JP7340817B2 - 電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、主として電解コンデンサの電極に関する。
電解コンデンサの陽極体には、弁作用金属を含む金属箔が用いられている。静電容量を増加させる観点から、金属素材の主面の少なくとも一部にエッチングなどの処理が施され、多孔体が形成される。その後、多孔体を化成処理して、多孔体の細孔もしくは凹凸の表面に、金属酸化物(誘電体)の層が形成される。
化成処理により形成される金属酸化物層の特性(欠陥の数、ぬれ性など)は、製造後の電解コンデンサの容量、耐圧、および、漏れ電流に影響を与える。
例えば、特許文献1では、静電容量を増加させるために、誘電体として、酸化アルミニウムとバルブ金属酸化物(酸化アルミニウムを除く。)との混合層である複合酸化皮膜を、バルブ金属酸化物前駆体溶液を用いて形成することを提案している。
特開2003-257796号公報
電解コンデンサの製造では、通常、大判の金属箔をエッチングし、化成処理を行った後、化成処理後の陽極箔を所定の形状および大きさに切断する。その後、陽極体、セパレータおよび陰極体の積層体をケースに収容し、電解コンデンサが組み立てられる。したがって、陽極箔の切断面には、金属酸化物層で被覆されていない金属層が露出し得る。金属層が露出すると、露出した金属層を介してリーク電流が流れることで、耐圧低下の一因となる。
そこで、露出した金属層を介してリーク電流が流れるのを抑制するために、組立工程または組立後に再度の化成処理あるいはエージング処理を行い、切断部にも酸化被膜を形成することも行われている。
しかしながら、切断部に形成された酸化被膜は、金属箔の化成とは異なる工程を経ているため、欠陥が多くなる。この結果、この切断部を介した耐圧の低下や漏れ電流の増加の抑制効果が不十分であった。
以上に鑑み、本発明の第1の側面(以下において、適宜「第1の態様」という)に係る電解コンデンサ用電極箔は、多孔体部分を有する基材部を備える陽極用電極体と、前記多孔体部分の表面に配置される誘電体層と、を備え、前記陽極用電極体は、前記多孔体部分の細孔が開口する第1の主面、前記第1の主面の裏面である第2の主面、および、前記第1の主面と前記第2の主面とを連結する端面と、を備える。前記多孔体部分において、前記端面から所定の距離以下の端面近傍領域での前記誘電体層の第1の厚が、前記第1の主面に平行な方向での中央部において前記第1の主面から離れた深部での前記誘電体層の第2の厚よりも大きい
本発明の第2の側面(以下において、適宜「第2の態様」という)に係る電解コンデンサ用電極箔は、多孔体部分を有する基材部を備える陽極用電極体と、前記多孔体部分の表面に配置される誘電体層と、を備え、前記陽極用電極体は、前記多孔体部分の細孔が開口する第1の主面、前記第1の主面の裏面である第2の主面、および、前記第1の主面と前記第2の主面とを連結する端面と、を備える。前記誘電体層は、前記多孔体部分の前記表面に接触する第1誘電体層と、前記端面上および前記第1誘電体層上に配置される第2誘電体層とを有する。前記多孔体部分において、前記端面から所定の距離以下の端面近傍領域での前記第2誘電体層の第1の厚が、前記第1の主面に平行な方向での中央部において前記第1の主面から離れた深部での前記第2誘電体層の第2の厚よりも大きい
本発明の第3の側面(以下において、適宜「第3の態様」という)に係る電解コンデンサは、上記第1の態様または第2の態様の電解コンデンサ用電極箔を用いた陽極体を有する。
本発明の第4の側面(以下において、適宜「第4の態様」という)に係る電解コンデンサは、上記第1の態様の電解コンデンサ用電極箔を用いた陽極体と、セパレータと、陰極体とをこの順で積層した積層体を備える。前記セパレータの端部が、絶縁層で被覆されている。
本発明の第5の側面に係る電解コンデンサ用電極箔の製造方法は、以下の工程を備える。(a-i)多孔体部分を有する基材部を備える粗面化箔を準備する工程と、(a-ii)前記基材部に第1誘電体層を形成する工程と、(a-iii)前記粗面化箔を準備する工程の後に、前記粗面化箔を所定の位置で切断し、切断面において前記基材部が露出した陽極基材を形成する粗面化箔切断工程と、(a-iv)前記粗面化箔切断工程の後に、原子層堆積法によって、前記切断面に第2誘電体層を形成する程。
本発明の第6の側面に係る電解コンデンサの製造方法は、以下の工程を備える。(b-i)多孔体部分を有する基材部を備える粗面化箔を準備する工程と、(b-ii)前記基材部に第1誘電体層を形成する工程と、(b-iii)前記粗面化箔を準備する工程の後に、前記粗面化箔を所定の位置で切断し、切断面において前記基材部が露出した陽極基材を形成する粗面化箔切断工程と、(b-iv)前記陽極基材から陽極体を分離し、前記陽極体を含むコンデンサ素子を形成する工程と、(b-v)前記粗面化箔切断工程の後に、原子層堆積法によって、前記切断面第2誘電体層を形成する工程。
本発明によれば、電極箔の切断面においても欠陥が少ない酸化被膜を形成することができる。これにより、電解コンデンサの耐圧が向上し、またリーク電流の低減を図ることができる。
本発明の第1実施形態に係る電解コンデンサ用電極箔の一例の断面模式図である。 第1実施形態に係る電解コンデンサ用電極箔の端面近傍の領域の拡大断面模式図である。 本発明の第1実施形態の変形例に係る電解コンデンサ用電極箔の端面近傍の領域を拡大した断面模式図である。 本発明の第1実施形態の別の変形例に係る電解コンデンサ用電極箔の端面近傍の領域を拡大した断面模式図である。 本発明の第2実施形態に係る電解コンデンサ用電極箔の一例の端面近傍の領域を拡大した断面模式図である。 本発明の第3実施形態に係る電解コンデンサの一例の断面模式図である。 図6の電解コンデンサを製造するために用いられる陽極箔の構成を説明するための模式図である。 本発明の第4実施形態に係る電解コンデンサの一例の断面模式図である。 図8の電解コンデンサに含まれる捲回体の構成を説明するための概略図である。 第4実施形態に係る捲回体の端部近傍の領域を拡大した断面模式図である。
本発明の第1実施形態に係る電解コンデンサ用電極箔は、多孔体部分を有する基材部を備える陽極用電極体と、多孔体部分の表面に配置される誘電体層と、を備える。陽極用電極体は、多孔体部分の細孔が開口する第1の主面、第1の主面の裏面である第2の主面、および、第1の主面と第2の主面とを連結する端面と、を備える。そして、多孔体部分において、端面から所定の距離以下の端面近傍領域での誘電体層の第1の厚が、第1の主面に平行な方向での中央部において第1の主面から離れた深部での誘電体層の第2の膜厚よりも大きい
多孔体部分は、例えば、弁作用金属で形成された金属箔の一部をエッチングなどにより粗面化することで得られる。エッチングに残存する陽極箔の基材部において内側部分が芯材部分となり、エッチングにより多孔質化された外側部分が多孔体部分となる。多孔体部分の表面には、化成により金属酸化物層が形成されている。金属酸化物層は、誘電体層の少なくとも一部を構成する。第1の主面、および/または、第2の主面は、多孔体部分の外表面を構成する。
誘電体層は、複数の金属酸化物層(後述する第1~第4誘電体層)の積層により構成され得る。以下において、単に「誘電体層の膜厚という場合、積層された各金属酸化物層の膜厚の合計を意味する。金属酸化物層のそれぞれの膜厚、例えば、第1誘電体層の膜厚をいう場合には、「第1誘電体層の膜厚とする。
上記実施形態に係る電解コンデンサ用電極箔において、誘電体層は、電極箔の第1の主面と第2の主面を連結する端面にも形成されている。誘電体層の膜厚は、端面近傍領域での誘電体層の膜厚TAが、第1の主面の中央部において多孔分の深での誘電体層の膜厚T0よりも厚い、とする条件を満たしている。
ここで、端面近傍領域とは、端面からの深さ(すなわち、端面からの最小距離)が所定の距離以下の多孔体部分が形成された領域であり、例えば、上記所定の距離は、1μm程度である。すなわち、端面近傍領域は、例えば、端面からの距離が少なくとも1μmまで離れた領域を含む。
このような誘電体層の膜厚の分布は、化成後の電極箔を切断後に、電極箔の切断面(端面)例えば原子層堆積(ALD)法などの気相法を用いて別の誘電体層を形成することで得られる。本実施形態では、端面近傍領域において、化成により多孔体部分に形成された金属酸化物層(化成層)がさらに別の誘電体層で被覆されている。以下において、このようにして形成した化成層とは別の誘電体層を、被覆層と称する。
気相成長法では、被覆層を形成するための前駆体材料は、多孔体部分の細孔を通って、多孔体部分の外表面からある程度内部の領域にまで到達し得る。しかしながら、多孔体部分の外表面から離れるほど、前駆体材料が到達し難くなる。このため、多孔体部分において、被覆層の膜厚は、電極箔(多孔体部分)の外表面側で厚く、外表面から離れるほど薄くなる分布を有する。多孔体部分の任意の位置における被覆層の膜厚は、多孔体部分の細孔を介して外表面へ至る最短経路の長さに依存し、外表面までの最短距離に必ずしも依存するわけではないが、概ね、多孔体部分の外表面からの距離に依る。
本実施形態において、例えば、化成後の電極箔を切断後に、端面近傍領域に被覆層を形成する場合、多孔体部分における被覆層の膜厚は、電極箔の切断面(端面)側で厚くなる。しかしながら、第1の主面の中央部であって多孔体部分の厚さ方向(第1の主面の法線方向)の深部では、電極箔の切断面から十分離れ、且つ、第1の主面からも十分離れているため、被覆層は略形成されない。したがって、上記深部における誘電体層の膜厚T0は、化成により形成された金属酸化物層(化成層)の膜厚に略等しい。一方で、端面近傍領域では、誘電体層の膜厚TAは、化成による金属酸化物層(化成層)の膜厚と、被覆層の膜厚の和となる。化成後に被覆層を形成する場合、化成層の膜厚は多孔体部分の厚さ方向に依らず略一定であることから、誘電体層の膜厚TAは、被覆層の膜厚の分だけT0よりも厚くなる。被覆層の膜厚(および、誘電体層の膜厚)は、少なくとも切断面(端面)の近傍の領域であって多孔体部分の厚さ方向の深部領域では、端面から遠ざかるに従って薄くなる分布を有している。
なお、多孔体部分の厚さ方向の深部とは、端面から十分離れている限り、被覆層が実質的に形成されないといえる程度まで多孔体部分の厚さ方向において深い領域であり、例えば、第1の主面から陽極用電極体(多孔体部分)の内部に向かって2μm以上離れた箇所を意味する。
気相成長法を用いて、端面から少なくとも1μm離れた領域に渡って、多孔体部分の表面を欠陥の少ない緻密な誘電体層で被覆することができる。端面、および端面近傍領域の多孔体部分に欠陥の少ない緻密な被覆層が形成されていることで、耐圧を高め、端面を介したリーク電流を低減することができる。また、電極箔の機械的強度を高められる。気相成長法のなかでも、ALD法であれば、このような被覆層の形成が容易である。
好ましくは、被覆層は、多孔体部分の露出端面から、少なくとも多孔体部分のピットもしくは細孔の5倍の深さに渡って形成されているとよい。例えば、ピットの径(最頻度径)が200nmであれば、端面から1μm程度離れた端面近傍領域の多孔体部分に、被覆層を形成することが好ましい。
好ましくは、多孔体部分の細孔に沿って、多孔体部分を覆うように形成された誘電体層の膜厚TAは、端面から遠ざかるに従って薄くなる分布を有しているとよい。端面側において厚い誘電体層を形成することで、電解コンデンサの耐圧が高められ、リーク電流を低減することができる。
好ましくは、基材部は、多孔体部分と連続する多孔化されていない芯材部分を備え、芯材部分の端面にも誘電体層が形成されている。芯材部分の端面での誘電体層の膜厚TBが、化成層の膜厚T0(化成による金属酸化物層の膜厚)よりも厚く構成されていることが好ましい。また、多孔体部分の端面にも誘電体層が形成されており、多孔体部分の端面での誘電体層の膜厚が、化成層の膜厚T0よりも厚く構成されていることが好ましい
化成後の電極箔を切断すると、金属が露出する基材部(芯材部分および多孔体部分)の切断面(端面)には自然酸化膜が形成され得る。したがって、端面側において基材部と被覆層との間に自然酸化膜が介在してもよい。
さらに、電解コンデンサの組立後に、芯材部分および多孔体部の金属が露出する端面に酸化膜を成長させる端面化成工程が行われる場合がある。端面化成工程が行われた場合、端面側において、基材部と被覆層との間に端面化成層(後述の第3誘電体層に相当)が介在できる。
一般に、端面化成は、多孔体部分の細孔表面に金属酸化物層を成長させる化成工程よりも低い電圧で行われるため、端面に形成される酸化膜の膜厚は、膜厚T0よりも薄い。また、化成工程よりも低い電圧で行われる端面化成において、多孔体の表面に形成された金属酸化物層(化成層)がより厚く成長することはないため、膜厚T0は、端面化成の前後で変化しない。
一方で、端面側の芯材部分における誘電体層の膜厚TBは、被覆層の膜厚と、自然酸化膜および端面化成により形成される端面化成層(第3誘電体層)の膜厚との和となる。端面化成後に被覆層を形成する場合、端面側の芯材部分における誘電体層の膜厚TBを、膜厚T0よりも厚くすることが可能である。
また、端面化成前に被覆層を形成した場合であっても、端面化成電圧で形成されうる端面化成層の膜厚以上の厚みの被覆層を形成することにより、端面側の芯材部分における誘電体層の膜厚TBを、膜厚T0よりも厚くすることが可能である。この場合、第3誘電体層は略形成されないが、被覆層形成で生じた誘電体層の欠陥を修復でき、より緻密な誘電体層を形成できる。
これにより、端面側の誘電体層を厚膜化でき、電解コンデンサの耐圧を高めることができる。また、リーク電流を低減することができる。
さらに、本発明の第2実施形態に係る電解コンデンサ用電極箔は、多孔体部分を有する基材部を備える陽極用電極体と、多孔体部分の表面に配置される誘電体層と、を備え、陽極用電極体は、多孔体部分の細孔が開口する第1の主面、前記第1の主面の裏面である第2の主面、および、第1の主面と前記第2の主面とを連結する端面と、を備える。そして、誘電体層は、多孔体部分の前記表面に接触する第1誘電体層と、端面上および第1誘電体層上に配置される第2誘電体層とを有する。多孔体部分において、前記端面から所定の距離以下の端面近傍領域での第2誘電体層の膜厚T2Aが、第1の主面に平行な方向での中央部において第1の主面から離れた深部での第2誘電体層の膜厚T20よりも大きい
第1誘電体層は、化成により多孔体部分の表面に形成された金属酸化物層を含み、多孔体部分の細孔に沿って形成される。一方、第2誘電体層は、被覆層を含む。第2誘電体層は、切断面(端面)を被覆するとともに、少なくとも端面近傍領域において、第1誘電体層(化成層)を被覆している。なお、陽極用電極体の端面において、基材部の芯材部分を被覆している第2誘電体層が、芯材部分と多孔体部分の境界を越えて連続的に延伸し、第1誘電体層を被覆している。
端面近傍領域は、上述の通り、端面からの深さ(すなわち、端面からの最小距離)が所定の距離以下の多孔体部分が形成された領域である。好ましくは、端面近傍領域は、端面からの距離が少なくとも1μm以上離れた領域を含む。また、多孔体部分の厚さ方向の深部とは、上述の通り、多孔体部分内で被覆層が実質的に形成されない深さの領域であり、例えば、第1の主面から陽極用電極体の内部に向かって2μm以上離れた箇所を意味する。
本実施形態においても、第1実施形態に係る電解コンデンサ用電極箔と同様、端面近傍領域において、欠陥の少ない緻密な被覆層が形成されている。これにより、耐圧を高め、端面を介したリーク電流を低減することができる。
第1または第2実施形態に係る電解コンデンサ用電極箔を陽極体に用いることで、耐圧が高く、リーク電流が低減された電解コンデンサを実現できる。
電解コンデンサが、陽極体と、セパレータと、陰極体とをこの順で積層した積層体を備えるものである場合、セパレータの端部が、第4誘電体層(絶縁層)で被覆されていてよい。第4誘電体層は、第2誘電体層と同様、気相法により形成され得る。
セパレータの端部が第4誘電体層で被覆されていることにより、電解コンデンサの耐圧を高める効果およびリーク電流の低減効果をより一層高めることができる。
なお、第2または第4誘電体層は、第1および第3誘電体層と同一の材料で構成されていてもよいし、異なる材料であってもよい。第1および第3誘電体層は、金属箔の化成により得られる金属酸化物層であり、アルミニウム、タンタル、ニオブなどの弁作用金属または弁作用金属を含む合金を好ましく用いることができる。
[電解コンデンサ用電極箔の具体例]
図1および図2に、本発明の第1実施形態に係る電解コンデンサ用電極箔の一例の断面模式図を示す。図1は、後述する図における陽極体21の厚さ方向の断面図に相当する。図2は、図1の端面近傍の領域Aの一部を拡大したものである。なお、図2および後述の図3~図5においては、多孔体部分102Aの細孔103と誘電体層104(104A~104D)とが強調して描かれており、図中における各構成要素の縮尺(特に、誘電体層の膜厚)は、実際の縮尺と一致しない。
電解コンデンサ用電極箔100(以下において、適宜「陽極箔100」と称する)は、基材部102を備える陽極用電極体101と、誘電体層104(104A,104B)とを備える。基材部102は、細孔103により形成された多孔体部分102Aと、金属の芯材部分102Bを備える。誘電体層104(104A,104B)は、多孔体部分102Aの細孔103に沿って形成され、多孔体部分102Aを被覆している。誘電体層104Bは、また、端面において芯材部分102Bおよび多孔体部分102Aが露出する部分を被覆している。
図1に示すように、陽極箔100は、第1の主面105、第1の主面の裏面である第2の主面106、および、第1の主面105と第2の主面106とを連結する端面108を備える。第1の主面105および第2の主面106には、細孔103が開口しており、第1の主面105および第2の主面106からそれぞれ深さD0の領域に渡って、多孔体部分102Aが形成されている。端面108は、多孔体部分102Aが露出する端面108Aと、芯材部分102Bが露出する端面108Bと、を有する。
陽極箔100における多孔体部分102Aの厚さD0は、例えば、10μm~65μmであり、芯材部分102Bの厚さは、例えば、10μm~40μmである。
図2は、図1の第1の主面105側で端面108近傍の領域A周辺を拡大した模式的な断面図である。図2に示すように、誘電体層104は、第1誘電体層(化成層)104Aと、第2誘電体層(被覆層)104Bと、を有する。第1誘電体層104Aと第2誘電体層104Bとは、ともに細孔103に沿って形成され、多孔体部分102Aを被覆している。
第2誘電体層104Bは、また、端面108Aおよび端面108Bを被覆している。芯材部分102Bの露出端面108B上に形成された第2誘電体層104Bは、多孔体部分102Aの露出端面108A上を連続して延伸し、端面108Aを開口する細孔103に沿って形成された第1誘電体層104Aを被覆している。
なお、端面108Aおよび端面108Bにおいて、自然酸化膜が形成され得るが、図2では記載を割愛している。自然酸化膜が形成されている場合、第2誘電体層104Bは、自然酸化膜上に形成されてもよい。
第1誘電体層104Aは、第1金属の酸化物を含み、通常は多孔体部分102Aを化成することにより形成される酸化物皮膜である。第1金属としては、酸化物皮膜の形成に適した弁作用金属が選択される。細孔103は、第1金属で形成された骨格もしくは壁部(以下、金属骨格)により囲まれた空間であり、第1誘電体層104Aは、金属骨格の表面の少なくとも一部を覆うように設けられる。多孔体部分を有する陽極用電極体101において、細孔103の径は非常に狭くなっている。例えば水銀ポロシメータで測定される細孔分布の最頻度孔径は、50~2000nmである。このような微細なピットPもしくは細孔を有する多孔体部分102Aの比較的深部にまで第2誘電体層104Bを形成するには、特に限定されるものではないが、例えば原子層堆積法(Atomic Layer Deposition:
ALD法)が適している。
しかしながら、第1の主面の中央部(図1の領域C)であって、陽極箔の厚さ方向の深部では、端面108からも第1の主面105からも十分離れているため、第2誘電体層104Bは実質的に形成されない。したがって、領域Cの厚さ方向の深部における誘電体層104の総厚T0は、第1誘電体層104Aの膜厚T1に略等しい。なお、厚さ方向の深部は、図1において、第1の主面105からの深さがD1以上D0未満の領域として示されている。深さD1は、例えば、2μm以上である。
これに対し、端面108の近傍の領域(図1の領域A)では、第2誘電体層104Bの膜厚が、端面108(108A)までの距離に依存して形成される。端面近傍領域Aは、端面108までの距離がL1以下の多孔体部分102A内の領域を指す。L1は、例えば、1μm程度である。
図2において、多孔体部分102Aに形成される第1誘電体層104Aの膜厚T1は、第1の主面105からの深さ、および、端面108Aからの距離に依らず一定であり、領域Cの厚さ方向の深部における誘電体層104の総厚T0に略等しい。しかしながら、多孔体部分102Aに形成される第2誘電体層104Bの膜厚T2Aは、端面108(108A)から遠ざかるほど薄くなり、端面108までの距離に依存した分布を有している。一方で、膜厚T2Aの、第1の主面105までの距離に対する依存性は少ない。
したがって、端面近傍領域Aにおける誘電体層104の総膜厚TA=T1+T2Aは、領域Cの厚さ方向の深部における誘電体層104の総厚T0よりも、第2誘電体層の膜厚T2Aの分だけ厚くなり、端面108から遠ざかるに従って薄くなる。
図2に示す誘電体層104(104A,104B)の膜厚の分布は、例えば、第1誘電体層104Aのみを形成した広幅でフープ状に巻き取られた粗面化箔を所定の幅に切断することによりフープ状の陽極基材を形成した後、陽極基材の切断面を第2誘電体層104Bで被覆することにより得られる。
このように、図2に示す例では、端面108側の芯材部分102Bおよび多孔体部分102Aが露出する部分を第2誘電体層104Bで被覆することにより、端面108側において厚く、緻密な誘電体層を形成することができる。これにより、電解コンデンサの耐圧が高められ、リーク電流を低減することができる。
図2の例では、第1の主面105上をセパレータなどの膜材料で塞いだ状態で第2誘電体層104Bの被覆を行うことによって、第1の主面105を経由した前駆体材料の細孔103内への侵入が抑制される。しかしながら、前駆体材料の一部は第1の主面105と膜材料との隙間に侵入することができる。端面108Aの近傍領域では、第1の主面105を被覆する第2誘電体層104Bが形成され得る。また、第1の主面105上において、第2誘電体層104Bの膜厚は端面108Aから遠ざかるほど薄くなる。
図3は、図2に示す電解コンデンサ用電極箔の変形例を示しており、電解コンデンサ用電極箔111(以下において、適宜「陽極箔111」と称する)の端面近傍領域Aを含む断面図を示している。図3に示す陽極箔111では、多孔体部分102Aに形成される第2誘電体層104Bの膜厚T2Aは、第1の主面105から遠ざかるほど薄く、且つ、端面108から遠ざかるほど薄くなっており、第1の主面105までの距離、および、端面108までの距離に依存した分布を有している。一方、第1の主面の中央部(図1の領域C)であって、陽極箔の厚さ方向の深部では、端面108からも第1の主面105からも十分離れているため、第2誘電体層104Bは実質的に形成されない。したがって、領域Cの厚さ方向の深部における誘電体層104の総厚T0は、第1誘電体層104Aの膜厚T1に略等しい。
したがって、端面近傍領域Aにおける誘電体層104の総膜厚TA=T1+T2Aは、領域Cの厚さ方向の深部における誘電体層104の総厚T0よりも、第2誘電体層の膜厚T2Aの分だけ厚くなり、第1の主面105から遠ざかるに従って、且つ、端面108から遠ざかるに従って薄くなる。
図3に示す誘電体層104の膜厚の分布は、例えば、第1誘電体層104Aのみを形成した広幅の粗面化箔を所定の幅に切断して帯状の陽極基材を形成した後、帯状の陽極基材の全面を第2誘電体層104Bで被覆することにより得られる。
図4は、図2に示す電解コンデンサ用電極箔の図3とは別の変形例を示しており、電解コンデンサ用電極箔112(以下において、適宜「陽極箔112」と称する)の端面近傍領域Aを含む断面図を示している。図4に示す陽極箔112では、図2に示す陽極箔100と同様、多孔体部分102Aに形成される第2誘電体層104Bの膜厚T2Aが、端面108(108A)から遠ざかるほど薄く、端面108までの距離に依存した分布を有している。
さらに、陽極箔112では、端面108Aおよび端面108Bにおいて、第3誘電体層104Cが形成されている。第3誘電体層104Cは、自然酸化膜を含むほか、陽極箔を切断後に再度の化成(端面化成処理)を行うことにより形成される酸化物皮膜であり得る。さらに、第3誘電体層104C上を、第2誘電体層104Bが被覆している。
図4に示すように、露出端面108A側の多孔体部分102Aおよび露出端面108B側の芯材部分102Bには、第2誘電体層104Bおよび第3誘電体層104Cを含む誘電体層104が形成されている。露出端面108A側の多孔体部分102Aおよび露出端面108B側の芯材部分102Bに形成された誘電体層104の膜厚TBは、端面108(108A,108B)における第2誘電体層104Bの膜厚T2と第3誘電体層104Cの膜厚T3との和T2+T3となる。
端面化成処理は、通常、第1の主面105および/または第2の主面106の化成処理よりも低い電圧を印加して行われる。したがって、端面化成処理により、第1の主面105および/または第2の主面106上の第1誘電体層104Aが更に成長し、厚膜化することはない。また、第3誘電体層104Cの膜厚T3は、領域Cの厚さ方向の深部における誘電体層104の膜厚T0よりも薄い。
しかしながら、端面化成処理後に第2誘電体層104Bを形成することによって、端面108Bにおける誘電体層104の膜厚TBを、領域Cの厚さ方向の深部における誘電体層104の総厚T0より厚くすることも可能である。
図5は、本発明の第2実施形態に係る電解コンデンサ用電極箔の一例の端面近傍領域Aを含む断面模式図を示している。図5において、電解コンデンサ用電極箔113(以下において、適宜「陽極箔113」と称する)は、図3に示す陽極箔111と同様、多孔体部分102Aに形成される第2誘電体層104Bの膜厚T2Aが第1の主面105から遠ざかるほど薄く、且つ、端面108から遠ざかるほど薄くなっており、第1の主面105までの距離、および、端面108までの距離に依存した分布を有している。また、図4に示す陽極箔112と同様、端面108A側および端面108B側に第3誘電体層104Cが形成されている。
しかしながら、図5において、端面近傍領域Aにおける第1誘電体層104Aの膜厚T1Aは、第2誘電体層104Bとは逆に、第1の主面105から遠ざかるほど厚く、且つ、端面108から遠ざかるほど厚くなる分布を有している。結果、端面近傍領域Aにおける誘電体層104の総膜厚TA=T1+T2Aは、近傍領域内の位置に依らず略一定となるように分布し、露出端面108B側に形成された誘電体層104の膜厚TB=T2+T3と略等しい。
一方、第1の主面の中央部(図1の領域C)であって、陽極箔の厚さ方向の深部では、図2に示す陽極箔100と同様、第2誘電体層104Bは実質的に形成されない。領域Cの厚さ方向の深部では、第1誘電体層104Aの膜厚T10がT2+T3と略等しく、第2誘電体層104Bの膜厚T20は略ゼロである。
したがって、端面近傍領域Aにおける第2誘電体層104Bの膜厚T2Aは、領域Cの厚さ方向の深部における第2誘電体層104Bの膜厚T20より厚い(T2A>T20)。一方、第1の主面側に形成された第1誘電体層104Aの膜厚T1は、領域Cの厚さ方向の深部における第1誘電体層104Aの膜厚T10より薄い(T1<T10)。同様に、第3誘電体層104Cの膜厚T3も、膜厚T10よりも薄くなる(T3<T10)。
図5に示す誘電体層104の膜厚の分布は、例えば、未化成の陽極箔を切断後、陽極箔の表面を第2誘電体層104Bで被覆し、第2誘電体層104Bで被覆した後に化成処理を行うことによって、第1の主面105および/または第2の主面106の化成処理と、端面108の化成処理とを同時に行うことにより得られる。
第2誘電体層104Bの形成は、化成処理の後で行ってもよく、化成処理の前に行ってもよい。電極箔を切断後に、第2誘電体層104Bを形成し、その後、化成処理を行っても構わない。
第2誘電体層104Bを形成後に化成を行う場合、化成処理において、第2誘電体層104Bの内表面から、内側に向かって第1誘電体層104Aが成長する。第1誘電体層104Aの膜厚は、化成処理で印加する電圧により決定される。しかしながら、第2誘電体層104Bで被覆した状態で化成を行う場合、第1誘電体層104Aの膜厚は、第2誘電体層104Bで被覆されていない場合よりも薄くなる。
また、端面108側において、第2誘電体層104Bと芯材部分102Bとの間にも、第3誘電体層104C(化成層)が、第1誘電体層と一体に形成され得る。
なお、電極箔の切断時において、露出した基材部の芯材部分に自然酸化膜が形成され得る。この場合、第3誘電体層は、化成処理により芯材部分に形成される金属酸化物層と、自然酸化膜とを含む。
図3~図5に示す陽極箔111~113においても、端面108側の芯材部分102Bおよび多孔体部分102Aが露出する部分を第2誘電体層104Bで被覆することによって、端面108側において緻密な誘電体層が形成されている。これにより、電解コンデンサの耐圧が高められ、リーク電流を低減することができる。
さらに、図4および図5に示す陽極箔112,113では、端面108(108A,108B)の側に第3誘電体層104Cが形成されていることにより、電解コンデンサの耐圧を一層高められ、リーク電流の低減効果を高めることができる。
第2誘電体層104B(被覆層)を形成後に化成を行う実施形態(図5)では、端面側に形成される誘電体層104Cと、第1の主面側の多孔に沿って形成された誘電体層104Aとは、同一の化成工程で形成され得る。また、端面側に形成される誘電体層と、第1の主面側の多孔に沿って形成された誘電体層の厚みを略等しくできる。これにより、電解コンデンサの静電容量の低下を抑制し、耐圧を高めることができ、リーク電流を低減することができる。
また、第2誘電体層104B(および、第3誘電体層104C)で被覆される端面108は、1つの面に限られず、複数の端面が第2誘電体層で被覆されていてよい。陽極箔は、第1の端面と、第1の端面に垂直な第2および第3の端面を有し、3つの端面のそれぞれに第3誘電体層が形成されているものであってもよい。
[電解コンデンサ]
図6は、本発明の第3実施形態に係る電解コンデンサの一例の断面模式図であり、図70は、同電解コンデンサに含まれる陽極体を製造するための陽極箔の構造を示す概略図である。
図6に示す電解コンデンサ40は、複数のコンデンサ素子45が積層された積層体41aを備える。コンデンサ素子45は、表面に誘電体層(図示しない)が形成された、陽極引出部43aおよび陰極形成部43bを有する陽極体と、陰極形成部43bの表面に形成された誘電体層の少なくとも一部を覆う陰極体44と、を有する。
電解コンデンサ40は、積層体41aを封止する外装体49を備える。外装体49は、ほぼ直方体の外形を有し、電解コンデンサ40もほぼ直方体の外形を有する。
複数の陽極引出部43aの端面48が、それぞれ陽極側の外部電極52と電気的に接続されている。陽極側の外部電極52は、複数の端面48と外装体49の第1側面49aとを覆う第1電極層52aと、第1電極層52aの表面に形成された第2電極層52bと、を有する。
電解コンデンサ40は、陰極体44と電気的に接続された陰極側の外部電極53を備える。具体的には、複数の陰極体44は、外装体49の第2側面49bから露出する端面44aを有し、複数の陰極体44の端面44aが、それぞれ陰極側の外部電極53と接合されている。陰極側の外部電極53は、複数の陰極体44の端面44aとともに外装体49の第2側面49bを覆う陰極側の第1電極層53aと、陰極側の第1電極層53aの表面に形成された陰極側の第2電極層53bとを有する。
複数のコンデンサ素子45において、積層方向で互いに隣り合う陰極体44は、導電性を有する接着層(図示しない)を介して電気的に接続されている。
図7に、図6に示す電解コンデンサ40を製造するための電解コンデンサ用電極箔の構成の一例を示す。電解コンデンサ用電極箔200(以下において、適宜「陽極箔200」と称する)は、長尺状の帯状部と、帯状部の長手方向に沿う少なくとも一方の端部から突出するように一列に配置された複数の領域Rとを有する。複数の領域Rは、それぞれ、帯状部側から順に、陽極引出部43aと、陰極形成部43b(斜線部分)とを有する。陰極形成部43bは、粗面化処理がされており、多孔体部分102Aが形成されている。なお、図7は、陰極形成部43bの上に陰極体44を形成した状態の陽極箔200を示している。
第1誘電体層104Aおよび第2誘電体層104Bを形成した後、陰極形成部43bの少なくとも一部を陰極体44で覆い、さらに、陰極体44を形成した後の陽極箔を、例えば、図7の破線Cの方向に切断することによって、複数のコンデンサ素子45が得られる。複数のコンデンサ素子45を積層し、コンデンサ素子45を外装体49で覆い、図6に示す電解コンデンサが製造される。
陽極箔200は、所定の領域に粗面化加工を施した粗面化箔を図7に示す形状に打抜き加工することで形成され得る。打抜き加工は、粗面化箔に第1誘電体層を形成した後でもよいし、粗面化箔に第1誘電体層を形成する前でもよい。打抜き加工により、陰極形成部43bの3つの端面(帯状部の長手方向に垂直な2つの端面と、領域Rの突出方向に垂直な一方の端面)において、切断面が形成される。
第1誘電体層を形成した後の粗面化箔を打抜き加工する場合、切断面は第2誘電体層で被覆される。この際、陰極形成部43b全体が第2誘電体層で被覆されていてもよい。この場合、3つの端面近傍における誘電体層の断面構造は、図3に示す構造となる。
打抜き加工の後に、陰極形成部43bに第2誘電体層を形成し、第2誘電体層の形成後に化成を行うことにより、第1誘電体層及び第3誘電体層を形成してもよい。この場合、3つの端面近傍における誘電体層の断面構造は、図5に示す構造となる。
本実施形態において、第2誘電体層は、第1誘電体層より誘電率が高いことが好ましく、これにより電解コンデンサの静電容量を大きくできる。例えば、第1誘電体層が酸化アルミニウムの場合、第2誘電体層は酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タンタルなどが好ましく、中でも酸化タンタルが端面周辺においてリーク電流を低減でき、より好ましい。
図8は、本発明の第4実施形態に係る電解コンデンサの断面模式図であり、図9は、同電解コンデンサに含まれる捲回体の一部を展開した概略図である。
電解コンデンサは、陽極体と、セパレータと、陰極体とをこの順で積層した積層体(図9の捲回体に相当)を備える。
電解コンデンサは、例えば、コンデンサ素子10と、コンデンサ素子10を収容する有底ケース11と、有底ケース11の開口を塞ぐ封止部材12と、封止部材12を覆う座板13と、封止部材12から導出され、座板13を貫通するリード線14A、14Bと、リード線とコンデンサ素子10の電極とを接続するリードタブ15A、15Bと、液状成分(図示せず)とを備える。コンデンサ素子10は、液状成分とともに、有底ケース11に収容される。有底ケース11の開口端近傍は、内側に絞り加工されており、開口端は封止部材12にかしめるようにカール加工されている。
コンデンサ素子10は、図9に示すような捲回体から作製される。捲回体は、リードタブ15Aと接続された陽極体21と、リードタブ15Bと接続された陰極体22と、セパレータ23とを備える。セパレータ23は、陽極体21と陰極体22の間に挟まれるように設けられている。
セパレータ23は、好ましくは、セルロース系の繊維により構成され、繊維内に電解液の含侵が可能な多孔質体である。セパレータ23の材料は、例えば、天然セルロース、合成セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ビニロン、アラミド繊維などを主成分とする不織布やフィルムを用いることができる。
陽極体21および陰極体22は、セパレータ23を介して捲回されている。捲回体の最外周は、巻止めテープ24により固定される。なお、図9は、捲回体の最外周を止める前の、一部が展開された状態を示している。陽極体21は、表面が凹凸を有するように粗面化された金属箔を具備し、凹凸を有する金属箔の主面に誘電体層が形成されている。
コンデンサ素子10は、更に固体電解質層を備えてもよい。誘電体層の表面の少なくとも一部に、導電性高分子を付着させることにより、固体電解質層が形成され得る。固体電解質層は、陰極体22の表面および/またはセパレータ23の表面の少なくとも一部を被覆していてもよい。コンデンサ素子10は、電解液(図示しない)とともに、有底ケース11に収容される。
陽極体21には、本発明の実施形態に係る電解コンデンサ用電極箔を用いてもよい。すなわち、捲回体を作製する前に、陽極体21の幅方向(図9において、捲回軸に平行な方向)に垂直な両端面を、予め第2誘電体層104Bで被覆してもよい。または、陽極体21、セパレータ23、および、陰極体22をこの順で積層し、捲回体を作製した後で、捲回体を被覆することによって第2誘電体層104Bによる被覆を行ってもよい。
図10に、捲回体を誘電体層で被覆した場合の陽極体21、および、陽極体21に対向するセパレータ23の端面を含む捲回体の端部における断面構造を示す。陽極体21の端面108近傍の構造については、図4と同様であり、説明を割愛する。
図10に示すように、セパレータ23は、第3の主面107を有する。セパレータ23は、また、第4の主面(不図示)を第3の主面107の裏面に有し、第3の主面と第4の主面は端面109を介して連結されている。第4誘電体層104Dは、セパレータの端部を被覆している。
図10の例では、セパレータの端面109が陽極体の端面に対して突出している。このため、セパレータの端部において、第3の主面107は、大部分は陽極体21の第1の主面105と対向するが、端面109側の一部に陽極体の第1の主面105と対向しない領域(非対向領域)を有している。第4誘電体層104Dは、非対向領域を被覆している。
第4誘電体層104Dは、さらに、第1の主面105と、第1の主面105に対向するセパレータの主面(第3の主面)107との間の隙間にも侵入し、隙間を取り囲む第1の主面および/または第3の主面の外表面の少なくとも一部にも形成され得る。すなわち、第4誘電体層104Dは、非対向領域からの深さが所定の距離以下の第3の主面107上の領域(端部対向領域)、および/または、端部対向領域に対向する第1の主面105上の領域にも形成され得る。以下において、非対向領域および端部対向領域からなる第3の主面107上の領域を、端部領域Eと称する。
端部領域E、および/または端部対向領域に対向する第1の主面105上において、第4誘電体層104Dの膜厚は端面109から遠ざかるほど薄くなる。
なお、セパレータは多孔質体であるが、図10において多孔質体の形状は不図示である。第4誘電体層104Dは、端部領域Eにおいて、セパレータの基材(例えば、繊維)に沿って形成されている。
セパレータの端部領域Eが第4誘電体層104Dで被覆されていることで、電解コンデンサの耐圧を高める効果およびリーク電流の低減効果をより一層高めることができる。また、電解コンデンサの機械的強度が増し、耐衝撃性を高めることができる。
第4誘電体層104Dは、セパレータにおいてセパレータの端面から陽極体の端面までの距離(すなわち、非対向領域の幅)と同程度の深さに渡って、第1の主面105と、第3の主面107との間の隙間に侵入して形成されることが好ましい。換言すると、端部対向領域の幅L2は、非対向領域の幅L3以上であることが好ましい。例えば、セパレータの端面から陽極体の端面までの距離が500μmの場合、陽極体の端面からの深さが500μmの位置まで、第4誘電体層104Dが第1の主面105と第3の主面107との間の隙間にも侵入して形成されていることが好ましい。これにより、陽極体の端部において誘電体層が修復される際に生じる発熱によるセパレータの劣化を抑制し、電解コンデンサの耐電圧を高めることができる。
第4誘電体層104Dによる端部領域Eを含む領域の被覆は、陽極体21の端面108(108A,108B)の第2誘電体層104Bによる被覆と同時に行ってもよいし、第4誘電体層104Dによる被覆と第2誘電体層104Bによる被覆とを別々に行ってもよい。
なお、図10とは逆に、陽極体の端面がセパレータの端面109に対して突出している場合がある。この場合、セパレータの端部において、陽極体の第1の主面105がセパレータの第3の主面107と対向しない領域(非対向領域)を有する。この場合においても、第4誘電体層104Dは、非対向領域を被覆するとともに、第1の主面105と、第3の主面107との間の隙間に侵入して形成されることができ、電解コンデンサの耐圧を高める効果およびリーク電流の低減効果をより一層高めることができる。
[電解コンデンサ用電極箔の製造方法]
次に、本実施形態に係る工程(a-i)~(a-iv)を具備する電解コンデンサ用電極箔の製造
方法について説明する。ただし、製造方法は、以下に限定されるものではない。
工程(a-i)は、多孔体部分を有する基材部を備える粗面化箔を準備する工程である。
工程(a-ii)は、基材部に少なくとも第1誘電体層を形成する工程である。
工程(a-iii)は、粗面化箔を所定の位置で切断し、切断面において基材部が露出した陽
極基材を得る工程(粗面化箔切断工程)である。
工程(a-iv)は、粗面化箔切断工程の後に、原子層堆積法によって、陽極基材の切断面を第2誘電体層で被覆する工程である。
以下、工程毎に更に詳細に説明する。
(a-i)粗面化箔を準備する工程
例えば、第1金属により形成された金属素材を準備する。金属素材の形態は、特に限定されないが、金属箔が好ましく用いられる。以下、金属箔を用いる場合を想定して引き続き説明する。
第1金属の種類は特に限定されないが、第1誘電体層の形成が容易である点から、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)などの弁作用金属または弁作用金属を含む合金を用いることが好ましい。金属箔の厚みは特に限定されないが、例えば、5μm以上、300μm以下である。
次に、金属箔の一部(外側部分の少なくとも一部)を多孔質化もしくは粗面化することによって金属箔の外側部分に複数のピットもしくは細孔を形成する。このとき、多孔体部分102Aを有する基材部102を備える粗面化箔が得られる。基材部102は、金属の芯材部分102Bと、芯材部分と連続して形成された多孔体部分102Aを有する。多孔体部分102Aは、粗面化箔の片面(第1の主面)だけに形成してもよく、両面(第1の主面および第2の主面)に形成してもよい。
多孔体部分102Aの形成は、金属箔をエッチング処理することにより行うことが好ましい。エッチング処理は、例えば、直流電流による直流エッチングまたは交流電流による交流エッチングにより行われる。
多孔体部分102Aのピットもしくは細孔103の孔径は、特に限定されないが、多孔体部分102Aの表面積を大きくできるとともに、第2誘電体層104Bがピットの深部にまで形成されやすい点で、50~2000nmであることが好ましい。ピットの孔径とは、例えば水銀ポロシメータで測定される細孔分布の最頻度孔径である。
ピットの深さも特に限定されず、金属箔の厚みに応じて適宜設定すればよい。多孔体部分102Aの表面積を大きくできるとともに、電極箔の強度を保持しやすい点で、多孔体部分102Aもしくはエッチング領域の厚みは、エッチングされる前の金属箔の厚みの1/10以上、4/10以下であることが好ましい。多孔体部分102Aもしくはエッチング領域の厚みは、電極箔のSEM画像に観測される粗面化箔の断面の任意の10点の厚みの平均値である。
(a-ii)基材部に第1誘電体層を形成する工程
続いて、基材部102の少なくとも多孔体部分102Aを化成して、多孔体部分102Aに第1誘電体層104Aを形成する。第1誘電体層は、好ましくは、第1金属の酸化物である。
多孔体部分102Aを化成する方法は特に限定されない。例えば、多孔体部分102Aをアジピン酸アンモニウム溶液などの化成液に浸漬して、基材部102(多孔体部分102A)に電圧を印加する陽極酸化により行うことができる。第2誘電体層を被覆する前の基材部に対して陽極酸化処理を行う場合、第1誘電体層104Aの厚みは、多孔体部分102Aの位置に依らず、陽極酸化の際の印加電圧に応じた一定の膜厚となる。陽極酸化処理において印加する電圧(第1電圧)は、例えば、1~200Vであり、より好ましくは5~160Vである。
なお、第1誘電体層104Aおよび第2誘電体層104Bの厚みは、基材部102の多孔体部分102Aの厚みD0に比べて非常に小さいため、細孔103もしくはエッチング領域の厚みは、多孔体部分102Aの厚みとみなすことができる。
第1誘電体層104Aの形成は、粗面化箔切断工程(工程(a-iii))より前に行って
もよく、後で行ってもよい。粗面化箔切断工程(工程(a-iii))後に第1誘電体層10
4Aを形成する場合、多孔体部分102Aに第1誘電体層104Aを形成すると同時に、多孔体部分102Aおよび芯材部分102Bの切断面に第3誘電体層104Cを形成できる。
(a-iii)粗面化箔切断工程
続いて、粗面化箔を所定の位置で切断し、基材部が露出した陽極基材を得る。この工程は、粗面化箔を準備する工程(工程(a-i))の後であれば、第1誘電体層を形成する工程
(工程(a-ii))の前に行ってもよいし、第1誘電体層を形成する工程(工程(a-ii))の後で行ってもよい。例えば、広幅のフープ状(捲回体)に巻き取られた粗面化箔を用いる場合は、電解コンデンサの特性に合わせた所定の位置で粗面化箔からフープ状の陽極基材を切断し、フープ状の陽極基材を形成してもよい。
(a-iv)切断面を第2誘電体層で被覆する工程
次に、粗面化箔切断工程の後、陽極体の少なくとも切断面を第2誘電体層104Bで被覆する。例えば、陽極基材がフープ状(捲回体)に巻き取られている場合は、フープ状に巻き取られた状態で粗面化箔切断工程により形成された切断面を第2誘電体層で被覆すればよい。
第2誘電体層104Bは、切断面(端面108A、108B)を被覆するほか、多孔体部分102Aの細孔103表面に沿って形成され、多孔体部分102Aを被覆する。第2誘電体層の厚みは特に限定されないが、例えば、0.5nm以上、200nm以下である。第2誘電体層の厚みと第1誘電体層の厚みとの比は、特に限定されず、用途および所望の効果等に応じて適宜設定すればよい。第2誘電体層の厚みは、第1誘電体層の厚みT0に対して、1倍以上3倍以下が好ましく、1.1倍以上2倍以下が好ましい。また、第2誘電体層は、好ましくは、第2金属の酸化物である。
第2誘電体層および第1誘電体層の厚みは、電極箔のTEM画像に観測される第2誘電体層104Bおよび第1誘電体層104Aの断面の任意の10点の厚みの平均値である。
ALD法は、対象物が配置された反応室に第2金属を含む原料ガスと酸化剤とを交互に供給して、対象物の表面に第2金属の酸化物を含む層(第2誘電体層)を形成する製膜法である。ALD法では、自己停止(Self-limiting)作用が機能するため、第2金属は原
子層単位で対象物の表面に堆積する。そのため、(1)原料ガスの供給と、(2)原料ガスの排気(パージ)と、(3)酸化剤の供給と、(4)酸化剤の排気(パージ)と、を1サイクルとしたサイクル数により、第2誘電体層の厚みは制御される。つまり、ALD法は、形成される層の厚みを制御しやすい点で好ましい方法である。さらに、400~900℃の温度条件で行われる化学気相成長法(CVD)に対して、ALD法は室温(25℃)~400℃の温度条件で行うことができる。つまり、ALD法は、陽極基材および第1誘電体層への熱的ダメージを抑制することができる点でも好ましい。
ALD法では、ピットの最頻度径が例えば10nm程度あれば、ピットの比較的深部の表面に薄膜を形成することができる。上記のとおり、多孔体部分102Aに形成されるピットは、通常、50nm以上の孔径を有する。そのため、ALD法によれば、孔径が小さく深いピット、すなわち、アスペクト比の大きなピットの比較的深部の表面にも第2誘電体層を形成することができる。
ALD法によれば、図2に示されるように、少なくとも端面108の側において、ピットの深部にまで第2誘電体層104Bが形成された電極箔を容易に形成することができる。芯材部分102Bから0.25D0離れた多孔体部分102A内の位置よりも芯材部分102B側にまで第2金属を分布させることも容易であり、芯材部分102Bから0.05D0の離れた位置にまで第2金属を分布させることも可能である。
ALD層(第2誘電体層)を構成する第2金属と、酸化物層(第1誘電体層)を構成する第1金属は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。第1金属をAlとし、第2金属として第1金属と異なる金属を用いる場合、第2金属としては、Ta、Nb、Si、Ti、Zr、Hf、Wなどが好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。この場合、第2誘電体層には、Ta25、Nb25、SiO2、TiO2、ZrO2、HfO2、WOなどが1種以上含まれ得る。第2誘電体層が、2種以上の第2金属の酸化物を含む場合、各酸化物は混在していてもよく、それぞれ層状に配置されて
いてもよい。中でも、電解コンデンサの容量を増加させやすい点で、第2金属の酸化物は、Ta25、ZrO2、Nb25、TiO、HfOなどが好ましい。電解コンデンサ
の耐電圧を向上させる点では、Ta25、ZrO2、WO3、SiO2が好ましい。
ALD法で用いる酸化剤としては、例えば、水、酸素、オゾンなどが挙げられる。酸化剤は、酸化剤を原料とするプラズマとして反応室に供給されてもよい。
第2金属は、第2金属を含むプリカーサ(前駆体)をガス化して反応室に供給することにより、反応室内に配置された陽極基材の多孔体部分102Aに形成された第1誘電体層104A上に供給される。プリカーサは、第2金属を含む有機金属化合物であり、これにより、第2金属は対象物に化学吸着し易くなる。プリカーサとしては、従来、ALD法で用いられている各種の有機金属化合物を使用することができる。
Tiを含むプリカーサとしては、例えば、ビス(t-ブチルシクロペンタジエニル)チタン(IV)ジクロライド(C1826l2Ti)、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン(IV)([(CH32N]4Ti、TDMAT)、テトラキス(ジエチルアミノ)チタン
(IV)([(C252N]4Ti)、テトラキス(エチルメチルアミノ)チタン(IV)(Ti[N(C25)(CH3)]4)、チタン(IV)(ジイソプロポキサイドービス(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオネート(Ti[OCC(CH33
CHCOC(CH33]2(OC372)、四塩化チタン(TiCl4)、チタン(IV)イソプロポキシド(Ti[OCH(CH324)、チタン(IV)エトキシド(Ti[
O(C25)]4)等が挙げられる。
Zrを含むプリカーサとしては、例えば、ビス(メチル-η5シクロペンタジエニル)
メトキシメチルジルコニウム(Zr(CH3542CH3OCH3)、テトラキス(ジメ
チルアミド)ジルコニウム(IV)([(CH32N]4Zr)、テトラキス(エチルメチルアミド)ジルコニウム(IV)(Zr(NCH3254ジルコニウム(IV)t-ブトキシド(Zr[OC(CH334)等が挙げられる。
Nbを含むプリカーサとしては、例えば、ニオブ(V)エトキシド(Nb(OCH2
35、トリス(ジエチルアミド)(t-ブチルイミド)ニオブ(V)(C16394
b)等が挙げられる。
Siを含むプリカーサとしては、例えば、N-sec-ブチル(トリメチルシリル)アミン(C719NSi)、1,3-ジエチル-1,1,3,3-テトラメチルジシラザン
(C823NSi2)、2,4,6,8,10-ペンタメチルシクロペンタシロキサン((CH3SiHO)5)、ペンタメチルジシラン((CH33SiSi(CH32H)、トリス(イソプロポキシ)シラノール([(H3C)2CHO]3SiOH)、クロロペンタン
メチルジシラン((CH33SiSi(CH32Cl)、ジクロロシラン(SiH2Cl2)、トリジメチルアミノシラン(Si[N(CH324)、テトラエチルシラン(Si
(C254)、テトラメチルシラン(Si(CH34)、テトラエトキシシラン(Si
(OC254)、ドデカメチルシクロヘキサシラン((Si(CH326)、四塩化ケイ素(SiCl4)四臭化ケイ素(SiBr4)等が挙げられる。
Taを含むプリカーサとしては、例えば、(t-ブチルイミド)トリス(エチルメチルアミノ)タンタル(V)(C13334Ta、TBTEMT)、タンタル(V)エトキシ
ド(Ta(OC255)、(t-ブチルイミド)トリス(ジエチルアミノ)タンタル(
V)((CH33CNTa(N(C2523)、ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル(V)(Ta(N(CH325)等が挙げられる。
Hfを含むプリカーサとしては、例えば、ハフニウムテトラクロライド(HfCl4
、テトラキスジメチルアミノハフニウム(Hf[N(CH324)、テトラキスエチル
メチルアミノハフニウム(Hf[N(C25)(CH3)]4)、テトラキスジエチルアミノハフニウム(Hf[N(C2524)、ハフニウム-t-ブトキシド(Hf[OC(CH334)等が挙げられる。
第2誘電体層の被覆(工程(a-iv))は、第1誘電体層の形成(工程(a-ii))より前に行ってもよい。陽極基材に第2誘電体層を形成した後、第1誘電体層の形成(工程(a-ii))を行うことにより、例えば図5に示す断面構造を有する電極箔を製造できる。
ALD法によれば、薄く、均一な第2金属の酸化物(第2誘電体層104B)が形成されるが、ピットの深部には、ピンホールなどの欠陥が形成され得る。しかしながら、ALD層形成後に第1誘電体層104Aを成長させる化成処理を行うことによって、化成処理では、イオン化した第1金属が第2金属の酸化物の内部にまで拡散して、第2誘電体層104B中の欠陥が修復される。このような方法で形成された第2誘電体層104Bには、第1金属と第2金属との複合酸化物が含まれ得る(第1金属と第2金属が異なる場合)。多孔体部分102Aと第2誘電体層104Bとの間には、第1金属の酸化物を含む第1誘電体層104Aが形成される。
このように、ALD層の被覆を化成処理の前に行うことで、欠陥が低減された誘電体層を細孔103に沿って形成できる。これにより、高耐圧で、リーク電流が低減された電解コンデンサを製造できる。
一方で、第1誘電体層104Aの厚みは、第2誘電体層104Bが形成されていない多孔体部分102Aを同じ条件で化成した場合と比較して薄くなる。さらに、第2誘電体層104Bが厚く形成されるほど、第1誘電体層104Aの厚みは薄くなる。これは、化成処理の際の第1金属の溶出が抑制されるとともに、第1金属によって修復されるべき第2金属の酸化物の欠陥が多くなるためである。そのため、第1金属の酸化物よりも高い比誘電率を有する第2金属の酸化物を用いて第2誘電体層104Bを形成しておき、その後、化成により第1誘電体層104Aを形成する場合、電解コンデンサの容量をさらに増大させることができる。比誘電率の低い第1金属を含む第1誘電体層104Aの膜厚が薄くなるためである。
[電解コンデンサの製造方法]
次に、本実施形態に係る工程(b-i)~(b-v)を具備する電解コンデンサの製造方法について説明する。ただし、製造方法は、以下に限定されるものではない。
工程(b-i)は、多孔体部分を有する基材部を備える粗面化箔を準備する工程である。
工程(b-ii)は、基材部に少なくとも第1誘電体層を形成する工程である。
工程(b-iii)は、粗面化箔を所定の位置で切断し、切断面において基材部が露出した陽
極基材を得る工程(粗面化箔切断工程)である。
工程(b-iv)は、陽極基材から陽極体を分離し、陽極体を含むコンデンサ素子を形成する工程である。
工程(b-v)は、粗面化箔切断工程の後に、原子層堆積法によって、陽極体の切断面を第
2誘電体層で被覆する工程である。
本実施形態に係る電解コンデンサの製造方法は、第1誘電体層を形成する工程(工程(b-ii))が、陽極基材に所定の第1電圧を印加して陽極酸化処理を行う工程であり、陽極体に第1電圧よりも低い第2電圧を印加して陽極酸化処理を行い、切断面に第3誘電体層を成長させる工程(工程(b-vi))をさらに有していてもよい。
工程(b-i)~工程(b-iii)、および、工程(b-v)は、それぞれ、電解コンデンサ用電極箔
の製造方法の工程(a-i)~工程(a-iv)に対応するため、詳細な説明を割愛する。
以下、工程(b-iv)について詳細に説明する。
(b-iv)コンデンサ素子を形成する工程
工程(b-iii)の後、陽極基材から陽極体を分離し、コンデンサ素子を形成する。例えば
、陽極体、セパレータ、陰極体がこの順で積層された積層体を形成することによって、コンデンサ素子が形成される。その後、積層体をケースに収容し、陽極体の多孔体部分102Aに電解液および固体電解質の少なくとも一方を含浸することにより、例えば図8に示す電解コンデンサを製造することができる。固体電解質を多孔体部分102Aに含浸させて固体電解質層を形成した後、更に電解液を含浸させてもよい。
あるいは、陽極体、固体電解質層、陰極体をこの順で積層することによって、コンデンサ素子を形成してもよい。
なお、陽極基材とは、例えば、図7の帯状部を有する陽極箔200や、フープ状の陽極箔を指し、コンデンサに搭載できる形状となったものを陽極体と呼ぶ。
上記積層体を形成する場合、切断面の第2誘電体層による被覆(工程(b-v))は、積層
体を形成する前に行ってもよいし、積層体を形成した後で行ってもよい。積層体の形成後に第2誘電体層104Bで被覆する場合には、切断面に加えてセパレータの露出する端部を第4誘電体層104Dで同時に被覆することができ、セパレータと陽極体との隙間を第4誘電体層で被覆することができる。これにより、図10に示す積層体の断面構造を有する電解コンデンサが得られる。
電解液としては、非水溶媒であってもよく、非水溶媒とこれに溶解させたイオン性物質(溶質、例えば有機塩)との混合物であってもよい。有機塩とは、アニオンおよびカチオンの少なくとも一方が有機物を含む塩である。非水溶媒は、有機溶媒でもよく、イオン性液体でもよい。非水溶媒としては、高沸点溶媒が好ましい。このような電解液は、極性が高いため、多孔における水の動的接触角が低く、多孔の水に対する濡れ性が高いほど、多孔への電解液の含浸性が高くなり、静電容量が大きくなる。
非水溶媒としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールなとの多価アルコール類、スルホランなどの環状スルホン類、γ-ブチロラクトンなどのラクトン類、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドンなどのアミド類、酢酸メチルなどのエステル類、炭酸プロピレンなどのカーボネート化合物、1,4-ジオキサンなどのエーテル類、メチルエチルケトンなどのケトン類、ホルムアルデヒドなどを用いることができる。
有機塩としては、例えば、マレイン酸トリメチルアミン、ボロジサリチル酸トリエチルアミン、フタル酸エチルジメチルアミン、フタル酸モノ1,2,3,4-テトラメチルイミダゾリニウム、フタル酸モノ1,3-ジメチル-2-エチルイミダゾリニウムなどを用いてもよい。
固体電解質は、例えば、マンガン化合物や導電性高分子を含む。導電性高分子として、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンおよびこれらの誘導体などを用いることができる。
導電性高分子を含む固体電解質層は、例えば、原料モノマーを第2誘電体層上で化学重合および/または電解重合することにより形成することができる。重合反応は、水を含む液相中で行われるため、多孔における水の動的接触角が低く、多孔の水に対する濡れ性が高いほど、多孔の深部への原料モノマーの含浸性が高くなり、深部でも導電性高分子が形成される。よって、静電容量が大きくなる。
導電性高分子を含む固体電解質層は、導電性高分子が溶解した溶液または導電性高分子が分散した分散液を、第2誘電体層に含浸もしくは塗布することにより形成してもよい。このような溶液および分散液は水を含むため、多孔体部分における水の動的接触角が低く、多孔体部分の水に対する濡れ性が高いほど、多孔の深部への導電性高分子の含浸性が高くなり、静電容量が大きくなる。
(b-vi)切断面の陽極酸化処理工程
第1誘電体層104Aの形成後、基材部102に対して再度の陽極酸化処理を行ってもよい。これにより、切断面に第3誘電体層104Cを成長させ、電解コンデンサの耐圧を一層高めることができる。
このときの切断面に対する陽極酸化処理は、通常、第1誘電体層104Aの形成時の電圧(第1電圧)よりも低い電圧(第2電圧)で行われる。切断面の陽極酸化処理において印加する電圧は、例えば、0.5~180Vであり、より好ましくは3~140Vである。
このため、陽極基材の主面(第1の主面105)上に形成されている第1誘電体層104Aが更に成長し、厚膜化することはなく、切断面上において第3誘電体層104Cが成長する。第3誘電体層104Cの膜厚は、第1誘電体層104Aよりも薄い。
コンデンサ素子を形成する前の陽極基材に第2電圧を印加してもよいし、コンデンサ素子を形成後の積層体に対して、陽極体に第2電圧を印加してもよい。また、第2電圧の印加は、第2誘電体層の被覆(工程(b-iv))より前に行っても、後で行ってもよい。
切断面の化成工程(b-vi)の後で第2誘電体層の被覆(工程(b-v))を行う場合には、切
断面に形成される誘電体層の膜厚は、第3誘電体層104Cの膜厚と、第2誘電体層104Bの膜厚の和となる。このため、切断面に形成される誘電体層の膜厚の合計を、第1誘電体層104Aの膜厚よりも厚く形成することも可能である。これにより、図4に示す電極箔の断面構造を有する電解コンデンサを製造できる。また、第2誘電体層104Bの膜厚を、第1誘電体層104Aの膜厚よりも厚く形成することも可能である。
一方、第2誘電体層の被覆(工程(b-v))後に切断面の化成工程(b-vi)を行う場合、第
2誘電体層の膜厚が切断面の化成電圧に対して十分厚ければ、第3誘電体層104Cは略形成されない。つまり、切断面の化成電圧に対して第2誘電体層の膜厚を十分厚くすることで、切断面に形成される誘電体層の膜厚を第1誘電体層104Aの膜厚よりも厚く形成することも可能である。この場合においても、第1誘電体層104Aおよび第2誘電体層104B内の欠陥が化成工程において修復され、より緻密な誘電体層が得られる。特に、コンデンサ素子の形成工程では、誘電体層の表面にクラックなどの欠陥が生じ易いが、コンデンサ素子の形成(工程(b-iv))および第2誘電体層の被覆(工程(b-v))の後に工程(b-vi)を行うことによって、コンデンサ素子の形成で生じた誘電体層の欠陥を修復できる
上記の実施形態では、図8に示す捲回型の電解コンデンサの製造方法を例として説明したが、本発明の適用範囲は上記に限定されず、他の電解コンデンサ、例えば、図6に示すチップ型の電解コンデンサの製造にも適用することができる。
本発明に係る電解コンデンサ用電極箔は、電解コンデンサの陽極として利用可能であり、特に、高耐圧が要求される電解コンデンサへの利用が可能である。
10:コンデンサ素子、11:有底ケース11、12:封止部材12、13:座板13、14A,14B:リード線、15A,15B:リードタブ、21:陽極体、22:陰極体22、23:セパレータ、24:巻止めテープ、40:電解コンデンサ、41a:積層体、43a:陽極引出部(陽極体)、43b:陰極形成部(陽極体)、44:陰極体、44a:陰極体の端面、45:コンデンサ素子、48:陽極引出部の端面、49:外装体、49a:外装体の第1側面、49b:外装体の第2側面、52:陽極側の外部電極、52a:陽極側の第1電極層、52b:陽極側の第2電極層、53:陰極側の外部電極、53a:陰極側の第1電極層、53b:陰極側の第2電極層、100,111~113:電解コンデンサ用電極箔、101:陽極用電極体、102:基材部、102A:多孔体部分、102B:芯材部分、103:細孔、104,104A~104D:誘電体層、105:第1の主面、106:第2の主面、107:第3の主面(セパレータの主面)、108,108A,108B:端面、109:セパレータの端面

Claims (8)

  1. 電極箔を用いた陽極体と、セパレータと、陰極体とをこの順で積層した積層体を備え、
    前記電極箔は、
    多孔体部分を有する基材部を備える陽極用電極体と、
    前記多孔体部分の表面に配置される誘電体層と、を備え、
    前記陽極用電極体は、前記多孔体部分の細孔が開口する第1の主面、前記第1の主面の裏面である第2の主面、および、前記第1の主面と前記第2の主面とを連結する端面と、を備え、
    前記多孔体部分において、前記端面から所定の距離以下の端面近傍領域での前記誘電体層の第1の膜厚が、前記第1の主面に平行な方向での中央部において前記第1の主面から離れた深部での前記誘電体層の第2の膜厚よりも大きく、
    前記セパレータの端部が、絶縁層で被覆されている、
    電解コンデンサ。
  2. 前記端面近傍領域は、前記端面から少なくとも1μmまでの領域を含む、
    請求項1に記載の電解コンデンサ。
  3. 前記誘電体層の前記第1の膜厚は、前記端面と前記誘電体層との距離が大きくなるに従って小さくなる、
    請求項1または2に記載の電解コンデンサ。
  4. 前記基材部は、前記多孔体部分と連続する多孔化されていない芯材部分を備え、
    前記誘電体層は、前記芯材部分の前記端面にも形成されており、
    前記芯材部分の前記端面での前記誘電体層の第3の膜厚が、前記第2の膜厚よりも大きい、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の電解コンデンサ。
  5. 前記セパレータは、前記電極箔における前記基材部の前記第1の主面と対向する第3の主面を備え、
    前記絶縁が、前記第1の主面の前記第3の主面と対向する第1領域および前記第3の主面の前記第1の主面と対向する第2領域の少なくとも一方に配置されている、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の電解コンデンサ。
  6. 多孔体部分を有する基材部を備える粗面化箔を準備する工程と、
    前記基材部に第1誘電体層を形成する工程と、
    前記粗面化箔を準備する工程の後に、前記粗面化箔を所定の位置で切断して、切断面において前記基材部が露出した陽極基材を形成する粗面化箔切断工程と、
    前記陽極基材から陽極体を分離し、前記陽極体を含むコンデンサ素子を形成する工程と、
    前記コンデンサ素子を形成する工程の後に、原子層堆積法によって、前記切断面に第2誘電体層を形成する工程と、を有し、
    前記コンデンサ素子を形成する工程において、前記陽極体、セパレータ、陰極体がこの順で積層された積層体を形成し、
    前記第2誘電体層で被覆する工程において、前記切断面に加えて、前記積層体の前記セパレータの端部に絶縁層を形成するとともに、前記セパレータの前記陽極体に対向する第1領域および前記陽極体の前記セパレータに対向する第2領域の少なくとも一方に前記絶縁層を形成する、
    解コンデンサの製造方法。
  7. 前記第1誘電体層を形成する工程が、前記基材部に所定の第1電圧を印加して陽極酸化処理を行う工程であり、
    前記陽極体に前記第1電圧よりも低い第2電圧を印加して陽極酸化処理を行い、前記切断面に第3誘電体層を形成する工程をさらに有する、
    請求項に記載の電解コンデンサの製造方法。
  8. 前記第3誘電体層を形成する工程が、前記第2誘電体層を形成する工程の後に行われる、
    請求項に記載の電解コンデンサの製造方法。
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