JP2003010785A - 複合型圧電振動部品、及びその製造方法 - Google Patents

複合型圧電振動部品、及びその製造方法

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JP2003010785A JP2002021976A JP2002021976A JP2003010785A JP 2003010785 A JP2003010785 A JP 2003010785A JP 2002021976 A JP2002021976 A JP 2002021976A JP 2002021976 A JP2002021976 A JP 2002021976A JP 2003010785 A JP2003010785 A JP 2003010785A
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Keitaro Koroishi
圭太郎 頃石
Takeshi Suzuki
毅 鈴木
Masataka Araogi
正隆 新荻
Akihiro Iino
朗弘 飯野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多層金属膜が設けられた圧電部材と、弾性部
材とが、ろう材を介して接合された構造を有する複合型
圧電部品において、弾性部材の接合面のろう材に対する
親和性が考慮されていなかったため、振動減衰の影響に
よりミリメートルサイズの超小型の複合型圧電振動部品
においては所定の出力が得られないという問題があっ
た。 【解決手段】 圧電部材と、弾性部材とが、ろう材を介
して接合された構造を有する複合型圧電部品において、
圧電部材の表面に圧電部材と親和性の高い第一の密着
層、ろう材の拡散を防止する第一のバリア層、ろう材と
親和性の高い第一のろう付け層からなる第一の多層金属
膜と、弾性部材の表面に弾性部材と親和性の高い第二の
密着層、ろう材の拡散を防止する第二のバリア層、ろう
材と親和性の高い第二のろう付け層からなる第二の多層
金属膜とを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小型電子機器の駆
動源として利用される複合型圧電部品に関し、特に、固
有振動を利用するもので、さらにミリメートルサイズの
超小型サイズの複合型圧電部品に関する。
【0002】
【従来の技術】複合型圧電部品は、電気的エネルギーの
入力に対して高速応答の機械的エネルギーの出力が得ら
れる他、簡易構造であるため小型化が容易なことから、
小型電子機器における駆動源として利用されている。実
用的には、例えば、超音波モータとしてカメラのフォー
カス機構やアナログ腕時計のカレンダー等の可動部分の
駆動源として利用されている。その他複合型圧電部品と
しては、バイモルフ等の圧電アクチュエータ、センサ
ー、ブザー、スピーカー等が挙げられる。
【0003】従来、複合型圧電部品は、図8に示すよう
に、金属膜1が設けられた圧電部材2と弾性部材3とから
なり、両部材が接合剤4により張り合わされた基本構造
となっている。この構造により、圧電部材に交流電圧を
印加すると圧電部材が発振するとともに弾性部材が振動
する。さらに、印加する交流電圧の周波数を弾性部材の
固有振動数と合致させると弾性部材が固有振動すること
になる。これが固有振動を利用した複合型圧電部品であ
り、固有振動時には定常波を形成し、また運動変位量と
振動効率が極大となることから、特定方向の運動量を効
率良く取り出すことができる。
【0004】弾性部材と圧電部材の材料は、各部材の物
性により振動特性が異なってくるので、目的とする振動
特性に応じて選定される。接合剤にはエポキシ系の有機
接着剤等が用いられ、圧電部材上に設ける金属膜は銀
(または銀−パラジウム)等が用いられる。接着剤の場
合は、金属膜に関係なく全面で接合されるので、製造上
あるいは性能上の許す限り、圧電部材の金属膜は部分的
で良かった。
【0005】また、耐熱性や耐湿性を持たせる場合は、
接合剤にろう材等の無機材料を用いる。その際、圧電部
材上に設ける金属膜をろう材と親和性の高い材料にした
ものもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、小型電子機器の
さらなるダウンサイズ化にともない、それに搭載される
複合型圧電部品においてもダウンサイズ化が求められて
おり、そのサイズは、センチメートルサイズからさらに
小さいミリメートルサイズに至っている。このような状
況化の中で、従来の複合型圧電部品では以下のような問
題があった。
【0007】固有振動を利用した複合型圧電部品におい
て、その固有振動特性(共振周波数、波形、振動エネル
ギーの伝播効率等)は、部品の大部分を占める弾性部材
の物性値(物性値、形状、寸法等)を調整することで設
定する(設計も弾性部材の物性値を基準に行われる)。
しかし、実際には、圧電部材や接合剤など複数要素によ
り構成されているため、それら各構成要素の物性値(物
性値、形状、寸法等)も全体の固有振動特性を左右する
ことになる(例えば、部品の寸法ばらつきは複合型圧電
部品全体の固有振動特性のばらつきとなる)。そのた
め、実際に作製した複合型圧電部品の振動特性が予定と
異なり、所望の出力が得られない場合が多い。特に圧力
を加えずに圧電部材と弾性部材とを接合した場合には、
接合層が厚くなり、ほとんど所望の出力が得られない。
このような各構成要素の中でとりわけ接合部分は、機械
的振動の伝播経路でもあることから、その接合状態が全
体の固有振動特性に与える影響は極めて大きい。
【0008】特に弾性部材と圧電部材を接合して弾性部
材に強制的に撓み変位あるいは撓み振動を発生させる場
合、従来の接着剤による接合では接合部の弾性率が弾性
部材、圧電部材に比べ低く、圧電部材の変位を効率的に
弾性部材の変形に変換することができない。複合型圧電
部品の寸法が小さくなると、その固有振動数も高くなる
ため、その影響は更に大きくなる。そして、弾性部材を
介して圧電部材に駆動信号を加える場合にも、接合部で
のエネルギー損失が生じてしまう。
【0009】また、高温高湿環境下では、接着剤の性質
(弾性率、強度等)が低下してしまうため、複合型圧電
部品の使用できる環境も限られてしまう。更に、真空環
境で使用する場合には、接着剤から発生するガスが悪影
響を及ぼすおそれがあった。
【0010】接合剤にろう材等の無機材料を用いた場合
は、圧電部材の接合面に関しては金属膜をろう材と親和
性の高い材料にする等、ろう材との親和性が考慮されて
いたが、弾性部材の接合面に関してはろう材との親和性
が考慮されておらず、ただ単にろう付けするというもの
であったため、耐久性が低いという課題もあった。これ
は、弾性部材とろう材との反応性が低いため、接合界面
に微小ボイドが発生してしまうことによる。特に、接合
面全面に金属多層膜を施していない場合、接着剤と異な
り、その部分はろう材と接合されないため、振動の伝達
ロスの発生、スプリアス振動の発生が起こる。また、温
度サイクル等の熱による応力・歪みが金属多層膜の有る
部分と無い部分の境界に集中するため、その部分での複
合型圧電部品の破壊が生じるおそれもあった。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は上記課題
を解決し、ミリメートルサイズの複合型圧電部品におい
ても、所望の出力が得られ、また、高温・高湿において
使用した場合においても高い耐久性を有する複合型圧電
部品を提供するため、圧電部材と、弾性部材とが、ろう
材を介して接合された構造を有する複合型圧電部品にお
いて、圧電部材の表面に圧電部材と親和性の高い第一の
密着層、ろう材の拡散を防止する第一のバリア層、ろう
材と親和性の高い第一のろう付け層から構成される第一
の多層金属膜と、弾性部材の表面に弾性部材と親和性の
高い第二の密着層、ろう材の拡散を防止する第二のバリ
ア層、ろう材と親和性の高い第二のろう付け層から構成
される第二の多層金属膜とを設けたことを特徴とする。
【0012】また、第一のろう付け層と第二のろう付け
層とを同一の材料としたことを特徴とする。
【0013】また、第一の多層金属膜と第二の多層金属
膜とを同一の材料構成とした。
【0014】また、ろう付け時に圧電部材と弾性部材と
に圧力を加えて接合し、複合型圧電部品とした。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関して図面を参照
しつつ詳細に説明する。 (実施の形態1)図1(a)、(b)に本発明における
複合型圧電部品の実施形態の一例の構成図を示す。図1
(a)に示した複合型圧電部品は、圧電部材2と、弾性
部材3とが、ろう材5を介して接合された基本構造からな
り、改良点として、圧電部材の接合面に圧電部材と親和
性の高い第一の密着層6、ろう材の拡散を防止する第一
のバリア層7、ろう材と親和性の高い第一のろう付け層8
からなる第一の多層金属膜9と、弾性部材の接合面に弾
性部材と親和性の高い第二の密着層10、ろう材の拡散を
防止する第二のバリア層11、ろう材と親和性の高い第二
のろう付け層12からなる第二の多層金属膜13が設けられ
ている。
【0016】図では、第一の多層金属膜と第二の多層金
属膜は、圧電部材と弾性部材の接合面全面に設けられて
いるが、これに限るものではなく、接合面の一部に設け
ても良い。その場合、圧電部材と弾性部材の接合状態を
変えることで、全体の固有振動特性を調整することも可
能である。
【0017】第一、第二の多層金属膜は基本的にはそれ
ぞれ密着層、バリア層、ろう付け層の3層構成からなる
が、同一材料が複数層に対応する物性を有しているなら
2層以下の構成でもよい。例えば、密着層に用いた材料
がバリア層としての物性も有しているなら、新たにバリ
ア層を設ける必要はない。
【0018】各金属層に用いる材料としては、弾性部
材、圧電部材、ろう材、および各金属層全ての要素間で
の親和性により選定されるものであるので系統的に列挙
することはできないが、本発明の実施例として、弾性部
材にアルミ合金を用い、第二の密着層および第二のバリ
ア層の材料としてNi、第二のろう付け層の材料としてAu
を用い、圧電部材にセラミックス(PZT)を用い、第
一の密着層としてCr、第一のバリア層としてNi、第一の
ろう付け層としてAgを用いた。その他、圧電部材と親和
性の高い密着層としては活性金属と呼ばれるTi、Zr、H
f、Ta、Mo、W等、各バリア層としてはPt、Ni、Cr、Pd
等、各ろう付け層としてはAu、Ag等が用いられる。
【0019】図9に、本発明の一実施例として圧電部材
に蒸着法で、弾性部材にはめっき法で金属多層膜を形成
した複合型圧電部品の製造方法の工程を示す。この各金
属多層膜は、蒸着法、スパッタ法、めっき法のいずれ
か、あるいはそれら複数の手法を用いて形成する。各金
属膜の厚みも全体の固有振動数特性に影響することにな
り、あまり厚すぎると所望の振動特性が得られなくなる
ので必要最小限の厚みに設定することが望ましい(例え
ば数ミリサイズの複合型圧電部品においては、各金属膜
の厚みは1μm以下)。
【0020】また、ろう材に用いる材料としては、低融
点の金属を用いた。本発明では、錫鉛合金、あるいは鉛
の含まない錫銀銅合金を用いた。圧電部材と弾性部材と
をろう材を介して複合型圧電部品とする際、プレスや加
圧治具等を用いて圧力を加えながら接合させた。この方
法で作成した複合型圧電部品の構成は図1(b)に示す
ように、弾性部材の全表面に金属多層膜が形成された。
【0021】以上のように構成された複合型圧電部品
は、圧電部材のみならず弾性部材の接合面全面にもろう
材との親和性を考慮した第二の多層金属膜を設け、接合
の時に圧力を加えるので、弾性部材とろう材との反応性
が向上し、接合界面に発生する微小ボイドを、従来に比
べ、大幅に低減されることができる。これにより、接合
層は非常に薄くなり、接合層による機械的振動エネルギ
ーの散乱、吸収の影響が低減されることから、従来より
も小さいミリメートルサイズの複合型圧電部品において
も、所望の出力を得ることができる。
【0022】本実施形態と従来の実施形態のミリメート
ルサイズの複合型圧電部品の振動特性をそれぞれ図2、
図3に示す。横軸は周波数、縦軸は振動特性の一つであ
るアドミタンス値を示す。波形が先鋭である程、またピ
ーク値が高い程、振動効率が高いことを示す。従来の複
合型圧電部品においては波形がブロードとなっている他
ピーク値も低いものであるが、本実施形態の複合型圧電
部品においては波形が先鋭であり、またピーク値も従来
より高くなっていることがわかる 図2のような振動特
性であれば、所望の出力を得ることができる。
【0023】また、弾性部材とろう材間の接合界面の密
着性も強化されることから、高温・高湿等の厳しい環境
下において使用した場合の耐久性も改善される。本実施
形態と従来の実施形態のミリメートルサイズの複合型圧
電部品の高温・高湿における耐久性試験を行った結果を
図4(a)に示す。横軸は高温(85℃)・高湿(85%)
の試験環境への曝露時間を示し、縦軸は複合型圧電部品
のアドミタンスピーク値を示す。従来の形態に比べ、本
実施形態の方がアドミタンス値の低下傾向が小さくなっ
ており、耐久性が向上しているのがわかる。
【0024】また、接合面全面でろう材と接合されるこ
とから、温度が変化する環境下において使用した場合の
耐久性も改善される。本実施形態(接合面全面で接合)
と従来の実施形態(接合面の一部分で接合)のミリメー
トルサイズの複合型圧電部品の温度サイクル耐久性試験
を行った結果を図4(b)に示す。横軸は温度サイクル
(−40℃〜85℃)の試験環境への曝露サイクル数を示
し、縦軸は複合型圧電部品のアドミタンスピーク値を示
す。従来の形態に比べ、本実施形態の方がアドミタンス
値の低下傾向が小さくなっており、耐久性が向上してい
るのがわかる。
【0025】(実施の形態2)図5(a)、(b)に本
発明における実施形態の他の例を示す。図5(a)に示
す複合型圧電部品は、基本的には実施の形態1と同様の
構成と製造方法であるが、第一のろう付け層8と第二の
ろう付け層12が同一の材料で構成されている。本発明の
実施例として、弾性部材にアルミ合金を用い、第二の密
着層および第二のバリア層の材料としてNi、第二のろう
付け層の材料としてAuを用い、圧電部材にセラミックス
(PZT)を用い、第一の密着層としてCr、第一のバリ
ア層としてNi、第一のろう付け層としてAuを用いた。ま
た、ろう材には、錫鉛合金、あるいは鉛の含まない錫銀
銅合金を用いた。圧電部材と弾性部材とをろう材を介し
て複合型圧電部品とする際、プレスや加圧治具等を用い
て圧力を加えながら接合させた。
【0026】弾性部材の金属多層膜をめっき法で作成し
た場合、図5(b)に示すように、弾性部材の全表面に
金属多層膜が形成された。ろう材との親和性は材料によ
り異なる。そのため、第一のろう付け層8と第二のろう
付け層12の材料が異なると、圧電部材と弾性部材をろう
材により接合する際、各接合面おける接合界面形成速度
に差ができることになる。その結果、どちらか一方の界
面に微小ボイドが発生しやすくなる。
【0027】第一のろう付け層8と第二のろう付け層12
の材料を同一にすることで、各接合面における接合界面
形成速度の差がなくなり、微小ボイドの発生を極めて少
なくすることができる。これにより実施の形態1よりも
微小ボイドをさらに低減することができるため、実施の
形態1よりもさらに小さい複合型圧電部品においても所
定の出力が得ることができる。
【0028】(実施の形態3)図6に本発明における実
施の形態の他の例を示す。図6に示す複合型圧電部品
は、基本的には実施の形態1、2と同様の構成と製造方
法であるが、前記第一の密着層と前記第二の密着層、前
記第一のバリア層と前記第二のバリア層、前記第一のろ
う付け層と前記第二のろう付け層、それぞれの層が同一
の材料で構成されている。本発明の実施例として、弾性
部材にアルミ合金を用い、第二の密着層としてCr、第二
のバリア層の材料としてNi、第二のろう付け層の材料と
してAuを用い、圧電部材にセラミックス(PZT)を用
い、第一の密着層としてCr、第一のバリア層としてNi、
第一のろう付け層としてAuを用いた。また、ろう材に
は、錫鉛合金、あるいは鉛の含まない錫銀銅合金を用い
た。圧電部材と弾性部材とをろう材を介して複合型圧電
部品とする際、プレスや加圧治具等を用いて圧力を加え
ながら接合させた。
【0029】これにより、ろう材との親和性に関する効
果としては実施の形態2と同様であるが、弾性部材と圧
電部材との多層金属膜の材料構成が同一であるため、両
部材の多層金属膜形成は蒸着法やスパッタ法、めっき法
のなどのうち一つの方法で同時に行うことができる。す
なわち、実施の形態2に比べ、作製工数を短縮すること
ができる。
【0030】圧電部材の金属多層膜を蒸着法で、弾性部
材の金属多層膜をめっき法で作成した場合、図6(b)
に示すように、弾性部材の全表面に金属多層膜が形成さ
れた。
【0031】(実施の形態4)図7は、本発明に係わる
複合型圧電部品を超音波モータに適用した断面構成図を
示す。図7において、移動体24は軸27に軸受28を
介して回転自在に支持されたロータである。軸27はモ
ータ支持板29に立設されており、円盤状の弾性部材2
3は軸27に同軸にして固着されている。円盤状の弾性
部材23の上面には複数の突起26が一体に形成されて
おり、且つ、その下面には圧電部材22が接合されてい
る。弾性部材にはアルミ合金を用い、第二の密着層とし
てNi、第二のバリア層の材料としてNi、第二のろう付け
層の材料としてAuを用い、圧電部材にはセラミックス
(PZT)を用い、第一の密着層としてCr、第一のバリ
ア層としてNi、第一のろう付け層としてAuを用いた。ま
た、接合に使用したろう材には、錫鉛合金を用いた。こ
こでろう材には鉛の含まない錫銀銅合金を用いてもかま
わない。圧電部材と弾性部材とをろう材を介して接合す
る際、プレスや加圧治具等を用いて圧力を加えながら接
合させた。圧電部材22の下面には所定の電極パターン
に形成された電極板21が配置されている。圧電部材2
2の接合面側の共通電極板としても機能する第一の多層
金属膜と弾性部材23は軸27を介して共通電極21a
に電気的に接続されている。加圧手段であるバネ25は
移動体24を振動体23の方に押し付け、移動体24の
下面を複数の突起26の上端面に圧接させる。
【0032】このような構成の超音波モータにおいて、
高周波電圧が電極板21と共通電極21aとの間に印加
されると、圧電部材22の伸縮運動によって周期的な振
動が弾性部材23に発生する。バネ25で複数の突起2
6に圧接されている移動体24には弾性部材23の周期
的な振動が動力として伝えられ、所定の間隔と配置で形
成された複数の突起26の作用により、弾性部材23に
発生する振動波によって移動体24を摩擦駆動し回転さ
せる。
【0033】複合型圧電部品を超音波モータとして適用
することにより、例えば、電子時計、計測器、カメラ、
プリンタ、印刷機、工作機械、ロボット、移動装置、医
療機器、光学機器、光通信機器、記憶装置、情報機器な
どに適用できる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明における複合
型圧電部品は、圧電部材と、弾性部材とが、ろう材を介
して接合された構造を有する複合型圧電部品において、
前記圧電部材の表面または接合面全面に圧電部材と親和
性の高い第一の密着層、ろう材の拡散を防止する第一の
バリア層、ろう材と親和性の高い第一のろう付け層から
なる第一の多層金属膜と、前記弾性部材の表面または接
合面全面に弾性部材と親和性の高い第二の密着層、ろう
材の拡散を防止する第二のバリア層、ろう材と親和性の
高い第二のろう付け層からなる第二の多層金属膜とを設
け、接合の時に圧力を加えるので、弾性部材とろう材と
の反応性が向上し、接合界面に発生する微小ボイドを低
減することができる。これにより、接合層は非常に薄く
なり、機械的振動エネルギーの散乱、吸収の影響が低減
されることから、従来よりも小さいサイズの複合型圧電
部品においても所望の出力が得ることができる。また、
微小ボイドの低減と接合面全面での接合により、弾性部
材とろう材間の接合界面の密着性も強化されることか
ら、高温・高湿や温度変化といった厳しい環境下におい
て使用した場合の耐久性も改善される。
【0035】また、前記複合型圧電部品において、前記
第一のろう付け層と前記第二のろう付け層とを同一の材
料構成としたので、微小ボイドの発生を極めて少なくす
ることができ、さらに小さいサイズの複合型圧電部品に
おいても所望の出力が得ることができる。
【0036】また、前記複合型圧電部品において、前記
第一の多層金属膜と前記第二の多層金属膜とを同一の材
料構成としたので、両部材の多層金属膜形成を同時に行
うことができ、作製工数を短縮することができる。
【0037】本発明の複合型圧電部品を超音波モータに
適応することにより、電子機器の小型化、薄型化の実現
のみならず、耐久性に非常に優れた超音波モータが実現
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる複合型圧電部品
の構成図。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる複合型圧電部品
の振動特性。
【図3】従来の複合型圧電部品の振動特性。
【図4】本発明の実施の形態1にかかる複合型圧電部品
と従来の複合型圧電振動部品の耐久性試験。
【図5】本発明の実施の形態2にかかる複合型圧電部品
の構成図。
【図6】本発明の実施の形態3にかかる複合型圧電部品
の構成図。
【図7】本発明の実施の形態4にかかる超音波モータの
断面構成図。
【図8】従来の複合型圧電部品の基本構成図。
【図9】本発明の実施の形態1にかかる複合型圧電部品
の製造方法の工程図。
【符号の説明】
1 金属膜 2 圧電部材 3 弾性部材 4 接合剤 5 ろう材 6 第一の密着層 7 第一のバリア層 8 第一のろう付け層 9 第一の多層金属膜 10 第二の密着層 11 第二のバリア層 12 第二のろう付け層 13 第二の多層金属膜 21 電極板 22 圧電部材 23 弾性部材 24 移動体 25 バネ 26 複数の突起 27 軸 28 軸受 29 モータ支持板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H03H 9/17 H01L 41/22 Z (72)発明者 新荻 正隆 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコーインスツルメンツ株式会社内 (72)発明者 飯野 朗弘 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 株 式会社エスアイアイ・アールディセンター 内 Fターム(参考) 5D107 AA10 AA13 BB01 BB07 BB09 CC03 FF09 5H680 AA12 AA19 BB16 BC01 BC02 BC04 BC08 BC09 DD01 DD23 DD53 DD66 DD92 DD99 EE03 FF08 FF17 GG02 5J108 FF03 JJ00 KK01 KK02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電部材と、弾性部材とが、ろう材を介
    して接合された構造を有する複合型圧電部品において、 前記圧電部材の表面に圧電部材と親和性の高い第一の密
    着層、ろう材の拡散を防止する第一のバリア層、ろう材
    と親和性の高い第一のろう付け層から構成される第一の
    多層金属膜と、 前記弾性部材の表面に弾性部材と親和性の高い第二の密
    着層、ろう材の拡散を防止する第二のバリア層、ろう材
    と親和性の高い第二のろう付け層から構成される第二の
    多層金属膜とを設けたことを特徴とする複合型圧電部
    品。
  2. 【請求項2】 前記第一の金属多層膜は、前記圧電部材
    の接合面全面に設けたことを特徴とする請求項1の複合
    型圧電部品。
  3. 【請求項3】 前記第二の金属多層膜は、前記弾性部材
    の接合面全面に設けたことを特徴とする請求項1の複合
    型圧電部品。
  4. 【請求項4】 前記第一のろう付け層と前記第二のろう
    付け層とが同一の材料であることを特徴とする請求項1
    から3のうちいずれかに記載の複合型圧電部品。
  5. 【請求項5】 前記第一の密着層と前記第二の密着層、 前記第一のバリア層と前記第二のバリア層、 前記第一のろう付け層と前記第二のろう付け層、以上の
    各層それぞれが同一の材料であることを特徴とする請求
    項1から3のうちいずれかに記載の複合型圧電部品。
  6. 【請求項6】 前記複合型圧電部品は、圧力を加えて接
    合されたことを特徴とする請求項1から5のうちいずれ
    かに記載の複合型圧電部品。
  7. 【請求項7】 前記複合型圧電部品は、超音波モータで
    あることを特徴とする請求項1から6のうちいずれかに
    記載の複合型圧電部品。
  8. 【請求項8】 圧電部材と、弾性部材とが、ろう材を介
    して接合された構造を有する複合型圧電部品の製造方法
    において、 前記圧電部材の表面に圧電部材と親和性の高い第一の密
    着層を形成する工程と、 前記第一の密着層の上に、ろう材の拡散を防止する第一
    のバリア層を形成する工程と、 前記第一のバリア層の上に、ろう材と親和性の高い第一
    のろう付け層を形成する工程と、 前記弾性部材の表面に弾性部材と親和性の高い第二の密
    着層を形成する工程と、 前記第二の密着層の上に、ろう材の拡散を防止する第二
    のバリア層を形成する工程と、 前記第2のバリア層の上に、ろう材と親和性の高い第二
    のろう付け層を形成する工程と、 前記第一のろう付け層と前記第二のろう付け層をろう材
    で接合する工程と、からなることを特徴とする複合型圧
    電部品の製造方法。
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