JPH07129244A - 微動機構 - Google Patents

微動機構

Info

Publication number
JPH07129244A
JPH07129244A JP5274078A JP27407893A JPH07129244A JP H07129244 A JPH07129244 A JP H07129244A JP 5274078 A JP5274078 A JP 5274078A JP 27407893 A JP27407893 A JP 27407893A JP H07129244 A JPH07129244 A JP H07129244A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
movement mechanism
fine movement
parallel spring
expansion
mechanism according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5274078A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiko Miyazaki
俊彦 宮▲崎▼
Akira Kuroda
亮 黒田
Toshimitsu Kawase
俊光 川瀬
Masahiro Tagawa
昌宏 多川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP5274078A priority Critical patent/JPH07129244A/ja
Publication of JPH07129244A publication Critical patent/JPH07129244A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Micromachines (AREA)
  • Control Of Position Or Direction (AREA)
  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 相互干渉のない薄型で小型化に適している微
動機構を提供する。 【構成】 微動機構1は、2つの固定部12a,12b
と2つの弾性変形部13a,13bとからなる枠部と、
該枠部の中央に位置する可動部10と、この可動部10
を案内するための4つの板ばね11a,11b,11
c,11dと、可動部10を駆動するためのの2つの駆
動用伸縮素子14a,14bとから構成されている。す
なわち、微動機構1の基本構成は、可動部10が4本の
同形の板ばね11a,11b,11c,11dにより、
固定部12a,12bに対して、第1の方向(矢印X方
向)に案内されて支持される、一体型平行ばね機構であ
る。この一体型平行ばね機構は、シリコンの単結晶基板
を結晶軸異方性エッチングすることにより形成したもの
であり、駆動用伸縮素子14a,14bとして、100
Vの印加電圧で約3μmの伸び変化をする積層型圧電素
子を使用した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微動機構に関するもの
であり、特に、走査型トンネル顕微鏡及びその応用装置
等の走査機構や精密位置決めなどに用いられる微動機構
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年において、導体の表面原子の電子構
造を直接観察できる走査型トンネル顕微鏡(以下、ST
Mと略す)が開発され、広範囲な応用が期待されてい
る。また、STM技術を応用した原子間力顕微鏡が開発
され、絶縁性の試料に対しても原子オーダーの観測がで
きるようになってきた。これらの新しい顕微鏡は、走査
型プローブ顕微鏡(SPMと略す)と総称され、様々な
応用が考えられている。特に、記録媒体中に高分解で情
報を書込む記録装置、また記録媒体中に書込まれた情報
を高分解能で読み出す再生装置としての応用が進められ
ている。
【0003】このようにSTM技術を応用した装置で
は、プローブと記録媒体とを1nm程度まで近付けるた
め、高度な精密制御技術が必要とされている。
【0004】このSPMの従来技術において、探針と試
料表面の観察場所とを相対的に移動させるための機構と
して、円筒型の圧電アクチュエータ(図8参照)やバイ
モルフを用いたステージ(図9参照)などが用いられて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、円筒型
圧電アクチュエータをSPMなどの走査機構に用いる場
合には、以下に記述するような問題点がある。 (1)アクチュエータ先端が円弧状の変位をし、通常先
端に固定されているプローブと試料面のなす角度が一定
でなくなるため、得られる画像のS/Nが悪化する。 (2)また、分割電極を精密に製作できないため、XY
方向(面内)の動きが相互干渉する。 (3)さらに、円筒型圧電アクチュエータはその寸法が
軸方向に長くなり、またアクチュエータの中側は空洞で
あるため、スペース効率が悪い、すなわち、小型化に不
適当である。
【0006】一方、バイモルフを用いたステージSPM
などの走査機構に使用する場合には、以下の問題点があ
る。 (1)ステージ構成から可動部の質量が大きくなるた
め、固有振動が低くなり、走査速度が早くできない。 (2)また、可動部にX方向、Y方向の機構が接続され
ているため、XY(面内)方向の動きが干渉する。 (3)さらに、構造が大きくなるため、SPM装置全体
の小型化には不適当である。
【0007】本発明は、上記従来技術の有する問題点に
鑑みてなされたものであり、相互干渉のない薄型で小型
化に適している微動機構を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、第1の可動部を第1の方向に案内する第1
の一体型平行ばねと、前記第1の可動部を前記第1の方
向に駆動する第1の伸縮素子と、第2の可動部を第2の
方向に案内する第2の一体型平行ばねと、前記第2の可
動部を前記第2の方向に駆動する第2の伸縮素子とから
構成され、前記第1の可動部と前記第2の可動部とが相
対的に二次元を可動とするように、配置したことを特徴
とするものである。
【0009】また、前記一体型平行ばねが単結晶材料か
らなるものや、シリコン単結晶材料からなるものや、異
方性エッチングにより製作されているものとすることが
できる。
【0010】さらに、前記一体型平行ばねのばね部分が
板ばねにより構成されている。
【0011】そして、前記一体型平行ばねと前記伸縮素
子に設けた位置決め手段により該伸縮手段が該一体型平
行ばねに位置決めされている。
【0012】また、前記位置決め手段が凹凸の組合せで
ある。
【0013】さらに、前記一体型平行ばねに設けられた
弾性部材により前記伸縮素子に予荷重を加える構成にな
っている。
【0014】そして、前記伸縮素子が電歪素子である。
【0015】また、前記一体型平行ばねは一対の伸縮素
子を備え、一方の伸縮素子を伸ばして他方の伸縮素子を
縮めるように電圧を印加することで、可動部を伸縮素子
の駆動範囲で駆動する構成のものである。
【0016】
【作用】上記のとおりに構成された本発明では、第1の
方向及び第2の方向の各々の可動部に対応して駆動機構
が各々接続されているので、XY(面内)方向の動きの
干渉が発生せず、また、ステージ構成でないため、質量
も大きくならない。また、可動部の運動が直線状に変位
するため、プローブと試料面のなす角度を一定に保持で
きる。
【0017】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0018】図1は本発明の微動機構の一実施例の特徴
を最も表わす図面であり、微動機構の平面図を示してい
る。
【0019】図1に示すように、微動機構1は、2つの
固定部12a,12bと2つの弾性変形部13a,13
bとからなる枠部と、該枠部の中央に位置する可動部1
0と、この可動部10を案内するための4つの板ばね1
1a,11b,11c,11dと、可動部10を駆動す
るためのの2つの駆動用伸縮素子14a,14bとから
構成されている。
【0020】すなわち、微動機構1の基本構成は、可動
部10が4本の同形の板ばね11a,11b,11c,
11dにより、固定部12a,12bに対して、第1の
方向(矢印X方向)に案内されかつ支持される、一体型
平行ばね機構である。一対の駆動用伸縮素子14a,1
4bは可動部10を第1の方向に駆動するためのもので
ある。この一体型平行ばね機構は、シリコンの単結晶基
板を結晶軸異方性エッチングすることにより形成したも
のであり、駆動用伸縮素子14a,14bは、100V
の印加電圧で約3μmの伸び変化をする積層型圧電素子
を使用した。
【0021】微動機構1の可動部10の駆動方法につい
ては、先ず、図示右側の駆動用伸縮素子14bに100
Vの電圧を、図示左側の駆動用伸縮素子14aに0Vの
電圧をそれぞれ印加し、次に、図示右側の駆動用伸縮素
子14bに0Vの電圧を、図示左側の駆動用伸縮素子1
4aに100Vの電圧をそれぞれ印加することで、可動
部10が図示右方向に約3μm動く。このように左右の
駆動用伸縮素子14a,14bに加える電圧を、片側の
駆動用伸縮素子を伸ばして反対側の駆動用伸縮素子を縮
めるように印加することで、可動部10を駆動用伸縮素
子14a,14bの駆動範囲で動かすことができる。
【0022】本実施例による一体型平行ばね機構の作製
工程は、先ず、両面研磨したn型シリコン(100)基
板に、マスク層となる窒化シリコンをCVD法にて50
nm成膜し、一体型平行ばね機構の構成部分を残すよう
に基板表面のマスク層をパターニングした後、基板表面
の窒化シリコン膜をCF4ガスを用いたドライエッチン
グによりエッチングし、80℃に加熱した濃度30%の
水酸化カリウム水溶液にてシリコン基板をエッチングす
る。この結果、一体型平行ばね機構ができあがる。
【0023】図2は、本実施例の一体型平行ばね機構と
駆動用伸縮素子との関係を示すための、駆動用伸縮素子
の伸縮方向を通る断面で切った断面図である。
【0024】図2の(a)に示すように、符号10は可
動部であり、この可動部10の端面には異方性エッチン
グにより形成された位置決め手段としての山形出張り1
00が形成されている。また、弾性変形部13bの端面
にも、異方性エッチングにより形成された山形出張り1
30が形成されている。山形出張り100,130の頂
角は面方位により決まり、この場合約109.4度であ
った。駆動用伸縮素子14bの両端には、位置決め手段
としてのV字型溝140,141がそれぞれ形成され、
このV字型溝140,141は山形出張り100,13
0の頂角に合わせ約110度に加工してある。
【0025】そして、図2の(b)は、駆動用伸縮素子
14bを一体型平行ばね機構に設置した状態を示し、駆
動用伸縮素子14bのV字型溝140に山形出張り10
0を、V字型溝141に山形出張り130がそれぞれ嵌
合しており、可動部10を挟んで反対側にも同様な駆動
用伸縮素子(図1に示した駆動用駆動用素子14a)が
嵌合している。この山形出張り100,130とV字型
溝140,141の凹凸により、駆動用伸縮素子14b
は一体型平行ばね機構の所定位置に設置できる。駆動用
伸縮素子14bの伸縮方向(矢印X方向)における2つ
のV字型溝140,141の間隔は、一体型平行ばね機
構の開口部の2つの山形出張り100、130の間隔の
より短くなっている。すなわち、駆動用伸縮素子14b
には弾性変形部13bにより伸縮方向に予荷重が加えら
れていることになる。
【0026】図3は本実施例の微動機構の主要構成部品
の組立前の斜視図を示している。
【0027】図3に示すように、下方から、符号5はX
方向微動機構(図1に示した微動機構1)、符号4はY
方向可動部材、符号2はX方向可動部材、符号3はY方
向微動機構(図1に示した微動機構1と同様な微動機
構)である。各微動機構3,5は、上述の一体型平行ば
ね機構からできており、同一形状である。X方向可動部
材4をX方向微動機構5の可動部50に固定して取り付
け、固定部52a,52bを不図示のX方向粗動機構に
取り付けることで、X方向可動部材5をX方向(第1の
方向)に微動粗動できるようにする。また、Y方向可動
部材2をY方向微動機構3の可動部30に固定して取り
付け、固定部32a,32bを不図示のY方向粗動機構
に取り付けることで、Y方向可動部材2をY方向(第2
の方向)に微動粗動できるようにする。X方向可動部材
4とY方向可動部材2とを対向させ、前記X方向粗動機
構とY方向粗動機構を後述する同一フレーム(不図示)
に固定し、上述のように各駆動用伸縮素子34a,34
b,54a,54bを駆動することで、各可動部材2,
4を相対的にXY方向に微動粗動できるようにする。こ
のときの各可動部材2,4のすなわち可動部30,50
の動きは互いに独立している。
【0028】図4は本実施例の微動機構を走査機構とし
て使用した情報記録再生装置を表わす構成面である。
【0029】図4に示すように、符号6はタングステン
製の複数のプローブ電極を示し、この複数のプローブ電
極6はZ方向駆動機構20によりZ方向に駆動されると
ともにY方向微動(走査)機構3により走査・微動され
る。また、符号35はY方向微動機構3に載った複数の
プローブ電極6をY方向に粗動するY方向粗動機構であ
り、このY方向粗動機構35は斜線で示されているフレ
ーム8に固定されている。また、Y方向微動機構3の固
定部32a,32b(図3参照)がY方向粗動機構35
に固定されている。符号41はマイカをへき開して得ら
れた平滑な基板、符号42は基板41の上にAuをエピ
キタシャル成長させた下地電極、符号43は電気メモリ
ー効果を有するスクアリリウム−ビス−6−オクチルア
ズレン(以下、SOAZと略す)をLB法により8層累
積した記録層であり、これら基板41、下地電極42、
記録層43は記録媒体40を構成している。符号5は記
録媒体40をX方向に走査・微動するX方向微動(走
査)機構、符号55はX方向微動機構5に載った記録媒
体40をX方向に粗動するX方向粗動機構であり、この
X方向粗動機構55は斜線で示されているフレーム8に
固定されている。また、X方向微動機構5の固定部52
a,52b(図3参照)がX方向粗動機構55に固定さ
れている。
【0030】符号7は記録再生装置の上位装置との接続
を行うインターフェース、符号70は記録再生装置の各
ブロック間の相互動作の集中制御を行う制御回路、符号
71は書込み読み出し情報(データ)を制御回路70か
らの指示により書込んだり読み出したりする書込み読出
し回路、符号72はプローブ電極6と記録媒体40との
間にパルス状電圧を印加しデータを書込んだり、読み出
し電圧を印加する電流印加回路、符号73はプローブ電
極6と記録媒体40との間に流れる電流を増幅する電流
増幅回路、符号74は制御回路70などの指示により電
流増幅回路73や位置検出回路79の信号の基にプロー
ブ電極6や記録媒体40の位置を決定する位置決め回
路、符号75は位置決め回路74からのサーボ信号を基
にプローブ電極6や記録媒体40の相対位置をサーボす
るサーボ回路、符号76はサーボ回路75の信号に従い
プローブ電極6のZ方向駆動機構20を駆動するZ方向
駆動回路、符号77はサーボ回路75の信号に従いY方
向微動機構3とY方向粗動機構35を駆動するY方向駆
動回路、符号78はサーボ回路75の信号に従いX方向
微動機構5とX方向粗動機構55を駆動するX方向駆動
回路である。
【0031】図5はプローブ電極6をZ方向(記録媒体
表面と垂直方向)に駆動する機構の模式図である。
【0032】図5に示すように、符号6は複数のプロー
ブ電極、符号21はバイモルフ梁、符号22は配線領域
である。バイモルフ梁20の断面構成は、例えば、上電
極(Au)/絶縁膜(Si34)/圧電層(ZnO)/
絶縁膜(Si34)/中電極(Au)/絶縁膜(Si3
4)/圧電層(ZnO)/絶縁膜(Si34)/下電
極(Au)となっており、寸法が600μm×120μ
m、厚さ10μm程度のものを作製して用いた。上中下
電極に電圧を加えバイモルフとして駆動させることで、
プローブ電極6を動かすことができ、印加電圧±10V
でプローブ電極6のZ方向の変位量として約4μmが得
られる。なお、バオモルフ梁21及びプローブ電極6の
製作は、マイクロメカニクス、あるいはマイクロマシー
ニングと呼ばれている公知の方法で行った(参考文献:
K.E.Petersen,Proc.IEEE,7
0,420(1982))。
【0033】タングステン製のプローブ電極6からの信
号線はバイモルフ梁21上の配線領域22上の切り替え
回路(不図示)へ導かれ電圧印加回路72(図4参照)
や電流増幅回路73(図4参照)とつながっている。ま
た、各バイモルフ梁21の制御信号をZ方向駆動回路7
6(図4参照)から導く配線も配線領域22上に形成さ
れている。
【0034】次に、本発明に係わる記録再生装置の動作
説明を行う。
【0035】図4に示すように、先ず、プローブ電極6
は記録媒体40との接触や衝突を避けるために離れてい
るので、Z方向駆動機構20によって両者を接近させ
る。その手順は、プローブ電極6と記録媒体40の下地
電極42の間に0.1Vの読み取り電圧を電圧印加回路
72で印加して、Z方向駆動機構20を駆動して電流増
幅回路73で検出される電流が10pAになるまでプロ
ーブ電極6を記録媒体40に近付けることで行う。ここ
で、Z方向駆動機構20を保持し、プローブ電極6をY
方向微動機構3を用いてY方向へ走査し、記録媒体40
とを相互的に二次元走査できる。この状態で読み出し情
報を見たところ情報は何も入っていなかった。さらに詳
しくは、プローブ電極6と記録媒体40とを走査しなが
ら得られる、電流増幅回路73の出力値は、プローブ電
極6と記録媒体40の下地電極42との間に流れる電流
に換算して10pAの値であった。
【0036】記録は、記録媒体40とプローブ電極6を
二次元走査しながら、記録媒体40の記録領域上の書込
み位置にきたら、電圧印加回路72でパルス状電圧(パ
ルス高さ5V,パルス幅50ns)を印加して行う。こ
のパルス状電圧は電気メモリー効果を有する記録層43
がOFF(高抵抗)状態からON(低抵抗)状態に変化
するのに充分な電圧である。書込みのタイミング等は制
御回路70の制御信号による。
【0037】再生は、プローブ電極6と記録媒体40の
下地電極42の間に0.1Vの読み取り電圧を電圧印加
回路72で印加しながら、プローブ電極6と記録媒体4
0を二次元走査し、記録媒体40の記録領域上における
電流変化を電流増幅回路73で見ることで行う。さらに
詳しくは、プローブ電極6と記録媒体40を走査しなが
ら、得られる電流増幅回路73の出力値はプローブ電極
6と記録媒体40の下地電極42の間に流れる電流に換
算して、記録ビットの位置では電流増幅回路73の飽和
する100nA以上であり、その他の場所は10pAの
値であった。この電流変化は書込み読み出し回路71に
よって読み出し情報となりインターフェイス7を通して
上位装置へ伝えられる。読み出しのタイミング等は制御
回路70の制御信号による。
【0038】記録ビットの寸法は直径20nmであっ
た。上述の説明は、1本のプローブ電極で行ったが、プ
ローブ電極6からの信号を切り替える切り替え回路(不
図示)により複数のプローブ電極6からの信号をインタ
ーフェース7へ送ることができる。記録領域を変える時
は、X方向微動機構5及びY方向微動機構3のストロー
クでカバーできる場合は微動駆動し、ストロークが足り
ない場合は各々の方向の粗動機構55,35を駆動する
ことで行う。
【0039】記録層としてSOAZを例に挙げたが、電
気メモリー効果を有する材料ならば、用いることができ
る。また、記録ビットとして形状変化を用いる記録層を
使用してもよい。
【0040】本実施例で示した一体型平行ばね機構は一
例であり、例えば図6に示されるような構成でもよい。
図6に示すように、可動部10は4本の板ばね11a,
11b,11c,11dで固定部12a,12bに支持
されていることは、図1に示したものと同一であるが、
駆動用伸縮素子14aが1つしかない、一方向(矢印X
方向)へ案内される一体型平行ばね機構である。この一
体型平行ばね機構は、上述と同様にシリコンの単結晶基
板を結晶軸異方性エッチングすることにより形成でき
る。また、異方性エッチングの時間を長くすることで、
上述の山形出張りを溝形状にすることも可能であり、こ
の場合は、駆動用伸縮素子側の嵌合部を山形にすること
で構成を替えることができる。さらに、シリコンの単結
晶基板の面方位を変えることも可能である。
【0041】上記各本実施例の構成にて、可動部の質量
を小さくすることができたため、固有振動数を高くで
き、高速スキャンが可能になった。また、シリコン単結
晶の異方性エッチングで一体型平行ばね機構を製作した
が、薄型の微動機構が実現できた。また、同一形状の機
構をたくさん作製することが可能である。
【0042】(他の実施例)図7は本発明の微動機構の
他の実施例の特徴をよく表わす平面図を示している。
【0043】図7に示すように、符号90は可動部であ
り、符号91a,91b,91c,91d,91e,9
1f,91g,91hは両端円弧切り欠き形状の弾性ヒ
ンジばね、符号92a,92bは固定部、符号93a,
93bは弾性変形部、符号94a,94bは駆動用伸縮
素子である。微動機構9の基本構成は、可動部90が8
個の同形の弾性ヒンジばね91a〜91hで支持され固
定部92a,92bに対して一方向(矢印X方向)へ案
内される一体型平行ばね機構である。この一体型平行ば
ね機構は、リン青銅薄板をホトリソグラフィーを応用し
て両面からエッチングすることで製作した。
【0044】本実施例の一体型平行ばね機構と駆動用伸
縮素子との関係は、上記図2と同様である。ただし、エ
ッチングによりできた山形出張りは、単結晶シリコンを
用いたときほど精度良くは形成されない。そして、駆動
用伸縮素子の両端には山形出張りの頂角に合わせてV字
型の溝が加工してある。ここでは、100Vの印加電圧
で約3μmの伸び変位をする積層型圧電素子を使用し
た。また、駆動用伸縮素子には弾性変形部により予荷重
が加えられている。駆動方法は上述実施例と同様に、駆
動用伸縮素子の片側を縮め、反対側を伸ばすことで行
う。
【0045】この微動機構を図3と同様に、X方向可動
部とY方向可動部とがXY方向に相対的に動く構成にす
ることで、二次元走査が可能な微動機構ができた。
【0046】本実施例の一体型平行ばね機構はエッチン
グで作るので同一形状のものを多数作ることが可能であ
る。
【0047】
【発明の効果】本発明は、以上説明したとおりに構成さ
れているので、以下に記載するような効果を奏する。
【0048】従来機構と比較し、小型化(特に薄型化)
や高剛性化が実現できた。
【0049】また、駆動用伸縮素子との位置決めがエッ
チングによりできた形状により簡単にできるようにな
り、二次元微動機構の信頼性が向上する。
【0050】さらに、X方向微動機構とY方向微動機構
とを同じものを用いることができ、部品点数などの少数
化が達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の微動機構の一実施例の特徴を最も表わ
す図面であり、微動機構の平面図を示している。
【図2】本実施例の一体型平行ばね機構と駆動用伸縮素
子との関係を示すための、駆動用伸縮素子の伸縮方向を
通る断面で切った断面図であり、(a)は組立前の状態
を、(b)は組立後の状態を示している。
【図3】本実施例の微動機構の主要構成部品の組立前の
斜視図を示している。
【図4】本実施例の微動機構を使用した記録再生装置の
構成図である。
【図5】本実施例に用いたプローブZ方向駆動機構の斜
視図である。
【図6】一体型平行ばね機構の他の形態を示す平面図で
ある。
【図7】本発明の微動機構の他の実施例の一体型平行ば
ね機構を用いた、一軸の微動機構を示す平面図である。
【図8】従来の微動機構である円筒型の圧電アクチュエ
ータを示す図である。
【図9】従来の微動機構であるバイモルフを用いたステ
ージを示す図である。
【符号の説明】
1 微動機構 2 Y方向可動部材 3 Y方向微動機構 4 X方向可動部材 5 X方向微動機構 6 プローブ電極 7 インターフェース 8 フレーム 9 微動機構 10,30,50 可動部 11a,11b,11c,11d 板ばね 12a,12b,32a,32b,52a,52b
固定部 13a,13b,31a,31b,51a,51b
弾性変形部 14a,14b,34a,34b,54a,54b
駆動用伸縮素子 20 Y方向微動機構 21 バイモルフ梁 22 配線領域 35 Y方向粗動機構 40 記録媒体 41 基板 42 下地電極 43 記録層 55 X方向粗動機構 70 制御回路 71 書込み読出し回路 72 電圧印加回路 73 電流増幅回路 74 位置決め回路 75 サーボ回路 76 Z方向駆動回路 77 Y方向駆動回路 78 X方向駆動回路 79 位置検出回路 90 可動部 91a,91b,91c,91d,91e,91f,9
1g,91h 弾性ヒンジ部 92a,92b 固定部 93a,93b 弾性変形部 100,130 山形出張り 140,141 V字型溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多川 昌宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の可動部を第1の方向に案内する第
    1の一体型平行ばねと、前記第1の可動部を前記第1の
    方向に駆動する第1の伸縮素子と、第2の可動部を第2
    の方向に案内する第2の一体型平行ばねと、前記第2の
    可動部を前記第2の方向に駆動する第2の伸縮素子とか
    ら構成され、前記第1の可動部と前記第2の可動部とが
    相対的に二次元を可動とするように、配置したことを特
    徴とする微動機構。
  2. 【請求項2】 前記第1の方向と前記第2の方向とは互
    いに直交する請求項1に記載の微動機構。
  3. 【請求項3】 前記一体型平行ばねが単結晶材料からな
    る請求項1または2に記載の微動機構。
  4. 【請求項4】 前記一体型平行ばねがシリコン単結晶材
    料からなる請求項1または2に記載の微動機構。
  5. 【請求項5】 前記一体型平行ばねが異方性エッチング
    により製作されている請求項3または4に記載の微動機
    構。
  6. 【請求項6】 前記一体型平行ばねのばね部分が板ばね
    により構成されている請求項1乃至5のいずれか1項に
    記載の微動機構。
  7. 【請求項7】 前記一体型平行ばねと前記伸縮素子に設
    けた位置決め手段ににより該伸縮素子が該一体型平行ば
    ねに位置決めされている請求項1に記載の微動機構。
  8. 【請求項8】 前記位置決め手段が凹凸の組合せである
    請求項7に記載の微動機構。
  9. 【請求項9】 前記一体型平行ばねに設けられた弾性部
    材により前記伸縮素子に予荷重を加える構成になってい
    る請求項1乃至8のいずれか1項に記載の微動機構。
  10. 【請求項10】 前記伸縮素子が電歪素子である請求項
    1乃至9のいずれか1項に記載の微動機構。
  11. 【請求項11】 前記一体型平行ばねは一対の伸縮素子
    を備え、一方の伸縮素子を伸ばして他方の伸縮素子を縮
    めるように電圧を印加することで、可動部を伸縮素子の
    駆動範囲で駆動する構成のものである、請求項1乃至1
    0のいずれか1項に記載の微動機構。
JP5274078A 1993-11-02 1993-11-02 微動機構 Pending JPH07129244A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5274078A JPH07129244A (ja) 1993-11-02 1993-11-02 微動機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5274078A JPH07129244A (ja) 1993-11-02 1993-11-02 微動機構

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07129244A true JPH07129244A (ja) 1995-05-19

Family

ID=17536675

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5274078A Pending JPH07129244A (ja) 1993-11-02 1993-11-02 微動機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07129244A (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001320104A (ja) * 1999-10-01 2001-11-16 Ngk Insulators Ltd 圧電/電歪デバイス及びその製造方法
JP2001320105A (ja) * 1999-10-01 2001-11-16 Ngk Insulators Ltd 圧電/電歪デバイス及びその製造方法
JP2002299709A (ja) * 2001-03-29 2002-10-11 Kyocera Corp アクチュエータ及び噴射装置
JP2009145201A (ja) * 2007-12-14 2009-07-02 Shimadzu Corp 試験機
WO2009096205A1 (ja) * 2008-01-29 2009-08-06 Konica Minolta Opto, Inc. アクチュエータ機構
JP2010134432A (ja) * 2008-09-30 2010-06-17 Fraunhofer Ges マイクロメカニカル素子、マイクロメカニカル素子を監視するためのセンサ、マイクロメカニカル素子を操作する方法、マイクロメカニカル素子の監視方法、これらの方法を実施するためのプログラムコードを含むコンピュータプログラムおよびマイクロメカニカル素子の機械的固有共振に影響を与える方法
CN101798053A (zh) * 2010-04-15 2010-08-11 西安电子科技大学 一种全柔性五稳态机构及五稳态机构的实现方法
WO2012108309A1 (ja) * 2011-02-07 2012-08-16 株式会社村田製作所 変位部材、駆動部材、アクチュエータ及び駆動装置
JP2012533274A (ja) * 2009-07-10 2012-12-20 ヴァイキング エーティー,エルエルシー 小型スマート材料アクチュエータ及びエネルギー獲得装置
JP2013033926A (ja) * 2011-06-29 2013-02-14 Tdk Corp 圧電素子
CN103326614A (zh) * 2013-05-28 2013-09-25 西安交通大学 由双压电堆驱动的步进式作动器
US8850892B2 (en) 2010-02-17 2014-10-07 Viking At, Llc Smart material actuator with enclosed compensator
CN107872169A (zh) * 2016-09-23 2018-04-03 精工爱普生株式会社 压电致动器及其制造方法、压电电动机、机器人及打印机
US10276776B2 (en) 2013-12-24 2019-04-30 Viking At, Llc Mechanically amplified smart material actuator utilizing layered web assembly

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001320104A (ja) * 1999-10-01 2001-11-16 Ngk Insulators Ltd 圧電/電歪デバイス及びその製造方法
JP2001320105A (ja) * 1999-10-01 2001-11-16 Ngk Insulators Ltd 圧電/電歪デバイス及びその製造方法
JP2002299709A (ja) * 2001-03-29 2002-10-11 Kyocera Corp アクチュエータ及び噴射装置
JP2009145201A (ja) * 2007-12-14 2009-07-02 Shimadzu Corp 試験機
WO2009096205A1 (ja) * 2008-01-29 2009-08-06 Konica Minolta Opto, Inc. アクチュエータ機構
JP5521553B2 (ja) * 2008-01-29 2014-06-18 コニカミノルタ株式会社 アクチュエータ機構
US8379283B2 (en) 2008-09-30 2013-02-19 Fraunhofer-Gesellschaft Zur Foerderung Der Angewandten Forschung E.V. Micromechanical element and sensor for monitoring a micromechanical element
JP2010134432A (ja) * 2008-09-30 2010-06-17 Fraunhofer Ges マイクロメカニカル素子、マイクロメカニカル素子を監視するためのセンサ、マイクロメカニカル素子を操作する方法、マイクロメカニカル素子の監視方法、これらの方法を実施するためのプログラムコードを含むコンピュータプログラムおよびマイクロメカニカル素子の機械的固有共振に影響を与える方法
JP2012533274A (ja) * 2009-07-10 2012-12-20 ヴァイキング エーティー,エルエルシー 小型スマート材料アクチュエータ及びエネルギー獲得装置
US8879775B2 (en) 2010-02-17 2014-11-04 Viking At, Llc Smart material actuator capable of operating in three dimensions
US8850892B2 (en) 2010-02-17 2014-10-07 Viking At, Llc Smart material actuator with enclosed compensator
CN101798053A (zh) * 2010-04-15 2010-08-11 西安电子科技大学 一种全柔性五稳态机构及五稳态机构的实现方法
KR20130129258A (ko) * 2011-02-07 2013-11-27 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 변위 부재, 구동 부재, 액츄에이터 및 구동 장치
WO2012108309A1 (ja) * 2011-02-07 2012-08-16 株式会社村田製作所 変位部材、駆動部材、アクチュエータ及び駆動装置
JP5742856B2 (ja) * 2011-02-07 2015-07-01 株式会社村田製作所 変位部材、駆動部材、アクチュエータ及び駆動装置
US9455394B2 (en) 2011-02-07 2016-09-27 Murata Manufacturing Co., Ltd. Displacement member, driving member, actuator, and driving device
JP2013033926A (ja) * 2011-06-29 2013-02-14 Tdk Corp 圧電素子
CN103326614A (zh) * 2013-05-28 2013-09-25 西安交通大学 由双压电堆驱动的步进式作动器
US10276776B2 (en) 2013-12-24 2019-04-30 Viking At, Llc Mechanically amplified smart material actuator utilizing layered web assembly
CN107872169A (zh) * 2016-09-23 2018-04-03 精工爱普生株式会社 压电致动器及其制造方法、压电电动机、机器人及打印机

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6411589B1 (en) System and method for forming electrostatically actuated data storage mechanisms
US6611399B1 (en) Micro-actuated micro-suspension(MAMS) slider for both fly height and tracking position
US7345851B2 (en) Disk drive with rotary piezoelectric microactuator
JP3450349B2 (ja) カンチレバー型プローブ
EP0838302B1 (en) Positioning mechanism
US7382583B2 (en) Rotary piezoelectric microactuator and disk drive head-suspension assembly
JPH07129244A (ja) 微動機構
JP3184619B2 (ja) 平行平面保持機構及びそれを用いたメモリ装置及びstm装置
JPH04364413A (ja) カンチレバー型変位素子、及びこれを用いた走査型トンネル顕微鏡、情報処理装置
JPH0894647A (ja) プローブ、該プローブを用いた走査型プローブ顕微鏡、および前記プローブを用いた記録再生装置
JP2000011556A (ja) マイクロアクチュエータ及び磁気ヘッド装置並びに磁気記録装置
US5444191A (en) Information processing apparatus and device for use in same
KR20010075186A (ko) 헤드 지지 기구, 그것을 사용한 정보 기록/재생 장치, 및헤드 지지 기구의 제조 방법
JPH06231493A (ja) 基板位置決め機構および記録再生装置
JP2008099419A (ja) アクチュエータシステム
US6278223B1 (en) Differential type piezoelectric actuator
JP3224174B2 (ja) 微小変位素子、光偏向器、走査型プローブ顕微鏡、および情報処理装置
JP4095125B2 (ja) メモリー装置
JP2000009867A (ja) ステージ移動装置
JP3062967B2 (ja) カンチレバー型アクチュエータ及びそれを用いた走査型トンネル顕微鏡、情報処理装置
JP3088576B2 (ja) 集積化アクチュエータを備えた走査型トンネル顕微鏡および前記集積化アクチュエータを備えた情報処理装置
JP3234722B2 (ja) 円弧状反りレバー型アクチュエータ、該アクチュエータの駆動方法及び情報入出力用プローブを用いた情報処理装置
JP2890268B2 (ja) プローブユニット及びこれを用いた情報処理装置と走査型トンネル顕微鏡
JP3313757B2 (ja) 粗動微動機構
JPH06139629A (ja) 情報記録坦体およびこれを使用する情報処理装置