JP5521553B2 - アクチュエータ機構 - Google Patents

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Description

本発明は、アクチュエータ機構に関し、特に、マイクロマシニング(以下、MEMSと言う)技術を用いて構成されるアクチュエータ機構に関する。
近年、例えばデジタルカメラや携帯電話用のカメラモジュール等の小型化と高機能化(例えばオートフォーカスや手ブレ補正機能の搭載)が盛んに言われている。それに伴い、小型で高性能なアクチュエータが求められている。特にデジタルカメラや携帯電話用のカメラモジュール等では、光軸方向の厚さが問題となるため、アクチュエータも薄型化が求められている。
このため、形状記憶合金ワイヤをアクチュエータとして利用したオートフォーカス装置が提案されている。形状記憶合金ワイヤをアクチュエータとして使用するときには、形状機構合金の変位が抑制される方向に付勢する付勢部材(バイアスバネ)を配置したプッシュプル構造とすることが知られている。例えば、特許文献1には、付勢部材に付勢された回転部材を形状記憶合金ワイヤの変位を利用して回転させる駆動装置が開示されている。
また、MEMS技術を用いた超小型アクチュエータとして、静電アクチュエータが一般的に知られている。例えば、特許文献2には、櫛歯型の静電アクチュエータとスプリングを用いて光遮断膜を移動させる光減衰器が提案されている。
また、非特許文献1には、同様にMEMS技術を用いて薄肉のシリコン基板上に形状記憶合金の薄膜を形成し、形状記憶合金に通電することでシリコン基板を屈曲させる、所謂ユニモルフ構造の屈曲型アクチュエータが示されている。
特開2005−83332号公報 特開2004−212934号公報 未来型アクチュエータ材料・デバイス、128頁〜129頁、シーエムシー出版
しかしながら、特許文献1に示されたような形状記憶合金を利用したアクチュエータは、付勢部材が必要となり、部品点数が増え、また、構造が複雑となる。さらに、組み立て工程では、付勢部材とバランスをとりながら形状記憶合金を架線するための調整装置が必要となる。
また、特許文献2に示されたような櫛歯型の静電アクチュエータは、固定側と移動側の櫛歯間のギャップが数μmしかないので、動作保証のためには密閉構造等のゴミ対策が必須となり、アクチュエータの小型化、薄型化に反する。さらに、静電アクチュエータは発生力が小さいので、非常に軽い被駆動物しか駆動できず、例えばデジタルカメラや携帯電話用のカメラモジュール等のオートフォーカスや手ブレ補正機能に用いるのは無理がある。
また、非特許文献1に示された屈曲型アクチュエータでは、形状記憶合金に通電することで発生した熱がシリコン基板に逃げてしまうので、消費電力が大きくなり、応答性も低下する。また、変位量を大きくするためには大型化が必要で、アクチュエータの小型化に反する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、薄型で発生力が大きく、特性バラツキが少なく、応答性に優れ、消費電力が小さく、製造も容易なアクチュエータ機構を提供することを目的とする。
本発明の目的は、下記構成により達成することができる。
1.シリコン基板からエッチングにより形成され、略平行に配置された1対の支持部と、
前記シリコン基板上に形状記憶合金薄膜が形成された後、前記エッチングにより前記シリコン基板の箇所が除去されることによって1対の前記支持部に跨って形成された変位部であって当該形状記憶合金薄膜に通電することにより前記形状記憶合金薄膜の収縮によって変位することで前記1対の支持部の間隔を変化させる変位部と、
前記支持部とともに前記シリコン基板から前記エッチングにより形成され、前記変位部が変位する方向に弾性を有し、前記1対の支持部と一体的に形成されて前記1対の支持部の間を消勢状態で接続し、前記1対の支持部の間隔が変化した際に変形することにより付勢力が蓄勢される弾性部とを備え、
前記変位部を構成する前記形状記憶合金薄膜へ通電された時、前記形状記憶合金薄膜の収縮による前記変位部の変位により前記弾性部に付勢力が蓄勢され、前記変位部の前記形状記憶合金薄膜への通電が解除された時、前記変位部を構成する前記形状記憶合金薄膜への通電時に蓄勢された前記弾性部の付勢力により、前記変位部を構成する前記形状記憶合金薄膜とともに前記1対の支持部の間隔が復元され、前記弾性部が消勢されることを特徴とするアクチュエータ機構。
.前記弾性部は、蛇腹形状であることを特徴とする前記1に記載のアクチュエータ機構。
.前記弾性部は、平板形状であることを特徴とする前記1に記載のアクチュエータ機構。
本発明によれば、略平行に配置された1対の支持部と、1対の支持部に跨って形成され、通電により変位する変位部と、変位部が変位する方向に弾性を有し、1対の支持部の間を接続する弾性部とを備え、変位部の通電による変位によって1対の支持部の間隔を変化させることで、薄型で発生力が大きく、特性バラツキが少なく、応答性に優れ、消費電力が小さく、製造も容易なアクチュエータ機構を提供することができる。
アクチュエータ機構の第1の実施の形態を示す模式図である。 アクチュエータ機構の第1の実施の形態の駆動方法を示す模式図である。 アクチュエータ機構の第2の実施の形態を示す模式図である。 アクチュエータ機構の第3の実施の形態を示す模式図である。 アクチュエータ機構の第4の実施の形態を示す模式図である。 アクチュエータ機構の第5の実施の形態を示す模式図である。 アクチュエータ機構の第6の実施の形態を示す模式図である。
符号の説明
100 アクチュエータ機構
110 シリコン基板
111 支持部
113 弾性部
115 固定部
121 形状記憶合金(SMA)薄膜
123 +側電極
125 −側電極
131 圧電素子
133 +側電極
135 −側電極
137 圧電層
150 電源
160 スイッチ
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。なお、図中、同一あるいは同等の部分には同一の番号を付与し、重複する説明は省略する。
最初に、本発明におけるアクチュエータ機構の第1の実施の形態について、図1を用いて説明する。図1は、アクチュエータ機構100の第1の実施の形態を示す模式図である。
図1(a)において、将来、アクチュエータ機構100を構成する1対の支持部111および1対の弾性部113となるシリコン基板110上に、変位部として機能する形状記憶合金(以下、SMAと言う)薄膜121が、例えばスパッタリング等の方法により形成される。この時、SMA薄膜121は、将来、1対の支持部111となる部分の間に跨るように形成される。SMA薄膜121の材料としては、例えばNiTi合金、NiTiCu合金やNiTiPd合金等が用いられる。
1対の支持部111および1対の弾性部113の材料としては、Si単結晶やSOI(Silicon On Insulator)等のシリコン系基板を用いることができるが、それに限らず、PMMA(ポリメチルメタアクリレート)やPDMS(ポリジメチルシロキサン)等のポリマー系の材料を用いてもよい。
さらに、SMA薄膜121に通電するための+側電極123および−側電極125が、例えばスパッタリング等の方法により形成される。+側電極123および−側電極125の材料としては、例えばAg合金等が用いられる。
次に、シリコン基板110のSMA薄膜121や+側電極123および−側電極125が形成されたとは反対面に、1対の弾性部113となる部分を保護するためのフォトレジストマスクが形成される。続いて、ICP−RIE(Inductive Coupled Plasma−Reactive Ion Etching:誘導結合プラズマ−反応性イオンエッチング)によりシリコン基板110のマスクされていない部分がエッチングされて、1対の弾性部113が形成される。
以上に述べたMEMS技術を用いて作製されたアクチュエータ機構100を、図1(b)に示す。アクチュエータ機構100は、1対の支持部111、1対の弾性部113、SMA薄膜121、+側電極123および−側電極125等で構成される。1対の支持部111は略平行に配置されている。1対の弾性部113は、SMA薄膜121の両側に配置され、蛇腹形状に形成されて弾性を有しており、1対の支持部111の間を接続して略平行に保持している。SMA薄膜121は、1対の支持部111に跨って形成されている。
1対の支持部111は必ずしも同一形状である必要はなく、例えば一方に被駆動物を搭載するための構造を設け、他方に固定のための構造を設けてもよい。また、弾性部113は必ずしも1対である必要はなく、必要なバネ力が確保できさえすればよく、複数組設けてもよい。さらに、SMA薄膜121は必ずしも1枚である必要はなく、複数のSMA薄膜121が1対の支持部111に跨って形成されてもよい。
A−A’断面図を図1(c)に、B−B’断面図を図1(d)に示す。SMA薄膜121は、1対の支持部111に跨って形成され、その両端には、SMA薄膜121に通電するための+側電極123および−側電極125が形成されている。SMA薄膜121の1対の支持部111に跨った部分以外は、上述したエッチングによりシリコン基板110が全て除去されており、SMA薄膜121は宙に浮いた形となっている。
従って、SMA薄膜121への通電による加熱時にシリコン基板110に熱が逃げることがないので、消費電力を抑えることができ、応答性も向上する。また、シリコン基板110の厚み+α程度の非常に薄型のアクチュエータとして構成できる。
次に、アクチュエータ機構100の第1の実施の形態の駆動方法について、図2を用いて説明する。図2は、アクチュエータ機構100の第1の実施の形態の駆動方法を示す模式図である。
図2(a)において、図1(b)に示したアクチュエータ機構100の+側電極123と−側電極125との間に、スイッチ160を介して電源150が接続されている。スイッチ160はオフされている。
図2(b)において、スイッチ160がオンされて、+側電極123と−側電極125との間に電源150が接続されると、SMA薄膜121に電流が通電され、SMA薄膜121は自身のジュール熱で加熱されてヤング率が上がり、図の矢印P方向に収縮する。SMA薄膜121の収縮力と、圧縮バネとして機能する蛇腹状の1対の弾性部113のバネ力とが釣り合ったところで収縮は止まり、結局、1対の支持部111の間隔がdだけ縮んで停止する。
再びスイッチ160がオフされると、SMA薄膜121への通電が停止され、SMA薄膜121は放熱してヤング率が下がり、蛇腹状の1対の弾性部113の圧縮から復帰するバネ力によって、図2(a)の元の状態に戻される。弾性部113をこのような蛇腹状の形状に形成することで、変位によって発生力の変化の少ないバネを構成することができ、弾性部113の肉厚を極端に薄くしなくても弱い力のバネを作製することができる。また、弾性部113はエッチングによって形成されるので、バネ特性のバラツキが非常に小さい。
従って、例えば1対の支持部111の一方を固定し、他方に被駆動物を搭載すれば、被駆動物を駆動することができる。
上述したように、アクチュエータ機構100の第1の実施の形態によれば、略平行に配置された1対の支持部111と、1対の支持部111に跨って形成されたSMA薄膜121と、SMA薄膜121の両側に配置され、1対の支持部111の間を接続して略平行に保持している蛇腹状の1対の弾性部113とをMEMS技術によって形成することで、アクチュエータ機構100を容易に製造することができる。
そして、SMA薄膜121への通電のオン、オフを制御することにより、1対の支持部111の間隔を容易に変化させることができ、薄型で発生力が大きく、特性バラツキが少なく、応答性に優れ、消費電力が小さいアクチュエータ機構100を提供することができる。
続いて、アクチュエータ機構100の第2の実施の形態について、図3を用いて説明する。図3は、アクチュエータ機構100の第2の実施の形態を示す模式図である。
図3(a)において、第2の実施の形態が第1の実施の形態と異なるのは、SMA薄膜121が左右に1対配置され、中央には蛇腹状の弾性部113が1本配置されている点である。また、蛇腹状の弾性部113は、第1の実施の形態の弾性部113とは異なり、角がなく、全体に滑らかな曲線で構成されている。そのため、1対のSMA薄膜121に通電されてSMA薄膜121が収縮すると、弾性部113はSMA薄膜121の収縮方向(図の矢印P方向)に全体に圧縮されて縮む。その他の構成および動作は、第1の実施の形態と同じである。
従って、例えば1対の支持部111の一方を固定し、他方に被駆動物を搭載すれば、被駆動物を駆動することができる。
また、1対のSMA薄膜121の一方のみに通電すると、1対の支持部111の間隔を平行に変化させるのではなく、図の右側あるいは左側のみの間隔を変化させることができ、一種の回転運動を行わせることができる。
上述したように、アクチュエータ機構100の第2の実施の形態によれば、略平行に配置された1対の支持部111と、1対の支持部111に跨って形成された1対のSMA薄膜121と、1対のSMA薄膜121の間にSMA薄膜121と平行に配置され、1対の支持部111の間を接続している蛇腹状の弾性部113とをMEMS技術によって形成することで、アクチュエータ機構100を容易に製造することができる。
そして、1対のSMA薄膜121への通電のオン、オフを制御することにより、1対の支持部111の間隔を容易に変化させることができ、薄型で発生力が大きく、特性バラツキが少なく、応答性に優れ、消費電力が小さいアクチュエータ機構100を提供することができる。また、1対のSMA薄膜121の一方のみに通電することで、一種の回転運動を行わせることもできる。
次に、アクチュエータ機構100の第3の実施の形態について、図4を用いて説明する。図4は、アクチュエータ機構100の第3の実施の形態を示す模式図である。
図4(a)において、第3の実施の形態が第1の実施の形態と異なるのは、弾性部113を、蛇腹状ではなく、図の紙面垂直方向に非常に薄肉の複数組(この例では3組)の板バネ形状とした点である。その他は第1の実施の形態と同じである。
図4(a)のD−D’断面図を図4(b)に示す。弾性部113は、第1の実施の形態と同様に、ICP−RIEによるエッチングで、図4(a)の紙面垂直方向に非常に薄肉の板バネ形状に形成されている。弾性部113は円弧状に図4(a)の紙面左右方向に広がる方向に曲率を持った形状になっている。また、各弾性部113は、支持部111との接続部よりも中央部(D−D’断面に近い部分)の方がより薄肉に形成されており、曲がりやすくなっている。
第1の実施の形態と同様に、SMA薄膜121の1対の支持部111に跨った部分以外はエッチングによりシリコン基板110が全て除去されており、SMA薄膜121は宙に浮いた形となっている。従って、SMA薄膜121への通電による加熱時にシリコン基板110に熱が逃げることがないので、消費電力を抑えることができ、応答性も向上する。また、シリコン基板110の厚み+α程度の非常に薄型のアクチュエータとして構成できる。
第3の実施の形態において、SMA薄膜121が通電によって収縮すると、板バネ状の弾性部113は、図の紙面内の左右方向に曲がって屈曲バネとなる。SMA薄膜121への通電がオフされると、板バネ状の弾性部113が元の平板形状に復帰しようとするバネ力によって、1対の支持部111は元の間隔に復帰する。
従って、例えば1対の支持部111の一方を固定し、他方に被駆動物を搭載すれば、被駆動物を駆動することができる。
弾性部113は必ずしも複数組設ける必要はなく、必要なバネ力が確保できさえすればよく、1組であってもよい。
同様に、アクチュエータ機構100の第4の実施の形態について、図5を用いて説明する。図5は、アクチュエータ機構100の第4の実施の形態を示す模式図である。
図5(a)において、第4の実施の形態が第1及び第3の実施の形態と異なるのは、弾性部113を図の紙面内方向に広がった薄肉の1対の板バネ形状とした点である。その他は第1および第3の実施の形態と同じである。
E−E’断面図を図5(b)に、F−F’断面図を図5(c)に示す。弾性部113は、第1および第3の実施の形態と同様に、ICP−RIEによるエッチングで、非常に薄肉の板バネ形状に形成されている。弾性部113は円弧状に図5(b)の紙面左方向に曲率を持った形状になっている。また、弾性部113は、支持部111との接続部よりも中央部の方がより薄肉に形成されており、曲がりやすくなっている。
第1および第3の実施の形態と同様に、SMA薄膜121の1対の支持部111に跨った部分以外はエッチングによりシリコン基板110が全て除去されており、SMA薄膜121は宙に浮いた形となっている。従って、SMA薄膜121への通電による加熱時にシリコン基板110に熱が逃げることがないので、消費電力を抑えることができ、応答性も向上する。また、シリコン基板110の厚み+α程度の非常に薄型のアクチュエータとして構成できる。
第4の実施の形態において、SMA薄膜121に通電されて、SMA薄膜121が収縮すると、板バネ状の弾性部113は、図5(a)の紙面裏面側から表面側の方向に曲がって屈曲バネとなる。SMA薄膜121への通電がオフされると、板バネ状の弾性部113が元の平板形状に復帰しようとするバネ力によって、1対の支持部111は元の間隔に復帰する。
従って、例えば1対の支持部111の一方を固定し、他方に被駆動物を搭載すれば、被駆動物を駆動することができる。
弾性部113は必ずしも1対である必要はなく、必要なバネ力が確保できさえすればよく、複数組設けてもよい。
上述したように、アクチュエータ機構100の第3および第4の実施の形態によれば、略平行に配置された1対の支持部111と、1対の支持部111に跨って形成されたSMA薄膜121と、SMA薄膜121の両側に配置され、1対の支持部111の間を接続して略平行に保持している板バネ状の弾性部113とをMEMS技術によって形成することで、アクチュエータ機構100を容易に製造することができる。
そして、SMA薄膜121への通電のオン、オフを制御することにより、1対の支持部111の間隔を容易に変化させることができ、薄型で発生力が大きく、特性バラツキが少なく、応答性に優れ、消費電力が小さいアクチュエータ機構100を提供することができる。
次に、アクチュエータ機構100の第5の実施の形態について、図6を用いて説明する。図6は、アクチュエータ機構100の第5の実施の形態を示す模式図である。
図6(a)において、第5の実施の形態が図1(b)および(c)の第1の実施の形態と異なるのは、変位部をSMA薄膜121ではなく圧電素子131とした点である。その他は第1の実施の形態と同じである。
G−G’断面図を図6(b)および(d)に示す。圧電素子131は、薄板状の圧電層137の両面に+側電極133と−側電極135が設けられている。圧電素子131は、第1の実施の形態と同様に、シリコン基板110上に、−側電極135、圧電層137、+側電極133の順に、例えばスパッタリング等の方法により各層を積層して形成される。この時、圧電素子131は、将来、1対の支持部111となる部分の間に跨るように形成される。
圧電層137の材料としては、例えばPZT等が用いられ、+側電極133および−側電極135の材料としては、例えばAg合金等が用いられる。弾性部113の形成方法は第1の実施の形態と同じであるので、省略する。弾性部113が形成された後に、圧電素子131には、−側電極135に対して+側電極133に正の電位が印加された場合に、図6(d)の矢印P方向に収縮するような既知の分極処理が施される。
−側電極135は電源150の負極に接続され、+側電極133はスイッチ160を介して電源150の正極または負極に切替可能に接続されている。図6(b)では、+側電極133は電源150の負極に接続され、+側電極133と−側電極135とが短絡されている。
図6(c)および(d)に示すように、スイッチ160が切り替えられて、+側電極133が電源150の正極に接続されると、圧電素子131の+側電極133から−側電極135に向けて正の電界が印加され、圧電素子131は図の矢印P方向に収縮する。
圧電素子131の収縮力と、圧縮バネとして機能する蛇腹状の1対の弾性部113のバネ力とが釣り合ったところで収縮は止まり、結局、第1の実施の形態と同様に、1対の支持部111の間隔がdだけ縮んで停止する。
再びスイッチ160が切り替えられて、+側電極133と−側電極135とが短絡されると、圧電素子131の元の形状に復帰する力と、蛇腹状の1対の弾性部113の圧縮から復帰するバネ力とによって、図6(a)の元の状態に戻される。
圧電素子131は必ずしも1枚である必要はなく、複数の圧電素子131が1対の支持部111に跨って形成されてもよい。また、ここでは、弾性部113は第1の実施の形態と同じ蛇腹状の1対の弾性部113としたが、第2あるいは第3の実施の形態に示した板バネ形状であってもよい。
なお、圧電素子131の+側電極133と−側電極135とに印加される電界の向きを正負逆にすれば、圧電素子131を収縮ではなく伸張させることも可能である。従って、蛇腹状の1対の弾性部113を用いて、+側電極133と−側電極135とに印加される電界の向きも制御可能とすれば、1対の支持部111の間隔をより大きく変化させることも可能となる。
従って、例えば1対の支持部111の一方を固定し、他方に被駆動物を搭載すれば、被駆動物を駆動することができる。
上述したように、アクチュエータ機構100の第5の実施の形態によれば、略平行に配置された1対の支持部111と、1対の支持部111に跨って形成された圧電素子131と、圧電素子131の両側に配置され、1対の支持部111の間を接続して略平行に保持している蛇腹状の1対の弾性部113とをMEMS技術によって形成することで、アクチュエータ機構100を容易に製造することができる。
そして、圧電素子131への電界の印加を制御することにより、1対の支持部111の間隔を容易に変化させることができ、薄型で発生力が大きく、特性バラツキが少なく、応答性に優れ、消費電力が小さいアクチュエータ機構100を提供することができる。
上述したアクチュエータ機構100の第1から第5の実施の形態は、1対の支持部111の一方を例えば固定台に固定し、他方に被駆動物を搭載して駆動するのに適している。しかし、例えば1対の支持部111の両方を固定せずに自由に移動できるようにして使用したい場合も考えられる。このような使用法に適したアクチュエータ機構100の第6の実施の形態を、図7を用いて説明する。図7は、アクチュエータ機構100の第6の実施の形態を示す模式図で、本第6の実施の形態は、第1の実施の形態の変形例である。
図7において、1対の支持部111、1対の弾性部113、SMA薄膜121、+側電極123および−側電極125は、図1(b)の第1の実施の形態と同じ構成で、動作も同じである。本第6の実施の形態では、さらに、第1の実施の形態のアクチュエータ機構の周囲を取り囲み、1対の弾性部113の蛇腹の中央部に接続される固定部115が設けられている。
本第6の実施の形態のアクチュエータ機構100を用いる際には、固定部115を例えば固定台等に接着等で固定する。そうすることで、1対の支持部111は両方共に自由に移動できる自由端となり、SMA薄膜121の収縮動作に従って図の矢印P方向に移動可能となる。
固定部115は、図1(a)に示したICP−RIEによるシリコン基板110のエッチング処理時に、フォトレジストマスクによって保護しておくことで1対の支持部111および1対の弾性部113と共に一体に形成することができる。
なお、第6の実施の形態に示したようにアクチュエータ機構100に固定部115を設ける方法は、第1の実施の形態にのみ適用可能なものではなく、第2から第5の実施の形態にも適用可能である。
さらに、本第6の実施の形態では固定部115をアクチュエータ機構100の周囲を取り囲むように形成したが、これに限るものではなく、1対の支持部111を両方共に自由端とすることができさえすれば、どのような形状であってもよい。
上述したように、アクチュエータ機構100の第6の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果に加えて、固定部115を固定することで1対の支持部111を両方共に自由端とすることができ、SMA薄膜121の収縮動作に従って移動可能とすることができるので、アクチュエータ機構100の使用方法の自由度を広げることができる。
以上に述べたように、本発明によれば、略平行に配置された1対の支持部と、1対の支持部に跨って形成され、通電により変位する変位部と、変位部が変位する方向に弾性を有し、1対の支持部の間を接続する弾性部とを備え、変位部の通電による変位によって1対の支持部の間隔を変化させることで、薄型で発生力が大きく、特性バラツキが少なく、応答性に優れ、消費電力が小さく、製造も容易なアクチュエータ機構を提供することができる。
尚、本発明に係るアクチュエータ機構を構成する各構成の細部構成および細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。

Claims (3)

  1. シリコン基板からエッチングにより形成され、略平行に配置された1対の支持部と、
    前記シリコン基板上に形状記憶合金薄膜が形成された後、前記エッチングにより前記シリコン基板の箇所が除去されることによって1対の前記支持部に跨って形成された変位部であって当該形状記憶合金薄膜に通電することにより前記形状記憶合金薄膜の収縮によって変位することで前記1対の支持部の間隔を変化させる変位部と、
    前記支持部とともに前記シリコン基板から前記エッチングにより形成され、前記変位部が変位する方向に弾性を有し、前記1対の支持部と一体的に形成されて前記1対の支持部の間を消勢状態で接続し、前記1対の支持部の間隔が変化した際に変形することにより付勢力が蓄勢される弾性部とを備え、
    前記変位部を構成する前記形状記憶合金薄膜へ通電された時、前記形状記憶合金薄膜の収縮による前記変位部の変位により前記弾性部に付勢力が蓄勢され、前記変位部の前記形状記憶合金薄膜への通電が解除された時、前記変位部を構成する前記形状記憶合金薄膜への通電時に蓄勢された前記弾性部の付勢力により、前記変位部を構成する前記形状記憶合金薄膜とともに前記1対の支持部の間隔が復元され、前記弾性部が消勢されることを特徴とするアクチュエータ機構。
  2. 前記弾性部は、蛇腹形状であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のアクチュエータ機構。
  3. 前記弾性部は、平板形状であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のアクチュエータ機構。
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