JP5987169B2 - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体電解コンデンサ及びその製造方法に関するものである。
酸化タンタル及び酸化ニオブなどの弁金属酸化物は、誘電率及び絶縁性が高く、固体電解コンデンサの誘電体材料として用いられている。
これらの固体電解コンデンサは、近年、携帯電話やノート型パソコン、携帯用ゲーム機器などの電子デバイスや、カーナビゲーション、エンジンコントロールユニットなどの自動車デバイスへの用途が増加している。これらの高性能化に伴い、より小型で高容量である固体電解コンデンサが求められている。
固体電解コンデンサを高容量化するためには、(1)陽極体の表面積の増加、(2)誘電体層の薄膜化、及び(3)誘電体層の誘電率向上が必要である。これらの中でも、特に(3)誘電体層の誘電率向上が、高容量化に最も効果的である。
特許文献1においては、誘電体層の誘電率を向上させるため、アルミニウムを陽極酸化して酸化アルミニウム誘電体層を形成した後、バリウムやチタンを含む金属アルコキシド溶液を誘電体層の表面に塗布し、これを熱処理することで、酸化アルミニウム誘電体層の上に、チタン酸バリウムの層を形成し、誘電体層を2層構造にした電解コンデンサとすることが提案されている。
特開昭60−60709号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された固体電解コンデンサは、2層の誘電体層の密着性が十分でなく、漏れ電流が増加するという問題があった。
本発明の目的は、漏れ電流を抑制することができる固体電解コンデンサ及びその製造方法を提供することにある。
本発明の固体電解コンデンサは、陽極体と、前記陽極体上に形成された金属酸化物からなる第1の誘電体層と、前記第1の誘電体層上に形成された絶縁性高分子からなる第2の誘電体層と、前記第2の誘電体層上に形成された前記金属酸化物より誘電率が高い誘電体からなる第3の誘電体層と、前記第3の誘電体層上に形成された固体電解質層とを備えることを特徴としている。
絶縁性高分子は、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、及び水酸基からなる一群のうちから少なくとも1つを含むと共に、架橋していることが好ましい。
絶縁性高分子としては、アルデヒド基、水酸基、またはカルボキシル基を少なくとも2つ有する架橋剤を用いて架橋した架橋ポリビニルアルコールまたはその誘導体が挙げられる。なお、「アルデヒド基、水酸基、またはカルボキシル基を少なくとも2つ有する」とは、例えば、アルデヒド基を2つ有するというように同一の官能基を有するものに限定されず、例えば、1つのアルデヒド基と1つの水酸基を有するというように異なる官能基を有するものであっても良いことを意味する。
第3の誘電体層を構成する誘電体としては、チタン酸バリウムの粒子が挙げられる。
本発明の製造方法は、陽極体と、前記陽極体上に形成された金属酸化物からなる第1の誘電体層と、前記第1の誘電体層上に形成された絶縁性高分子からなる第2の誘電体層と、前記第2の誘電体層上に形成された前記金属酸化物より誘電率が高い誘電体からなる第3の誘電体層と、前記第3の誘電体層上に形成された固体電解質層とを備える固体電解コンデンサを製造する方法であって、前記陽極体となる金属部材の上に、前記第2の誘電体層を形成する工程と、前記第3の誘電体層を構成する金属元素のうちの少なくとも1種の第1金属のイオンを含む溶液に、前記第2の誘電体層を形成した前記金属部材を浸漬し、前記金属部材を陽極として通電することにより、前記第2の誘電体層と接する前記金属部材の領域を陽極酸化して前記第1の誘電体層を形成するとともに、前記第2の誘電体層の上に前記第1金属のイオンの酸化物層を析出させる工程とを備えることを特徴としている。
本発明の製造方法において、前記第3の誘電体層が複数の金属元素から構成されている場合において、前記第3の誘電体層を構成する金属元素のうちの前記第1金属のイオン以外の第2金属のイオンを含む溶液に、前記酸化物層を析出させた前記金属部材を浸漬し、加熱することにより、前記酸化物層を第1金属と第2金属とを含む誘電体に変化させて前記第3の誘電体層を形成する工程をさらに備えることがさらに好ましい。
第3の誘電体層を構成する誘電体としては、チタン酸バリウムが挙げられる。この場合、第1金属のイオンを含む溶液が、3価のチタンイオンを含む溶液であり、第2金属のイオンを含む溶液が、バリウムイオンを含む溶液であることが好ましい。
本発明によれば、漏れ電流を抑制することができる。
本発明の製造方法によれば、上記本発明の固体電解コンデンサを簡易にかつ効率良く製造することができる。
本発明の一実施形態の固体電解コンデンサを示す模式的断面図。 本発明の一実施形態の固体電解コンデンサにおける陽極体の表面近傍を拡大して示す模式的断面図。 本発明の一実施形態の固体電解コンデンサの製造工程を示す模式図。 本発明の一実施例の固体電解コンデンサの陽極体及び各誘電体層を示す走査型電子顕微鏡写真。 比較例1の固体電解コンデンサの製造工程を示す模式図。 比較例2の固体電解コンデンサの製造工程を示す模式図。
図1は、本発明に従う一実施形態の固体電解コンデンサを示す模式的断面図である。
図1に示すように、陽極体2には、陽極リード1が埋設されている。陽極体2は、弁金属または弁金属を主成分とする合金からなる粉末を成形し、この成形体を焼結することにより作製されている。従って、陽極体2は、多孔質体から形成されている。図1において図示されていないが、この多孔質体には、その内部から外部に連通する微細な孔が多数形成されている。このように作製された陽極体2は、本実施形態において、外形が略直方体になるように作製されている。
陽極体2を形成する弁金属としては、固体電解コンデンサに用いることができるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、タンタル、ニオブ、チタン、アルミニウム、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモン等が挙げられる。これらの中でも、酸化物の誘電率が高く、原料の入手が容易な、タンタル、ニオブ、チタン、アルミニウムが特に好ましい。また、弁金属を主成分とする合金としては、例えば、タンタルとニオブ等の2種以上からなる弁金属同士の合金や、弁金属と他の金属との合金が挙げられる。弁金属と他の金属との合金を用いる場合には、弁金属の割合を50原子%以上とすることが好ましい。
また、陽極体としては、弁金属の金属箔または合金箔を用いてもよい。陽極体の表面積を大きくするため、金属箔または合金箔をエッチングしたもの、これらの箔を巻いたもの、これらの箔を重ねたものを用いてもよい。また、これらの箔と粉末とを焼結し、一体化したものを用いてもよい。
陽極体2の上には、第1の誘電体層3aが形成されている。第1の誘電体層3aは、金属酸化物から形成されており、好ましくは、陽極体2の表面を陽極酸化(化成処理)などで酸化することにより形成される。従って、第1の誘電体層3aは、酸化タンタル(Ta)、酸化ニオブ(Nb)、酸化チタン(TiO)、酸化アルミニウム(Al)などから形成されていることが好ましい。また、第1の誘電体層3aは、非晶質の金属酸化物から形成されていることが好ましい。
第1の誘電体層3aの上には、第2の誘電体層3bが形成されている。第2の誘電体層3bは、絶縁性高分子から形成されている。第2の誘電体層3bを構成する絶縁性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン及びこれらの誘導体などが挙げられる。第2の誘電体層3bを形成した後、陽極体2を水溶液に浸漬する場合には、第2の誘電体層3bが、水溶液に溶解しないように不溶化されていることが好ましい。従って、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子は、架橋することにより不溶化されていることが好ましい。
第2の誘電体層3bの上には、第3の誘電体層3cが形成されている。第3の誘電体層3cは、第1の誘電体層3aを構成する金属酸化物よりも誘電率が高い誘電体から形成される。このような誘電体としては、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、チタン酸カルシウム(CaTiO)、及びそれらの固溶体などが挙げられる。
第3の誘電体層3cの上には、固体電解質層4が形成される。固体電解質層4は、二酸化マンガンや、導電性高分子などから形成することができる。等価直列抵抗(ESR)を低減する観点からは、導電性高分子が好ましく用いられる。導電性高分子としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレンなどが挙げられる。固体電解質層4としての導電性高分子層は、化学重合や電解重合などの従来より公知の方法を用いて形成することができる。
本実施形態において、陽極体2は、多孔質体であり、第1の誘電体層3a、第2の誘電体層3b、第3の誘電体層3c及び固体電解質層4は、陽極体2の孔の表面にも形成されている。図1においては、陽極体2及び陽極リード1の外周側に形成された第1、第2及び第3の誘電体層3a、3b及び3c並びに固体電解質層4を模式的に示しており、上述の多孔質の孔の表面に形成された各層は図示していない。
陽極体2の外周部の固体電解質層4の上には、カーボン層5aが形成され、カーボン層5aの上に、銀層5bが形成されている。カーボン層5aは、カーボンペーストを塗布することにより形成することができる。銀層5bは、銀ペーストを塗布し、焼成することにより形成することができる。本実施形態において、カーボン層5aと銀層5bとから陰極層6が構成されている。
銀層5bの上には、導電性接着剤層7を介して陰極端子9が接続されている。また、陽極リード1には、陽極端子8が接続されている。陽極端子8及び陰極端子9の端部が外部に引き出されるようにモールド樹脂外装体10が形成されている。
以上のようにして、本実施形態の固体電解コンデンサが形成されている。
図2は、図1に示す固体電解コンデンサの陽極体2の外面側の表面近傍を拡大して示す模式的断面図である。
図2に示すように、陽極体2は、多孔質体であり、その内部に微細な孔が形成されている。陽極体2の表面には、第1の誘電体層3a、第2の誘電体層3b、及び第3の誘電体層3cがこの順序で形成されている。第3の誘電体層3cの上には、固体電解質層4が形成されており、固体電解質層4の上に、カーボン層5a及び銀層5bからなる陰極層6が形成されている。
第2の誘電体層3bの厚みは1nm以上であることが好ましく、10nm以下であることが好ましい。さらには、3nm以上であることが好ましく、5nm以下であることが好ましい。第2の誘電体層3bの厚みが薄すぎると、漏れ電流を低減する効果が十分に得られない場合がある。また、第2の誘電体層3bの厚みが厚すぎると、後述する製造工程において、陽極体2の表面に第2の誘電体層3bを形成した状態で陽極酸化することにより、第1の誘電体層3aを形成する際、電流が流れにくくなり、第1の誘電体層3aを形成しにくくなる場合がある。
本実施形態においては、陽極体2をタンタルから形成している。従って、第1の誘電体層3aは、陽極体2を陽極酸化して形成した非晶質の酸化タンタル(Ta)から形成されている。
第2の誘電体層3bは、ポリビニルアルコールの架橋体から形成している。ポリビニルアルコールの比誘電率は2である。ポリビニルアルコールは数多い高分子の中でも、水との親和性が極めて高いため、水溶性に優れている。従って、ポリビニルアルコール分子は、水溶液中で多孔質体である陽極体2の内部まで容易に拡散することができる。従って、高い比表面積を有する陽極体2の表面を均一に被覆するのに、ポリビニルアルコールは適している。
ポリビニルアルコール水溶液中に、陽極体2を浸漬することにより、陽極体2の表面に、ポリビニルアルコールを付着させた後、乾燥し、これにグリタルアルデヒド、ホウ酸などの架橋剤の水溶液を接触させてポリビニルアルコール架橋体とすることができる。
本実施形態において、第3の誘電体層3cは、チタン酸バリウムから形成している。チタン酸バリウム系の酸化物は比誘電率が約1000〜6000と、比誘電率が約27である酸化タンタルと比較し非常に大きい。チタン酸バリウムは、後述する製造工程により形成することができる。
陽極を陽極酸化して形成した誘電体層を有する固体電解コンデンサの誘電体層と略同じ厚みとなるよう本実施形態の誘電体層を形成する場合において、第2の誘電体層3bの誘電率が、第1の誘電体層3a及び第3の誘電体層3cの誘電率よりも低い場合は、第2の誘電体層3bの厚みをもっとも薄くし、第3の誘電体層3cを最も厚くする方がよい。これにより、第3の誘電体層3cによる静電容量を高める効果を高めることができる。
本実施形態においては、第2の誘電体層3bの厚みは、第1の誘電体層3aの厚み及び第3の誘電体層3cの厚みより極めて薄い。具体的には、第2の誘電体層3bの厚みは、第1の誘電体層3aの厚みの1/100〜1/10の範囲が好ましい。第2の誘電体層3bの厚みは、第3の誘電体層3cの厚みの1/100〜1/10の範囲が好ましい。
図3は、本実施形態における第1の誘電体層3a、第2の誘電体層3b及び第3の誘電体層3cの形成方法を説明するための模式的断面図である。
図3(a)に示すように、陽極体2となる金属部材2aを準備する。次に、図3(b)に示すように、金属部材2aの上に、第2の誘電体層3bを形成する。本実施形態においては、第2の誘電体層3bとして、ポリビニルアルコール架橋体を形成している。
次に、図3(b)に示す第2の誘電体層3bを形成した金属部材2aを、第3の誘電体層3cを構成する金属元素のうちの少なくとも1種の金属イオンである第1金属のイオンを含む溶液に浸漬する。本実施形態においては、第1金属のイオンとして3価のチタンイオン(Ti3+)を含む溶液である三塩化チタン(TiCl)を含む塩酸(HCl)水溶液に浸漬する。この状態で、金属部材2aを陽極とし、該塩酸水溶液中に陰極を配置し、通電することにより、第2の誘電体層3bと接する側の金属部材2aの領域を陽極酸化して、非晶質の酸化タンタルに変化させ、非晶質の酸化タンタルからなる第1の誘電体層3aを形成する。
図3(c)に示すように、上記陽極酸化により、陽極体2の上に第1の誘電体層3aが形成されるとともに、水溶液中の3価のチタンイオンが酸化されることにより形成された4価のチタニアゾル(Ti(OH),TiO(OH))11aが第2の誘電体層3bであるポリビニルアルコール架橋体膜の上に、直接析出する。
次に、図3(c)に示す陽極体2を加熱することにより、4価のチタニアゾル11aが脱水されて、図3(d)に示すように酸化チタン膜(TiO)11bとなる。酸化チタン膜11bは、陽極体2の酸化タンタルよりも誘電率が高いため、本発明においては、酸化チタン膜11bを第3の誘電体層3cとして用いてもよい。従って、酸化チタン膜11bを第3の誘電体層3cとして用い、酸化チタン膜11bの上に、固体電解質層4を形成し、その後上述のようにして固体電解コンデンサを作製してもよい。
本実施形態においては、さらに、図3(d)に示す状態の陽極体2を、第2金属のイオンとしてバリウムイオン(Ba2+)を含む水酸化バリウム(Ba(OH))水溶液に浸漬し、密閉容器中において加熱することにより、酸化チタン膜11bを、チタン酸バリウムに変化させ、図3(e)に示すように、チタン酸バリウムの粒子からなる第3の誘電体層3cを形成している。
なお、チタニアゾル11aを加熱脱水して、酸化チタン膜11bとするための加熱温度は、100〜200℃の範囲内であることが好ましい。また、酸化チタン膜11bと、水酸化バリウムとを反応させる際の加熱処理の温度は、50〜200℃の範囲内であることが好ましい。
第3の誘電体層3cの上に、上述のようにして、固体電解質層4及び陰極層6を形成し、固体電解コンデンサを作製することができる。
以上のようにして、陽極体2の上に、第1の誘電体層3a、第2の誘電体層3b、及び第3の誘電体層3cを形成することができる。
本発明の製造方法によれば、上述のように、陽極体2となる金属部材2aの上に、第2の誘電体層3bを形成した後、これを第3の誘電体層3cを構成する金属元素のうちの少なくとも1種の金属イオンを含む溶液に浸漬し、金属部材2aを陽極として通電することにより、第2の誘電体層3bと接する金属部材2aの領域を陽極酸化して第1の誘電体層3aを形成するとともに、第2の誘電体層3bの上に、浸漬した溶液中に含有される金属イオンの酸化物層11aを析出させることができる。
従って、簡易な工程で第1の誘電体層3a、第2の誘電体層3b、及び第3の誘電体層3cを形成することができる。
本実施形態では、上述のように、4価のTiのチタニアゾルを形成するのに、3価のTiイオンを含む溶液を用い、陽極酸化させるとともに、3価のTiイオンを酸化することにより、4価のTiのチタニアゾルを形成している。本実施形態においては、このように価数の低い金属イオンである3価のTiイオンの溶液中に浸漬し、陽極酸化とともに、金属イオンを酸化させ、価数を変化させることにより、Tiイオンが活性化し、水と反応しやすくなり、第2の誘電体層3bの上において効率良く均一に3価のTiイオンを酸化させてその水酸化物である4価のチタニアゾルの層を析出させることができる。
また、上述のように、4価のTiのチタニアゾル11aを加熱し、脱水することにより、酸化チタン膜11bを形成することができ、酸化チタン膜11bをそのまま第3の誘電体層3cとして用いてもよい。本実施形態では、第2金属のイオンとしてバリウムイオンを含む水溶液中に浸漬し60〜180℃で加熱処理することにより、酸化チタン膜11bを、チタン酸バリウムに変化させ、第3の誘電体層3cとして用いている。チタン酸バリウムの誘電率は、酸化チタンの誘電率よりもさらに高いので、固体電解コンデンサの容量をさらに高めることができる。
また、本実施形態の製造方法によれば、陽極体2となる金属部材2aの上に、第2の誘電体層3bを形成した後、三塩化チタンを含む塩酸水溶液中で陽極酸化を行っているため、第3の誘電体層3cより誘電率の低い第1の誘電体層3aの厚みが薄くなるよう制御できる。
また、水酸化バリウム水溶液中で60〜180℃の範囲で加熱することにより、酸化チタン膜11bをチタン酸バリウムに変化させているため、バリウムやチタンを含む金属アルコキシド溶液を塗布し、400〜500℃で熱処理して形成した場合と比べて、第1の誘電体層3aや第2の誘電体層3bが劣化することを抑制し、漏れ電流を低減できる。
本発明においては、第2の誘電体層3bが形成されているので、その上に直接形成される第3の誘電体層3cを良好な密着性で第1の誘電体層3aの上に保持させることができる。また、第1の誘電体層3aと第3の誘電体層3cの間に、第2の誘電体層3bが均一に密着性良く形成されているので、漏れ電流の発生を抑制することができる。
また、第1の誘電体層3aよりも誘電率が高い第3の誘電体層3cが形成されているので、第1の誘電体層3a、第2の誘電体層3b及び第3の誘電体層3cの合計の厚みと同程度の誘電体層の厚みとなるように陽極を陽極酸化することにより形成された誘電体層を有する従来の固体電解コンデンサに比べ、高容量化を図ることができる。
また、第2の誘電体層3bにより、第3の誘電体層3cを密着性良く保持することができるので、第3の誘電体層3cが剥離するのを抑制することができ、長期間にわたって静電容量の低下を抑制することができる。このため、固体電解コンデンサの信頼性を高めることができる。
また、第2の誘電体層3bを形成後に、第2の誘電体層3bと接する第1の誘電体層3aが形成されているので、第1の誘電体層3aと第2の誘電体層3bとの密着性を高めることができる。従って、第1の誘電体層3aと第2の誘電体層3bとの層間が剥離することを制御できる。
また、第1の誘電体層3aと、第3の誘電体層3cの間に第2の誘電体層3bが形成されているので、耐電圧性を向上させることができる。
また、本実施形態において、第3の誘電体層3cは結晶性の高いチタン酸バリウムの粒子で構成されている。結晶性粒子からなるチタン酸バリウムは、漏れ電流を抑制しにくいが、本実施形態の第1の誘電体層3aは弁金属の酸化物として安定している非晶質の酸化タンタル(Ta)により構成されているので、結晶性粒子からなるチタン酸バリウムからなる第3の誘電体層3cを設けた場合であっても、第1の誘電体層3aにより、漏れ電流の発生を抑制できる。さらに、本実施形態では、絶縁性の高いポリビニルアルコールにより第2の誘電体層3bが第1の誘電体層3aと第3の誘電体層3cとの間に設けられているので、漏れ電流の発生をより抑制できる。
以下、本発明を具体的な実施例によりさらに説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
図1及び図2に示す固体電解コンデンサを以下のようにして作製した。
(ステップ1)
タンタル粒子を焼結することにより、タンタル焼結体を作製し、陽極体2となる金属部材2aとして用いた。この金属部材2aを、0.1重量%のポリビニルアルコール水溶液に浸漬した後、乾燥した。その後、1.0重量%のグルタルアルデヒド水溶液中に浸漬した後、加熱乾燥した。これにより、金属部材2aの上に、水不溶性であるポリビニルアルコール架橋体からなる第2の誘電体層3bを形成した。
(ステップ2)
ステップ1の処理をした金属部材2aを1重量%の三塩化チタンと、0.4重量%の塩酸を含む水溶液中に浸漬し、金属部材2aを陽極、白金を陰極として、定電流通電した。これにより、上述のように、第1の誘電体層3aを形成するとともに、第2の誘電体層3bの上に、チタニアゾル11aからなる層を形成した。
なお、第2の誘電体層3bを形成していない金属部材2aを陽極酸化しても、チタニアゾルは形成されない。これは、タンタルから酸化タンタルを形成する酸化反応の速度が、チタンイオンから水酸化チタン(チタニアゾル)を形成する酸化反応より大きいためであると思われる。第2の誘電体層3bを形成しておくことにより、金属部材2aが酸化される反応を適度に抑制することができるため、水酸化チタン(チタニアゾル)を析出させることができると思われる。
なお、第2の誘電体層3bの厚みは、4nmとした。
(ステップ3)
ステップ2の処理をした陽極体2を、150℃で2時間加熱して、水酸化チタン(チタニアゾル)を加熱脱水し、酸化チタン膜とした。上述のように、この酸化チタン膜11bを第3の誘電体層3cとして用いてもよい。
(ステップ4)
ステップ3の処理をした陽極体2を、5重量%の水酸化バリウム水溶液中に浸漬した。これを密閉容器中において、120℃で72時間加熱した。この水熱処理により、酸化チタンをチタン酸バリウムに変化させ、チタン酸バリウムからなる第3の誘電体層3cを形成した。
浸漬する水溶液を水酸化バリウム水溶液に代えて、水酸化ストロンチウム水溶液とする
ことにより、第3の誘電体層3cを構成する誘電体をチタン酸ストロンチウムにすること
ができる。同様にして、陽極酸化する際に用いる溶液と、水熱処理に用いる溶液に含ませ
るそれぞれの金属イオンを選択することにより、種々の誘電体を形成することができる。
また、水酸化バリウム水溶液に、マグネシウム、カルシウムまたはストロンチウムから選ばれた少なくとも1つを添加した水溶液を用いてもよい。水酸化バリウム水溶液に、マグネシウム、カルシウムまたはストロンチウムを少なくとも1つ添加して形成された第3の誘電体層3cを構成するチタン酸バリウム(BaTiO)からなる誘電体の結晶構造は、バリウムの一部がマグネシウム、カルシウムまたはストロンチウムに置換された結晶構造となる。上記の添加を行うことで、誘電率の温度依存性を制御できる。
また、本実施形態において、水熱処理に用いる水溶液の溶質として、水酸化バリウムを用いたが、これに限らず、酢酸バリウム、塩化バリウム、燐酸水素バリウム、フッ化バリウム、硫酸バリウム、硝酸バリウム、炭酸バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、過塩素酸バリウム、シュウ酸バリウム等を用いることができる。このように水熱処理に用いる水溶液中にバリウムイオンを含有できる溶質を用い、さらに、電解質水溶液のpH等を適宜調整することにより、上記と同様の第3の誘電体層3cを形成することができる。
(ステップ5)
ステップ4の処理をした陽極体2に対し、固体電解質層4としてポリピロール膜を形成し、その後、上述のようにして陰極層6などを形成することにより、固体電解コンデンサを作製した。
図4は、ステップ4の処理を施した後の陽極体を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
図4に示すように、陽極体2の上に、第1の誘電体層3a、第2の誘電体層3b、及び第3の誘電体層3cが形成されていることがわかる。また、第3の誘電体層3cがチタン酸バリウムの粒子から構成されていることがわかる。
また、水との親和性の高いポリビニルアルコールが、多孔質体である陽極体2の内部まで浸透し、その後の熱処理により、多孔質体の表面に均一なポリビニルアルコール架橋体が形成されているので、多孔質体内部まで水酸化チタンを析出させることができる。これにより、図4に示すように多孔質体内部まで均一なチタン酸バリウムからなる第3の誘電体層3cを形成できる。
[サンプル作製]
以下に説明するように実施例1、比較例1、比較例2のサンプルを作製し、水中容量及び漏れ電流を測定した。水中容量は30重量%の硫酸水溶液中で、120Hz、100mVで測定した値を陽極面積で割った値である。また、漏れ電流は0.98重量%のリン酸水溶液中で、直流電圧10.5Vを印加して120秒経過後の値である。
(実施例1)
図3を参照して実施例1について説明する。図3(a)に示すように、陽極体2となる金属部材2aを準備する。タンタル焼結体からなる金属部材2aを0.05重量% のポリビニルアルコール(PVA)水溶液中に5分間浸漬した後、100℃で10分間乾燥した。その後、5.5重量%のグルタルアルデヒド水溶液中に5分間浸漬した後、65℃で30分間、100℃で15分間反応させた。その後、純水で15分間水洗し、100℃で15分間乾燥した。以上の作業を再度繰り返し行い(計2回)、図3(b)に示すように金属部材2aの上に第2の誘電体層3bとしてポリビニール架橋体を形成した。
次いで、第2の誘電体層3bを形成した金属部材2aを1.5重量%の三塩化チタンTiCl水溶液中において、15vで陽極酸化した(電流密度:1mA/p、保持時間:3.5時間、陰極:白金)。これにより、図3(c)に示すように、非晶質の酸化タンタルからなる第1の誘電体層3aが形成されると共に、4価のチタニアゾル11aを析出させた。陽極酸化終了後、純水で10分間水洗し、65℃で15分間乾燥した。その後、200℃で3時間加熱処理を行った。これにより、図3(d)に示すように、4価のチタニアゾル11aが酸化チタン膜11bとなった。
次いで、TiCl中での陽極酸化後の加熱処理により表面に酸化チタン膜11bを形成した金属部材2aを80℃で、8.6重量%の水酸化バリウムBa(OH)水溶液中で72時間水熱処理した。これにより、図3(e)に示すように、酸化チタン膜11bをチタン酸バリウムに変化させてチタン酸バリウムの粒子からなる第3の誘電体層3cを形成した。
(比較例1)
図5を参照して比較例1について説明する。図5(a)に示すように、陽極体2となる金属部材2aを準備する。タンタル焼結体からなる金属部材2aを1.5重量%の三塩化チタンTiCl水溶液中において、15vで陽極酸化した(電流密度:1mA/p、保持時間:3.5時間、陰極:白金)。これにより、図5(b)に示すように、非晶質の酸化タンタルからなる誘電体層3a1が形成されると共に、4価のチタニアゾル11a1を析出させた。陽極酸化終了後、純水で10分間水洗し、65℃で15分間乾燥した。その後、200℃で3時間加熱処理を行った。これにより、図5(c)に示すように、4価のチタニアゾル11a1が酸化チタン膜11b1となった。
次いで、TiCl中での陽極酸化後の加熱処理により表面に酸化チタン膜11b1を形成した金属部材2aを80℃で、8.6重量%の水酸化バリウムBa(OH)水溶液中で72時間水熱処理した。これにより、図5(d)に示すように、酸化チタン膜11b1をチタン酸バリウムに変化させてチタン酸バリウムの粒子からなる誘電体層3c1を形成した。
(比較例2)
図6を参照して比較2について説明する。図6(a)に示すように、陽極体2となる金属部材2aを準備する。タンタル焼結体からなる金属部材2aを1.5重量%の三塩化チタンTiCl水溶液中において、15vで陽極酸化した(電流密度:1mA/p、保持時間:3.5時間、陰極:白金)。これにより、図6(b)に示すように、非晶質の酸化タンタルからなる誘電体層3a2が形成されると共に、4価のチタニアゾル11a2を析出させた。陽極酸化終了後、純水で10分間水洗し、65℃で15分間乾燥した。その後、200℃で3時間加熱処理を行った。これにより、図6(c)に示すように、4価のチタニアゾル11a2が酸化チタン膜11b2となった。
次いで、酸化チタン膜11b2を形成した陽極体2を0.05重量% のポリビニルアルコール(PVA)水溶液中に5分間浸漬した後、100℃で10分間乾燥した。その後、5.5重量%のグルタルアルデヒド水溶液中に5分間浸漬した後、65℃で30分間、100℃で15分間反応させた。その後、純水で15分間水洗し、100℃で15分間乾燥した。以上の作業を再度繰り返し行い(計2回)、図6(d)に示すように誘電体層3a2の上に誘電体層3b2としてポリビニール架橋体を形成した。
次いで、誘電体層3b2を形成した陽極体2を80℃で、8.6重量%の水酸化バリウムBa(OH)水溶液中で72時間水熱処理した。これにより、図6(e)に示すように、酸化チタン膜11b2をチタン酸バリウムに変化させてチタン酸バリウムの粒子からなる誘電体層3c2を形成した。
測定結果を表1にまとめた。表1を見れば分かるように、実施例1は比較例1及び2に比べて水中容量が大きく、漏れ電流が小さい。これは、チタン酸バリウムの粒子からなる誘電体層3c1、3c2が部分的にしか形成されず、実施例1の第3の誘電体層3cのように層状に形成されていないからである。よって、本願発明に係る固体電解コンデンサ及びその製造方法は技術的に優れていることが分かる。
上記実施形態及び上記実施例においては、陽極体として、弁金属または合金の粒子を焼結した焼結体を用いた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上述のように、弁金属の金属箔または合金箔を用いた固体電解コンデンサとしてもよい。
1…陽極リード
2…陽極体
2a…金属部材
3a…第1の誘電体層
3b…第2の誘電体層
3c…第3の誘電体層
4…固体電解質層
5a…カーボン層
5b…銀層
6…陰極層
7…導電性接着剤層
8…陽極端子
9…陰極端子
10…モールド樹脂外装体
11a…チタニアゾル
11b…酸化チタン膜

Claims (8)

  1. 陽極体と、前記陽極体上に形成された金属酸化物からなる第1の誘電体層と、前記第1の誘電体層上に形成された絶縁性高分子からなる第2の誘電体層と、前記第2の誘電体層上に形成された前記金属酸化物より誘電率が高い誘電体からなる第3の誘電体層と、前記第3の誘電体層上に形成された固体電解質層とを備える固体電解コンデンサ。
  2. 前記絶縁性高分子は、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、及び水酸基からなる一群のうちから少なくとも1つを含むと共に、架橋している請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記絶縁性高分子が、アルデヒド基、水酸基、またはカルボキシル基を少なくとも2つ有する架橋剤を用いて架橋した架橋ポリビニルアルコールまたはその誘導体である請求項1又は2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 前記第3の誘電体層を構成する前記誘電体が、チタン酸バリウムの粒子である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
  5. 陽極体と、前記陽極体上に形成された金属酸化物からなる第1の誘電体層と、前記第1の誘電体層上に形成された絶縁性高分子からなる第2の誘電体層と、前記第2の誘電体層上に形成された前記金属酸化物より誘電率が高い誘電体からなる第3の誘電体層と、前記第3の誘電体層上に形成された固体電解質層とを備える固体電解コンデンサを製造する方法であって、
    前記陽極体となる金属部材の上に、前記第2の誘電体層を形成する工程と、
    前記第3の誘電体層を構成する金属元素のうちの少なくとも1種の第1金属のイオンを含む溶液に、前記第2の誘電体層を形成した前記金属部材を浸漬し、前記金属部材を陽極として通電することにより、前記第2の誘電体層と接する前記金属部材の領域を陽極酸化して前記第1の誘電体層を形成するとともに、前記第2の誘電体層の上に前記第1金属のイオンの酸化物層を析出させる工程とを備える固体電解コンデンサの製造方法。
  6. 前記第3の誘電体層が複数の金属元素から構成されている場合において、前記第3の誘電体層を構成する金属元素のうちの前記第1金属のイオン以外の第2金属のイオンを含む溶液に、前記酸化物層を析出させた前記金属部材を浸漬し、加熱することにより、前記酸化物層を第1金属と第2金属とを含む誘電体に変化させて前記第3の誘電体層を形成する工程をさらに備える請求項5に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  7. 前記誘電体が、チタン酸バリウムである請求項6に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  8. 第1金属のイオンを含む溶液が、3価のチタンイオンを含む溶液であり、第2金属のイオンを含む溶液が、バリウムイオンを含む溶液である請求項7に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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