JP6380888B2 - 圧電材料、圧電素子、積層圧電素子、液体吐出ヘッド、液体吐出装置、超音波モータ、光学機器、振動装置、塵埃除去装置、撮像装置、および電子機器 - Google Patents

圧電材料、圧電素子、積層圧電素子、液体吐出ヘッド、液体吐出装置、超音波モータ、光学機器、振動装置、塵埃除去装置、撮像装置、および電子機器 Download PDF

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Description

本発明は圧電材料に関し、特に鉛を含有しない圧電材料とその製造方法に関する。また、本発明は前記圧電材料を用いた圧電素子、積層圧電素子、液体吐出ヘッド、液体吐出装置、超音波モータ、光学機器、振動装置、塵埃除去装置、撮像装置、および電子機器に関する。
圧電材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛(以下「PZT」という)のようなABO型ペロブスカイト型金属酸化物が一般的である。しかしながら、PZTはペロブスカイト骨格のAサイトに鉛を含有する。そのために、鉛成分の環境に対する影響が問題視されている。この問題に対応するために、鉛を含有しないペロブスカイト型金属酸化物を用いた圧電材料および圧電素子の提案がなされている。
例えば、鉛を含有しないペロブスカイト型酸化物からなる圧電材料として特許文献1には、Bi0.5Na0.5TiO−BaTiO系またはBi0.5Na0.5TiO−Bi0.50.5TiO系圧電セラミックスが開示されている。これらの材料は、140℃以下に、圧電機能を消失する脱分極温度を有するという課題があった。
別の例として特許文献2には、圧電定数d33が100pC/N以上であり、かつ、150℃の高温放置試験におけるd33の低下率が15%以下であるBi0.5Na0.5TiO−Bi0.50.5TiO−BaTiO系圧電セラミックスが開示されている。これらの材料は、d33の低下率が15%以下であるときの最大値が134pC/Nであった。
さらに別の例として、非特許文献1にはBi0.5Na0.5TiO−Bi0.50.5TiO−BiFeO系圧電セラミックスが開示されている。前記材料の圧電定数d33は最大で170pC/N以上と大きいが、Feを過剰に固溶させているために電気絶縁性が低いという課題があった。
特公平4−60073号公報 特許第4510966号公報
"Materials Chemistry and Physics" 2009年、第114巻、p.832836
本発明は上述の課題に対処するためになされたもので、良好かつ安定な圧電定数と電気絶縁性を有する非鉛圧電材料を提供するものである。
また、本発明は前記圧電材料を用いた圧電素子、積層圧電素子、液体吐出ヘッド、液体吐出装置、超音波モータ、光学機器、振動装置、塵埃除去装置、撮像装置および電子機器を提供するものである。
本発明に係る圧電材料は、下記一般式(1)で表されるペロブスカイト型金属酸化物を主成分とした圧電材料であって、前記金属酸化物100重量部に対して0.01重量部以上0.40重量部以下のMnを含有することを特徴とする。
一般式(1)
(LiαxNaαyαzBaβBi0.5α+γ(Tiα+βFeγ)O
(ただし、0.800≦α≦0.999、0≦β≦0.150、0.001≦γ≦0.050、α+β+γ=1、0≦x≦0.050、0.045≦y≦0.450、0.045≦z≦0.450、0.450≦x+y+z≦0.500、0.980≦a≦1.020)
本発明に係る圧電素子は第一の電極、圧電材料部および第二の電極を少なくとも有する圧電素子であって、前記圧電材料が上記の圧電材料であることを特徴とする。
本発明に係る積層圧電素子は、複数の圧電材料層と、内部電極を含む複数の電極層とが交互に積層された積層圧電素子であって、前記圧電材料層が上記の圧電材料であることを特徴とする。
本発明に係る液体吐出ヘッドは、上記の圧電素子または上記の積層圧電素子を配した振動部を備えた液室と、前記液室と連通する吐出口を少なくとも有することを特徴とする。
本発明に係る液体吐出装置は、被転写体の載置部と上記の液体吐出ヘッドを備えることを特徴とする。
本発明に係る超音波モータは、上記の圧電素子または上記の積層圧電素子を配した振動体と、前記振動体と接触する移動体と、を少なくとも有することを特徴とする。
本発明に係る光学機器は、駆動部に上記の超音波モータを備えることを特徴とする。
本発明に係る振動装置は、上記の圧電素子または上記の積層圧電素子を振動板に配した振動体を有することを特徴とする。
本発明に係る塵埃除去装置は、上記の振動装置を振動部に備えることを特徴とする。
本発明に係る撮像装置は、上記の塵埃除去装置と撮像素子ユニットとを少なくとも有する撮像装置であって、上記塵埃除去装置の振動板を前記撮像素子ユニットの受光面側に設けたことを特徴とする。
本発明に係る圧電音響部品は、上記の圧電素子または上記の積層圧電素子を備えることを特徴とする。
本発明に係る電子機器は、上記の圧電素子または上記の積層圧電素子を備えことを特徴とする。
本発明によれば、良好かつ安定な圧電定数と電気絶縁性を有する非鉛圧電材料を提供することができる。
本発明の圧電素子の構成の一実施形態を示す概略図である。 本発明の積層圧電素子の構成の一実施形態を示す断面概略図である。 本発明の液体吐出ヘッドの構成の一実施態様を示す概略図である。 本発明の液体吐出装置の一実施態様を示す概略図である。 本発明の液体吐出装置の一実施態様を示す概略図である。 本発明の超音波モータの構成の一実施態様を示す概略図である。 本発明の光学機器の一実施態様を示す概略図である。 本発明の光学機器の一実施態様を示す概略図である。 本発明の振動装置を塵埃除去装置とした場合の一実施態様を示す概略図である。 本発明の塵埃除去装置における圧電素子の構成を示す概略図である。 本発明の塵埃除去装置の振動原理を示す模式図である。 本発明の撮像装置の一実施態様を示す概略図である。 本発明の撮像装置の一実施態様を示す概略図である。 本発明の電子機器の一実施態様を示す概略図である。 本発明の実施例1〜29の圧電材料および比較例1〜20のセラミックスの組成における2αy+β値と2α(x+z)値とγ値の関係を示す相図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明に係る圧電材料は、下記一般式(1)で表されるペロブスカイト型金属酸化物を主成分とした圧電材料であって、前記金属酸化物100重量部に対して0.01重量部以上0.40重量部以下のMnを含有することを特徴とする。
一般式(1)
(LiαxNaαyαzBaβBi0.5α+γ(Tiα+βFeγ)O
(ただし、0.800≦α≦0.999、0≦β≦0.150、0.001≦γ≦0.050、α+β+γ=1、0≦x≦0.050、0.045≦y≦0.450、0.045≦z≦0.450、0.450≦x+y+z≦0.500、0.980≦a≦1.020)
(ペロブスカイト型金属酸化物について)
本発明において、ペロブスカイト型金属酸化物とは、岩波理化学辞典 第5版(岩波書店 1998年2月20日発行)に記載されているような、理想的には立方晶構造であるペロブスカイト構造(ペロフスカイト構造とも言う)を有する金属酸化物を指す。ペロブスカイト構造を有する金属酸化物は一般にABOの化学式で表現される。ペロブスカイト型金属酸化物において、元素A、Bは各々イオンの形でAサイト、Bサイトと呼ばれる単位格子の特定の位置を占める。例えば、立方晶系の単位格子であれば、A元素は立方体の頂点、B元素は体心に位置する。O元素は酸素の陰イオンとして立方体の面心位置を占める。
前記一般式(1)で表わされる金属酸化物は、Aサイトに位置する金属元素がLi、Na、K、BaとBi(但し、LiとBaは存在しなくても良い)、Bサイトに位置する金属元素がTiとFeであることを意味する。一部のLi、Na、K、BaとBiがBサイトに位置してもよい。同様に、一部のTiとFeがAサイトに位置してもよい。また、Ba原料に含まれる程度のCa、Sr、および、Ti原料に含まれる程度のZr、Hf、Sn、Nbは、本発明の圧電材料に含んでいてもよい。
前記一般式(1)における、Bサイトの元素とO元素のモル比は1対3であるが、元素量の比が若干ずれた場合(例えば、1.00対2.94〜1.00対3.06)でも、前記金属酸化物がペロブスカイト構造を主相としていれば、本発明の範囲に含まれる。
前記金属酸化物がペロブスカイト構造であることは、例えば、X線回折や電子線回折による構造解析から判断することができる。
(圧電材料の形態について)
本発明に係る圧電材料の形態は限定されず、セラミックス、粉末、単結晶、膜、スラリーなどのいずれの形態であってもよいが、セラミックスであることが好ましい。本出願中において「セラミックス」とは、基本成分が金属酸化物であり、熱処理によって焼き固められた結晶粒子の凝集体(バルク体とも言う)、いわゆる多結晶を表す。焼結後に加工されたものも含まれる。
(本願発明の圧電材料の主成分)
前記一般式(1)で表される金属酸化物は、固溶体であるため、各金属成分を分離することはできないが、チタン酸ビスマスナトリウム(以後、BNT)、チタン酸ビスマスカリウム(以後、BKT)、チタン酸ビスマスリチウム(以後、BLT)、チタン酸バリウム(以後、BTO)、鉄酸ビスマス(以後、BFO)の固溶体と見立てることができる。説明のためにペロブスカイト型金属酸化物の各サイトにおける各金属成分の過剰度や不足度を省略して表現すると、前記一般式(1)の金属酸化物は、2α(xBLT−yBNT−zBKT)−βBTO−γBFOと書き換えられる。
ここで、α、β、γはそれぞれ前記金属酸化物におけるxBLT−yBNT−zBKT、BTO、BFOのモル比を表している。α+β+γ=1である。
本願発明においてαの範囲は0.800≦α≦0.999である。前記αが0.800より小さいとBTO−BFO成分が多くなりすぎて強誘電性と絶縁性が低下するために、圧電材料の分極処理が困難になる。一方、前記αが0.999より大きいと、BLT−BNT−BKT成分が多くなりすぎて、圧電性能および脱分極温度が低下する。本願発明において、より好ましいαの範囲は0.850≦α≦0.950、更に好ましくは0.900≦α≦0.940である。
本出願中において、脱分極温度(Tともあらわす)とは、分極処理をして充分時間が経過した後に、室温からある温度T(℃)まで上げ、再度室温まで下げたときに、圧電定数が温度を上げる前の圧電定数に比べて減少している場合の温度を指す。本出願中においては温度を上げる前の圧電定数の70%未満となる温度を脱分極温度Tと呼ぶものとする。
本願発明においてβの範囲は0≦β≦0.150である。前記βが0.150より大きいと、圧電性能が低下する。本願発明において、より好ましいβの範囲は0≦β≦0.100、更に好ましくは0.030≦β≦0.070である。
本願発明においてγの範囲は0.001≦γ≦0.050である。前記γが0.001より小さいと、BFO固溶による圧電性能向上の効果が得られない。一方、前記γが0.050より大きいと、BFO成分が多くなりすぎて脱分極温度と絶縁性能が低下する。本願発明において、より好ましいγの範囲は0.002≦γ≦0.020である。γが0.002以上であると圧電性能の向上効果が増大して好ましい。一方、γが0.020以下であると圧電性能の向上効果が大きい上に、絶縁性も相対的に高くなるので好ましい。
上記式においてx、y、zはそれぞれ前記金属酸化物におけるBLT、BNT、BKTのモル比を表している。x、y、zの合計値は、0.450≦x+y+z≦0.500である。x+y+zが0.500であるということは、Li、Na、Kの合計がBLT−BNT−BKT固溶体に化学量論比に従って含まれていることを示している。これは理想的な状態であり、x+y+zは0.500に近いことが好ましい。ただし、x+y+zが0.500を超えて存在すると、圧電性能が低下する。一方、x+y+zが0.450であるということは、Li、Na、Kの合計が化学量論比の90%でBLT−BNT−BKT固溶体に含まれていることを示している。x+y+zが0.450より小さくなると、圧電性能が大幅に低下する。
本願発明においてxの範囲は0≦x≦0.050である。前記xが0.050より大きいと、BLT成分が多くなりすぎて強誘電性と絶縁性が低下するために、圧電材料の分極処理が困難になる。本願発明において、より好ましいxの範囲は0≦x≦0.035、更に好ましくは0.010≦x≦0.025である。
本願発明においてyの範囲は0.045≦y≦0.450である。前記yが0.045より小さいとBLT−BKT−BFO成分が多くなりすぎて強誘電性が低下するため、圧電材料の分極処理が困難になる。一方、前記yが0.450より大きいと、脱分極温度が低下する。本願発明において、より好ましいyの範囲は0.225≦y≦0.450、更に好ましくは0.350≦y≦0.450である。
本願発明においてzの範囲は0.045≦z≦0.450である。前記zが0.045より小さいとBLT−BNT−BFO成分が多くなりすぎて、脱分極温度が低下する。一方、前記zが0.450より大きいと、BLT−BKT−BFO成分が多くなりすぎて強誘電性が低下するため、圧電材料の分極処理が困難になる。本願発明において、より好ましいzの範囲は0.045≦y≦0.250、更に好ましくは0.045≦y≦0.150である。
本願発明において、前記α、β、x、y、zの関係は、2αy+β≧2α(x+z)であることが好ましい。これは、一般式(1)の金属酸化物においてBNT−BTO成分がBLT−BKT成分と同等以上に含まれていることを意味している。2αy+β≧2α(x+z)であると、高い脱分極温度を維持したままで、高い圧電性能を得ることが可能となる。より好ましくは、2αy+β≧4.6α(x+z)である。
前記一般式(1)において、AサイトにおけるLi、Na、K、BaとBi(但し、LiとBaは存在しなくても良い)の存在量とBサイトにおけるTiとFeとのモル量の比を示すaは、0.980≦a≦1.020の範囲である。aが0.980より小さいと異常粒成長が生じ易くなり、材料の機械的強度が低下してしまう。一方で、aが1.020より大きくなると粒成長に必要な温度が高くなり過ぎ、一般的な焼成炉で焼結ができなくなる。ここで、「焼結ができない」とは密度が充分な値にならないことや、前記圧電材料内にポアや欠陥が多数存在している状態を指す。より好ましくは0.990≦a≦1.010である。
前記一般式(1)で表される金属酸化物の組成を測定する手段は特に限定されない。手段としては、X線蛍光分析、ICP発光分光分析、原子吸光分析などの手段が挙げられる。いずれの手段においても、前記圧電材料に含まれる各元素の重量比および組成比を算出できるが、Li、Na、Kのモル比については原子吸光分析を用いることが好ましい。
本願発明において、前記圧電材料におけるMnの含有量は前記金属酸化物100重量部に対して金属換算で0.01重量部以上0.40重量部以下である。本発明の圧電材料が前記範囲内のMnを含有していると、絶縁性や機械的品質係数が向上する。ここで、機械的品質係数とは圧電材料を振動子として評価した際に振動による弾性損失を表す係数であり、機械的品質係数の大きさはインピーダンス測定における共振曲線の鋭さとして観察される。つまり振動子の共振の鋭さを表す定数である。絶縁性や機械的品質係数が向上すると、前記圧電材料を圧電素子として電圧を印加し駆動させた際に、圧電素子の長期信頼性を確保することができる。
「金属換算」によるMnの含有量とは、前記圧電材料から蛍光X線分析(XRF)、ICP発光分光分析、原子吸光分析などにより測定されたLi、Na、K、Bi、Ba、Ti、FeおよびMnの各金属の含有量から、前記一般式(1)で表わされる金属酸化物を構成する元素を酸化物換算し、その総重量を100としたときに対するMn重量との比によって求められた値を表す。
Mnの含有量が0.01重量部未満であると、絶縁性が低下する。一方、Mnの含有量が0.80重量部より大きくなると、圧電性能が低下する。より好ましいMnの含有量の範囲は0.07重量部以上0.50重量部以下、更に好ましくは0.10重量部以上0.40重量部以下である。
前記Mnの一部または全部は前記一般式(1)で表されるペロブスカイト型金属酸化物のBサイトに存在することが好ましい。Mnの価数は一般に4+、2+、3+を取ることができる。結晶中に伝導電子が存在する場合(例えば結晶中に酸素欠陥が存在する場合や、Aサイトをドナー元素が占有した場合等)、Mnの価数が4+から3+または2+などへと低くなることで伝導電子をトラップし、絶縁抵抗を向上させることができる。イオン半径の観点から、価数が4+であるMnはBサイトの主成分であるTiを容易に置換できる。一方で価数が2+のMnはアクセプタとなる。アクセプタとしてMnがペロブスカイト型金属酸化物の結晶格子中に含まれる、結晶にホールが生成されるか、結晶に酸素空孔が形成される。Mnの価数がいずれも2+や3+であると、酸素空孔の導入だけではホールが補償しきれなくなり、絶縁抵抗が低下する。よって本発明の圧電材料に含まれるMnの大部分は4+であることが好ましい。ただし、ごくわずかのMnは4+よりも低い価数となり、アクセプタとして酸素空孔を形成してもかまわない。価数が2+あるいは3+であるMnと酸素空孔が欠陥双極子を形成すると、圧電材料の機械的品質係数が向上する。
本発明の一実施形態においては、圧電材料は、前記一般式(1)およびMn以外の成分(以下、副成分という)を、特性が低下しない範囲または実用に差し支えない範囲で特性を調整できる範囲内で含んでいてもよい。前記副成分は、前記一般式(1)で表現される金属酸化物100重量部に対して、その合計が1.2重量部以下であることが好ましい。前記副成分が1.2重量部を超えると、前記圧電材料の圧電特性や絶縁特性が低下するおそれがある。また、前記副成分のうち前記Li、Na、K、Bi、Ba、Ti、Fe、Mn以外の金属元素の含有量は、前記圧電材料に対して酸化物換算で1.0重量部以下、または金属換算で0.9重量部以下であることが好ましい。本出願中において「金属元素」とはSi、Ge、Sbのような半金属元素も含む。前記副成分のうち前記Li、Na、K、Bi、Ba、Ti、Fe、Mn以外の金属元素の含有量が、前記圧電材料に対して酸化物換算で1.0重量部、または金属換算で0.9重量部を超えると、前記圧電材料の圧電特性や絶縁特性が著しく低下するおそれがある。
本願発明の圧電材料の用途に合わせて特性を調整するのに使用することができる副成分の例として、Ca、Sr、Mg、Y、Zr、Al、Mo、Nbが挙げられる。これらは一般式(1)に含まれる金属成分と同様に酸化された形態で圧電材料に含まれていればよく、一般式(1)のペロブスカイト型金属酸化物に固溶していても良いし、別の金属酸化物として前記金属酸化物と混合していても良い。前記副成分のうち、Ca、Mg、Y、Zr、Al、Mo、Nbには本発明の圧電材料の圧電性能を向上させる効果がある。Sr、Mgには本発明の圧電材料の機械的品質係数を向上させる効果がある。
前記副成分の重量部を測定する手段は特に限定されない。手段としては、X線蛍光分析、ICP発光分光分析、原子吸光分析などが挙げられる。
(脱分極温度について)
本発明の圧電材料の圧電性能が、デバイス作製工程における加熱やデバイス駆動における発熱によって低下することを防ぐためには、本発明の圧電材料の脱分極温度が140℃以上、好ましくは145℃以上、より好ましくは150℃以上であるように組成を選択することが好ましい。本発明の圧電材料の脱分極温度は、組成パラメータα、β、γ、x、y、z、およびMnの含有量、あるいは圧電材料の結晶性やミクロスケールでの組成均一性により制御することが可能である。
(結晶粒の粒径と円相当径について)
本発明に係る圧電材料は、該圧電材料を構成する結晶粒の平均円相当径が0.3μm以上10μm以下であることが好ましい。結晶粒の平均円相当径をこの範囲内に調整することで、本発明の圧電材料は、良好な圧電特性と機械的強度を有することが可能となる。平均円相当径が0.3μm未満であると、圧電特性が充分ではなくなるおそれがある。一方で、10μmより大きくなると機械的強度が低下するおそれがある。より好ましい範囲は1μm以上5μm以下である。
本発明に係る圧電材料は、該圧電材料を構成する結晶粒において、円相当径が25μm以下である結晶粒が99個数パーセント以上であることが好ましい。円相当径が25μm以下である結晶粒の個数パーセントをこの範囲に調整することで、本発明の圧電材料は、良好な機械的強度を有することが可能となる。機械的強度は円相当径の大きな結晶粒の含有割合と強い負の相関関係がある。円相当径が25μm以下である結晶粒の個数パーセントが99個数パーセント未満であると、円相当径が25μmを超える粒子の含有割合が多くなるため、機械的強度が低下するおそれがある。
本発明に係る圧電材料は、長辺の長さが25μmを超える針状結晶を含むこともあるが、この場合も円相当径に換算して、25μm以下のものが99個数パーセント以上存在することが好ましい。
本発明における「円相当径」とは、顕微鏡観察法において一般に言われる「投影面積円相当径」を表し、結晶粒の投影面積と同面積を有する真円の直径を表す。本発明において、この円相当径の測定方法は特に制限されない。例えば圧電材料の表面を偏光顕微鏡や走査型電子顕微鏡で撮影して得られる写真画像を画像処理して求めることができる。対象となる粒子径により最適倍率が異なるため、光学顕微鏡と電子顕微鏡を使い分けても良い。材料の表面ではなく研磨面や断面の画像から円相当径を求めても良い。
(相対密度について)
本発明の圧電材料は、前記圧電材料の相対密度が93%以上100%以下であることが好ましい。
相対密度とは、前記圧電材料の格子定数と前記圧電材料の構成元素の原子量から算出した理論密度に対する、実測した密度の割合である。格子定数は、例えば、X線回折分析により測定することができる。密度は、例えば、アルキメデス法で測定することができる。
相対密度が93%より小さくなると、圧電特性や機械的品質係数が充分でなかったり、絶縁性が低下したりするおそれがある。
より好ましい相対密度の下限は94%以上である。さらに好ましい相対密度の下限は95%以上である。
(本願発明の圧電材料の製造方法)
本発明に係る圧電材料の製造方法は特に限定されない。
(圧電材料の原料)
本発明の圧電材料を製造する場合、目的物の構成元素を含んだ酸化物、炭酸塩、硝酸塩、蓚酸塩などの原料混合物を常圧下で焼結する一般的な固相焼結法を採用することができる。原料は純度の高いものの方が好ましい。原料としては、圧電材料を構成する金属酸化物、金属塩の粉末や液体を用いることができる。また、原料にBLT粉末、BNT粉末、BKT粉末、BTO粉末やBFO粉末といったペロブスカイト型金属酸化物粉末を用いても良い。使用可能なMn化合物としては、炭酸マンガン、酸化マンガン、二酸化マンガン、酢酸マンガン、四酸化三マンガンなどが挙げられる。
また、本発明に係る圧電材料のAサイトにおけるLi、Na、K、Bi、Baの存在量とBサイトにおけるTi、Feのモル量の比を示すaを調整するための原料は特に限定されない。Li化合物、Na化合物、K化合物、Bi化合物、Ba化合物、Ti化合物、Fe化合物のいずれを用いても効果は同じである。
(造粒粉と成形体)
本発明の圧電材料をセラミックス(焼結体)形状とする場合、焼成前の成形体を作製する必要がある。前記成形体とは原料粉末を成形した固形物である。
成形方法としては、一軸加圧加工、冷間静水圧加工、温間静水圧加工、鋳込成形と押し出し成形を挙げることができる。成形体を作製する際には、造粒粉を用いることが好ましい。造粒粉を用いた成形体を焼結すると、焼結体の結晶粒の大きさの分布が均一になり易いという利点がある。
圧電材料の原料粉を造粒する方法は特に限定されないが、造粒粉の粒径をより均一にできるという観点において、最も好ましい造粒方法はスプレードライ法である。
造粒する際に使用可能なバインダーの例としては、PVA(ポリビニルアルコール)、PVB(ポリビニルブチラール)、アクリル系樹脂が挙げられる。添加するバインダーの量は、前記圧電材料の原料粉に対して1重量部〜10重量部が好ましく、成形体の密度が上がるという観点から2重量部〜5重量部がより好ましい。
(焼結)
前記成形体の焼結方法は特に限定されない。焼結方法の例としては、電気炉による焼結、ガス炉による焼結、通電加熱法、マイクロ波焼結法、ミリ波焼結法、HIP(熱間等方圧プレス)などが挙げられる。電気炉およびガス炉による焼結には、連続炉、バッチ炉のいずれを用いても良い。
焼結温度に特に制限は無いが、本発明の圧電材料はBFOを成分に含んでいるため、低温プロセスで十分な圧電性を得ることができる。本発明の圧電材料は1100℃〜1200℃程度の焼結温度で十分な密度および圧電性能を有する圧電セラミックスとなる。焼結温度が1100℃より低いと、得られたセラミックスの粒径が小さく、圧電性能が低下するおそれがある。一方、焼結温度が1200℃より高いと、得られたセラミックスの粒径が大きくなりすぎて機械的強度が低下するおそれがある。
焼結処理により得られる圧電材料の特性を再現よく安定させるためには、焼結温度を上記範囲内で一定にして2時間以上48時間以下の焼結処理を行うとよい。また、二段階焼結法などの焼結方法を用いてもよいが、生産性を考慮すると急激な温度変化のない方法が好ましい。
焼結処理により得られた圧電材料を研磨加工した後に、キュリー温度以上の温度で熱処理することが好ましい。機械的に研磨加工されると、圧電材料の内部には残留応力が発生するが、キュリー温度以上で熱処理することにより、残留応力が緩和され、圧電材料の圧電特性がさらに良好になる。熱処理の時間は特に限定されないが、1時間以上であることが好ましい。
本発明の圧電材料を基板上に作成された膜として利用する際、前記圧電材料の厚みは200nm以上10μm以下、より好ましくは300nm以上3μm以下であることが望ましい。圧電材料の膜厚を200nm以上10μm以下とすることで圧電素子として十分な電気機械変換機能が得られるからである。
前記膜の成膜方法は特に制限されない。例えば、化学溶液堆積法(CSD法)、ゾルゲル法、有機金属化学気相成長法(MOCVD法)、スパッタリング法、パルスレーザデポジション法(PLD法)、水熱合成法、エアロゾルデポジション法(AD法)などが挙げられる。このうち、もっとも好ましい成膜方法は、化学溶液堆積法またはスパッタリング法である。化学溶液堆積法またはスパッタリング法を用いると、成膜面積を容易に大面積化することができる。
本発明の圧電材料に用いる基板は(001)面または(110)面で切断・研磨された単結晶基板であることが好ましい。特定の結晶面で切断・研磨された単結晶基板を用いることで、その基板表面に設けられた圧電材料膜も同一方位に強く配向させることができる。
(電極について)
図1は本発明の圧電素子の構成の一実施形態を示す概略斜視図である。本発明に係る圧電素子は、第一の電極1、圧電材料2および第二の電極3を少なくとも有する圧電素子であって、前記圧電材料2が本発明の圧電材料であることを特徴とする。
本発明に係る圧電材料は、少なくとも第一の電極と第二の電極を有する圧電素子にすることにより、分極処理及び圧電駆動を行うことができる。前記第一の電極および第二の電極は、厚みが5nm〜2000nm程度の導電層よりなる。その材料は特に限定されず、圧電素子に通常用いられているものであれば良い。例えば、Ti、Pt、Ta、Ir、Sr、In、Sn、Au、Al、Fe、Cr、Ni、Pd、Ag、Cuなどの金属およびこれらの金属の化合物を挙げることができる。
前記第一の電極および第二の電極は、これら材料のうちの1種からなるものであっても、あるいはこれら材料の2種以上を積層してなるものであっても良い。また、第一の電極と第二の電極が、それぞれ異なる材料であっても良い。
前記第一の電極と第二の電極の製造方法は特に限定されず、金属ペーストの焼き付けにより形成しても良いし、スパッタリング、蒸着法などにより形成しても良い。また第一の電極と第二の電極の双方とも所望の形状にパターニングして用いても良い。
(分極処理について)
前記圧電素子は一定方向に分極軸が揃っているものであると、より好ましい。分極軸が一定方向に揃っていることで前記圧電素子の圧電定数は大きくなる。
前記圧電素子の分極方法は特に限定されない。分極処理は大気中で行っても良いし、シリコーンオイル中で行っても良い。分極をする際の温度は60℃〜150℃の温度が好ましいが、素子を構成する圧電材料の組成によって最適な条件は多少異なる。分極処理をするために印加する電界は1.0kV/mm〜7.0kV/mmが好ましい。より好ましい印加電界は2.0kV/mm〜6.0kV/mmである。
(圧電定数および機械的品質係数の測定)
前記圧電素子の圧電定数および機械的品質係数は、市販のインピーダンスアナライザーを用いて得られる共振周波数及び反共振周波数の測定結果から、電子情報技術産業協会規格(JEITA EM−4501)に基づいて、計算により求めることができる。以下、この方法を共振−反共振法と呼ぶ。
(積層圧電素子の構造)
次に、本発明の圧電材料を用いた積層圧電素子について説明する。
本発明に係る積層圧電素子は、複数の圧電材料層と、内部電極を含む複数の電極層とが交互に積層された積層圧電素子であって、前記圧電材料層が本発明の圧電材料からなることを特徴とする。積層圧電素子は電極間の圧電材料が薄いため、高い電界に対する耐久性が求められる。本発明に係る圧電材料は特に絶縁抵抗に優れるために、積層圧電素子に好適に用いることができる。
図2は本発明の積層圧電素子の構成の一実施形態を示す断面概略図である。本発明に係る積層圧電素子は、圧電材料層54と、内部電極55を含む電極層とで構成されており、これらが交互に積層された積層圧電素子であって、前記圧電材料層54が上記の圧電材料からなることを特徴とする。電極層は、内部電極55以外に第一の電極51や第二の電極53といった外部電極を含んでいても良い。
図2(a)は2層の圧電材料層54と1層の内部電極55が交互に積層され、その積層構造体を第一の電極51と第二の電極53で狭持した本発明の積層圧電素子の構成を示しているが、図2(b)のように圧電材料層と内部電極の数を増やしてもよく、その層数に限定はない。図2(b)の積層圧電素子は、9層の圧電材料層504と8層の内部電極505(505a又は505b)が交互に積層され、その積層構造体を第一の電極501と第二の電極503で挟持した構成であり、交互に形成された内部電極を短絡するための外部電極506aおよび外部電極506bを有する。
内部電極55、505および外部電極506a、506b、第一の電極51、501および第二の電極53、503の大きさや形状は必ずしも圧電材料層54、504と同一である必要はなく、また複数に分割されていても良い。
内部電極55、505および外部電極506a、506b、第一の電極51、501および第二の電極53、503は、厚みが5nm〜10μm程度の導電層よりなる。その材料は特に限定されず、圧電素子に通常用いられているものであればいずれでも良い。例えば、Ti、Pt、Ta、Ir、Sr、In、Sn、Au、Al、Fe、Cr、Ni、Pd、Ag、Cuなどの金属およびこれらの化合物を挙げることができる。内部電極55、505および外部電極506a、506bは、これらのうちの1種からなるものであっても2種以上の混合物あるいは合金であってもよく、あるいはこれらの2種以上を積層してなるものであってもよい。また複数の電極が、それぞれ異なる材料であっても良い。
本発明の積層圧電素子は、内部電極55、505がAgとPdを含み、前記Agの含有重量M1と前記Pdの含有重量M2との重量比M1/M2が0.25≦M1/M2≦4.0であることが好ましい。より好ましくは0.3≦M1/M2≦3.0である。前記重量比M1/M2が0.25未満であると内部電極の焼結温度が高くなるので望ましくない。一方で、前記重量比M1/M2が4.0よりも大きくなると、内部電極が島状になり、面内で不均一な分布になるので望ましくない。
電極材料が安価という観点において、内部電極55、505はNiおよびCuの少なくともいずれか1種を含むことが好ましい。内部電極55、505にNiおよびCuの少なくともいずれか1種を用いる場合、本発明の積層圧電素子は還元雰囲気で焼成することが好ましい。
図2(b)に示すように、内部電極505を含む複数の電極は、駆動電圧の位相をそろえる目的で互いに短絡させても良い。例えば、内部電極505aと第一の電極501を外部電極506aで短絡させても良い。内部電極505bと第二の電極503を外部電極506bで短絡させても良い。内部電極505aと内部電極505bは交互に配置されていても良い。また電極どうしの短絡の形態は限定されない。積層圧電素子の側面に短絡のための電極や配線を設けても良いし、圧電材料層504を貫通するスルーホールを設け、その内側に導電材料を設けて電極どうしを短絡させてもよい。
(液体吐出ヘッド)
本発明に係る液体吐出ヘッドは、前記圧電素子または前記積層圧電素子を配した振動部を備えた液室、前記液室と連通する吐出口を少なくとも有することを特徴とする。
図3は、本発明の液体吐出ヘッドの構成の一実施態様を示す概略図である。図3(a)及び(b)に示すように、本発明の液体吐出ヘッドは、本発明の圧電素子101を有する液体吐出ヘッドである。圧電素子101は、第一の電極1011、圧電材料1012、第二の電極1013を少なくとも有する圧電素子である。圧電材料1012は、図3(b)の如く、必要に応じてパターニングされている。
図3(b)は液体吐出ヘッドの模式図である。液体吐出ヘッドは、吐出口105、個別液室102、個別液室102と吐出口105をつなぐ連通孔106、液室隔壁104、共通液室107、振動板103、圧電素子101を有する。図において圧電素子101は矩形状だが、その形状は、楕円形、円形、平行四辺形等の矩形以外であっても良い。一般に、圧電材料1012は個別液室102の形状に沿った形状となる。
本発明の液体吐出ヘッドに含まれる圧電素子101の近傍を図3(a)を参照して詳細に説明する。図3(a)は、図3(b)に示された圧電素子の幅方向での断面図である。圧電素子101の断面形状は矩形で表示されているが、台形や逆台形でも良い。
図中では、第一の電極1011が下部電極、第二の電極1013が上部電極として使用されている。しかし、第一の電極1011と、第二の電極1013の配置はこれに限られない。例えば、第一の電極1011を下部電極としても、上部電極として使用しても良い。同じく、第二の電極1013を上部電極としても、下部電極として使用しても良い。また、振動板103と下部電極の間にバッファ層108が存在しても良い。なお、これらの名称の違いはデバイスの製造方法によるものであり、いずれの場合でも本発明の効果は得られる。
前記液体吐出ヘッドにおいては、振動板103が圧電材料1012の伸縮によって上下に変動し、個別液室102の液体に圧力を加える。その結果、吐出口105より液体が吐出される。本発明の液体吐出ヘッドは、プリンタ用途や電子デバイスの製造に用いることができる。
振動板103の厚みは、1.0μm以上15μm以下であり、好ましくは1.5μm以上8μm以下である。振動板の材料は限定されないが、好ましくはSiである。振動板のSiにホウ素やリンがドープされていても良い。また、振動板上のバッファ層、電極が振動板の一部となっても良い。バッファ層108の厚みは、5nm以上300nm以下であり、好ましくは10nm以上200nm以下である。吐出口105の大きさは、円相当径で5μm以上40μm以下である。吐出口105の形状は、円形であっても良いし、星型や角型状、三角形状でも良い。
(液体吐出装置)
次に、本発明の液体吐出装置について説明する。本発明の液体吐出装置は、被転写体の載置部と前記液体吐出ヘッドを備えたことを特徴とする。
本発明の液体吐出装置の一例として、図4および図5に示すインクジェット記録装置を挙げることができる。図4に示す液体吐出装置(インクジェット記録装置)881の外装882〜885及び887を外した状態を図5に示す。インクジェット記録装置881は、被転写体としての記録紙を装置本体896内へ自動給送する自動給送部897を有する。更に、自動給送部897から送られる記録紙を所定の記録位置へ導き、記録位置から排出口898へ導く、被転写体の載置部である搬送部899と、記録位置に搬送された記録紙に記録を行う記録部891と、記録部891に対する回復処理を行う回復部890とを有する。記録部891には、本発明の液体吐出ヘッドを収納し、レール上を往復移送されるキャリッジ892が備えられる。
このようなインクジェット記録装置において、コンピューターから送出される電気信号によりキャリッジ892がレール上を移送され、圧電材料を挟持する電極に駆動電圧が印加されると圧電材料が変位する。この圧電材料の変位により、図3(b)に示す振動板103を介して個別液室102を加圧し、インクを吐出口105から吐出させて、印字を行う。
本発明の液体吐出装置においては、均一に高速度で液体を吐出させることができ、装置の小型化を図ることができる。
上記例は、プリンタとして例示したが、本発明の液体吐出装置は、ファクシミリや複合機、複写機などのインクジェット記録装置の他、産業用液体吐出装置として使用することができる。
加えてユーザーは用途に応じて所望の被転写体を選択することができる。なお載置部としてのステージに載置された被転写体に対して液体吐出ヘッドが相対的に移動する構成をとっても良い。
(超音波モータ)
本発明に係る超音波モータは、前記圧電素子または前記積層圧電素子を配した振動体、前記振動体と接触する移動体とを少なくとも有することを特徴とする。
図6は、本発明の超音波モータの構成の一実施態様を示す概略図である。本発明の圧電素子が単板からなる超音波モータを、図6(a)に示す。超音波モータは、振動子201、振動子201の摺動面に不図示の加圧バネによる加圧力で接触しているロータ202、ロータ202と一体的に設けられた出力軸203を有する。前記振動子201は、金属の弾性体リング2011、本発明の圧電素子2012、圧電素子2012を弾性体リング2011に接着する有機系接着剤2013(エポキシ系、シアノアクリレート系など)で構成される。本発明の圧電素子2012は、不図示の第一の電極と第二の電極によって挟まれた圧電材料で構成される。
本発明の圧電素子に位相がπ/2の奇数倍異なる二相の交番電圧を印加すると、振動子201に屈曲進行波が発生し、振動子201の摺動面上の各点は楕円運動をする。この振動子201の摺動面にロータ202が圧接されていると、ロータ202は振動子201から摩擦力を受け、屈曲進行波とは逆の方向へ回転する。不図示の被駆動体は、出力軸203と接合されており、ロータ202の回転力で駆動される。
圧電材料に電圧を印加すると、圧電横効果によって圧電材料は伸縮する。金属などの弾性体が圧電素子に接合している場合、弾性体は圧電材料の伸縮によって曲げられる。ここで説明された種類の超音波モータは、この原理を利用したものである。
次に、積層構造を有する圧電素子を含む超音波モータを図6(b)に例示する。振動子204は、筒状の金属弾性体2041に挟まれた積層圧電素子2042よりなる。積層圧電素子2042は、不図示の複数の積層された圧電材料により構成される素子であり、積層外面に第一の電極と第二の電極、積層内面に内部電極を有する。金属弾性体2041はボルトによって締結され、積層圧電素子2042を挟持固定し、振動子204となる。
積層圧電素子2042に位相の異なる交番電圧を印加することにより、振動子204は互いに直交する2つの振動を励起する。この二つの振動は合成され、振動子204の先端部を駆動するための円振動を形成する。なお、振動子204の上部にはくびれた周溝が形成され、駆動のための振動の変位を大きくしている。
ロータ205は、加圧用のバネ206により振動子204と加圧接触し、駆動のための摩擦力を得る。ロータ205はベアリングによって回転可能に支持されている。
(光学機器)
次に、本発明の光学機器について説明する。本発明の光学機器は、駆動部に前記超音波モータを備えたことを特徴とする。
図7は、本発明の光学機器の好適な実施形態の一例である一眼レフカメラの交換レンズ鏡筒の主要断面図である。また、図8は本発明の光学機器の好適な実施形態の一例である一眼レフカメラの交換レンズ鏡筒の分解斜視図である。カメラとの着脱マウント711には、固定筒712と、直進案内筒713、前群鏡筒714が固定されている。これらは交換レンズ鏡筒の固定部材である。
直進案内筒713には、フォーカスレンズ702用の光軸方向の直進案内溝713aが形成されている。フォーカスレンズ702を保持した後群鏡筒716には、径方向外方に突出するカムローラ717a、717bが軸ビス718により固定されており、このカムローラ717aがこの直進案内溝713aに嵌まっている。
直進案内筒713の内周には、カム環715が回動自在に嵌まっている。直進案内筒713とカム環715とは、カム環715に固定されたローラ719が、直進案内筒713の周溝713bに嵌まることで、光軸方向への相対移動が規制されている。このカム環715には、フォーカスレンズ702用のカム溝715aが形成されていて、カム溝715aには、前述のカムローラ717bが同時に嵌まっている。
固定筒712の外周側にはボールレース727により固定筒712に対して定位置回転可能に保持された回転伝達環720が配置されている。回転伝達環720には、回転伝達環720から放射状に延びた軸720fにコロ722が回転自由に保持されており、このコロ722の径大部722aがマニュアルフォーカス環724のマウント側端面724bと接触している。またコロ722の径小部722bは接合部材729と接触している。コロ722は回転伝達環720の外周に等間隔に6つ配置されており、それぞれのコロが上記の関係で構成されている。
マニュアルフォーカス環724の内径部には低摩擦シート(ワッシャ部材)733が配置され、この低摩擦シートが固定筒712のマウント側端面712aとマニュアルフォーカス環724の前側端面724aとの間に挟持されている。また、低摩擦シート733の外径面はリング状とされマニュアルフォーカス環724の内径724cと径嵌合しており、更にマニュアルフォーカス環724の内径724cは固定筒712の外径部712bと径嵌合している。低摩擦シート733は、マニュアルフォーカス環724が固定筒712に対して光軸周りに相対回転する構成の回転環機構における摩擦を軽減する役割を果たす。
なお、コロ722の径大部722aとマニュアルフォーカス環のマウント側端面724bとは、波ワッシャ726が超音波モータ725をレンズ前方に押圧する力により、加圧力が付与された状態で接触している。また同じく、波ワッシャ726が超音波モータ725をレンズ前方に押圧する力により、コロ722の径小部722bと接合部材729の間も適度な加圧力が付与された状態で接触している。波ワッシャ726は、固定筒712に対してバヨネット結合したワッシャ732によりマウント方向への移動を規制されており、波ワッシャ726が発生するバネ力(付勢力)は、超音波モータ725、更にはコロ722に伝わり、マニュアルフォーカス環724が固定筒712のマウント側端面712aを押し付け力ともなる。つまり、マニュアルフォーカス環724は、低摩擦シート733を介して固定筒712のマウント側端面712aに押し付けられた状態で組み込まれている。
従って、不図示の制御部により超音波モータ725が固定筒712に対して回転駆動されると、接合部材729がコロ722の径小部722bと摩擦接触しているため、コロ722が軸720f中心周りに回転する。コロ722が軸720f回りに回転すると、結果として回転伝達環720が光軸周りに回転する(オートフォーカス動作)。
また、不図示のマニュアル操作入力部からマニュアルフォーカス環724に光軸周りの回転力が与えられると、マニュアルフォーカス環724のマウント側端面724bがコロ722の径大部722aと加圧接触しているため、摩擦力によりコロ722が軸720f周りに回転する。コロ722の径大部722aが軸720f周りに回転すると、回転伝達環720が光軸周りに回転する。このとき超音波モータ725は、ロータ725cとステータ725bの摩擦保持力により回転しないようになっている(マニュアルフォーカス動作)。
回転伝達環720には、フォーカスキー728が2つ互いに対向する位置に取り付けられており、フォーカスキー728がカム環715の先端に設けられた切り欠き部715bと嵌合している。従って、オートフォーカス動作或いはマニュアルフォーカス動作が行われて、回転伝達環720が光軸周りに回転させられると、その回転力がフォーカスキー728を介してカム環715に伝達される。カム環が光軸周りに回転させられると、カムローラ717aと直進案内溝713aにより回転規制された後群鏡筒716が、カムローラ717bによってカム環715のカム溝715aに沿って進退する。これにより、フォーカスレンズ702が駆動され、フォーカス動作が行われる。
ここで本発明の光学機器として、一眼レフカメラの交換レンズ鏡筒について説明したが、本発明は、コンパクトカメラ、電子スチルカメラ等、カメラの種類を問わず、駆動部に超音波モータを有する光学機器に適用することができる。
(振動装置及び塵埃除去装置)
粒子、粉体、液体の搬送、除去等で利用される振動装置は、電子機器等で広く使用されている。
以下、本発明の圧電素子、もしくは積層圧電素子を振動板に配した振動体を有する振動装置の一つの例として、塵埃除去装置について説明する。
本発明に係る塵埃除去装置は、前記圧電素子または前記積層圧電素子を配した振動体を少なくとも有することを特徴とする。
図9(a)および図9(b)は本発明の塵埃除去装置の一実施態様を示す概略図である。塵埃除去装置310は板状の圧電素子330と振動板320より構成される。圧電素子330は、本発明の積層圧電素子であっても良い。振動板320の材質は限定されないが、塵埃除去装置310を光学デバイスに用いる場合には透光性材料や光反射性材料を振動板320として用いることができる。
図10は図9における圧電素子330の構成を示す概略図である。図10(a)と(c)は圧電素子330の表裏面の構成、図10(b)は側面の構成を示している。圧電素子330は図9(図10)に示すように圧電材料331と第1の電極332と第2の電極333より構成され、第1の電極332と第2の電極333は圧電材料331の板面に対向して配置されている。図9に示す圧電素子330は、本発明の積層圧電素子であっても良い。その場合、圧電材料331は圧電材料と内部電極の交互構造をとり、内部電極を交互に第一の電極332または第二の電極333と短絡させることにより、圧電材料の層ごとに位相の異なる駆動波形を与えることができる。図10(c)において圧電素子330の手前に出ている第1の電極332が設置された面を第1の電極面336、図10(a)において圧電素子330の手前に出ている第2の電極333が設置された面を第2の電極面337とする。
ここで、本発明における電極面とは電極が設置されている圧電素子の面を指しており、例えば図10に示すように第1の電極332が第2の電極面337に回りこんでいても良い。
圧電素子330と振動板320は、図9(a)、(b)に示すように圧電素子330の第1の電極面336で振動板320の板面に固着される。そして圧電素子330の駆動により圧電素子330と振動板320との間に応力が発生し、振動板に面外振動を発生させる。本発明の塵埃除去装置310は、この振動板320の面外振動により振動板320の表面に付着した塵埃等の異物を除去する装置である。面外振動とは、振動板を光軸方向つまり振動板の厚さ方向に変位させる弾性振動を意味する。
図11は本発明の塵埃除去装置310の振動原理を示す模式図である。上図(図11(a))は左右一対の圧電素子330に同位相の交番電圧を印加して、振動板320に面外振動を発生させた状態を表している。左右一対の圧電素子330を構成する圧電材料の分極方向は圧電素子330の厚さ方向と同一であり、塵埃除去装置310は7次の振動モードで駆動している。下図(図11(b))は左右一対の圧電素子330に位相が180°反対である逆位相の交番電圧を印加して、振動板320に面外振動を発生させた状態を表している。塵埃除去装置310は6次の振動モードで駆動している。本発明の塵埃除去装置310は少なくとも2つの振動モードを使い分けることで振動板の表面に付着した塵埃を効果的に除去できる装置である。
(撮像装置)
次に、本発明の撮像装置について説明する。本発明の撮像装置は、前記塵埃除去装置と撮像素子ユニットとを少なくとも有する撮像装置であって、前記塵埃除去装置の振動板を前記撮像素子ユニットの受光面側に設けたことを特徴とする。図12および図13は本発明の撮像装置の好適な実施形態の一例であるデジタル一眼レフカメラを示す図である。
図12は、カメラ本体601を被写体側より見た正面側斜視図であって、撮影レンズユニットを外した状態を示す。図13は、本発明の塵埃除去装置と撮像ユニット400の周辺構造について説明するためのカメラ内部の概略構成を示す分解斜視図である。
カメラ本体601内には、撮影レンズを通過した撮影光束が導かれるミラーボックス605が設けられており、ミラーボックス605内にメインミラー(クイックリターンミラー)606が配設されている。メインミラー606は、撮影光束をペンタダハミラー(不図示)の方向へ導くために撮影光軸に対して45°の角度に保持される状態と、撮像素子(不図示)の方向へ導くために撮影光束から退避した位置に保持される状態とを取り得る。
カメラ本体の骨格となる本体シャーシ300の被写体側には、被写体側から順にミラーボックス605、シャッタユニット200が配設される。また、本体シャーシ300の撮影者側には、撮像ユニット400が配設される。撮像ユニット400は、撮影レンズユニットが取り付けられる基準となるマウント部602の取付面に撮像素子の撮像面が所定の距離を空けて、且つ平行になるように調整されて設置される。
ここで、本発明の撮像装置として、デジタル一眼レフカメラについて説明したが、例えばミラーボックス605を備えていないミラーレス型のデジタル一眼カメラのような撮影レンズユニット交換式カメラであってもよい。また、本発明は、撮影レンズユニット交換式のビデオカメラや、複写機、ファクシミリ、スキャナ等の各種の撮像装置もしくは撮像装置を備える電子電気機器のうち、特に光学部品の表面に付着する塵埃の除去が必要な機器にも適用することができる。
(電子機器)
次に、本発明の電子機器について説明する。本発明の電子機器は、前記圧電素子または前記積層圧電素子を備えた圧電音響部品を配したことを特徴とする。圧電音響部品にはスピーカ、ブザー、マイク、表面弾性波(SAW)素子が含まれる。
図14は本発明の電子機器の好適な実施形態の一例であるデジタルカメラの本体931の前方から見た全体斜視図である。本体931の前面には光学装置901、マイク914、ストロボ発光部909、補助光部916が配置されている。マイク914は本体内部に組み込まれているため、破線で示している。マイク914の前方には外部からの音を拾うための穴形状が設けられている。
本体931上面には電源ボタン933、スピーカ912、ズームレバー932、合焦動作を実行するためのレリーズボタン908が配置される。スピーカ912は本体931内部に組み込まれており、破線で示してある。スピーカ912の前方には音声を外部へ伝えるための穴形状が設けられている。
本発明の圧電音響部品は、マイク914、スピーカ912、また表面弾性波素子、の少なくとも一つに用いられる。
ここで、本発明の電子機器としてデジタルカメラについて説明したが、本発明の電子機器には、音声再生機器、音声録音機器、携帯電話、情報端末等各種の圧電音響部品を有する電子機器も含まれる。
前述したように本発明の圧電素子および積層圧電素子は、液体吐出ヘッド、液体吐出装置、超音波モータ、光学機器、振動装置、塵埃除去装置、撮像装置および電子機器に好適に用いられる。
本発明の非鉛圧電材料を用いることで、鉛を含む圧電材料を用いた場合と同等以上のノズル密度、および吐出力を有する液体吐出ヘッドを提供することができる。
本発明の非鉛圧電材料を用いることで、鉛を含む圧電材料を用いた場合と同等以上の吐出速度および吐出精度を有する液体吐出装置を提供することができる。
本発明の非鉛圧電材料を用いることで、鉛を含む圧電材料を用いた場合と同等以上の駆動力、および耐久性を有する超音波モータを提供することができる。
本発明の非鉛圧電材料を用いることで、鉛を含む圧電材料を用いた場合と同等以上の耐久性および動作精度を有する光学機器を提供することができる。
本発明の非鉛圧電材料を用いることで、鉛を含む圧電材料を用いた場合と同等以上の振動能力、および耐久性を有する振動装置を提供することができる。
本発明の非鉛圧電材料を用いることで、鉛を含む圧電材料を用いた場合と同等以上の塵埃除去効率を有する塵埃除去装置を提供することができる。
本発明の非鉛圧電材料を用いることで、鉛を含む圧電材料を用いた場合と同等以上の塵埃除去機能を有する撮像装置を提供することができる。
本発明の非鉛圧電材料を備えた圧電音響部品を用いることで、鉛を含む圧電材料を用いた場合と同等以上の発音性を有する電子機器を提供することができる。
本発明の圧電材料は、上記の機器に加え、超音波振動子、圧電アクチュエータ、圧電センサ、圧電音響機器、強誘電メモリ等のデバイスに用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。なお、実施例17は参考のために示す参考例である。

(本発明の圧電材料)
(実施例1)
(LiαxNaαyαzBaβBi0.5α+γ(Tiα+βFeγ)Oの一般式において、α=0.935、β=0.060、γ=0.005、x=0.015、y=0.388、z=0.097、a=0.990の組成に相当する(Li0.014Na0.3630.091Ba0.060Bi0.4730.990(Ti0.995Fe0.005)Oを以下のように秤量した。なお、前記化学式はAサイトが1%欠損していることを省略すると簡易的に2.8%BLT−72.6%BNT−18.1%BKT−6.0%BTO−0.5%BFOと表現することもできる。
炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸バリウム、酸化ビスマス、酸化チタン(IV)、酸化鉄(III)を上記化学式の比率になるように秤量した。アルカリ金属の炭酸塩については事前にカリボール(テトラフェニルホウ酸ナトリウム)による重量分析及び原子吸光分析により、アルカリ金属濃度の補正を行った。aの値を調整するために酸化チタンと酸化鉄を用いた。
上記組成(Li0.014Na0.3630.091Ba0.060Bi0.4730.990(Ti0.995Fe0.005)Oの金属酸化物100重量部に対して、Mnが0.10重量部となるように二酸化マンガンを秤量した。
これらの秤量粉を、ボールミルを用いて24時間の乾式混合によって混合した。混合粉に対して3重量部となるPVAバインダーを、それぞれスプレードライヤー装置を用いて、混合粉表面に付着させた。
次に、前記造粒粉を金型に充填し、プレス成型機を用いて200MPaの成形圧をかけて円盤状の成形体を作製した。この成形体に対して冷間等方加圧成型機を用いて更に加圧しても得られる結果は同様であった。
前記成形体を電気炉に入れ、最高温度Tmaxが1160℃の条件で3時間保持し、合計10時間かけて大気雰囲気で焼結し、セラミックス状の本発明の圧電材料を得た。
本発明の圧電材料を構成する結晶粒の平均円相当径と円相当径が25μm以下である結晶粒の個数パーセント(以下、D25とする。)と相対密度を評価した。その結果、平均円相当径は2.1μm、D25は99.6%、相対密度は97.0%であった。なお、結晶粒の観察には、主に偏光顕微鏡を用いた。また、小さな結晶粒の粒径を特定する際には、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた。偏光顕微鏡や走査型電子顕微鏡で撮影して得られた写真画像を画像処理して、平均円相当径とD25を算出した。また、相対密度はアルキメデス法を用いて評価した。
セラミックス状の本発明の圧電材料を厚さ0.5mmになるように研磨し、X線回折により結晶構造を解析した。その結果、ペロブスカイト構造に相当するピークのみが観察された。
次に蛍光X線分析およびICP発光分光分析により組成を評価した。その結果、(Li0.014Na0.3630.091Ba0.060Bi0.4730.990(Ti0.995Fe0.005)Oの化学式で表わすことができる金属酸化物100重量部に対してMnが0.10重量部含有されていることが分かった。これは秤量した組成と焼結後の組成が一致していることを意味する。また、Li、Na、K、Ba、Bi、Ti、FeおよびMn以外の元素は検出限界以下の量であり、0.0001重量部未満であった。
さらに、結晶粒の観察を再度行ったが、研磨前後で、平均円相当径に大きな違いは無かった。
(実施例2〜29)
実施例1と同様の工程で、実施例2〜29の圧電材料を作製した。ただし、各成分の秤量比率を表1に示す比率にした。実施例1と同様に平均円相当径、D25、相対密度を評価した。その結果を表2に示す。実施例1と同様に組成分析を行った結果、いずれのサンプルにおいても表1に示した秤量組成と焼結後の組成は表記した有効桁数において一致していることが分かった。
Figure 0006380888
Figure 0006380888
(焼結温度の影響)
maxを1100℃、1200℃としたこと以外は実施例1〜29と同じ工程に従って本発明の圧電材料を作成したところ、秤量組成と焼結後の組成は一致し、平均円相当径は0.3μmから10μmの範囲内、D25は99.0%以上、相対密度は93.0%以上であった。
(使用原料の影響)
実施例1と同様の原料から、予め化学量論比のペロブスカイト型中間化合物を合成した。すなわち、チタン酸ビスマスリチウム、チタン酸ビスマスナトリウム、チタン酸ビスマスカリウム、チタン酸バリウムの粉末を最高温度1000℃の仮焼により合成した。鉄酸ビスマスについては550℃の仮焼により合成した。これらの粉末の平均粒径は100〜300nmの範囲であった。
これらのペロブスカイト型中間化合物を用いたこと以外は実施例1〜29と同じ工程に従って本発明の圧電材料を作成したところ、秤量組成と焼結後の組成は一致し、平均円相当径は0.3μm〜10μmの範囲内、D25は99.0%以上、相対密度は93.0%以上であった。
(比較例1〜20)
実施例1と同様の工程で、比較用のセラミックスを作製した。ただし、各成分の秤量比率を表1に示す比率にした。比較例17と比較例20についてはTmaxを1000℃、比較例18についてはTmaxを800℃とした。各々の比較用のセラミックスについて実施例1と同様に平均円相当径と相対密度を評価した。その結果を表2に示す。ただし、「−」の印は顕微鏡像において結晶粒の境界を特定できず、平均円相当径とD25を算出できなかったことを示している。比較例4および比較例5のセラミックスはγ値が大きいことで結晶化温度と融解温度が近づき、焼結中に結晶粒の液相化が生じたものと考えられる。
次に、実施例1と同様に組成分析を行った結果、いずれのサンプルにおいても表1に示した秤量組成と焼結後の組成は表記した有効桁数において一致していることが分かった。
図15は本発明の実施例1〜29の圧電材料および比較例1〜20のセラミックスの組成における2αy+β値と2α(x+z)値とγ値の関係を示す相図である。該相図中の三角印は各実施例の組成、丸印は各比較例の組成を示している。
次に、本発明の圧電素子を作製した。
(圧電素子の作製と特性評価)
(実施例1〜29)
続いて、実施例1〜29の圧電材料を用いて圧電素子を作製した。
圧電材料部としての前記円盤状のセラミックスの表裏両面にDCスパッタリング法により厚さ400nmの金電極を形成した。なお、電極とセラミックスの間には、密着層として30nmのチタンを成膜した。この電極付きのセラミックスを切断加工し、10mm×2.5mm×0.5mmの短冊状圧電素子を作製した。
得られた圧電素子を、室温のシリコーンオイル中に設置し、表裏面の電極間に5.4kV/mmの電界を30分間印加し、分極処理した。
一定方向に分極軸の揃った本発明の圧電素子の脱分極温度、圧電定数d33及び抵抗率Rを評価した。その結果を表3に示す。
圧電定数d33の測定には、分極済みの圧電素子とベルリンコート法に基づく圧電定数測定装置d33メータ(アルファ株式会社)を用いた。この評価を加熱保持の温度を25℃から360℃まで5℃刻みで順次上昇させながら繰り返し、圧電定数が当初の70%未満となる脱分極温度Tを評価した。各加熱保持の温度はそれぞれ10分間保持した。
絶縁性の評価として抵抗率の測定を行った。分極済みの圧電素子の2つの電極間に直流10Vのバイアスを印加し、20秒後のリーク電流値より抵抗率を求めた。この抵抗率が1.0×1010Ω・cm以上、より好ましくは1.0×1011Ω・cm以上であれば、その圧電素子は実用において十分な絶縁性を有していると言える。
Figure 0006380888
(電極材料の影響)
電極を銀ペーストの焼き付けに変更したこと以外は実施例1〜29と同じ工程に従って本発明の圧電素子を作成したところ、金電極を有する本発明の圧電素子の場合と同等の特性を示した。
(焼結温度の影響)
maxを1100℃、1200℃としたこと以外は実施例1〜29と同じ工程に従って本発明の圧電素子を作成したところ、1160℃で焼結した本発明の圧電素子の場合と同等の特性を示した。
(使用原料の影響)
前記のペロブスカイト型中間化合物を用いたこと以外は実施例1〜29と同じ工程に従って本発明の圧電素子を作成したところ、各金属の化合物を混合して作成した本発明の圧電素子と同等の特性を示した。
(比較例1〜20)
次に、比較例1〜20の比較用のセラミックスを用いて圧電素子を実施例1〜29と同様の方法で作製した。素子の評価は実施例1〜29と同様の方法で行った。その結果を表3に示す。ただし、「−」の印は圧電定数が小さすぎて定量化できなかったことを示す。また「>360」の記載は、脱分極温度が高すぎて前記方法では特定できなかったことを示す。
比較例1と実施例1〜5を比較すると、xが0.050よりも大きいと絶縁性が低下するために分極処理が困難になり、かつ圧電性能も低下することが分かる。
比較例2と実施例6〜10を比較するとβが0.150よりも大きいと圧電性能が低下することが分かる。
比較例3、4、5、10〜13と実施例11〜16および21〜29を比較すると、γが0.001より小さいと圧電性能が低下し、逆にγが0.050よりも大きいと絶縁性が低下するために分極処理が困難になり、かつ圧電性能も低下することが分かる。
比較例6、7と実施例1を比較すると、Mnの含有量が0.01重量部未満であると、絶縁性が著しく低下し、逆にMnの含有量が0.80重量部より大きくなると、圧電性能が消失することが分かる。
比較例8、9と実施例1を比較すると、aが0.980より小さいと絶縁性と圧電性能が低下し、逆にaが1.020よりも大きいと圧電性能が著しく低下することが分かる。なお、比較例8のセラミックスは異常粒成長が発生しているため脆く、比較例9のセラミックスは焼結による収縮がほとんど進んでいない焼結不足の状態であった。
比較例14と実施例19、比較例15と実施例28をそれぞれ比較すると、yが0.045より小さかったりzが0.450より大きいと圧電性能が低下し、逆にyが0.450より大きかったりzが0.045より小さいと、脱分極温度が低下することが分かる。
比較例2および18〜20を参照するとαが0.800より小さいと圧電性能または絶縁性が不足することが分かる。比較例17を参照するとαが0.999より大きいと絶縁性が低下することが分かる。
表3より2αy+β≧2α(x+z)である圧電素子は特に絶縁性と圧電性能に優れることが分かる。2αy+β≧4.6α(x+z)である、すなわち、(2αy+β)/2α(x+z)が2.3を含んで大きい圧電素子は、更に圧電性能に優れる。
次に、本発明の積層圧電素子を作製した。
(積層圧電素子)
(実施例30)
実施例1と同様の(LiαxNaαyαzBaβBi0.5α+γ(Tiα+βFeγ)Oの一般式において、α=0.935、β=0.060、γ=0.005、x=0.015、y=0.388、z=0.097、a=0.990の組成に相当する(Li0.014Na0.3630.091Ba0.060Bi0.4730.990(Ti0.995Fe0.005)Oを実施例1と同様の原料と手法で秤量した。
炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸バリウム、酸化ビスマス、酸化チタン(IV)、酸化鉄(III)を上記化学式の比率になるように秤量した。アルカリ金属の炭酸塩については事前にカリボール(テトラフェニルホウ酸ナトリウム)による重量分析や原子吸光分析により、アルカリ金属濃度の補正を行った。aの値を調整するために酸化チタンと酸化鉄を用いた。
上記組成(Li0.014Na0.3630.091Ba0.060Bi0.4730.990(Ti0.995Fe0.005)Oの金属酸化物100重量部に対して、Mnが0.10重量部となるように二酸化マンガンを秤量した。上記組成(Li0.014Na0.3630.091Ba0.060Bi0.4730.990(Ti0.995Fe0.005)Oの金属酸化物100重量部に対して、副成分として金属換算でSiを0.0140重量部となるように二酸化ケイ素を秤量した。
この秤量粉にPVBを加えて混合した後、ドクターブレード法によりシート形成して厚み50μmのグリーンシートを得た。上記グリーンシートに内部電極用の導電ペーストを印刷した。導電ペーストには、Ag70%−Pd30%合金(Ag/Pd=2.33)ペーストを用いた。導電ペーストを塗布したグリーンシートを9枚積層して、その積層体を1100℃の条件で5時間焼成して焼結体を得た。このようにして得られた焼結体を10mm×2.5mmの大きさに切断した後にその側面を研磨し、内部電極を交互に短絡させる一対の外部電極(第一の電極と第二の電極)をAuスパッタにより形成し、図2(b)に示される構造の積層圧電素子を作製した。
得られた積層圧電素子の内部電極を観察したところ、電極材であるAg−Pdが圧電材料と交互に形成されていた。
圧電性の評価に先立って試料に分極処理を施した。具体的には、試料をホットプレート上で80℃に加熱し、第一の電極と第二の電極間に4.0kV/mmの電圧を30分間印加し、電圧を印加したままで室温まで冷却した。
得られた積層圧電素子の圧電性を評価したところ、十分な絶縁性を有し、実施例1の圧電材料と同等の良好な圧電特性を得ることができた。
(実施例31)
実施例30と同様に作製したグリーンシートに内部電極用の導電ペーストを印刷した。導電ペーストには、Niペーストを用いた。導電ペーストを塗布したグリーンシートを9枚積層して、その積層体を熱圧着した。
熱圧着した積層体を管状炉中で焼成した。焼成は300℃まで大気中で行い、脱バインダーを行った後、雰囲気を還元性雰囲気(H:N=2:98;酸素濃度2×10−6Pa)に切り替え、1100℃で5時間保持した。降温過程においては、900℃以下から酸素濃度を30Paに切り替えて室温まで冷却した。
このようにして得られた焼結体を10mm×2.5mmの大きさに切断した後、その側面を研磨し、内部電極を交互に短絡させる一対の外部電極(第一の電極と第二の電極)をAuスパッタにより形成し、図2(b)に示される構造の積層圧電素子を作製した。
得られた積層圧電素子の内部電極を観察したところ、電極材(電極層)であるNiが圧電材料層と交互に形成されていた。得られた積層圧電素子をホットプレート上で80℃に加熱し、第一の電極と第二の電極間に4.0kV/mmの電圧を30分間印加し、電圧を印加したままで室温まで冷却した。
得られた積層圧電素子の圧電性を評価したところ、十分な絶縁性を有し、実施例1の圧電材料と同等の良好な圧電特性を得ることができた。
(比較例21)
実施例30と同様の工程で積層圧電素子を作製した。ただし、焼成温度は1200℃で、内部電極はAg95%−Pd5%合金(Ag/Pd=19)である。
内部電極を走査型電子顕微鏡で観察した。その結果、内部電極は溶解し、島状に点在していていた。よって、内部電極が導通していないので分極ができなかった。そのため、圧電定数は測定できなかった。
(比較例22)
比較例21と同様に積層圧電素子を作製した。ただし、内部電極はAg5%−Pd95%合金(Ag/Pd=0.05)である。
内部電極を走査型電子顕微鏡で観察した。電極材であるAg−Pdは焼結が不十分であった。よって、内部電極が導通していないので、分極することができなかった。そのため、圧電定数は測定できなかった。
(実施例32)
実施例1の圧電素子を用いて、図3(b)に示される構造の液体吐出ヘッドを作製した。入力した電気信号に追随したインクの吐出が確認された。
(実施例33)
実施例32の液体吐出ヘッドを用いて、図4に示される構造の液体吐出装置を作製した。入力した電気信号に追随したインクの吐出が記録媒体上に確認された。
(実施例34)
実施例1の圧電素子を用いて、図6(a)に示される構造の超音波モータを作製した。交流電圧の印加に応じたモータの回転が確認された。
(実施例35)
実施例34の超音波モータを用いて、図7に示される構造の光学機器を作製した。交番電圧の印加に応じたオートフォーカス動作が確認された。
(実施例36)
実施例1の圧電素子を用いて、図9に示される構造の塵埃除去装置を作製した。プラスチック製ビーズを散布し、交番電圧を印加したところ、良好な塵埃除去率が確認された。
(実施例37)
実施例36の塵埃除去装置を用いて、図12に示される構造の撮像装置を作製した。作成した装置を動作させたところ、撮像ユニットの表面の塵を良好に除去し、塵欠陥の無い画像が得られた。
(実施例38)
実施例1の圧電素子を用いて、図14に示される構造の電子機器を作製した。交番電圧の印加に応じたスピーカ動作が確認された。
(実施例39)
実施例30の積層圧電素子を用いて、図3(b)に示される構造の液体吐出ヘッドを作製した。入力した電気信号に追随したインクの吐出が確認された。
(実施例40)
実施例39の液体吐出ヘッドを用いて、図4に示される構造の液体吐出装置を作製した。入力した電気信号に追随したインクの吐出が記録媒体上に確認された。
(実施例41)
実施例30の積層圧電素子を用いて、図6(b)に示される構造の超音波モータを作製した。交番電圧の印加に応じたモータの回転が確認された。
(実施例42)
実施例41の超音波モータを用いて、図7に示される構造の光学機器を作製した。交番電圧の印加に応じたオートフォーカス動作が確認された
(実施例43)
実施例30の積層圧電素子を用いて、図9に示される構造の塵埃除去装置を作製した。プラスチック製ビーズを散布し、交流電圧を印加したところ、良好な塵埃除去率が確認された。
(実施例44)
実施例43の塵埃除去装置を用いて、図12に示される構造の撮像装置を作製した。作成した装置を動作させたところ、撮像ユニットの表面の塵を良好に除去し、塵欠陥の無い画像が得られた。
(実施例45)
実施例30の積層圧電素子を用いて、図14に示される構造の電子機器を作製した。交番電圧の印加に応じたスピーカ動作が確認された。
本発明の圧電材料は、広い実用温度領域で良好かつ安定な圧電定数と電気絶縁性を有する。また、鉛を含まないために、環境に対する負荷が少ない。よって、本発明の圧電材料は、液体吐出ヘッド、液体吐出装置、超音波モータ、光学機器、振動装置、塵埃除去装置、撮像装置および電子機器などの圧電材料を用いる種々の機器にも問題なく利用することができる。
1 第一の電極
2 圧電材料
3 第二の電極
101 圧電素子
102 個別液室
103 振動板
104 液室隔壁
105 吐出口
106 連通孔
107 共通液室
108 バッファ層
1011 第一の電極
1012 圧電材料
1013 第二の電極
201 振動子
202 ロータ
203 出力軸
204 振動子
205 ロータ
206 バネ
2011 弾性体リング
2012 圧電素子
2013 有機系接着剤
2041 金属弾性体
2042 積層圧電素子
310 塵埃除去装置
330 圧電素子
320 振動板
330 圧電素子
331 圧電材料
332 第1の電極
333 第2の電極
336 第1の電極面
337 第2の電極面
310 塵埃除去装置
320 振動板
330 圧電素子
51 第一の電極
53 第二の電極
54 圧電材料層
55 内部電極
501 第一の電極
503 第二の電極
504 圧電材料層
505a 内部電極
505b 内部電極
506a 外部電極
506b 外部電極
601 カメラ本体
602 マウント部
605 ミラーボックス
606 メインミラー
200 シャッタユニット
300 本体シャーシ
400 撮像ユニット
701 前群レンズ
702 後群レンズ(フォーカスレンズ)
711 着脱マウント
712 固定筒
713 直進案内筒
714 前群鏡筒
715 カム環
716 後群鏡筒
717 カムローラ
718 軸ビス
719 ローラ
720 回転伝達環
722 コロ
724 マニュアルフォーカス環
725 超音波モータ
726 波ワッシャ
727 ボールレース
728 フォーカスキー
729 接合部材
732 ワッシャ
733 低摩擦シート
881 液体吐出装置
882 外装
883 外装
884 外装
885 外装
887 外装
890 回復部
891 記録部
892 キャリッジ
896 装置本体
897 自動給送部
898 排出口
899 搬送部
901 光学装置
908 レリーズボタン
909 ストロボ発光部
912 スピーカ
914 マイク
916 補助光部
931 本体
932 ズームレバー
933 電源ボタン

Claims (20)

  1. 下記一般式(1)で表されるペロブスカイト型金属酸化物を主成分とした圧電材料であって、前記金属酸化物100重量部に対して0.01重量部以上0.40重量部以下のMnを含有することを特徴とする圧電材料。
    一般式(1)
    (LiαxNaαyαzBaβBi0.5α+γ(Tiα+βFeγ)O
    (ただし、0.800≦α≦0.999、0≦β≦0.150、0.001≦γ≦0.050、α+β+γ=1、0≦x≦0.050、0.045≦y≦0.450、0.045≦z≦0.450、0.450≦x+y+z≦0.500、0.980≦a≦1.020)
  2. 2αy+β≧2α(x+z)であることを特徴とする請求項1に記載の圧電材料。
  3. 2αy+β≧4.6α(x+z)であることを特徴とする請求項2に記載の圧電材料。
  4. 0.002≦γ≦0.020であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧電材料。
  5. 前記圧電材料の脱分極温度が140℃以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の圧電材料。
  6. 前記圧電材料を構成する結晶粒の平均円相当径が0.3μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の圧電材料。
  7. 前記圧電材料の相対密度が93%以上100%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の圧電材料。
  8. 第一の電極、圧電材料部および第二の電極を有する圧電素子であって、前記圧電材料部を構成する圧電材料が請求項1〜7のいずれか一項に記載の圧電材料であることを特徴とする圧電素子。
  9. 複数の圧電材料層と、内部電極を含む複数の電極層とが交互に積層された積層圧電素子であって、前記圧電材料層が請求項1〜7のいずれか一項に記載の圧電材料よりなることを特徴とする積層圧電素子。
  10. 前記内部電極がAgとPdを含み、前記Agの含有重量M1と前記Pdの含有重量M2との重量比M1/M2が0.25≦M1/M2≦4.0であることを特徴とする請求項9に記載の積層圧電素子。
  11. 前記内部電極がNiおよびCuの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項9に記載の積層圧電素子。
  12. 請求項8に記載の圧電素子または請求項9〜11のいずれか一項に記載の積層圧電素子を配した振動部を備えた液室と、前記液室と連通する吐出口を有することを特徴とする液体吐出ヘッド。
  13. 被転写体の載置部と請求項12に記載の液体吐出ヘッドを備えたことを特徴とする液体吐出装置。
  14. 請求項8に記載の圧電素子または請求項9〜11のいずれか一項に記載の積層圧電素子を配した振動体と、前記振動体と接触する移動体とを有することを特徴とする超音波モータ。
  15. 駆動部に請求項14に記載の超音波モータを備えたことを特徴とする光学機器。
  16. 請求項8に記載の圧電素子または請求項9〜11のいずれか一項に記載の積層圧電素子を振動板に配した振動体を有することを特徴とする振動装置。
  17. 請求項16に記載の振動装置を振動部に備えたことを特徴とする塵埃除去装置。
  18. 請求項17に記載の塵埃除去装置と撮像素子ユニットとを有する撮像装置であって、前記塵埃除去装置の振動板を前記撮像素子ユニットの受光面側に設けたことを特徴とする撮像装置。
  19. 請求項8に記載の圧電素子または請求項9〜11のいずれか一項に記載の積層圧電素子を備えた圧電音響部品。
  20. 請求項8に記載の圧電素子または請求項9〜11のいずれか一項に記載の積層圧電素子を備えた電子機器。
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