JP2002026411A - 圧電/電歪デバイス及びその製造方法 - Google Patents

圧電/電歪デバイス及びその製造方法

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JP2002026411A
JP2002026411A JP2000297782A JP2000297782A JP2002026411A JP 2002026411 A JP2002026411 A JP 2002026411A JP 2000297782 A JP2000297782 A JP 2000297782A JP 2000297782 A JP2000297782 A JP 2000297782A JP 2002026411 A JP2002026411 A JP 2002026411A
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piezoelectric
electrostrictive
thin plate
electrostrictive device
adhesive
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JP2000297782A
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Yukihisa Takeuchi
幸久 武内
Kazuyoshi Shibata
和義 柴田
Masahiko Namekawa
政彦 滑川
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】デバイスの長寿命化及び可動部の変位の増大化
と高速化(高共振周波数化)を達成させると共に、デバ
イスのハンドリング性並びに可動部への部品の取付性又
はデバイスの固定性を向上させる。 【解決手段】相対向する一対の薄板部16a及び16b
と、可動部20と、これら薄板部16a及び16bと可
動部20を支持する固定部22を具備し、一対の薄板部
16a及び16bのうち、少なくとも1つの薄板部16
a及び16bに圧電/電歪素子24a及び24bが配設
され、一対の薄板部16a及び16bの両内壁と可動部
20の内壁20aと固定部22の内壁22aとにより孔
部12が形成された圧電/電歪デバイス10Aにおい
て、一対の薄板部16a及び16bを金属製とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電/電歪素子の
変位動作に基づいて作動する可動部を備えた圧電/電歪
デバイス、もしくは可動部の変位を圧電/電歪素子によ
り検出できる圧電/電歪デバイス及びその製造方法に関
し、詳しくは、強度、耐衝撃性、耐湿性に優れ、効率よ
く可動部を大きく作動させることができる圧電/電歪デ
バイス及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、光学や磁気記録、精密加工等の分
野において、サブミクロンオーダーで光路長や位置を調
整可能な変位素子が必要とされており、圧電/電歪材料
(例えば強誘電体等)に電圧を印加したときに惹起され
る逆圧電効果や電歪効果による変位を利用した変位素子
の開発が進められている。
【0003】従来、このような変位素子としては、例え
ば図53に示すように、圧電/電歪材料からなる板状体
400に孔部402を設けることにより、固定部404
と可動部406とこれらを支持する梁部408とを一体
に形成し、更に、梁部408に電極層410を設けた圧
電アクチュエータが開示されている(例えば特開平10
−136665号公報参照)。
【0004】前記圧電アクチュエータにおいては、電極
層410に電圧を印加すると、逆圧電効果や電歪効果に
より、梁部408が固定部404と可動部406とを結
ぶ方向に伸縮するため、可動部406を板状体400の
面内において弧状変位又は回転変位させることが可能で
ある。
【0005】一方、特開昭63−64640号公報に
は、バイモルフを用いたアクチュエータに関して、その
バイモルフの電極を分割して設け、分割された電極を選
択して駆動することにより、高精度な位置決めを高速に
行う技術が開示され、この公報(特に第4図)には、例
えば2枚のバイモルフを対向させて使用する構造が示さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記圧
電アクチュエータにおいては、圧電/電歪材料の伸縮方
向(即ち、板状体400の面内方向)の変位をそのまま
可動部406に伝達していたため、可動部406の作動
量が小さいという問題があった。
【0007】また、圧電アクチュエータは、すべての部
分を脆弱で比較的重い材料である圧電/電歪材料によっ
て構成しているため、機械的強度が低く、ハンドリング
性、耐衝撃性、耐湿性に劣ることに加え、圧電アクチュ
エータ自体が重く、動作上、有害な振動(例えば、高速
作動時の残留振動やノイズ振動)の影響を受けやすいと
いう問題点があった。
【0008】前記問題点を解決するために、孔部402
に柔軟性を有する充填材を充填することが提案されてい
るが、単に充填材を使用しただけでは、逆圧電効果や電
歪効果による変位の量が低下することは明らかである。
【0009】本発明はこのような課題を考慮してなされ
たものであり、デバイスの長寿命化、デバイスのハンド
リング性並びに可動部への部品の取付性又はデバイスの
固定性を向上させることができ、これにより、相対的に
低電圧で可動部を大きく変位することができると共に、
デバイス、特に、可動部の変位動作の高速化(高共振周
波数化)を達成させることができ、しかも、有害な振動
の影響を受け難く、高速応答が可能で、機械的強度が高
く、ハンドリング性、耐衝撃性、耐湿性に優れた変位素
子、並びに可動部の振動を精度よく検出することが可能
なセンサ素子を得ることができる圧電/電歪デバイス及
びその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属製の薄板
部上に接着剤を介して積層型圧電/電歪素子が固着され
たアクチュエータ部を少なくとも有し、前記積層型圧電
/電歪素子は、圧電/電歪層と電極膜からなるアクチュ
エータ膜が少なくとも3層以上の多層体で構成されてい
ることを特徴とする。
【0011】これにより、積層型圧電/電歪素子の平面
上の面積を広げなくても薄板部を大きく変位させること
ができ、しかも、薄板部が金属製であるため、強度や靱
性に優れ、急激な変位動作にも対応できる。
【0012】つまり、本発明においては、使用環境の変
動や過酷な使用状態においても十分に対応でき、耐衝撃
性に優れ、圧電/電歪デバイスの長寿命化、圧電/電歪
デバイスのハンドリング性の向上を図ることができ、し
かも、相対的に低電圧で薄板部を大きく変位させること
ができると共に、薄板部の剛性が高く、またアクチュエ
ータ膜の膜厚が厚く、剛性が高いため、薄板部の変位動
作の高速化(高共振周波数化)を達成させることができ
る。
【0013】そして、前記圧電/電歪素子を構成する多
層体の中の複数の電極膜が互い違いの端面をもつように
積層され、1層おきに同一電圧が印加されるように接続
されていることが好ましい。また、前記アクチュエータ
膜は10層以下の多層体で構成されていることが好まし
く、前記アクチュエータ膜は、印刷多層法で形成されて
いることが好ましい。更に、1層おきの前記電極膜の垂
直投影面における面方向の位置ずれが50μm以下であ
ることが好ましく、前記接着剤の厚みは15μm以下で
あることが好ましい。
【0014】本発明は、前記圧電/電歪素子における前
記薄板部との対向面に下地層を形成するようにしてもよ
い。また、前記薄板部のうち、少なくとも前記圧電/電
歪素子が形成される部分に1以上の孔又は穴を形成する
ようにしてもよい。この場合、孔や穴内に接着剤が入り
込むことから、接着面積が実質的に大きくなると共に、
接着剤の厚みを薄くすることが可能となる。更に、前記
薄板部の表面のうち、少なくとも前記圧電/電歪素子が
形成される部分を粗面としてもよい。この場合、接着面
積が実質的に大きくなるため、接着を強固にすることが
できる。
【0015】また、本発明は、相対向する一対の金属製
の薄板部と、これら薄板部を支持する固定部とからな
り、少なくとも一方の薄板部上に接着剤を介して積層型
圧電/電歪素子が固定されたアクチュエータ部を具備
し、前記積層型圧電/電歪素子は、複数の圧電/電歪層
と電極膜からなり、各圧電/電歪層の上下面に接する電
極膜が互い違いに反対の端面に導出され、当該互い違い
の反対の端面に導出された各電極膜を電気的に接続する
端面電極が、最外層の前記圧電/電歪層の表面に設けら
れ、かつ、所定距離だけ離れて配置された端子部にそれ
ぞれ電気的に接続されていることを特徴とする。これに
より、積層化された圧電/電歪素子に対する駆動信号の
供給並びに検知信号の取出しを容易に行うことができ、
薄板部への積層型圧電/電歪素子の形成を実現すること
ができる。
【0016】そして、この発明において、前記積層型圧
電/電歪素子を、ほぼ直方体形状を呈するようにしても
よい。この場合、前記端子部間の所定距離は50μm以
上であることが好ましい。また、少なくとも一方の前記
端子部と一方の前記端面電極とを、これら端子部や端面
電極より薄い膜厚の電極膜で電気的に接続するようにし
てもよい。
【0017】また、本発明は、相対向する一対の薄板部
と、これら薄板部を支持する固定部とを具備し、前記一
対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に1以上の
圧電/電歪素子が配設された圧電/電歪デバイスであ
り、前記一対の薄板部の開放端の間に前記固定部と実質
的に同程度の大きさの物体が介在する場合の構造体の最
小共振周波数が20kHz以上であって、前記物体と前
記固定部との相対変位量が、前記共振周波数の1/4以
下の周波数で実体的な印加電圧30Vで0.5μm以上
であることを特徴とする。
【0018】これにより、一対の薄板部を大きく変位さ
せることができると共に、圧電/電歪デバイス、特に、
一対の薄板部の変位動作の高速化(高共振周波数化)を
達成させることができ、しかも、有害な振動の影響を受
け難く、高速応答が可能で、機械的強度が高く、ハンド
リング性、耐衝撃性、耐湿性に優れた変位素子、並びに
可動部の振動を精度よく検出することが可能なセンサ素
子を得ることができる。
【0019】少なくとも前記薄板部及び固定部は、セラ
ミックスもしくは金属を用いて構成されていてもよく、
また、各部をセラミック材料同士で構成することもでき
るし、あるいは金属材料同士で構成することもできる。
更には、セラミックスと金属の材料とから製造されたも
のを組み合わせたハイブリッド構造として構成すること
もできる。
【0020】前記圧電/電歪素子と前記薄板部との間に
接着剤を介在させた場合は、前記接着剤の厚みを前記圧
電/電歪素子の厚みの10%以下の厚みとすることが好
ましい。また、前記一対の薄板部のうち、一方の薄板部
に前記1以上の圧電/電歪素子を配設した場合は、前記
一方の薄板部の厚みを、他方の薄板部の厚みよりも厚く
することが好ましい。
【0021】そして、前記一対の薄板部における開放端
の間に物体が介在する場合に、前記一対の薄板部におけ
る前記物体との境界部分と前記固定部との境界部分との
間の距離が0.4mm以上、2mm以下であって、前記
一対の薄板部の各厚みが10μm以上、100μm以下
であることが好ましい。
【0022】前記圧電/電歪素子は、圧電/電歪層と電
極膜からなるアクチュエータ膜が少なくとも3層以上の
多層体で構成されていることが好ましい。この場合、前
記アクチュエータ膜は10層以下の多層体で構成されて
いることが好ましい。また、前記圧電/電歪層の厚みが
5μm以上、30μm以下であることが好ましく、前記
電極膜の厚みは0.5μm以上、20μm以下であるこ
とが好ましい。
【0023】また、前記圧電/電歪素子を構成する多層
体の中の複数の電極膜が互い違いに積層され、1層おき
に同一電圧が印加されるように接続されていることが好
ましい。
【0024】特に、薄板部を金属製とした場合は、前記
圧電/電歪素子は、該圧電/電歪素子を構成する多層体
のうち、1層目の圧電/電歪層のみ、あるいは1層目の
電極膜と1層目の圧電/電歪層が前記薄板部に接触する
ように形成すれば、異なる電極間の短絡現象を防止する
ことができる。
【0025】また、前記電極膜の端部のうち、一方を、
平面的に少なくとも前記固定部を含まない位置に形成す
るようにしてもよいし、前記圧電/電歪素子を構成する
多層体の一端を、平面的に少なくとも前記固定部を含ま
ない位置に形成するようにしてもよい。
【0026】また、前記一対の薄板部における開放端の
間に物体が介在する場合に、前記一対の薄板部における
前記物体との境界部分と前記固定部との境界部分との間
の最短距離をLaとし、前記物体又は前記固定部のう
ち、前記圧電/電歪素子を構成する多層体が形成されて
いない一方と前記薄板部との境界部分から前記電極膜の
端部までの距離のうち、最も短い距離をLbとしたと
き、(1−Lb/La)が0.4以上であることが好ま
しく、更に好ましくは、(1−Lb/La)が0.5〜
0.8である。
【0027】前記薄板部を金属とする場合は、前記薄板
部を冷間圧延加工された金属板にて構成することが好ま
しい。
【0028】また、前記圧電/電歪素子を構成する前記
多層体と前記薄板部との間に厚みが0.1μm以上、3
0μm以下の接着剤を介在させるようにしてもよい。こ
の場合、前記接着剤は有機樹脂であってもよいし、ガラ
ス、ロウ材又は半田であってもよい。
【0029】更に、前記多層体における前記薄板部との
対向面に下地層を形成するようにしてもよい。また、前
記薄板部のうち、少なくとも前記多層体が形成される部
分に1以上の孔又は穴を形成するようにしてもよい。こ
の場合、孔や穴内に接着剤が入り込むことから、接着面
積が実質的に大きくなると共に、接着剤の厚みを薄くす
ることが可能となる。前記薄板部の表面のうち、少なく
とも前記多層体が形成される部分を粗面としてもよい。
この場合、接着面積が実質的に大きくなるため、接着を
強固にすることができる。更に、前記薄板部と少なくと
も前記固定部との間に厚みが0.1μm以上、30μm
以下の接着剤を介在されることが好ましい。この場合、
前記接着剤は有機樹脂でもよいし、ガラス、ロウ材又は
半田であってもよい。
【0030】また、前記薄板部と少なくとも前記固定部
との対向部分からはみ出た前記接着剤のはみ出し形状に
曲率を持たせることが好ましい。この場合、固定部の内
壁や各薄板部の内壁も接着面として利用されることか
ら、接着面積が大きくなり、接着強度を大きくすること
ができる。また、固定部の内壁と各薄板部の内壁との接
合部分(角部)への応力集中を効果的に分散させること
ができる。
【0031】前記一対の薄板部における開放端の間に物
体が介在する場合に、少なくとも前記固定部の前記物体
に対向する角部を面取りすることが好ましい。この場
合、面取りの角度や曲率半径を適宜調整することによ
り、接着剤のはみ出し量を安定化することができ、接着
強度の局部的なばらつきを抑制することができ、歩留ま
りの向上を図ることができる。前記薄板部が金属板を打
抜き加工することによって作製されている場合に、ハン
ドリング性や各部材の接着方向を考慮して、前記打抜き
加工によるばりを外方に向けることが好ましい。
【0032】次に、本発明は、相対向する一対の薄板部
と、これら薄板部を支持する固定部とを具備し、前記一
対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に1以上の
圧電/電歪素子が配設された圧電/電歪デバイスの製造
方法であって、少なくとも後に薄板部を形成する複数の
薄板と、前記圧電/電歪素子と、支持基板を準備する工
程と、少なくとも1つの前記薄板に第1の接着剤を介し
て圧電/電歪素子を固着する工程と、前記支持基板に第
2の接着剤を介して前記複数の薄板を固着して、該複数
の薄板が相対向されたデバイス原盤を作製する工程と、
前記デバイス原盤を複数個に分離して個々の前記圧電/
電歪デバイスを作製する分離工程とを有することを特徴
とする。
【0033】また、本発明は、相対向する一対の薄板部
と、これら薄板部を支持する固定部とを具備し、前記一
対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に1以上の
圧電/電歪素子が配設された圧電/電歪デバイスの製造
方法であって、少なくとも後に薄板部を形成する複数の
薄板と、前記圧電/電歪素子と、支持基板を準備する工
程と、前記支持基板に第2の接着剤を介して前記複数の
薄板を固着する工程と、少なくとも1つの前記薄板に第
1の接着剤を介して圧電/電歪素子を固着して該複数の
薄板が相対向されたデバイス原盤を作製する工程と、前
記デバイス原盤を複数個に分離して個々の前記圧電/電
歪デバイスを作製する分離工程とを有することを特徴と
する。
【0034】これらの製造方法によって、一対の薄板部
を大きく変位させることができると共に、デバイス、特
に、一対の薄板部の変位動作の高速化(高共振周波数
化)を達成させることができる圧電/電歪デバイスを容
易に製造することができる。
【0035】そして、作製される圧電/電歪デバイスの
前記一対の薄板部における開放端の間に物体が介在する
場合に、上述の製造方法においては、前記支持基板を、
少なくとも後に前記物体となる部分と後に前記固定部と
なる部分を有する矩形の環状構造体としてもよい。
【0036】あるいは、作製される圧電/電歪デバイス
の前記一対の薄板部における開放端の間に物体が介在し
ない場合に、上述の製造方法においては、前記支持基板
を、前記開放端を支持する部分(少なくとも後に前記物
体が介在する部分の厚みを実質的に規定する部分)と後
に前記固定部となる部分を有する矩形の環状構造体とし
てもよい。
【0037】また、前記第1の接着剤及び/又は第2の
接着剤は有機樹脂であってもよいし、ガラス、ロウ材又
は半田であってもよい。一方、前記薄板及び/又は支持
基板は金属製であってもよい。
【0038】また、前記デバイス原盤を分離する処理と
して、前記デバイス原盤に対して所定の切断線に沿って
切断する処理を含む場合に、前記切断方向が前記一対の
薄板部の変位方向とほぼ同じであることが好ましい。
【0039】更に、本発明に係る製造方法においては、
前記薄板に前記第1の接着剤を介して前記圧電/電歪素
子を固着する前に、前記圧電/電歪素子における前記薄
板との対向面に下地層を形成する工程を含むようにして
もよいし、前記薄板のうち、少なくとも前記圧電/電歪
素子が固着される部分に1以上の孔又は穴を形成する工
程を含むようにしてもよい。
【0040】また、前記薄板の表面のうち、少なくとも
前記圧電/電歪素子が固着される部分を粗くする工程を
含むようにしてもよいし、前記薄板と前記支持基板との
対向部分からはみ出た前記第2の接着剤のはみ出し形状
に曲率を形成する工程を含むようにしてもよい。
【0041】また、前記デバイス原盤のうち、前記支持
基板の互いに対向する角部を面取りする工程を含むよう
にしてもよい。また、金属板に対して打抜き加工をする
ことによって前記薄板を作製する工程を含む場合におい
て、前記薄板を前記支持基板と組み合わせて前記デバイ
ス原盤を作製する際に、前記薄板に発生している前記打
抜き加工によるばりを外方に向けて前記デバイス原盤を
作製するようにしてもよい。
【0042】従って、本発明に係る圧電/電歪デバイス
及びその製造方法によれば、各種トランスデューサ、各
種アクチュエータ、周波数領域機能部品(フィルタ)、
トランス、通信用や動力用の振動子や共振子、発振子、
ディスクリミネータ等の能動素子のほか、超音波センサ
や加速度センサ、角速度センサや衝撃センサ、質量セン
サ等の各種センサ用のセンサ素子として利用することが
でき、特に、光学機器、精密機器等の各種精密部品等の
変位や位置決め調整、角度調整の機構に用いられる各種
アクチュエータに好適に利用することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る圧電/電歪デ
バイス及びその製造方法の実施の形態例を図1〜図52
を参照しながら説明する。
【0044】ここで、圧電/電歪デバイスは、圧電/電
歪素子により電気的エネルギと機械的エネルギとを相互
に変換する素子を包含する概念である。従って、各種ア
クチュエータや振動子等の能動素子、特に、逆圧電効果
や電歪効果による変位を利用した変位素子として最も好
適に用いられるほか、加速度センサ素子や衝撃センサ素
子等の受動素子としても好適に使用され得る。
【0045】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイ
ス10Aは、図1に示すように、全体として長尺の直方
体の形状を呈し、その長軸方向のほぼ中央部分に孔部1
2が設けられた基体14を有する。
【0046】基体14は、相対向する一対の薄板部16
a及び16bと、可動部20と、前記一対の薄板部16
a及び16b並びに可動部20を支持する固定部22と
を具備し、少なくとも薄板部16a及び16bの各一部
にそれぞれ圧電/電歪素子24a及び24bが形成され
ている。
【0047】なお、前記基体14については、全体をセ
ラミックスもしくは金属を用いて構成されたもののほ
か、セラミックスと金属の材料で製造されたものを組み
合わせたハイブリッド構造としてもよい。また、基体1
4は、各部を有機樹脂、ガラス等の接着剤で接着してな
る構造、ロウ付け、半田付け、共晶接合もしくは溶接等
で一体化した金属一体構造等の構成を採用することがで
きる。
【0048】この第1の実施の形態については、基体1
4のうち、一対の薄板部16a及び16bが金属製であ
って、他の可動部20及び固定部22がセラミック製と
されたハイブリッド構造となっている。具体的には、金
属製の薄板部16a及び16bがセラミック製の可動部
20と固定部22の各側面に接着剤200を介して固着
されている。もちろん、薄板部16a及び16b、可動
部20及び固定部22を全て金属製にしてもよい。
【0049】そして、圧電/電歪素子24a及び24b
は、後述のとおり別体として圧電/電歪素子24a及び
24bを準備して、基体14に有機樹脂、ガラス等の接
着剤や、ロウ付け、半田付け、共晶接合等で貼り付けら
れるほか、膜形成法を用いることにより、前記貼り付け
ではなく直接基体14に形成されることとなる。第1の
実施の形態では、薄板部16a及び16b上にそれぞれ
圧電/電歪素子24a及び24bが接着剤202を介し
て固着されて構成されている。
【0050】また、この圧電/電歪デバイス10Aは、
一対の薄板部16a及び16bの両内壁と可動部20の
内壁20aと固定部22の内壁22aにより例えば矩形
状の前記孔部12が形成され、前記圧電/電歪素子24
a及び/又は24bの駆動によって可動部20が変位
し、あるいは可動部20の変位を圧電/電歪素子24a
及び/又は24bにより検出する構成を有する。
【0051】圧電/電歪素子24a及び24bは、圧電
/電歪層26と、該圧電/電歪層26の両側に形成され
た一対の電極28及び30とを有して構成され、該一対
の電極28及び30のうち、一方の電極28が少なくと
も一対の薄板部16a及び16bに形成されている。
【0052】図1の例では、圧電/電歪素子24a及び
24bを構成する一対の電極28及び30並びに圧電/
電歪層26の各先端面がほぼ揃っており、この圧電/電
歪素子24a及び24bの実質的駆動部分18(一対の
電極28及び30が圧電/電歪層26を間に挟んで重な
る部分)が固定部22の外表面の一部から薄板部16a
及び16bの外表面の一部にかけて連続的に形成されて
いる。特に、この例では、一対の電極28及び30の各
先端面が可動部20の内壁20aよりもわずかに後端寄
りに位置されている。もちろん、前記実質的駆動部分1
8が可動部20の一部から薄板部16a及び16bの一
部にかけて位置するように圧電/電歪素子24a及び2
4bを形成するようにしてもよい。
【0053】そして、上述の第1の実施の形態に係る圧
電/電歪デバイス10Aにおいては、図1に示すよう
に、可動部20に互いに対向する端面36a及び36b
が形成されて構成されている。各端面36a及び36b
は、可動部20の側面、即ち、素子形成面にほぼ平行な
面であって、可動部20の上面から孔部12にかけて互
いに分離されている。このとき、例えば図12に示すよ
うに、可動部20の中心軸nから各端面36a及び36
bまでの距離Da及びDbをほぼ等しくすることが好ま
しい。
【0054】また、これら端面36a及び36bの間に
は、例えば図1に示すように、空隙(空気)38を介在
させるようにしてもよいし、図9に示す第7の変形例に
係る圧電/電歪デバイス10Agや、図12に示すよう
に、これら端面36a及び36bの間に前記可動部20
の構成部材とは異なる部材、例えば樹脂等からなる部材
40を介在させるようにしてもよい。
【0055】ところで、第1の実施の形態に係る圧電/
電歪デバイス10Aにおいて、一対の電極28及び30
への電圧の印加は、各電極28及び30のうち、それぞ
れ固定部22の両側面(素子形成面)上に形成された端
子(パッド)32及び34を通じて行われるようになっ
ている。各端子32及び34の位置は、一方の電極28
に対応する端子32が固定部22の後端寄りに形成さ
れ、外部空間側の他方の電極30に対応する端子34が
固定部22の内壁22a寄りに形成されている。
【0056】この場合、圧電/電歪デバイス10Aの固
定を、端子32及び34が配置された面とは別の面を利
用してそれぞれ別個に行うことができ、結果として、圧
電/電歪デバイス10Aの固定と、回路と端子32及び
34間の電気的接続の双方に高い信頼性を得ることがで
きる。この構成においては、フレキシブルプリント回路
(FPCとも称される)、フレキシブルフラットケーブ
ル(FFCとも称される)、ワイヤボンディング等によ
って端子32及び34と回路との電気的接続が行われ
る。
【0057】圧電/電歪素子24a及び24bの構成と
しては、図1に示す構成のほか、図2に示す第1の変形
例に係る圧電/電歪デバイス10Aaのように、圧電/
電歪素子24a及び24bを構成する一対の電極28及
び30の各先端部を揃え、圧電/電歪層26の先端部の
みを可動部20側に突出させるようにしてもよく、ま
た、図3に示す第2の変形例に係る圧電/電歪デバイス
10Abのように、一方の電極28と圧電/電歪層26
の各先端部を揃え、他方の電極30の先端部のみを固定
部22寄りに位置させるようにしてもよい。この図3に
示す圧電/電歪デバイス10Abにおいては、可動部2
0の代わりに固定部22に互いに対向する端面36a及
び36bを設けた例を示す。
【0058】その他、図4に示す第3の変形例に係る圧
電/電歪デバイス10Acのように、一方の電極28及
び圧電/電歪層26の各先端部を可動部20の側面にま
で延ばし、他方の電極30の先端部を薄板部16a及び
16bの長さ方向(Z軸方向)のほぼ中央に位置させる
ようにしてもよい。
【0059】上述の例では、圧電/電歪素子24a及び
24bを、1層構造の圧電/電歪層26と一対の電極2
8及び30で構成するようにしたが、その他、圧電/電
歪素子24a及び24bを、圧電/電歪層26と一対の
電極28及び30の複数を積層形態にして構成すること
も好ましい。
【0060】例えば図5に示す第4の変形例に係る圧電
/電歪デバイス10Adのように、圧電/電歪層26並
びに一対の電極28及び30をそれぞれ多層構造とし、
一方の電極28と他方の電極30をそれぞれ交互に積層
して、これら一方の電極28と他方の電極30が圧電/
電歪層26を間に挟んで重なる部分(実質的駆動部分1
8)が多段構成とされた圧電/電歪素子24a及び24
bとしてもよい。この図5では、圧電/電歪層26を3
層構造とし、1層目の下面(薄板部16a及び16bの
側面)と2層目の上面に一方の電極28をそれぞれ分離
して形成し、1層目の上面と3層目の上面に他方の電極
30をそれぞれ分離して形成し、更に、一方の電極28
の各端部にそれぞれ端子32a及び32bを設け、他方
の電極30の各端部にそれぞれ端子34a及び34bを
設けた例を示している。
【0061】また、図6に示す第5の変形例に係る圧電
/電歪デバイス10Aeのように、圧電/電歪層26並
びに一対の電極28及び30をそれぞれ多層構造とし、
一方の電極28と他方の電極30を断面ほぼ櫛歯状とな
るようにそれぞれ互い違いに積層し、これら一方の電極
28と他方の電極30が圧電/電歪層26を間に挟んで
重なる部分(実質的駆動部分18)が多段構成とされた
圧電/電歪素子24a及び24bとしてもよい。この図
6では、圧電/電歪層26を3層構造とし、一方の電極
28が1層目の下面(薄板部16a及び16bの側面)
と2層目の上面に位置するように櫛歯状に形成し、他方
の電極30が1層目の上面と3層目の上面に位置するよ
うに櫛歯状に形成した例を示している。この構成の場
合、一方の電極28同士並びに他方の電極30同士をそ
れぞれつなぎ共通化することで、図5の構成と比べて端
子32及び34の数を減らすことができるため、圧電/
電歪素子24a及び24bの多層化に伴うサイズの大型
化を抑えることができる。
【0062】また、図7に示すように、前記第5の変形
例に係る圧電/電歪デバイス10Aeの他の例におい
て、圧電/電歪素子24a及び24bを、その先端部が
薄板部16a及び16b上にとどまるように形成するよ
うにしてもよい。図7の例では、圧電/電歪素子24a
及び24bの先端部が薄板部の長さ方向ほぼ中央部に位
置された例を示す。この場合、可動部20を大きく変位
させることができるという利点がある。
【0063】また、図8に示す第6の変形例に係る圧電
/電歪デバイス10Afのように、2つの多段構成の圧
電/電歪素子24a1及び24b1をそれぞれ固定部2
2と薄板部16a及び16bとを跨るように形成し、他
の2つの多段構成の圧電/電歪素子24a2及び24b
2をそれぞれ可動部20と薄板部16a及び16bとを
跨るように形成するようにしてもよい。この場合、圧電
/電歪素子24a及び24bを多段構造にする効果と、
可動部20を変位させるための作用点が増えるという効
果により、可動部20をきわめて大きく変位させること
ができ、また、高速応答性にも優れたものになり、好ま
しい。
【0064】また、図9に示す第7の変形例に係る圧電
/電歪デバイス10Agのように、圧電/電歪層26を
2層構造とし、一方の電極28が1層目の下面(薄板部
16a及び16bの側面)と2層目の上面に位置するよ
うに櫛歯状に形成され、他方の電極30が1層目の上面
に位置するように形成された多段構成の圧電/電歪素子
24a及び24bとしてもよい。この例では、可動部2
0の端面36a及び36b間に可動部20とは異なる部
材が充填されている。
【0065】このような圧電/電歪素子24a及び24
bを多段構造とすることにより、圧電/電歪素子24a
及び24bの発生力が増大し、もって大変位が図られる
と共に、圧電/電歪デバイス10A自体の剛性が増すこ
とで、高共振周波数化が図られ、変位動作の高速化が容
易に達成できる。
【0066】なお、段数を多くすれば、駆動力の増大は
図られるが、それに伴い消費電力も増えるため、実際に
実施する場合には、用途、使用状態に応じて適宜段数等
を決めればよい。また、この第1の実施の形態に係る圧
電/電歪デバイス10Aでは、圧電/電歪素子24a及
び24bを多段構造にして駆動力を上げても、基本的に
薄板部16a及び16bの幅(Y軸方向の距離)は不変
であるため、例えば非常に狭い間隙において使用される
ハードディスク用磁気ヘッドの位置決め、リンギング制
御等のアクチュエータに適用する上で非常に好ましいデ
バイスとなる。また、センサ(例えば加速度センサ)と
して使用する場合においても、多段構造とすることによ
り、静電容量が増加し、発生電荷が増加するため、セン
サが発生する電気信号のレベルが大きくなり、センサの
後段に接続される信号処理回路での処理が容易になると
いう利点がある。
【0067】上述の圧電/電歪素子24a及び24bに
おいては、一対の電極28及び30間に圧電/電歪層2
6を介在させたいわゆるサンドイッチ構造で構成した場
合を示したが、その他、図10に示すように、少なくと
も薄板部16a及び16bの側面に形成された圧電/電
歪層26の一主面に櫛型の一対の電極28及び30を形
成するようにしてもよいし、図11に示すように、少な
くとも薄板部16a及び16bの側面に形成された圧電
/電歪層26に櫛型の一対の電極28及び30を埋め込
んで形成するようにしてもよい。
【0068】図10に示す構造の場合、消費電力を低く
抑えることができるという利点があり、図11に示す構
造の場合は、歪み、発生力の大きな電界方向の逆圧電効
果を効果的に利用できる構造であることから、大変位の
発生に有利になる。
【0069】具体的には、図10に示す圧電/電歪素子
24a及び24bは、圧電/電歪層26の一主面に櫛型
構造の一対の電極28及び30が形成されてなり、一方
の電極28及び他方の電極30が互い違いに一定の幅の
間隙29をもって相互に対向する構造を有する。図10
では、一対の電極28及び30を圧電/電歪層26の一
主面に形成した例を示したが、その他、薄板部16a及
び16bと圧電/電歪層26との間に一対の電極28及
び30を形成するようにしてもよいし、圧電/電歪層2
6の一主面並びに薄板部16a及び16bと圧電/電歪
層26との間にそれぞれ櫛型の一対の電極28及び30
を形成するようにしてもよい。
【0070】一方、図11に示す圧電/電歪素子24a
及び24bは、圧電/電歪層26に埋め込まれるよう
に、櫛型構造の一対の電極28及び30が形成され、一
方の電極28及び他方の電極30が互い違いに一定の幅
の間隙29をもって相互に対向する構造を有する。
【0071】このような図10及び図11に示す圧電/
電歪素子24a及び24bも第1の実施の形態に係る圧
電/電歪デバイス10Aに好適に用いることができる。
図10及び図11に示す圧電/電歪素子24a及び24
bのように、櫛型の一対の電極28及び30を用いる場
合は、各電極28及び30の櫛歯のピッチDを小さくす
ることで、圧電/電歪素子24a及び24bの変位を大
きくすることが可能である。
【0072】ここで、この第1の実施の形態に係る圧電
/電歪デバイス10Aの動作について説明する。まず、
例えば2つの圧電/電歪素子24a及び24bが自然状
態、即ち、圧電/電歪素子24a及び24bが共に変位
動作を行っていない場合は、図12に示すように、圧電
/電歪デバイス10Aの長軸(固定部22の長軸)mと
可動部20の中心軸nとがほぼ一致している。
【0073】この状態から、例えば図13Aの波形図に
示すように、一方の圧電/電歪素子24aにおける一対
の電極28及び30に所定のバイアス電位Vbを有する
サイン波Waをかけ、図13Bに示すように、他方の圧
電/電歪素子24bにおける一対の電極28及び30に
前記サイン波Waとはほぼ180°位相の異なるサイン
波Wbをかける。
【0074】そして、一方の圧電/電歪素子24aにお
ける一対の電極28及び30に対して例えば最大値の電
圧が印加された段階においては、一方の圧電/電歪素子
24aにおける圧電/電歪層26はその主面方向に収縮
変位する。これにより、例えば図14に示すように、一
方の薄板部16aに対し、矢印Aで示すように、該薄板
部16aを例えば右方向に撓ませる方向の応力が発生す
ることから、該一方の薄板部16aは右方向に撓み、こ
のとき、他方の圧電/電歪素子24bにおける一対の電
極28及び30には、電圧は印加されていない状態とな
るため、他方の薄板部16bは一方の薄板部16aの撓
みに追従して右方向に撓む。その結果、可動部20は、
圧電/電歪デバイス10Aの長軸mに対して例えば右方
向に変位する。なお、変位量は、各圧電/電歪素子24
a及び24bに印加される電圧の最大値に応じて変化
し、例えば最大値が大きくなるほど変位量も大きくな
る。
【0075】特に、圧電/電歪層26の構成材料とし
て、高い抗電界を有する圧電/電歪材料を適用した場合
には、図13A及び図13Bの二点鎖線の波形に示すよ
うに、最小値のレベルが僅かに負のレベルとなるよう
に、前記バイアス電位を調整するようにしてもよい。こ
の場合、該負のレベルが印加されている圧電/電歪素子
(例えば他方の圧電/電歪素子24b)の駆動によっ
て、例えば他方の薄板部16bに一方の薄板部16aの
撓み方向と同じ方向の応力が発生し、可動部20の変位
量をより大きくすることが可能となる。つまり、図13
A及び図13Bにおける一点鎖線で示すような波形を使
用することで、負のレベルが印加されている圧電/電歪
素子24b又は24aが、変位動作の主体となっている
圧電/電歪素子24a又は24bをサポートするという
機能を持たせることができる。
【0076】なお、図8に示す圧電/電歪デバイス10
Afの例では、対角線上に配置された例えば圧電/電歪
素子24a1と圧電/電歪素子24b2に、図13Aに
示す電圧(サイン波Wa参照)が印加され、他の圧電/
電歪素子24a2と圧電/電歪素子24b1に、図13
Bに示す電圧(サイン波Wb参照)が印加される。
【0077】このように、第1の実施の形態に係る圧電
/電歪デバイス10Aにおいては、圧電/電歪素子24
a及び24bの微小な変位が薄板部16a及び16bの
撓みを利用して大きな変位動作に増幅されて、可動部2
0に伝達することになるため、可動部20は、圧電/電
歪デバイス10Aの長軸mに対して大きく変位させるこ
とが可能となる。
【0078】特に、この第1の実施の形態では、可動部
20に互いに対向する端面36a及び36bを設けるよ
うにしている。この場合、互いに対向する端面36a及
び36bの間を空隙38にしたり、前記互いに対向する
端面36a及び36bの間に可動部20の構成部材より
も軽い部材40を介在させることで、可動部20の軽量
化を有効に図ることができ、可動部20の変位量を低下
させることなく、共振周波数を高めることが可能とな
る。
【0079】ここで、周波数とは、一対の電極28及び
30に印加する電圧を交番的に切り換えて、可動部20
を左右に変位させたときの電圧波形の周波数を示し、共
振周波数とは、所定の正弦波電圧を印加した際に可動部
20の変位振幅が最大となる周波数を示す。
【0080】また、第1の実施の形態に係る圧電/電歪
デバイス10Aにおいては、一対の薄板部16a及び1
6bが金属製であって、他の可動部20及び固定部22
がセラミック製とされたハイブリッド構造となってお
り、すべての部分を脆弱で比較的重い材料である圧電/
電歪材料によって構成する必要がないため、機械的強度
が高く、ハンドリング性、耐衝撃性、耐湿性に優れ、動
作上、有害な振動(例えば、高速作動時の残留振動やノ
イズ振動)の影響を受け難いという利点を有する。
【0081】更に、この第1の実施の形態においては、
互いに対向する端面36a及び36bの間を空隙38と
した場合、一方の端面36aを含む可動部20の一部2
0Aと、他方の端面36bを含む可動部20の別の一部
20Bとが撓みやすくなり、変形に強くなる。そのた
め、圧電/電歪デバイス10Aのハンドリング性に優れ
ることとなる。
【0082】また、前記互いに対向する端面36a及び
36bの存在により、可動部20又は固定部22の表面
積が大きくなる。従って、図1に示すように、互いに対
向する端面36a及び36bを有する可動部20とした
場合は、可動部20に他の部品を取り付ける場合に、そ
の取付面積を大きくとることができ、部品の取付性を向
上させることができる。ここで、部品を例えば接着剤等
によって固着する場合を考えると、接着剤は可動部20
の一主面(部品取付面)のほか端面36a及び36bに
まで行き渡ることとなるため、接着剤の塗布不足等を解
消することが可能となり、部品を確実に固着することが
できる。
【0083】この一例として、図15に、本実施の形態
に係る圧電/電歪デバイス(一方の圧電/電歪デバイス
10A1)の可動部20に別の本実施の形態に係る圧電
/電歪デバイス(他方の圧電/電歪デバイス10A2)
を固着した場合を示す。
【0084】一方の圧電/電歪デバイス10A1は、そ
の固定部22が接着剤120を介して基板122の表面
に固着されている。この一方の圧電/電歪デバイス10
A1の可動部20には、他方の圧電/電歪デバイス10
A2の固定部22が接着剤124を介して固着されてい
る。即ち、2つの圧電/電歪デバイス10A1及び10
A2が直列に配置された構成となっている。なお、他方
の圧電/電歪デバイス10A2における可動部20の互
いに対向する端面36a及び36b間には可動部20と
は異なる軽量な部材126が介在されている。
【0085】この場合、一方の圧電/電歪デバイス10
A1における可動部20の端面36a及び36bの間に
まで、他方の圧電/電歪デバイス10A2を固着するた
めの接着剤124が行き渡っており、これにより、他方
の圧電/電歪デバイス10A2は一方の圧電/電歪デバ
イス10A1に対して強固に固着されることになる。ま
た、このように圧電/電歪デバイス10A2を接着すれ
ば、接着と同時に端面36a及び36b間に可動部20
とは異なる軽量な部材(この例では接着剤124)を介
在させることができるため、製造工程が簡略化できると
いう利点がある。
【0086】一方、図3に示すように、互いに対向する
端面36a及び36bを有する固定部22とした場合
は、前述した可動部20に互いに対向する端面36a及
び36bを有する場合の効果に加え、この第2の変形例
に係る圧電/電歪デバイス10Abを所定の固定部分に
強固に固定することが可能となり、信頼性の向上を図る
ことができる。
【0087】また、この第1の実施の形態においては、
一対の電極28及び30が圧電/電歪層26を間に挟ん
で重なる部分(実質的駆動部分18)を固定部22の一
部から薄板部16a及び16bの一部にかけて連続的に
形成するようにしている。実質的駆動部分18を更に可
動部20の一部にかけて形成した場合、可動部20の変
位動作が前記実質的駆動部分18によって制限され、大
きな変位を得ることができなくなるおそれがあるが、こ
の第1の実施の形態では、前記実質的駆動部分18を可
動部20にかけないように形成しているため、可動部2
0の変位動作が制限されるという不都合が回避され、可
動部20の変位量を大きくすることができる。
【0088】逆に、可動部20の一部に圧電/電歪素子
24a及び24bを形成する場合は、前記実質的駆動部
分18が可動部20の一部から薄板部16a及び16b
の一部にかけて位置させるように形成することが好まし
い。これは、実質的駆動部分18が固定部22の一部に
までわたって形成されると、上述したように、可動部2
0の変位動作が制限されるからである。
【0089】次に、第1の実施の形態に係る圧電/電歪
デバイス10Aの好ましい構成例について説明する。
【0090】まず、可動部20の変位動作を確実なもの
とするために、圧電/電歪素子24a及び24bの実質
的駆動部分18が固定部22もしくは可動部20にかか
る距離gを薄板部16a及び16bの厚みdの1/2以
上とすることが好ましい。
【0091】そして、薄板部16a及び16bの内壁間
の距離(X軸方向の距離)aと薄板部16a及び16b
の幅(Y軸方向の距離)bとの比a/bが0.5〜20
となるように構成する。前記比a/bは、好ましくは1
〜15とされ、更に好ましくは1〜10とされる。この
比a/bの規定値は、可動部20の変位量を大きくし、
X−Z平面内での変位を支配的に得られることの発見に
基づく規定である。
【0092】一方、薄板部16a及び16bの長さ(Z
軸方向の距離)eと薄板部16a及び16bの内壁間の
距離aとの比e/aにおいては、好ましくは0.5〜1
0とされ、更に好ましくは0.5〜5とすることが望ま
しい。
【0093】更に、孔部12にゲル状の材料、例えばシ
リコンゲルを充填することが好ましい。通常は、充填材
の存在によって、可動部20の変位動作が制限を受ける
ことになるが、この第1の実施の形態では、可動部20
への端面36a及び36bの形成に伴う軽量化や可動部
20の変位量の増大化を図るようにしているため、前記
充填材による可動部20の変位動作の制限が打ち消さ
れ、充填材の存在による効果、即ち、高共振周波数化や
剛性の確保を実現させることができる。
【0094】また、可動部20の長さ(Z軸方向の距
離)fは、短いことが好ましい。短くすることで軽量化
と共振周波数の増大が図られるからである。しかしなが
ら、可動部20のX軸方向の剛性を確保し、その変位を
確実なものとするためには、薄板部16a及び16bの
厚みdとの比f/dを2以上、好ましくは5以上とする
ことが望ましい。
【0095】なお、各部の実寸法は、可動部20への部
品の取り付けのための接合面積、固定部22を他の部材
に取り付けるための接合面積、電極用端子などの取り付
けのための接合面積、圧電/電歪デバイス10A全体の
強度、耐久度、必要な変位量並びに共振周波数、そし
て、駆動電圧等を考慮して定められることになる。
【0096】具体的には、例えば薄板部16a及び16
bの内壁間の距離aは、100μm〜2000μmが好
ましく、更に好ましくは200μm〜1600μmであ
る。薄板部16a及び16bの幅bは、50μm〜20
00μmが好ましく、更に好ましくは100μm〜50
0μmである。薄板部16a及び16bの厚みdは、Y
軸方向への変位成分である煽り変位が効果的に抑制でき
るように、薄板部16a及び16bの幅bとの関係にお
いてb>dとされ、かつ、2μm〜100μmが好まし
く、更に好ましくは10μm〜80μmである。
【0097】薄板部16a及び16bの長さeは、20
0μm〜3000μmが好ましく、更に好ましくは30
0μm〜2000μmである。可動部20の長さfは、
50μm〜2000μmが好ましく、更に好ましくは1
00μm〜1000μmである。
【0098】このような構成にすることにより、X軸方
向の変位に対してY軸方向の変位が10%を超えない
が、上述の寸法比率と実寸法の範囲で適宜調整を行うこ
とで低電圧駆動が可能で、Y軸方向への変位成分を5%
以下に抑制できるというきわめて優れた効果を示す。つ
まり、可動部20は、実質的にX軸方向という1軸方向
に変位することになり、しかも、高速応答性に優れ、相
対的に低電圧で大きな変位を得ることができる。
【0099】また、この圧電/電歪デバイス10Aにお
いては、デバイスの形状が従来のような板状(変位方向
に直交する方向の厚みが小さい形状)ではなく、可動部
20と固定部22が概ね直方体の形状を呈しており、可
動部20と固定部22の側面が連続するように一対の薄
板部16a及び16bが設けられているため、圧電/電
歪デバイス10AのY軸方向の剛性を選択的に高くする
ことができる。
【0100】即ち、この圧電/電歪デバイス10Aで
は、平面内(XZ平面内)における可動部20の動作の
みを選択的に発生させることができ、可動部20のYZ
面内の動作(いわゆる煽り方向の動作)を抑制すること
ができる。
【0101】次に、この第1の実施の形態に係る圧電/
電歪デバイス10Aの各構成要素について説明する。
【0102】可動部20は、上述したように、薄板部1
6a及び16bの駆動量に基づいて作動する部分であ
り、圧電/電歪デバイス10Aの使用目的に応じて種々
の部材が取り付けられる。例えば、圧電/電歪デバイス
10Aを変位素子として使用する場合であれば、光シャ
ッタの遮蔽板等が取り付けられ、特に、ハードディスク
ドライブの磁気ヘッドの位置決めやリンギング抑制機構
に使用するのであれば、磁気ヘッド、磁気ヘッドを有す
るスライダ、スライダを有するサスペンション等の位置
決めを必要とする部材が取り付けられる。
【0103】固定部22は、上述したように、薄板部1
6a及び16b並びに可動部20を支持する部分であ
り、例えば前記ハードディスクドライブの磁気ヘッドの
位置決めに利用する場合には、VCM(ボイスコイルモ
ータ)に取り付けられキャリッジアーム、該キャリッジ
アームに取り付けられた固定プレート又はサスペンショ
ン等に固定部22を支持固定することにより、圧電/電
歪デバイス10Aの全体が固定される。また、この固定
部22には、図1に示すように、圧電/電歪素子24a
及び24bを駆動するための端子32及び34やその他
の部材が配置される場合もある。
【0104】可動部20及び固定部22を構成する材料
としては、剛性を有する限りにおいて特に限定されない
が、後述するセラミックグリーンシート積層法を適用で
きるセラミックスを好適に用いることができる。具体的
には、安定化ジルコニア、部分安定化ジルコニアをはじ
めとするジルコニア、アルミナ、マグネシア、窒化珪
素、窒化アルミニウム、酸化チタンを主成分とする材料
等のほか、これらの混合物を主成分とした材料が挙げら
れるが、機械的強度や靱性が高い点において、ジルコニ
ア、特に安定化ジルコニアを主成分とする材料と部分安
定化ジルコニアを主成分とする材料が好ましい。また、
金属材料においては、剛性を有する限り、限定されない
が、ステンレス鋼、ニッケル、黄銅、白銅、青銅等が挙
げられる。
【0105】前記安定化ジルコニア並びに部分安定化ジ
ルコニアにおいては、次のように安定化並びに部分安定
化されたものが好ましい。即ち、ジルコニアを安定化並
びに部分安定化させる化合物としては、酸化イットリウ
ム、酸化イッテルビウム、酸化セリウム、酸化カルシウ
ム、及び酸化マグネシウムがあり、少なくともそのうち
の1つの化合物を添加、含有させることにより、ジルコ
ニアは部分的にあるいは完全に安定することになるが、
その安定化は、1種類の化合物の添加のみならず、それ
ら化合物を組み合わせて添加することによっても、目的
とするジルコニアの安定化は可能である。
【0106】なお、それぞれの化合物の添加量として
は、酸化イットリウムや酸化イッテルビウムの場合にあ
っては、1〜30モル%、好ましくは1.5〜10モル
%、酸化セリウムの場合にあっては、6〜50モル%、
好ましくは8〜20モル%、酸化カルシウムや酸化マグ
ネシウムの場合にあっては、5〜40モル%、好ましく
は5〜20モル%とすることが望ましいが、その中でも
特に酸化イットリウムを安定化剤として用いることが好
ましく、その場合においては、1.5〜10モル%、更
に好ましくは2〜4モル%とすることが望ましい。ま
た、焼結助剤等の添加物としてアルミナ、シリカ、遷移
金属酸化物等を0.05〜20wt%の範囲で添加する
ことが可能であるが、圧電/電歪素子24a及び24b
の形成手法として、膜形成法による焼成一体化を採用す
る場合は、アルミナ、マグネシア、遷移金属酸化物等を
添加物として添加することも好ましい。
【0107】なお、機械的強度と安定した結晶相が得ら
れるように、ジルコニアの平均結晶粒子径を0.05〜
3μm、好ましくは0.05〜1μmとすることが望ま
しい。また、上述のように、薄板部16a及び16bに
ついては、可動部20並びに固定部22と同様のセラミ
ックスを用いることができるが、好ましくは、実質的に
同一の材料を用いて構成することが、接合部分の信頼
性、圧電/電歪デバイス10Aの強度、製造の煩雑さの
低減を図る上で有利である。
【0108】薄板部16a及び16bは、上述したよう
に、圧電/電歪素子24a及び24bの変位により駆動
する部分である。薄板部16a及び16bは、可撓性を
有する薄板状の部材であって、表面に配設された圧電/
電歪素子24a及び24bの伸縮変位を屈曲変位として
増幅して、可動部20に伝達する機能を有する。従っ
て、薄板部16a及び16bの形状や材質は、可撓性を
有し、屈曲変形によって破損しない程度の機械的強度を
有するものであれば足り、可動部20の応答性、操作性
を考慮して適宜選択することができる。
【0109】薄板部16a及び16bの厚みdは、2μ
m〜100μm程度とすることが好ましく、薄板部16
a及び16bと圧電/電歪素子24a及び24bとを合
わせた厚みは7μm〜500μmとすることが好まし
い。電極28及び30の厚みは0.1〜50μm、圧電
/電歪層26の厚みは3〜300μmとすることが好ま
しい。また、薄板部16a及び16bの幅bとしては、
50μm〜2000μmが好適である。
【0110】一方、薄板部16a及び16bの形状や材
質は、可撓性を有し、屈曲変形によって破損しない程度
の機械的強度を有するものであれば足り、金属が好まし
く採用される。この場合、前述のとおり、可撓性を有
し、屈曲変形が可能な金属材料、具体的には、ヤング率
100GPa以上の金属材料であればよい。
【0111】好ましくは、鉄系材料としては、SUS3
01、SUS304、AISI653、SUH660等
のオーステナイト系ステンレス鋼、SUS430、43
4等のフェライト系ステンレス鋼、SUS410、SU
S630等のマルテンサイト系ステンレス鋼、SUS6
31、AISI632等のセミオーステナイト系等のス
テンレス鋼、マルエージングステンレス鋼、各種バネ鋼
鋼材で構成することが望ましい。また、非鉄系材料とし
ては、チタン−ニッケル合金をはじめとする超弾性チタ
ン合金、黄銅、白銅、アルミニウム、タングステン、モ
リブデン、ベリリウム銅、リン青銅、ニッケル、ニッケ
ル鉄合金、チタン等で構成することが望ましい。
【0112】薄板部16a及び16bとして、可動部2
0や固定部22と同様に、セラミックスを用いる場合は
ジルコニアが好適である。中でも安定化ジルコニアを主
成分とする材料と部分安定化ジルコニアを主成分とする
材料は、薄肉であっても機械的強度が大きいこと、靱性
が高いこと、圧電/電歪層26や電極材との反応性が小
さいことから最も好適に用いられる。
【0113】圧電/電歪素子24a及び24bは、少な
くとも圧電/電歪層26と、該圧電/電歪層26に電界
をかけるための一対の電極28及び30を有するもので
あり、ユニモルフ型、バイモルフ型等の圧電/電歪素子
を用いることができるが、薄板部16a及び16bと組
み合わせたユニモルフ型の方が、発生する変位量の安定
性に優れ、軽量化に有利であるため、このような圧電/
電歪デバイス10Aに適している。
【0114】例えば、図1に示すように、一方の電極2
8、圧電/電歪層26及び他方の電極30が層状に積層
された圧電/電歪素子等を好適に用いることができるほ
か、図5〜図9に示すように、多段構成にしてもよい。
この場合、電極28及び30を構成する膜(電極膜)の
位置ずれ、即ち、1層おきの例えば電極28の垂直投影
面における面方向の位置ずれが50μm以下となってい
る。これは電極30も同様である。
【0115】前記圧電/電歪素子24a及び24bは、
図1に示すように、圧電/電歪デバイス10Aの外面側
に形成する方が薄板部16a及び16bをより大きく駆
動させることができる点で好ましいが、使用形態などに
応じて、圧電/電歪デバイス10Aの内面側、即ち、孔
部12の内壁面に形成してもよく、圧電/電歪デバイス
10Aの外面側、内面側の双方に形成してもよい。
【0116】圧電/電歪層26には、圧電セラミックス
が好適に用いられるが、電歪セラミックスや強誘電体セ
ラミックス、あるいは反強誘電体セラミックスを用いる
ことも可能である。但し、この圧電/電歪デバイス10
Aをハードディスクドライブの磁気ヘッドの位置決め等
に用いる場合は、可動部20の変位量と駆動電圧又は出
力電圧とのリニアリティが重要とされるため、歪み履歴
の小さい材料を用いることが好ましく、抗電界が10k
V/mm以下の材料を用いることが好ましい。
【0117】具体的な材料としては、ジルコン酸鉛、チ
タン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸
鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、アンチモン
スズ酸鉛、マンガンタングステン酸鉛、コバルトニオブ
酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸ナトリウムビスマ
ス、ニオブ酸カリウムナトリウム、タンタル酸ストロン
チウムビスマス等を単独であるいは混合物として含有す
るセラミックスが挙げられる。
【0118】特に、高い電気機械結合係数と圧電定数を
有し、薄板部16a及び16bをセラミックスとし、圧
電/電歪層26を一体焼成する場合には、薄板部16a
及び16b(セラミックス)との反応性が小さく、安定
した組成のものが得られる点において、ジルコン酸鉛、
チタン酸鉛、及びマグネシウムニオブ酸鉛を主成分とす
る材料、もしくはチタン酸ナトリウムビスマスを主成分
とする材料が好適に用いられる。
【0119】更に、前記材料に、ランタン、カルシウ
ム、ストロンチウム、モリブデン、タングステン、バリ
ウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガン、セリウム、
カドミウム、クロム、コバルト、アンチモン、鉄、イッ
トリウム、タンタル、リチウム、ビスマス、スズ等の酸
化物あるいは最終的に酸化物となる少なくとも1つの成
分を含む化合物等を単独で、もしくは混合したセラミッ
クスを用いてもよい。
【0120】例えば、主成分であるジルコン酸鉛とチタ
ン酸鉛及びマグネシウムニオブ酸鉛に、ランタンやスト
ロンチウムを含有させることにより、抗電界や圧電特性
を調整可能となる等の利点を得られる場合がある。
【0121】なお、シリカ等のガラス化し易い材料の添
加は避けることが望ましい。なぜならば、シリカ等の材
料は、圧電/電歪層の熱処理時に、圧電/電歪材料と反
応し易く、その組成を変動させ、圧電特性を劣化させる
からである。
【0122】一方、圧電/電歪素子24a及び24bの
一対の電極28及び30は、室温で固体であり、導電性
に優れた金属で構成されていることが好ましく、例えば
アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケ
ル、銅、亜鉛、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、パラ
ジウム、ロジウム、銀、スズ、タンタル、タングステ
ン、イリジウム、白金、金、鉛等の金属単体、もしくは
これらの合金が用いられ、更に、これらに圧電/電歪層
26と同じ材料あるいは違う材料のセラミックスを分散
させたサーメット材料を用いてもよい。
【0123】圧電/電歪素子24a及び24bにおける
電極28及び30の材料選定は、圧電/電歪層26の形
成方法に依存して決定される。例えば薄板部16a及び
16b上に一方の電極28を形成した後、該一方の電極
28上に圧電/電歪層26を焼成により形成する場合
は、一方の電極28には、圧電/電歪層26の焼成温度
においても変化しない白金、パラジウム、白金−パラジ
ウム合金、銀−パラジウム合金等の高融点金属を使用す
る必要があるが、圧電/電歪層26を形成した後に、該
圧電/電歪層26上に形成される最外層に位置する場合
の他方の電極30は、低温で電極形成を行うことができ
るため、アルミニウム、金、銀等の低融点金属を使用す
ることができる。
【0124】前記積層型圧電/電歪素子24が薄板部1
6a及び16bに対して接着剤202で貼り合わされる
場合は、圧電/電歪層26と電極28及び30(電極
膜)とは多層に積層されて一体にされた後、一括に焼成
されることが好ましく、その際の電極28及び30は白
金、パラジウム、それらの合金等の高融点金属を使用す
る。また、電極28及び30は、高融点金属と圧電/電
歪材料、あるいは他のセラミックスとの混合物であるサ
ーメットとすることが好ましい。
【0125】また、電極28及び30の厚みは、少なか
らず圧電/電歪素子24a及び24bの変位を低下させ
る要因ともなるため、特に圧電/電歪層26の焼成後に
形成される電極には、焼成後に緻密でより薄い膜が得ら
れる有機金属ペースト、例えば金レジネートペースト、
白金レジネートペースト、銀レジネートペースト等の材
料を用いることが好ましい。
【0126】次に、第1の実施の形態に係る圧電/電歪
デバイス10Aのいくつかの製造方法を図16A〜図2
3を参照しながら説明する。
【0127】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイ
ス10Aは、薄板部16a及び16bを金属製とし、可
動部20及び固定部22の構成材料をセラミックスとし
ている。従って、圧電/電歪デバイス10Aの構成要素
として、薄板部16a及び16b並びに圧電/電歪素子
24a及び24bを除く、固定部22及び可動部20に
ついてはセラミックグリーンシート積層法を用いて製造
することが好ましく、一方、圧電/電歪素子24a及び
24bをはじめとして、各端子32及び34について
は、薄膜や厚膜等の膜形成手法を用いて製造することが
好ましい。
【0128】そして、可動部20及び固定部22の側面
に対する薄板部16a及び16bの固着は接着剤200
による固着が好ましく、薄板部16a及び16b上への
圧電/電歪素子24a及び24bの固着は接着剤202
による固着が好ましい。
【0129】圧電/電歪デバイス10Aの可動部20や
固定部22を一体的に成形することが可能なセラミック
グリーンシート積層法によれば、各部材の接合部の経時
的な状態変化がほとんど生じないため、接合部位の信頼
性が高く、かつ、剛性確保に有利な方法である。
【0130】この第1の実施の形態に係る圧電/電歪デ
バイス10Aでは、薄板部16a及び16bと固定部2
2との境界部分並びに薄板部16a及び16bと可動部
20との境界部分は、変位発現の支点となるため、これ
ら境界部分の信頼性は圧電/電歪デバイス10Aの特性
を左右する重要なポイントである。
【0131】また、以下に示す製造方法は、生産性や成
形性に優れるため、所定形状の圧電/電歪デバイスを短
時間に、かつ、再現性よく得ることができる。
【0132】以下、具体的に第1の実施の形態に係る圧
電/電歪デバイス10Aの第1の製造方法について説明
する。ここで、定義付けをしておく。セラミックグリー
ンシートを積層して得られた積層体をセラミックグリー
ン積層体158(例えば図16B参照)と定義し、この
セラミックグリーン積層体158を焼成して一体化した
ものをセラミック積層体160(例えば図17A参照)
と定義し、セラミック積層体160と金属板を貼り合わ
せたものをハイブリッド積層体162(図18参照)と
定義し、このハイブリッド積層体162から不要な部分
を切除して可動部20、薄板部16a及び16b並びに
固定部22が一体化されたものを基体14D(図19参
照)と定義する。
【0133】また、この第1の製造方法においては、最
終的にハイブリッド積層体162をチップ単位に切断し
て、圧電/電歪デバイス10Aを多数個取りするもので
あるが、説明を簡単にするために、圧電/電歪デバイス
10Aの1個取りを主体にして説明する。
【0134】まず、ジルコニア等のセラミック粉末にバ
インダ、溶剤、分散剤、可塑剤等を添加混合してスラリ
ーを作製し、これを脱泡処理後、リバースロールコータ
ー法、ドクターブレード法等の方法により、所定の厚み
を有するセラミックグリーンシートを作製する。
【0135】次に、金型を用いた打抜き加工やレーザ加
工等の方法により、セラミックグリーンシートを図16
Aのような種々の形状に加工して、複数枚の基体形成用
のセラミックグリーンシート、具体的には、少なくとも
後に孔部12を形成する窓部54が形成された複数枚
(例えば4枚)のセラミックグリーンシート50A〜5
0Dと、後に孔部12を形成する窓部54と互いに対向
する端面36a及び36bを有する可動部20を形成す
るための窓部100とが連続形成されたセラミックグリ
ーンシート102とを用意する。
【0136】その後、図16Bに示すように、セラミッ
クグリーンシート50A〜50D及び102を積層・圧
着して、セラミックグリーン積層体158とする。この
積層にあたってはセラミックグリーンシート102を中
央に位置させて積層する。その後、セラミックグリーン
積層体158を焼成して、図17Aに示すように、セラ
ミック積層体160を得る。このとき、セラミック積層
体160には、窓部54及び100による孔部130が
形成されたかたちとなる。
【0137】次に、図17Bに示すように、別体として
構成した圧電/電歪素子24a及び24bをそれぞれ薄
板部となる金属板152A及び152Bの表面にエポキ
シ系接着剤202で接着する。
【0138】次に、金属板152A及び152Bでセラ
ミック積層体160を挟み込むように、かつ、孔部13
0を塞ぐようにして、これら金属板152A及び152
Bをセラミック積層体160にエポキシ系の接着剤20
0で接着し、ハイブリッド積層体162(図18参照)
とする。
【0139】次に、図18に示すように、圧電/電歪素
子24a及び24bが形成されたハイブリッド積層体1
62のうち、切断線C1、C2、C5に沿って切断する
ことにより、ハイブリッド積層体162の側部と先端部
を切除する。この切除によって、図19に示すように、
基体14Dのうち、金属板で構成された薄板部16a及
び16bに圧電/電歪素子24a及び24bが形成さ
れ、かつ、互いに対向する端面36a及び36bを有す
る可動部20が形成された第1の実施の形態に係る圧電
/電歪デバイス10Aを得る。
【0140】一方、第2の製造方法は、まず、図20A
に示すように、少なくとも後に孔部12を形成する窓部
54が形成された複数枚(例えば4枚)のセラミックグ
リーンシート50A〜50Dと、後に孔部12を形成す
る窓部54と互いに対向する端面36a及び36bを有
する可動部20を形成するための窓部100とが連続形
成されたセラミックグリーンシート102とを用意す
る。
【0141】その後、図20Bに示すように、セラミッ
クグリーンシート50A〜50D及び102を積層・圧
着して、セラミックグリーン積層体158とする。その
後、セラミックグリーン積層体158を焼成して、図2
1Aに示すように、セラミック積層体160を得る。こ
のとき、セラミック積層体160には、窓部54及び1
00による孔部130が形成されたかたちとなる。
【0142】次に、図21Bに示すように、金属板15
2A及び152Bでセラミック積層体160を挟み込む
ように、かつ、孔部130を塞ぐようにして、これら金
属板152A及び152Bをセラミック積層体160に
エポキシ系の接着剤200で接着し、ハイブリッド積層
体162とする。このとき、接着した金属板152A及
び152Bの表面に圧電/電歪素子24a及び24bを
貼り合わせる際に、十分な接着圧力がかけられるよう
に、図21Aに示すように、必要に応じて、孔部130
に充填材164を充填する。
【0143】充填材164は、最終的には除去する必要
があるため、溶剤等に溶解しやすく、また、硬い材料で
あることが好ましく、例えば有機樹脂やワックス、ロウ
などが挙げられる。また、アクリル等の有機樹脂にセラ
ミック粉末をフィラーとして混合した材料を採用するこ
ともできる。
【0144】次に、図21Bに示すように、ハイブリッ
ド積層体162における金属板152A及び152Bの
表面に、別体として形成した圧電/電歪素子24a及び
24bをエポキシ系の接着剤202で接着する。別体の
圧電/電歪素子24a及び24bは、例えばセラミック
グリーンシート積層法、印刷多層法により形成すること
ができる。
【0145】次に、図22に示すように、圧電/電歪素
子24a及び24bが形成されたハイブリッド積層体1
62のうち、切断線C1、C2、C5に沿って切断する
ことにより、ハイブリッド積層体162の側部と先端部
を切除する。この切除によって、図23に示すように、
基体14Dのうち、金属板で構成された薄板部16a及
び16bに圧電/電歪素子24a及び24bが形成さ
れ、かつ、互いに対向する端面36a及び36bを有す
る可動部20が形成された第1の実施の形態に係る圧電
/電歪デバイス10Aを得る。
【0146】また、基体部をすべて金属とする場合に
は、例えば図17Aにおけるセラミック積層体160に
相当する部位を鋳造により形成するほか、バルク状部材
を研削加工、ワイヤ放電加工、金型打抜き加工、ケミカ
ルエッチングの方法で形成したり、薄板状の金属を積層
し、クラッディング法により形成すればよい。
【0147】次に、第2の実施の形態に係る圧電/電歪
デバイス10Bについて図24〜図52を参照しながら
説明する。
【0148】この第2の実施の形態に係る圧電/電歪デ
バイス10Bは、図24に示すように、相対向する一対
の薄板部16a及び16bと、これら薄板部16a及び
16bを支持する固定部22とを具備し、前記一対の薄
板部16a及び16bのうち、一方の薄板部16aに積
層型圧電/電歪素子24が配設されて構成されている。
なお、積層型圧電/電歪素子24は構造が複雑であるた
め、図24及び図25において、簡略化して示し、図2
6〜図29において、その詳細な拡大図を示してある。
【0149】一対の薄板部16a及び16bの各後端部
の間には、固定部22が例えば接着剤200によって固
着され、一対の薄板部16a及び16bの各先端部は開
放端となっている。
【0150】一対の薄板部16a及び16bにおける各
先端部の間には、例えば図25に示すように、上述の可
動部20、あるいは種々の部材や部品が例えば接着剤2
00を介して固着される。図25の例では、一対の薄板
部16a及び16bにおける各先端部の間に、固定部2
2と同一の部材で構成された可動部20を接着剤200
を介して固着した例を示す。
【0151】一対の薄板部16a及び16bは、それぞ
れ金属にて構成され、固定部22や可動部20について
は、セラミックスもしくは金属を用いて構成される。特
に、図24や図25の例では、一対の薄板部16a及び
16bのうち、積層型圧電/電歪素子24が形成される
一方の薄板部16aの厚みが他方の薄板部16bの厚み
よりも大とされている。
【0152】また、積層型圧電/電歪素子24は、薄板
部16aに対して有機樹脂、ガラス、ロウ付け、半田付
け、共晶接合等の接着剤202で貼り付けられる。即
ち、金属製の薄板部16aに前記積層型圧電/電歪素子
24が接着剤202を介して固着されることによって、
圧電/電歪デバイス10Bの駆動源であるアクチュエー
タ部204が構成されることになる。
【0153】そして、この圧電/電歪デバイス10B
は、アクチュエータ部204の駆動によって薄板部16
a(図25の例では16a及び16b)における先端部
(可動部20が取り付けられた部分)が変位する。ある
いは薄板部16aにおける先端部の変位がアクチュエー
タ部(センサとして使用する場合はドランスデューサ
部)204を通じて電気的に検出されることになる。こ
の場合、センサとして利用されることになる。
【0154】積層型圧電/電歪素子24は、例えば図2
6に示すように、圧電/電歪層26並びに一対の電極2
8及び30をそれぞれ多層構造とし、一方の電極28と
他方の電極30をそれぞれ交互に積層して、これら一方
の電極28と他方の電極30が圧電/電歪層26を間に
挟んで重なる部分が多段構成とされている。
【0155】図26では、圧電/電歪層26並びに一対
の電極28及び30をそれぞれ多層構造とし、一方の電
極28と他方の電極30を断面ほぼ櫛歯状となるように
それぞれ互い違いに積層し、これら一方の電極28と他
方の電極30が圧電/電歪層26を間に挟んで重なる部
分が多段構成とされている。
【0156】詳しくは、前記積層型圧電/電歪素子24
は、ほぼ直方体形状を呈し、複数の圧電/電歪層26と
電極膜28及び30から構成されている。そして、各圧
電/電歪層26の上下面に接する電極膜28及び30が
互い違いに反対の端面208及び209にそれぞれ導出
され、当該互い違いの反対の端面208及び209に導
出された各電極膜28及び30を電気的に接続する端面
電極28c及び30cが、最外層の圧電/電歪層26の
表面に設けられ、かつ、所定距離Dkだけ離れて配置さ
れた端子部28b及び30bに電気的に接続されてい
る。
【0157】前記端子部28b及び30b間の所定距離
Dkは、20μm以上であることが好ましい。また、圧
電/電歪層26の上下面に接する電極膜28及び30の
材質と端面電極28c及び30cの材質を異ならせるよ
うにしてもよい。また、少なくとも一方の端子部(図2
6の例では、端子部28b)と該端子部28bと対応す
る端面電極28cとを、これら端子部28bや端面電極
28cより薄い薄膜の電極膜(外表面電極)28dで電
気的に接続するようにしてもよい。
【0158】また、圧電/電歪層26の焼成後に形成さ
れる表面の電極膜28d、端面電極28c及び30c、
端子部28b及び30bは、圧電/電歪層26の焼成前
に形成される、あるいは同時に焼成される電極膜28及
び30よりも薄く、また、耐熱性の低いものとしてもよ
い。
【0159】この図26では、圧電/電歪層26を5層
構造とし、一方の電極28を1層目の上面と3層目の上
面と5層目の上面に位置するように櫛歯状に形成し、他
方の電極30を2層目の上面と4層目の上面に位置する
ように櫛歯状に形成した例を示している。
【0160】また、図28では、圧電/電歪層26を同
じく5層構造とし、一方の電極28を1層目の上面と3
層目の上面と5層目の上面に位置するように櫛歯状に形
成し、他方の電極30を1層目の下面と2層目の上面と
4層目の上面に位置するように櫛歯状に形成した例を示
している。
【0161】これらの構成の場合、一方の電極28同士
並びに他方の電極30同士をそれぞれつなぎ共通化する
ことで、端子の数の増加を抑制することができるため、
積層型圧電/電歪素子24を用いたことによるサイズの
大型化を抑えることができる。
【0162】このように積層型圧電/電歪素子24を用
いることにより、アクチュエータ部204の駆動力が増
大し、もって大変位が図られると共に、圧電/電歪デバ
イス10B自体の剛性が増すことで、高共振周波数化が
図られ、変位動作の高速化が容易に達成できる。
【0163】なお、段数を多くすれば、アクチュエータ
部204の駆動力の増大は図られるが、それに伴い消費
電力も増えるため、実施する場合には、用途、使用状態
に応じて適宜段数等を決めればよい。また、この第2の
実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Bでは、積層
型圧電/電歪素子24を用いることによって、アクチュ
エータ部204の駆動力を上げても、基本的に薄板部1
6a及び16bの幅(Y軸方向の距離)bは不変である
ため、例えば非常に狭い間隙において使用されるハード
ディスク用磁気ヘッドの位置決め、リンギング制御等の
アクチュエータに適用する上で非常に好ましいデバイス
となる。
【0164】ここで、薄板部16aに対する積層型圧電
/電歪素子24の形成位置に関しては、前記積層型圧電
/電歪素子24を構成する多層体の先端面208が、平
面的に少なくとも固定部22を含まない位置(図25の
例では、可動部20と固定部22との間に形成される孔
に含まれる位置)で、前記積層型圧電/電歪素子24を
構成する多層体の後端面209が、平面的に少なくとも
固定部22を含む位置であって、電極28の端部28a
は平面的に少なくとも固定部22を含む位置であって、
電極30の端部30aは平面的に固定部22を含まない
位置(図25の例では、同じく可動部20と固定部22
との間に形成される孔に含まれる位置)に形成されるこ
とが好ましい。
【0165】なお、一対の電極28及び30への電圧の
印加は、5層目の圧電/電歪層26上に形成された各電
極28及び30の端部(端子部28b及び30b)を通
じて行われるようになっている。各端子部28b及び3
0bは電気的に絶縁できる程度に離間して形成されてい
る。
【0166】端子部28b及び30bの所定間隔Dk
は、20μm以上が好ましく、更に、端子部28b及び
30bの厚みが1μm〜30μmの場合は、50μm以
上が好ましい。また、端子部28b及び30bは、内部
電極28及び30と同じ材質であっても異なる材質であ
っても構わない。例えば、圧電/電歪層26と同時焼成
する場合は、同じ材質とし、別焼成では異なる材質とす
ればよい。
【0167】端面電極28c及び30cは、内部電極2
8及び30並びに圧電/電歪層26の焼成後、これらの
端面を研削、研磨等して内部電極と端面電極とを電気的
に接続することが好ましい。端面電極28c及び30c
の材質も内部電極28及び30と同じであってもよい
し、異なっていてもよい。例えば、内部電極28及び3
0には白金ペースト、外表面電極28dには金レジネー
ト、端面電極28c及び30c並びに端子部28b及び
30bには金ペーストを利用することが好ましいが、上
述した第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10
Aとほぼ同じ構成をとることもできる。
【0168】この場合、圧電/電歪デバイス10Bの固
定を、端子部28b及び30bが配置された面とは別の
面を利用してそれぞれ別個に行うことができ、結果とし
て、圧電/電歪デバイス10Bの固定と、回路と端子部
28b及び30b間の電気的接続の双方に高い信頼性を
得ることができる。この構成においては、フレキシブル
プリント回路、フレキシブルフラットケーブル、ワイヤ
ボンディング等によって端子部28b及び30bと回路
との電気的接続が行われる。
【0169】このように、第2の実施の形態に係る圧電
/電歪デバイス10Bにおいては、アクチュエータ部2
04を、金属製の薄板部16a上に接着剤202を介し
て積層型圧電/電歪素子24を固着させて構成するよう
にしているため、積層型圧電/電歪素子24の平面上の
面積を広げなくても薄板部16a(及び16b)を大き
く変位させることができ、しかも、薄板部16a(及び
16b)が金属製であるため、強度や靱性に優れ、急激
な変位動作にも対応できる。
【0170】つまり、この第2の実施の形態では、使用
環境の変動や過酷な使用状態においても十分に対応で
き、耐衝撃性に優れ、圧電/電歪デバイス10Bの長寿
命化、ハンドリング性の向上を図ることができ、しか
も、相対的に低電圧で薄板部16a(及び16b)を大
きく変位させることができると共に、薄板部16a(及
び16b)の剛性が高く、またアクチュエータ部204
の膜厚が厚く、剛性が高いため、薄板部16a(及び1
6b)の変位動作の高速化(高共振周波数化)を達成さ
せることができる。
【0171】通常、薄板部16aと、歪み変形する積層
型圧電/電歪素子24とを組み合わせたアクチュエータ
部204において、これを高速に駆動するにはアクチュ
エータ部204の剛性を高めることが必要であり、大き
な変位を得るにはアクチュエータ部204の剛性を低め
ることが必要である。
【0172】しかし、この第2の実施の形態に係る圧電
/電歪デバイス10Bにおいては、アクチュエータ部2
04を構成する薄板部16a及び16bを対向させて一
対の薄板部16a及び16bとし、この一対の薄板部1
6a及び16bの各後端部の間に固定部22を接着剤2
00により固着し、積層型圧電/電歪素子24を多段構
造とし、当該積層型圧電/電歪素子24の位置及び構成
部材の材質、大きさを適宜選択して、圧電/電歪デバイ
ス10Bを構成するようにしたので、上述のような相反
する特性を両立させることが可能となり、前記一対の薄
板部16a及び16bの開放端の間に固定部22と実質
的に同程度の大きさの物体が介在する場合の構造体の最
小共振周波数が20kHz以上であって、前記物体と固
定部22との相対変位量が、前記共振周波数の1/4以
下の周波数で実体的な印加電圧30Vで0.5μm以上
とすることが可能となる。
【0173】その結果、一対の薄板部16a及び16b
を大きく変位させることができると共に、圧電/電歪デ
バイス10B、特に、一対の薄板部16a及び16bの
変位動作の高速化(高共振周波数化)を達成させること
ができる。
【0174】また、この第2の実施の形態に係る圧電/
電歪デバイス10Bにおいては、積層型圧電/電歪素子
24の微小な変位が薄板部16a及び16bの撓みを利
用して大きな変位動作に増幅されて、可動部20に伝達
することになるため、可動部20は、圧電/電歪デバイ
ス10Bの長軸m(図14参照)に対して大きく変位さ
せることが可能となる。
【0175】また、この第2の実施の形態に係る圧電/
電歪デバイス10Bにおいては、すべての部分を脆弱で
比較的重い材料である圧電/電歪材料によって構成する
必要がないため、機械的強度が高く、ハンドリング性、
耐衝撃性、耐湿性に優れ、動作上、有害な振動(例え
ば、高速作動時の残留振動やノイズ振動)の影響を受け
難いという利点を有する。
【0176】また、図24に示すように、一対の薄板部
16a及び16bの先端部を開放端としているため、こ
の圧電/電歪デバイス10Bに種々の部材や部品を取り
付ける場合に、前記一対の薄板部16a及び16bの先
端部を利用することができ、これら先端部で部材や部品
を挟み込むようにして取り付けることができる。この場
合、部材や部品の取付面積を大きくとることができ、部
品の取付性を向上させることができる。しかも、取り付
けられる部材や部品が一対の薄板部16a及び16b内
に含まれる形になるため、部材や部品を取り付けた後の
圧電/電歪デバイスのY方向の大きさを小さくすること
ができ、小型化において有利となる。
【0177】もちろん、図25に示すように、一対の薄
板部16a及び16bにおける各先端部の間に可動部2
0を固着した場合は、可動部20の一主面に種々の部材
や部品が例えば接着剤を介して固着されることになる。
【0178】また、この第2の実施の形態においては、
前記積層型圧電/電歪素子24を構成する多層体の先端
面208が平面的に少なくとも固定部22を含まない位
置で、前記多層体の後端面209が、平面的に少なくと
も固定部22を含む位置であって、電極28の端部28
aは平面的に少なくとも固定部22を含む位置であっ
て、電極30の端部30aは平面的に固定部22を含ま
ない位置に形成するようにしている。
【0179】例えば一対の電極28及び30の各端部
を、可動部20に含まれる位置に形成した場合、一対の
薄板部16a及び16bの変位動作が積層型圧電/電歪
素子24によって制限され、大きな変位を得ることがで
きなくなるおそれがあるが、この第2の実施の形態で
は、上述の位置関係としているため、可動部20の変位
動作が制限されるという不都合が回避され、一対の薄板
部16a及び16bの変位量を大きくすることができ
る。
【0180】次に、第2の実施の形態に係る圧電/電歪
デバイス10Bの好ましい構成例について説明する。好
ましい構成例については、上述した第1の実施の形態に
係る圧電/電歪デバイス10Aとほぼ同じであるため、
この第2の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10B
に特有の好ましい構成例のみ説明する。
【0181】まず、この第2の実施の形態に係る圧電/
電歪デバイス10Bにおいては、該圧電/電歪デバイス
10Bの形状が従来のような板状ではなく、可動部20
を設けた場合、可動部20と固定部22が直方体の形状
を呈しており、可動部20と固定部22の側面が連続す
るように一対の薄板部16a及び16bが設けられて、
矩形の環状構造となっているため、圧電/電歪デバイス
10BのY軸方向の剛性を選択的に高くすることができ
る。
【0182】即ち、この圧電/電歪デバイス10Bで
は、平面内(XZ平面内)における可動部20の動作の
みを選択的に発生させることができ、一対の薄板部16
a及び16bのYZ面内の動作(いわゆる煽り方向の動
作)を抑制することができる。
【0183】薄板部16a及び16bは金属であること
が望ましく、固定部22や可動部20は異種材料であっ
てもよいが、金属であることがより好ましい。薄板部1
6a及び16bと固定部22、薄板部16a及び16b
と可動部20とは、有機樹脂、ロウ材、半田等で接着し
てもよいが、金属間で拡散接合あるいは溶接させた一体
構造がより好ましい。更に、冷間圧延加工された金属を
利用すると、転位が多く存在することから高強度であ
り、更に望ましい。
【0184】また、この第2の実施の形態では、一方の
薄板部16aのみに積層型圧電/電歪素子24を形成す
るようにしたので、図30に示すように、一対の薄板部
16a及び16bにそれぞれ圧電/電歪素子24a及び
24bを形成したもの(変形例)と比して安価に作製す
ることができる。更に、この第2の実施の形態では、可
動部20を固着した状態で見た場合、積層型圧電/電歪
素子24が形成された厚みの大きい薄板部16aが直接
変位し、これに連動して積層型圧電/電歪素子24が形
成されていない厚みの薄い薄板部16bが変位すること
になるため、より大きく変位させることができる。
【0185】また、薄板部16aへの積層型圧電/電歪
素子24の形成は、薄板部16aに積層型圧電/電歪素
子24を有機樹脂、ロウ材、半田等で接着させることに
より実現させることができるが、低温で接着させる場合
は、有機樹脂が望ましく、高温で接着させてもよい場合
は、ロウ材、半田、ガラス等が好ましい。しかし、薄板
部16aと積層型圧電/電歪素子24と接着剤202
は、一般に熱膨張率が異なることが多いため、積層型圧
電/電歪素子24に熱膨張率の差による応力を生じさせ
ないようにするために、接着温度は低いことが望まし
い。有機樹脂であれば、概ね180℃以下の温度で接着
が可能であるため、好ましく採用される。更に好ましく
は、室温硬化型の接着剤を用いることが望ましい。ま
た、薄板部16a及び16bと圧電/電歪素子24との
固定が、固定部22、可動部20と薄板部16a及び1
6bとの固定後あるいは同時固定の場合、固定部22あ
るいは可動部20が開放型の構造であれば、異種材料間
に発生する歪みを効果的に低減することができる。
【0186】積層型圧電/電歪素子24に熱応力を及ぼ
さないようにするために、積層型圧電/電歪素子24と
薄板部16aとの接着は、有機樹脂で行い、薄板部16
a及び16bと固定部22や可動部20の固定は別工程
にすることが好ましい。
【0187】また、図31に示すように、積層型圧電/
電歪素子24の一部が固定部22に位置する場合におい
て、一対の薄板部16a及び16bにおける可動部20
との境界部分と固定部22との境界部分との間の最短距
離をLa、可動部20と薄板部16aとの境界部分から
積層型圧電/電歪素子24の一対の電極28及び30に
おけるいずれかの端部28a又は30aまでの距離のう
ち、最も短い距離をLbとしたとき、(1−Lb/L
a)が0.4以上であることが好ましく、0.5〜0.
8がより好ましい。0.4以下の場合は、変位を大きく
とれない。0.5〜0.8の場合は、変位と共振周波数
の両立が達成しやすいが、この場合、一方の薄板部16
aにのみ積層型圧電/電歪素子24が形成された構造の
ものがより適している。これは、積層型圧電/電歪素子
24の一部が可動部20に位置する場合においても同様
である。
【0188】積層型圧電/電歪素子24の総厚は、40
μm以上とすることが好ましい。40μm未満である
と、積層型圧電/電歪素子24を薄板部16aに接着す
ることが困難である。また、前記総厚は180μm以下
が望ましい。180μmを超過すると、圧電/電歪デバ
イス10Bの小型化が困難となる。
【0189】積層型圧電/電歪素子24のうち、薄板部
16aと接する部分は、接着剤202としてロウ材や半
田等の金属を利用する場合、図28や図29に示すよう
に、濡れ性の関係から最下層に電極膜が存在することが
好ましい。図28や図29では、他方の電極30を構成
する電極膜を配置した状態を示す。
【0190】また、図26や図28に示す積層型圧電/
電歪素子24を薄板部16aにロウ材や半田等の金属層
を介して接着する場合は、図27や図29に示すよう
に、積層型圧電/電歪素子24の下面うち、少なくとも
一方の電極28が存在する角部を面取りすることが好ま
しい。これは、一対の電極28及び30が金属層及び薄
板部16aを通じて短絡するのを防止するためである。
図27は、一対の電極28及び30が存在する2つの角
部を面取りした例を示し、図29は一方の電極28が存
在する角部を面取りした例を示す。
【0191】薄板部16aに積層型圧電/電歪素子24
を接着するための接着剤202や薄板部16a及び16
bを固定部22等に接着するための接着剤200として
は、エポキシ、イソシアネート系のような2液型の反応
性接着剤、シアノアクリレート系等の瞬間接着剤、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体等のホットメルト接着剤等で
よいが、特に、薄板部16aに積層型圧電/電歪素子2
4を接着するための接着剤202としては、硬度がショ
アDで80以上のものが好ましい。
【0192】また、薄板部16a及び16bと積層型圧
電/電歪素子24(24a及び24b)とを接着する接
着剤202としては、金属、セラミックス等のフィラー
を含有した有機接着剤とすることが望ましい。この場
合、接着剤202の厚みは、100μm以下の厚みにす
ることが望ましい。フィラーを含有させることで、実質
的な樹脂分の厚みが小さくなることと、接着剤の硬度を
高く保つことができるからである。
【0193】接着剤200及び202としては、上述の
有機接着剤のほか、無機接着剤でもよく、この無機接着
剤としては、ガラス、セメント、半田、ロウ材等があ
る。
【0194】一方、薄板部16a及び16bの形状や材
質は、可撓性を有し、屈曲変形によって破損しない程度
の機械的強度を有するものであれば足り、金属が好まし
く採用される。この場合、前述のとおり、可撓性を有
し、屈曲変形が可能な金属材料、具体的には、ヤング率
100GPa以上の金属材料であればよい。
【0195】好ましくは、鉄系材料としては、SUS3
01、SUS304、AISI653、SUH660等
のオーステナイト系ステンレス鋼、SUS430、43
4等のフェライト系ステンレス鋼、SUS410、SU
S630等のマルテンサイト系ステンレス鋼、SUS6
31、AISI632等のセミオーステナイト系等のス
テンレス鋼、マルエージングステンレス鋼、各種バネ鋼
鋼材で構成することが望ましい。また、非鉄系材料とし
ては、チタン−ニッケル合金をはじめとする超弾性チタ
ン合金、黄銅、白銅、アルミニウム、タングステン、モ
リブデン、ベリリウム銅、リン青銅、ニッケル、ニッケ
ル鉄合金、チタン等で構成することが望ましい。
【0196】次に、第2の実施の形態に係る圧電/電歪
デバイス10Bを作製するためのいくつかの製造方法を
図32〜図40を参照しながら説明する。
【0197】第3の製造方法は、まず、図32に示すよ
うに、縦1.6mm×横10mm×厚み0.9mmのス
テンレス板250の中央部に縦1mm×横8mmの矩形
状の孔252を穿設して、該孔252の両側にそれぞれ
支持部254及び256が配された矩形の環状構造を有
する基体258を作製する。
【0198】その後、図33に示すように、縦1.6m
m×横10mm×厚み0.05mmの第1のステンレス
薄板260と、縦1.6mm×横10mm×厚み0.0
2mmの第2のステンレス薄板262(図35参照)を
用意する。
【0199】その後、図33に示すように、第1のステ
ンレス薄板260の上面のうち、積層型圧電/電歪素子
24が形成される部分に接着剤202(例えばエポキシ
樹脂製接着剤)をスクリーン印刷によって形成する。そ
の後、図34に示すように、第1のステンレス薄板26
0に接着剤202を介して積層型圧電/電歪素子24を
接着する。
【0200】その後、図35に示すように、基体258
の各支持部254及び256上に接着剤200(例えば
エポキシ樹脂製接着剤)をスクリーン印刷によって形成
する。
【0201】その後、各支持部254及び256の一方
の面上に接着剤200を介して、すでに前記積層型圧電
/電歪素子24が形成されている第1のステンレス薄板
260を接着し、各支持部254及び256の他方の面
上に接着剤200を介して第2のステンレス薄板262
を接着し、更に、これら第1及び第2のステンレス薄板
260及び262を基体258を挟む方向に加圧して、
図36に示すデバイス原盤270を作製する。なお、加
圧力は0.1〜10kgf/cm2である。
【0202】その後、図36に示すように、デバイス原
盤270を切断線272の部分で切断して、図25に示
すような、個々の圧電/電歪デバイス10Bに分離す
る。この切断処理は、線径0.1mm、間隔0.2mm
のワイヤソーを使って行った。ワイヤソーを使用するこ
とにより、それぞれ材料が異なるにも拘わらず、積層型
圧電/電歪素子24の幅と薄板部16aの幅並びに接着
剤200及び202の幅をほぼ同一に規定することがで
きる。
【0203】次に、第4の製造方法は、図37に示すよ
うに、縦1.6mm×横10mm×厚み0.9mmのス
テンレス板250の中央部に縦1mm×横8mmの矩形
状の孔252を穿設して、該孔252の両側にそれぞれ
支持部254及び256が配された矩形の環状構造を有
する基体258を作製する。
【0204】その後、基体258の各支持部254及び
256上に接着剤200(例えばエポキシ樹脂製接着
剤)をスクリーン印刷によって形成する。
【0205】その後、図38に示すように、各支持部2
54及び256の一方の面上に接着剤200を介して縦
1.6mm×横10mm×厚み0.05mmの第1のス
テンレス薄板260を接着し、各支持部254及び25
6の他方の面上に接着剤200を介して縦1.6mm×
横10mm×厚み0.02mmの第2のステンレス薄板
262を接着し、更に、これら第1及び第2のステンレ
ス薄板260及び262を基体258を挟む方向に加圧
する。なお、加圧力は0.1〜10kgf/cm2であ
る。
【0206】その後、第1のステンレス薄板260の上
面のうち、積層型圧電/電歪素子24が形成される部分
に接着剤202(例えばエポキシ樹脂製接着剤)をスク
リーン印刷によって形成する。
【0207】その後、図40に示すように、第1のステ
ンレス薄板260に接着剤202を介して積層型圧電/
電歪素子24を接着してデバイス原盤270を作製す
る。
【0208】その後、図36に示すように、デバイス原
盤270を切断線272の部分で切断して、図25に示
すような、個々の圧電/電歪デバイス10Bに分離す
る。
【0209】これら第3及び第4の製造方法にて作製さ
れた圧電/電歪デバイス10Bの一部(例えば固定部2
2)を固定し、積層型圧電/電歪素子24の一対の電極
28及び30間にバイアス電圧15V、正弦波電圧±1
5Vを印加して、可動部20の変位を測定したところ、
±1.2μmであった。また、正弦波電圧±0.5Vと
して、周波数を掃引して変位の最大を示す最低共振周波
数を測定したところ、50kHzであった。
【0210】上述の第3及び第4の製造方法では、基体
258の構成として、後に可動部20となる支持部25
4と後に固定部22となる支持部256を有する矩形の
環状構造としたが、その他、図41に示すように、孔2
52を広くし、第1及び第2のステンレス薄板260及
び262を支持する枠状の部分254a(少なくとも後
に可動部20が介在する部分の厚みを実質的に規定する
部分)と後に固定部22となる支持部256を有する矩
形の環状構造としてもよい。
【0211】この場合、基体258を第1及び第2のス
テンレス薄板260及び262で挟むように接着剤20
0を介して固着して図36に示すものと同様のデバイス
原盤270を作製し、更に、図36で示すような切断線
272に沿って切断することにより、例えば図44に示
すように、薄板部16a及び16bの先端部間に可動部
20が存在しない圧電/電歪デバイス10Bを作製する
ことができる。
【0212】次に、上述した第3及び第4の製造方法と
は異なる第5の製造方法について図42〜図46を参照
しながら説明する。
【0213】この第5の製造方法は、上述した第3及び
第4の製造方法と同様に、第1のステンレス薄板260
と第2のステンレス薄板262に、支持部254及び2
56を接着してデバイス原盤270を作製し、その後、
個々の圧電/電歪デバイス10Bに分離する場合にも適
用できるし、薄板部16a及び16bに積層型圧電/電
歪素子24a及び24bを形成してなる各アクチュエー
タ部204に分離形成された単位を、同様に分離して用
意された固定部22(及び適宜に可動部20)を固着す
ることで圧電/電歪デバイス10Bを作製する場合にも
適用できる。
【0214】以下の説明では、後に可動部20となる支
持部254並びに可動部20を便宜的に「可動部20」
と記し、後に固定部22となる支持部256並びに固定
部22を便宜的に「固定部22」と記し、後に薄板部1
6a及び16bとなる第1及び第2のステンレス薄板2
60及び262並びに薄板部16a及び16bを便宜的
に「薄板部16a及び16b」と記す。
【0215】そして、図42に示すように、固定部22
及び可動部20に接着剤200を介して薄板部16a及
び16bを接着する際に、流動性のある接着剤を用いる
場合は、接着剤200の形成場所を規定するために、各
薄板部16a並びに16bに段差280am及び280
an並びに280bm及び280bnを設けることが好
ましい。もちろん、粘性の高い接着剤を用いる場合は、
このような段差を設ける必要はない。なお、段差280
am及び280an並びに280bm及び280bn
は、板状物の積層によって形成してもよい。
【0216】図43は、可動部20と各薄板部16a及
び16bとの接着に用いる接着剤200として流動性の
高い接着剤とし、固定部22と各薄板部16a及び16
bとの接着に用いる接着剤200として粘性の高い接着
剤を用いた場合であって、薄板部16a及び16bのう
ち、流動性の高い接着剤を用いる部分に段差280an
及び280bnを設けた例を示す。
【0217】図44は、固定部22と薄板部16a及び
16bとの接着に用いる接着剤200として粘性の高い
接着剤を用いた場合を示し、上述のような段差280a
m及び280an並びに280bm及び280bnを設
けていない構造を示す。
【0218】図45は、固定部22及び可動部20と薄
板部16a及び16bとの接着に用いる接着剤200と
して共に流動性の高い接着剤を用いた場合であって、特
に、薄板部16a並びに16bに接着剤200の形成領
域を区画するための突起282am及び282an並び
に282bm及び282bnを設けた例を示す。
【0219】図46に示すように、図42に示す例にお
いて、固定部22及び可動部20の大きさ、特に、固定
部22における薄板部16a及び16bの段差280a
m及び280bmと対向する面の面積を段差280am
及び280bmの面積よりも大きくし、可動部20にお
ける薄板部16a及び16bの段差280an及び28
0bnと対向する面の面積を段差280am及び280
bmの面積よりも大きくするようにしてもよい。これに
より、例えば薄板部16a及び16bのうち、実質的な
駆動部分(段差280am及び280an間の部分並び
に段差280bm及び280bn間の部分)を、段差2
80am及び280bmによって規定することができ
る。図42に示すように、固定部22における各薄板部
16a及び16bの段差280am及び280bmと対
向する面の面積を段差280am及び280bmの面積
とほぼ同じにし、可動部20における各薄板部16a及
び16bの段差280an及び280bnと対向する面
の面積を段差280an及び280bnの面積とほぼ同
じにした場合は、固定部22と段差280am及び28
0bmとの大きさのばらつき並びに可動部20と段差2
80an及び280bnとの大きさのばらつきが前記実
質的駆動部分の長さに影響するおそれがある。なお、図
46では、固定部22を可動部20に向けて大きくした
例を示したが、その他、前記可動部20の方向とは反対
方向である外方に向けて大きくするようにしてもよい。
これは可動部20においても同様である。
【0220】図42〜図46では、段差280am、2
80bm、280an及び280bnや突起282a
m、282bm、282an及び282bnと、薄板部
16a及び16bとが一体化しているが、適宜加工した
板を図19や図23と同様に、接着剤を介して積層して
設けてもよい。一体化して設ける場合は、板部材をエッ
チングや切削等で薄くすることによって薄板部16a及
び16bを形成すると同時に前記段差280am、28
0bm、280an及び280bnや突起282am、
282bm、282an及び282bnを一体的に設け
ることができる。
【0221】なお、上述の例では、接着剤200及び2
02の形成をスクリーン印刷により行った例を示した
が、その他、デッピング、ディスペンサ、転写等を用い
ることができる。
【0222】次に、例えば薄板部16aと積層型圧電/
電歪素子24との間に介在する接着剤202並びに薄板
部16a及び16bと可動部20及び固定部22との間
に介在する接着剤200に関する様々な構成例について
図47〜図52を参照しながら説明する。
【0223】まず、図47に示す第1の手法において
は、薄板部16aに多数の孔290を設け、これら孔2
90が設けられた部分に接着剤202を介して積層型圧
電/電歪素子24を接着するようにする。この場合、孔
290内に接着剤202が入り込むことから、接着面積
が実質的に大きくなると共に、接着剤202の厚みを薄
くすることが可能となる。前記接着剤202の厚みとし
ては、積層型圧電/電歪素子24の総厚の5%以下であ
って、薄板部16aと接着剤202の熱膨張率の差によ
る熱ストレスを吸収できる程度の厚み以上であることが
好ましい。
【0224】孔290の径としては、5μm〜100μ
mが好ましく、その配列パターンはマトリックス状でも
よいし、千鳥配列でもよい。もちろん、複数の孔290
を1列に配列させてもよい。孔290の配列ピッチとし
ては、10μm〜200μmが好ましい。また、孔29
0の代わりに凹部(穴)であってもよい。この場合、穴
の径は、5μm〜100μmが好ましく、その配列パタ
ーンはマトリックス状でもよいし、千鳥配列でもよい。
穴の配列ピッチとしては、10μm〜200μmが好ま
しい。特に、凹部(穴)の場合は、例えば平面矩形状と
し、その開口面積を積層型圧電/電歪素子24の薄板部
16aに対する投影面積よりも僅かに小さくするように
してもよい。なお、薄板部16aに孔290や穴を形成
する手法としては、例えばエッチングやレーザ加工、打
抜き、ドリル加工、放電加工、超音波加工等を採用する
ことができる。
【0225】図48に示す第2の手法においては、薄板
部16aのうち、積層型圧電/電歪素子24が形成され
る部分の表面292を、ブラスト処理、エッチング処理
あるいはめっき処理によって粗くする。この場合、積層
型圧電/電歪素子24の下面294も粗くする。これに
より、接着面積が実質的に大きくなるため、接着剤20
2の厚みを薄くすることが可能となる。
【0226】図48では、薄板部16aの表面と積層型
圧電/電歪素子24の下面(薄板部16aと対向する
面)を粗くした例を示したが、接着剤202との接着力
が小さい方の面を粗くすればよく、例えば薄板部16a
の表面のみを粗くしただけでも十分に効果がある。表面
粗さとしては、例えば中心線平均粗さでみたとき、Ra
=0.1μm〜5μmが好ましく、より好ましくは、
0.3μm〜2μmである。
【0227】図49に示す第3の手法においては、接着
剤200のはみ出し形状、特に、薄板部16a及び16
bの内壁、可動部20の内壁20a及び固定部22の内
壁22aにて形成される孔(基体258の孔252)へ
の接着剤200のはみ出し形状に曲率296を持たせる
ようにする。この場合、曲率半径を0.05mm以上と
し、はみ出し形状が直線状になる、あるいは直線部分を
含むようにすることが好ましい。接着剤200の前記は
み出し部分に対する曲率296の形成は、接着剤200
の硬化前に例えば円筒状の心材を孔252に挿通させる
ことで実現させることができる。実際には、接着剤20
0の物性、塗布量によって制御し、少なくともはみ出し
形状が凸状にならないようにする。
【0228】これにより、可動部20の内壁20aや固
定部22の内壁22a並びに各薄板部16a及び16b
の内壁も接着面として利用されることから、接着面積が
大きくなり、接着強度を大きくすることができる。ま
た、固定部22の内壁22aと各薄板部16a及び16
bの内壁との接合部分(角部)への応力集中を効果的に
分散させることができる。
【0229】図50に示す第4の手法は、可動部20の
角部のうち、固定部22と対向する角部、及び/又は固
定部22の角部のうち、可動部20と対向する角部をそ
れぞれ面取りしてテーパ面298とすることである。面
取りの角度や曲率半径を適宜調整することにより、接着
剤200のはみ出し量を安定化することができ、接着強
度の局部的なばらつきを抑制することができ、歩留まり
の向上を図ることができる。
【0230】前記角部を面取りする方法としては、例え
ば、組立前において、一方の支持部254と他方の支持
部256の前記角部となる部分に対して事前に研削・研
磨を行ってテーパ面298としておくことが好ましい。
もちろん、組立後において、前記面取りを行ってもよ
い。この場合は、レーザ加工や超音波加工、サンドブラ
スト等が好ましく採用される。
【0231】図51に示す第5の手法は、例えば薄板部
16a及び16bを作製する際に、通常、打抜き加工を
行うが、この場合、ばり300が発生することになる。
発生したばり300を組立前に除去するようにしてもよ
いが、そのまま残すようにしてもよい。その場合、発生
するばり300の方向をハンドリングや各部材の接着方
向、接着剤の量に対する制御の容易さ等を考慮して規定
することが好ましい。図51の例では、薄板部16a及
び16bのばり300を外方に向けた状態を示す。
【0232】図52に示す第6の手法は、上述したよう
に、一方の薄板部16aの厚みを、他方の薄板部16b
の厚みよりも大きくする。そして、アクチュエータ部2
04並びにセンサとして使用する場合には、一方の薄板
部16a上に積層型圧電/電歪素子24を形成すること
が好ましい。
【0233】なお、その他の手法としては、例えば積層
型圧電/電歪素子24を薄板部16a及び16bに接着
剤202を介して接着する際に、積層型圧電/電歪素子
24の下面に例えばZrO2層を下地層として介在させ
るようにしてもよい。
【0234】また、ステンレス薄板260及び262
(図33等参照)を薄板部16a及び16bとして使用
する場合は、薄板部16a及び16bの長手方向とステ
ンレス薄板260及び262の冷間圧延方向とがほぼ一
致するようにすることが好ましい。
【0235】なお、積層型圧電/電歪素子24を構成す
る圧電/電歪層26は、3層〜10層ほど積層すること
が好ましい。
【0236】上述した圧電/電歪デバイス10A及び1
0Bによれば、各種トランスデューサ、各種アクチュエ
ータ、周波数領域機能部品(フィルタ)、トランス、通
信用や動力用の振動子や共振子、発振子、ディスクリミ
ネータ等の能動素子のほか、超音波センサや加速度セン
サ、角速度センサや衝撃センサ、質量センサ等の各種セ
ンサ用のセンサ素子として利用することができ、特に、
光学機器、精密機器等の各種精密部品等の変位や位置決
め調整、角度調整の機構に用いられる各種アクチュエー
タに好適に利用することができる。
【0237】なお、この発明に係る圧電/電歪デバイス
及びその製造方法は、上述の実施の形態に限らず、この
発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る
ことはもちろんである。
【0238】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る圧電
/電歪デバイス及びその製造方法によれば、圧電/電歪
デバイスの長寿命化、ハンドリング性並びに可動部への
部品の取付性又は圧電/電歪デバイスの固定性を向上さ
せることができ、これにより、相対的に低電圧で可動部
を大きく変位させることができると共に、圧電/電歪デ
バイス、特に、可動部の変位動作の高速化(高共振周波
数化)を達成させることができ、しかも、有害な振動の
影響を受け難く、高速応答が可能で、機械的強度が高
く、ハンドリング性、耐衝撃性、耐湿性に優れた変位素
子、並びに可動部の振動を精度よく検出することが可能
なセンサ素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの
構成を示す斜視図である。
【図2】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの
第1の変形例を示す斜視図である。
【図3】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの
第2の変形例を示す斜視図である。
【図4】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの
第3の変形例を示す斜視図である。
【図5】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの
第4の変形例を示す斜視図である。
【図6】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの
第5の変形例を示す斜視図である。
【図7】第5の変形例に係る圧電/電歪デバイスの他の
例を示す斜視図である。
【図8】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの
第6の変形例を示す斜視図である。
【図9】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの
第7の変形例を示す斜視図である。
【図10】圧電/電歪素子の他の例を一部省略して示す
斜視図である。
【図11】圧電/電歪素子の更に他の例を一部省略して
示す斜視図である。
【図12】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス
において、圧電/電歪素子が共に変位動作を行っていな
い場合を示す説明図である。
【図13】図13Aは一方の圧電/電歪素子に印加され
る電圧波形を示す波形図であり、図13Bは他方の圧電
/電歪素子に印加される電圧波形を示す波形図である。
【図14】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス
において、圧電/電歪素子が変位動作を行った場合を示
す説明図である。
【図15】一方の圧電/電歪デバイスの可動部に他方の
圧電/電歪デバイスを固着した場合を示す斜視図であ
る。
【図16】図16Aは第1の製造方法において、必要な
セラミックグリーンシートの積層過程を示す説明図であ
り、図16Bはセラミックグリーン積層体とした状態を
示す説明図である。
【図17】図17Aはセラミックグリーン積層体を焼成
してセラミック積層体とした状態を示す説明図であり、
図17Bは別体として構成した圧電/電歪素子をそれぞ
れ薄板部となる金属板の表面に接着した状態を示す説明
図である。
【図18】第1の製造方法において、金属板をセラミッ
ク積層体に接着してハイブリッド積層体とした状態を示
す説明図である。
【図19】ハイブリッド積層体を所定の切断線に沿って
切断して、第1の変形例に係る圧電/電歪デバイスを作
製した状態を示す説明図である。
【図20】図20Aは第2の製造方法において、必要な
セラミックグリーンシートの積層過程を示す説明図であ
り、図20Bはセラミックグリーン積層体とした状態を
示す説明図である。
【図21】図21Aはセラミックグリーン積層体を焼成
してセラミック積層体とした後、孔部に充填材を充填し
た状態を示す説明図であり、図21Bはそれぞれ薄板部
となる金属板をセラミック積層体に接着してハイブリッ
ド積層体とした状態を示す説明図である。
【図22】別体として構成した圧電/電歪素子をハイブ
リッド積層体の金属板の表面に接着した状態を示す説明
図である。
【図23】ハイブリッド積層体を所定の切断線に沿って
切断して、第1の変形例に係る圧電/電歪デバイスを作
製した状態を示す説明図である。
【図24】第2の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス
の構成を示す斜視図である。
【図25】第2の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス
の他の構成を示す斜視図である。
【図26】積層型圧電/電歪素子の一構成例を示す拡大
図である。
【図27】図26に示す積層型圧電/電歪素子の好まし
い構成例を示す拡大図である。
【図28】積層型圧電/電歪素子の他の構成例を示す拡
大図である。
【図29】図28に示す積層型圧電/電歪素子の好まし
い構成例を示す拡大図である。
【図30】第2の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス
の更に他の構成を示す斜視図である。
【図31】第2の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス
の好ましい寸法関係を示す説明図である。
【図32】第3の製造方法において、ステンレス板の中
央部に矩形状の孔を穿設して矩形の環状構造の基体を作
製した状態を示す説明図である。
【図33】第1のステンレス薄板に接着剤を形成する状
態を示す説明図である。
【図34】第1のステンレス薄板に接着剤を介して積層
型圧電/電歪素子を接着した状態を示す説明図である。
【図35】基体に接着剤を介して第1及び第2のステン
レス薄板を接着する状態を示す説明図である。
【図36】作製されたデバイス原盤を切断する状態を示
す説明図である。
【図37】第4の製造方法において、ステンレス板の中
央部に矩形状の孔を穿設して矩形の環状構造の基体を作
製し、更に、該基体に接着剤を介して第1及び第2のス
テンレス薄板を接着する状態を示す説明図である。
【図38】基体に接着剤を介して第1及び第2のステン
レス薄板を接着した状態を示す説明図である。
【図39】第1のステンレス薄板に接着剤を形成する状
態を示す説明図である。
【図40】第1のステンレス薄板に接着剤を介して積層
型圧電/電歪素子を接着した状態を示す説明図である。
【図41】他の例の基体に接着剤を介して第1及び第2
のステンレス薄板を接着する状態を示す説明図である。
【図42】第5の製造方法において、各薄板部のうち、
少なくとも固定部が接着される部分に段差を設けた例を
示す説明図である。
【図43】第5の製造方法において、各薄板部のうち、
少なくとも固定部が接着される部分に段差を設けない例
を示す説明図である。
【図44】第5の製造方法において、各薄板部に段差を
設けない例を示す説明図である。
【図45】第5の製造方法において、各薄板部のうち、
固定部が接着される部分に接着の区画を形成するための
突起を設けた例を示す説明図である。
【図46】第5の製造方法において、固定部を大きくし
た例を示す説明図である。
【図47】第1の手法(薄板部に孔を設ける)を示す説
明図である。
【図48】第2の手法(薄板部及び圧電/電歪素子の表
面を粗くする)を示す説明図である。
【図49】第3の手法(接着剤のはみ出し部分に曲率を
設ける)を示す説明図である。
【図50】第4の手法(固定部の角部を面取りする)を
示す説明図である。
【図51】第5の手法(ばりを外方に向ける)を示す説
明図である。
【図52】第6の手法(薄板部の厚みを変える)を示す
説明図である。
【図53】従来例に係る圧電/電歪デバイスを示す構成
図である。
【符号の説明】
10A、10Aa〜10Ag、10A1、10A2、1
0B…圧電/電歪デバイス 12…孔部 16a、16b…薄板
部 24…圧電/電歪素子 152A、152B…
金属板 200、202…接着剤 204…アクチュエー
タ部 208…多層体の先端面 209…多層体の後端
面 258…基体 270…デバイス原盤 280am、280bm、280an、280bn…段
差 282am、282bm、282an、282bn…突
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // G01C 19/56 H01L 41/18 101B G01P 9/04 101C 101D 41/22 Z (31)優先権主張番号 特願平11−326195 (32)優先日 平成11年11月16日(1999.11.16) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平11−371967 (32)優先日 平成11年12月27日(1999.12.27) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2000−13576(P2000−13576) (32)優先日 平成12年1月21日(2000.1.21) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2000−15123(P2000−15123) (32)優先日 平成12年1月24日(2000.1.24) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2000−56434(P2000−56434) (32)優先日 平成12年3月1日(2000.3.1) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2000−133012(P2000−133012) (32)優先日 平成12年5月1日(2000.5.1) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 滑川 政彦 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 Fターム(参考) 2F105 BB02 BB03 BB12 CC01 CD02 CD06 CD13

Claims (55)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属製の薄板部上に接着剤を介して積層型
    圧電/電歪素子が固着されたアクチュエータ部を少なく
    とも有し、 前記積層型圧電/電歪素子は、圧電/電歪層と電極膜か
    らなるアクチュエータ膜が少なくとも3層以上の多層体
    で構成されていることを特徴とする圧電/電歪デバイ
    ス。
  2. 【請求項2】請求項1記載の圧電/電歪デバイスにおい
    て、 前記圧電/電歪素子を構成する多層体の中の複数の電極
    膜が互い違いに積層され、1層おきに同一電圧が印加さ
    れるように接続されていることを特徴とする圧電/電歪
    デバイス。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の圧電/電歪デバイス
    において、 前記アクチュエータ膜が10層以下の多層体で構成され
    ていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧電
    /電歪デバイスにおいて、 前記アクチュエータ膜が印刷多層法で形成されているこ
    とを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧電
    /電歪デバイスにおいて、 1層おきの前記電極膜の垂直投影面における面方向の位
    置ずれが50μm以下であることを特徴とする圧電/電
    歪デバイス。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項に記載の圧電
    /電歪デバイスにおいて、 前記接着剤の厚みが15μm以下であることを特徴とす
    る圧電/電歪デバイス。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか1項に記載の圧電
    /電歪デバイスにおいて、 前記圧電/電歪素子における前記薄板部との対向面に下
    地層が形成されていることを特徴とする圧電/電歪デバ
    イス。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれか1項に記載の圧電
    /電歪デバイスにおいて、 前記薄板部のうち、少なくとも前記圧電/電歪素子が形
    成される部分に1以上の孔又は穴が形成されていること
    を特徴とする圧電/電歪デバイス。
  9. 【請求項9】請求項1〜7のいずれか1項に記載の圧電
    /電歪デバイスにおいて、 前記薄板部の表面のうち、少なくとも前記圧電/電歪素
    子が形成される部分が粗面とされていることを特徴とす
    る圧電/電歪デバイス。
  10. 【請求項10】相対向する一対の金属製の薄板部と、こ
    れら薄板部を支持する固定部とからなり、少なくとも一
    方の薄板部上に接着剤を介して積層型圧電/電歪素子が
    固定されたアクチュエータ部を具備し、 前記積層型圧電/電歪素子は、複数の圧電/電歪層と電
    極膜からなり、 各圧電/電歪層の上下面に接する電極膜が互い違いに反
    対の端面に導出され、当該互い違いの反対の端面に導出
    された各電極膜を電気的に接続する端面電極が、最外層
    の前記圧電/電歪層の表面に設けられ、かつ、所定距離
    だけ離れて配置された端子部にそれぞれ電気的に接続さ
    れていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  11. 【請求項11】請求項10記載の圧電/電歪デバイスに
    おいて、 前記積層型圧電/電歪素子は、ほぼ直方体形状を呈して
    いることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  12. 【請求項12】請求項10又は11記載の圧電/電歪デ
    バイスにおいて、 前記端子部間の所定距離は50μm以上であることを特
    徴とする圧電/電歪デバイス。
  13. 【請求項13】請求項10〜12のいずれか1項に記載
    の圧電/電歪デバイスにおいて、 少なくとも一方の前記端子部と一方の前記端面電極と
    が、これら端子部や端面電極より薄い膜厚の電極膜で電
    気的に接続されていることを特徴とする圧電/電歪デバ
    イス。
  14. 【請求項14】相対向する一対の薄板部と、これら薄板
    部を支持する固定部とを具備し、 前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に1
    以上の圧電/電歪素子が配設された圧電/電歪デバイス
    であって、 前記一対の薄板部の開放端の間に前記固定部と実質的に
    同程度の大きさの物体が介在する場合の構造体の最小共
    振周波数が20kHz以上であり、前記物体と前記固定
    部との相対変位量が、前記共振周波数の1/4以下の周
    波数で実体的な印加電圧30Vで0.5μm以上である
    ことを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  15. 【請求項15】請求項14記載の圧電/電歪デバイスに
    おいて、 前記圧電/電歪素子と前記薄板部との間に接着剤が介在
    され、 前記接着剤の厚みが前記圧電/電歪素子の厚みの10%
    以下の厚みであることを特徴とする圧電/電歪デバイ
    ス。
  16. 【請求項16】請求項14又は15記載の圧電/電歪デ
    バイスにおいて、 前記一対の薄板部のうち、一方の薄板部に前記1以上の
    圧電/電歪素子が配設され、 前記一方の薄板部の厚みが、他方の薄板部の厚みよりも
    厚いことを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  17. 【請求項17】請求項14〜16のいずれか1項に記載
    の圧電/電歪デバイスにおいて、 前記一対の薄板部における開放端の間に物体が介在する
    場合に、 前記一対の薄板部における前記物体との境界部分と前記
    固定部との境界部分との間の距離が0.4mm以上、2
    mm以下であって、 前記一対の薄板部の各厚みが10μm以上、100μm
    以下であることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  18. 【請求項18】請求項14〜17のいずれか1項に記載
    の圧電/電歪デバイスにおいて、 前記圧電/電歪素子は、圧電/電歪層と電極膜からなる
    アクチュエータ膜が少なくとも3層以上の多層体で構成
    されていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  19. 【請求項19】請求項18記載の圧電/電歪デバイスに
    おいて、 前記アクチュエータ膜が10層以下の多層体で構成され
    ていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  20. 【請求項20】請求項18又は19記載の圧電/電歪デ
    バイスにおいて、 前記圧電/電歪層の厚みが5μm以上、30μm以下で
    あることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  21. 【請求項21】請求項18〜20のいずれか1項に記載
    の圧電/電歪デバイスにおいて、 少なくとも前記圧電/電歪層に挟まれる電極膜の厚みが
    0.5μm以上、20μm以下であることを特徴とする
    圧電/電歪デバイス。
  22. 【請求項22】請求項18〜21のいずれか1項に記載
    の圧電/電歪デバイスにおいて、 前記圧電/電歪素子を構成する多層体の中の複数の電極
    膜が互い違いに積層され、1層おきに同一電圧が印加さ
    れるように接続されていることを特徴とする圧電/電歪
    デバイス。
  23. 【請求項23】請求項22記載の圧電/電歪デバイスに
    おいて、 前記圧電/電歪素子は、該圧電/電歪素子を構成する多
    層体のうち、1層目の圧電/電歪層のみ、あるいは1層
    目の電極膜と1層目の圧電/電歪層が前記薄板部に接触
    するように形成されていることを特徴とする圧電/電歪
    デバイス。
  24. 【請求項24】請求項22又は23記載の圧電/電歪デ
    バイスにおいて、 前記電極膜の端部のうち、一方は、平面的に少なくとも
    前記固定部を含まない位置に形成されていることを特徴
    とする圧電/電歪デバイス。
  25. 【請求項25】請求項18〜24のいずれか1項に記載
    の圧電/電歪デバイスにおいて、 前記圧電/電歪素子を構成する多層体の一端が、平面的
    に少なくとも前記固定部を含まない位置に形成されてい
    ることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  26. 【請求項26】請求項24又は25記載の圧電/電歪デ
    バイスにおいて、 前記一対の薄板部における開放端の間に物体が介在する
    場合に、 前記一対の薄板部における前記物体との境界部分と前記
    固定部との境界部分との間の最短距離をLaとし、 前記物体又は前記固定部のうち、前記圧電/電歪素子を
    構成する多層体が形成されていない一方と前記薄板部と
    の境界部分から前記電極膜の端部までの距離のうち、最
    も短い距離をLbとしたとき、 (1−Lb/La)が0.4以上であることを特徴とす
    る圧電/電歪デバイス。
  27. 【請求項27】請求項26記載の圧電/電歪デバイスに
    おいて、 (1−Lb/La)が0.5〜0.8であることを特徴
    とする圧電/電歪デバイス。
  28. 【請求項28】請求項14〜27のいずれか1項に記載
    の圧電/電歪デバイスにおいて、 前記薄板部が金属からなることを特徴とする圧電/電歪
    デバイス。
  29. 【請求項29】請求項28記載の圧電/電歪デバイスに
    おいて、 前記薄板部が冷間圧延加工された金属板からなることを
    特徴とする圧電/電歪デバイス。
  30. 【請求項30】請求項18〜29のいずれか1項に記載
    の圧電/電歪デバイスにおいて、 前記圧電/電歪素子を構成する前記多層体と前記薄板部
    との間に厚みが0.1μm以上、30μm以下の接着剤
    が介在されていることを特徴とする圧電/電歪デバイ
    ス。
  31. 【請求項31】請求項30記載の圧電/電歪デバイスに
    おいて、 前記接着剤が有機樹脂からなることを特徴とする圧電/
    電歪デバイス。
  32. 【請求項32】請求項30記載の圧電/電歪デバイスに
    おいて、 前記接着剤がガラス、ロウ材又は半田からなることを特
    徴とする圧電/電歪デバイス。
  33. 【請求項33】請求項30〜32のいずれか1項に記載
    の圧電/電歪デバイスにおいて、 前記多層体における前記薄板部との対向面に下地層が形
    成されていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  34. 【請求項34】請求項30〜33のいずれか1項に記載
    の圧電/電歪デバイスにおいて、 前記薄板部のうち、少なくとも前記多層体が形成される
    部分に1以上の孔又は穴が形成されていることを特徴と
    する圧電/電歪デバイス。
  35. 【請求項35】請求項30〜33のいずれか1項に記載
    の圧電/電歪デバイスにおいて、 前記薄板部の表面のうち、少なくとも前記多層体が形成
    される部分が粗面とされていることを特徴とする圧電/
    電歪デバイス。
  36. 【請求項36】請求項14〜35のいずれか1項に記載
    の圧電/電歪デバイスにおいて、 前記薄板部と少なくとも前記固定部との間に厚みが0.
    1μm以上、30μm以下の接着剤が介在されているこ
    とを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  37. 【請求項37】請求項36記載の圧電/電歪デバイスに
    おいて、 前記接着剤が有機樹脂からなることを特徴とする圧電/
    電歪デバイス。
  38. 【請求項38】請求項36記載の圧電/電歪デバイスに
    おいて、 前記接着剤がガラス、ロウ材又は半田からなることを特
    徴とする圧電/電歪デバイス。
  39. 【請求項39】請求項36〜38のいずれか1項に記載
    の圧電/電歪デバイスにおいて、 前記薄板部と少なくとも前記固定部との対向部分からは
    み出た前記接着剤のはみ出し形状に曲率を持たせている
    ことを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  40. 【請求項40】請求項36〜38のいずれか1項に記載
    の圧電/電歪デバイスにおいて、 前記一対の薄板部における開放端の間に物体が介在する
    場合に、少なくとも前記固定部の前記物体に対向する角
    部が面取りされていることを特徴とする圧電/電歪デバ
    イス。
  41. 【請求項41】請求項36〜38のいずれか1項に記載
    の圧電/電歪デバイスにおいて、 前記薄板部が金属板の打抜き加工によって作製されてい
    る場合に、前記打抜き加工によるばりが外方に向けられ
    ていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  42. 【請求項42】相対向する一対の薄板部と、これら薄板
    部を支持する固定部とを具備し、 前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に1
    以上の圧電/電歪素子が配設された圧電/電歪デバイス
    の製造方法であって、 少なくとも後に薄板部を形成する複数の薄板と、前記圧
    電/電歪素子と、支持基板を準備する工程と、 少なくとも1つの前記薄板に第1の接着剤を介して圧電
    /電歪素子を固着する工程と、 前記支持基板に第2の接着剤を介して前記複数の薄板を
    固着して、該複数の薄板が相対向されたデバイス原盤を
    作製する工程と、 前記デバイス原盤を複数個に分離して個々の前記圧電/
    電歪デバイスを作製する分離工程とを有することを特徴
    とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
  43. 【請求項43】相対向する一対の薄板部と、これら薄板
    部を支持する固定部とを具備し、 前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に1
    以上の圧電/電歪素子が配設された圧電/電歪デバイス
    の製造方法であって、 少なくとも後に薄板部を形成する複数の薄板と、前記圧
    電/電歪素子と、支持基板を準備する工程と、 前記支持基板に第2の接着剤を介して前記複数の薄板を
    固着する工程と、 少なくとも1つの前記薄板に第1の接着剤を介して圧電
    /電歪素子を固着して前記複数の薄板が相対向されたデ
    バイス原盤を作製する工程と、 前記デバイス原盤を複数個に分離して個々の前記圧電/
    電歪デバイスを作製する分離工程とを有することを特徴
    とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
  44. 【請求項44】請求項42又は43記載の圧電/電歪デ
    バイスの製造方法において、 作製される圧電/電歪デバイスの前記一対の薄板部にお
    ける開放端の間に物体が介在する場合に、 前記支持基板は、少なくとも後に前記物体となる部分と
    後に前記固定部となる部分を有する矩形の環状構造体で
    あることを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
  45. 【請求項45】請求項42〜44のいずれか1項に記載
    の圧電/電歪デバイスの製造方法において、 作製される圧電/電歪デバイスの前記一対の薄板部にお
    ける開放端の間に物体が介在しない場合に、 前記支持基板は、前記開放端を支持する部分と後に前記
    固定部となる部分を有する矩形の環状構造体であること
    を特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
  46. 【請求項46】請求項42〜45のいずれか1項に記載
    の圧電/電歪デバイスの製造方法において、 前記第1の接着剤及び/又は第2の接着剤が有機樹脂で
    あることを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
  47. 【請求項47】請求項42〜45のいずれか1項に記載
    の圧電/電歪デバイスの製造方法において、 前記第1の接着剤及び/又は第2の接着剤がガラス、ロ
    ウ材又は半田であることを特徴とする圧電/電歪デバイ
    スの製造方法。
  48. 【請求項48】請求項42〜47のいずれか1項に記載
    の圧電/電歪デバイスの製造方法において、 前記薄板及び/又は支持基板が金属であることを特徴と
    する圧電/電歪デバイスの製造方法。
  49. 【請求項49】請求項42〜48のいずれか1項に記載
    の圧電/電歪デバイスの製造方法において、 前記デバイス原盤を分離する処理として、前記デバイス
    原盤に対して所定の切断線に沿って切断する処理を含む
    場合に、 前記切断方向が前記一対の薄板部の変位方向とほぼ同じ
    であることを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方
    法。
  50. 【請求項50】請求項42〜49のいずれか1項に記載
    の圧電/電歪デバイスの製造方法において、 前記薄板に前記第1の接着剤を介して前記圧電/電歪素
    子を固着する前に、前記圧電/電歪素子における前記薄
    板との対向面に下地層を形成する工程を含むことを特徴
    とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
  51. 【請求項51】請求項42〜50のいずれか1項に記載
    の圧電/電歪デバイスの製造方法において、 前記薄板のうち、少なくとも前記圧電/電歪素子が固着
    される部分に1以上の孔又は穴を形成する工程を含むこ
    とを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
  52. 【請求項52】請求項42〜50のいずれか1項に記載
    の圧電/電歪デバイスの製造方法において、 前記薄板の表面のうち、少なくとも前記圧電/電歪素子
    が固着される部分を粗くする工程を含むことを特徴とす
    る圧電/電歪デバイスの製造方法。
  53. 【請求項53】請求項42〜52のいずれか1項に記載
    の圧電/電歪デバイスの製造方法において、 前記薄板と前記支持基板との対向部分からはみ出た前記
    第2の接着剤のはみ出し形状に曲率を形成する工程を含
    むことを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
  54. 【請求項54】請求項42〜52のいずれか1項に記載
    の圧電/電歪デバイスの製造方法において、 前記デバイス原盤のうち、前記支持基板の互いに対向す
    る角部を面取りする工程を含むことを特徴とする圧電/
    電歪デバイスの製造方法。
  55. 【請求項55】請求項42〜52のいずれか1項に記載
    の圧電/電歪デバイスにおいて、 金属板に対して打抜き加工をすることによって前記薄板
    を作製する工程を含む場合に、 前記薄板を前記支持基板と組み合わせて前記デバイス原
    盤を作製する際に、前記薄板に発生している前記打抜き
    加工によるばりを外方に向けて前記デバイス原盤を作製
    することを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
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