JP3845544B2 - 圧電/電歪デバイス及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電/電歪素子の変位動作に基づいて作動する可動部を備えた圧電/電歪デバイス、もしくは可動部の変位を圧電/電歪素子により検出できる圧電/電歪デバイス及びその製造方法に関し、詳しくは、強度、耐衝撃性、耐湿性に優れ、効率よく可動部を大きく作動させることができる圧電/電歪デバイス及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、光学や磁気記録、精密加工等の分野において、サブミクロンオーダーで光路長や位置を調整可能な変位素子が必要とされており、圧電/電歪材料(例えば強誘電体等)に電圧を印加したときに惹起される逆圧電効果や電歪効果による変位を利用した変位素子の開発が進められている。
【0003】
従来、このような変位素子としては、例えば図26に示すように、圧電/電歪材料からなる板状体200に孔部202を設けることにより、固定部204と可動部206とこれらを支持する梁部208とを一体に形成し、更に、梁部208に電極層210を設けた圧電アクチュエータが開示されている(例えば特開平10−136665号公報参照)。
【0004】
前記圧電アクチュエータにおいては、電極層210に電圧を印加すると、逆圧電効果や電歪効果により、梁部208が固定部204と可動部206とを結ぶ方向に伸縮するため、可動部206を板状体200の面内において弧状変位又は回転変位させることが可能である。
【0005】
一方、特開昭63−64640号公報には、バイモルフを用いたアクチュエータに関して、そのバイモルフの電極を分割して設け、分割された電極を選択して駆動することにより、高精度な位置決めを高速に行う技術が開示され、この公報(特に第4図)には、例えば2枚のバイモルフを対向させて使用する構造が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記圧電アクチュエータにおいては、圧電/電歪材料の伸縮方向(即ち、板状体200の面内方向)の変位をそのまま可動部206に伝達していたため、可動部206の作動量が小さいという問題があった。
【0007】
また、圧電アクチュエータは、すべての部分を脆弱で比較的重い材料である圧電/電歪材料によって構成しているため、機械的強度が低く、ハンドリング性、耐衝撃性、耐湿性に劣ることに加え、圧電アクチュエータ自体が重く、動作上、有害な振動(例えば、高速作動時の残留振動やノイズ振動)の影響を受けやすいという問題点があった。
【0008】
そこで、例えば梁部の厚みを厚くして剛性を向上させることにより、強度と共に共振周波数を上げるという手法が考えられるが、剛性の向上による影響によって著しい変位低下及び応答速度の低下を招くという問題がある。
【0009】
また、特開昭63−64640号公報の第4図が示すものは、中継部材とバイモルフ並びにヘッドとバイモルフとの接合形態において、共に歪みを発生するいわゆる圧電作動部位がそれぞれの接合部位を跨ぐ構造、即ち、中継部材とヘッドにわたってバイモルフが連続的に構成されている。
【0010】
その結果、バイモルフを作動させた際、中継部材とバイモルフとの接合部を支点とした変位動作と、ヘッドとバイモルフとの接合点を支点とした変位動作が互いに干渉し合い、変位の発現を阻害し、ヘッドを外空間に対して大きく変位させるような作用が得られない構造であった。
【0011】
また、従来のこの種のデバイスにおいては、外力に対して弱い構造のものが多く、ハンドリングがしにくいことや、高共振周波数化を図ることが困難であるという問題がある。
【0012】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、変位特性、応答特性等のデバイス特性を低下させることなく、外力に対する耐衝撃性が大きく、ハンドリングが容易であると共に、大変位の発生、並びに高速応答が可能で、機械的強度が高く、有害な振動の影響を受け難く、耐湿性に優れた変位素子、並びに可動部の振動を精度よく検出することが可能なセンサ素子を得ることができる圧電/電歪デバイス及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明の目的は、製造時の不要な振動に伴う不良の発生を抑制し、圧電/電歪デバイスの生産性の向上を図ることができる圧電/電歪デバイス及びその製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
第1の本発明に係る圧電/電歪デバイスは、矩形体である固定部と、前記固定部の一面の相対向する端部に設けられた相対向する一対の矩形板状の薄板部と、前記薄板部の前記固定部が設けられるのと対向する端に、矩形体状の可動部とを有し、前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に1以上の圧電/電歪素子が配設され、前記一対の薄板部の相対向する内壁と前記可動部の前記固定部と対向する内壁と前記固定部の前記可動部の前記内壁と対向する内壁とにより孔部が形成された圧電/電歪デバイスであって、前記薄板部の振幅を制限する機構を有することを特徴とする。
【0015】
これにより、薄板部並びに可動部に対して、大きく振動(振幅)させるような外力等が加わっても、前記機構により薄板部の振動(振幅)が制限され、その結果、薄板部の破損等を防止することができる。この場合、薄板部の厚みを厚くする必要がないため、薄板部上に配設される圧電/電歪素子の材料特性が劣化することがなく、変位特性や応答特性等のデバイス特性を低下させることがない。
【0016】
つまり、本発明においては、変位特性、応答特性等のデバイス特性を低下させることなく、外力に対する耐衝撃性が大きく、ハンドリングが容易であると共に、大変位の発生、並びに高速応答が可能で、機械的強度が高く、有害な振動の影響を受け難く、耐湿性に優れた変位素子、並びに可動部の振動を精度よく検出することが可能なセンサ素子を得ることができる。
【0017】
また、製造時などにおいて、不要な振動が加えられても、前記機構により薄板部の振動(振幅)が制限されることから、前記不要な振動に伴う薄板部の破損等を有効に防止することができ、圧電/電歪デバイスの生産性の向上を図ることができる。
【0018】
そして、前記機構としては、前記可動部の内壁に形成された凹部と、前記固定部の内壁に設けられ、先端部が前記凹部内に入り込んだストッパ部材とを有するようにしてもよく、前記固定部の内壁に形成された凹部と、前記可動部の内壁に設けられ、先端部が前記凹部内に入り込んだストッパ部材とを有するようにしてもよい。この場合、ストッパ部材の先端部が凹部に当たることによって、薄板部の振動(振幅)が制限されることになる。また、ストッパ部材の長さと厚みを適宜調整することで、弾力性をもたせることができ、ストッパ部材が凹部に当たる際の衝撃を吸収することができる。
【0019】
なお、前記ストッパ部材の先端部から前記可動部の変位方向に沿った前記凹部内壁までの最短距離は、前記薄板部の振幅の許容限界以下であることが好ましい。この場合、薄板部の振動(振幅)がその許容限界以下となるため、薄板部の破損等を有効に防止することができる。
【0020】
また、前記機構としては、前記固定部の内壁に設けられた2本の緩衝部材と、前記可動部の内壁に設けられ、先端部が前記2本の緩衝部材間に入り込んだストッパ部材とを有するようにしてもよく、前記可動部の内壁に設けられた2本の緩衝部材と、前記固定部の内壁に設けられ、先端部が前記2本の緩衝部材間に入り込んだストッパ部材とを有するようにしてもよい。
【0021】
この場合、ストッパ部材の先端部が緩衝部材に当たることによって、薄板部の振動(振幅)が制限されることになる。特に、緩衝部材の高さと厚みによるアスペクト比を適宜調整することで、弾力性を持たせることができ、ストッパ部材が緩衝部材に当たることによる衝撃を吸収することができる。
【0022】
また、前記機構は、前記固定部の内壁から孔部内に向かって形成された張出し部を設けて構成し、前記張出し部から前記薄板部までの最短距離が該薄板部の振幅の許容限界以下となるようにしてもよい。この場合、薄板部の振動(振幅)がその許容限界以下となるため、薄板部の破損等を有効に防止することができる。特に、この構成の場合においては、薄板部に直接(集中した)外力が加わったときにも、薄板部を破損に導く振動(振幅)が効果的に制限されるため、薄板部の破損防止に有効となる。
【0023】
前記可動部、固定部、薄板部及び前記機構は、セラミックスもしくは金属を用いて構成されていてもよく、また、各部をセラミック材料同士で構成することもできるし、あるいは金属材料同士で構成することもできる。更には、セラミックスと金属の材料とから製造されたものを組み合わせたハイブリッド構造として構成することもできる。
【0024】
更に、前記薄板部、前記可動部、前記固定部及び前記機構は、セラミックグリーン積層体を同時焼成することによって一体化し、更に不要な部分を切除してなるセラミック基体で構成するようにしてもよい。また、前記圧電/電歪素子を膜状とし、焼成によって前記セラミック基体に一体化するようにしてもよい。
【0025】
この場合、前記圧電/電歪素子は、圧電/電歪層と、該圧電/電歪層に形成された一対の電極とを有して構成することができる。また、前記圧電/電歪素子は、圧電/電歪層と、該圧電/電歪層の両側に形成された一対の電極とを有し、該一対の電極のうち、一方の電極を少なくとも前記薄板部に形成するようにしてもよい。この場合、圧電/電歪素子による振動を薄板部を通じて効率よく可動部又は固定部に伝達することができ、応答性の向上を図ることができる。特に、前記圧電/電歪素子は、前記圧電/電歪層と前記一対の電極が複数の積層形態で構成されていることが好ましい。
【0026】
次に、第2の本発明に係る圧電/電歪デバイスの製造方法は、矩形体である固定部と、前記固定部の一面の相対向する端部に設けられた相対向する一対の矩形板状の薄板部と、前記薄板部の前記固定部が設けられるのと対向する端に、矩形体状の可動部とを有し、前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に1以上の圧電/電歪素子が配設され、前記一対の薄板部の相対向する内壁と前記可動部の前記固定部と対向する内壁と前記固定部の前記可動部の前記内壁と対向する内壁とにより孔部が形成された圧電/電歪デバイスの製造方法であって、少なくとも前記薄板部上に前記圧電/電歪素子を作製した後に、所定部位を切除して、前記薄板部の振幅を制限する機構が設けられた圧電/電歪デバイスを作製することを特徴とする。
【0027】
ここでいう圧電/電歪素子を作製した後とは、少なくとも圧電/電歪層が薄板部に形成された状態を示し、圧電/電歪層の形成後に形成される電極に対しては、所定部位の切除を行った後に形成するようにしてもかまわない。
【0028】
また、第3の本発明に係る圧電/電歪デバイスの製造方法は、矩形体である固定部と、前記固定部の一面の相対向する端部に設けられた相対向する一対の矩形板状の薄板部と、前記薄板部の前記固定部が設けられるのと対向する端に、矩形体状の可動部とを有し、前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に1以上の圧電/電歪素子が配設され、前記一対の薄板部の相対向する内壁と前記可動部の前記固定部と対向する内壁と前記固定部の前記可動部の前記内壁と対向する内壁とにより孔部が形成された圧電/電歪デバイスの製造方法であって、少なくとも後に少なくとも前記孔部を形成するための窓部を有するセラミックグリーンシートと、後に前記薄板部の振幅を制限する機構を形成するためのセラミックグリーンシートと、後に前記薄板部となるセラミックグリーンシートとを含むセラミックグリーン積層体を一体焼成して、セラミック積層体を作製するセラミック積層体作製工程と、前記セラミック積層体のうち、前記薄板部となる部分の外表面に前記圧電/電歪素子を形成する工程と、前記圧電/電歪素子が形成されたセラミック積層体に対する少なくとも1回の切除処理によって、前記薄板部の振幅を制限する機構が設けられた圧電/電歪デバイスを作製する切除工程とを含むことを特徴とする。
【0029】
これらの製造方法により、変位特性、応答特性等のデバイス特性を低下させることなく、外力に対する耐衝撃性が大きく、ハンドリングが容易であると共に、大変位の発生、並びに高速応答が可能で、機械的強度が高く、有害な振動の影響を受け難く、耐湿性に優れた変位素子、並びに可動部の振動を精度よく検出することが可能なセンサ素子を容易に得ることができる。
【0030】
また、これらの製造方法においては、前記切除工程において、前記セラミック積層体に対する切除処理によって前記孔部を露出させることを併せて行うようにしてもよい。この場合、互いに対向する端面を有する前記可動部又は固定部の形成と孔部の形成を同時に行うようにしてもよく、その順番は問わない。
【0031】
また、前記切除処理を例えば機械加工で行った場合などにおいて、不要な振動が加わることになるが、前記機構の存在により、薄板部の振動(振幅)が制限されることから、前記不要な振動に伴う製造時における薄板部の破損等を有効に防止することができ、圧電/電歪デバイスの生産性の向上を図ることができる。
【0032】
従って、本発明に係る圧電/電歪デバイス及びその製造方法によれば、各種トランスデューサ、各種アクチュエータ、周波数領域機能部品(フィルタ)、トランス、通信用や動力用の振動子や共振子、発振子、ディスクリミネータ等の能動素子のほか、超音波センサや加速度センサ、角速度センサや衝撃センサ、質量センサ等の各種センサ用のセンサ素子として利用することができ、特に、光学機器、精密機器等の各種精密部品等の変位や位置決め調整、角度調整の機構に用いられる各種アクチュエータに好適に利用することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る圧電/電歪デバイス及びその製造方法の実施の形態例を図1〜図25を参照しながら説明する。
【0034】
ここで、圧電/電歪デバイスは、圧電/電歪素子により電気的エネルギと機械的エネルギとを相互に変換する素子を包含する概念である。従って、各種アクチュエータや振動子等の能動素子、特に、逆圧電効果や電歪効果による変位を利用した変位素子として最も好適に用いられるほか、加速度センサ素子や衝撃センサ素子等の受動素子としても好適に使用され得る。
【0035】
なお、本発明における圧電/電歪とは、圧電及び/又は電歪を意味し、例えば圧電/電歪デバイス並びに圧電/電歪素子は、それぞれ圧電及び/又は電歪デバイス並びに圧電及び/又は電歪素子を意味する。
【0036】
まず、第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Aは、図1に示すように、全体として長尺の直方体の形状を呈し、その長軸方向のほぼ中央部分に孔部12が設けられた基体14を有する。
【0037】
基体14は、相対向する一対の薄板部16a及び16bと、可動部20と、前記一対の薄板部16a及び16b並びに可動部20を支持する固定部22とを具備し、少なくとも薄板部16a及び16bの各一部にそれぞれ圧電/電歪素子24a及び24bが形成されている。ここで、薄板部16a及び16bのうち、それぞれ圧電/電歪素子24a及び24bが形成される面を、薄板部16a及び16bの側面と定義する。
【0038】
この基体14については、全体をセラミックスもしくは金属を用いて構成されたもののほか、セラミックスと金属の材料で製造されたものを組み合わせたハイブリッド構造としてもよい。
【0039】
また、基体14は、各部を有機樹脂、ガラス等の接着剤で接着してなる構造、セラミックグリーン積層体を焼成により一体化してなるセラミック一体構造、ロウ付け、半田付け、共晶接合もしくは溶接等で一体化した金属一体構造等の構成を採用することができるが、一体構造が信頼性の点で望ましく、中でも最も好ましくはセラミックグリーン積層体を焼成により一体化したセラミック積層体で基体14を構成することが望ましい。
【0040】
このようなセラミックスの一体化物は、各部の接合部に接着剤が介在しないことから、経時的な状態変化がほとんど生じないため、接合部位の信頼性が高く、かつ、剛性確保に有利な構造であることに加え、後述するセラミックグリーンシート積層法により、容易に製造することが可能である。
【0041】
そして、圧電/電歪素子24a及び24bは、後述のとおり別体として圧電/電歪素子24a及び24bを準備して、基体14に有機樹脂、ガラス等の接着剤や、ロウ付け、半田付け、共晶接合等で貼り付けられるほか、膜形成法を用いることにより、前記貼り付けではなく直接基体14に形成されることとなる。
【0042】
また、この圧電/電歪デバイス10Aは、一対の薄板部16a及び16bの両内壁と可動部20の内壁20aと固定部22の内壁22aにより例えば矩形状の前記孔部12が形成され、前記圧電/電歪素子24a及び/又は24bの駆動によって可動部20が変位し、あるいは可動部20の変位を圧電/電歪素子24a及び/又は24bにより検出する構成を有する。
【0043】
圧電/電歪素子24a及び24bは、圧電/電歪層26と、該圧電/電歪層26の両側に形成された一対の電極28及び30とを有して構成され、該一対の電極28及び30のうち、一方の電極28が少なくとも一対の薄板部16a及び16bに形成されている。
【0044】
図1の例では、圧電/電歪素子24a及び24bを構成する一方の電極28及び圧電/電歪層26の各先端部を可動部20の側面まで延ばし、他方の電極30の先端部を薄板部16a及び16bの長さ方向(Z軸方向)のほぼ中央に位置させるようにしている。そして、この圧電/電歪素子24a及び24bの実質的駆動部分18(一対の電極28及び30が圧電/電歪層26を間に挟んで重なる部分)が固定部22の側面の一部から薄板部16a及び16bの側面の一部にかけて連続的に形成されている構成をとることで、可動部20の変位量を効率的に大きくすることが可能となる。
【0045】
そして、上述の第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Aにおいては、図1に示すように、前記薄板部16a及び16bや可動部20の振幅を制限する機構100を有して構成されている。この機構100は、第1の実施の形態では、可動部20の内壁20aに形成された凹部102と、固定部22の内壁22aに設けられ、先端部104aが前記凹部102内に入り込んだ板状のストッパ部材104とを有して構成されている。
【0046】
この場合、例えば図13に示すように、ストッパ部材104の先端部104aから可動部20の変位方向に沿った前記凹部102の内壁(側壁)102aまでの最短距離Lcが、可動部20や薄板部16a及び16bの振幅の許容限界以下であることが好ましい。これにより、可動部20や薄板部16a及び16bの振動(振幅)がその許容限界以下となるため、薄板部16a及び16bの破損等を有効に防止することができる。また、更に、前記ストッパ部材104の先端部104aから前記ストッパ部材104の伸びる方向に沿った前記凹部102の内壁102aまでの最短距離も、前記許容限界に応じ、所定の寸法とすれば、Z軸方向からの外力に対しても、薄板部16a及び16bの破損等を有効に防止することができる。
【0047】
なお、一対の電極28及び30への電圧の印加は、各電極28及び30のうち、それぞれ固定部22の両側面(素子形成面)上に形成された端子(パッド)32及び34を通じて行われるようになっている。各端子32及び34の位置は、一方の電極28に対応する端子32が固定部22の後端寄りに形成され、外部空間側の他方の電極30に対応する端子34が固定部22の内壁22a寄りに形成されている。
【0048】
この場合、圧電/電歪デバイス10Aの固定を、端子32及び34が配置された面とは別の面を利用してそれぞれ別個に行うことができ、結果として、圧電/電歪デバイス10Aの固定と、回路と端子32及び34間の電気的接続の双方に高い信頼性を得ることができる。この構成においては、フレキシブルプリント回路(FPCとも称される)、フレキシブルフラットケーブル(FFCとも称される)、ワイヤボンディング等によって端子32及び34と回路との電気的接続が行われる。
【0049】
圧電/電歪素子24a及び24bの構成としては、図1に示す構成のほか、図2に示す第1の変形例に係る圧電/電歪デバイス10Aaのように、一対の電極28及び30並びに圧電/電歪層26の各先端面をほぼ揃えるようにし、圧電/電歪素子24a及び24bの実質的駆動部分18(一対の電極28及び30が圧電/電歪層26を間に挟んで重なる部分)を固定部22の側面の一部から可動部20の側面の一部にかけて連続的に形成するようにしてもよい。
【0050】
また、図3に示す第2の変形例に係る圧電/電歪デバイス10Abのように、一対の電極28及び30並びに圧電/電歪層26の各先端面をほぼ揃えるようにし、圧電/電歪素子24a及び24bの実質的駆動部分18を固定部22の外表面の一部から薄板部16a及び16bの側面の一部にかけて連続的に形成するようにしてもよいし、図4に示す第3の変形例に係る圧電/電歪デバイス10Acのように、圧電/電歪素子24a及び24bを構成する一対の電極28及び30の各先端部を揃え、圧電/電歪層26の先端部のみを可動部20側に突出させるようにしてもよい。これら図3、図4に従うような圧電/電歪素子24a及び24bの配置を有する構造の場合、図1の例と同様に、可動部20を固定部22に対してほぼ平行に、かつ、大きく変位させることができる。
【0051】
特に、上述の第3の変形例に係る圧電/電歪デバイス10Acでは、図4に示すように、可動部20に互いに対向する端面36a及び36bを形成した例を示す。
【0052】
この場合、製造時に圧電/電歪素子24a及び24b及び/又は薄板部16a及び16bに生じていた内部残留応力を前記端面36a及び36bの移動によって解放することができるため、可動部20の変位動作が前記内部残留応力によって阻害されることがなくなり、ほぼ設計通りの可動部20の変位動作を得ることができる。加えて、この応力の解放によって、圧電/電歪デバイス10Acの機械強度の向上も図ることができる。
【0053】
これら端面36a及び36bの間には、図4に示すように、空隙(空気)38を介在させるようにしてもよいし、前記可動部20の構成部材とは異なる部材、例えば樹脂等からなる部材を介在させるようにしてもよい。上述の例では、互いに対向する端面36a及び36bを可動部20に設けた例を示したが、その他、図5に示す第4の変形例に係る圧電/電歪デバイス10Adのように、前記端面36a及び36bを固定部22に設けるようにしてもよい。また、この図5に従う圧電/電歪素子24a及び24bの配置も可動部20を固定部22に対してほぼ平行に、かつ、大きく変位させることができる。
【0054】
上述の例では、圧電/電歪素子24a及び24bを、1層構造の圧電/電歪層26と一対の電極28及び30で構成するようにしたが、その他、圧電/電歪素子24a及び24bを、圧電/電歪層26と一対の電極28及び30の複数を積層形態にして構成することも好ましい。
【0055】
例えば図6に示す第5の変形例に係る圧電/電歪デバイス10Aeのように、圧電/電歪層26並びに一対の電極28及び30をそれぞれ多層構造とし、一方の電極28と他方の電極30をそれぞれ交互に積層して、これら一対の電極28と他方の電極30が圧電/電歪層26を間に挟んで重なる部分(実質的駆動部分18)が多段構成とされた圧電/電歪素子24a及び24bとしてもよい。この図6では、圧電/電歪層26を3層構造とし、1層目の下面(薄板部16a及び16bの側面)と2層目の上面に一方の電極28をそれぞれ分離して形成し、1層目の上面と3層目の上面に他方の電極30をそれぞれ分離して形成し、更に、一方の電極28の各端部にそれぞれ端子32a及び32bを設け、他方の電極30の各端部にそれぞれ端子34a及び34bを設けた例を示している。
【0056】
また、図7に示す第6の変形例に係る圧電/電歪デバイス10Afのように、圧電/電歪層26並びに一対の電極28及び30をそれぞれ多層構造とし、一方の電極28と他方の電極30を断面ほぼ櫛歯状となるようにそれぞれ互い違いに積層し、これら一対の電極28と他方の電極30が圧電/電歪層26を間に挟んで重なる部分(実質的駆動部分18)が多段構成とされた圧電/電歪素子24a及び24bとしてもよい。この図7では、圧電/電歪層26を3層構造とし、一方の電極28が1層目の下面(薄板部16a及び16bの側面)と2層目の上面に位置するように櫛歯状に形成し、他方の電極30が1層目の上面と3層目の上面に位置するように櫛歯状に形成した例を示している。この構成の場合、一方の電極28同士並びに他方の電極30同士をそれぞれつなぎ共通化することで、図6の構成と比べて端子32及び34の数を減らすことができるため、圧電/電歪素子24a及び24bの多層化に伴うサイズの大型化を抑えることができる。
【0057】
なお、図6においては、一方の電極28同士、他方の電極30同士に対して同じ電位の信号を印加する使用法のほか、すべての電極28及び30にそれぞれ独立した信号を印加して使用することも可能である。後者のような使用法を採用すれば、各圧電/電歪層26ごとに異なる歪みを発生させることができ、より精密な変位制御を行わせることが可能である。
【0058】
また、図8に示す第7の変形例に係る圧電/電歪デバイス10Agのように、圧電/電歪素子24a及び24bを、その先端部が薄板部16a及び16b上にとどまるように形成するようにしてもよい。図8の例では、圧電/電歪素子24a及び24bの先端部を薄板部16a及び16bの長さ方向ほぼ中央部に位置された例を示す。この場合、可動部20を固定部22に対してほぼ平行に大きく変位させることができるという利点がある。
【0059】
また、図9に示す第8の変形例に係る圧電/電歪デバイス10Ahのように、2つの多段構成の圧電/電歪素子24a1及び24b1をそれぞれ固定部22と薄板部16a及び16bとを跨るように形成し、他の2つの多段構成の圧電/電歪素子24a2及び24b2をそれぞれ可動部20と薄板部16a及び16bとを跨るように形成するようにしてもよい。この場合、圧電/電歪素子24a及び24bを多段構成にする効果と、可動部20を変位させるための作用点が増えるという効果により、可動部20をきわめて大きく変位させることができ、また、高速応答性にも優れたものになり、好ましい。
【0060】
また、図10に示す第9の変形例に係る圧電/電歪デバイス10Aiのように、圧電/電歪層26を2層構成とし、一方の電極28が1層目の下面(薄板部16a及び16bの側面)と2層目の上面に位置するように櫛歯状に形成し、他方の電極30が1層目の上面に位置するように形成した多段構成の圧電/電歪素子24a及び24bとしてもよい。
【0061】
このような圧電/電歪素子24a及び24bを多段構成とすることにより、圧電/電歪素子24a及び24bの発生力が増大し、もって大変位が図られると共に、圧電/電歪デバイス10Ai自体の剛性が増すことで、高共振周波数化が図られ、変位動作の高速化が容易に達成できる。
【0062】
ここで、周波数とは、一対の電極28及び30に印加する電圧を交番的に切り換えて、可動部20を左右に変位させたときの電圧波形の周波数を示し、共振周波数とは、可動部20の変位動作が所定の振動モードで追従できる最大の周波数を示す。
【0063】
なお、段数を多くすれば、駆動力の増大は図られるが、それに伴い消費電力も増えるため、実際に実施する場合には、用途、使用状態に応じて適宜段数等を決めればよい。また、第5〜第9の変形例に係る圧電/電歪デバイス10Ae〜10Aiでは、圧電/電歪素子24a及び24bを多段構成にして駆動力を上げても、基本的に薄板部16a及び16bの幅(Y軸方向の距離)は不変であるため、例えば非常に狭い間隙において使用されるハードディスク用磁気ヘッドの位置決め、リンギング制御等のアクチュエータに適用する上で非常に好ましいデバイスとなる。
【0064】
上述の圧電/電歪素子24a及び24bにおいては、一対の電極28及び30間に圧電/電歪層26を介在させたいわゆるサンドイッチ構造で構成した場合を示したが、その他、図11に示すように、少なくとも薄板部16a及び16bの側面に形成された圧電/電歪層26の一主面に櫛型の一対の電極28及び30を形成するようにしてもよいし、図12に示すように、少なくとも薄板部16a及び16bの側面に形成された圧電/電歪層26に櫛型の一対の電極28及び30を埋め込んで形成するようにしてもよい。
【0065】
図11に示す構造の場合は、消費電力を低く抑えることができるという利点があり、図12に示す構造の場合は、歪み、発生力の大きな電界方向の逆圧電効果や電歪効果を効果的に利用できる構造であることから、大変位の発生に有利になる。
【0066】
具体的には、図11に示す圧電/電歪素子24a及び24bは、圧電/電歪層26の一主面に櫛型構造の一対の電極28及び30が形成されてなり、一方の電極28及び他方の電極30が互い違いに一定の幅の間隙29をもって相互に対向する構造を有する。図11では、一対の電極28及び30を圧電/電歪層26の一主面に形成した例を示したが、その他、薄板部16a及び16bと圧電/電歪層26との間に一対の電極28及び30を形成するようにしてもよいし、圧電/電歪層26の一主面並びに薄板部16a及び16bと圧電/電歪層26との間にそれぞれ櫛型の一対の電極28及び30を形成するようにしてもよい。
【0067】
一方、図12に示す圧電/電歪素子24a及び24bは、圧電/電歪層26に埋め込まれるように、櫛型構造の一対の電極28及び30が形成され、一方の電極28及び他方の電極30が互い違いに一定の幅の間隙29をもって相互に対向する構造を有する。
【0068】
図11及び図12に示すような圧電/電歪素子24a及び24bも第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10A等に好適に用いることができる。図11及び図12に示す圧電/電歪素子24a及び24bのように、櫛型の一対の電極28及び30を用いる場合は、各電極28及び30の櫛歯のピッチDを小さくすることで、圧電/電歪素子24a及び24bの変位を大きくすることが可能である。
【0069】
ここで、第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Aの動作について説明する。まず、例えば2つの圧電/電歪素子24a及び24bが自然状態、即ち、圧電/電歪素子24a及び24bが共に変位動作を行っていない場合は、図13に示すように、圧電/電歪デバイス10Aの長軸(固定部の長軸)mと可動部20の中心軸nとがほぼ一致している。
【0070】
この状態から、例えば図14Aの波形図に示すように、一方の圧電/電歪素子24aにおける一対の電極28及び30に所定のバイアス電位Vbを有するサイン波Waをかけ、図14Bに示すように、他方の圧電/電歪素子24bにおける一対の電極28及び30に前記サイン波Waとはほぼ180°位相の異なるサイン波Wbをかける。
【0071】
そして、一方の圧電/電歪素子24aにおける一対の電極28及び30に対して例えば最大値の電圧が印加された段階においては、一方の圧電/電歪素子24aにおける圧電/電歪層26はその主面方向に収縮変位する。これにより、例えば図15に示すように、一方の薄板部16aに対し、矢印Aで示すように、該薄板部16aを例えば右方向に撓ませる方向の応力が発生することから、該一方の薄板部16aは右方向に撓み、このとき、他方の圧電/電歪素子24bにおける一対の電極28及び30には、電圧は印加されていない状態となるため、他方の薄板部16bは一方の薄板部16aの撓みに追従して右方向に撓む。
【0072】
その結果、可動部20は、圧電/電歪デバイス10Aの長軸mに対して例えば右方向に変位する。なお、変位量は、各圧電/電歪素子24a及び24bに印加される電圧の最大値に応じて変化し、例えば最大値が大きくなるほど変位量も大きくなる。
【0073】
そして、この実施の形態では、可動部20の変位の際に、可動部20の内壁20aに設けられた凹部102の側壁102aにストッパ部材104の先端部104aが当たり、可動部20の変位を抑制するかたちとなる。そのため、可動部20を大きく振動(振幅)させるような外力等が加わっても、前記機構100の作用(ストッパ部材104の先端部104aが凹部102の側壁102aに当たること)により、可動部20の振動(振幅)が制限され、その結果、薄板部16a及び16bの破損等を防止することができる。この場合、薄板部16a及び16bの厚みを厚くして破損等を防止する必要がないため、薄板部16a及び16b上に形成される圧電/電歪素子24a及び24bの材料特性が劣化することがなく、変位特性や応答特性等のデバイス特性を低下させることがない。
【0074】
特に、圧電/電歪層26の構成材料として、抗電界を有する圧電/電歪材料を適用した場合には、図14A及び図14Bの二点鎖線の波形に示すように、最小値のレベルが僅かに負のレベルとなるように、前記バイアス電位Vbを調整するようにしてもよい。この場合、該負のレベルが印加されている圧電/電歪素子(例えば他方の圧電/電歪素子24b)の駆動によって、例えば他方の薄板部16bに一方の薄板部16aの撓み方向と同じ方向の応力が発生し、可動部20の変位量をより大きくすることが可能となる。つまり、図14A及び図14Bにおける二点鎖線に示すような波形を使用することで、負のレベルが印加されている圧電/電歪素子24b又は24aが、変位動作の主体となっている圧電/電歪素子24a又は24bをサポートするという機能を持たせることができる。
【0075】
なお、図9に示す第8の変形例に係る圧電/電歪デバイス10Ahの例では、対角線上に配置された例えば圧電/電歪素子24a1と圧電/電歪素子24b2に、図14Aに示す電圧(サイン波Wa参照)が印加され、他の圧電/電歪素子24a2と圧電/電歪素子24b1に、図14Bに示す電圧(サイン波Wb参照)が印加される。
【0076】
このように、第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10A並びに各種変形例10Aa〜10Aiにおいては、圧電/電歪素子24a及び24bの微小な変位が薄板部16a及び16bの撓みを利用して大きな変位動作に増幅されて、可動部20に伝達されることになるため、可動部20は、圧電/電歪デバイス10の長軸mに対して大きく変位させることが可能となる。
【0077】
特に、可動部20や薄板部16a及び16bの振幅を制限する機構100を有するようにしたので、可動部20や薄板部16a及び16bに対して、該可動部20や薄板部16a及び16bを大きく振動(振幅)させるような外力等が加わっても、前記機構100により可動部20や薄板部16a及び16bの振動(振幅)が制限され、その結果、薄板部の破損等を防止することができる。この場合、薄板部16a及び16bの厚みを厚くする必要がないため、薄板部16a及び16bに形成される圧電/電歪素子24a及び24bの材料特性が劣化することがなく、変位特性や応答特性等のデバイス特性を低下させることがない。
【0078】
つまり、この第1の実施の形態においては、変位特性、応答特性等のデバイス特性を損なうことなく、高速応答が可能となる。
【0079】
また、第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10A等においては、可動部20、薄板部16a及び16b並びに固定部22が一体化されており、すべての部分を脆弱で比較的重い材料である圧電/電歪材料によって構成する必要がないため、機械的強度が高く、ハンドリング性、耐衝撃性、耐湿性に優れ、動作上、有害な振動(例えば、高速作動時の残留振動やノイズ振動)の影響を受け難いという利点を有する。
【0080】
また、この第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10A等においては、圧電/電歪素子24a及び24bを、圧電/電歪層26と、該圧電/電歪層26の両側に形成された一対の電極28及び30とを有して構成し、一対の電極28及び30のうち、一方の電極28を少なくとも薄板部16a及び16bの外表面に形成するようにしたので、圧電/電歪素子24a及び24bによる振動を薄板部16a及び16bを通じて効率よく可動部20に伝達することができ、応答性の向上を図ることができる。
【0081】
特に、第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10A、第2〜第7の変形例に係る圧電/電歪デバイス10Ab〜10Ag並びに第9の変形例に係る圧電/電歪デバイス10Aiにおいては、一対の電極28及び30が圧電/電歪層26を間に挟んで重なる部分(実質的駆動部分18)を固定部22の一部から薄板部16a及び16bの一部にかけて連続的に形成するようにしている。
【0082】
実質的駆動部分18を更に可動部20の一部にかけて形成した場合、可動部20の変位動作が前記実質的駆動部分18によって制限され、大きな変位を得ることができなくなるおそれがあるが、これらの実施の形態や変形例では、前記実質的駆動部分18を可動部20と固定部22の両方にかけないように形成しているため、可動部20の変位動作が制限されるという不都合が回避され、可動部20の変位量を大きくすることができる。
【0083】
また、その中でも、第2、第3、第4及び第7の圧電/電歪デバイス10Ab、10Ac、10Ad及び10Ag等に示されるような構成を採用することで、可動部20を固定部22に対してほぼ平行に変位させることが可能となるため、外力に対する耐衝撃性が増し、薄板部16a及び16bの破損が抑えられることと合わせ、好ましい構造である。
【0084】
逆に、可動部20の一部に圧電/電歪素子24a及び24bを形成する場合は、前記実質的駆動部分18が可動部20の一部から薄板部16a及び16bの一部にかけて位置させるように形成することが好ましい。これは、実質的駆動部分18が固定部22の一部にまでわたって形成されると、上述したように、可動部20の変位動作が制限されるからである。
【0085】
この場合も、前記実質的駆動部分18の位置関係に加え、一方の電極28、他方の電極30及び圧電/電歪層26のすべてが可動部20の一部から薄板部16a及び16bの一部にかけて位置されるように形成した構造とすれば、可動部20を固定部22に対してほぼ平行に変位させることが可能となるため、外力に対する耐衝撃性が増し、薄板部16a及び16bの破損が抑えられることと合わせ、好ましい構造である。
【0086】
次に、第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Aの好ましい構成例について説明する。
【0087】
まず、可動部20の変位動作を確実なものとするために、圧電/電歪素子24a及び24bの実質的駆動部分18が固定部22もしくは可動部20にかかる距離Lgを薄板部16a及び16bの厚みLdの1/2以上とすることが好ましい。
【0088】
そして、薄板部16a及び16bの内壁間の距離(X軸方向の距離)Laと薄板部16a及び16bの幅Lbとの比La/Lbが0.5〜20となるように構成する。前記比La/Lbは、好ましくは1〜10とされ、更に好ましくは2〜8とされる。この比La/Lbの規定値は、可動部20の変位量を大きくし、X−Z平面内での変位を支配的に得られることの発見に基づく規定である。
【0089】
一方、薄板部16a及び16bの長さ(Z軸方向の距離)Leと薄板部16a及び16bの内壁間の距離Laとの比Le/Laにおいては、好ましくは0.5〜10とされ、更に好ましくは0.7〜5とすることが望ましい。この比Le/Laの規定値は、可動部20の変位量を大きくでき、かつ、高い共振周波数で変位動作を行うことができる(高い応答速度を達成できる)という発見に基づく規定である。
【0090】
従って、第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10AをY軸方向への煽り変位、あるいは振動を抑制し、かつ、高速応答性に優れ、相対的に低電圧で大きな変位を併せ持つ構造とするには、比La/Lbを0.5〜20とし、かつ、比Le/Laを0.5〜10にすることが好ましく、更に好ましくは比La/Lbを1〜10とし、かつ、比Le/Laを0.7〜5にするとよい。更に、孔部12にゲル状の材料、例えばシリコーンゲルを充填することが好ましい。
【0091】
また、可動部20の長さ(Z軸方向の距離)Lfは、短いことが好ましい。短くすることで軽量化と共振周波数の増大が図られるからである。しかしながら、可動部20のX軸方向の剛性を確保し、その変位を確実なものとするためには、可動部20の長さ(Z軸方向の距離)Lfと薄板部16a及び16bの厚みLdとの比Lf/Ldを3以上、好ましくは5以上とすることが望ましい。
【0092】
なお、各部の実寸法は、可動部20への部品の取り付けのための接合面積、固定部22を他の部材に取り付けるための接合面積、電極用端子などの取り付けのための接合面積、圧電/電歪デバイス10A全体の強度、耐久度、必要な変位量並びに共振周波数、そして、駆動電圧等を考慮して定められることになる。
【0093】
具体的には、例えば薄板部16a及び16bの内壁間の距離Laは、100μm〜2000μmが好ましく、更に好ましくは200μm〜1000μmである。薄板部16a及び16bの幅Lbは、50μm〜2000μmが好ましく、更に好ましくは100μm〜500μmである。薄板部16a及び16bの厚みLdは、Y軸方向への変位成分である煽り変位が効果的に抑制されるように、薄板部16a及び16bの幅Lbとの関係においてLb>Ldとされ、かつ、2μm〜100μmが好ましく、更に好ましくは4μm〜50μmである。
【0094】
薄板部16a及び16bの長さLeは、200μm〜3000μmが好ましく、更に好ましくは300μm〜2000μmである。可動部20の長さLfは、50μm〜2000μmが好ましく、更に好ましくは100μm〜1000μmである。
【0095】
このような構成にすることにより、X軸方向の変位に対してY軸方向の変位が10%を超えないが、上述の寸法比率と実寸法の範囲で適宜調整を行うことで低電圧駆動が可能で、Y軸方向への変位成分を5%以下に抑制できるというきわめて優れた効果を示す。つまり、可動部20は、実質的にX軸方向という1軸方向に変位することになり、しかも、高速応答性に優れ、相対的に低電圧で大きな変位を得ることができる。
【0096】
また、この圧電/電歪デバイス10Aにおいては、デバイスの形状が従来のような板状ではなく、可動部20と固定部22が直方体の形状を呈しており、可動部20と固定部22の側面が連続するように一対の薄板部16a及び16bが設けられているため、圧電/電歪デバイス10AのY軸方向の剛性を選択的に高くすることができる。
【0097】
即ち、この圧電/電歪デバイス10Aでは、平面内(XZ平面内)における可動部20の動作のみを選択的に発生させることができ、可動部20のYZ面内の動作(いわゆる煽り方向の動作)を抑制することができる。
【0098】
次に、第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Aの各構成要素について説明する。
【0099】
可動部20は、上述したように、薄板部16a及び16bの駆動量に基づいて作動する部分であり、圧電/電歪デバイス10Aの使用目的に応じて種々の部材が取り付けられる。例えば、圧電/電歪デバイス10Aを変位素子として使用する場合であれば、光シャッタの遮蔽板等が取り付けられ、特に、ハードディスクドライブの磁気ヘッドの位置決めやリンギング抑制機構に使用するのであれば、磁気ヘッド、磁気ヘッドを有するスライダ、スライダを有するサスペンション等の位置決めを必要とする部材が取り付けられる。
【0100】
固定部22は、上述したように、薄板部16a及び16b並びに可動部20を支持する部分であると共に、圧電/電歪デバイス10Aを他の部材に取り付け固定する部分でもあり、固定部22を例えば前記ハードディスクドライブの磁気ヘッドの位置決めに利用する場合には、VCM(ボイスコイルモータ)に取り付けられたキャリッジアーム、該キャリッジアームに取り付けられた固定プレート又はサスペンション等に支持固定することにより、圧電/電歪デバイス10Aの全体が固定される。また、この固定部22には、図1に示すように、圧電/電歪素子24a及び24bを駆動するための端子32及び34その他の部材が配置される場合もある。
【0101】
可動部20及び固定部22を構成する材料としては、剛性を有するものであれば、特に限定されないが、後述するセラミックグリーンシート積層法を適用したセラミックスを好適に用いることができる。具体的には、安定化ジルコニア、部分安定化ジルコニアをはじめとするジルコニア、アルミナ、マグネシア、窒化珪素、窒化アルミニウム、酸化チタンを主成分とする材料等が挙げられるほか、これらの混合物を主成分とした材料が挙げられるが、機械的強度や靱性が高い点において、ジルコニア、特に安定化ジルコニアを主成分とする材料と部分安定化ジルコニアを主成分とする材料が好ましい。また、金属材料においては、剛性を有するものであれば、特に限定されないが、ステンレス鋼、ニッケル等が挙げられる。その他、エンジニアリングプラスチックで構成してもよい。
【0102】
薄板部16a及び16bは、上述したように、圧電/電歪素子24a及び24bの変位により駆動する部分である。薄板部16a及び16bは、可撓性を有する薄板状の部材であって、表面に配設された圧電/電歪素子24a及び24bの伸縮変位を屈曲変位として増幅して、可動部20に伝達する機能を有する。従って、薄板部16a及び16bの形状や材質は、可撓性を有し、屈曲変形によって破損しない程度の機械的強度を有するものであれば足り、可動部20の応答性、操作性を考慮して適宜選択することができる。
【0103】
薄板部16a及び16bの厚みLdは、2μm〜100μm程度とすることが好ましく、薄板部16a(もしくは16b)と圧電/電歪素子24a(もしくは24b)とを合わせた厚みは7μm〜500μmとすることが好ましい。電極28及び30の厚みは0.1〜50μm、圧電/電歪層26の厚みは3〜300μmとすることが好ましい。また、薄板部16a及び16bの幅Lbとしては、50μm〜2000μmが好適である。
【0104】
薄板部16a及び16bを構成する材料としては、可動部20や固定部22と同様のセラミックスを好適に用いることができ、ジルコニア、中でも安定化ジルコニアを主成分とする材料と部分安定化ジルコニアを主成分とする材料は、薄肉であっても機械的強度が大きいこと、靱性が高いこと、圧電/電歪層や電極材との反応性が小さいことから最も好適に用いられる。
【0105】
また、金属材料で構成する場合にも、前述のとおり、可撓性を有し、屈曲変形が可能な金属材料であればよいが、好ましくは、鉄系材料としては、各種ステンレス鋼、各種バネ鋼鋼材で構成することが望ましく、非鉄系材料としては、ベリリウム銅、リン青銅、ニッケル、ニッケル鉄合金で構成することが望ましい。
【0106】
前記安定化ジルコニア並びに部分安定化ジルコニアにおいては、次のように安定化並びに部分安定化されたものが好ましい。即ち、ジルコニアを安定化並びに部分安定化させる化合物としては、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、酸化セリウム、酸化カルシウム、及び酸化マグネシウムがあり、少なくともそのうちの1つの化合物を添加、含有させることにより、ジルコニアは部分的にあるいは完全に安定することになるが、その安定化は、1種類の化合物の添加のみならず、それら化合物を組み合わせて添加することによっても、目的とするジルコニアの安定化は可能である。
【0107】
なお、それぞれの化合物の添加量としては、酸化イットリウムや酸化イッテルビウムの場合にあっては、1〜30モル%、好ましくは1.5〜10モル%、酸化セリウムの場合にあっては、6〜50モル%、好ましくは8〜20モル%、酸化カルシウムや酸化マグネシウムの場合にあっては、5〜40モル%、好ましくは5〜20モル%とすることが望ましいが、その中でも特に酸化イットリウムを安定化剤として用いることが好ましく、その場合においては、1.5〜10モル%、更に好ましくは2〜4モル%とすることが望ましい。また、焼結助剤等の添加物としてアルミナ、シリカ、遷移金属酸化物等を0.05〜20wt%の範囲で添加することが可能であるが、圧電/電歪素子24a及び24bの形成手法として、膜形成法による焼成一体化を採用する場合は、アルミナ、マグネシア、遷移金属酸化物等を添加物として添加することも好ましい。
【0108】
なお、機械的強度と安定した結晶相が得られるように、ジルコニアの平均結晶粒子径を0.05〜3μm、好ましくは0.05〜1μmとすることが望ましい。また、上述のように、薄板部16a及び16bについては、可動部20並びに固定部22と同様のセラミックスを用いることができるが、好ましくは、実質的に同一の材料を用いて構成することが、接合部分の信頼性、圧電/電歪デバイス10Aの強度、製造の煩雑さの低減を図る上で有利である。
【0109】
圧電/電歪素子24a及び24bは、少なくとも圧電/電歪層26と、該圧電/電歪層26に電界をかけるための一対の電極28及び30を有するものであり、ユニモルフ型、バイモルフ型等の圧電/電歪素子を用いることができるが、薄板部16a及び16bとの組合せに係るユニモルフ型の方が、発生する変位量の安定性に優れ、軽量化に有利であるため、このような圧電/電歪デバイス10Aに適している。
【0110】
例えば、図1に示すように、一方の電極28、圧電/電歪層26及び他方の電極30が層状に積層された圧電/電歪素子等を好適に用いることができるほか、図6〜図10に示すように、多段構成にしてもよい。
【0111】
前記圧電/電歪素子24a及び24bは、図1に示すように、圧電/電歪デバイス10Aの外面側に形成する方が薄板部16a及び16bをより大きく駆動させることができる点で好ましいが、使用形態などに応じて、圧電/電歪デバイス10Aの内面側、即ち、孔部12の内壁面に形成してもよく、圧電/電歪デバイス10Aの外面側、内面側の双方に形成してもよい。
【0112】
圧電/電歪層26には、圧電セラミックスが好適に用いられるが、電歪セラミックスや強誘電体セラミックス、あるいは反強誘電体セラミックスを用いることも可能である。但し、この圧電/電歪デバイス10Aをハードディスクドライブの磁気ヘッドの位置決め等に用いる場合は、可動部20の変位量と駆動電圧又は出力電圧とのリニアリティが重要とされるため、歪み履歴の小さい材料を用いることが好ましく、抗電界が10kV/mm以下の材料を用いることが好ましい。
【0113】
具体的な材料としては、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、マンガンタングステン酸鉛、コバルトニオブ酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸ナトリウムビスマス、ニオブ酸カリウムナトリウム、タンタル酸ストロンチウムビスマス等を単独であるいは混合物として含有するセラミックスが挙げられる。
【0114】
特に、高い電気機械結合係数と圧電定数を有し、圧電/電歪層26の焼結時における薄板部(セラミックス)16a及び16bとの反応性が小さく、安定した組成のものが得られる点において、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、及びマグネシウムニオブ酸鉛を主成分とする材料、もしくはチタン酸ナトリウムビスマスを主成分とする材料が好適に用いられる。
【0115】
更に、前記材料に、ランタン、カルシウム、ストロンチウム、モリブデン、タングステン、バリウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガン、セリウム、カドミウム、クロム、コバルト、アンチモン、鉄、イットリウム、タンタル、リチウム、ビスマス、スズ等の酸化物等を単独で、もしくは混合したセラミックスを用いてもよい。
【0116】
例えば、主成分であるジルコン酸鉛とチタン酸鉛及びマグネシウムニオブ酸鉛に、ランタンやストロンチウムを含有させることにより、抗電界や圧電特性を調整可能となる等の利点が得られる場合がある。
【0117】
なお、シリカ等のガラス化し易い材料の添加は避けることが望ましい。なぜならば、シリカ等の材料は、圧電/電歪層の熱処理時に、圧電/電歪材料と反応し易く、その組成を変動させ、圧電特性を劣化させるからである。
【0118】
一方、圧電/電歪素子24a及び24bの一対の電極28及び30は、室温で固体であり、導電性に優れた金属で構成されていることが好ましく、例えばアルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、銀、スズ、タンタル、タングステン、イリジウム、白金、金、鉛等の金属単体、もしくはこれらの合金が用いられ、更に、これらに圧電/電歪層26及び/又は薄板部16a及び16bと同じ材料を分散させたサーメット材料を用いてもよい。
【0119】
圧電/電歪素子24a及び24bにおける電極28及び30の材料選定は、圧電/電歪層26の形成方法に依存して決定される。例えば薄板部16a及び16b上に一方の電極28を形成した後、該一方の電極28上に圧電/電歪層26を焼成により形成する場合は、一方の電極28には、圧電/電歪層26の焼成温度においても変化しない白金、パラジウム、白金−パラジウム合金、銀−パラジウム合金、金−パラジウム合金等の高融点金属を使用する必要があるが、圧電/電歪層26を形成した後に、該圧電/電歪層26上に形成される他方の電極30は、低温で電極形成を行うことができるため、アルミニウム、金、銀等の低融点金属を使用することができる。
【0120】
また、電極28及び30の厚みは、少なからず圧電/電歪素子24a及び24bの変位を低下させる要因ともなるため、特に圧電/電歪層26の焼成後に形成される電極28及び30には、焼成後に緻密でより薄い膜が得られる有機金属ペースト、例えば金レジネートペースト、白金レジネートペースト、銀レジネートペースト等の材料を用いることが好ましい。
【0121】
次に、第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Aの製造方法を図16A〜図18を参照しながら説明する。
【0122】
この第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Aは、各部材の構成材料をセラミックスとし、圧電/電歪デバイス10Aの構成要素として、圧電/電歪素子24a及び24bを除く基体14、即ち、薄板部16a及び16b、固定部22及び可動部20についてはセラミックグリーンシート積層法を用いて製造することが好ましく、一方、圧電/電歪素子24a及び24bをはじめとして、各端子32及び34については、薄膜や厚膜等の膜形成手法を用いて製造することが好ましい。
【0123】
圧電/電歪デバイス10Aの基体14における各部材を一体的に成形することが可能なセラミックグリーンシート積層法によれば、各部材の接合部の経時的な状態変化がほとんど生じないため、接合部位の信頼性が高く、かつ、剛性確保に有利な方法である。
【0124】
この第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Aでは、薄板部16a及び16bと固定部22との境界部分(接合部分)並びに薄板部16a及び16bと可動部20との境界部分(接合部分)は、変位発現の支点となるため、接合部分の信頼性は圧電/電歪デバイス10Aの特性を左右する重要なポイントである。
【0125】
また、以下に示す製造方法は、生産性や成形性に優れるため、所定形状の圧電/電歪デバイスを短時間に、かつ、再現性よく得ることができる。
【0126】
以下、具体的に第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Aの製造方法について説明する。ここで、定義付けをしておく。セラミックグリーンシートを積層して得られた積層体をセラミックグリーン積層体58(例えば図16B参照)と定義し、このセラミックグリーン積層体58を焼成して一体化したものをセラミック積層体60(例えば図17参照)と定義し、このセラミック積層体60から不要な部分を切除して可動部20、薄板部16a及び16b並びに固定部22が一体化されたものをセラミック基体14C(図18参照)と定義する。
【0127】
また、この製造方法においては、最終的にセラミック積層体60をチップ単位に切断して、圧電/電歪デバイス10Aを多数個取りするものであるが、説明を簡単にするために、圧電/電歪デバイス10Aの1個取りを主体にして説明する。
【0128】
まず、ジルコニア等のセラミック粉末にバインダ、溶剤、分散剤、可塑剤等を添加混合してスラリーを作製し、これを脱泡処理後、リバースロールコーター法、ドクターブレード法等の方法により、所定の厚みを有するセラミックグリーンシートを作製する。
【0129】
次に、金型を用いた打抜加工やレーザ加工等の方法により、セラミックグリーンシートを図16Aのような種々の形状に加工して、複数枚の基体形成用のセラミックグリーンシート50A、50B、52A、52B、54A、54B及び56を得る。
【0130】
これらセラミックグリーンシート50A、50B、52A、52B、54A、54B及び56は、少なくとも後に孔部12を形成する窓部110が形成された複数枚(例えば2枚)のセラミックグリーンシート50A及び50Bと、少なくとも後に孔部12を形成する窓部110と凹部102を形成する窓部112が連続形成された複数枚(例えば2枚)のセラミックグリーンシート54A及び54Bと、窓部114が形成され、少なくとも後にストッパ部材122となる例えば1枚のセラミックグリーンシート56と、後に薄板部16a及び16bとなる複数枚(例えば2枚)のセラミックグリーンシート52A及び52Bとを有する。なお、セラミックグリーンシートの枚数は、あくまでも一例である。
【0131】
その後、図16Bに示すように、セラミックグリーンシート52A及び52Bでセラミックグリーンシート50A、50B、54A、54B及び56を挟み込むようにして、かつ、セラミックグリーンシート56が中央に位置し、その上下にセラミックグリーンシート54A及び54Bが位置するように、これらセラミックグリーンシート50A、50B、52A、52B、54A、54B及び56を積層・圧着して、セラミックグリーン積層体58とした後、該セラミックグリーン積層体58を焼成してセラミック積層体60(図17参照)を得る。
【0132】
なお、積層一体化のための圧着回数や順序は限定されない。構造に応じて、例えば窓部110、112及び114の形状、セラミックグリーンシートの枚数等により所望の構造を得るように適宜決めることができる。
【0133】
窓部110、112及び114の形状は、すべて同一である必要はなく、所望の機能に応じて決定することができる。また、セラミックグリーンシートの枚数、各セラミックグリーンシートの厚みも特に限定されない。
【0134】
圧着は、熱を加えることで、より積層性を向上させることができる。また、セラミック粉末(セラミックグリーンシートに使用されたセラミックスと同一又は類似した組成であると、信頼性確保の点で好ましい)、バインダを主体としたペースト、スラリー等をセラミックグリーンシート上に塗布、印刷して、接合補助層とすることで、セラミックグリーンシート界面の積層性を向上させることができる。なお、セラミックグリーンシート52A及び52Bが薄い場合には、プラスチックフィルム、中でも表面にシリコーン系の離型剤をコーティングしたポリエチレンテレフタレートフィルムを用いて取り扱うことが好ましい。
【0135】
次に、図17に示すように、前記セラミック積層体60の両表面、即ち、セラミックグリーンシート52A及び52Bが積層された表面に相当する表面にそれぞれ圧電/電歪素子24a及び24bを形成する。圧電/電歪素子24a及び24bの形成法としては、スクリーン印刷法、ディッピング法、塗布法、電気泳動法等の厚膜形成法や、イオンビーム法、スパッタリング法、真空蒸着、イオンプレーティング法、化学気相成長法(CVD)、めっき等の薄膜形成法を用いることができる。
【0136】
このような膜形成法を用いて圧電/電歪素子24a及び24bを形成することにより、接着剤を用いることなく、圧電/電歪素子24a及び24bと薄板部16a及び16bとを一体的に接合、配設することができ、信頼性、再現性を確保できると共に、集積化を容易にすることができる。
【0137】
この場合、厚膜形成法により圧電/電歪素子24a及び24bを形成することが好ましい。特に、圧電/電歪層26の形成において厚膜形成法を用いれば、平均粒径0.01〜5μm、好ましくは0.05〜3μmの圧電セラミックスの粒子、粉末を主成分とするペーストやスラリー、又はサスペンションやエマルジョン、ゾル等を用いて膜化することができ、それを焼成することによって良好な圧電/電歪特性を得ることができるからである。
【0138】
なお、電気泳動法は、膜を高い密度で、かつ、高い形状精度で形成できるという利点がある。また、スクリーン印刷法は、膜形成とパターン形成とを同時にできるため、製造工程の簡略化に有利である。
【0139】
具体的に、圧電/電歪素子24a及び24bの形成について説明する。まず、セラミックグリーン積層体58を1200℃〜1600℃の温度で焼成、一体化してセラミック積層体60を得た後、該セラミック積層体60の両表面の所定位置に一方の電極28を印刷、焼成し、次いで、圧電/電歪層26を印刷、焼成し、更に、他方の電極30を印刷、焼成して圧電/電歪素子24a及び24bを形成する。その後、各電極28及び30を駆動回路に電気的に接続するための端子32及び34を印刷、焼成する。
【0140】
ここで、一方の電極28として白金(Pt)、圧電/電歪層26としてジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、他方の電極30として金(Au)、更に、端子32及び34として銀(Ag)というように、各部材の焼成温度が積層順に従って低くなるように材料を選定すると、ある焼成段階において、それより以前に焼成された材料の再焼結が起こらず、電極材等の剥離や凝集といった不具合の発生を回避することができる。
【0141】
なお、適当な材料を選択することにより、圧電/電歪素子24a及び24bの各部材と端子32及び34を逐次印刷して、1回で一体焼成することも可能であり、圧電/電歪層26を形成した後に低温で各電極30等を設けることもできる。
【0142】
また、圧電/電歪素子24a及び24bの各部材と端子32及び34は、スパッタ法や蒸着法等の薄膜形成法によって形成してもよく、この場合には、必ずしも熱処理を必要としない。
【0143】
圧電/電歪素子24a及び24bの形成においては、セラミックグリーン積層体58の両表面、即ち、セラミックグリーンシート52A及び52Bの各表面に予め圧電/電歪素子24a及び24bを形成しておき、該セラミックグリーン積層体58と圧電/電歪素子24a及び24bとを同時に焼成することも好ましく行われる。同時焼成にあたっては、セラミックグリーン積層体58と圧電/電歪素子24a及び24bのすべての構成膜に対して焼成を行うようにしてもよく、一方の電極28とセラミックグリーン積層体58とを同時焼成したり、他方の電極30を除く他の構成膜とセラミックグリーン積層体58とを同時焼成する方法等が挙げられる。
【0144】
圧電/電歪素子24a及び24bとセラミックグリーン積層体58とを同時焼成する方法としては、スラリー原料を用いたテープ成形法等によって圧電/電歪層26の前駆体を成形し、この焼成前の圧電/電歪層26の前駆体をセラミックグリーン積層体58の表面上に熱圧着等で積層し、同時に焼成して可動部20、薄板部16a及び16b、圧電/電歪層26、固定部22とを同時に作製する方法が挙げられる。但し、この方法では、上述した膜形成法を用いて、セラミックグリーン積層体58の表面及び/又は圧電/電歪層26に予め電極28を形成しておく必要がある。
【0145】
その他の方法としては、セラミックグリーン積層体58の少なくとも最終的に薄板部16a及び16bとなる部分にスクリーン印刷により圧電/電歪素子24a及び24bの各構成層である電極28及び30、圧電/電歪層26を形成し、同時に焼成することが挙げられる。
【0146】
圧電/電歪素子24a及び24bの構成膜の焼成温度は、これを構成する材料によって適宜決定されるが、一般には、500℃〜1500℃であり、圧電/電歪層26に対しては、好ましくは1000℃〜1400℃である。この場合、圧電/電歪層26の組成を制御するためには、圧電/電歪層26の材料の蒸発源の存在下に焼結することが好ましい。なお、圧電/電歪層26とセラミックグリーン積層体58を同時焼成する場合には、両者の焼成条件を合わせることが必要である。圧電/電歪素子24a及び24bは、必ずしもセラミック積層体60もしくはセラミックグリーン積層体58の両面に形成されるものではなく、片面のみでももちろんよい。
【0147】
次に、上述のようにして、圧電/電歪素子24a及び24bが形成されたセラミック積層体60のうち、不要な部分を切除する。切除する位置は、セラミック積層体60の側部、特に、該切除によってセラミック積層体60の側面に窓部110による孔部12が形成される箇所(切断線C1及びC2参照)である。
【0148】
切除の方法としては、ダイシング加工、スライシング加工、ワイヤソー加工等の機械加工のほか、YAGレーザ、エキシマレーザ等のレーザ加工や電子ビーム加工を適用することが可能である。
【0149】
この切除によって、図18に示すように、セラミック基体14Cに圧電/電歪素子24a及び24bが形成され、更に、前記可動部20の内壁20aに凹部102が形成され、前記固定部22に先端部104aが前記凹部102に入り込むストッパ部材104が形成された圧電/電歪デバイス10Aを得る。
【0150】
この製造方法においては、セラミック積層体60から不要な部分を切除したと同時に、セラミック基体14Cに圧電/電歪素子24a及び24bが形成され、更に、前記可動部20の内壁20aに凹部102が形成され、前記固定部22に先端部104aが前記凹部102に入り込むストッパ部材104が形成された圧電/電歪デバイス10Aを得ることができるため、製造工程の簡略化を図ることができると共に、圧電/電歪デバイス10Aの歩留まりを向上させることができる。
【0151】
特に、前記セラミック積層体60のうち、不要な部分を切除する際において、例えば機械加工によって切除する場合には、薄板部16a及び16bを振動(振幅)させる何らかの応力が薄板部16a及び16bにかかり、場合によっては、その振動によって薄板部16a及び16bが破損するおそれがある。しかし、本実施の形態では、前記ストッパ部材104を設けるようにしているため、切除時の振動(振幅)が制限され、圧電/電歪デバイス10Aの生産性を向上させることができる。
【0152】
上述の第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10A並びに各種変形例10Aa〜10Aiにおいては、機構100の構成として、可動部20の内壁20aに形成された凹部102と、固定部22の内壁22aに設けられ、先端部104aが前記凹部102内に入り込んだストッパ部材104とを有するようにしたが、その他、図19に示す第10の変形例に係る圧電/電歪デバイス10Ajのように、固定部22の内壁22aに凹部102を形成し、前記可動部20の内壁20aに前記ストッパ部材104を形成して、前記機構100を構成するようにしてもよい。
【0153】
この場合も、可動部20や薄板部16a及び16bに対して、該可動部20や薄板部16a及び16bを大きく振動(振幅)させるような外力等が加わっても、前記機構100により可動部20や薄板部16a及び16bの振動(振幅)が制限され、その結果、薄板部16a及び16bの破損等を防止することができる。この場合、薄板部16a及び16bの厚みを厚くする必要がないため、変位特性や応答特性等のデバイス特性を低下させることがない。
【0154】
次に、第2の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Bについて図20を参照しながら説明する。第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10A並びに各種変形例10Aa〜10Aiと対応する部材については同符号を付してその重複説明を省略する。
【0155】
この第2の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Bは、図20に示すように、第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Aとほぼ同様の構成を有するが、薄板部16a及び16bの振幅を制限する機構100が、固定部22の内壁22aに設けられた2本の緩衝部材120a及び120bと、可動部20の内壁20aに設けられ、先端部122aが前記2本の緩衝部材120a及び120b間に入り込んだストッパ部材122とを有して構成されている点で異なる。
【0156】
この場合も、前記ストッパ部材122の先端部122aから可動部20の変位方向に沿った前記緩衝部材120a又は120bまでの最短距離が、可動部20や薄板部16a及び16bの振幅の許容限界以下であることが好ましい。
【0157】
この第2の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Bにおいては、ストッパ部材122の先端部122aが緩衝部材120a又は120bに当たることによって、可動部20や薄板部16a及び16bの振動(振幅)が制限されることになる。特に、緩衝部材120a及び120bの高さと厚みによるアスペクト比を適宜調整することで、弾力性を持たせることができ、ストッパ部材122が緩衝部材120a及び120bに当たることによる衝撃を吸収することができる。
【0158】
なお、図21に示す変形例に係る圧電/電歪デバイス10Baのように、可動部20の内壁20aに2本の緩衝部材120a及び120bを設け、固定部22の内壁22aに前記ストッパ部材122を設けるようにしてもよい。
【0159】
次に、第3の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Cについて図22を参照しながら説明する。第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10A並びに各種変形例10Aa〜10Aiと対応する部材については同符号を付してその重複説明を省略する。
【0160】
この第3の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Cは、図22に示すように、第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Aとほぼ同様の構成を有するが、薄板部16a及び16bの振幅を制限する機構100が、固定部22の内壁22aから孔部12内に向かって形成された張出し部130を有して構成され、張出し部130から前記薄板部16a及び16bまでの最短距離Liが該薄板部16a及び16bの振幅の許容限界以下に設定されている点で異なる。
【0161】
ここで、許容限界とは、薄板部16a及び16bと可動部20との接合部分並びに薄板部16a及び16bと固定部22との接合部分にかかる応力が最大のとき(破壊しない最大値)の薄板部16a及び16bの振幅をいう。
【0162】
この第3の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Cにおいては、可動部20や薄板部16a及び16bの振動(振幅)がその許容限界以下となるため、薄板部16a及び16bの破損等を有効に防止することができる。特に、この構成の場合においては、薄板部16a及び16bに直接(集中した)外力が加わったときにも、薄板部16a及び16bを破損に導く振動(振幅)が効果的に制限される構造のため、薄板部16a及び16bの破損防止に有効である。
【0163】
上述の例では、一対の薄板部16a及び16bに圧電/電歪素子24a及び24bを形成した例を示したが、その他、図23に示す第4の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Dのように、一方の薄板部16aに圧電/電歪素子24aを形成するようにしてもよい。
【0164】
このように、相対向する一対の薄板部16a及び16bの片側の薄板部16aのみに圧電/電歪素子24aを形成した圧電/電歪デバイス10Dは、圧電/電歪素子24bが形成されていない薄板部16bの剛性を小さくすることができる。
【0165】
その結果、両側に圧電/電歪素子24a及び24bが形成されている圧電/電歪デバイス(例えば図8に示す圧電/電歪デバイス10Ag)と、片側のみに圧電/電歪素子24aが形成された圧電/電歪デバイス10Dとを、1つの圧電/電歪素子24aを駆動して得られる変位の大きさで比較すると、片側のみに圧電/電歪素子24aが形成された圧電/電歪デバイス10Dの方が、対向する側の薄板部16bの剛性が低いという効果から、より大きな変位が得られるという特徴がある。
【0166】
上述の第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10A並びに各種変形例10Aa〜10Aiにおいては、ストッパ部材104として板状のものを設けた例を示したが、その他、図24の第5の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Eに示すように、段差140を有するものにしてもよい。即ち、第5の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Eのストッパ部材104は、第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Aのストッパ部材104と第3の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Cの張出し部130とを組み合わせた構成となっており、X軸方向の厚みが大とされた厚肉部142の上部中央にX軸方向の厚みが小とされた薄肉部144が一体に形成された構成を有する。薄肉部144の先端部104aは、可動部20の内壁20aに設けられた凹部102内に入り込んだ形となっている。なお、厚肉部142から前記薄板部16a及び16bまでの最短距離Li並びに凹部102内に入り込んだ薄肉部144の先端部104aから可動部20の変位方向に沿った前記凹部102の内壁102aまでの最短距離Lcは、該薄板部16a及び16bの振幅の許容限界以下に設定されている。
【0167】
この場合、圧電/電歪デバイス10Eは、その側面(X軸方向)からの外力に対して総合的に強くなるため、可動部20並びに薄板部16a及び16bに外力が加わった場合における耐衝撃性を更に向上させることができる。
【0168】
また、上述の第2の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Bにおいては、緩衝部材120a及び120bとしてそれぞれ薄肉の板状のものを設けた例を示したが、その他、図25の第6の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Fに示すように、厚肉の板状とし、各緩衝部材120a及び120bから前記薄板部16a及び16bまでの最短距離Li並びにストッパ部材122の先端部122aから可動部20の変位方向に沿った各緩衝部材120a及び120bまでの最短距離Lcが該薄板部16a及び16bの振幅の許容限界以下に設定されたものを設けるようにしてもよい。
【0169】
この場合も、圧電/電歪デバイス10Fは、その側面(X軸方向)からの外力に対して総合的に強くなるため、可動部20並びに薄板部16a及び16bに外力が加わった場合における耐衝撃性を更に向上させることができる。
【0170】
この第6の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Fの構造は、図19に示す第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Aの第10の変形例(10Aj)や、図21に示す第2の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Bの変形例(10Ba)にも適用させることができる。
【0171】
なお、図19や図21に示すように、可動部20にストッパ部材104や緩衝部材120a及び120bを有するものについては、可動部20の質量が増加するため、アクチュエータとして使用した場合、その応答性が若干低下することになるが、加速度センサ等の慣性質量を利用するセンサ等に使用した場合は、検出感度の向上に有効である。
【0172】
上述した種々の圧電/電歪デバイスによれば、各種トランスデューサ、各種アクチュエータ、周波数領域機能部品(フィルタ)、トランス、通信用や動力用の振動子や共振子、発振子、ディスクリミネータ等の能動素子のほか、超音波センサや加速度センサ、角速度センサや衝撃センサ、質量センサ等の各種センサ用のセンサ素子として利用することができ、特に、光学機器、精密機器等の各種精密部品等の変位や位置決め調整、角度調整の機構に用いられる各種アクチュエータに好適に利用することができる。
【0173】
なお、この発明に係る圧電/電歪デバイス及びその製造方法は、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0174】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る圧電/電歪デバイス及びその製造方法によれば、変位特性、応答特性等のデバイス特性が低下することなく、外力に対する耐衝撃性が大きく、ハンドリングが容易であると共に、大変位の発生並びに高速応答が可能で、機械的強度が高く、有害な振動の影響を受け難く、耐湿性に優れた変位素子、並びに可動部の振動を精度よく検出することが可能なセンサ素子を得ることができる。
【0175】
また、製造時の不要な振動に伴う不良の発生を抑制することができ、圧電/電歪デバイスの生産性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの構成を示す斜視図である。
【図2】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの第1の変形例を示す斜視図である。
【図3】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの第2の変形例を示す斜視図である。
【図4】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの第3の変形例を示す斜視図である。
【図5】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの第4の変形例を示す斜視図である。
【図6】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの第5の変形例を示す斜視図である。
【図7】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの第6の変形例を示す斜視図である。
【図8】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの第7の変形例を示す斜視図である。
【図9】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの第8の変形例を示す斜視図である。
【図10】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの第9の変形例を示す斜視図である。
【図11】圧電/電歪素子の他の例を一部省略して示す斜視図である。
【図12】圧電/電歪素子の更に他の例を一部省略して示す斜視図である。
【図13】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスにおいて、圧電/電歪素子が共に変位動作を行っていない場合を示す説明図である。
【図14】図14Aは一方の圧電/電歪素子に印加される電圧波形を示す波形図であり、図14Bは他方の圧電/電歪素子に印加される電圧波形を示す波形図である。
【図15】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスにおいて、圧電/電歪素子が変位動作を行った場合を示す説明図である。
【図16】図16Aは第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの製造方法において、必要なセラミックグリーンシートの積層過程を示す説明図であり、図16Bはセラミックグリーン積層体とした状態を示す説明図である。
【図17】前記製造方法において、セラミックグリーン積層体を焼成したセラミック積層体とした後、該セラミック積層体に圧電/電歪素子を形成した状態を示す説明図である。
【図18】前記製造方法において、セラミック積層体を所定の切断線に沿って切断して、第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスとした状態を示す説明図である。
【図19】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの第10の変形例を示す斜視図である。
【図20】第2の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの構成を示す斜視図である。
【図21】第2の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの変形例を示す斜視図である。
【図22】第3の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの構成を示す斜視図である。
【図23】第4の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの構成を示す斜視図である。
【図24】第5の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの構成を示す斜視図である。
【図25】第6の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの構成を示す斜視図である。
【図26】従来例に係る圧電/電歪デバイスを示す構成図である。
【符号の説明】
10A、10Aa〜10Aj、10B、10Ba、10C、10D、10E、10F…圧電/電歪デバイス
12…孔部 14…基体
16a、16b…薄板部 20…可動部
20a…内壁 22…固定部
22a…内壁 24a、24b…圧電/電歪素子
26…圧電/電歪層 28…一方の電極
30…他方の電極
50A、50B、52A、52B、54A、54B、56…セラミックグリーンシート
58…セラミックグリーン積層体 60…セラミック積層体
100…機構 102…凹部
104…ストッパ部材 120a、120b…緩衝部材
122…ストッパ部材 122a…先端部
130…張出し部
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電/電歪素子の変位動作に基づいて作動する可動部を備えた圧電/電歪デバイス、もしくは可動部の変位を圧電/電歪素子により検出できる圧電/電歪デバイス及びその製造方法に関し、詳しくは、強度、耐衝撃性、耐湿性に優れ、効率よく可動部を大きく作動させることができる圧電/電歪デバイス及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、光学や磁気記録、精密加工等の分野において、サブミクロンオーダーで光路長や位置を調整可能な変位素子が必要とされており、圧電/電歪材料(例えば強誘電体等)に電圧を印加したときに惹起される逆圧電効果や電歪効果による変位を利用した変位素子の開発が進められている。
【0003】
従来、このような変位素子としては、例えば図26に示すように、圧電/電歪材料からなる板状体200に孔部202を設けることにより、固定部204と可動部206とこれらを支持する梁部208とを一体に形成し、更に、梁部208に電極層210を設けた圧電アクチュエータが開示されている(例えば特開平10−136665号公報参照)。
【0004】
前記圧電アクチュエータにおいては、電極層210に電圧を印加すると、逆圧電効果や電歪効果により、梁部208が固定部204と可動部206とを結ぶ方向に伸縮するため、可動部206を板状体200の面内において弧状変位又は回転変位させることが可能である。
【0005】
一方、特開昭63−64640号公報には、バイモルフを用いたアクチュエータに関して、そのバイモルフの電極を分割して設け、分割された電極を選択して駆動することにより、高精度な位置決めを高速に行う技術が開示され、この公報(特に第4図)には、例えば2枚のバイモルフを対向させて使用する構造が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記圧電アクチュエータにおいては、圧電/電歪材料の伸縮方向(即ち、板状体200の面内方向)の変位をそのまま可動部206に伝達していたため、可動部206の作動量が小さいという問題があった。
【0007】
また、圧電アクチュエータは、すべての部分を脆弱で比較的重い材料である圧電/電歪材料によって構成しているため、機械的強度が低く、ハンドリング性、耐衝撃性、耐湿性に劣ることに加え、圧電アクチュエータ自体が重く、動作上、有害な振動(例えば、高速作動時の残留振動やノイズ振動)の影響を受けやすいという問題点があった。
【0008】
そこで、例えば梁部の厚みを厚くして剛性を向上させることにより、強度と共に共振周波数を上げるという手法が考えられるが、剛性の向上による影響によって著しい変位低下及び応答速度の低下を招くという問題がある。
【0009】
また、特開昭63−64640号公報の第4図が示すものは、中継部材とバイモルフ並びにヘッドとバイモルフとの接合形態において、共に歪みを発生するいわゆる圧電作動部位がそれぞれの接合部位を跨ぐ構造、即ち、中継部材とヘッドにわたってバイモルフが連続的に構成されている。
【0010】
その結果、バイモルフを作動させた際、中継部材とバイモルフとの接合部を支点とした変位動作と、ヘッドとバイモルフとの接合点を支点とした変位動作が互いに干渉し合い、変位の発現を阻害し、ヘッドを外空間に対して大きく変位させるような作用が得られない構造であった。
【0011】
また、従来のこの種のデバイスにおいては、外力に対して弱い構造のものが多く、ハンドリングがしにくいことや、高共振周波数化を図ることが困難であるという問題がある。
【0012】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、変位特性、応答特性等のデバイス特性を低下させることなく、外力に対する耐衝撃性が大きく、ハンドリングが容易であると共に、大変位の発生、並びに高速応答が可能で、機械的強度が高く、有害な振動の影響を受け難く、耐湿性に優れた変位素子、並びに可動部の振動を精度よく検出することが可能なセンサ素子を得ることができる圧電/電歪デバイス及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明の目的は、製造時の不要な振動に伴う不良の発生を抑制し、圧電/電歪デバイスの生産性の向上を図ることができる圧電/電歪デバイス及びその製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
第1の本発明に係る圧電/電歪デバイスは、矩形体である固定部と、前記固定部の一面の相対向する端部に設けられた相対向する一対の矩形板状の薄板部と、前記薄板部の前記固定部が設けられるのと対向する端に、矩形体状の可動部とを有し、前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に1以上の圧電/電歪素子が配設され、前記一対の薄板部の相対向する内壁と前記可動部の前記固定部と対向する内壁と前記固定部の前記可動部の前記内壁と対向する内壁とにより孔部が形成された圧電/電歪デバイスであって、前記薄板部の振幅を制限する機構を有することを特徴とする。
【0015】
これにより、薄板部並びに可動部に対して、大きく振動(振幅)させるような外力等が加わっても、前記機構により薄板部の振動(振幅)が制限され、その結果、薄板部の破損等を防止することができる。この場合、薄板部の厚みを厚くする必要がないため、薄板部上に配設される圧電/電歪素子の材料特性が劣化することがなく、変位特性や応答特性等のデバイス特性を低下させることがない。
【0016】
つまり、本発明においては、変位特性、応答特性等のデバイス特性を低下させることなく、外力に対する耐衝撃性が大きく、ハンドリングが容易であると共に、大変位の発生、並びに高速応答が可能で、機械的強度が高く、有害な振動の影響を受け難く、耐湿性に優れた変位素子、並びに可動部の振動を精度よく検出することが可能なセンサ素子を得ることができる。
【0017】
また、製造時などにおいて、不要な振動が加えられても、前記機構により薄板部の振動(振幅)が制限されることから、前記不要な振動に伴う薄板部の破損等を有効に防止することができ、圧電/電歪デバイスの生産性の向上を図ることができる。
【0018】
そして、前記機構としては、前記可動部の内壁に形成された凹部と、前記固定部の内壁に設けられ、先端部が前記凹部内に入り込んだストッパ部材とを有するようにしてもよく、前記固定部の内壁に形成された凹部と、前記可動部の内壁に設けられ、先端部が前記凹部内に入り込んだストッパ部材とを有するようにしてもよい。この場合、ストッパ部材の先端部が凹部に当たることによって、薄板部の振動(振幅)が制限されることになる。また、ストッパ部材の長さと厚みを適宜調整することで、弾力性をもたせることができ、ストッパ部材が凹部に当たる際の衝撃を吸収することができる。
【0019】
なお、前記ストッパ部材の先端部から前記可動部の変位方向に沿った前記凹部内壁までの最短距離は、前記薄板部の振幅の許容限界以下であることが好ましい。この場合、薄板部の振動(振幅)がその許容限界以下となるため、薄板部の破損等を有効に防止することができる。
【0020】
また、前記機構としては、前記固定部の内壁に設けられた2本の緩衝部材と、前記可動部の内壁に設けられ、先端部が前記2本の緩衝部材間に入り込んだストッパ部材とを有するようにしてもよく、前記可動部の内壁に設けられた2本の緩衝部材と、前記固定部の内壁に設けられ、先端部が前記2本の緩衝部材間に入り込んだストッパ部材とを有するようにしてもよい。
【0021】
この場合、ストッパ部材の先端部が緩衝部材に当たることによって、薄板部の振動(振幅)が制限されることになる。特に、緩衝部材の高さと厚みによるアスペクト比を適宜調整することで、弾力性を持たせることができ、ストッパ部材が緩衝部材に当たることによる衝撃を吸収することができる。
【0022】
また、前記機構は、前記固定部の内壁から孔部内に向かって形成された張出し部を設けて構成し、前記張出し部から前記薄板部までの最短距離が該薄板部の振幅の許容限界以下となるようにしてもよい。この場合、薄板部の振動(振幅)がその許容限界以下となるため、薄板部の破損等を有効に防止することができる。特に、この構成の場合においては、薄板部に直接(集中した)外力が加わったときにも、薄板部を破損に導く振動(振幅)が効果的に制限されるため、薄板部の破損防止に有効となる。
【0023】
前記可動部、固定部、薄板部及び前記機構は、セラミックスもしくは金属を用いて構成されていてもよく、また、各部をセラミック材料同士で構成することもできるし、あるいは金属材料同士で構成することもできる。更には、セラミックスと金属の材料とから製造されたものを組み合わせたハイブリッド構造として構成することもできる。
【0024】
更に、前記薄板部、前記可動部、前記固定部及び前記機構は、セラミックグリーン積層体を同時焼成することによって一体化し、更に不要な部分を切除してなるセラミック基体で構成するようにしてもよい。また、前記圧電/電歪素子を膜状とし、焼成によって前記セラミック基体に一体化するようにしてもよい。
【0025】
この場合、前記圧電/電歪素子は、圧電/電歪層と、該圧電/電歪層に形成された一対の電極とを有して構成することができる。また、前記圧電/電歪素子は、圧電/電歪層と、該圧電/電歪層の両側に形成された一対の電極とを有し、該一対の電極のうち、一方の電極を少なくとも前記薄板部に形成するようにしてもよい。この場合、圧電/電歪素子による振動を薄板部を通じて効率よく可動部又は固定部に伝達することができ、応答性の向上を図ることができる。特に、前記圧電/電歪素子は、前記圧電/電歪層と前記一対の電極が複数の積層形態で構成されていることが好ましい。
【0026】
次に、第2の本発明に係る圧電/電歪デバイスの製造方法は、矩形体である固定部と、前記固定部の一面の相対向する端部に設けられた相対向する一対の矩形板状の薄板部と、前記薄板部の前記固定部が設けられるのと対向する端に、矩形体状の可動部とを有し、前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に1以上の圧電/電歪素子が配設され、前記一対の薄板部の相対向する内壁と前記可動部の前記固定部と対向する内壁と前記固定部の前記可動部の前記内壁と対向する内壁とにより孔部が形成された圧電/電歪デバイスの製造方法であって、少なくとも前記薄板部上に前記圧電/電歪素子を作製した後に、所定部位を切除して、前記薄板部の振幅を制限する機構が設けられた圧電/電歪デバイスを作製することを特徴とする。
【0027】
ここでいう圧電/電歪素子を作製した後とは、少なくとも圧電/電歪層が薄板部に形成された状態を示し、圧電/電歪層の形成後に形成される電極に対しては、所定部位の切除を行った後に形成するようにしてもかまわない。
【0028】
また、第3の本発明に係る圧電/電歪デバイスの製造方法は、矩形体である固定部と、前記固定部の一面の相対向する端部に設けられた相対向する一対の矩形板状の薄板部と、前記薄板部の前記固定部が設けられるのと対向する端に、矩形体状の可動部とを有し、前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に1以上の圧電/電歪素子が配設され、前記一対の薄板部の相対向する内壁と前記可動部の前記固定部と対向する内壁と前記固定部の前記可動部の前記内壁と対向する内壁とにより孔部が形成された圧電/電歪デバイスの製造方法であって、少なくとも後に少なくとも前記孔部を形成するための窓部を有するセラミックグリーンシートと、後に前記薄板部の振幅を制限する機構を形成するためのセラミックグリーンシートと、後に前記薄板部となるセラミックグリーンシートとを含むセラミックグリーン積層体を一体焼成して、セラミック積層体を作製するセラミック積層体作製工程と、前記セラミック積層体のうち、前記薄板部となる部分の外表面に前記圧電/電歪素子を形成する工程と、前記圧電/電歪素子が形成されたセラミック積層体に対する少なくとも1回の切除処理によって、前記薄板部の振幅を制限する機構が設けられた圧電/電歪デバイスを作製する切除工程とを含むことを特徴とする。
【0029】
これらの製造方法により、変位特性、応答特性等のデバイス特性を低下させることなく、外力に対する耐衝撃性が大きく、ハンドリングが容易であると共に、大変位の発生、並びに高速応答が可能で、機械的強度が高く、有害な振動の影響を受け難く、耐湿性に優れた変位素子、並びに可動部の振動を精度よく検出することが可能なセンサ素子を容易に得ることができる。
【0030】
また、これらの製造方法においては、前記切除工程において、前記セラミック積層体に対する切除処理によって前記孔部を露出させることを併せて行うようにしてもよい。この場合、互いに対向する端面を有する前記可動部又は固定部の形成と孔部の形成を同時に行うようにしてもよく、その順番は問わない。
【0031】
また、前記切除処理を例えば機械加工で行った場合などにおいて、不要な振動が加わることになるが、前記機構の存在により、薄板部の振動(振幅)が制限されることから、前記不要な振動に伴う製造時における薄板部の破損等を有効に防止することができ、圧電/電歪デバイスの生産性の向上を図ることができる。
【0032】
従って、本発明に係る圧電/電歪デバイス及びその製造方法によれば、各種トランスデューサ、各種アクチュエータ、周波数領域機能部品(フィルタ)、トランス、通信用や動力用の振動子や共振子、発振子、ディスクリミネータ等の能動素子のほか、超音波センサや加速度センサ、角速度センサや衝撃センサ、質量センサ等の各種センサ用のセンサ素子として利用することができ、特に、光学機器、精密機器等の各種精密部品等の変位や位置決め調整、角度調整の機構に用いられる各種アクチュエータに好適に利用することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る圧電/電歪デバイス及びその製造方法の実施の形態例を図1〜図25を参照しながら説明する。
【0034】
ここで、圧電/電歪デバイスは、圧電/電歪素子により電気的エネルギと機械的エネルギとを相互に変換する素子を包含する概念である。従って、各種アクチュエータや振動子等の能動素子、特に、逆圧電効果や電歪効果による変位を利用した変位素子として最も好適に用いられるほか、加速度センサ素子や衝撃センサ素子等の受動素子としても好適に使用され得る。
【0035】
なお、本発明における圧電/電歪とは、圧電及び/又は電歪を意味し、例えば圧電/電歪デバイス並びに圧電/電歪素子は、それぞれ圧電及び/又は電歪デバイス並びに圧電及び/又は電歪素子を意味する。
【0036】
まず、第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Aは、図1に示すように、全体として長尺の直方体の形状を呈し、その長軸方向のほぼ中央部分に孔部12が設けられた基体14を有する。
【0037】
基体14は、相対向する一対の薄板部16a及び16bと、可動部20と、前記一対の薄板部16a及び16b並びに可動部20を支持する固定部22とを具備し、少なくとも薄板部16a及び16bの各一部にそれぞれ圧電/電歪素子24a及び24bが形成されている。ここで、薄板部16a及び16bのうち、それぞれ圧電/電歪素子24a及び24bが形成される面を、薄板部16a及び16bの側面と定義する。
【0038】
この基体14については、全体をセラミックスもしくは金属を用いて構成されたもののほか、セラミックスと金属の材料で製造されたものを組み合わせたハイブリッド構造としてもよい。
【0039】
また、基体14は、各部を有機樹脂、ガラス等の接着剤で接着してなる構造、セラミックグリーン積層体を焼成により一体化してなるセラミック一体構造、ロウ付け、半田付け、共晶接合もしくは溶接等で一体化した金属一体構造等の構成を採用することができるが、一体構造が信頼性の点で望ましく、中でも最も好ましくはセラミックグリーン積層体を焼成により一体化したセラミック積層体で基体14を構成することが望ましい。
【0040】
このようなセラミックスの一体化物は、各部の接合部に接着剤が介在しないことから、経時的な状態変化がほとんど生じないため、接合部位の信頼性が高く、かつ、剛性確保に有利な構造であることに加え、後述するセラミックグリーンシート積層法により、容易に製造することが可能である。
【0041】
そして、圧電/電歪素子24a及び24bは、後述のとおり別体として圧電/電歪素子24a及び24bを準備して、基体14に有機樹脂、ガラス等の接着剤や、ロウ付け、半田付け、共晶接合等で貼り付けられるほか、膜形成法を用いることにより、前記貼り付けではなく直接基体14に形成されることとなる。
【0042】
また、この圧電/電歪デバイス10Aは、一対の薄板部16a及び16bの両内壁と可動部20の内壁20aと固定部22の内壁22aにより例えば矩形状の前記孔部12が形成され、前記圧電/電歪素子24a及び/又は24bの駆動によって可動部20が変位し、あるいは可動部20の変位を圧電/電歪素子24a及び/又は24bにより検出する構成を有する。
【0043】
圧電/電歪素子24a及び24bは、圧電/電歪層26と、該圧電/電歪層26の両側に形成された一対の電極28及び30とを有して構成され、該一対の電極28及び30のうち、一方の電極28が少なくとも一対の薄板部16a及び16bに形成されている。
【0044】
図1の例では、圧電/電歪素子24a及び24bを構成する一方の電極28及び圧電/電歪層26の各先端部を可動部20の側面まで延ばし、他方の電極30の先端部を薄板部16a及び16bの長さ方向(Z軸方向)のほぼ中央に位置させるようにしている。そして、この圧電/電歪素子24a及び24bの実質的駆動部分18(一対の電極28及び30が圧電/電歪層26を間に挟んで重なる部分)が固定部22の側面の一部から薄板部16a及び16bの側面の一部にかけて連続的に形成されている構成をとることで、可動部20の変位量を効率的に大きくすることが可能となる。
【0045】
そして、上述の第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Aにおいては、図1に示すように、前記薄板部16a及び16bや可動部20の振幅を制限する機構100を有して構成されている。この機構100は、第1の実施の形態では、可動部20の内壁20aに形成された凹部102と、固定部22の内壁22aに設けられ、先端部104aが前記凹部102内に入り込んだ板状のストッパ部材104とを有して構成されている。
【0046】
この場合、例えば図13に示すように、ストッパ部材104の先端部104aから可動部20の変位方向に沿った前記凹部102の内壁(側壁)102aまでの最短距離Lcが、可動部20や薄板部16a及び16bの振幅の許容限界以下であることが好ましい。これにより、可動部20や薄板部16a及び16bの振動(振幅)がその許容限界以下となるため、薄板部16a及び16bの破損等を有効に防止することができる。また、更に、前記ストッパ部材104の先端部104aから前記ストッパ部材104の伸びる方向に沿った前記凹部102の内壁102aまでの最短距離も、前記許容限界に応じ、所定の寸法とすれば、Z軸方向からの外力に対しても、薄板部16a及び16bの破損等を有効に防止することができる。
【0047】
なお、一対の電極28及び30への電圧の印加は、各電極28及び30のうち、それぞれ固定部22の両側面(素子形成面)上に形成された端子(パッド)32及び34を通じて行われるようになっている。各端子32及び34の位置は、一方の電極28に対応する端子32が固定部22の後端寄りに形成され、外部空間側の他方の電極30に対応する端子34が固定部22の内壁22a寄りに形成されている。
【0048】
この場合、圧電/電歪デバイス10Aの固定を、端子32及び34が配置された面とは別の面を利用してそれぞれ別個に行うことができ、結果として、圧電/電歪デバイス10Aの固定と、回路と端子32及び34間の電気的接続の双方に高い信頼性を得ることができる。この構成においては、フレキシブルプリント回路(FPCとも称される)、フレキシブルフラットケーブル(FFCとも称される)、ワイヤボンディング等によって端子32及び34と回路との電気的接続が行われる。
【0049】
圧電/電歪素子24a及び24bの構成としては、図1に示す構成のほか、図2に示す第1の変形例に係る圧電/電歪デバイス10Aaのように、一対の電極28及び30並びに圧電/電歪層26の各先端面をほぼ揃えるようにし、圧電/電歪素子24a及び24bの実質的駆動部分18(一対の電極28及び30が圧電/電歪層26を間に挟んで重なる部分)を固定部22の側面の一部から可動部20の側面の一部にかけて連続的に形成するようにしてもよい。
【0050】
また、図3に示す第2の変形例に係る圧電/電歪デバイス10Abのように、一対の電極28及び30並びに圧電/電歪層26の各先端面をほぼ揃えるようにし、圧電/電歪素子24a及び24bの実質的駆動部分18を固定部22の外表面の一部から薄板部16a及び16bの側面の一部にかけて連続的に形成するようにしてもよいし、図4に示す第3の変形例に係る圧電/電歪デバイス10Acのように、圧電/電歪素子24a及び24bを構成する一対の電極28及び30の各先端部を揃え、圧電/電歪層26の先端部のみを可動部20側に突出させるようにしてもよい。これら図3、図4に従うような圧電/電歪素子24a及び24bの配置を有する構造の場合、図1の例と同様に、可動部20を固定部22に対してほぼ平行に、かつ、大きく変位させることができる。
【0051】
特に、上述の第3の変形例に係る圧電/電歪デバイス10Acでは、図4に示すように、可動部20に互いに対向する端面36a及び36bを形成した例を示す。
【0052】
この場合、製造時に圧電/電歪素子24a及び24b及び/又は薄板部16a及び16bに生じていた内部残留応力を前記端面36a及び36bの移動によって解放することができるため、可動部20の変位動作が前記内部残留応力によって阻害されることがなくなり、ほぼ設計通りの可動部20の変位動作を得ることができる。加えて、この応力の解放によって、圧電/電歪デバイス10Acの機械強度の向上も図ることができる。
【0053】
これら端面36a及び36bの間には、図4に示すように、空隙(空気)38を介在させるようにしてもよいし、前記可動部20の構成部材とは異なる部材、例えば樹脂等からなる部材を介在させるようにしてもよい。上述の例では、互いに対向する端面36a及び36bを可動部20に設けた例を示したが、その他、図5に示す第4の変形例に係る圧電/電歪デバイス10Adのように、前記端面36a及び36bを固定部22に設けるようにしてもよい。また、この図5に従う圧電/電歪素子24a及び24bの配置も可動部20を固定部22に対してほぼ平行に、かつ、大きく変位させることができる。
【0054】
上述の例では、圧電/電歪素子24a及び24bを、1層構造の圧電/電歪層26と一対の電極28及び30で構成するようにしたが、その他、圧電/電歪素子24a及び24bを、圧電/電歪層26と一対の電極28及び30の複数を積層形態にして構成することも好ましい。
【0055】
例えば図6に示す第5の変形例に係る圧電/電歪デバイス10Aeのように、圧電/電歪層26並びに一対の電極28及び30をそれぞれ多層構造とし、一方の電極28と他方の電極30をそれぞれ交互に積層して、これら一対の電極28と他方の電極30が圧電/電歪層26を間に挟んで重なる部分(実質的駆動部分18)が多段構成とされた圧電/電歪素子24a及び24bとしてもよい。この図6では、圧電/電歪層26を3層構造とし、1層目の下面(薄板部16a及び16bの側面)と2層目の上面に一方の電極28をそれぞれ分離して形成し、1層目の上面と3層目の上面に他方の電極30をそれぞれ分離して形成し、更に、一方の電極28の各端部にそれぞれ端子32a及び32bを設け、他方の電極30の各端部にそれぞれ端子34a及び34bを設けた例を示している。
【0056】
また、図7に示す第6の変形例に係る圧電/電歪デバイス10Afのように、圧電/電歪層26並びに一対の電極28及び30をそれぞれ多層構造とし、一方の電極28と他方の電極30を断面ほぼ櫛歯状となるようにそれぞれ互い違いに積層し、これら一対の電極28と他方の電極30が圧電/電歪層26を間に挟んで重なる部分(実質的駆動部分18)が多段構成とされた圧電/電歪素子24a及び24bとしてもよい。この図7では、圧電/電歪層26を3層構造とし、一方の電極28が1層目の下面(薄板部16a及び16bの側面)と2層目の上面に位置するように櫛歯状に形成し、他方の電極30が1層目の上面と3層目の上面に位置するように櫛歯状に形成した例を示している。この構成の場合、一方の電極28同士並びに他方の電極30同士をそれぞれつなぎ共通化することで、図6の構成と比べて端子32及び34の数を減らすことができるため、圧電/電歪素子24a及び24bの多層化に伴うサイズの大型化を抑えることができる。
【0057】
なお、図6においては、一方の電極28同士、他方の電極30同士に対して同じ電位の信号を印加する使用法のほか、すべての電極28及び30にそれぞれ独立した信号を印加して使用することも可能である。後者のような使用法を採用すれば、各圧電/電歪層26ごとに異なる歪みを発生させることができ、より精密な変位制御を行わせることが可能である。
【0058】
また、図8に示す第7の変形例に係る圧電/電歪デバイス10Agのように、圧電/電歪素子24a及び24bを、その先端部が薄板部16a及び16b上にとどまるように形成するようにしてもよい。図8の例では、圧電/電歪素子24a及び24bの先端部を薄板部16a及び16bの長さ方向ほぼ中央部に位置された例を示す。この場合、可動部20を固定部22に対してほぼ平行に大きく変位させることができるという利点がある。
【0059】
また、図9に示す第8の変形例に係る圧電/電歪デバイス10Ahのように、2つの多段構成の圧電/電歪素子24a1及び24b1をそれぞれ固定部22と薄板部16a及び16bとを跨るように形成し、他の2つの多段構成の圧電/電歪素子24a2及び24b2をそれぞれ可動部20と薄板部16a及び16bとを跨るように形成するようにしてもよい。この場合、圧電/電歪素子24a及び24bを多段構成にする効果と、可動部20を変位させるための作用点が増えるという効果により、可動部20をきわめて大きく変位させることができ、また、高速応答性にも優れたものになり、好ましい。
【0060】
また、図10に示す第9の変形例に係る圧電/電歪デバイス10Aiのように、圧電/電歪層26を2層構成とし、一方の電極28が1層目の下面(薄板部16a及び16bの側面)と2層目の上面に位置するように櫛歯状に形成し、他方の電極30が1層目の上面に位置するように形成した多段構成の圧電/電歪素子24a及び24bとしてもよい。
【0061】
このような圧電/電歪素子24a及び24bを多段構成とすることにより、圧電/電歪素子24a及び24bの発生力が増大し、もって大変位が図られると共に、圧電/電歪デバイス10Ai自体の剛性が増すことで、高共振周波数化が図られ、変位動作の高速化が容易に達成できる。
【0062】
ここで、周波数とは、一対の電極28及び30に印加する電圧を交番的に切り換えて、可動部20を左右に変位させたときの電圧波形の周波数を示し、共振周波数とは、可動部20の変位動作が所定の振動モードで追従できる最大の周波数を示す。
【0063】
なお、段数を多くすれば、駆動力の増大は図られるが、それに伴い消費電力も増えるため、実際に実施する場合には、用途、使用状態に応じて適宜段数等を決めればよい。また、第5〜第9の変形例に係る圧電/電歪デバイス10Ae〜10Aiでは、圧電/電歪素子24a及び24bを多段構成にして駆動力を上げても、基本的に薄板部16a及び16bの幅(Y軸方向の距離)は不変であるため、例えば非常に狭い間隙において使用されるハードディスク用磁気ヘッドの位置決め、リンギング制御等のアクチュエータに適用する上で非常に好ましいデバイスとなる。
【0064】
上述の圧電/電歪素子24a及び24bにおいては、一対の電極28及び30間に圧電/電歪層26を介在させたいわゆるサンドイッチ構造で構成した場合を示したが、その他、図11に示すように、少なくとも薄板部16a及び16bの側面に形成された圧電/電歪層26の一主面に櫛型の一対の電極28及び30を形成するようにしてもよいし、図12に示すように、少なくとも薄板部16a及び16bの側面に形成された圧電/電歪層26に櫛型の一対の電極28及び30を埋め込んで形成するようにしてもよい。
【0065】
図11に示す構造の場合は、消費電力を低く抑えることができるという利点があり、図12に示す構造の場合は、歪み、発生力の大きな電界方向の逆圧電効果や電歪効果を効果的に利用できる構造であることから、大変位の発生に有利になる。
【0066】
具体的には、図11に示す圧電/電歪素子24a及び24bは、圧電/電歪層26の一主面に櫛型構造の一対の電極28及び30が形成されてなり、一方の電極28及び他方の電極30が互い違いに一定の幅の間隙29をもって相互に対向する構造を有する。図11では、一対の電極28及び30を圧電/電歪層26の一主面に形成した例を示したが、その他、薄板部16a及び16bと圧電/電歪層26との間に一対の電極28及び30を形成するようにしてもよいし、圧電/電歪層26の一主面並びに薄板部16a及び16bと圧電/電歪層26との間にそれぞれ櫛型の一対の電極28及び30を形成するようにしてもよい。
【0067】
一方、図12に示す圧電/電歪素子24a及び24bは、圧電/電歪層26に埋め込まれるように、櫛型構造の一対の電極28及び30が形成され、一方の電極28及び他方の電極30が互い違いに一定の幅の間隙29をもって相互に対向する構造を有する。
【0068】
図11及び図12に示すような圧電/電歪素子24a及び24bも第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10A等に好適に用いることができる。図11及び図12に示す圧電/電歪素子24a及び24bのように、櫛型の一対の電極28及び30を用いる場合は、各電極28及び30の櫛歯のピッチDを小さくすることで、圧電/電歪素子24a及び24bの変位を大きくすることが可能である。
【0069】
ここで、第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Aの動作について説明する。まず、例えば2つの圧電/電歪素子24a及び24bが自然状態、即ち、圧電/電歪素子24a及び24bが共に変位動作を行っていない場合は、図13に示すように、圧電/電歪デバイス10Aの長軸(固定部の長軸)mと可動部20の中心軸nとがほぼ一致している。
【0070】
この状態から、例えば図14Aの波形図に示すように、一方の圧電/電歪素子24aにおける一対の電極28及び30に所定のバイアス電位Vbを有するサイン波Waをかけ、図14Bに示すように、他方の圧電/電歪素子24bにおける一対の電極28及び30に前記サイン波Waとはほぼ180°位相の異なるサイン波Wbをかける。
【0071】
そして、一方の圧電/電歪素子24aにおける一対の電極28及び30に対して例えば最大値の電圧が印加された段階においては、一方の圧電/電歪素子24aにおける圧電/電歪層26はその主面方向に収縮変位する。これにより、例えば図15に示すように、一方の薄板部16aに対し、矢印Aで示すように、該薄板部16aを例えば右方向に撓ませる方向の応力が発生することから、該一方の薄板部16aは右方向に撓み、このとき、他方の圧電/電歪素子24bにおける一対の電極28及び30には、電圧は印加されていない状態となるため、他方の薄板部16bは一方の薄板部16aの撓みに追従して右方向に撓む。
【0072】
その結果、可動部20は、圧電/電歪デバイス10Aの長軸mに対して例えば右方向に変位する。なお、変位量は、各圧電/電歪素子24a及び24bに印加される電圧の最大値に応じて変化し、例えば最大値が大きくなるほど変位量も大きくなる。
【0073】
そして、この実施の形態では、可動部20の変位の際に、可動部20の内壁20aに設けられた凹部102の側壁102aにストッパ部材104の先端部104aが当たり、可動部20の変位を抑制するかたちとなる。そのため、可動部20を大きく振動(振幅)させるような外力等が加わっても、前記機構100の作用(ストッパ部材104の先端部104aが凹部102の側壁102aに当たること)により、可動部20の振動(振幅)が制限され、その結果、薄板部16a及び16bの破損等を防止することができる。この場合、薄板部16a及び16bの厚みを厚くして破損等を防止する必要がないため、薄板部16a及び16b上に形成される圧電/電歪素子24a及び24bの材料特性が劣化することがなく、変位特性や応答特性等のデバイス特性を低下させることがない。
【0074】
特に、圧電/電歪層26の構成材料として、抗電界を有する圧電/電歪材料を適用した場合には、図14A及び図14Bの二点鎖線の波形に示すように、最小値のレベルが僅かに負のレベルとなるように、前記バイアス電位Vbを調整するようにしてもよい。この場合、該負のレベルが印加されている圧電/電歪素子(例えば他方の圧電/電歪素子24b)の駆動によって、例えば他方の薄板部16bに一方の薄板部16aの撓み方向と同じ方向の応力が発生し、可動部20の変位量をより大きくすることが可能となる。つまり、図14A及び図14Bにおける二点鎖線に示すような波形を使用することで、負のレベルが印加されている圧電/電歪素子24b又は24aが、変位動作の主体となっている圧電/電歪素子24a又は24bをサポートするという機能を持たせることができる。
【0075】
なお、図9に示す第8の変形例に係る圧電/電歪デバイス10Ahの例では、対角線上に配置された例えば圧電/電歪素子24a1と圧電/電歪素子24b2に、図14Aに示す電圧(サイン波Wa参照)が印加され、他の圧電/電歪素子24a2と圧電/電歪素子24b1に、図14Bに示す電圧(サイン波Wb参照)が印加される。
【0076】
このように、第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10A並びに各種変形例10Aa〜10Aiにおいては、圧電/電歪素子24a及び24bの微小な変位が薄板部16a及び16bの撓みを利用して大きな変位動作に増幅されて、可動部20に伝達されることになるため、可動部20は、圧電/電歪デバイス10の長軸mに対して大きく変位させることが可能となる。
【0077】
特に、可動部20や薄板部16a及び16bの振幅を制限する機構100を有するようにしたので、可動部20や薄板部16a及び16bに対して、該可動部20や薄板部16a及び16bを大きく振動(振幅)させるような外力等が加わっても、前記機構100により可動部20や薄板部16a及び16bの振動(振幅)が制限され、その結果、薄板部の破損等を防止することができる。この場合、薄板部16a及び16bの厚みを厚くする必要がないため、薄板部16a及び16bに形成される圧電/電歪素子24a及び24bの材料特性が劣化することがなく、変位特性や応答特性等のデバイス特性を低下させることがない。
【0078】
つまり、この第1の実施の形態においては、変位特性、応答特性等のデバイス特性を損なうことなく、高速応答が可能となる。
【0079】
また、第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10A等においては、可動部20、薄板部16a及び16b並びに固定部22が一体化されており、すべての部分を脆弱で比較的重い材料である圧電/電歪材料によって構成する必要がないため、機械的強度が高く、ハンドリング性、耐衝撃性、耐湿性に優れ、動作上、有害な振動(例えば、高速作動時の残留振動やノイズ振動)の影響を受け難いという利点を有する。
【0080】
また、この第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10A等においては、圧電/電歪素子24a及び24bを、圧電/電歪層26と、該圧電/電歪層26の両側に形成された一対の電極28及び30とを有して構成し、一対の電極28及び30のうち、一方の電極28を少なくとも薄板部16a及び16bの外表面に形成するようにしたので、圧電/電歪素子24a及び24bによる振動を薄板部16a及び16bを通じて効率よく可動部20に伝達することができ、応答性の向上を図ることができる。
【0081】
特に、第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10A、第2〜第7の変形例に係る圧電/電歪デバイス10Ab〜10Ag並びに第9の変形例に係る圧電/電歪デバイス10Aiにおいては、一対の電極28及び30が圧電/電歪層26を間に挟んで重なる部分(実質的駆動部分18)を固定部22の一部から薄板部16a及び16bの一部にかけて連続的に形成するようにしている。
【0082】
実質的駆動部分18を更に可動部20の一部にかけて形成した場合、可動部20の変位動作が前記実質的駆動部分18によって制限され、大きな変位を得ることができなくなるおそれがあるが、これらの実施の形態や変形例では、前記実質的駆動部分18を可動部20と固定部22の両方にかけないように形成しているため、可動部20の変位動作が制限されるという不都合が回避され、可動部20の変位量を大きくすることができる。
【0083】
また、その中でも、第2、第3、第4及び第7の圧電/電歪デバイス10Ab、10Ac、10Ad及び10Ag等に示されるような構成を採用することで、可動部20を固定部22に対してほぼ平行に変位させることが可能となるため、外力に対する耐衝撃性が増し、薄板部16a及び16bの破損が抑えられることと合わせ、好ましい構造である。
【0084】
逆に、可動部20の一部に圧電/電歪素子24a及び24bを形成する場合は、前記実質的駆動部分18が可動部20の一部から薄板部16a及び16bの一部にかけて位置させるように形成することが好ましい。これは、実質的駆動部分18が固定部22の一部にまでわたって形成されると、上述したように、可動部20の変位動作が制限されるからである。
【0085】
この場合も、前記実質的駆動部分18の位置関係に加え、一方の電極28、他方の電極30及び圧電/電歪層26のすべてが可動部20の一部から薄板部16a及び16bの一部にかけて位置されるように形成した構造とすれば、可動部20を固定部22に対してほぼ平行に変位させることが可能となるため、外力に対する耐衝撃性が増し、薄板部16a及び16bの破損が抑えられることと合わせ、好ましい構造である。
【0086】
次に、第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Aの好ましい構成例について説明する。
【0087】
まず、可動部20の変位動作を確実なものとするために、圧電/電歪素子24a及び24bの実質的駆動部分18が固定部22もしくは可動部20にかかる距離Lgを薄板部16a及び16bの厚みLdの1/2以上とすることが好ましい。
【0088】
そして、薄板部16a及び16bの内壁間の距離(X軸方向の距離)Laと薄板部16a及び16bの幅Lbとの比La/Lbが0.5〜20となるように構成する。前記比La/Lbは、好ましくは1〜10とされ、更に好ましくは2〜8とされる。この比La/Lbの規定値は、可動部20の変位量を大きくし、X−Z平面内での変位を支配的に得られることの発見に基づく規定である。
【0089】
一方、薄板部16a及び16bの長さ(Z軸方向の距離)Leと薄板部16a及び16bの内壁間の距離Laとの比Le/Laにおいては、好ましくは0.5〜10とされ、更に好ましくは0.7〜5とすることが望ましい。この比Le/Laの規定値は、可動部20の変位量を大きくでき、かつ、高い共振周波数で変位動作を行うことができる(高い応答速度を達成できる)という発見に基づく規定である。
【0090】
従って、第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10AをY軸方向への煽り変位、あるいは振動を抑制し、かつ、高速応答性に優れ、相対的に低電圧で大きな変位を併せ持つ構造とするには、比La/Lbを0.5〜20とし、かつ、比Le/Laを0.5〜10にすることが好ましく、更に好ましくは比La/Lbを1〜10とし、かつ、比Le/Laを0.7〜5にするとよい。更に、孔部12にゲル状の材料、例えばシリコーンゲルを充填することが好ましい。
【0091】
また、可動部20の長さ(Z軸方向の距離)Lfは、短いことが好ましい。短くすることで軽量化と共振周波数の増大が図られるからである。しかしながら、可動部20のX軸方向の剛性を確保し、その変位を確実なものとするためには、可動部20の長さ(Z軸方向の距離)Lfと薄板部16a及び16bの厚みLdとの比Lf/Ldを3以上、好ましくは5以上とすることが望ましい。
【0092】
なお、各部の実寸法は、可動部20への部品の取り付けのための接合面積、固定部22を他の部材に取り付けるための接合面積、電極用端子などの取り付けのための接合面積、圧電/電歪デバイス10A全体の強度、耐久度、必要な変位量並びに共振周波数、そして、駆動電圧等を考慮して定められることになる。
【0093】
具体的には、例えば薄板部16a及び16bの内壁間の距離Laは、100μm〜2000μmが好ましく、更に好ましくは200μm〜1000μmである。薄板部16a及び16bの幅Lbは、50μm〜2000μmが好ましく、更に好ましくは100μm〜500μmである。薄板部16a及び16bの厚みLdは、Y軸方向への変位成分である煽り変位が効果的に抑制されるように、薄板部16a及び16bの幅Lbとの関係においてLb>Ldとされ、かつ、2μm〜100μmが好ましく、更に好ましくは4μm〜50μmである。
【0094】
薄板部16a及び16bの長さLeは、200μm〜3000μmが好ましく、更に好ましくは300μm〜2000μmである。可動部20の長さLfは、50μm〜2000μmが好ましく、更に好ましくは100μm〜1000μmである。
【0095】
このような構成にすることにより、X軸方向の変位に対してY軸方向の変位が10%を超えないが、上述の寸法比率と実寸法の範囲で適宜調整を行うことで低電圧駆動が可能で、Y軸方向への変位成分を5%以下に抑制できるというきわめて優れた効果を示す。つまり、可動部20は、実質的にX軸方向という1軸方向に変位することになり、しかも、高速応答性に優れ、相対的に低電圧で大きな変位を得ることができる。
【0096】
また、この圧電/電歪デバイス10Aにおいては、デバイスの形状が従来のような板状ではなく、可動部20と固定部22が直方体の形状を呈しており、可動部20と固定部22の側面が連続するように一対の薄板部16a及び16bが設けられているため、圧電/電歪デバイス10AのY軸方向の剛性を選択的に高くすることができる。
【0097】
即ち、この圧電/電歪デバイス10Aでは、平面内(XZ平面内)における可動部20の動作のみを選択的に発生させることができ、可動部20のYZ面内の動作(いわゆる煽り方向の動作)を抑制することができる。
【0098】
次に、第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Aの各構成要素について説明する。
【0099】
可動部20は、上述したように、薄板部16a及び16bの駆動量に基づいて作動する部分であり、圧電/電歪デバイス10Aの使用目的に応じて種々の部材が取り付けられる。例えば、圧電/電歪デバイス10Aを変位素子として使用する場合であれば、光シャッタの遮蔽板等が取り付けられ、特に、ハードディスクドライブの磁気ヘッドの位置決めやリンギング抑制機構に使用するのであれば、磁気ヘッド、磁気ヘッドを有するスライダ、スライダを有するサスペンション等の位置決めを必要とする部材が取り付けられる。
【0100】
固定部22は、上述したように、薄板部16a及び16b並びに可動部20を支持する部分であると共に、圧電/電歪デバイス10Aを他の部材に取り付け固定する部分でもあり、固定部22を例えば前記ハードディスクドライブの磁気ヘッドの位置決めに利用する場合には、VCM(ボイスコイルモータ)に取り付けられたキャリッジアーム、該キャリッジアームに取り付けられた固定プレート又はサスペンション等に支持固定することにより、圧電/電歪デバイス10Aの全体が固定される。また、この固定部22には、図1に示すように、圧電/電歪素子24a及び24bを駆動するための端子32及び34その他の部材が配置される場合もある。
【0101】
可動部20及び固定部22を構成する材料としては、剛性を有するものであれば、特に限定されないが、後述するセラミックグリーンシート積層法を適用したセラミックスを好適に用いることができる。具体的には、安定化ジルコニア、部分安定化ジルコニアをはじめとするジルコニア、アルミナ、マグネシア、窒化珪素、窒化アルミニウム、酸化チタンを主成分とする材料等が挙げられるほか、これらの混合物を主成分とした材料が挙げられるが、機械的強度や靱性が高い点において、ジルコニア、特に安定化ジルコニアを主成分とする材料と部分安定化ジルコニアを主成分とする材料が好ましい。また、金属材料においては、剛性を有するものであれば、特に限定されないが、ステンレス鋼、ニッケル等が挙げられる。その他、エンジニアリングプラスチックで構成してもよい。
【0102】
薄板部16a及び16bは、上述したように、圧電/電歪素子24a及び24bの変位により駆動する部分である。薄板部16a及び16bは、可撓性を有する薄板状の部材であって、表面に配設された圧電/電歪素子24a及び24bの伸縮変位を屈曲変位として増幅して、可動部20に伝達する機能を有する。従って、薄板部16a及び16bの形状や材質は、可撓性を有し、屈曲変形によって破損しない程度の機械的強度を有するものであれば足り、可動部20の応答性、操作性を考慮して適宜選択することができる。
【0103】
薄板部16a及び16bの厚みLdは、2μm〜100μm程度とすることが好ましく、薄板部16a(もしくは16b)と圧電/電歪素子24a(もしくは24b)とを合わせた厚みは7μm〜500μmとすることが好ましい。電極28及び30の厚みは0.1〜50μm、圧電/電歪層26の厚みは3〜300μmとすることが好ましい。また、薄板部16a及び16bの幅Lbとしては、50μm〜2000μmが好適である。
【0104】
薄板部16a及び16bを構成する材料としては、可動部20や固定部22と同様のセラミックスを好適に用いることができ、ジルコニア、中でも安定化ジルコニアを主成分とする材料と部分安定化ジルコニアを主成分とする材料は、薄肉であっても機械的強度が大きいこと、靱性が高いこと、圧電/電歪層や電極材との反応性が小さいことから最も好適に用いられる。
【0105】
また、金属材料で構成する場合にも、前述のとおり、可撓性を有し、屈曲変形が可能な金属材料であればよいが、好ましくは、鉄系材料としては、各種ステンレス鋼、各種バネ鋼鋼材で構成することが望ましく、非鉄系材料としては、ベリリウム銅、リン青銅、ニッケル、ニッケル鉄合金で構成することが望ましい。
【0106】
前記安定化ジルコニア並びに部分安定化ジルコニアにおいては、次のように安定化並びに部分安定化されたものが好ましい。即ち、ジルコニアを安定化並びに部分安定化させる化合物としては、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、酸化セリウム、酸化カルシウム、及び酸化マグネシウムがあり、少なくともそのうちの1つの化合物を添加、含有させることにより、ジルコニアは部分的にあるいは完全に安定することになるが、その安定化は、1種類の化合物の添加のみならず、それら化合物を組み合わせて添加することによっても、目的とするジルコニアの安定化は可能である。
【0107】
なお、それぞれの化合物の添加量としては、酸化イットリウムや酸化イッテルビウムの場合にあっては、1〜30モル%、好ましくは1.5〜10モル%、酸化セリウムの場合にあっては、6〜50モル%、好ましくは8〜20モル%、酸化カルシウムや酸化マグネシウムの場合にあっては、5〜40モル%、好ましくは5〜20モル%とすることが望ましいが、その中でも特に酸化イットリウムを安定化剤として用いることが好ましく、その場合においては、1.5〜10モル%、更に好ましくは2〜4モル%とすることが望ましい。また、焼結助剤等の添加物としてアルミナ、シリカ、遷移金属酸化物等を0.05〜20wt%の範囲で添加することが可能であるが、圧電/電歪素子24a及び24bの形成手法として、膜形成法による焼成一体化を採用する場合は、アルミナ、マグネシア、遷移金属酸化物等を添加物として添加することも好ましい。
【0108】
なお、機械的強度と安定した結晶相が得られるように、ジルコニアの平均結晶粒子径を0.05〜3μm、好ましくは0.05〜1μmとすることが望ましい。また、上述のように、薄板部16a及び16bについては、可動部20並びに固定部22と同様のセラミックスを用いることができるが、好ましくは、実質的に同一の材料を用いて構成することが、接合部分の信頼性、圧電/電歪デバイス10Aの強度、製造の煩雑さの低減を図る上で有利である。
【0109】
圧電/電歪素子24a及び24bは、少なくとも圧電/電歪層26と、該圧電/電歪層26に電界をかけるための一対の電極28及び30を有するものであり、ユニモルフ型、バイモルフ型等の圧電/電歪素子を用いることができるが、薄板部16a及び16bとの組合せに係るユニモルフ型の方が、発生する変位量の安定性に優れ、軽量化に有利であるため、このような圧電/電歪デバイス10Aに適している。
【0110】
例えば、図1に示すように、一方の電極28、圧電/電歪層26及び他方の電極30が層状に積層された圧電/電歪素子等を好適に用いることができるほか、図6〜図10に示すように、多段構成にしてもよい。
【0111】
前記圧電/電歪素子24a及び24bは、図1に示すように、圧電/電歪デバイス10Aの外面側に形成する方が薄板部16a及び16bをより大きく駆動させることができる点で好ましいが、使用形態などに応じて、圧電/電歪デバイス10Aの内面側、即ち、孔部12の内壁面に形成してもよく、圧電/電歪デバイス10Aの外面側、内面側の双方に形成してもよい。
【0112】
圧電/電歪層26には、圧電セラミックスが好適に用いられるが、電歪セラミックスや強誘電体セラミックス、あるいは反強誘電体セラミックスを用いることも可能である。但し、この圧電/電歪デバイス10Aをハードディスクドライブの磁気ヘッドの位置決め等に用いる場合は、可動部20の変位量と駆動電圧又は出力電圧とのリニアリティが重要とされるため、歪み履歴の小さい材料を用いることが好ましく、抗電界が10kV/mm以下の材料を用いることが好ましい。
【0113】
具体的な材料としては、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、マンガンタングステン酸鉛、コバルトニオブ酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸ナトリウムビスマス、ニオブ酸カリウムナトリウム、タンタル酸ストロンチウムビスマス等を単独であるいは混合物として含有するセラミックスが挙げられる。
【0114】
特に、高い電気機械結合係数と圧電定数を有し、圧電/電歪層26の焼結時における薄板部(セラミックス)16a及び16bとの反応性が小さく、安定した組成のものが得られる点において、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、及びマグネシウムニオブ酸鉛を主成分とする材料、もしくはチタン酸ナトリウムビスマスを主成分とする材料が好適に用いられる。
【0115】
更に、前記材料に、ランタン、カルシウム、ストロンチウム、モリブデン、タングステン、バリウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガン、セリウム、カドミウム、クロム、コバルト、アンチモン、鉄、イットリウム、タンタル、リチウム、ビスマス、スズ等の酸化物等を単独で、もしくは混合したセラミックスを用いてもよい。
【0116】
例えば、主成分であるジルコン酸鉛とチタン酸鉛及びマグネシウムニオブ酸鉛に、ランタンやストロンチウムを含有させることにより、抗電界や圧電特性を調整可能となる等の利点が得られる場合がある。
【0117】
なお、シリカ等のガラス化し易い材料の添加は避けることが望ましい。なぜならば、シリカ等の材料は、圧電/電歪層の熱処理時に、圧電/電歪材料と反応し易く、その組成を変動させ、圧電特性を劣化させるからである。
【0118】
一方、圧電/電歪素子24a及び24bの一対の電極28及び30は、室温で固体であり、導電性に優れた金属で構成されていることが好ましく、例えばアルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、銀、スズ、タンタル、タングステン、イリジウム、白金、金、鉛等の金属単体、もしくはこれらの合金が用いられ、更に、これらに圧電/電歪層26及び/又は薄板部16a及び16bと同じ材料を分散させたサーメット材料を用いてもよい。
【0119】
圧電/電歪素子24a及び24bにおける電極28及び30の材料選定は、圧電/電歪層26の形成方法に依存して決定される。例えば薄板部16a及び16b上に一方の電極28を形成した後、該一方の電極28上に圧電/電歪層26を焼成により形成する場合は、一方の電極28には、圧電/電歪層26の焼成温度においても変化しない白金、パラジウム、白金−パラジウム合金、銀−パラジウム合金、金−パラジウム合金等の高融点金属を使用する必要があるが、圧電/電歪層26を形成した後に、該圧電/電歪層26上に形成される他方の電極30は、低温で電極形成を行うことができるため、アルミニウム、金、銀等の低融点金属を使用することができる。
【0120】
また、電極28及び30の厚みは、少なからず圧電/電歪素子24a及び24bの変位を低下させる要因ともなるため、特に圧電/電歪層26の焼成後に形成される電極28及び30には、焼成後に緻密でより薄い膜が得られる有機金属ペースト、例えば金レジネートペースト、白金レジネートペースト、銀レジネートペースト等の材料を用いることが好ましい。
【0121】
次に、第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Aの製造方法を図16A〜図18を参照しながら説明する。
【0122】
この第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Aは、各部材の構成材料をセラミックスとし、圧電/電歪デバイス10Aの構成要素として、圧電/電歪素子24a及び24bを除く基体14、即ち、薄板部16a及び16b、固定部22及び可動部20についてはセラミックグリーンシート積層法を用いて製造することが好ましく、一方、圧電/電歪素子24a及び24bをはじめとして、各端子32及び34については、薄膜や厚膜等の膜形成手法を用いて製造することが好ましい。
【0123】
圧電/電歪デバイス10Aの基体14における各部材を一体的に成形することが可能なセラミックグリーンシート積層法によれば、各部材の接合部の経時的な状態変化がほとんど生じないため、接合部位の信頼性が高く、かつ、剛性確保に有利な方法である。
【0124】
この第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Aでは、薄板部16a及び16bと固定部22との境界部分(接合部分)並びに薄板部16a及び16bと可動部20との境界部分(接合部分)は、変位発現の支点となるため、接合部分の信頼性は圧電/電歪デバイス10Aの特性を左右する重要なポイントである。
【0125】
また、以下に示す製造方法は、生産性や成形性に優れるため、所定形状の圧電/電歪デバイスを短時間に、かつ、再現性よく得ることができる。
【0126】
以下、具体的に第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Aの製造方法について説明する。ここで、定義付けをしておく。セラミックグリーンシートを積層して得られた積層体をセラミックグリーン積層体58(例えば図16B参照)と定義し、このセラミックグリーン積層体58を焼成して一体化したものをセラミック積層体60(例えば図17参照)と定義し、このセラミック積層体60から不要な部分を切除して可動部20、薄板部16a及び16b並びに固定部22が一体化されたものをセラミック基体14C(図18参照)と定義する。
【0127】
また、この製造方法においては、最終的にセラミック積層体60をチップ単位に切断して、圧電/電歪デバイス10Aを多数個取りするものであるが、説明を簡単にするために、圧電/電歪デバイス10Aの1個取りを主体にして説明する。
【0128】
まず、ジルコニア等のセラミック粉末にバインダ、溶剤、分散剤、可塑剤等を添加混合してスラリーを作製し、これを脱泡処理後、リバースロールコーター法、ドクターブレード法等の方法により、所定の厚みを有するセラミックグリーンシートを作製する。
【0129】
次に、金型を用いた打抜加工やレーザ加工等の方法により、セラミックグリーンシートを図16Aのような種々の形状に加工して、複数枚の基体形成用のセラミックグリーンシート50A、50B、52A、52B、54A、54B及び56を得る。
【0130】
これらセラミックグリーンシート50A、50B、52A、52B、54A、54B及び56は、少なくとも後に孔部12を形成する窓部110が形成された複数枚(例えば2枚)のセラミックグリーンシート50A及び50Bと、少なくとも後に孔部12を形成する窓部110と凹部102を形成する窓部112が連続形成された複数枚(例えば2枚)のセラミックグリーンシート54A及び54Bと、窓部114が形成され、少なくとも後にストッパ部材122となる例えば1枚のセラミックグリーンシート56と、後に薄板部16a及び16bとなる複数枚(例えば2枚)のセラミックグリーンシート52A及び52Bとを有する。なお、セラミックグリーンシートの枚数は、あくまでも一例である。
【0131】
その後、図16Bに示すように、セラミックグリーンシート52A及び52Bでセラミックグリーンシート50A、50B、54A、54B及び56を挟み込むようにして、かつ、セラミックグリーンシート56が中央に位置し、その上下にセラミックグリーンシート54A及び54Bが位置するように、これらセラミックグリーンシート50A、50B、52A、52B、54A、54B及び56を積層・圧着して、セラミックグリーン積層体58とした後、該セラミックグリーン積層体58を焼成してセラミック積層体60(図17参照)を得る。
【0132】
なお、積層一体化のための圧着回数や順序は限定されない。構造に応じて、例えば窓部110、112及び114の形状、セラミックグリーンシートの枚数等により所望の構造を得るように適宜決めることができる。
【0133】
窓部110、112及び114の形状は、すべて同一である必要はなく、所望の機能に応じて決定することができる。また、セラミックグリーンシートの枚数、各セラミックグリーンシートの厚みも特に限定されない。
【0134】
圧着は、熱を加えることで、より積層性を向上させることができる。また、セラミック粉末(セラミックグリーンシートに使用されたセラミックスと同一又は類似した組成であると、信頼性確保の点で好ましい)、バインダを主体としたペースト、スラリー等をセラミックグリーンシート上に塗布、印刷して、接合補助層とすることで、セラミックグリーンシート界面の積層性を向上させることができる。なお、セラミックグリーンシート52A及び52Bが薄い場合には、プラスチックフィルム、中でも表面にシリコーン系の離型剤をコーティングしたポリエチレンテレフタレートフィルムを用いて取り扱うことが好ましい。
【0135】
次に、図17に示すように、前記セラミック積層体60の両表面、即ち、セラミックグリーンシート52A及び52Bが積層された表面に相当する表面にそれぞれ圧電/電歪素子24a及び24bを形成する。圧電/電歪素子24a及び24bの形成法としては、スクリーン印刷法、ディッピング法、塗布法、電気泳動法等の厚膜形成法や、イオンビーム法、スパッタリング法、真空蒸着、イオンプレーティング法、化学気相成長法(CVD)、めっき等の薄膜形成法を用いることができる。
【0136】
このような膜形成法を用いて圧電/電歪素子24a及び24bを形成することにより、接着剤を用いることなく、圧電/電歪素子24a及び24bと薄板部16a及び16bとを一体的に接合、配設することができ、信頼性、再現性を確保できると共に、集積化を容易にすることができる。
【0137】
この場合、厚膜形成法により圧電/電歪素子24a及び24bを形成することが好ましい。特に、圧電/電歪層26の形成において厚膜形成法を用いれば、平均粒径0.01〜5μm、好ましくは0.05〜3μmの圧電セラミックスの粒子、粉末を主成分とするペーストやスラリー、又はサスペンションやエマルジョン、ゾル等を用いて膜化することができ、それを焼成することによって良好な圧電/電歪特性を得ることができるからである。
【0138】
なお、電気泳動法は、膜を高い密度で、かつ、高い形状精度で形成できるという利点がある。また、スクリーン印刷法は、膜形成とパターン形成とを同時にできるため、製造工程の簡略化に有利である。
【0139】
具体的に、圧電/電歪素子24a及び24bの形成について説明する。まず、セラミックグリーン積層体58を1200℃〜1600℃の温度で焼成、一体化してセラミック積層体60を得た後、該セラミック積層体60の両表面の所定位置に一方の電極28を印刷、焼成し、次いで、圧電/電歪層26を印刷、焼成し、更に、他方の電極30を印刷、焼成して圧電/電歪素子24a及び24bを形成する。その後、各電極28及び30を駆動回路に電気的に接続するための端子32及び34を印刷、焼成する。
【0140】
ここで、一方の電極28として白金(Pt)、圧電/電歪層26としてジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、他方の電極30として金(Au)、更に、端子32及び34として銀(Ag)というように、各部材の焼成温度が積層順に従って低くなるように材料を選定すると、ある焼成段階において、それより以前に焼成された材料の再焼結が起こらず、電極材等の剥離や凝集といった不具合の発生を回避することができる。
【0141】
なお、適当な材料を選択することにより、圧電/電歪素子24a及び24bの各部材と端子32及び34を逐次印刷して、1回で一体焼成することも可能であり、圧電/電歪層26を形成した後に低温で各電極30等を設けることもできる。
【0142】
また、圧電/電歪素子24a及び24bの各部材と端子32及び34は、スパッタ法や蒸着法等の薄膜形成法によって形成してもよく、この場合には、必ずしも熱処理を必要としない。
【0143】
圧電/電歪素子24a及び24bの形成においては、セラミックグリーン積層体58の両表面、即ち、セラミックグリーンシート52A及び52Bの各表面に予め圧電/電歪素子24a及び24bを形成しておき、該セラミックグリーン積層体58と圧電/電歪素子24a及び24bとを同時に焼成することも好ましく行われる。同時焼成にあたっては、セラミックグリーン積層体58と圧電/電歪素子24a及び24bのすべての構成膜に対して焼成を行うようにしてもよく、一方の電極28とセラミックグリーン積層体58とを同時焼成したり、他方の電極30を除く他の構成膜とセラミックグリーン積層体58とを同時焼成する方法等が挙げられる。
【0144】
圧電/電歪素子24a及び24bとセラミックグリーン積層体58とを同時焼成する方法としては、スラリー原料を用いたテープ成形法等によって圧電/電歪層26の前駆体を成形し、この焼成前の圧電/電歪層26の前駆体をセラミックグリーン積層体58の表面上に熱圧着等で積層し、同時に焼成して可動部20、薄板部16a及び16b、圧電/電歪層26、固定部22とを同時に作製する方法が挙げられる。但し、この方法では、上述した膜形成法を用いて、セラミックグリーン積層体58の表面及び/又は圧電/電歪層26に予め電極28を形成しておく必要がある。
【0145】
その他の方法としては、セラミックグリーン積層体58の少なくとも最終的に薄板部16a及び16bとなる部分にスクリーン印刷により圧電/電歪素子24a及び24bの各構成層である電極28及び30、圧電/電歪層26を形成し、同時に焼成することが挙げられる。
【0146】
圧電/電歪素子24a及び24bの構成膜の焼成温度は、これを構成する材料によって適宜決定されるが、一般には、500℃〜1500℃であり、圧電/電歪層26に対しては、好ましくは1000℃〜1400℃である。この場合、圧電/電歪層26の組成を制御するためには、圧電/電歪層26の材料の蒸発源の存在下に焼結することが好ましい。なお、圧電/電歪層26とセラミックグリーン積層体58を同時焼成する場合には、両者の焼成条件を合わせることが必要である。圧電/電歪素子24a及び24bは、必ずしもセラミック積層体60もしくはセラミックグリーン積層体58の両面に形成されるものではなく、片面のみでももちろんよい。
【0147】
次に、上述のようにして、圧電/電歪素子24a及び24bが形成されたセラミック積層体60のうち、不要な部分を切除する。切除する位置は、セラミック積層体60の側部、特に、該切除によってセラミック積層体60の側面に窓部110による孔部12が形成される箇所(切断線C1及びC2参照)である。
【0148】
切除の方法としては、ダイシング加工、スライシング加工、ワイヤソー加工等の機械加工のほか、YAGレーザ、エキシマレーザ等のレーザ加工や電子ビーム加工を適用することが可能である。
【0149】
この切除によって、図18に示すように、セラミック基体14Cに圧電/電歪素子24a及び24bが形成され、更に、前記可動部20の内壁20aに凹部102が形成され、前記固定部22に先端部104aが前記凹部102に入り込むストッパ部材104が形成された圧電/電歪デバイス10Aを得る。
【0150】
この製造方法においては、セラミック積層体60から不要な部分を切除したと同時に、セラミック基体14Cに圧電/電歪素子24a及び24bが形成され、更に、前記可動部20の内壁20aに凹部102が形成され、前記固定部22に先端部104aが前記凹部102に入り込むストッパ部材104が形成された圧電/電歪デバイス10Aを得ることができるため、製造工程の簡略化を図ることができると共に、圧電/電歪デバイス10Aの歩留まりを向上させることができる。
【0151】
特に、前記セラミック積層体60のうち、不要な部分を切除する際において、例えば機械加工によって切除する場合には、薄板部16a及び16bを振動(振幅)させる何らかの応力が薄板部16a及び16bにかかり、場合によっては、その振動によって薄板部16a及び16bが破損するおそれがある。しかし、本実施の形態では、前記ストッパ部材104を設けるようにしているため、切除時の振動(振幅)が制限され、圧電/電歪デバイス10Aの生産性を向上させることができる。
【0152】
上述の第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10A並びに各種変形例10Aa〜10Aiにおいては、機構100の構成として、可動部20の内壁20aに形成された凹部102と、固定部22の内壁22aに設けられ、先端部104aが前記凹部102内に入り込んだストッパ部材104とを有するようにしたが、その他、図19に示す第10の変形例に係る圧電/電歪デバイス10Ajのように、固定部22の内壁22aに凹部102を形成し、前記可動部20の内壁20aに前記ストッパ部材104を形成して、前記機構100を構成するようにしてもよい。
【0153】
この場合も、可動部20や薄板部16a及び16bに対して、該可動部20や薄板部16a及び16bを大きく振動(振幅)させるような外力等が加わっても、前記機構100により可動部20や薄板部16a及び16bの振動(振幅)が制限され、その結果、薄板部16a及び16bの破損等を防止することができる。この場合、薄板部16a及び16bの厚みを厚くする必要がないため、変位特性や応答特性等のデバイス特性を低下させることがない。
【0154】
次に、第2の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Bについて図20を参照しながら説明する。第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10A並びに各種変形例10Aa〜10Aiと対応する部材については同符号を付してその重複説明を省略する。
【0155】
この第2の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Bは、図20に示すように、第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Aとほぼ同様の構成を有するが、薄板部16a及び16bの振幅を制限する機構100が、固定部22の内壁22aに設けられた2本の緩衝部材120a及び120bと、可動部20の内壁20aに設けられ、先端部122aが前記2本の緩衝部材120a及び120b間に入り込んだストッパ部材122とを有して構成されている点で異なる。
【0156】
この場合も、前記ストッパ部材122の先端部122aから可動部20の変位方向に沿った前記緩衝部材120a又は120bまでの最短距離が、可動部20や薄板部16a及び16bの振幅の許容限界以下であることが好ましい。
【0157】
この第2の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Bにおいては、ストッパ部材122の先端部122aが緩衝部材120a又は120bに当たることによって、可動部20や薄板部16a及び16bの振動(振幅)が制限されることになる。特に、緩衝部材120a及び120bの高さと厚みによるアスペクト比を適宜調整することで、弾力性を持たせることができ、ストッパ部材122が緩衝部材120a及び120bに当たることによる衝撃を吸収することができる。
【0158】
なお、図21に示す変形例に係る圧電/電歪デバイス10Baのように、可動部20の内壁20aに2本の緩衝部材120a及び120bを設け、固定部22の内壁22aに前記ストッパ部材122を設けるようにしてもよい。
【0159】
次に、第3の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Cについて図22を参照しながら説明する。第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10A並びに各種変形例10Aa〜10Aiと対応する部材については同符号を付してその重複説明を省略する。
【0160】
この第3の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Cは、図22に示すように、第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Aとほぼ同様の構成を有するが、薄板部16a及び16bの振幅を制限する機構100が、固定部22の内壁22aから孔部12内に向かって形成された張出し部130を有して構成され、張出し部130から前記薄板部16a及び16bまでの最短距離Liが該薄板部16a及び16bの振幅の許容限界以下に設定されている点で異なる。
【0161】
ここで、許容限界とは、薄板部16a及び16bと可動部20との接合部分並びに薄板部16a及び16bと固定部22との接合部分にかかる応力が最大のとき(破壊しない最大値)の薄板部16a及び16bの振幅をいう。
【0162】
この第3の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Cにおいては、可動部20や薄板部16a及び16bの振動(振幅)がその許容限界以下となるため、薄板部16a及び16bの破損等を有効に防止することができる。特に、この構成の場合においては、薄板部16a及び16bに直接(集中した)外力が加わったときにも、薄板部16a及び16bを破損に導く振動(振幅)が効果的に制限される構造のため、薄板部16a及び16bの破損防止に有効である。
【0163】
上述の例では、一対の薄板部16a及び16bに圧電/電歪素子24a及び24bを形成した例を示したが、その他、図23に示す第4の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Dのように、一方の薄板部16aに圧電/電歪素子24aを形成するようにしてもよい。
【0164】
このように、相対向する一対の薄板部16a及び16bの片側の薄板部16aのみに圧電/電歪素子24aを形成した圧電/電歪デバイス10Dは、圧電/電歪素子24bが形成されていない薄板部16bの剛性を小さくすることができる。
【0165】
その結果、両側に圧電/電歪素子24a及び24bが形成されている圧電/電歪デバイス(例えば図8に示す圧電/電歪デバイス10Ag)と、片側のみに圧電/電歪素子24aが形成された圧電/電歪デバイス10Dとを、1つの圧電/電歪素子24aを駆動して得られる変位の大きさで比較すると、片側のみに圧電/電歪素子24aが形成された圧電/電歪デバイス10Dの方が、対向する側の薄板部16bの剛性が低いという効果から、より大きな変位が得られるという特徴がある。
【0166】
上述の第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10A並びに各種変形例10Aa〜10Aiにおいては、ストッパ部材104として板状のものを設けた例を示したが、その他、図24の第5の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Eに示すように、段差140を有するものにしてもよい。即ち、第5の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Eのストッパ部材104は、第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Aのストッパ部材104と第3の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Cの張出し部130とを組み合わせた構成となっており、X軸方向の厚みが大とされた厚肉部142の上部中央にX軸方向の厚みが小とされた薄肉部144が一体に形成された構成を有する。薄肉部144の先端部104aは、可動部20の内壁20aに設けられた凹部102内に入り込んだ形となっている。なお、厚肉部142から前記薄板部16a及び16bまでの最短距離Li並びに凹部102内に入り込んだ薄肉部144の先端部104aから可動部20の変位方向に沿った前記凹部102の内壁102aまでの最短距離Lcは、該薄板部16a及び16bの振幅の許容限界以下に設定されている。
【0167】
この場合、圧電/電歪デバイス10Eは、その側面(X軸方向)からの外力に対して総合的に強くなるため、可動部20並びに薄板部16a及び16bに外力が加わった場合における耐衝撃性を更に向上させることができる。
【0168】
また、上述の第2の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Bにおいては、緩衝部材120a及び120bとしてそれぞれ薄肉の板状のものを設けた例を示したが、その他、図25の第6の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Fに示すように、厚肉の板状とし、各緩衝部材120a及び120bから前記薄板部16a及び16bまでの最短距離Li並びにストッパ部材122の先端部122aから可動部20の変位方向に沿った各緩衝部材120a及び120bまでの最短距離Lcが該薄板部16a及び16bの振幅の許容限界以下に設定されたものを設けるようにしてもよい。
【0169】
この場合も、圧電/電歪デバイス10Fは、その側面(X軸方向)からの外力に対して総合的に強くなるため、可動部20並びに薄板部16a及び16bに外力が加わった場合における耐衝撃性を更に向上させることができる。
【0170】
この第6の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Fの構造は、図19に示す第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Aの第10の変形例(10Aj)や、図21に示す第2の実施の形態に係る圧電/電歪デバイス10Bの変形例(10Ba)にも適用させることができる。
【0171】
なお、図19や図21に示すように、可動部20にストッパ部材104や緩衝部材120a及び120bを有するものについては、可動部20の質量が増加するため、アクチュエータとして使用した場合、その応答性が若干低下することになるが、加速度センサ等の慣性質量を利用するセンサ等に使用した場合は、検出感度の向上に有効である。
【0172】
上述した種々の圧電/電歪デバイスによれば、各種トランスデューサ、各種アクチュエータ、周波数領域機能部品(フィルタ)、トランス、通信用や動力用の振動子や共振子、発振子、ディスクリミネータ等の能動素子のほか、超音波センサや加速度センサ、角速度センサや衝撃センサ、質量センサ等の各種センサ用のセンサ素子として利用することができ、特に、光学機器、精密機器等の各種精密部品等の変位や位置決め調整、角度調整の機構に用いられる各種アクチュエータに好適に利用することができる。
【0173】
なお、この発明に係る圧電/電歪デバイス及びその製造方法は、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0174】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る圧電/電歪デバイス及びその製造方法によれば、変位特性、応答特性等のデバイス特性が低下することなく、外力に対する耐衝撃性が大きく、ハンドリングが容易であると共に、大変位の発生並びに高速応答が可能で、機械的強度が高く、有害な振動の影響を受け難く、耐湿性に優れた変位素子、並びに可動部の振動を精度よく検出することが可能なセンサ素子を得ることができる。
【0175】
また、製造時の不要な振動に伴う不良の発生を抑制することができ、圧電/電歪デバイスの生産性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの構成を示す斜視図である。
【図2】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの第1の変形例を示す斜視図である。
【図3】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの第2の変形例を示す斜視図である。
【図4】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの第3の変形例を示す斜視図である。
【図5】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの第4の変形例を示す斜視図である。
【図6】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの第5の変形例を示す斜視図である。
【図7】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの第6の変形例を示す斜視図である。
【図8】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの第7の変形例を示す斜視図である。
【図9】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの第8の変形例を示す斜視図である。
【図10】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの第9の変形例を示す斜視図である。
【図11】圧電/電歪素子の他の例を一部省略して示す斜視図である。
【図12】圧電/電歪素子の更に他の例を一部省略して示す斜視図である。
【図13】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスにおいて、圧電/電歪素子が共に変位動作を行っていない場合を示す説明図である。
【図14】図14Aは一方の圧電/電歪素子に印加される電圧波形を示す波形図であり、図14Bは他方の圧電/電歪素子に印加される電圧波形を示す波形図である。
【図15】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスにおいて、圧電/電歪素子が変位動作を行った場合を示す説明図である。
【図16】図16Aは第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの製造方法において、必要なセラミックグリーンシートの積層過程を示す説明図であり、図16Bはセラミックグリーン積層体とした状態を示す説明図である。
【図17】前記製造方法において、セラミックグリーン積層体を焼成したセラミック積層体とした後、該セラミック積層体に圧電/電歪素子を形成した状態を示す説明図である。
【図18】前記製造方法において、セラミック積層体を所定の切断線に沿って切断して、第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスとした状態を示す説明図である。
【図19】第1の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの第10の変形例を示す斜視図である。
【図20】第2の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの構成を示す斜視図である。
【図21】第2の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの変形例を示す斜視図である。
【図22】第3の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの構成を示す斜視図である。
【図23】第4の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの構成を示す斜視図である。
【図24】第5の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの構成を示す斜視図である。
【図25】第6の実施の形態に係る圧電/電歪デバイスの構成を示す斜視図である。
【図26】従来例に係る圧電/電歪デバイスを示す構成図である。
【符号の説明】
10A、10Aa〜10Aj、10B、10Ba、10C、10D、10E、10F…圧電/電歪デバイス
12…孔部 14…基体
16a、16b…薄板部 20…可動部
20a…内壁 22…固定部
22a…内壁 24a、24b…圧電/電歪素子
26…圧電/電歪層 28…一方の電極
30…他方の電極
50A、50B、52A、52B、54A、54B、56…セラミックグリーンシート
58…セラミックグリーン積層体 60…セラミック積層体
100…機構 102…凹部
104…ストッパ部材 120a、120b…緩衝部材
122…ストッパ部材 122a…先端部
130…張出し部
Claims (15)
- 矩形体である固定部と、前記固定部の一面の相対向する端部に設けられた相対向する一対の矩形板状の薄板部と、前記薄板部の前記固定部が設けられるのと対向する端に、矩形体状の可動部とを有し、
前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に1以上の圧電/電歪素子が配設され、
前記一対の薄板部の相対向する内壁と前記可動部の前記固定部と対向する内壁と前記固定部の前記可動部の前記内壁と対向する内壁とにより孔部が形成された圧電/電歪デバイスであって、
前記薄板部の振幅を制限する機構を有することを特徴とする圧電/電歪デバイス。 - 請求項1記載の圧電/電歪デバイスにおいて、
前記機構は、
前記可動部の前記内壁に形成された凹部と、
前記固定部の前記内壁に設けられ、先端部が前記凹部内に入り込んだストッパ部材とを有することを特徴とする圧電/電歪デバイス。 - 請求項1記載の圧電/電歪デバイスにおいて、
前記機構は、
前記固定部の前記内壁に形成された凹部と、
前記可動部の前記内壁に設けられ、先端部が前記凹部内に入り込んだストッパ部材とを有することを特徴とする圧電/電歪デバイス。 - 請求項2又は3記載の圧電/電歪デバイスにおいて、
前記ストッパ部材の先端部から前記可動部の変位方向に沿った前記凹部の内壁までの最短距離が、前記薄板部の振幅の許容限界以下であることを特徴とする圧電/電歪デバイス。 - 請求項1記載の圧電/電歪デバイスにおいて、
前記機構は、
前記固定部の前記内壁に設けられた2本の緩衝部材と、
前記可動部の前記内壁に設けられ、先端部が前記2本の緩衝部材間に入り込んだストッパ部材とを有することを特徴とする圧電/電歪デバイス。 - 請求項1記載の圧電/電歪デバイスにおいて、
前記機構は、
前記可動部の前記内壁に設けられた2本の緩衝部材と、
前記固定部の前記内壁に設けられ、先端部が前記2本の緩衝部材間に入り込んだストッパ部材とを有することを特徴とする圧電/電歪デバイス。 - 請求項5又は6記載の圧電/電歪デバイスにおいて、
前記ストッパ部材の先端部から前記可動部の変位方向に沿った前記緩衝部材までの最短距離が、前記薄板部の振幅の許容限界以下であることを特徴とする圧電/電歪デバイス。 - 請求項1記載の圧電/電歪デバイスにおいて、
前記機構は、前記固定部の前記内壁から前記孔部内に向かって形成された張出し部を有し、
前記張出し部から前記薄板部までの最短距離が該薄板部の振幅の許容限界以下であることを特徴とする圧電/電歪デバイス。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、
前記薄板部、前記可動部、前記固定部及び前記機構は、セラミックグリーン積層体を同時焼成することによって一体化し、更に不要な部分を切除してなるセラミック基体で構成されていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。 - 請求項9記載の圧電/電歪デバイスにおいて、
前記圧電/電歪素子は膜状であって、焼成によって前記セラミック基体に一体化されていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。 - 請求項1〜10のいずれか1項に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、
前記圧電/電歪素子は、
圧電/電歪層と、該圧電/電歪層に形成された一対の電極とを有することを特徴とする圧電/電歪デバイス。 - 請求項11記載の圧電/電歪デバイスにおいて、
前記圧電/電歪素子は、
前記圧電/電歪層と前記一対の電極を複数の積層形態で構成されていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。 - 請求項1〜12のいずれか1項に記載の圧電/電歪デバイスにおいて、
前記孔部にゲル状の材料が充填されていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。 - 矩形体である固定部と、前記固定部の一面の相対向する端部に設けられた相対向する一対の矩形板状の薄板部と、前記薄板部の前記固定部が設けられるのと対向する端に、矩形体状の可動部とを有し、
前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に1以上の圧電/電歪素子が配設され、
前記一対の薄板部の相対向する内壁と前記可動部の前記固定部と対向する内壁と前記固定部の前記可動部の前記内壁と対向する内壁とにより孔部が形成された圧電/電歪デバイスの製造方法であって、
少なくとも前記薄板部上に前記圧電/電歪素子を作製した後に、所定部位を切除して、前記薄板部の振幅を制限する機構が設けられた圧電/電歪デバイスを作製することを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。 - 矩形体である固定部と、前記固定部の一面の相対向する端部に設けられた相対向する一対の矩形板状の薄板部と、前記薄板部の前記固定部が設けられるのと対向する端に、矩形体状の可動部とを有し、
前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に1以上の圧電/電歪素子が配設され、
前記一対の薄板部の相対向する内壁と前記可動部の前記固定部と対向する内壁と前記固定部の前記可動部の前記内壁と対向する内壁とにより孔部が形成された圧電/電歪デバイスの製造方法であって、
少なくとも後に少なくとも前記孔部を形成するための窓部を有するセラミックグリーンシートと、後に前記薄板部の振幅を制限する機構を形成するためのセラミックグリーンシートと、後に前記薄板部となるセラミックグリーンシートとを含むセラミックグリーン積層体を一体焼成して、セラミック積層体を作製するセラミック積層体作製工程と、
前記セラミック積層体のうち、前記薄板部となる部分の外表面に前記圧電/電歪素子を形成する工程と、
前記圧電/電歪素子が形成されたセラミック積層体に対する少なくとも1回の切除処理によって、前記薄板部の振幅を制限する機構が設けられた圧電/電歪デバイスを作製する切除工程とを含むことを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。
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