JP2016122780A - 化成処理済みタングステン陽極体、固体電解コンデンサ素子及び固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

化成処理済みタングステン陽極体、固体電解コンデンサ素子及び固体電解コンデンサの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】印加電圧を変化させた際の容量変化が少なく、かつ漏れ電流(LC値)が小さい化成処理済みタングステン陽極体、固体電解コンデンサ素子及び固体電解コンデンサの製造方法を提供する。【解決手段】タングステン陽極体1の表面に誘電体層2を化成処理する化成処理工程と、前記誘電体層2が形成されたタングステン陽極体1を270℃以上370℃以下の温度条件に、3〜8分間曝す高温処理工程とを用いて得られた化成処理済みタングステン陽極体を使用し、固体電解コンデンサを製造する。【選択図】図1

Description

本発明は、化成処理済みタングステン陽極体、固体電解コンデンサ素子及び固体電解コンデンサの製造方法に関する。
固体電解コンデンサ素子は、弁作用金属粉の焼結体等の導電体を陽極体とし、その陽極体の表層を電解質水溶液中で電解酸化して表面に形成された誘電体層と、その上に電解重合等により形成された導電性高分子からなる導電性高分子半導体層および導電性高分子半導体層上に形成された導電体層からなる陰極とで構成される。
固体電解コンデンサの性能を高めるために、陽極体に用いる弁作用金属についても検討が進められている。例えば、特許文献1には、タンタル粉の焼結体やニオブ粉の焼結体からなる陽極体を用いたものが記載されている。これらの金属粉を用いた陽極体の他にも、例えば、特許文献2及び3には、陽極体にタングステン粉の焼結体を用いた固体電解コンデンサが記載されている。陽極体にタングステン粉の焼結体を用いた固体電解コンデンサは、他の弁作用金属の焼結体を用いた固体電解コンデンサと比べて大きな容量を得ることができるという特徴を有している。しかしながら、陽極体にタングステン粉の焼結体を用いた固体電解コンデンサは、漏れ電流が大きいという問題もあり、解決に向けて種々検討が進められている。
特開2013−74282号公報 特開2004−349658号公報 特許第5476511号公報
タングステンを主成分とする陽極体(以下、「タングステン陽極体」という)を用いた固体電解コンデンサは、まだ検討が進められている段階であり、漏れ電流を十分に抑制することが難しいという問題がある。
また本発明者らの鋭意検討の結果、このようなタングステン陽極体を用いた固体電解コンデンサは、印加電圧を変化させた際の容量変化が大きいという問題を発見した。このような容量変化を生じる固体電解コンデンサは、使用用途が限定される。すなわち、種々の設計仕様の電子機器に搭載することが難しい。また例え、搭載することが可能であったとしても、機器設計が複雑になる恐れがある。
例えば、特許文献2では、漏れ電流を抑制するために、タングステンを含む陽極体を用いることが記載されている。しかしながら、印加電圧を変化させることで容量変化が生じるという点については、記載も示唆もない。すなわち、タングステンを含む陽極体を用いた場合に、上述の問題が発生するという課題に到達できていない。
また例えば、特許文献3では、高周波域での容量を高めるために、所定の処理条件でコンデンサ素子を作製することが記載されている。高周波域での容量を高めるという優れた効果を奏することは実現できているが、印加電圧を変化させた際の容量変化と言う課題には到達していない。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、印加電圧を変化させた際の容量変化が少なく、かつ漏れ電流(LC値)が小さい化成処理済みタングステン陽極体、固体電解コンデンサ素子及び固体電解コンデンサの製造方法を得ることを目的とする。
発明者らは、鋭意検討の結果、所定の条件でタングステン陽極体を作製することで、印加電圧を変化させた際の容量変化が少なく、かつ漏れ電流(特に、化成電圧に近い電圧での漏れ電流)が小さい化成処理済みタングステン陽極体、固体電解コンデンサ素子及び固体電解コンデンサの製造方法を得ることができることを見出した。
すなわち、本発明は以下に示す構成を備えるものである。
(1)本発明の一態様に係る化成処理済みタングステン陽極体の製造方法は、タングステン陽極体の表面に誘電体層を化成処理する化成処理工程と、前記誘電体層が形成されたタングステン陽極体を270℃以上370℃以下の温度に3〜8分間曝す高温処理工程とを有する。
(2)上記(1)に記載の化成処理済みタングステン陽極体の製造方法は、前記化成処理を75℃以上97℃以下で行ってもよい。
(3)上記(1)または(2)いずれかに記載の化成処理済みタングステン陽極体の製造方法は、過硫酸または過硫酸塩のいずれかを含む電解液中で行ってもよい。
(4)本発明の一態様に係る固体電解コンデンサ素子の製造方法は、上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の方法で得た化成処理済みタングステン陽極体の表面上に半導体層、導電体層を順次形成する。
(5)本発明の一態様に係る固体電解コンデンサの製造方法は、上記(4)に記載の方法で得た固体電解コンデンサ素子を樹脂外装する。
本発明の一態様に係る化成処理済みタングステン陽極体の製造方法は、所定の条件で化成処理済みタングステン陽極体を作製することで、印加電圧を変化させた際の容量変化が少なく、かつ漏れ電流(特に、化成電圧に近い電圧での漏れ電流)が小さい化成処理済みタングステン陽極体、固体電解コンデンサ素子及び固体電解コンデンサを得ることができる。
固体電解コンデンサの断面模式図である。
以下、本発明を適用した化成処理済みタングステン陽極体、固体電解コンデンサ素子、固体電解コンデンサの製造方法について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。また、以下の説明において例示される材質、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
図1は、固体電解コンデンサの断面模式図である。
図1の固体電解コンデンサ100は、外部に導出された陽極リード線1Aを有するタングステンを主成分とする陽極体(タングステン陽極体)1上に、誘電体層2が形成された化成処理済みタングステン陽極体10を含む。この化成処理済みタングステン陽極体10の外表面には、半導体層11及び導電体層12が順に形成されて固体電解コンデンサ素子20となる。さらに、固体電解コンデンサ素子20の陽極リード線1Aが陽極端子30に接続され、導電体層12が陰極端子40に接続されている。さらにこれらの陽極端子30と陰極端子40の一部を除いて樹脂外装50で被覆され、固体電解コンデンサ100となる。導電体層12と陰極端子40は、導電性接着剤を介して接続してもよい。樹脂外装50によって、固体電解コンデンサ素子20が外部からの影響を受けることを抑制することができる。また複数の固体電解コンデンサ素子を並列に方向を揃えて載置して、一つの固体電解コンデンサとして機能させることもできる。
以下、固体電解コンデンサ100を作製する方法を、化成済みのタングステン陽極体20から順に説明する。
[化成処理済みタングステン陽極体の製造方法]
本発明の一態様に係る化成処理済みタングステン陽極体20の製造方法は、タングステン陽極体1の表面に誘電体層2を電解化成処理する化成処理工程と、誘電体層2が形成されたタングステン陽極体を270℃以上370℃以下の温度条件に3〜8分間曝す高温処理工程とを有する。
まず、タングステン陽極体1を作製する。
タングステン陽極体1は、タングステンを主成分とする陽極体である。タングステン粉を成形、焼結した焼結体に陽極リード線を設けることで、タングステン陽極体1を得ることができる。
タングステン粉は、タングステンを主成分として有していればよい。ここで、主成分とは、陽極体全体の90質量%以上をタングステンが占めることを意味する。またタングステン陽極体10は、一部がケイ化されていてもよい。
タングステン陽極体1は、略直方体形状であってもよく、その任意の面の端部が面取りされ、丸みを帯びていてもよい。またタングステン陽極体1の一つの面には、陽極リード線1Aが植立又は接続されている。
原料のタングステン粉は市販されているものを使用することができる。粒径の小さいタングステン粉が好ましいが、より小さい粒径のタングステン粉は、例えば、酸化タングステン粉を水素雰囲気下で粉砕して得ることができる。またタングステン酸及びその塩(タングステン酸アンモニウム等)やハロゲン化タングステンを水素やナトリウム等の還元剤を使用し、還元条件を適宜選択することによっても得ることができる。さらに、タングステン含有鉱物から直接または複数の工程を得て、還元条件を選択することによっても得ることができる。
原料のタングステン粉は、体積基準累計粒度分布における50%粒子径(D50)が、好ましくは0.1〜1μmである。タングステン粉は、未造粒の粉(以下、「一次粉」ともいう)でも、造粒された造粒粉でもよい。造粒粉を用いると、コンデンサ陽極体に細孔を形成しやすくなるため好ましい。また、造粒粉は、例えばニオブ粉について特開2003−213302号公報に開示されている方法と同様の方法により細孔分布を調整したものでもよい。
タングステン粉としては、さらに、表面の一部に、炭化タングステンとホウ化タングステンのいずれかまたは両方を有するものも用いることができる。また、タングステン粉の表面の一部に窒素を含有するものも好ましく用いることができる。
(化成処理工程)
このタングステン陽極体1の表面に誘電体層2を電解化成処理により作製する。ここで、「タングステン陽極体1の表面」とは、タングステン陽極体1の外表面及びタングステン陽極体1内部の細孔表面を意味し、誘電体層2はこれらの表面に形成される。
化成処理は、一般に用いられる方法を使用することができ、電解質液中にタングステン陽極体を浸漬させ、初期電流量及び電圧を制限しながら行う。
ここで電解液は、水又は、水と水に混合可能な有機溶媒との混合溶液に、電解質が溶解したものである。
例えば、電解液には、硝酸、硫酸及び過硫酸アンモニウム等を電解質として用いる溶液を用いることができる。また中でも、電解液としては、過硫酸または過硫酸塩を含む電解液が好ましく、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウムを含む電解液がより好ましい。これらの電解液を用いることで、より印加電圧を変化させた際の容量変化を少なくすることができる。また化成電圧に近い電圧での漏れ電流も小さく抑えることができる。
このよりタングステン陽極体1の化成処理は、75℃以上97℃以下で行うことが好ましい。75℃以上であれば、誘電体被膜がより緻密になるため、LC値を小さくすることができる。これに対し、97℃以下であれば、溶媒が蒸発する蒸発量が多くなりすぎることがなく、沸騰もしない。そのため、処理条件の経時変化が大きく生じることを抑制し、さらに作業性も高めることができる。
化成処理時間は、化成処理中の電流値がいったん下がった後に、上昇し始めるまでの時間とすることが好ましい。電流値が下がっている間は、厚みを徐々に増しながら均一な誘電体層2を形成するためである。この化成処理時間は、事前に予備実験を行うことで決定することができる。
また定電流と定電圧を組み合わせてもよい。例えば、定電流で化成処理を開始し、電圧が予め設定した化成電圧に達したところで定電圧処理を継続してもよい。この場合も上述の化成処理時間と同様に、電流量がある一定値まで減少したところを化成処理の終了点とすることができる。
このような化成処理を行うことで、タングステン陽極体1の一部が酸化されて誘電体層2となる。そのため、誘電体層2は、酸化タングステン(WO)を含む。誘電体層2は、酸化タングステンを含んでいれば、その他の化合物を有していてもよい。
(高温処理工程)
ついで、誘電体層2が形成された化成処理済みタングステン陽極体10を270℃以上370℃以下の温度条件に3〜8分間曝す。高温処理時の温度条件および処理時間を当該範囲内とすることで、得られる固体電解コンデンサの印加電圧を変化させた際の容量変化を少なくすることができる。また、得られる固体電解コンデンサの化成電圧に近い電圧での漏れ電流も小さくすることができる。
温度条件は、得られる固体電解コンデンサの印加電圧を変化させた際の容量変化及び得られる固体電解コンデンサの化成電圧に近い電圧での漏れ電流に作用する。温度条件が低いと得られる固体電解コンデンサの印加電圧を変化させた際の容量変化が大きくなり、温度条件が高すぎると、得られる固体電解コンデンサの化成電圧に近い電圧での漏れ電流が大きくなる。これに対し、処理時間は、得られる固体電解コンデンサの化成電圧に近い電圧での漏れ電流に大きく作用する。処理時間は長すぎても短すぎても、漏れ電流を大きくする。
このような高温状態に曝すことは、例えば、化成処理済みタングステン陽極体10を、熱処理炉内に放置(曝露)することで実現できる。熱処理炉としては、従来公知のものを用いることができる。この熱処理炉による高温処理工程における、昇温速度は、化成処理済みタングステン陽極体10の大きさ、個数及び熱処理炉のサイズによっても変化するが、例えば毎分2〜8℃とすることができる。また熱処理炉から取り出す際は、熱処理炉内部の温度が200℃以下となってから取り出すことが好ましい。化成処理済みタングステン陽極体10に、急激な温度変化が加わると、熱膨張率等の違いにより誘電体層2に割れやひびが生じ、漏れ電流の発生の原因となりうるためである。
また高温処理時の雰囲気は特に限定されない。例えば、空気中、真空中、不活性ガス中等で行うことができる。作業性の観点からは、空気中で行うことが好ましい。
このようにして得られた化成処理済みタングステン陽極体10を用いることで、印加電圧を変化させた際の容量変化を少なくすることができる。例えば、10Vの電圧で化成処理した10V化成品の場合、上述の工程を経ない場合は、印加電圧0Vでの容量値に対して、印加電圧2.5Vでの容量値の低下量は20%以上となる。これに対し、上述の工程を経た場合は、印加電圧0Vでの容量値に対して、印加電圧2.5Vでの容量値の低下量を10%以内に抑えることができる。すなわち、この化成処理済みタングステン陽極体10を用いた固体電解コンデンサ100を、種々の設計仕様の電子機器にも搭載することができる。また機器設計が複雑になることも避けることができる。
また上述の工程を経て作製された化成処理済みタングステン陽極体10は、化成処理電圧近くの電圧での漏れ電流を小さくすることができる。例えば、10V化成品の場合、上述の工程を経て作製された化成処理済みタングステン陽極体10の漏れ電流(LC値)は0.02CV以下となる(Cは陽極体の液中容量(F)、Vは化成電圧(V),単位はμA)。これに対し、上述の工程を経ない場合は、これほど小さな漏れ電流を実現することができない。
この印加電圧を変化させた際の少ない容量変化、及び化成処理電圧近くの電圧での小さい漏れ電流値は、以下の理由によって実現されていると考えられる。高温処理工程を行うと、誘電体層2中の酸化タングステンの一部が結晶化することが考えられる。誘電体層の一部が結晶化すると、従来の非晶質の場合と比較して、誘電体層にひびや割れが生じにくくなる。したがって、印加電圧を変化させた際の少ない容量変化、及び化成処理電圧近くの電圧での小さい漏れ電流値を実現できていると考えられる。なお、「一部が結晶化する」とは、大きな結晶成長が生じているのではなく、微結晶が出現して点在していることを意味する。
[固体電解コンデンサ素子及び固体電解コンデンサの製造方法]
上述の方法で得られた化成処理済みタングステン陽極体10の表面上に半導体層11、導電体層12を順次形成して、固体電解コンデンサ素子20を作製する。さらに固体電解コンデンサ素子20を樹脂外装し固体電解コンデンサ100を作製する。
まず、上述の化成処理済みタングステン陽極体10の表面に、半導体層11を形成する。半導体層11は、二酸化マンガンなどの無機半導体や導電性高分子などの有機半導体で形成でき、これらは一般に公知の方法で作製することができる。
半導体層は、導電性高分子で形成することが好ましく、例えば、化学重合法及び/または電解重合法を用いて形成することができる。化学重合法及び/または電解重合法を用いると、化成処理済みタングステン陽極体10の細孔内部まで半導体が形成され、誘電体層2に対する半導体層11の密着性を高めることができる。またこれらの処理を複数回に分けて行ってもよい。
また化成処理済みタングステン陽極体10を導電性高分子分散液に浸漬後引上げてもよいし、導電性高分子分散液を塗布し、固化させてもよい。固化の方法は、特に限定されず、一般に使用される乾燥等の方法を用いることができる。この浸漬・塗布・乾燥の工程を複数回繰り返してもよい。
半導体層を形成するための溶液としては、通電により半導体が形成され得る溶液であれば特に限定されない。例えば、アニリン、チオフェン、ピロール、これらの置換誘導体(例えば、3,4−エチレンジオキシチオフェン等)等を含有する溶液などを用いることができる。またこの溶液にさらにドーパントを添加してもよい。ドーパントとしては、特に限定されるものではないが、例えば、アリールスルホン酸またはその塩、アルキルスルホン酸またはその塩、各種高分子スルホン酸またはその塩等を用いることができる。このような半導体層形成用溶液を用いて通電を行うことによって誘電体層の上に、例えば導電性高分子(例えばポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリメチルピロール、これらの誘導体等)からなる半導体層を形成することができる。
また上述の化学重合法及び/または電解重合法によって、第1の半導体層を形成した上に、導電性高分子分散液にからの浸漬後引上げにより、第2の半導体層を形成して、半導体層を2層構成としてもよい。
上述の方法で、半導体層を形成後に、後化成を行う。後化成を行うことで、誘電体層2に欠陥等が発生していても修復することができる。半導体層を複数回に分けて形成する場合、半導体層全体を形成後に後化成を行ってもよいし、その回ごとに行ってもよい。
次いで、半導体層11上に、導電体層12を形成し、固体電解コンデンサ素子20を作製する。
導電体層12は、特に限定されるものではないが、導電性の高いカーボンや銀等を用いることが多い。作製方法は特に限定されるものではないが、ペースト状のカーボンや銀を固化させることにより作製することができる。また、これらを積層しても良い。
得られた固体電解コンデンサ素子20の、陽極リード線1Aを外部の陽極端子30に、導電体層12を外部の陰極端子40にそれぞれ電気的に接続し、次いで樹脂外装50をすることで固体電解コンデンサ100を得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
「実施例1〜5、比較例1〜5」
酸化タングステンを水素還元して得た50%粒子径0.3μmのタングステン粉に50%粒子径1μmのケイ素粉を0.2質量%混合し、真空下1160℃30分仮焼した。室温に戻してから塊状物を取り出し、塊状物をハンマーミルで解砕し、次いで篩分により26〜180μmを分級して造粒粉を得た。その後、造粒粉を成形機で成形し、さらに、真空下1350℃20分焼結して、大きさ1.0×1.7×2.3mm(1.0×2.3mmの面に直径0.24mmのタンタル線が植立されている。質量は32mg±2mg)のタングステン陽極体を1000個作製した。
次に、タングステン陽極体200個を選択してそれぞれタンタル線の一部を含むタングステン陽極体を4質量%過硫酸カリウム水溶液中に浸漬して、陽極体1個あたり初期電流値5mA、10Vで90℃、60分間化成処理して酸化タングステンからなる誘電体層を形成した。
こうして得られた化成処理済みタングステン陽極体を表1に記載の温度の炉に表1に記載の時間入れて取り出すことにより高温処理をした。また高温処理は大気中で行った。表1には、高温処理後の化成処理済みタングステン陽極体の容量(0Vバイアスと2.5Vバイアス、各120Hz値)および9V印加時のLC値(電圧印加して室温30秒後の値)を併記した。容量とLC値は、50質量%硫酸水溶液を測定溶液として用いて、測定した。また、測定値は、各10個の平均値である。
「実施例6」
化成処理温度を50℃とした点以外は実施例3と同様にして、化成処理済みタングステン陽極体を作製した。測定は、0Vと2.5Vの容量および9VのLCである。この結果を表1に併記した。
「比較例6」
高温処理工程における温度及び時間を165℃30分間とした点以外は実施例1と同様にして、化成処理済みタングステン陽極体を作製した。測定は、0Vと2.5Vの容量および9VのLCである。この結果を表1に併記した。
「実施例7」
化成処理時の電解液を6質量%過硫酸カリウムと1質量%硫酸の混合水溶液とした点、及び化成処理電圧を15V、化成処理温度を75℃にした点以外は実施例3と同様にして、化成処理済みタングステン陽極体を作製した。測定は、0Vと4Vの容量および13VのLCである。この結果を表2に示す。
なお、表1及び表2における容量変化(%)は、以下の関係式で求めた。
容量変化(%)=100−(2.5V又は4.0Vバイアス時の化成処理済みタングステン陽極体の容量)/(0Vバイアス時の化成処理済みタングステン陽極体の容量)×100
Figure 2016122780
Figure 2016122780
本発明のコンデンサ陽極体は、固体電解コンデンサとして携帯電話やパーソナルコンピュータ等、様々な分野で用いるのに好適である。
1:タングステン陽極体、1A:陽極リード線、2:誘電体層、10:化成処理済みタングステン陽極体、11:半導体層、12:導電体層、20:固体電解コンデンサ素子、30:陽極端子、40:陰極端子、50:樹脂外装、100:固体電解コンデンサ

Claims (5)

  1. タングステン陽極体の表面に誘電体層を化成処理する化成処理工程と、
    前記誘電体層が形成されたタングステン陽極体を、270℃以上370℃以下の温度に3〜8分間曝す高温処理工程とを有することを特徴とする化成処理済みタングステン陽極体の製造方法。
  2. 前記化成処理を75℃以上97℃以下で行うことを特徴とする請求項1に記載の化成処理済みタングステン陽極体の製造方法。
  3. 前記化成処理を、過硫酸または過硫酸塩のいずれかを含む電解液中で行うことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の化成処理済みタングステン陽極体の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法で得た化成処理済みタングステン陽極体の表面上に半導体層、導電体層を順次形成する固体電解コンデンサ素子の製造方法。
  5. 請求項4に記載の方法で得た固体電解コンデンサ素子を樹脂外装する固体電解コンデンサの製造方法。
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