JP2001315099A - 圧電/電歪デバイス及びその製造方法 - Google Patents
圧電/電歪デバイス及びその製造方法Info
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Abstract
軽量化及び可動部の変位の増大化と高速化(高共振周波
数化)を達成させると共に、デバイスのハンドリング性
並びに可動部への部品の取付性又はデバイスの固定性を
向上させる。 【解決手段】相対向する一対の薄板部16a及び16b
と、可動部20と、これら薄板部16a及び16bと可
動部20を支持する固定部22を具備し、一対の薄板部
16a及び16bのうち、少なくとも1つの薄板部16
a及び16bに圧電/電歪素子24a及び24bが配設
され、一対の薄板部16a及び16bの両内壁と可動部
20の内壁20aと固定部22の内壁22aとにより孔
部12が形成された圧電/電歪デバイス10において、
可動部20の中央部分を切除して可動部20に互いに対
向する端面36a及び36bを形成する。
Description
変位動作に基づいて作動する可動部を備えた圧電/電歪
デバイス、もしくは可動部の変位を圧電/電歪素子によ
り検出できる圧電/電歪デバイス及びその製造方法に関
し、詳しくは、強度、耐衝撃性、耐湿性に優れ、効率よ
く可動部を大きく作動させることができる圧電/電歪デ
バイス及びその製造方法に関する。
野において、サブミクロンオーダーで光路長や位置を調
整可能な変位素子が必要とされており、圧電/電歪材料
(例えば強誘電体等)に電圧を印加したときに惹起され
る逆圧電効果や電歪効果による変位を利用した変位素子
の開発が進められている。
ば図37に示すように、圧電/電歪材料からなる板状体
200に孔部202を設けることにより、固定部204
と可動部206とこれらを支持する梁部208とを一体
に形成し、更に、梁部208に電極層210を設けた圧
電アクチュエータが開示されている(例えば特開平10
−136665号公報参照)。
層210に電圧を印加すると、逆圧電効果や電歪効果に
より、梁部208が固定部204と可動部206とを結
ぶ方向に伸縮するため、可動部206を板状体200の
面内において弧状変位又は回転変位させることが可能で
ある。
は、バイモルフを用いたアクチュエータに関して、その
バイモルフの電極を分割して設け、分割された電極を選
択して駆動することにより、高精度な位置決めを高速に
行う技術が開示され、この公報(特に第4図)には、例
えば2枚のバイモルフを対向させて使用する構造が示さ
れている。
電アクチュエータにおいては、圧電/電歪材料の伸縮方
向(即ち、板状体200の面内方向)の変位をそのまま
可動部206に伝達していたため、可動部206の作動
量が小さいという問題があった。
分を脆弱で比較的重い材料である圧電/電歪材料によっ
て構成しているため、機械的強度が低く、ハンドリング
性、耐衝撃性、耐湿性に劣ることに加え、圧電アクチュ
エータ自体が重く、動作上、有害な振動(例えば、高速
作動時の残留振動やノイズ振動)の影響を受けやすいと
いう問題点があった。
に柔軟性を有する充填材を充填することが提案されてい
るが、単に充填材を使用しただけでは、逆圧電効果や電
歪効果による変位の量が低下することは明らかである。
に記載されたアクチュエータは、固定部材ないしは中継
部材に対してバイモルフを貼り付けたものであることに
加え、バイモルフ自身2枚の圧電子を貼り合わせてなる
構造のものであることから、それらの貼り付け、貼り合
わせにかかる加熱処理や接着剤の硬化収縮等に起因した
応力を残留しやすく、その内部残留応力によって、変位
動作が妨げられ、設計通りの変位、共振周波数を実現で
きないおそれがある。特に、アクチュエータがサイズ的
に小さい場合、接着剤の影響は自ずから大きくなってし
まう。
排除する方法として、アクチュエータを例えばセラミッ
クスの一体焼成物で構成し、接着剤を使用しない構造と
することが考えられる。しかしながら、この場合におい
ても、焼成時の各部材の熱収縮挙動の違いによって、内
部残留応力が発生するおそれは免れ得ない。
さい場合には、そのアクチュエータの固定性及びアクチ
ュエータへの他の部品の取付性が低下するという問題を
内在していた。
たものであり、デバイスの軽量化、中でも可動部又は固
定部の軽量化、デバイスのハンドリング性並びに可動部
への部品の取付性又はデバイスの固定性を向上させるこ
とができ、これにより、相対的に低電圧で可動部を大き
く変位することができると共に、デバイス、特に、可動
部の変位動作の高速化(高共振周波数化)を達成させる
ことができ、しかも、有害な振動の影響を受け難く、高
速応答が可能で、機械的強度が高く、ハンドリング性、
耐衝撃性、耐湿性に優れた変位素子、並びに可動部の振
動を精度よく検出することが可能なセンサ素子を得るこ
とができる圧電/電歪デバイス及びその製造方法を提供
することを目的とする。
対の薄板部と、可動部と、これら薄板部と可動部を支持
する固定部とを具備し、前記一対の薄板部のうち、少な
くとも1つの薄板部に1以上の圧電/電歪素子が配設さ
れ、前記一対の薄板部の両内壁と前記可動部の内壁と前
記固定部の内壁とにより孔部が形成された圧電/電歪デ
バイスであって、前記可動部又は固定部のいずれか一方
は、互いに対向する端面を有することを特徴とする。
クスもしくは金属を用いて構成されていてもよく、ま
た、各部をセラミック材料同士で構成することもできる
し、あるいは金属材料同士で構成することもできる。更
には、セラミックスと金属の材料とから製造されたもの
を組み合わせたハイブリッド構造として構成することも
できる。
一方に切除部を設け、前記切除部の一部が前記互いに対
向する端面を構成するようにしてもよい。更に、前記薄
板部と前記可動部と前記固定部は、セラミックグリーン
積層体を同時焼成することによって一体化し、更に不要
な部分を切除してなるセラミック基体で構成するように
してもよい。また、前記圧電/電歪素子を膜状とし、焼
成によって前記セラミック基体に一体化するようにして
もよい。
電歪層と、該圧電/電歪層に形成された一対の電極とを
有して構成することができる。また、前記圧電/電歪素
子は、圧電/電歪層と、該圧電/電歪層の両側に形成さ
れた一対の電極とを有し、該一対の電極のうち、一方の
電極を少なくとも前記薄板部に形成するようにしてもよ
い。この場合、圧電/電歪素子による振動を薄板部を通
じて効率よく可動部又は固定部に伝達することができ、
応答性の向上を図ることができる。特に、前記圧電/電
歪素子は、前記圧電/電歪層と前記一対の電極が複数積
層形態で構成されていることが好ましい。
電歪素子の発生力が増大し、もって大変位が図られると
共に、デバイス自体の剛性が増すことで、高共振周波数
化が図られ、変位動作の高速化を容易に達成できるとい
う特徴がある。
隙としてもよいし、前記互いに対向する端面の間に前記
可動部の構成部材とは異なる部材、例えばガラス、セメ
ント、有機樹脂などが挙げられ、好ましくは有機樹脂、
例えばエポキシ系、アクリル系、ポリイミド系、フェノ
ール系、シリコーン系、テルペン系、キシレン系、スチ
レン系、メラミン系、メタクリル系、ゴム系等もしくは
これらの混合物、共重合体を介在させるようにしてもよ
い。中でも接合性、取り扱い性、硬さ等の点から、エポ
キシ系、アクリル系、メタクリル系の有機樹脂などを介
在させることが好ましい。また、更に硬度を上げる目的
で無機材料等のフィラーを混入させることも好ましい。
とした場合や、前記互いに対向する端面の間に前記可動
部又は固定部の構成部材よりも軽い部材を介在させる、
あるいは前記部材により端面間を接合させることで、可
動部又は固定部の軽量化を有効に図ることができるた
め、可動部又は固定部の変位量を低下させることなく、
共振周波数を高めることが可能となる。なお、前記部材
は高共振周波数の観点から、硬い材料とすることが好ま
しい。
とした場合は、一方の端面を含む可動部又は固定部の一
部と、他方の端面を含む可動部又は固定部の別の一部と
が撓みやすくなり、変形に強くなる。そのため、圧電/
電歪デバイスのハンドリング性に優れることとなる。
り、可動部又は固定部の表面積が大きくなる。従って、
互いに対向する端面を有する可動部とした場合は、可動
部に他の部品を取り付ける場合に、その取付面積を大き
くとることができ、部品の取付性を向上させることがで
きる。ここで、部品を例えば接着剤等によって固着する
場合を考えると、接着剤は可動部の一主面のほか端面に
まで行き渡ることとなるため、接着剤の塗布不足等を解
消することが可能となり、部品を確実に固着することが
できる。
とした場合は、この発明に係る圧電/電歪デバイスを所
定の固定部分に強固に固定することが可能となり、信頼
性の向上を図ることができる。
の軽量化、中でも可動部又は固定部の軽量化、デバイス
のハンドリング性、並びに可動部への部品の取付性、デ
バイスの固定性を向上させることができ、これにより、
可動部を大きく変位することができると共に、可動部の
変位動作の高速化(高共振周波数化)を達成させること
ができ、しかも、有害な振動の影響を受け難く、高速応
答が可能で、機械的強度が高く、ハンドリング性、耐衝
撃性、耐湿性に優れた変位素子、並びに可動部の振動を
精度よく検出することが可能なセンサ素子を得ることが
できる。
いては、例えば貼り合わせや後述する膜形成法を用いた
一体焼成等によって、例えばセラミック積層体(セラミ
ックグリーンシートを積層し、一体焼成したもの)に圧
電/電歪素子を形成したとき、圧電/電歪素子及び/又
は薄板部となる部分に内部残留応力が発生することにな
る。特に、一体焼成によって圧電/電歪素子をセラミッ
ク積層体に形成する場合は、焼成時に生じる構成部材の
収縮や熱膨張率の違いによって圧電/電歪素子及び/又
は薄板部となる部分に内部残留応力が発生しやすくな
る。
要な部分を切除して、可動部、固定部及び薄板部を有す
るセラミック基体とした場合においても、圧電/電歪素
子及び/又は薄板部に内部残留応力は残ったままであ
る。
し、使用すると、圧電/電歪素子を構成する圧電/電歪
層に所定電界を生じさせても、可動部において所望の変
位を示さない場合がある。これは、圧電/電歪層の材料
特性及び可動部の変位動作が、圧電/電歪素子及び/又
は前記薄板部に発生している内部残留応力によって阻害
されているからである。
か一方に互いに対向する端面を設けるようにしているた
め、端面間の距離が、前記圧電/電歪素子及び/又は薄
板部に発生している内部残留応力によって、例えば縮ま
ることになる。即ち、圧電/電歪素子及び/又は薄板部
に生じていた内部残留応力が端面の移動によって解放さ
れることとなる。
応力によって阻害されることがなくなり、ほぼ設計通り
の可動部の変位動作を得ることができる。加えて、この
応力の解放によって、デバイスの機械強度の向上も図る
ことができる。
ル状の材料を充填するようにしてもよい。この場合、通
常は、充填材の存在によって、可動部の変位動作が制限
を受けることになるが、上述の発明は、可動部又は固定
部への端面の形成に伴う軽量化や可動部の変位量の増大
化を図るようにしているため、前記充填材による可動部
の変位動作の制限が打ち消され、充填材の存在による効
果、即ち、高共振周波数化や剛性の確保を実現させるこ
とができる。
と、可動部と、これら薄板部と可動部を支持する固定部
とを具備し、前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つ
の薄板部に1以上の圧電/電歪素子が配設され、前記一
対の薄板部の両内壁と前記可動部の内壁と前記固定部の
内壁により孔部が形成された圧電/電歪デバイスの製造
方法であって、少なくとも前記圧電/電歪素子を作製し
た後に、前記可動部となる部分又は固定部となる部分の
いずれか一方の所定部位を切除して、互いに対向する端
面を有する前記可動部又は固定部を形成する工程を有す
ることを特徴とする。
定部が設けられることとなるため、製造時に圧電/電歪
素子及び/又は薄板部に発生していた内部残留応力が、
端面間の距離が例えば縮まることによって解放されるこ
とになるため、可動部の変位動作が前記内部残留応力に
よって阻害されることがない。
は、少なくとも圧電/電歪層が形成された状態を示し、
圧電/電歪層の形成後に形成される電極に対しては、互
いに対向する端面を有する可動部又は固定部を形成する
ための切除を行った後に形成するようにしてもかまわな
い。
又は固定部を設けることによって、可動部又は固定部が
軽量化されるため、可動部の変位量を低下させることな
く、共振周波数を高めることが可能となる圧電/電歪デ
バイスを効率よく、かつ、容易に製造することができ、
高性能の圧電/電歪デバイスの量産化を実現させること
ができる。
り、変形に強くなるため、圧電/電歪デバイスのハンド
リング性に優れることとなり、前記互いに対向する端面
の存在により、可動部又は固定部の表面積が大きくな
り、可動部に他の部品を取り付ける場合やデバイスを所
定の固定箇所に固定する場合に、その取付面積や固定面
積を大きくとることができ、部品の取付性並びにデバイ
スの固定性を向上させることができる。
と、可動部と、これら薄板部と可動部を支持する固定部
とを具備し、前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つ
の薄板部に1以上の圧電/電歪素子が配設され、前記一
対の薄板部の両内壁と前記可動部の内壁と前記固定部の
内壁とにより孔部が形成された圧電/電歪デバイスの製
造方法であって、少なくとも後に少なくとも前記孔部を
形成するための窓部を有するセラミックグリーンシート
と、後に前記薄板部となるセラミックグリーンシートと
を含むセラミックグリーン積層体を一体焼成して、セラ
ミック積層体を作製するセラミック積層体作製工程と、
前記セラミック積層体のうち、前記薄板部となる部分の
外表面に前記圧電/電歪素子を形成する工程と、前記圧
電/電歪素子が形成されたセラミック積層体に対する少
なくとも1回の切除処理によって、少なくとも前記互い
に対向する端面を有する前記可動部又は固定部を形成す
る切除工程とを含むことを特徴とする。
おいて、特に、焼成によって、セラミック積層体に圧電
/電歪素子を形成したときに、圧電/電歪素子及び/又
は薄板部に発生する内部残留応力を効果的に解放するこ
とができるため、セラミックグリーンシート積層法を用
いて圧電/電歪デバイスを作製する場合において、デバ
イスの軽量化、中でも可動部又は固定部の軽量化、デバ
イスのハンドリング性、並びに可動部への部品の取付
性、デバイスの固定性を向上させることができ、これに
より、可動部を大きく変位することができる。
は、少なくとも互いに対向する端面を有する前記可動部
又は固定部を形成するための窓部を有するセラミックグ
リーンシートと、後に前記薄板部となるセラミックグリ
ーンシートとを含むセラミックグリーン積層体を一体焼
成して、前記セラミック積層体を作製し、前記切除工程
は、前記圧電/電歪素子が形成されたセラミック積層体
に対する切除処理によって、少なくとも前記互いに対向
する端面を有する前記可動部又は固定部を形成するよう
にしてもよい。
少なくとも互いに対向する端面が一部連結された前記可
動部となる部分又は前記固定部となる部分を形成するた
めの窓部を有するセラミックグリーンシートと、後に前
記薄板部となるセラミックグリーンシートとを含むセラ
ミックグリーン積層体を一体焼成して、前記セラミック
積層体を作製し、前記切除工程は、前記圧電/電歪素子
が形成された前記セラミック積層体に対する切除処理に
よって、少なくとも互いに対向する端面が一部連結され
た前記可動部となる部分又は固定部となる部分を形成
し、更に、前記連結部分を切除して互いに対向する端面
を有する前記可動部又は固定部を形成するようにしても
よい。
程において、前記セラミック積層体に対する切除処理に
よって前記孔部を露出させることを併せて行うようにし
てもよい。この場合、互いに対向する端面を有する前記
可動部又は固定部の形成と孔部の形成を同時に行うよう
にしてもよく、その順番は問わない。
記可動部の構成部材と異なる部材を介在させる工程を含
めるようにしてもよい。
によれば、各種トランスデューサ、各種アクチュエー
タ、周波数領域機能部品(フィルタ)、トランス、通信
用や動力用の振動子や共振子、発振子、ディスクリミネ
ータ等の能動素子のほか、超音波センサや加速度セン
サ、角速度センサや衝撃センサ、質量センサ等の各種セ
ンサ用のセンサ素子として利用することができ、特に、
光学機器、精密機器等の各種精密部品等の変位や位置決
め調整、角度調整の機構に用いられる各種アクチュエー
タに好適に利用することができる。
バイス及びその製造方法の実施の形態例を図1〜図36
を参照しながら説明する。
歪素子により電気的エネルギと機械的エネルギとを相互
に変換する素子を包含する概念である。従って、各種ア
クチュエータや振動子等の能動素子、特に、逆圧電効果
や電歪効果による変位を利用した変位素子として最も好
適に用いられるほか、加速度センサ素子や衝撃センサ素
子等の受動素子としても好適に使用され得る。
10は、図1に示すように、全体として長尺の直方体の
形状を呈し、その長軸方向のほぼ中央部分に孔部12が
設けられた基体14を有する。
a及び16bと、可動部20と、前記一対の薄板部16
a及び16b並びに可動部20を支持する固定部22と
を具備し、少なくとも薄板部16a及び16bの各一部
にそれぞれ圧電/電歪素子24a及び24bが形成され
ている。
クスもしくは金属を用いて構成されたもののほか、セラ
ミックスと金属の材料で製造されたものを組み合わせた
ハイブリッド構造としてもよい。
ス等の接着剤で接着してなる構造、セラミックグリーン
積層体を焼成により一体化してなるセラミック一体構
造、ロウ付け、半田付け、共晶接合もしくは溶接等で一
体化した金属一体構造等の構成を採用することができ、
好ましくはセラミックグリーン積層体を焼成により一体
化したセラミック積層体で基体14を構成することが望
ましい。
部の接合部に接着剤が介在しないことから、経時的な状
態変化がほとんど生じないため、接合部位の信頼性が高
く、かつ、剛性確保に有利な構造であることに加え、後
述するセラミックグリーンシート積層法により、容易に
製造することが可能である。
は、後述のとおり別体として圧電/電歪素子24a及び
24bを準備して、基体14に有機樹脂、ガラス等の接
着剤や、ロウ付け、半田付け、共晶接合等で貼り付けら
れるほか、膜形成法を用いることにより、前記貼り付け
ではなく直接基体14に形成されることとなる。
対の薄板部16a及び16bの両内壁と可動部20の内
壁20aと固定部22の内壁22aにより例えば矩形状
の前記孔部12が形成され、前記圧電/電歪素子24a
及び/又は24bの駆動によって可動部20が変位し、
あるいは可動部20の変位を圧電/電歪素子24a及び
/又は24bにより検出する構成を有する。
/電歪層26と、該圧電/電歪層26の両側に形成され
た一対の電極28及び30とを有して構成され、該一対
の電極28及び30のうち、一方の電極28が少なくと
も一対の薄板部16a及び16bに形成されている。
24bを構成する一対の電極28及び30並びに圧電/
電歪層26の各先端面がほぼ揃っており、この圧電/電
歪素子24a及び24bの実質的駆動部分18(一対の
電極28及び30が圧電/電歪層26を間に挟んで重な
る部分)が固定部22の外表面の一部から薄板部16a
及び16bの外表面の一部にかけて連続的に形成されて
いる。特に、この例では、一対の電極28及び30の各
先端面が可動部20の内壁20aよりもわずかに後端寄
りに位置されている。もちろん、前記実質的駆動部分1
8が可動部20の一部から薄板部16a及び16bの一
部にかけて位置するように圧電/電歪素子24a及び2
4bを形成するようにしてもよい。
歪デバイス10においては、図1に示すように、可動部
20に互いに対向する端面36a及び36bが形成され
て構成されている。各端面36a及び36bは、可動部
20の側面、即ち、素子形成面にほぼ平行な面であっ
て、可動部20の上面から孔部12にかけて互いに分離
されている。このとき、例えば図11に示すように、可
動部20の中心軸nから各端面36a及び36bまでの
距離La及びLbをほぼ等しくすることが好ましい。
は、例えば図1に示すように、空隙(空気)38を介在
させるようにしてもよいし、図8に示す第7の変形例に
係る圧電/電歪デバイス10gのように、これら端面3
6a及び36bの間に前記可動部20の構成部材とは異
なる部材、例えば樹脂等からなる部材40を介在させる
ようにしてもよい。
印加は、各電極28及び30のうち、それぞれ固定部2
2の両側面(素子形成面)上に形成された端子(パッ
ド)32及び34を通じて行われるようになっている。
各端子32及び34の位置は、一方の電極28に対応す
る端子32が固定部22の後端寄りに形成され、外部空
間側の他方の電極30に対応する端子34が固定部22
の内壁22a寄りに形成されている。
を、端子32及び34が配置された面とは別の面を利用
してそれぞれ別個に行うことができ、結果として、圧電
/電歪デバイス10の固定と、回路と端子32及び34
間の電気的接続の双方に高い信頼性を得ることができ
る。この構成においては、フレキシブルプリント回路
(FPCとも称される)、フレキシブルフラットケーブ
ル(FFCとも称される)、ワイヤボンディング等によ
って端子32及び34と回路との電気的接続が行われ
る。
しては、図1に示す構成のほか、図2に示す第1の変形
例に係る圧電/電歪デバイス10aのように、圧電/電
歪素子24a及び24bを構成する一対の電極28及び
30の各先端部を揃え、圧電/電歪層26の先端部のみ
を可動部20側に突出させるようにしてもよく、また、
図3に示す第2の変形例に係る圧電/電歪デバイス10
bのように、一方の電極28と圧電/電歪層26の各先
端部を揃え、他方の電極30の先端部のみを固定部22
寄りに位置させるようにしてもよい。この図3に示す圧
電/電歪デバイス10bにおいては、可動部20の代わ
りに固定部22に互いに対向する端面36a及び36b
を設けた例を示す。
電/電歪デバイス10cのように、一方の電極28及び
圧電/電歪層26の各先端部を可動部20の側面にまで
延ばし、他方の電極30の先端部を薄板部16a及び1
6bの長さ方向(Z軸方向)のほぼ中央に位置させるよ
うにしてもよい。
24bを、1層構造の圧電/電歪層26と一対の電極2
8及び30で構成するようにしたが、その他、圧電/電
歪素子24a及び24bを、圧電/電歪層26と一対の
電極28及び30の複数を積層形態にして構成すること
も好ましい。
/電歪デバイス10dのように、圧電/電歪層26並び
に一対の電極28及び30をそれぞれ多層構造とし、一
方の電極28と他方の電極30をそれぞれ交互に積層し
て、これら一対の電極28と他方の電極30が圧電/電
歪層26を間に挟んで重なる部分(実質的駆動部分1
8)が多段構成とされた圧電/電歪素子24a及び24
bとしてもよい。この図5では、圧電/電歪層26を3
層構造とし、1層目の下面(薄板部16a及び16bの
側面)と2層目の上面に一方の電極28をそれぞれ分離
して形成し、1層目の上面と3層目の上面に他方の電極
30をそれぞれ分離して形成し、更に、一方の電極28
の各端部にそれぞれ端子32a及び32bを設け、他方
の電極30の各端部にそれぞれ端子34a及び34bを
設けた例を示している。
/電歪デバイス10eのように、圧電/電歪層26並び
に一対の電極28及び30をそれぞれ多層構造とし、一
方の電極28と他方の電極30を断面ほぼ櫛歯状となる
ようにそれぞれ互い違いに積層し、これら一対の電極2
8と他方の電極30が圧電/電歪層26を間に挟んで重
なる部分(実質的駆動部分18)が多段構成とされた圧
電/電歪素子24a及び24bとしてもよい。この図6
では、圧電/電歪層26を3層構造とし、一方の電極2
8が1層目の下面(薄板部16a及び16bの側面)と
2層目の上面に位置するように櫛歯状に形成し、他方の
電極30が1層目の上面と3層目の上面に位置するよう
に櫛歯状に形成した例を示している。この構成の場合、
一方の電極28同士並びに他方の電極30同士をそれぞ
れつなぎ共通化することで、図5の構成と比べて端子3
2及び34の数を減らすことができるため、圧電/電歪
素子24a及び24bの多層化に伴うサイズの大型化を
抑えることができる。
例に係る圧電/電歪デバイス10eの他の例において、
圧電/電歪素子24a及び24bを、その先端部が薄板
部16a及び16b上にとどまるように形成するように
してもよい。図7の例では、圧電/電歪素子24a及び
24bの先端部を薄板部の長さ方向ほぼ中央部に位置さ
れた例を示す。この場合、可動部20を大きく変位させ
ることができるという利点がある。
/電歪デバイス10fのように、2つの多段構成の圧電
/電歪素子24a1及び24b1をそれぞれ固定部22
と薄板部16a及び16bとを跨るように形成し、他の
2つの多段構成の圧電/電歪素子24a2及び24b2
をそれぞれ可動部20と薄板部16a及び16bとを跨
るように形成するようにしてもよい。この場合、圧電/
電歪素子24a及び24bを多段構造にする効果と、可
動部20を変位させるための作用点が増えるという効果
により、可動部20をきわめて大きく変位させることが
でき、また、高速応答性にも優れたものになり、好まし
い。
/電歪デバイス10gのように、圧電/電歪層26を2
層構造とし、一方の電極28が1層目の下面(薄板部1
6a及び16bの側面)と2層目の上面に位置するよう
に櫛歯状に形成し、他方の電極30が1層目の上面に位
置するように形成した多段構成の圧電/電歪素子24a
及び24bとしてもよい。この例では、可動部20の端
面36a及び36b間に可動部20とは異なる部材が充
填されている。
bを多段構造とすることにより、圧電/電歪素子24a
及び24bの発生力が増大し、もって大変位が図られる
と共に、圧電/電歪デバイス10自体の剛性が増すこと
で、高共振周波数化が図られ、変位動作の高速化が容易
に達成できる。
図られるが、それに伴い消費電力も増えるため、実際に
実施する場合には、用途、使用状態に応じて適宜段数等
を決めればよい。また、この実施の形態に係る圧電/電
歪デバイス10では、圧電/電歪素子24a及び24b
を多段構造にして駆動力を上げても、基本的に薄板部1
6a及び16bの幅(Y軸方向の距離)は不変であるた
め、例えば非常に狭い間隙において使用されるハードデ
ィスク用磁気ヘッドの位置決め、リンギング制御等のア
クチュエータに適用する上で非常に好ましいデバイスと
なる。
おいては、一対の電極28及び30間に圧電/電歪層2
6を介在させたいわゆるサンドイッチ構造で構成した場
合を示したが、その他、図10に示すように、少なくと
も薄板部16a及び16bの側面に形成された圧電/電
歪層26の一主面に櫛型の一対の電極28及び30を形
成するようにしてもよいし、図11に示すように、少な
くとも薄板部16a及び16bの側面に形成された圧電
/電歪層26に櫛型の一対の電極28及び30を埋め込
んで形成するようにしてもよい。
抑えることができるという利点があり、図11に示す構
造は、歪み、発生力の大きな電界方向の逆圧電効果を効
果的に利用できる構造であることから、大変位の発生に
有利になる。
24a及び24bは、圧電/電歪層26の一主面に櫛型
構造の一対の電極28及び30が形成されてなり、一方
の電極28及び他方の電極30が互い違いに一定の幅の
間隙29をもって相互に対向する構造を有する。図10
では、一対の電極28及び30を圧電/電歪層26の一
主面に形成した例を示したが、その他、薄板部16a及
び16bと圧電/電歪層26との間に一対の電極28及
び30を形成するようにしてもよいし、圧電/電歪層2
6の一主面並びに薄板部16a及び16bと圧電/電歪
層26との間にそれぞれ櫛型の一対の電極28及び30
を形成するようにしてもよい。
及び24bは、圧電/電歪層26に埋め込まれるよう
に、櫛型構造の一対の電極28及び30が形成され、一
方の電極28及び他方の電極30が互い違いに一定の幅
の間隙29をもって相互に対向する構造を有する。
圧電/電歪素子24a及び24bも本実施の形態に係る
圧電/電歪デバイス10に好適に用いることができる。
図10及び図11に示す圧電/電歪素子24a及び24
bのように、櫛型の一対の電極28及び30を用いる場
合は、各電極28及び30の櫛歯のピッチDを小さくす
ることで、圧電/電歪素子24a及び24bの変位を大
きくすることが可能である。
デバイス10の動作について説明する。まず、例えば2
つの圧電/電歪素子24a及び24bが自然状態、即
ち、圧電/電歪素子24a及び24bが共に変位動作を
行っていない場合は、図12に示すように、圧電/電歪
デバイス10の長軸(固定部の長軸)mと可動部20の
中心軸nとがほぼ一致している。
示すように、一方の圧電/電歪素子24aにおける一対
の電極28及び30に所定のバイアス電位Vbを有する
サイン波Waをかけ、図13Bに示すように、他方の圧
電/電歪素子24bにおける一対の電極28及び30に
前記サイン波Waとはほぼ180°位相の異なるサイン
波Wbをかける。
ける一対の電極28及び30に対して例えば最大値の電
圧が印加された段階においては、一方の圧電/電歪素子
24aにおける圧電/電歪層26はその主面方向に収縮
変位する。これにより、例えば図14に示すように、一
方の薄板部16aに対し、矢印Aに示すように、該薄板
部16aを例えば右方向に撓ませる方向の応力が発生す
ることから、該一方の薄板部16aは、右方向に撓み、
このとき、他方の圧電/電歪素子24bにおける一対の
電極28及び30には、電圧は印加されていない状態と
なるため、他方の薄板部16bは一方の薄板部16aの
撓みに追従して右方向に撓む。その結果、可動部20
は、圧電/電歪デバイス10の長軸mに対して例えば右
方向に変位する。なお、変位量は、各圧電/電歪素子2
4a及び24bに印加される電圧の最大値に応じて変化
し、例えば最大値が大きくなるほど変位量も大きくな
る。
て、抗電界を有する圧電/電歪材料を適用した場合に
は、図13A及び図13Bの一点鎖線の波形に示すよう
に、最小値のレベルが僅かに負のレベルとなるように、
前記バイアス電位を調整するようにしてもよい。この場
合、該負のレベルが印加されている圧電/電歪素子(例
えば他方の圧電/電歪素子24b)の駆動によって、例
えば他方の薄板部16bに一方の薄板部16aの撓み方
向と同じ方向の応力が発生し、可動部20の変位量をよ
り大きくすることが可能となる。つまり、図13A及び
図13Bにおける一点鎖線に示すような波形を使用する
ことで、負のレベルが印加されている圧電/電歪素子2
4b又は24aが、変位動作の主体となっている圧電/
電歪素子24a又は24bをサポートとするという機能
を持たせることができる。
fの例では、対角線上に配置された例えば圧電/電歪素
子24a1と圧電/電歪素子24b2に、図13Aに示
す電圧(サイン波形Wa参照)が印加され、他の圧電/
電歪素子24a2と圧電/電歪素子24b1に、図13
Bに示す電圧(サイン波形Wb参照)が印加される。
歪デバイス10においては、圧電/電歪素子24a及び
24bの微小な変位が薄板部16a及び16bの撓みを
利用して大きな変位動作に増幅されて、可動部20に伝
達することになるため、可動部20は、圧電/電歪デバ
イス10の長軸mに対して大きく変位させることが可能
となる。
互いに対向する端面36a及び36bを設けるようにし
ている。この場合、互いに対向する端面36a及び36
bの間を空隙38にしたり、前記互いに対向する端面3
6a及び36bの間に可動部20の構成部材よりも軽い
部材40を介在させることで、可動部20の軽量化を有
効に図ることができ、可動部20の変位量を低下させる
ことなく、共振周波数を高めることが可能となる。
30に印加する電圧を交番的に切り換えて、可動部20
を左右に変位させたときの電圧波形の周波数を示し、共
振周波数とは、可動部20の変位動作が所定の振動モー
ドで追従できる最大の周波数を示す。
バイス10においては、可動部20、薄板部16a及び
16b並びに固定部22が一体化されており、すべての
部分を脆弱で比較的重い材料である圧電/電歪材料によ
って構成する必要がないため、機械的強度が高く、ハン
ドリング性、耐衝撃性、耐湿性に優れ、動作上、有害な
振動(例えば、高速作動時の残留振動やノイズ振動)の
影響を受け難いという利点を有する。
対向する端面36a及び36bの間を空隙38とした場
合、一方の端面36aを含む可動部20の一部20A
と、他方の端面36bを含む可動部20の別の一部20
Bとが撓みやすくなり、変形に強くなる。そのため、圧
電/電歪デバイス10のハンドリング性に優れることと
なる。
36bの存在により、可動部20又は固定部22の表面
積が大きくなる。従って、図1に示すように、互いに対
向する端面36a及び36bを有する可動部20とした
場合は、可動部20に他の部品を取り付ける場合に、そ
の取付面積を大きくとることができ、部品の取付性を向
上させることができる。ここで、部品を例えば接着剤等
によって固着する場合を考えると、接着剤は可動部20
の一主面(部品取付面)のほか端面36a及び36bに
まで行き渡ることとなるため、接着剤の塗布不足等を解
消することが可能となり、部品を確実に固着することが
できる。
に係る圧電/電歪デバイス(一方の圧電/電歪デバイス
10A)の可動部20に別の本実施の形態に係る圧電/
電歪デバイス(他方の圧電/電歪デバイス10B)を固
着した場合を示す。
固定部22が接着剤120を介して基板122の表面に
固着されている。この一方の圧電/電歪デバイス10A
の可動部20には、他方の圧電/電歪デバイス10Bの
固定部22が接着剤124を介して固着されている。即
ち、2つの圧電/電歪デバイス10A及び10Bが直列
に配置された構成となっている。なお、他方の圧電/電
歪デバイスにおける可動部の互いに対向する端面間には
可動部とは異なる軽量な部材126が介在されている。
Aにおける可動部20の端面36a及び36bの間にま
で、他方の圧電/電歪デバイス10Bを固着するための
接着剤124が行き渡っており、これにより、他方の圧
電/電歪デバイス10Bは一方の圧電/電歪デバイス1
0Aに対して強固に固着されることになる。また、この
ように圧電/電歪デバイス10Bを接着すれば、接着と
同時に端面36a及び36b間に可動部20とは異なる
軽量な部材(この例では接着剤124)を介在させるこ
とができるため、製造工程が簡略化できるという利点が
ある。
端面36a及び36bを有する固定部22とした場合
は、前述した可動部20に互いに対向する端面36a及
び36bを有する場合の効果に加え、この実施の形態に
係る圧電/電歪デバイス10を所定の固定部分に強固に
固定することが可能となり、信頼性の向上を図ることが
できる。
圧電/電歪素子24a及び24bを、圧電/電歪層26
と、該圧電/電歪層26の両側に形成された一対の電極
28及び30とを有して構成し、一対の電極28及び3
0のうち、一方の電極28を少なくとも薄板部16a及
び16bの外表面に形成するようにしたので、圧電/電
歪素子24a及び24bによる振動を薄板部16a及び
16bを通じて効率よく可動部20に伝達することがで
き、応答性の向上を図ることができる。
一対の電極28及び30が圧電/電歪層26を間に挟ん
で重なる部分(実質的駆動部分18)を固定部22の一
部から薄板部16a及び16bの一部にかけて連続的に
形成するようにしている。実質的駆動部分18を更に可
動部20の一部にかけて形成した場合、可動部20の変
位動作が前記実質的駆動部分18によって制限され、大
きな変位を得ることができなくなるおそれがあるが、こ
の実施の形態では、前記実質的駆動部分18を可動部2
0と固定部22の両方にかけないように形成しているた
め、可動部20の変位動作が制限されるという不都合が
回避され、可動部20の変位量を大きくすることができ
る。
24a及び24bを形成する場合は、前記実質的駆動部
分18が可動部20の一部から薄板部16a及び16b
の一部にかけて位置させるように形成することが好まし
い。これは、実質的駆動部分18が固定部22の一部に
までわたって形成されると、上述したように、可動部2
0の変位動作が制限されるからである。
イス10の好ましい構成例について説明する。
とするために、圧電/電歪素子24a及び24bの実質
的駆動部分18が固定部22もしくは可動部20にかか
る距離gを薄板部16a及び16bの厚みdの1/2以
上とすることが好ましい。
の距離(X軸方向の距離)aと薄板部16a及び16b
の幅(Y軸方向の距離)bとの比a/bが0.5〜20
となるように構成する。前記比a/bは、好ましくは1
〜10とされ、更に好ましくは2〜8とされる。この比
a/bの規定値は、可動部20の変位量を大きくし、X
−Z平面内での変位を支配的に得られることの発見に基
づく規定である。
離)eと薄板部16a及び16bの内壁間の距離aとの
比e/aにおいては、好ましくは0.5〜10とされ、
更に好ましくは0.7〜5とすることが望ましい。この
比e/aの規定値は、可動部20の変位量を大きくで
き、かつ、高い共振周波数で変位動作を行うことができ
る(高い応答速度を達成できる)という発見に基づく規
定である。
デバイス10をY軸方向への煽り変位、あるいは振動を
抑制し、かつ、高速応答性に優れ、相対的に低電圧で大
きな変位を併せ持つ構造とするには、比a/bを0.5
〜20とし、かつ、比e/aを0.5〜10にすること
が好ましく、更に好ましくは比a/bを1〜10とし、
かつ、比e/aを0.7〜5にすることである。
リコンゲルを充填することが好ましい。通常は、充填材
の存在によって、可動部20の変位動作が制限を受ける
ことになるが、この第1の実施の形態では、可動部20
への端面36a及び36bの形成に伴う軽量化や可動部
20の変位量の増大化を図るようにしているため、前記
充填材による可動部20の変位動作の制限が打ち消さ
れ、充填材の存在による効果、即ち、高共振周波数化や
剛性の確保を実現させることができる。
離)fは、短いことが好ましい。短くすることで軽量化
と共振周波数の増大が図られるからである。しかしなが
ら、可動部20のX軸方向の剛性を確保し、その変位を
確実なものとするためには、薄板部16a及び16bの
厚みdとの比f/dを3以上、好ましくは10以上とす
ることが望ましい。
品の取り付けのための接合面積、固定部22を他の部材
に取り付けるための接合面積、電極用端子などの取り付
けのための接合面積、圧電/電歪デバイス10全体の強
度、耐久度、必要な変位量並びに共振周波数、そして、
駆動電圧等を考慮して定められることになる。
bの内壁間の距離aは、100μm〜2000μmが好
ましく、更に好ましくは200μm〜1000μmであ
る。薄板部16a及び16bの幅bは、50μm〜20
00μmが好ましく、更に好ましくは100μm〜50
0μmである。薄板部16a及び16bの厚みdは、Y
軸方向への変位成分である煽り変位が効果的に抑制でき
るように、薄板部16a及び16bの幅bとの関係にお
いてb>dとされ、かつ、2μm〜100μmが好まし
く、更に好ましくは4μm〜50μmである。
0μm〜3000μmが好ましく、更に好ましくは30
0μm〜2000μmである。可動部20の長さfは、
50μm〜2000μmが好ましく、更に好ましくは1
00μm〜1000μmである。
向の変位に対してY軸方向の変位が10%を超えない
が、上述の寸法比率と実寸法の範囲で適宜調整を行うこ
とで低電圧駆動が可能で、Y軸方向への変位成分を5%
以下に抑制できるというきわめて優れた効果を示す。つ
まり、可動部20は、実質的にX軸方向という1軸方向
に変位することになり、しかも、高速応答性に優れ、相
対的に低電圧で大きな変位を得ることができる。
ては、デバイスの形状が従来のような板状ではなく、可
動部20と固定部22が直方体の形状を呈しており、可
動部20と固定部22の側面が連続するように一対の薄
板部16a及び16bが設けられているため、圧電/電
歪デバイス10のY軸方向の剛性を選択的に高くするこ
とができる。
平面内(XZ平面内)における可動部20の動作のみを
選択的に発生させることができ、可動部20のYZ面内
の動作(いわゆる煽り方向の動作)を抑制することがで
きる。
バイス10の各構成要素について説明する。
6a及び16bの駆動量に基づいて作動する部分であ
り、圧電/電歪デバイス10の使用目的に応じて種々の
部材が取り付けられる。例えば、圧電/電歪デバイス1
0を変位素子として使用する場合であれば、光シャッタ
の遮蔽板等が取り付けられ、特に、ハードディスクドラ
イブの磁気ヘッドの位置決めやリンギング抑制機構に使
用するのであれば、磁気ヘッド、磁気ヘッドを有するス
ライダ、スライダを有するサスペンション等の位置決め
を必要とする部材が取り付けられる。
6a及び16b並びに可動部20を支持する部分であ
り、固定部22を例えば前記ハードディスクドライブの
磁気ヘッドの位置決めに利用する場合には、VCM(ボ
イスコイルモータ)に取り付けられキャリッジアーム、
該キャリッジアームに取り付けられた固定プレート又は
サスペンション等に支持固定することにより、圧電/電
歪デバイス10の全体が固定される。また、この固定部
22には、図1に示すように、圧電/電歪素子24a及
び24bを駆動するための端子32及び34その他の部
材が配置される場合もある。
としては、剛性を有する限りにおいて特に限定されない
が、後述するセラミックグリーンシート積層法を適用で
きるセラミックスを好適に用いることができる。具体的
には、安定化ジルコニア、部分安定化ジルコニアをはじ
めとするジルコニア、アルミナ、マグネシア、窒化珪
素、窒化アルミニウム、酸化チタンを主成分とする材料
等が挙げられるほか、これらの混合物を主成分とした材
料が挙げられるが、機械的強度や靱性が高い点におい
て、ジルコニア、特に安定化ジルコニアを主成分とする
材料と部分安定化ジルコニアを主成分とする材料が好ま
しい。また、金属材料においては、剛性を有する限り、
限定されないが、ステンレス鋼、ニッケル等が挙げられ
る。
に、圧電/電歪素子24a及び24bの変位により駆動
する部分である。薄板部16a及び16bは、可撓性を
有する薄板状の部材であって、表面に配設された圧電/
電歪素子24a及び24bの伸縮変位を屈曲変位として
増幅して、可動部20に伝達する機能を有する。従っ
て、薄板部16a及び16bの形状や材質は、可撓性を
有し、屈曲変形によって破損しない程度の機械的強度を
有するものであれば足り、可動部20の応答性、操作性
を考慮して適宜選択することができる。
m〜100μm程度とすることが好ましく、薄板部16
a及び16bと圧電/電歪素子24a及び24bとを合
わせた厚みは7μm〜500μmとすることが好まし
い。電極28及び30の厚みは0.1〜50μm、圧電
/電歪層26の厚みは3〜300μmとすることが好ま
しい。また、薄板部16a及び16bの幅bとしては、
50μm〜2000μmが好適である。
しては、可動部20や固定部22と同様のセラミックス
を好適に用いることができ、ジルコニア、中でも安定化
ジルコニアを主成分とする材料と部分安定化ジルコニア
を主成分とする材料は、薄肉であっても機械的強度が大
きいこと、靱性が高いこと、圧電/電歪層や電極材との
反応性が小さいことから最も好適に用いられる。
のとおり、可撓性を有し、屈曲変形が可能な金属材料で
あればよいが、好ましくは、鉄系材料としては、各種ス
テンレス鋼、各種バネ鋼鋼材で構成することが望まし
く、非鉄系材料としては、ベリリウム銅、リン青銅、ニ
ッケル、ニッケル鉄合金で構成することが望ましい。
ルコニアにおいては、次のように安定化並びに部分安定
化されたものが好ましい。即ち、ジルコニアを安定化並
びに部分安定化させる化合物としては、酸化イットリウ
ム、酸化イッテルビウム、酸化セリウム、酸化カルシウ
ム、及び酸化マグネシウムがあり、少なくともそのうち
の1つの化合物を添加、含有させることにより、ジルコ
ニアは部分的にあるいは完全に安定することになるが、
その安定化は、1種類の化合物の添加のみならず、それ
ら化合物を組み合わせて添加することによっても、目的
とするジルコニアの安定化は可能である。
は、酸化イットリウムや酸化イッテルビウムの場合にあ
っては、1〜30モル%、好ましくは1.5〜10モル
%、酸化セリウムの場合にあっては、6〜50モル%、
好ましくは8〜20モル%、酸化カルシウムや酸化マグ
ネシウムの場合にあっては、5〜40モル%、好ましく
は5〜20モル%とすることが望ましいが、その中でも
特に酸化イットリウムを安定化剤として用いることが好
ましく、その場合においては、1.5〜10モル%、更
に好ましくは2〜4モル%とすることが望ましい。ま
た、焼結助剤等の添加物としてアルミナ、シリカ、遷移
金属酸化物等を0.05〜20wt%の範囲で添加する
ことが可能であるが、圧電/電歪素子24a及び24b
の形成手法として、膜形成法による焼成一体化を採用す
る場合は、アルミナ、マグネシア、遷移金属酸化物等を
添加物として添加することも好ましい。
れるように、ジルコニアの平均結晶粒子径を0.05〜
3μm、好ましくは0.05〜1μmとすることが望ま
しい。また、上述のように、薄板部16a及び16bに
ついては、可動部20並びに固定部22と同様のセラミ
ックスを用いることができるが、好ましくは、実質的に
同一の材料を用いて構成することが、接合部分の信頼
性、圧電/電歪デバイス10の強度、製造の煩雑さの低
減を図る上で有利である。
くとも圧電/電歪層26と、該圧電/電歪層26に電界
をかけるための一対の電極28及び30を有するもので
あり、ユニモルフ型、バイモルフ型等の圧電/電歪素子
を用いることができるが、ユニモルフ型の方が、発生す
る変位量の安定性に優れ、軽量化に有利であるため、こ
のような圧電/電歪デバイス10に適している。
8、圧電/電歪層26及び他方の電極30が層状に積層
された圧電/電歪素子等を好適に用いることができるほ
か、図5〜図9に示すように、多段構成にしてもよい。
図1に示すように、圧電/電歪デバイス10の外面側に
形成する方が薄板部16a及び16bをより大きく駆動
させることができる点で好ましいが、使用形態などに応
じて、圧電/電歪デバイス10の内面側、即ち、孔部1
2の内壁面に形成してもよく、圧電/電歪デバイス10
の外面側、内面側の双方に形成してもよい。
が好適に用いられるが、電歪セラミックスや強誘電体セ
ラミックス、あるいは反強誘電体セラミックスを用いる
ことも可能である。但し、この圧電/電歪デバイス10
をハードディスクドライブの磁気ヘッドの位置決め等に
用いる場合は、可動部20の変位量と駆動電圧又は出力
電圧とのリニアリティが重要とされるため、歪み履歴の
小さい材料を用いることが好ましく、抗電界が10kV
/mm以下の材料を用いることが好ましい。
タン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸
鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、アンチモン
スズ酸鉛、マンガンタングステン酸鉛、コバルトニオブ
酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸ナトリウムビスマ
ス、ニオブ酸カリウムナトリウム、タンタル酸ストロン
チウムビスマス等を単独であるいは混合物として含有す
るセラミックスが挙げられる。
有し、圧電/電歪層26の焼結時における薄板部16a
及び16b(セラミックス)との反応性が小さく、安定
した組成のものが得られる点において、ジルコン酸鉛、
チタン酸鉛、及びマグネシウムニオブ酸鉛を主成分とす
る材料、もしくはチタン酸ナトリウムビスマスを主成分
とする材料が好適に用いられる。
ム、ストロンチウム、モリブデン、タングステン、バリ
ウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガン、セリウム、
カドミウム、クロム、コバルト、アンチモン、鉄、イッ
トリウム、タンタル、リチウム、ビスマス、スズ等の酸
化物等を単独で、もしくは混合したセラミックスを用い
てもよい。
ン酸鉛及びマグネシウムニオブ酸鉛に、ランタンやスト
ロンチウムを含有させることにより、抗電界や圧電特性
を調整可能となる等の利点を得られる場合がある。
加は避けることが望ましい。なぜならば、シリカ等の材
料は、圧電/電歪層の熱処理時に、圧電/電歪材料と反
応し易く、その組成を変動させ、圧電特性を劣化させる
からである。
一対の電極28及び30は、室温で固体であり、導電性
に優れた金属で構成されていることが好ましく、例えば
アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケ
ル、銅、亜鉛、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、パラ
ジウム、ロジウム、銀、スズ、タンタル、タングステ
ン、イリジウム、白金、金、鉛等の金属単体、もしくは
これらの合金が用いられ、更に、これらに圧電/電歪層
26あるいは薄板部16a及び16bと同じ材料を分散
させたサーメット材料を用いてもよい。
電極28及び30の材料選定は、圧電/電歪層26の形
成方法に依存して決定される。例えば薄板部16a及び
16b上に一方の電極28を形成した後、該一方の電極
28上に圧電/電歪層26を焼成により形成する場合
は、一方の電極28には、圧電/電歪層26の焼成温度
においても変化しない白金、パラジウム、白金−パラジ
ウム合金、銀−パラジウム合金等の高融点金属を使用す
る必要があるが、圧電/電歪層26を形成した後に、該
圧電/電歪層26上に形成される他方の電極30は、低
温で電極形成を行うことができるため、アルミニウム、
金、銀等の低融点金属を使用することができる。
らず圧電/電歪素子24a及び24bの変位を低下させ
る要因ともなるため、特に圧電/電歪層26の焼成後に
形成される電極には、焼成後に緻密でより薄い膜が得ら
れる有機金属ペースト、例えば金レジネートペースト、
白金レジネートペースト、銀レジネートペースト等の材
料を用いることが好ましい。
バイス10のいくつかの製造方法を図15A〜図27を
参照しながら説明する。
10は、各部材の構成材料をセラミックスとし、圧電/
電歪デバイス10の構成要素として、圧電/電歪素子2
4a及び24bを除く基体14、即ち、薄板部16a及
び16b、固定部22及び可動部20についてはセラミ
ックグリーンシート積層法を用いて製造することが好ま
しく、一方、圧電/電歪素子24a及び24bをはじめ
として、各端子32及び34については、薄膜や厚膜等
の膜形成手法を用いて製造することが好ましい。
る各部材を一体的に成形することが可能なセラミックグ
リーンシート積層法によれば、各部材の接合部の経時的
な状態変化がほとんど生じないため、接合部位の信頼性
が高く、かつ、剛性確保に有利な方法である。
10では、薄板部16a及び16bと固定部22との境
界部分(接合部分)並びに薄板部16a及び16bと可
動部20との境界部分(接合部分)は、変位発現の支点
となるため、接合部分の信頼性は圧電/電歪デバイス1
0の特性を左右する重要なポイントである。
形性に優れるため、所定形状の圧電/電歪デバイスを短
時間に、かつ、再現性よく得ることができる。
電歪デバイス10の第1の製造方法について説明する。
ここで、定義付けをしておく。セラミックグリーンシー
トを積層して得られた積層体をセラミックグリーン積層
体58(例えば図16B参照)と定義し、このセラミッ
クグリーン積層体58を焼成して一体化したものをセラ
ミック積層体60(例えば図17参照)と定義し、この
セラミック積層体60から不要な部分を切除して可動部
20、薄板部16a及び16b並びに固定部22が一体
化されたものをセラミック基体14C(図18参照)と
定義する。
終的にセラミック積層体60をチップ単位に切断して、
圧電/電歪デバイス10を多数個取りするものである
が、説明を簡単にするために、圧電/電歪デバイス10
の1個取りを主体にして説明する。
インダ、溶剤、分散剤、可塑剤等を添加混合してスラリ
ーを作製し、これを脱泡処理後、リバースロールコータ
ー法、ドクターブレード法等の方法により、所定の厚み
を有するセラミックグリーンシートを作製する。
等の方法により、セラミックグリーンシートを図16A
のような種々の形状に加工して、複数枚の基体形成用の
セラミックグリーンシート50A〜50D、52A及び
52Bを得る。
50D、52A及び52Bは、少なくとも後に孔部12
を形成する窓部54が形成された複数枚(例えば4枚)
のセラミックグリーンシート50A〜50Dと、後に薄
板部16a及び16bとなる複数枚(例えば2枚)のセ
ラミックグリーンシート52A及び52Bとを有する。
なお、セラミックグリーンシートの枚数は、あくまでも
一例である。
クグリーンシート52A及び52Bでセラミックグリー
ンシート50A〜50Dを挟み込むようにして、これら
セラミックグリーンシート50A〜50D、52A及び
52Bを積層・圧着して、セラミックグリーン積層体5
8とした後、該セラミックグリーン積層体58を焼成し
てセラミック積層体60(図17参照)を得る。
は限定されない。構造に応じて、例えば窓部54の形
状、セラミックグリーンシートの枚数等により所望の構
造を得るように適宜決めることができる。
はなく、所望の機能に応じて決定することができる。ま
た、セラミックグリーンシートの枚数、各セラミックグ
リーンシートの厚みも特に限定されない。
向上させることができる。また、セラミック粉末(セラ
ミックグリーンシートに使用されたセラミックスと同一
又は類似した組成であると、信頼性確保の点で好まし
い)、バインダを主体としたペースト、スラリー等をセ
ラミックグリーンシート上に塗布、印刷して、接合補助
層とすることで、セラミックグリーンシート界面の積層
性を向上させることができる。なお、セラミックグリー
ンシート52A及び52Bが薄い場合には、プラスチッ
クフィルム、中でも表面にシリコーン系の離型剤をコー
ティングしたポリエチレンテレフタレートフィルムを用
いて取り扱うことが好ましい。
ク積層体60の両表面、即ち、セラミックグリーンシー
ト52A及び52Bが積層された表面に相当する表面に
それぞれ圧電/電歪素子24a及び24bを形成する。
圧電/電歪素子24a及び24bの形成法としては、ス
クリーン印刷法、ディッピング法、塗布法、電気泳動法
等の厚膜形成法や、イオンビーム法、スパッタリング
法、真空蒸着、イオンプレーティング法、化学気相成長
法(CVD)、めっき等の薄膜形成法を用いることがで
きる。
子24a及び24bを形成することにより、接着剤を用
いることなく、圧電/電歪素子24a及び24bと薄板
部16a及び16bとを一体的に接合、配設することが
でき、信頼性、再現性を確保できると共に、集積化を容
易にすることができる。
子24a及び24bを形成することが好ましい。特に、
圧電/電歪層26の形成において厚膜形成法を用いれ
ば、平均粒径0.01〜5μm、好ましくは0.05〜
3μmの圧電セラミックスの粒子、粉末を主成分とする
ペーストやスラリー、又はサスペンションやエマルジョ
ン、ゾル等を用いて膜化することができ、それを焼成す
ることによって良好な圧電/電歪特性を得ることができ
るからである。
つ、高い形状精度で形成できるという利点がある。ま
た、スクリーン印刷法は、膜形成とパターン形成とを同
時にできるため、製造工程の簡略化に有利である。
bの形成について説明する。まず、セラミックグリーン
積層体58を1200℃〜1600℃の温度で焼成、一
体化してセラミック積層体60を得た後、該セラミック
積層体60の両表面の所定位置に一方の電極28を印
刷、焼成し、次いで、圧電/電歪層26を印刷、焼成
し、更に、他方の電極30を印刷、焼成して圧電/電歪
素子24a及び24bを形成する。その後、各電極28
及び30を駆動回路に電気的に接続するための端子32
及び34を印刷、焼成する。
t)、圧電/電歪層26としてジルコン酸チタン酸鉛
(PZT)、他方の電極30として金(Au)、更に、
端子32及び34として銀(Ag)というように、各部
材の焼成温度が積層順に従って低くなるように材料を選
定すると、ある焼成段階において、それより以前に焼成
された材料の再焼結が起こらず、電極材等の剥離や凝集
といった不具合の発生を回避することができる。
圧電/電歪素子24a及び24bの各部材と端子32及
び34を逐次印刷して、1回で一体焼成することも可能
であり、圧電/電歪層26を形成した後に低温で各電極
30等を設けることもできる。
各部材と端子32及び34は、スパッタ法や蒸着法等の
薄膜形成法によって形成してもよく、この場合には、必
ずしも熱処理を必要としない。
おいては、セラミックグリーン積層体58の両表面、即
ち、セラミックグリーンシート52A及び52Bの各表
面に予め圧電/電歪素子24a及び24bを形成してお
き、該セラミックグリーン積層体58と圧電/電歪素子
24a及び24bとを同時に焼成することも好ましく行
われる。同時焼成にあたっては、セラミックグリーン積
層体58と圧電/電歪素子24a及び24bのすべての
構成膜に対して焼成を行うようにしてもよく、一方の電
極28とセラミックグリーン積層体58とを同時焼成し
たり、他方の電極30を除く他の構成膜とセラミックグ
リーン積層体58とを同時焼成する方法等が挙げられ
る。
ックグリーン積層体58とを同時焼成する方法として
は、スラリー原料を用いたテープ成形法等によって圧電
/電歪層26の前駆体を成形し、この焼成前の圧電/電
歪層26の前駆体をセラミックグリーン積層体58の表
面上に熱圧着等で積層し、同時に焼成して可動部20、
薄板部16a及び16b、圧電/電歪層26、固定部2
2とを同時に作製する方法が挙げられる。但し、この方
法では、上述した膜形成法を用いて、セラミックグリー
ン積層体58の表面及び/又は圧電/電歪層26に予め
電極28を形成しておく必要がある。
ン積層体58の少なくとも最終的に薄板部16a及び1
6bとなる部分にスクリーン印刷により圧電/電歪素子
24a及び24bの各構成層である電極28及び30、
圧電/電歪層26を形成し、同時に焼成することが挙げ
られる。
の焼成温度は、これを構成する材料によって適宜決定さ
れるが、一般には、500℃〜1500℃であり、圧電
/電歪層26に対しては、好ましくは1000℃〜14
00℃である。この場合、圧電/電歪層26の組成を制
御するためには、圧電/電歪層26の材料の蒸発源の存
在下に焼結することが好ましい。なお、圧電/電歪層2
6とセラミックグリーン積層体58を同時焼成する場合
には、両者の焼成条件を合わせることが必要である。圧
電/電歪素子24a及び24bは、必ずしもセラミック
積層体60もしくはセラミックグリーン積層体58の両
面に形成されるものではなく、片面のみでももちろんよ
い。
24a及び24bが形成されたセラミック積層体60の
うち、不要な部分を切除する。切除する位置は、セラミ
ック積層体60の側部、特に、該切除によってセラミッ
ク積層体60の側面に窓部54による孔部12が形成さ
れる箇所(切断線C1及びC2参照)である。
となる部分の中心部分20bを切断線C3及びC4に沿
って切断して除去して、可動部20、薄板部16a及び
16b並びに固定部22が一体化されたセラミック基体
14に圧電/電歪素子24a及び24bが形成された圧
電/電歪デバイス10を作製する。切除の方法として
は、ダイシング加工、ワイヤソー加工等の機械加工のほ
か、YAGレーザ、エキシマレーザ等のレーザ加工や電
子ビーム加工を適用することが可能である。
造方法においては、一体焼成によって薄板部16a及び
16b上に圧電/電歪素子24a及び24bを形成する
ようにしているため、図19Aに示すように、焼成時に
生じる圧電/電歪層26の収縮や一対の電極28及び3
0と圧電/電歪層26並びに薄板部16a及び16bと
の熱膨張率の違い等によって、例えば、薄板部16a及
び16b並びに圧電/電歪素子24a及び24bは、孔
部12に向かって凸となるようにわずかに変位し、形状
的に歪みが生じた状態となり、圧電/電歪素子24a及
び24b(特に圧電/電歪層26)や薄板部16a及び
16bに内部残留応力が発生しやすくなる。
層26での内部残留応力の発生は、上述した一体焼成の
ほか、薄板部16a及び16bに別体の圧電/電歪素子
24a及び24bを例えば接着剤で貼り合わせる場合に
も生じる。即ち、接着剤を固定化もしくは硬化する際
に、接着剤等の硬化収縮によって薄板部16a及び16
bや圧電/電歪層26に内部残留応力が発生することと
なる。更に、その固定化もしくは硬化に加熱が必要な場
合には、残留応力が大きなものとなる。
すると、圧電/電歪層26に所定電界を生じさせても、
可動部20において所望の変位を示さない場合がある。
これは、圧電/電歪層26の材料特性及び可動部20の
変位動作が、前記薄板部16a及び16bや圧電/電歪
層26に発生している内部残留応力によって阻害されて
いるからである。
Aに示すように、可動部20の中心部分20bを所定幅
W1(例えば100μm)だけ切除するようにしてい
る。この中心部分20bの切除によって、図19Bに示
すように、可動部20に互いに対向する端面36a及び
36bが形成されるが、薄板部16a及び16bや圧電
/電歪層26に発生していた内部残留応力によって、こ
れら端面36a及び36bが互いに近づく方向に移動
し、移動後の各端面36a及び36bの幅は、前記所定
幅W1よりも短い例えば第2の所定幅W2(例えば30
μm)となる。
板部16a及び16bや圧電/電歪層26に発生してい
た内部残留応力の解放に伴うものである。内部残留応力
を解放した状態で圧電/電歪デバイス10を使用する
と、可動部は、ほぼ設計通りの変位動作を示し、良好な
デバイス特性を示すこととなる。この効果は、固定部2
2となる部分の一部を切除して、例えば図3に示すよう
に、固定部22に互いに対向する端面36a及び36b
を形成した場合においても同様であり、この場合は、薄
板部16a及び16bや圧電/電歪層26に発生してい
た内部残留応力が、固定部22に形成された互いに対向
する端面36a及び36bの移動によって解放されるこ
ととなる。なお、対向する端面36a及び36bについ
ては、必ずしも可動部20もしくは固定部22の中心部
分の切除のみならず、中心からそれた部分を切除して形
成することによっても同様の効果が得られる。
たっては、切除後に300〜800℃で加熱処理するこ
とが好ましい。これは、加工によりデバイス内にマイク
ロクラック等の欠陥が生じやすいが、前記熱処理によっ
て前記欠陥を取り除くことができ、信頼性が向上するか
らである。更に、前記熱処理後に80℃程度の温度で少
なくとも10時間程度放置し、エージング処理を施すこ
とが好ましい。このエージング処理で、製造過程の中で
受けた種々の応力等を更に緩和でき、特性の向上に寄与
するからである。
図22を参照しながら説明する。まず、図20Aに示す
ように、少なくとも後に孔部12を形成する窓部54が
形成された複数枚(例えば4枚)のセラミックグリーン
シート50A〜50Dと、後に孔部12を形成する窓部
54と互いに対向する端面36a及び36bを有する可
動部20を形成するための窓部100とが連続形成され
たセラミックグリーンシート102と、後に薄板部16
a及び16bとなる複数枚(例えば2枚)のセラミック
グリーンシート52A及び52Bとを用意する。
クグリーンシート52A及び52Bでセラミックグリー
ンシート50A〜50D及び102を挟み込むようにし
て、これらセラミックグリーンシート50A〜50D、
52A及び52B及び102を積層・圧着して、セラミ
ックグリーン積層体58とする。この積層にあたっては
セラミックグリーンシート102を中央に位置させて積
層する。このとき、窓部100の存在により、圧着時に
圧力がかからない部位が発生するため、積層、圧着の順
番等を変更し、そのような部位が生じないようにする必
要がある。これは、後述する第3及び第4の製造方法で
も同様である。その後、セラミックグリーン積層体58
を焼成してセラミック積層体60(図21参照)を得
る。
ク積層体60の両表面、即ち、セラミックグリーンシー
ト52A及び52Bが積層された表面に相当する表面に
それぞれ多層構造の圧電/電歪素子24a及び24bを
形成し、焼成によって圧電/電歪素子24a及び24b
をセラミック積層体60に一体化させる。もちろん、圧
電/電歪素子は片側の表面のみに形成してもよい。これ
は、後述する第3及び第4の製造方法でも同様である。
形成されたセラミック積層体60のうち、切断線C1、
C2、C5に沿って切断することにより、セラミック積
層体60の側部と先端部を切除する。この切除によっ
て、図22に示すように、セラミック基体14Cに圧電
/電歪素子24a及び24bが形成され、かつ、互いに
対向する端面36a及び36bを有する可動部20が形
成された圧電/電歪デバイス10を得る。切断のタイミ
ングは、切断線C1及びC2に沿って切断した後に切断
線C5に沿って切断してもよく、切断線C5に沿って切
断した後に切断線C1及びC2に沿って切断してもよ
い。もちろん、これらの切断を同時に行うようにしても
よい。
ク積層体60から不要な部分を切除したと同時に、セラ
ミック基体14Cに圧電/電歪素子24a及び24bが
形成され、かつ、互いに対向する端面36a及び36b
を有する可動部20が形成された圧電/電歪デバイス1
0を得ることができるため、製造工程の簡略化を図るこ
とができると共に、圧電/電歪デバイス10の歩留まり
を向上させることができる。
図25を参照しながら説明する。まず、図23Aに示す
ように、少なくとも後に孔部12を形成する窓部54が
形成された複数枚(例えば4枚)のセラミックグリーン
シート50A〜50Dと、後に孔部12を形成する窓部
54と互いに対向する端面36a及び36bが一部連結
された可動部20となる部分20Dを形成するための窓
部104とが連続形成され、窓部54に向かって一部張
り出した張出し部106が形成されたセラミックグリー
ンシート108と、後に薄板部16a及び16bとなる
複数枚(例えば2枚)のセラミックグリーンシート52
A及び52Bとを用意する。
クグリーンシート52A及び52Bでセラミックグリー
ンシート50A〜50D、108を挟み込むようにし
て、これらセラミックグリーンシート50A〜50D、
52A及び52B、108を積層・圧着して、セラミッ
クグリーン積層体58とする。この積層にあたってはセ
ラミックグリーンシート108を中央に位置させて積層
する。その後、セラミックグリーン積層体58を焼成し
てセラミック積層体60(図24参照)を得る。
ク積層体60の両表面、即ち、セラミックグリーンシー
ト52A及び52Bが積層された表面に相当する表面に
それぞれ多層構造の圧電/電歪素子24a及び24bを
形成し、焼成によって圧電/電歪素子24a及び24b
をセラミック積層体60に一体化させる。
形成されたセラミック積層体60のうち、切断線C1、
C2、C5に沿って切断することにより、セラミック積
層体の側部と先端部を切除する。この切除によって、図
25に示すように、固定部22と薄板部16a及び16
b並びに圧電/電歪素子24a及び24bは形作られる
が、可動部20となる部分20Dは互いに対向する端面
36a及び36bが張出し部106によって一部連結さ
れた状態となっている。
bを一部連結している前記張出し部106を切除して、
可動部20、薄板部16a及び16b並びに固定部22
が一体化されたセラミック基体14Cに圧電/電歪素子
24a及び24bが形成された圧電/電歪デバイス10
を作製する。
において、互いに対向する端面36a及び36bを一部
連結している細い張出し部106を切除すればよいた
め、簡単に、かつ、確実に切除することができ、製造工
程の簡略化を図ることができると共に、圧電/電歪デバ
イス10の歩留まりを向上させることができる。
図28を参照しながら説明する。まず、図26Aに示す
ように、少なくとも後に孔部12を形成する窓部54が
形成された複数枚(例えば4枚)のセラミックグリーン
シート50A〜50Dと、後に孔部12となる窓部54
と互いに対向する端面36a及び36bが一部連結され
た可動部20となる部分20Dを形成するための窓部1
10とが形成され、窓部54と窓部110を分離するよ
うに桟部112が形成されたセラミックグリーンシート
114と、後に薄板部16a及び16bとなる複数枚
(例えば2枚)のセラミックグリーンシート52A及び
52Bとを用意する。
クグリーンシート52A及び52Bでセラミックグリー
ンシート50A〜50D、114を挟み込むようにし
て、これらセラミックグリーンシート50A〜50D、
52A及び52B、114を積層・圧着して、セラミッ
クグリーン積層体58とする。この積層にあたってはセ
ラミックグリーンシート114を中央に位置させて積層
する。その後、セラミックグリーン積層体58を焼成し
てセラミック積層体60(図27参照)を得る。
ク積層体60の両表面、即ち、セラミックグリーンシー
ト52A及び52Bが積層された表面に相当する表面に
それぞれ多層構造の圧電/電歪素子24a及び24bを
形成し、焼成によって圧電/電歪素子24a及び24b
をセラミック積層体60に一体化させる。
形成されたセラミック積層体60のうち、切断線C1、
C2、C5に沿って切断することにより、セラミック積
層体の側部と先端部を切除する。この切除によって、図
28に示すように、固定部22と薄板部16a及び16
b並びに圧電/電歪素子24a及び24bは形作られる
が、可動部20となる部分20Dは互いに対向する端面
36a及び36bが桟部112によって一部連結された
状態となっている。
bを一部連結している前記桟部112を切除して、可動
部20、薄板部16a及び16b並びに固定部22が一
体化されたセラミック基体14Cに圧電/電歪素子24
a及び24bが形成された圧電/電歪デバイス10を作
製する。
において、互いに対向する端面を一部連結している桟部
112を切除すればよいため、簡単に、かつ、確実に切
除することができ、製造工程の簡略化を図ることができ
ると共に、圧電/電歪デバイス10の歩留まりを向上さ
せることができる。
2、薄板部16a及び16bをセラミック基体14Cに
て構成した例を示したが、その他、各部を金属材料同士
で構成することもできる。更には、セラミックスと金属
の材料とから製造されたものを組み合わせたハイブリッ
ド構造として構成することもできる。この場合、金属材
料間の接合、セラミックスと金属材料間の接合において
は、有機樹脂、ガラス等での接着、ロウ付け、半田付
け、共晶接合、溶接等を用いることができる。
ックスとし、薄板部16a及び16bを金属としたハイ
ブリッド構造の圧電/電歪デバイス(第8及び第9の変
形例に係る圧電/電歪デバイス10h及び10i)の製
造方法(第5及び第6の製造方法)について図29A〜
図36を参照しながら説明する。従って、この第5及び
第6の製造方法で形成される金属とセラミックスを含む
基体を基体14Dと記す。
ように、少なくとも後に孔部12を形成する窓部54が
形成された複数枚(例えば4枚)のセラミックグリーン
シート50A〜50Dと、後に孔部12を形成する窓部
54と互いに対向する端面36a及び36bを有する可
動部20を形成するための窓部100とが連続形成され
たセラミックグリーンシート102とを用意する。
クグリーンシート50A〜50D及び102を積層・圧
着して、セラミックグリーン積層体158とする。この
積層にあたってはセラミックグリーンシート102を中
央に位置させて積層する。その後、セラミックグリーン
積層体158を焼成して、図30Aに示すように、セラ
ミック積層体160(図30A参照)を得る。このと
き、セラミック積層体160には、窓部54及び100
による孔部130が形成されたかたちとなる。
構成した圧電/電歪素子24a及び24bをそれぞれ薄
板部となる金属板152A及び152Bの表面にエポキ
シ系接着剤で接着する。別体の圧電/電歪素子24a及
び24bは、例えばセラミックグリーンシート積層法に
より形成することができる。
ミック積層体160を挟み込むように、かつ、孔部13
0を塞ぐようにして、これら金属板152A及び152
Bをセラミック積層体160にエポキシ系接着剤で接着
し、ハイブリッド積層体162(図31参照)とする。
子24a及び24bが形成されたハイブリッド積層体1
62のうち、切断線C1、C2、C5に沿って切断する
ことにより、ハイブリッド積層体162の側部と先端部
を切除する。この切除によって、図32に示すように、
基体14Dのうち、金属板で構成された薄板部に圧電/
電歪素子24a及び24bが形成され、かつ、互いに対
向する端面36a及び36bを有する可動部20が形成
された第8の変形例に係る圧電/電歪デバイス10hを
得る。
に示すように、少なくとも後に孔部12を形成する窓部
54が形成された複数枚(例えば4枚)のセラミックグ
リーンシート50A〜50Dと、後に孔部12を形成す
る窓部54と互いに対向する端面36a及び36bを有
する可動部20を形成するための窓部100とが連続形
成されたセラミックグリーンシート102とを用意す
る。
クグリーンシート50A〜50D及び102を積層・圧
着して、セラミックグリーン積層体158とする。その
後、セラミックグリーン積層体158を焼成して、図3
4Aに示すように、セラミック積層体160を得る。こ
のとき、セラミック積層体160には、窓部54及び1
00による孔部130が形成されたかたちとなる。
2A及び152Bでセラミック積層体160を挟み込む
ように、かつ、孔部130を塞ぐようにして、これら金
属板152A及び152Bをセラミック積層体160に
エポキシ系接着剤で接着し、ハイブリッド積層体162
とする。このとき、接着した金属板152A及び152
Bの表面に圧電/電歪素子24a及び24bを貼り合わ
せる際に、十分な接着圧力がかけられるように、図34
Aに示すように、必要に応じて、孔部130に充填材1
64を充填する。
があるため、溶剤等に溶解しやすく、また、硬い材料で
あることが好ましく、例えば有機樹脂やワックス、ロウ
などが挙げられる。また、アクリル等の有機樹脂にセラ
ミック粉末をフィラーとして混合した材料を採用するこ
ともできる。
積層体162における金属板152A及び152Bの表
面に、別体として形成した圧電/電歪素子24a及び2
4bをエポキシ系接着剤で接着する。別体の圧電/電歪
素子24a及び24bは、例えばセラミックグリーンシ
ート積層法により形成することができる。
形成されたハイブリッド積層体162のうち、切断線C
1、C2、C5に沿って切断することにより、ハイブリ
ッド積層体162の側部と先端部を切除する。この切除
によって、図36に示すように、基体14Dのうち、金
属板で構成された薄板部に圧電/電歪素子24a及び2
4bが形成され、かつ、互いに対向する端面36a及び
36bを有する可動部20が形成された第9の変形例に
係る圧電/電歪デバイス10iを得る。
は、例えば図30Aにおけるセラミック積層体160に
相当する部位を鋳造により形成するほか、薄状の金属を
積層し、クラッディング法により形成すればよい。
種トランスデューサ、各種アクチュエータ、周波数領域
機能部品(フィルタ)、トランス、通信用や動力用の振
動子や共振子、発振子、ディスクリミネータ等の能動素
子のほか、超音波センサや加速度センサ、角速度センサ
や衝撃センサ、質量センサ等の各種センサ用のセンサ素
子として利用することができ、特に、光学機器、精密機
器等の各種精密部品等の変位や位置決め調整、角度調整
の機構に用いられる各種アクチュエータに好適に利用す
ることができる。
種トランスデューサ、各種アクチュエータ、周波数領域
機能部品(フィルタ)、トランス、通信用や動力用の振
動子や共振子、発振子、ディスクリミネータ等の能動素
子のほか、超音波センサや加速度センサ、角速度センサ
や衝撃センサ、質量センサ等の各種センサ用のセンサ素
子として利用することができ、特に、光学機器、精密機
器等の各種精密部品等の変位や位置決め調整、角度調整
の機構に用いられる各種アクチュエータに好適に利用す
ることができる。
及びその製造方法は、上述の実施の形態に限らず、この
発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る
ことはもちろんである。
/電歪デバイス及びその製造方法によれば、デバイスの
軽量化、中でも固定部もしくは可動部の軽量化、デバイ
スのハンドリング性並びにデバイスの固定性もしくは可
動部への部品の取付性を向上させることができ、これに
より、可動部を大きく変位することができると共に、可
動部の変位動作の高速化(高共振周波数化)を達成させ
ることができ、しかも、有害な振動の影響を受け難く、
高速応答が可能で、機械的強度が高く、ハンドリング
性、耐衝撃性、耐湿性に優れた変位素子、並びに可動部
の振動を精度よく検出することができるセンサ素子を得
ることができる。
を示す斜視図である。
の変形例を示す斜視図である。
の変形例を示す斜視図である。
の変形例を示す斜視図である。
の変形例を示す斜視図である。
の変形例を示す斜視図である。
例を示す斜視図である。
の変形例を示す斜視図である。
の変形例を示す斜視図である。
斜視図である。
示す斜視図である。
いて、圧電/電歪素子が共に変位動作を行っていない場
合を示す説明図である。
る電圧波形を示す波形図であり、図13Bは他方の圧電
/電歪素子に印加される電圧波形を示す波形図である。
いて、圧電/電歪素子が変位動作を行った場合を示す説
明図である。
圧電/電歪デバイスを固着した場合を示す斜視図であ
る。
セラミックグリーンシートの積層過程を示す説明図であ
り、図16Bはセラミックグリーン積層体とした状態を
示す説明図である。
ン積層体を焼成したセラミック積層体とした後、該セラ
ミック積層体に圧電/電歪素子を形成した状態を示す説
明図である。
を所定の切断線に沿って切断して、本実施の形態に係る
圧電/電歪デバイスとする途中過程を示す説明図であ
る。
応力が発生している状態を示す説明図であり、図19B
は可動部の中心部分を切除した状態を示す説明図であ
る。
セラミックグリーンシートの積層過程を示す説明図であ
り、図20Bはセラミックグリーン積層体とした状態を
示す説明図である。
ン積層体を焼成したセラミック積層体とした後、該セラ
ミック積層体に圧電/電歪素子を形成した状態を示す説
明図である。
を所定の切断線に沿って切断して、本実施の形態に係る
圧電/電歪デバイスとした状態を示す説明図である。
セラミックグリーンシートの積層過程を示す説明図であ
り、図23Bはセラミックグリーン積層体とした状態を
示す説明図である。
ン積層体を焼成したセラミック積層体とした後、該セラ
ミック積層体に圧電/電歪素子を形成した状態を示す説
明図である。
を所定の切断線に沿って切断して、本実施の形態に係る
圧電/電歪デバイスとする途中過程を示す説明図であ
る。
セラミックグリーンシートの積層過程を示す説明図であ
り、図26Bはセラミックグリーン積層体とした状態を
示す説明図である。
ン積層体を焼成したセラミック積層体とした後、該セラ
ミック積層体に圧電/電歪素子を形成した状態を示す説
明図である。
を所定の切断線に沿って切断して、本実施の形態に係る
圧電/電歪デバイスとする途中過程を示す説明図であ
る。
セラミックグリーンシートの積層過程を示す説明図であ
り、図29Bはセラミックグリーン積層体とした状態を
示す説明図である。
してセラミック積層体とした状態を示す説明図であり、
図30Bは別体として構成した圧電/電歪素子をそれぞ
れ薄板部となる金属板の表面に接着した状態を示す説明
図である。
ク積層体に接着してハイブリッド積層体とした状態を示
す説明図である。
体を所定の切断線に沿って切断して、第8の変形例に係
る圧電/電歪デバイスを作製した状態を示す説明図であ
る。
セラミックグリーンシートの積層過程を示す説明図であ
り、図33Bはセラミックグリーン積層体とした状態を
示す説明図である。
してセラミック積層体とした後、孔部に充填材を充填し
た状態を示す説明図であり、図34Bはそれぞれ薄板部
となる金属板をセラミック積層体に接着してハイブリッ
ド積層体とした状態を示す説明図である。
リッド積層体の金属板の表面に接着した状態を示す説明
図である。
体を所定の切断線に沿って切断して、第9の変形例に係
る圧電/電歪デバイスを作製した状態を示す説明図であ
る。
図である。
バイス 12…孔部 14、14C、14D…基体(セラミック基体) 16a、16b…薄板部 18…実質的駆動
部分 20…可動部 20D…可動部と
なる部分 22…固定部 36a、36b…
端面 38…空隙 40…部材 50A〜50D、52A、52B、102、108、1
14…セラミックグリーンシート 58、158…セラミックグリーン積層体 60、160…セラミック積層体 162…ハイブリ
ッド積層体
Claims (19)
- 【請求項1】相対向する一対の薄板部と、可動部と、こ
れら薄板部と可動部を支持する固定部とを具備し、 前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に1
以上の圧電/電歪素子が配設され、 前記一対の薄板部の両内壁と前記可動部の内壁と前記固
定部の内壁とにより孔部が形成された圧電/電歪デバイ
スであって、 前記可動部又は固定部のいずれか一方は、互いに対向す
る端面を有することを特徴とする圧電/電歪デバイス。 - 【請求項2】請求項1記載の圧電/電歪デバイスにおい
て、 前記可動部又は固定部のいずれか一方に切除部を有し、 前記切除部の一部が前記互いに対向する端面を構成する
ことを特徴とする圧電/電歪デバイス。 - 【請求項3】請求項1又は2記載の圧電/電歪デバイス
において、 前記薄板部と前記可動部と前記固定部は、セラミックグ
リーン積層体を同時焼成することによって一体化し、更
に不要な部分を切除してなるセラミック基体で構成され
ていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。 - 【請求項4】請求項3記載の圧電/電歪デバイスにおい
て、 前記圧電/電歪素子は膜状であって、焼成によって前記
セラミック基体に一体化されていることを特徴とする圧
電/電歪デバイス。 - 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧電
/電歪デバイスにおいて、 前記互いに対向する端面の間に空隙が形成されているこ
とを特徴とする圧電/電歪デバイス。 - 【請求項6】請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧電
/電歪デバイスにおいて、 前記互いに対向する端面の間に前記可動部又は固定部の
いずれか一方の構成部材とは異なる部材が介在している
ことを特徴とする圧電/電歪デバイス。 - 【請求項7】請求項6記載の圧電/電歪デバイスにおい
て、 前記部材が有機樹脂であることを特徴とする圧電/電歪
デバイス。 - 【請求項8】請求項1〜7のいずれか1項に記載の圧電
/電歪デバイスにおいて、 製造時に前記薄板部及び/又は前記圧電/電歪素子に生
じていた内部残留応力が、前記互いに対向する端面が形
成されることによって解放された構造を有することを特
徴とする圧電/電歪デバイス。 - 【請求項9】請求項1〜8のいずれか1項に記載の圧電
/電歪デバイスにおいて、 前記圧電/電歪素子は、 圧電/電歪層と、該圧電/電歪層に形成された一対の電
極とを有することを特徴とする圧電/電歪デバイス。 - 【請求項10】請求項1〜8のいずれか1項に記載の圧
電/電歪デバイスにおいて、 前記圧電/電歪素子は、圧電/電歪層と、該圧電/電歪
層の両側に形成された一対の電極とを有し、該一対の電
極のうち、一方の電極が少なくとも前記薄板部に形成さ
れていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。 - 【請求項11】請求項9又は10記載の圧電/電歪デバ
イスにおいて、 前記圧電/電歪素子は、 前記圧電/電歪層と前記一対の電極の複数が積層形態で
構成されていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。 - 【請求項12】請求項1〜11のいずれか1項に記載の
圧電/電歪デバイスにおいて、 前記孔部にゲル状の材料が充填されていることを特徴と
する圧電/電歪デバイス。 - 【請求項13】相対向する一対の薄板部と、可動部と、
これら薄板部と可動部を支持する固定部とを具備し、 前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に1
以上の圧電/電歪素子が配設され、 前記一対の薄板部の両内壁と前記可動部の内壁と前記固
定部の内壁とにより孔部が形成された圧電/電歪デバイ
スの製造方法であって、 少なくとも前記薄板上に前記圧電/電歪素子を作製した
後に、前記可動部となる部分又は固定部となる部分のい
ずれか一方の所定部位を切除して、互いに対向する端面
を有する前記可動部又は固定部を形成する工程を有する
ことを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。 - 【請求項14】相対向する一対の薄板部と、可動部と、
これら薄板部と可動部を支持する固定部とを具備し、 前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に1
以上の圧電/電歪素子が配設され、 前記一対の薄板部の両内壁と前記可動部の内壁と前記固
定部の内壁とにより孔部が形成された圧電/電歪デバイ
スの製造方法であって、 少なくとも後に少なくとも前記孔部を形成するための窓
部を有するセラミックグリーンシートと、後に前記薄板
部となるセラミックグリーンシートとを含むセラミック
グリーン積層体を一体焼成して、セラミック積層体を作
製するセラミック積層体作製工程と、 前記セラミック積層体のうち、前記薄板部となる部分の
外表面に前記圧電/電歪素子を形成する工程と、 前記圧電/電歪素子が形成されたセラミック積層体に対
する少なくとも1回の切除処理によって、少なくとも前
記互いに対向する端面を有する前記可動部又は固定部を
形成する切除工程とを含むことを特徴とする圧電/電歪
デバイスの製造方法。 - 【請求項15】請求項14記載の圧電/電歪デバイスの
製造方法において、 前記セラミック積層体作製工程は、少なくとも互いに対
向する端面を有する前記可動部又は固定部を形成するた
めの窓部を有するセラミックグリーンシートと、後に前
記薄板部となるセラミックグリーンシートとを含むセラ
ミックグリーン積層体を一体焼成して、前記セラミック
積層体を作製し、 前記切除工程は、前記圧電/電歪素子が形成されたセラ
ミック積層体に対する切除処理によって、少なくとも前
記互いに対向する端面を有する前記可動部又は固定部を
形成することを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方
法。 - 【請求項16】請求項14又は15記載の圧電/電歪デ
バイスの製造方法において、 前記セラミック積層体作製工程は、少なくとも互いに対
向する端面が一部連結された前記可動部となる部分又は
前記固定部となる部分を形成するための窓部を有するセ
ラミックグリーンシートと、後に前記薄板部となるセラ
ミックグリーンシートとを含むセラミックグリーン積層
体を一体焼成して、前記セラミック積層体を作製し、 前記切除工程は、前記圧電/電歪素子が形成された前記
セラミック積層体に対する切除処理によって、少なくと
も互いに対向する端面が一部連結された前記可動部とな
る部分又は固定部となる部分を形成し、更に、前記連結
部分を切除して互いに対向する端面を有する前記可動部
又は固定部を形成することを特徴とする圧電/電歪デバ
イスの製造方法。 - 【請求項17】請求項14〜16のいずれか1項に記載
の圧電/電歪デバイスの製造方法において、 前記切除工程は、前記セラミック積層体に対する切除処
理によって、前記孔部を露出させることを含むことを特
徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。 - 【請求項18】請求項13〜17のいずれか1項に記載
の圧電/電歪デバイスの製造方法において、 前記互いに対向する端面の間に、前記可動部の構成部材
と異なる部材を介在させる工程を有することを特徴とす
る圧電/電歪デバイスの製造方法。 - 【請求項19】請求項18記載の圧電/電歪デバイスの
製造方法において、 前記部材として有機樹脂を用いることを特徴とする圧電
/電歪デバイスの製造方法。
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EP00308594A EP1089349B1 (en) | 1999-10-01 | 2000-09-29 | Piezoelectric/electrostrictive device and method of manufacturing same |
DE60035009T DE60035009D1 (de) | 1999-10-01 | 2000-09-29 | Piezoelektrisches/elektrostriktives Bauelement und dessen Herstellungsverfahren |
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JP2000056434 | 2000-03-01 | ||
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