粒する方法は特に限定されないが、造粒粉の粒径をより均一に出来るという観点において、最も好ましい造粒方法はスプレードライ法である。
造粒する際に使用可能なバインダーの例としては、PVA(ポリビニルアルコール)、PVB(ポリビニルブチラール)、アクリル系樹脂が挙げられる。添加するバインダーの量は1重量部から10重量部が好ましく、成形体の密度が上がるという観点において2重量部から5重量部がより好ましい。
本発明に係る圧電素子における前記圧電セラミックスの焼結方法は特に限定されない。焼結方法の例としては、電気炉による焼結、ガス炉による焼結、通電加熱法、マイクロ波焼結法、ミリ波焼結法、HIP(熱間等方圧プレス)などが挙げられる。電気炉およびガスによる焼結は、連続炉であってもバッチ炉であっても構わない。
前記焼結方法におけるセラミックスの焼結温度は特に限定されないが、各化合物が反応し、充分に結晶成長する温度であることが好ましい。好ましい焼結温度としては、セラミックスの粒径を1μmから10μmの範囲にするという観点で、1200℃以上1550℃以下であり、より好ましくは1300℃以上1480℃以下である。上記温度範囲において焼結した圧電セラミックスは良好な圧電性能を示す。
焼結処理により得られる圧電セラミックスの特性を再現よく安定させるためには、焼結温度を上記範囲内で一定にして2時間以上24時間以下の焼結処理を行うとよい。また、二段階焼結法などの焼結方法を用いてもよいが、生産性を考慮すると急激な温度変化はない方法が好ましい。
前記圧電セラミックスは研磨加工した後に、1000℃以上の温度で熱処理することが好ましい。機械的に研磨加工されると、圧電セラミックスの内部には残留応力が発生するが、1000℃以上で熱処理することにより、残留応力が緩和し、圧電セラミックスの圧電特性がさらに良好になる。また、粒界部分に析出した炭酸バリウムなどの原料粉を排除する効果もある。熱処理の時間は特に限定されないが、1時間以上が好ましい。
前記圧電素子は一定方向に分極軸が揃っているものであると、より好ましい。分極軸が一定方向に揃っていることで前記圧電素子の圧電定数は大きくなる。前記圧電素子の分極方法は特に限定されない。分極処理は大気中で行ってもよいし、シリコーンオイル中で行ってもよい。分極をする際の温度は60℃から100℃の温度が好ましいが、素子を構成する圧電セラミックスの組成によって最適な条件は多少異なる。分極処理をするために印加する電界は800V/mmから2.0kV/mmが好ましい。
前記圧電素子の圧電定数および機械的品質係数は、市販のインピーダンスアナライザーを用いて得られる共振周波数及び反共振周波数の測定結果から、電子情報技術産業協会規格(JEITA EM−4501)に基づいて、計算により求めることができる。以下、この方法を共振−反共振法と呼ぶ。
(積層圧電素子)
次に、本発明の積層圧電素子について説明する。
本発明の積層圧電素子は、圧電材料層と、内部電極を含む電極とが交互に積層された積層圧電素子であって、前記圧電材料層が下記一般式(1):
一般式(1) (Ba1−xCa(Ti1−yZr)O(1.00≦a≦1.01、0.02≦x≦0.30、0.020≦y≦0.095であり、かつy≦x)
で表わされるペロブスカイト型金属酸化物を主成分とし、前記金属酸化物にMnが含有されており、前記Mnの含有量が前記金属酸化物100重量部に対して金属換算で0.02重量部以上0.40重量部以下の圧電材料によって構成されることを特徴とする。
図5は本発明の積層圧電素子の構成の一実施形態を示す断面概略図である。本発明に係る積層圧電素子は、圧電材料層54と、内部電極55を含む電極とで構成されており、圧電材料層と層状の電極とが交互に積層された積層圧電素子であって、前記圧電材料層54が上記の圧電材料よりなることを特徴とする。電極は、内部電極55以外に第一の電極51や第二の電極53といった外部電極を含んでいても良い。
図5(a)は2層の圧電材料層54と1層の内部電極55が交互に積層され、その積層構造体を第一の電極51と第二の電極53で狭持した本発明の積層圧電素子の構成を示しているが、図5(b)のように圧電材料層と内部電極の数を増やしてもよく、その層数に限定はない。図5(b)の積層圧電素子は9層の圧電材料層504と8層の内部電極505が交互に積層され、その積層構造体を第一の電極501と第二の電極503で狭持した構成であり、交互に形成された内部電極を短絡するための外部電極506aおよび外部電極506bを有する。
内部電極55、505および外部電極506a、506bの大きさや形状は必ずしも圧電材料層54、504と同一である必要はなく、また複数に分割されていてもよい。
内部電極55、505および外部電極506a、506bは、厚み5nmから2000nm程度の導電層よりなる。その材料は特に限定されず、圧電素子に通常用いられているものであればよい。例えば、Ti、Pt、Ta、Ir、Sr、In、Sn、Au、Al、Fe、Cr、Ni、Pd、Ag、Cuなどの金属およびこれらの化合物を挙げることができる。内部電極55、505および外部電極506a、506bは、これらのうちの1種からなるものであっても2種以上の混合物あるいは合金であってもよく、あるいはこれらの2種以上を積層してなるものであってもよい。また複数の電極が、それぞれ異なる材料であっても良い。電極材料が安価という観点において、内部電極55、505はNiを主成分とすることが好ましい。
図5(b)に示すように、内部電極505を含む複数の電極は、駆動電圧の位相をそろえる目的で互いに短絡させても良い。例えば内部電極505、第一の電極501、第二の電極503を交互に短絡させる構成が挙げられる。また電極どうしの短絡の形態は限定されない。積層圧電素子の側面に短絡のための電極や配線を設けてもよいし、圧電材料層504を貫通するスルーホールを設け、その内側に導電材料を設けて電極どうしを短絡させてもよい。
本発明に係る積層圧電素子の製造方法は、特に限定されないが、以下にその作製方法を例示する。一例として、少なくともBa、Ca、Ti、ZrおよびMnを含んだ金属化合物粉体を分散させてスラリーを得る工程(A)と、前記スラリーを基材上に設置し成形体を得る工程(B)と、前記成形体に電極を形成する工程(C)と前記電極が形成された成形体を焼結して、積層圧電素子を得る工程(D)とを有する方法を説明する。
本明細書における粉体とは、固形粒子の集合体を意図している。Ba、Ca、Ti、Zr、Mnを同時に含んだ粒子の集合体であっても良いし、任意の元素を含んだ複数種類の粒子の集合体であっても良い。
前記工程(A)における金属化合物粉体としては、Ba化合物、Ca化合物、Ti化合物、Zr化合物およびMn化合物をあげることができる。使用可能なBa化合物としては、酸化バリウム、炭酸バリウム、蓚酸バリウム、酢酸バリウム、硝酸バリウム、チタン酸バリウム、ジルコン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウムなどが挙げられる。
使用可能なCa化合物としては、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、蓚酸カルシウム、酢酸カルシウム、チタン酸カルシウム、ジルコン酸カルシウム、チタン酸ジルコン酸カルシウムなどが挙げられる。
使用可能なTi化合物としては、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、チタン酸カルシウムなどが挙げられる。
使用可能なZr化合物としては、酸化ジルコニウム、ジルコン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウムなどが挙げられる。
使用可能なMn化合物としては、炭酸マンガン、酸化マンガン、二酸化マンガン、酢酸マンガン、四酸化三マンガンなどが挙げられる。
前記工程(A)におけるスラリーの作成方法を例示する。前記金属化合物粉の1.6〜1.7倍の重量の溶媒を加え、混合する。溶媒には、例えば、トルエン、エタノール、または、トルエンとエタノールの混合溶媒、酢酸n−ブチル、水を用いることができる。ボールミルで24時間混合した後にバインダーと可塑剤を加える。バインダーとしてはPVA(ポリビニルアルコール)、PVB(ポリビニルブチラール)、アクリル系樹脂が挙げられる。バインダーにPVBを用いる場合、溶媒とPVBの重量比は例えば88:12となるように秤量する。可塑剤としてはジオクチルセバケート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレートが挙げられる。可塑剤にジブチルフタレートを用いる場合、バインダーと等重量を秤量する。そして、再度ボールミルを一晩行う。スラリーの粘度が、300〜500mPa・sとなるように溶媒やバインダーの量を調整する。
前記工程(B)における成形体とは、前記金属化合物粉、バインダーと可塑剤のシート形状の混合物である。前記工程(B)における成形体を得る方法としては、例えば、シート成形がある。シート成形には、例えば、ドクターブレード法を用いることができる。ドクターブレード法とは、ドクターブレードを用いて、前記スラリーを前記基材上に塗布し、乾燥させることで、シート形状の成形体を形成する方法である。基材としては、例えば、ペットフィルムを用いることができる。ペットフィルムのスラリーを設置する面には例えばフッ素コートすると成形体を剥離するのが容易になるので望ましい。乾燥は自然乾燥でも熱風乾燥でもよい。前記成形体の厚みは特に制限されることはなく、積層圧電素子の厚みに合わせて調整することができる。成形体の厚みは例えばスラリーの粘度を高くすると厚くすることができる。
前記工程(C)における電極すなわち内部電極505および外部電極506a、506bの製造方法は限定されず、金属ペーストの焼き付けにより形成しても良いし、スパッタ、蒸着法、印刷法などにより形成してもよい。駆動電圧を小さくする目的で、圧電材料層504の層厚およびピッチ間隔を小さくすることがある。その際には圧電材料層504の前駆体と内部電極505を含む積層体を形成した後に、前記積層体を同時に焼成するプロセスが選択される。その場合には、圧電材料層504の焼結に必要な温度により形状変化や導電性劣化を起こさないような内部電極の素材が求められる。Ag、Pd、Au、Cu、NiといったPtと比べて低融点かつ安価である金属又はその合金を内部電極5および外部電極506a、506bに用いることができる。ただし、外部電極506a、506bは、前記積層体の焼成後に設けても良く、その場合はAg、Pd、Cu、Niに加え、Alや炭素系電極材料を使用する事ができる。
前記電極の形成方法としてはスクリーン印刷法が望ましい。スクリーン印刷法とは基材上に設置された成形体上に、スクリーン版を設置した上から、ヘラを用いて、金属ペーストを塗布する方法である。前記スクリーン版には少なくとも一部にスクリーンメッシュが形成されている。よって、前記スクリーンメッシュの形成されている部分の金属ペーストが成形体上に塗布される。前記スクリーン版中のスクリーンメッシュは、パターンが形成されていていることが望ましい。金属ペーストを用いて前記パターンを前記成形体に転写することで、前記成形体上に電極をパターニングすることができる。
前記工程(C)における電極を形成後、前記基材から剥離した後に、前記成形体を一枚または複数枚積み重ね圧着する。圧着方法としては、一軸加圧加工、冷間静水圧加工と温間静水圧加工が挙げられる。温間静水圧加工は等方的に均一に圧力をかけることができるので、望ましい。圧着中にバインダーのガラス転移点温度近傍まで加熱するとより良好に圧着できるので望ましい。前記成形体は所望の厚さになるまで複数枚積みかさねて圧着することができる。例えば、前記成形体を10〜100層積み重ねた後に、50〜80℃で10〜60MPaの圧力を積層方向に10秒から10分かけて熱圧着することで、前記成形体を積層することができる。また、電極にアライメントマークを付けることで、複数枚の成形体をアライメントして精度よく積み重ねることができる。もちろん、位置決め用のスルーホールを成形体に設けることでも精度よく積み重ねることができる。
前記工程(D)における成形体の焼結温度は特に限定されないが、各化合物が反応し、充分に結晶成長する温度であることが好ましい。好ましい焼結温度としては、セラミックスの粒径を1μmから10μmの範囲にするという観点で、1200℃以上1550℃以下であり、より好ましくは1300℃以上1480℃以下である。上記温度範囲において焼結した積層圧電素子は良好な圧電性能を示す。
前記工程(C)において電極にNiを主成分とした材料を用いたときは、工程(D)を雰囲気焼成が可能な炉で行うことが好ましい。大気雰囲気中においてバインダーを200℃から600℃の温度で燃焼除去した後に、還元性雰囲気に変えて1200℃から1550℃の温度で焼結する。ここで還元性雰囲気とは、主に水素(H)と窒素(N)の混合気体から成る雰囲気のことをいう。水素と窒素の体積割合は、H:N=1:99からH:N=10:90の範囲が好ましい。また、前記混合気体には酸素が含まれていても良い。その酸素濃度は、10−12Pa以上10−4Pa以下である。より好ましくは10−8Pa以上10−5Pa以下である。酸素濃度はジルコニアの酸素濃度計で測定可能である。Ni電極を用いることにより、本発明の積層圧電素子は安価に製造することが可能となる。還元性雰囲気で焼成した後に、600℃まで降温し、雰囲気を大気雰囲気(酸化性雰囲気)におきかえて、酸化処理を行うことが好ましい。焼成炉から取り出した後に、内部電極の端部が露出する素体の側面に導電性ペーストを塗布して乾燥し、外部電極を形成する。
(液体吐出ヘッド)
本発明に係る液体吐出ヘッドは、前記圧電素子または前記積層圧電素子を配した振動部を備えた液室と連通する吐出口を少なくとも有することを特徴とする。
図2は、本発明の液体吐出ヘッドの構成の一実施態様を示す概略図である。図2(a)(b)に示すように、本発明の液体吐出ヘッドは、本発明の圧電素子101を有する液体吐出ヘッドである。圧電素子101は、第一の電極1011、圧電材料1012、第二の電極1013を少なくとも有する圧電素子である。圧電材料1012は、図2(b)の如く、必要に応じてパターニングされている。
図2(b)は液体吐出ヘッドの模式図である。液体吐出ヘッドは、吐出口105、個別液室102、個別液室102と吐出口105をつなぐ連通孔106、液室隔壁104、共通液室107、振動板103、圧電素子101を有する。図において圧電素子101は矩形状だが、その形状は、楕円形、円形、平行四辺形等の矩形以外でも良い。一般に、圧電材料1012は個別液室102の形状に沿った形状となる。
本発明の液体吐出ヘッドに含まれる圧電素子101の近傍を図2(a)で詳細に説明する。図2(a)は、図2(b)に示された圧電素子の幅方向での断面図である。圧電素子101の断面形状は矩形で表示されているが、台形や逆台形でもよい。
図中では、第一の電極1011が下部電極、第二の電極1013が上部電極として使用されている。しかし、第一の電極1011と、第二の電極1013の配置はこの限りではない。例えば、第一の電極1011を下部電極として使用しても良いし、上部電極として使用しても良い。同じく、第二の電極1013を上部電極として使用しても良いし、下部電極として使用しても良い。また、振動板103と下部電極の間にバッファ層108が存在しても良い。なお、これらの名称の違いはデバイスの製造方法によるものであり、いずれの場合でも本発明の効果は得られる。
前記液体吐出ヘッドにおいては、振動板103が圧電材料1012の伸縮によって上下に変動し、個別液室102の液体に圧力を加える。その結果、吐出口105より液体が吐出される。本発明の液体吐出ヘッドは、プリンタ用途や電子デバイスの製造に用いる事が出来る。
振動板103の厚みは、1.0μm以上15μm以下であり、好ましくは1.5μm以上8μm以下である。振動板の材料は限定されないが、好ましくはSiである。振動板のSiにホウ素やリンがドープされていても良い。また、振動板上のバッファ層、電極が振動板の一部となっても良い。バッファ層108の厚みは、5nm以上300nm以下であり、好ましくは10nm以上200nm以下である。吐出口105の大きさは、円相当径で5μm以上40μm以下である。吐出口105の形状は、円形であっても良いし、星型や角型状、三角形状でも良い。
(液体吐出装置)
次に、本発明の液体吐出装置について説明する。本発明の液体吐出装置は、前記液体吐出ヘッドを有するものである。
本発明の液体吐出装置の一例として、図6および図7に示すインクジェット記録装置を挙げることができる。図6に示す液体吐出装置(インクジェット記録装置)881の外装882〜885及び887を外した状態を図7に示す。インクジェット記録装置881は、記録媒体としての記録紙を装置本体896内へ自動給送する自動給送部897を有する。更に、自動給送部897から送られる記録紙を所定の記録位置へ導き、記録位置から排出口898へ導く搬送部899と、記録位置に搬送された記録紙に記録を行う記録部891と、記録部891に対する回復処理を行う回復部890とを有する。記録部891には、本発明の液体吐出ヘッドを収納し、レール上を往復移送されるキャリッジ892が備えられる。
このようなインクジェット記録装置において、コンピューターから送出される電気信号によりキャリッジ892がレール上を移送され、圧電材料を挟持する電極に駆動電圧が印加されると圧電材料が変位する。この圧電材料の変位により、図3(b)に示す振動板103を介して個別液室102を加圧し、インクを吐出口105から吐出させて、印字を行う。
本発明の液体吐出装置においては、均一に高速度で液体を吐出させることができ、装置の小型化を図ることができる。
上記例は、プリンタとして例示したが、本発明の液体吐出装置は、ファクシミリや複合機、複写機などのインクジェット記録装置等のプリンティング装置の他、産業用液体吐出装置、対象物に対する描画装置として使用することができる。
(超音波モータ)
本発明に係る超音波モータは、前記圧電素子または前記積層圧電素子を配した振動体と接触する移動体とを少なくとも有することを特徴とする。
図3は、本発明の超音波モータの構成の一実施態様を示す概略図である。本発明の圧電素子が単板からなる超音波モータを、図3(a)に示す。超音波モータは、振動子201、振動子201の摺動面に不図示の加圧バネによる加圧力で接触しているロータ202、ロータ202と一体的に設けられた出力軸203を有する。前記振動子201は、金属の弾性体リング2011、本発明の圧電素子2012、圧電素子2012を弾性体リング2011に接着する有機系接着剤2013(エポキシ系、シアノアクリレート系など)で構成される。本発明の圧電素子2012は、不図示の第一の電極と第二の電極によって挟まれた圧電材料で構成される。
本発明の圧電素子に位相がπ/2異なる二相の交流電圧を印加すると、振動子201に屈曲進行波が発生し、振動子201の摺動面上の各点は楕円運動をする。この振動子201の摺動面にロータ202が圧接されていると、ロータ202は振動子201から摩擦力を受け、屈曲進行波とは逆の方向へ回転する。不図示の被駆動体は、出力軸203と接合されており、ロータ202の回転力で駆動される。圧電材料に電圧を印加すると、圧電横効果によって圧電材料は伸縮する。金属などの弾性体が圧電素子に接合している場合、弾性体は圧電材料の伸縮によって曲げられる。ここで説明された種類の超音波モータは、この原理を利用したものである。
次に、積層構造を有した圧電素子を含む超音波モータを図3(b)に例示する。振動子204は、筒状の金属弾性体2041に挟まれた積層圧電素子2042よりなる。積層圧電素子2042は、不図示の複数の積層された圧電材料により構成される素子であり、積層外面に第一の電極と第二の電極、積層内面に内部電極を有する。金属弾性体2041はボルトによって締結され、圧電素子2042を挟持固定し、振動子204となる。
圧電素子2042に位相の異なる交流電圧を印加することにより、振動子204は互いに直交する2つの振動を励起する。この二つの振動は合成され、振動子204の先端部を駆動するための円振動を形成する。なお、振動子204の上部にはくびれた周溝が形成され、駆動のための振動の変位を大きくしている。ロータ205は、加圧用のバネ206により振動子204と加圧接触し、駆動のための摩擦力を得る。ロータ205はベアリングによって回転可能に支持されている。
(光学機器)
次に、本発明の光学機器について説明する。本発明の光学機器は、駆動部に前記超音波モータを備えたことを特徴とする。
図8は、本発明の撮像装置の好適な実施形態の一例である一眼レフカメラの交換レンズ鏡筒の主要断面図である。また、図9は本発明の撮像装置の好適な実施形態の一例である一眼レフカメラの交換レンズ鏡筒の分解斜視図である。カメラとの着脱マウント711には、固定筒712と、直進案内筒713、前群鏡筒714が固定されている。これらは交換レンズ鏡筒の固定部材である。
直進案内筒713には、フォーカスレンズ702用の光軸方向の直進案内溝713aが形成されている。フォーカスレンズ702を保持した後群鏡筒716には、径方向外方に突出するカムローラ717a、717bが軸ビス718により固定されており、このカムローラ717aがこの直進案内溝713aに嵌まっている。
直進案内筒713の内周には、カム環715が回動自在に嵌まっている。直進案内筒713とカム環715とは、カム環715に固定されたローラ719が、直進案内筒713の周溝713bに嵌まることで、光軸方向への相対移動が規制されている。このカム環715には、フォーカスレンズ702用のカム溝715aが形成されていて、カム溝715aには、前述のカムローラ717bが同時に嵌まっている。
固定筒712の外周側にはボールレース727により固定筒712に対して定位置回転可能に保持された回転伝達環720が配置されている。回転伝達環720には、回転伝達環720から放射状に延びた軸720fにコロ722が回転自由に保持されており、このコロ722の径大部722aがマニュアルフォーカス環724のマウント側端面724bと接触している。またコロ722の径小部722bは接合部材729と接触している。コロ722は回転伝達環720の外周に等間隔に6つ配置されており、それぞれのコロが上記の関係で構成されている。
マニュアルフォーカス環724の内径部には低摩擦シート(ワッシャ部材)733が配置され、この低摩擦シートが固定筒712のマウント側端面712aとマニュアルフォーカス環724の前側端面724aとの間に挟持されている。また、低摩擦シート733の外径面はリング状とされマニュアルフォーカス環724の内径724cと径嵌合しており、更にマニュアルフォーカス環724の内径724cは固定筒712の外径部712bと径嵌合している。低摩擦シート733は、マニュアルフォーカス環724が固定筒712に対して光軸周りに相対回転する構成の回転環機構における摩擦を軽減する役割を果たす。
なお、コロ722の径大部722aとマニュアルフォーカス環のマウント側端面724aとは、波ワッシャ726が超音波モータ725をレンズ前方に押圧する力により、加圧力が付与された状態で接触している。また同じく、波ワッシャ726が超音波モータ725をレンズ前方に押圧する力により、コロ722の径小部722bと接合部材729の間も適度な加圧力が付与された状態で接触している。波ワッシャ726は、固定筒712に対してバヨネット結合したワッシャ732によりマウント方向への移動を規制されており、波ワッシャ726が発生するバネ力(付勢力)は、超音波モータ725、更にはコロ722に伝わり、マニュアルフォーカス環724が固定筒712のマウント側端面712aを押し付け力ともなる。つまり、マニュアルフォーカス環724は、低摩擦シート733を介して固定筒712のマウント側端面712aに押し付けられた状態で組み込まれている。
従って、不図示の制御部により超音波モータ725が固定筒712に対して回転駆動されると、接合部材729がコロ722の径小部722bと摩擦接触しているため、コロ722が軸720f中心周りに回転する。コロ722が軸720f回りに回転すると、結果として回転伝達環720が光軸周りに回転する(オートフォーカス動作)。
また、不図示のマニュアル操作入力部からマニュアルフォーカス環724に光軸周りの回転力が与えられると、マニュアルフォーカス環724のマウント側端面724bがコロ722の径大部722aと加圧接触しているため、摩擦力によりコロ722が軸720f周りに回転する。コロ722の径大部722aが軸720f周りに回転すると、回転伝達環720が光軸周りに回転する。このとき超音波モータ725は、ロータ725cとステータ725bの摩擦保持力により回転しないようになっている(マニュアルフォーカス動作)。
回転伝達環720には、フォーカスキー728が2つ互いに対向する位置に取り付けられており、フォーカスキー728がカム環715の先端に設けられた切り欠き部715bと嵌合している。従って、オートフォーカス動作或いはマニュアルフォーカス動作が行われて、回転伝達環720が光軸周りに回転させられると、その回転力がフォーカスキー728を介してカム環715に伝達される。カム環が光軸周りに回転させられると、カムローラ717aと直進案内溝713aにより回転規制された後群鏡筒716が、カムローラ717bによってカム環715のカム溝715aに沿って進退する。これにより、フォーカスレンズ702が駆動され、フォーカス動作が行われる。
ここで本発明の光学機器として、一眼レフカメラの交換レンズ鏡筒について説明したが、コンパクトカメラ、電子スチルカメラ等、カメラの種類を問わず、また、カメラ付き携帯情報端末なども本願発明の光学機器に含まれる。駆動部に超音波モータを有する光学機器に適用することができる。
(電子機器)
次に、本発明の電子機器について説明する。本発明の電子機器は、前記圧電素子または前記積層圧電素子を備えた圧電音響部品を配することを特徴とする。
圧電音響部品にはスピーカ、ブザー、マイク、表面弾性波(SAW)素子が含まれる。
図10は本発明の電子機器の好適な実施形態の一例であるデジタルカメラの本体931の前方から見た全体斜視図である。本体931の前面には光学装置901、マイク914、ストロボ発光部909、補助光部916が配置されている。マイク914は本体内部に組み込まれているため、破線で示している。マイク914の前方には外部からの音を拾うための穴形状が設けられている。
本体931上面には電源ボタン933、スピーカ912、ズームレバー932、合焦動作を実行するためのレリーズボタン908が配置される。スピーカ912は本体931内部に組み込まれており、破線で示してある。スピーカ912の前方には音声を外部へ伝えるための穴形状が設けられている。
本発明の圧電音響部品は、マイク914、スピーカ912、また表面弾性波素子、の少なくとも一つに用いられる。
ここで、本発明の電子機器としてデジタルカメラについて説明したが、本発明の電子機器は、音声再生機器、音声録音機器、携帯電話、情報端末等各種の圧電音響部品を有する電子機器にも適用することができる。
前述したように本発明の圧電素子および積層圧電素子は、液体吐出ヘッド、液体吐出装置、超音波モータ、光学機器および電子機器に好適に用いられる。
本発明の圧電素子および積層圧電素子を用いることで、鉛を含む圧電素子を用いた場合と同等以上のノズル密度、および吐出力を有する液体吐出ヘッドを提供出来る。
本発明の液体吐出ヘッドを用いることで、鉛を含む圧電素子を用いた場合と同等以上の吐出力および吐出精度を有する液体吐出装置を提供出来る。
本発明の圧電素子および積層圧電素子を用いることで、鉛を含む圧電素子を用いた場合と同等以上の駆動力、および耐久性を有する超音波モータを提供出来る。
本発明の超音波モータを用いることで、鉛を含む圧電素子を用いた場合と同等以上の耐久性および動作精度を有する光学機器を提供出来る。
本発明の圧電素子または積層圧電素子を備えた圧電音響部品を用いることで、鉛を含む圧電素子を用いた場合と同等以上の発音性を有する電子機器を提供出来る。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。
本発明の圧電素子に用いる圧電セラミックスを作製した。
(製造例1)
平均粒径100nmのチタン酸バリウム(堺化学工業製:BT−01)、平均粒径300nmのチタン酸カルシウム(堺化学工業製:CT−03)、平均粒径300nmのジルコン酸カルシウム(堺化学工業製:CZ−03)をモル比で90.5対6.5対3.0になるように秤量した。また、AサイトにおけるBaとCaのモル量とBサイトにおけるTiとZrのモル量との比を示すaを調整するために蓚酸バリウムを0.008mol添加した。これらの秤量粉は、ボールミルを用いて24時間の乾式混合によって混合した。得られた混合粉を造粒するために、混合粉に対してMn重量が金属換算で0.08重量部となる酢酸マンガン(II)と混合粉に対して3重量部となるPVAバインダーを、それぞれスプレードライヤー装置を用いて、混合粉表面に付着させた。
次に、得られた造粒粉を金型に充填し、プレス成型機を用いて200MPaの成形圧をかけて円盤状の成形体を作製した。この成形体は冷間等方加圧成型機を用いて、更に加圧しても構わない。
得られた成形体を電気炉に入れ、1400℃の最高温度で5時間保持し、合計24時間かけて大気雰囲気で焼結した。
そして、得られたセラミックスを構成する結晶粒の平均円相当径と相対密度を評価した。結果、平均円相当径は6.2μm、相対密度は94.9%であった。なお、結晶粒の観察には、主に偏光顕微鏡を用いた。小さな結晶粒の粒径を特定する際には、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた。この観察結果より平均円相当径を算出した。また、相対密度はアルキメデス法を用いて評価した。
次に、得られたセラミックスを厚さ0.5mmになるように研磨し、X線回折により結晶構造を解析した。その結果、ペロブスカイト構造に相当するピークのみが観察された。
また、蛍光X線分析により組成を評価した。その結果、(Ba0.905Ca0.0951.002(Ti0.97Zr0.03)Oの化学式で表わすことができる組成にMnが0.08重量部含有されていることが分かった。これは秤量した組成と焼結後の組成が一致していることを意味する。また、Ba、Ca、Ti、ZrおよびMn以外の元素は検出限界以下の量であり、0.1重量部未満であった。
さらに、結晶粒の観察を再度行ったが、研磨前後で、平均円相当径に大きな違いは無かった。
(製造例2から52と72および73)
平均粒径100nmのチタン酸バリウム(堺化学工業製:BT−01)、平均粒径300nmのチタン酸カルシウム(堺化学工業製:CT−03)、平均粒径300nmのジルコン酸カルシウム(堺化学工業製:CZ−03)を表1に示すモル比になるように秤量した。また、AサイトにおけるBaとCaのモル量とBサイトにおけるTiとZrのモル量との比を示すaを調整するために蓚酸バリウムを表1の値になるように秤量した。これらの秤量粉は、ボールミルを用いて24時間の乾式混合によって混合した。なお、製造例48には副成分としてSiを酸化物換算で合計0.8重量部、製造例52には、SiとCuを酸化物換算で合計1.0重量部になるように混合した。得られた混合粉は、造粒するために、その表面にMn重量が金属換算で表1の重量部になるように酢酸マンガン(II)を、混合粉に対し3重量部になるようにバインダーとしてPVAを、それぞれスプレードライヤー装置を用いて付着させた。
次に、得られた造粒粉を金型に充填し、プレス成型機を用いて200MPaの成形圧をかけて円盤状の成形体を作製した。この成形体は冷間等方加圧成型機を用いて、更に加圧しても構わない。
得られた成形体を電気炉に入れ、1350℃から1480℃の最高温度で5時間保持し、合計24時間かけて大気雰囲気で焼結した。最高温度はCaの量が多くなるほど高くした。
そして、得られたセラミックスを構成する結晶粒の平均円相当径と相対密度を評価した。その結果を表2に示す。なお、結晶粒の観察には、主に偏光顕微鏡を用いた。小さな結晶粒の粒径を特定する際には、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた。この観察結果より平均円相当径を算出した。また、相対密度はアルキメデス法を用いて評価した。
次に、得られたセラミックスを厚さ0.5mmになるように研磨し、X線回折により結晶構造を解析した。その結果、いずれのサンプルにおいてもペロブスカイト構造に相当するピークのみが観察された。
また、蛍光X線分析により組成を評価した。その結果を表3に示す。表中の副成分とは、Ba、Ca、Ti、ZrおよびMn以外の元素のことであり、0は検出限界以下であり、0.1重量部未満であったことを意味する。これより、いずれのサンプルにおいても秤量した組成と焼結後の組成は一致していることが分かった。
さらに、結晶粒の観察を再度行ったが、焼結後と研磨後において、結晶粒のサイズや状態に大きな違いは無かった。
(比較用の製造例53から71)
製造例1から52と72および73と同様の原料粉に加え、平均粒径300nmであるジルコン酸バリウム(日本化学工業製)を用いて、表1に示すモル比になるように秤量し、ボールミルを用いて乾式混合を24時間行った。なお、製造例65にはYとVを酸化物換算で合計2.1重量部になるように混合した。得られた混合粉は、造粒するために、その表面にMn重量が金属換算で表1の重量部になるようにMn重量になるように酢酸マンガン(II)を、混合粉に対し3重量部になるようにバインダーとしてPVAを、それぞれスプレードライヤー装置を用いて付着させた。
得られた造粒粉を用いて、製造例2から52と72および73と同様の条件でセラミックスを作製した。そして、得られたセラミックスを構成する結晶粒の平均円相当径と相対密度を評価した。その結果を表2に示す。なお、結晶粒および相対密度の評価は製造例1から52と72および73と同様の手法で行った。
次に、得られたセラミックスを厚さ0.5mmになるように研磨し、X線回折により結晶構造を解析した。その結果、いずれのサンプルにおいてもペロブスカイト構造に相当するピークのみが観察された。
また、蛍光X線分析により組成を評価した。その結果を表3に示す。これより、いずれのサンプルにおいても秤量した組成と焼結後の組成は一致していることが分かった。
また、製造例1から73の圧電セラミックスのx値とy値の関係を図4に示す。点線の範囲はペロブスカイト型金属酸化物を表す一般式(1)におけるx、yの範囲を示す。
Figure 0006080397
Figure 0006080397
Figure 0006080397
Figure 0006080397

Figure 0006080397

Figure 0006080397
(圧電素子の作製と静特性評価)
(実施例1から54)
続いて、製造例1から52と72および73のセラミックスを用いて実施例1から54の圧電素子を作製した。
前記円盤状のセラミックスの表裏両面にDCスパッタリング法により厚さ400nmの金電極を形成した。なお、電極とセラミックスの間には、密着層として30nmのチタンを成膜した。この電極付きのセラミックスを切断加工し、10mm×2.5mm×0.5mmの短冊状圧電素子を作製した。
得られた圧電素子を、ホットプレートの表面を60℃から100℃になるように設定し、前記ホットプレート上で1kV/mmの電界を30分間印加し、分極処理した。
圧電素子の静特性として、分極処理した圧電素子のキュリー温度、誘電損失、圧電定数d31及び機械的品質係数(Qm)を評価した。その結果を表4に示す。なお機械的品質係数は説明のため表6に示した。キュリー温度は、周波数1kHzの微小交流電界を用いて測定温度を変えながら誘電率を測定し誘電率が極大を示す温度から求めた。このとき同時に誘電損失も測定した。また、圧電定数d31は共振−反共振法によって求め、表中にはその絶対値を記載した。
表4には、BaとCaのモル量とTi、ZrおよびMnのモル量との比も記載した。また、表中の「×」は、評価が実施できなかったことを意味する。
Figure 0006080397
Figure 0006080397
実施例のサンプルはいずれも圧電定数d31が55[pC/N]以上であり、かつ誘電損失が0.4%以下であった。また、表に記載していないがベルリンコート法を原理とするd33メーターを用いて圧電定数d33を測定したところ、いずれのサンプルにおいても110[pC/N]以上であった。
ここで、xの範囲が0.125≦x≦0.175かつyの範囲が0.055≦y≦0.090である実施例10と11、実施例12と13、実施例19と20および実施例21と22を比較する。いずれの組み合わせもx、yおよびMn含有量が同じ組成であるが、aの値が小さい実施例11、13、19および21の方が圧電定数と誘電損失ともに優れていた。また、実施例11、13、19および21のBaとCaのモル量とTi、ZrおよびMnのモル量との比は、0.996以上0.999以下であった。
次に、xの範囲が0.155≦x≦0.300かつyの範囲が0.041≦y≦0.069である実施例28と29、実施例30と31、実施例38と39および実施例40と41を比較する。いずれの組み合わせもx、yおよびMn含有量が同じ組成であるが、aの値が小さい実施例29、31、39および41の方が圧電定数と誘電損失ともに優れていた。また、実施例29、31、39および41のBaとCaのモル量とTi、ZrおよびMnのモル量との比は、0.993以上0.998以下であった。
また、全ての実施例において、電極を銀ペーストの焼き付けに変更しても、金電極との同等の特性であった。
(比較例1から19)
次に、製造例53から71のセラミックスを用いて比較例1から19の圧電素子を作製した。
素子の作製と評価は実施例1から54と同様の方法で行った。
比較例1と15は、Mnを含有していないため誘電損失が0.9%〜1.1%と高くなった。比較例3、5、7および9はZrを含有していないため圧電定数d31が41[pC/N]以下と低くなった。比較例4、6、8および10はZrが15%と多量に含有するため、キュリー温度が60℃と低くなり、圧電素子として使用できる温度が狭くなった。比較例11はCaが32%(x=0.32)と多量に含有するため、焼結が充分に進まず粒成長が不十分であったため、圧電定数が小さく、かつ誘電損失も大きくなった。比較例12はaの値が0.980と小さく、粒径が30μmより大きく成長する異常粒成長がみられたため、キュリー温度以外の静特性の評価を実施できなかった。比較例12のサンプルに用いられた圧電材料を構成する結晶粒の平均円相当径は作成した短冊状圧電素子の厚み(0.5mm=500μm)と比べてかなり大きいため、圧電材料にへき開が生じやすく素子としての機械的強度が著しく不十分だった。比較例13は副成分として、YとVを合わせて2.1重量部含有していたため、圧電定数d31が36[pC/N]と値が小さくなった。比較例14はaの値が1.030と大きく、焼結が充分に進まず粒成長が不十分であったため、圧電定数d31が20[pC/N]と値が小さく、かつ誘電損失も0.9%と大きくなった。比較例16はMnを0.45重量部と多く含んでいたため、誘電損失は小さかったが、圧電定数が小さくなった。比較例17は粒径の平均円相当径が1μmより小さくなり、圧電定数が小さく、かつ誘電損失も大きくなった。比較例18は粒径の平均円相当径が100μmより大きく成長する異常粒成長がみられたため、比較例12のサンプルと同様の理由でキュリー温度以外の静特性の評価を実施できなかった。比較例19は相対密度が93%より低くなったため、圧電定数が小さく、かつ誘電損失も大きくなった。なお、比較例2の静特性は実施例のサンプルと遜色ない結果であった。比較例2は、xの値が0.05、yの値が0.95であり、xおよびyのそれぞれの値は実施例のサンプルと同程度だが、y>xである点が実施例のサンプルと異なる。
(圧電素子の動特性評価)
以下では圧電素子の動特性として電圧印加を下記条件で100時間行った際の圧電定数の変化率、および消費電力の計測を行った。
実施例8から14、実施例18から22、実施例25、26と比較例1、4、19に関して、動特性評価を行った。圧電素子の動特性として、短冊状の素子に共振周波数から充分に離れた周波数110kHzの交流電圧100Vを100時間印加したあとの、圧電定数d31を評価し、その変化率を算出した。印加する前と印加した後の圧電定数の変化率を表5にまとめた。
Figure 0006080397
実施例のサンプルはいずれも圧電特性の変化率が5%以下であったのに対し、比較例のサンプルはいずれも10%以上の変化が生じた。比較例1と19は、誘電損失が大きく、電圧を印加した際の電気的な損失が大きかったことが原因だと考えられる。また、比較例4に関しては、キュリー温度が60℃と低かったため、電圧を印加したことにより素子が発熱した影響で脱分極が生じたと考えられる。すなわち、キュリー温度が85℃以上であり、誘電損失が0.4%以下でないと、素子として充分な駆動耐久性がないといえる。
さらに、以下で示すように圧電素子の動特性として、消費電力を評価した。また、実施例17、23、27から32、34、38から42、45、46、49から51および比較例2と15に関しては、共振−反共振法を用いて機械的品質係数を評価した。その結果を表6に示す。
続いて、短冊状の素子に共振周波数近傍(190kHz〜230kHz)の周波数の交流電圧を印加し、振動速度と素子の消費電力の関係を評価した。振動速度はレーザ―ドップラー振動計で、消費電力は電力計でそれぞれ測定をおこなった。そして、印加電圧と周波数を変化させ、振動速度が0.40m/sになるようしたときの消費電力の値を表6にまとめた。
Figure 0006080397
実施例のサンプルはいずれも消費電力が20[mW]以下であったのに対し、比較例のサンプルはいずれも50[mW]以上の消費電力が生じてしまった。比較例2、15ともに機械的品質係数が190以下と小さかったことがこの差の原因であると考えられ、共振周波数近傍で駆動する際には機械的品質係数の値が重要であり、400以上の値が必要となる。
(積層圧電素子の作製と評価)
(実施例55)
平均粒径100nmのチタン酸バリウム(堺化学工業製:BT−01)、平均粒径300nmのチタン酸カルシウム(堺化学工業製:CT−03)、平均粒径300nmのジルコン酸カルシウム(堺化学工業製:CZ−03)をモル比で84.0対10.1対5.9になるように秤量した。また、AサイトにおけるBaとCaのモル量とBサイトにおけるTiとZrのモル量との比を示すaを調整するために蓚酸バリウムを0.028mol添加した。これらの秤量粉に対して、Mn重量が金属換算で0.40重量部となる酸化マンガン(IV)と3重量部となるPVBバインダーを加えて混合した。この混合粉を用いて、ドクターブレード法によりシート形成して厚み50μmのグリーンシートを得た。
上記グリーンシートに内部電極用の導電ペーストを印刷した。導電ペーストには、Niペーストを用いた。導電ペーストを塗布したグリーンシートを9枚積層して、その積層体を熱圧着した。
熱圧着した積層体を管状炉中で焼成した。焼成は300℃まで大気中で行い、脱バインダーを行った後、雰囲気を還元性雰囲気(H:N=2:98、酸素濃度2×10−6Pa)に切り替え、1380℃で5時間保持した。降温過程においては、1000℃以下から酸素濃度を30Paに切り替えて室温まで冷却した。
このようにして得られた焼結体を10mm×2.5mmの大きさに切断した後にその側面を研磨し、内部電極を交互に短絡させる一対の外部電極(第一の電極と第二の電極)をAuスパッタにより形成し、図3(b)のような積層圧電素子を作製した。
得られた積層圧電素子の内部電極を観察したところ、電極材であるNiが圧電材料層と交互に形成されていた。得られた積層圧電素子を、ホットプレートの表面を60℃から100℃になるように設定し、前記ホットプレート上で1kV/mmの電界を30分間印加し、分極処理した。
得られた積層圧電素子の圧電特性を評価したところ、十分な絶縁性を有し、実施例54の圧電素子と同等の良好な圧電特性を得ることができた。
(比較例20)
実施例55と同様の工程で積層圧電素子を作製した。ただし、組成は製造例64と同様のものである。
得られた積層圧電素子の圧電材料層を観察したところ、結晶粒の粒径が20から30μmの大きさのもの複数個、観察された。そのため、素子の強度が非常に脆く、圧電特性を評価することが出来なかった。
(デバイスの作製と評価)
(実施例9による液体吐出ヘッド)
実施例9と同じ圧電素子を用いて、図2に示される液体吐出ヘッドを作製した。入力した電気信号に追随したインクの吐出が確認された。
(実施例9による液体吐出ヘッドを用いた液体吐出装置)
実施例9と同じ圧電素子を用いた図2に示される液体吐出ヘッドを用いて、図6に示される液体吐出装置を作製した。入力した電気信号に追随したインクの吐出が記録媒体上に確認された。
(実施例31による超音波モータ)
実施例31と同じ圧電素子を用いて、図3に示される超音波モータを作製した。交番電圧の印加に応じたモータの回転挙動が確認された。
(実施例31による超音波モータを用いたレンズ鏡筒)
実施例31と同じ圧電素子を用いた超音波モータを用いて、図8に示される光学機器を作製した。交番電圧の印加に応じたオートフォーカス動作が確認された。
(実施例31による圧電音響部品を用いた電子機器)
実施例31と同じ圧電素子を用いた圧電音響部品を用いて、図10に示される電子機器を作製した。交番電圧の印加に応じたスピーカ動作が確認された。
(実施例55による液体吐出ヘッド)
実施例55と同じ積層圧電素子を用いて、図2に示される液体吐出ヘッドを作製した。入力した電気信号に追随したインクの吐出が確認された。
(実施例55による液体吐出ヘッドを用いた液体吐出装置)
実施例55と同じ積層圧電素子を用いた図2に示される液体吐出ヘッドを用いて、図6に示される液体吐出装置を作製した。入力した電気信号に追随したインクの吐出が記録媒体上に確認された。
(実施例55による超音波モータ)
実施例55の積層圧電素子を用いて、図3(b)に示される超音波モータ作製した。交流電圧の印加に応じたモータの回転が確認された。
(実施例55による超音波モータを用いたレンズ鏡筒)
実施例55と同じ圧電素子を用いた超音波モータを用いて、図8に示される光学機器を作製した。交番電圧の印加に応じたオートフォーカス動作が確認された。
(実施例55による圧電音響部品を用いた電子機器)
実施例55と同じ圧電素子を用いた圧電音響部品を用いて、図10に示される電子機器を作製した。交番電圧の印加に応じたスピーカ動作が確認された。
本発明の圧電素子は、広い実用温度領域で安定に駆動し、環境に対しても負荷がなく、液体吐出ヘッド、超音波モータなど多くの圧電素子等の圧電材料を多く用いる機器にも問題なく利用することができる。
1 第一の電極
2 圧電材料
3 第二の電極
101 圧電素子
102 個別液室
103 振動板
104 液室隔壁
105 吐出口
106 連通孔
107 共通液室、
108 バッファ層
1011 第一の電極
1012 圧電材料
1013 第二の電極、
201 振動子
202 ロータ
203 出力軸
204 振動子
205 ロータ、
206 バネ
2011 弾性体リング
2012 圧電素子
2013 有機系接着剤、
2041 金属弾性体
2042 積層圧電素子
51 第一の電極
53 第二の電極
54 圧電材料層
55 内部電極
501 第一の電極
503 第二の電極
504 圧電材料層
505 内部電極
506a 外部電極
506b 外部電極
701 前群レンズ
702 後群レンズ(フォーカスレンズ)
711 着脱マウント
712 固定筒
713 直進案内筒
714 前群鏡筒
715 カム環
716 後群鏡筒、
717 カムローラ
718 軸ビス
719 ローラ
720 回転伝達環
722 コロ
724 マニュアルフォーカス環
725 超音波モータ
726 波ワッシャ
727 ボールレース
728 フォーカスキー
729 接合部材
732 ワッシャ
733 低摩擦シート
881 液体吐出装置
882 外装
883 外装
884 外装
885 外装
887 外装
890 回復部
891 記録部
892 キャリッジ
896 装置本体
897 自動給送部
898 排出口
899 搬送部
901 光学装置
908 レリーズボタン
909 ストロボ発光部
912 スピーカ
914 マイク
916 補助光部
931 本体
932 ズームレバー
933 電源ボタン

Claims (16)

  1. Ba,Ca,Ti,およびZrを含む酸化物、
    およびMn、
    含有する圧電材料であって、
    前記Baおよび前記Caの和に対する前記Caのモル比であるxが0.02≦x≦0.30であり、
    前記Tiおよび前記Zrの和に対する前記Zrのモル比であるyが、0.020≦y≦0.095であり、かつy≦xであり、
    前記Tiおよび前記Zrの和に対する前記Baおよび前記Caの和のモル比であるaが、1.00≦a≦1.01であり、
    前記酸化物100重量部に対する前記Mnの含有量は、金属換算で0.02重量部以上0.40重量部以下であり、
    前記圧電材料を構成する結晶粒の平均円相当径が1μm以上10.8μm以下であり、前記圧電材料の相対密度が91.8%以上100%以下であり、前記酸化物100重量部に対する前記酸化物およびMn以外の成分の含有量が、1.2重量部以下である圧電材料。
  2. 前記酸化物はペロブスカイト型構造である請求項1に記載の圧電材料。
  3. 前記酸化物は、
    下記一般式(1):
    一般式(1)(Ba1−xCa(Ti1−yZr)O(1.00≦a≦1.01、0.02≦x≦0.30、0.020≦y≦0.095であり、かつy≦x)で表わされる請求項1または2に記載の圧電材料。
  4. 前記圧電材料を構成する結晶粒の平均円相当径が1μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の圧電材料。
  5. 前記圧電材料の相対密度が93%以上100%以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の圧電材料。
  6. 前記圧電材料におけるxとyがそれぞれ0.125≦x≦0.175、0.055≦y≦0.09の範囲であり、かつ前記Mnの含有量が前記酸化物100重量部に対して金属換算で0.02重量部以上0.10重量部以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の圧電材料。
  7. 前記圧電材料におけるxとyがそれぞれ0.155≦x≦0.300、0.041≦y≦0.069の範囲であり、かつ前記Mnの含有量が前記酸化物100重量部に対して金属換算で0.12重量部以上0.40重量部以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の圧電材料。
  8. 前記圧電材料が含有するLi、Na、Mg、Alの合計は、前記圧電材料100重量部に対して金属換算で0.5重量部以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の圧電材料。
  9. 第一の電極、圧電材料部、第二の電極を少なくとも有する圧電素子であって、前記圧電材料部が請求項1乃至8のいずれか一項に記載の圧電材料を含有する圧電素子。
  10. 圧電材料層と、電極とが交互に積層された積層圧電素子であって、前記圧電材料層が請求項1乃至8のいずれか一項に記載の圧電材料を含有する積層圧電素子。
  11. 請求項9に記載の圧電素子または請求項10に記載の積層圧電素子を配した振動部を備えた液室と、前記液室と連通する吐出口を有する液体吐出ヘッド。
  12. 対象物の載置部と請求項11に記載の液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置。
  13. 請求項9に記載の圧電素子または請求項10に記載の積層圧電素子を配した振動体と、前記振動体と接触する移動体と、を有する超音波モータ。
  14. 駆動部に請求項13に記載の超音波モータを備えた光学機器。
  15. 請求項9に記載の圧電素子または請求項10に記載の積層圧電素子を備えた圧電音響部品。
  16. 請求項9に記載の圧電素子または請求項10に記載の積層圧電素子を配した電子機器。
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