JP5824115B1 - タングステン系コンデンサ素子の製造方法 - Google Patents

タングステン系コンデンサ素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】封止工程やリフロー炉における処理等、コンデンサ素子を高温で熱処理した後に漏れ電流(LC)が増大しないタングステン系コンデンサ素子の製造方法を提供する。【解決手段】タングステン粉またはその成形体を焼結して陽極体を形成する焼結工程、前記陽極体の表層部に誘電体層を形成する化成工程、前記誘電体層上に導電性高分子の重合により半導体層を形成する半導体層形成工程、前記誘電体層に生じた損傷を修復する後化成工程、前記陽極体を、酸化剤を含む非水系溶媒の溶液に浸漬して電解操作を行う非水電解工程、及び前記陽極体上に陰極リードを接続するための導電体層を形成する導電体層形成工程を、この順で含むコンデンサ素子の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、タングステン系コンデンサ素子の製造方法に関する。さらに詳しく言えば、耐熱性が高いタングステン系コンデンサ素子、より具体的には、封止工程やリフロー炉における処理等、コンデンサ素子を高温で熱処理した後に漏れ電流(LC)が増大しないタングステン系コンデンサ素子の製造方法に関する。
携帯電話やパーソナルコンピュータ等の電子機器の形状の小型化、高速化、軽量化に伴い、これらの電子機器に使用されるコンデンサは、より小型で、より軽く、より大きな容量、より低い等価直列抵抗(ESR)を有することが求められている。
このようなコンデンサとしては、タンタルなどの陽極酸化が可能な弁作用金属粉末を焼結して得られる焼結体(陽極体)を陽極酸化して、その表面にこれらの金属酸化物からなる誘電体層を形成した電解コンデンサが提案されている。
弁作用金属としてタングステンを用いた、タングステン粉の焼結体を陽極体とする電解コンデンサは、同一粒径のタンタル粉を焼結し、同体積の陽極体を同化成電圧で化成して得られる電解コンデンサに比較して、大きな容量を得ることができる。
本出願人は、粒子表面領域にケイ化タングステンを有し、ケイ素含有量が0.05〜7質量%であるタングステン粉、その焼結体からなるコンデンサの陽極体、電解コンデンサ、及びそれらの製造方法を提案している(特許文献1;国際公開第2012/086272号パンフレット)。
国際公開第2012/086272号パンフレット
タングステン粉またはその成形体を焼結して得られる陽極体の表層部に誘電体層を形成し、誘電体層上に半導体層、導電体層を順次形成したタングステン系コンデンサ素子は、陽極体の材料単価が安く、体積当たりの容量が大きいことから製品化が期待されている。しかし、解決すべき課題として、封止工程やリフロー炉における処理等、コンデンサ素子を高温で熱処理した後のLC増大が挙げられる。
従って、本発明の課題は、耐熱性の高いタングステン系コンデンサ素子の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、タングステン系コンデンサ素子の高温熱処理後におけるLC増大の原因を究明すべく検討した。その結果、以下の2つの原因が挙げられることがわかった。
1.後化成工程における半導体層の脱離
誘電体層に生じた損傷を修復する後化成時工程では、イオンの移動により半導体層が一部脱離し、半導体層に厚みが薄い部分が生じる。この変化に伴い、高温熱処理時の誘電体層への熱応力が高くなり、LC増大につながると考えた。
さらに、タングステン系コンデンサ素子の誘電体層は、タンタル系、ニオブ系のコンデンサ素子の誘電体層よりも、半導体層形成時の副生成物である水素や水によって還元作用、溶解作用の影響を受けやすい。したがって、より強い条件で後化成することが必要になるため、半導体層の脱離が起こりやすく、LC増大の影響を受けやすいものと考えられる。
2.半導体層における未反応モノマー、低重合度オリゴマーの残存
半導体層形成工程後、未反応モノマーや低重合度オリゴマーは、半導体層を構成する導電性高分子とCT錯体を形成し、半導体層に付着残存する。これら残存物の中には、溶媒による洗浄で除去できないものも存在する。したがって、コンデンサ素子を高温熱処理した場合、残存物が熱重合し、水素や水(高温時には水蒸気)が発生する。これによって誘電体層が劣化し、LCが増大するものと考えた。
前述の通り、タングステン系コンデンサ素子の誘電体層は、水素や水による作用を受けやすいので、本要因による影響もより大きくなるものと考えられる。
本発明者らは、上記の2つの原因が、後化成工程後の陽極体を、酸化剤を含む非水系溶媒の溶液に浸漬して電解操作を行う非水電解工程を設けることにより解決できることを見出し、本発明を完成した。なお、本発明に若干関連する技術として、酸化剤を含む水系溶媒を使用した後化成操作を記載した特許文献(特開2006−108658号公報)があるが、水系溶媒であるために導電性高分子の重合反応が進まないことから、当該後化成操作では上記2つの原因(問題点)を解決することはできない。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[3]のコンデンサ素子の製造方法に関する。
[1]タングステン粉またはその成形体を焼結して陽極体を形成する焼結工程、前記陽極体の表層部に誘電体層を形成する化成工程、前記誘電体層上に半導体層を形成する半導体層形成工程、前記誘電体層に生じた損傷を修復する後化成工程、前記陽極体を、酸化剤を含む非水系溶媒の溶液に浸漬して電解操作を行う非水電解工程、及び前記陽極体上に導電体層を形成する導電体層形成工程を、この順で含むコンデンサ素子の製造方法。
[2]前記非水電解工程の酸化剤が、スルフォン酸、スルフォン酸塩及び有機過酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種である前項1に記載のコンデンサ素子の製造方法。
[3]前記非水電解工程の非水系溶媒が、メチルアルコール、エタノール、プロピルアルコール、エチレングリコール及びプロピレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種である前項1または2に記載のコンデンサ素子の製造方法。
本発明の方法によれば、耐熱性に優れ、特に、封止工程やリフロー炉における処理等、高温で熱処理した後にLCが増大しないタングステン系コンデンサ素子を製造することができる。
陽極体の原料となるタングステン粉としては、市販されているタングステン粉を用いることができる。
市販されているタングステン粉の粒径は、おおむね0.5μm以上であるが、粒径のさらに小さいタングステン粉は、例えば、三酸化タングステン粉を水素ガス雰囲気下で還元して得ることができる。還元したタングステン粉は粉砕材でさらに粉砕してもよい。粉砕材としては、炭化タングステン、炭化チタン等の炭化金属製の粉砕材を用いて粉砕することが好ましい。これらの炭化金属であれば、粉砕材の微細な破片が混入する可能性が小さい。炭化タングステンの粉砕材がより好ましい。
あるいは、タングステン酸やハロゲン化タングステンを、水素やナトリウム等の還元剤を使用し、条件を適宜選択して還元する方法や、タングステン含有鉱物から直接または複数の工程を経て、条件を選択して還元する方法によって粒径のさらに小さいタングステン粉を得ることもできる。
タングステン粉の体積平均粒径D50(体積基準の累積分布において、累積体積%が50体積%に相当する粒径値)は、好ましくは0.1〜0.6μm、より好ましくは0.1〜0.5μm、さらに好ましくは0.1〜0.4μmである。なお、体積平均粒径D50は、市販の製品を用いて体積基準粒度分布を測定すること等により求めることができる。
タングステン粉としては、未造粒のタングステン粉(以下、「一次粉」ということがある。)、造粒されたタングステン粉(以下、「造粒粉」ということがある。)のどちらを用いてもよい。陽極体における細孔の形成し易さの観点からは、造粒粉を用いることが好ましい。また、一次粉を用いて、例えばニオブ粉について特開2003−213302号公報に開示されているように細孔分布を調整してもよい。
本発明のタングステン系コンデンサ素子の製造方法(焼結工程)では、タングステン粉として、後述するケイ化タングステン、窒素が固溶化したタングステンテン、炭化タングステン、ホウ化タングステン粉の少なくとも1種を含むタングステン粉を使用することができる。したがって、本発明の特許請求の範囲及び明細書に記載の「タングステン粉」には、ケイ化タングステン、窒素が固溶化したタングステン、炭化タングステン、ホウ化タングステン粉の少なくとも1種を含んでいてもよい。
さらに、本発明に係るタングステン粉には、リン及び酸素元素を後述する割合で含んでいてもよい。
なお、本発明において、「ケイ化タングステン」という場合には、すべてのタングステンがケイ化されている必要はない。例えば、粒子表面領域のみにケイ化タングステンが存在していてもよい。
タングステン粉としては、特許文献1に開示した、ケイ素含有量が特定の範囲となるように粒子表面領域のみをケイ化タングステンとしたタングステン粉が好ましく用いられる。
粒子表面領域がケイ化されたタングステン粉は、例えば、タングステン粉にケイ素粉をよく混合し、減圧条件下で加熱することにより得ることができる。この方法の場合、ケイ素粉はタングステン粒子表面より反応し、W5Si3等のケイ化タングステンが粒子表面から通常50nm以内の領域に局在して形成される。そのため、粒子の中心部は導電率の高い金属のまま残り、コンデンサの陽極体を作製したとき、陽極体の等価直列抵抗が低く抑えられるので好ましい。
ケイ化タングステンの含有量はケイ素の添加量により調整することができる。ここで、ケイ化タングステンの化合物の種類にかかわらず、その含有量をケイ素含有量で表した場合、タングステン粉全体中のケイ素含有量は、好ましくは0.05〜7.0質量%、より好ましくは0.20〜4.0質量%である。この範囲のケイ素含有量を有するタングステン粉は、LC特性の良好なコンデンサを与え、かつ、タングステン粉のケイ化部分が多すぎないため、後の化成工程に影響を与えず、良好な誘電体層を形成することができる。
タングステン粉をケイ化する際の減圧条件は、好ましくは10-1Pa以下、より好ましくは10-3Pa以下である。当該範囲でケイ化を行うと、タングステン粉全体中の酸素含有量を好ましい範囲である0.05〜8.0質量%にすることができる。
反応温度は、1100℃以上2600℃以下が好ましい。反応温度を当該範囲とすると、ケイ化に時間がかかりすぎず、かつ、ケイ素が気化し、電極の金属(モリブデン等)と合金化して電極がもろくなる等の問題が発生する可能性が低い。なお、使用するケイ素の粒径が小さいほど、低温でケイ化を行うことが可能である。
タングステン粉の粒子表面領域に窒素を固溶化させる方法の一例として、タングステン粉を減圧下、窒素ガス雰囲気下で、350〜1500℃の温度に数分から数時間保持する方法が挙げられる。
ケイ化したタングステン粉に、窒素を固溶化させる場合は、タングステン粉をケイ化するときの加熱処理時に行ってもよいし、先に窒素を固溶化させる処理を行ってからケイ化を行ってもよい。
窒素を固溶化させる処理は、一次粉のとき、造粒粉作製後、あるいは焼結後等に行うことができ、どこで行うかについては特に限定はされないが、タングステン粉全体中の窒素の含有量を工程の早い段階で0.01〜1.0質量%にしておくことが好ましい。これにより、窒素を固溶化させる処理で粉体を空気中で取り扱う際、必要以上の酸化を防ぐことができる。
タングステン粉の表面の一部を炭化する方法の一例として、前述のタングステン粉を、炭素電極を使用した減圧高温炉中で300〜1500℃の温度に数分から数時間保持する方法が挙げられる。温度と時間を選択することにより、タングステン粉全体中の炭素含有量が0.001〜0.50質量%になるように炭化することが好ましい。炭化を製造工程のどこで行うかについては、前述した窒素固溶化処理の場合と同様に特に限定されない。
窒素を導入した炭素電極炉中でケイ化したタングステン粉を所定条件で保持すると、炭化と窒化が同時に起こり、粒子表面領域がケイ化及び炭化し、窒素が固溶化したタングステン粉を作製することも可能である。
タングステン粉の表面の一部をホウ化する方法の一例として、ホウ素やホウ素元素を有する化合物の粉末をホウ素源として予めタングステン粉と混合しておき、これを造粒する方法が挙げられる。タングステン粉全体中のホウ素含有量は0.001〜0.10質量%になるようにするのが好ましい。この範囲であれば良好なLC特性が得られる。
ホウ化をタングステン粉製造工程のどこで行うかについては、前述した窒素固溶化処理の場合と同様に限定はされない。粒子表面領域がケイ化及び窒素が固溶化したタングステン粉を炭素電極炉に入れ、ホウ素源を混合して造粒を行うと、粒子表面領域がケイ化、炭化、ホウ化し、窒素が固溶化したタングステン粉を作製することも可能である。所定量のホウ化を行うと、さらにLCが良くなる場合がある。
なお、先に窒素の固溶化、炭化、ホウ化の少なくとも1つを行ったタングステン粉に、さらに表面領域をケイ化してもよい。あるいは、粒子表面領域がケイ化したタングステン粉に対して、前述のように窒素の固溶化、炭化、ホウ化の少なくとも1つを行ってもよい。ケイ素、窒素、炭素及びホウ素の各元素については、それぞれ前述した含有量の範囲内に収まるように配合することが好ましい。
本発明のタングステン粉全体中の酸素含有量は、0.05〜8.0質量%であることが好ましく、0.08〜1.0質量%であることがより好ましい。
酸素含有量を0.05〜8.0質量%にする方法としては、粒子表面領域がケイ化されたタングステン粉、さらに表面領域に窒素の固溶化、炭化、ホウ化の少なくとも1つを行ったタングステン粉の表面領域を酸化する方法がある。具体的には各粉の一次粉作製や造粒粉作製の際の減圧高温炉からの取り出し時に、酸素ガスを含有する窒素ガスを導入する。このとき、減圧高温炉からの取り出し時の温度が280℃未満であると窒素の固溶化よりも酸化が優先して起こる。徐々にガスを導入することにより所定の酸素含有量にすることができる。前もって各タングステン粉を所定の酸素含有量にしておくことにより、後の粉を使用して電解コンデンサの陽極体を作製する工程中において、厚みムラのある自然酸化膜の生成による過度の酸化劣化を緩和することができる。酸素含有量が前述の範囲内であれば、作製した電解コンデンサのLC特性をより良好に保つことができる。この工程で窒素の固溶化をしない場合には、窒素ガスの代わりにアルゴンやヘリウムガス等の不活性ガスを使用してもよい。
本発明のタングステン粉全体中のリン元素の含有量は0.0001〜0.050質量%であることが好ましい。
粒子表面領域がケイ化されたタングステン粉、さらに、表面領域に窒素固溶化、炭化、ホウ化、酸化の少なくとも1つを行ったタングステン粉に、リン元素を0.0001〜0.050質量%含有させる方法の一例として、各粉の一次粉作製時や造粒粉作製時に、減圧高温炉中にリンやリン化合物をリン化源として置いてリンを含有する粉を作製する方法がある。リン化源の量を調整するなどして、前述の含有量となるようにリンを含有させると、陽極体を作製したときの陽極体の物理的破壊強度が増加する場合があるので好ましい。この範囲であれば、作製した電解コンデンサのLC性能がさらに良好になる。
粒子表面領域がケイ化されたタングステン粉では、より良好なLC特性を得るために、ケイ素、窒素、炭素、ホウ素、酸素及びリンの各元素以外の不純物元素の合計含有量を0.1質量%以下に抑えることが好ましい。これらの元素を当該含有量以下に抑えるためには、原料や、使用粉砕材、容器等に含まれる不純物元素量を低く抑える必要がある。
上記のタングステン粉は、焼結する前に成形処理を行い、成形体とすることが好ましい。例えば、タングステン粉に成形用の樹脂(アクリル樹脂等)を混合し、成形機を用いて成形体を作製してもよい。成形するタングステン粉は、一次粉、造粒粉、及び一次粉と造粒粉との混合粉(一部造粒されている粉)のいずれであってもよい。造粒粉をより多く用いると後述する陽極体で大きな平均細孔径が得られやすく、一次粉をより多く用いると小さな平均細孔径が得られやすい。また、成形圧力を加減することによって得られる陽極体の細孔率の調整ができる。
<焼結工程>
陽極体は、タングステン粉またはその成形体を焼結することによって得ることができる。焼結により、粒子の間に細孔を有する多孔質体が形成され、比表面積が増大する。圧力は、例えば、102Pa以下の減圧下であることが好ましい。焼結温度は、好ましくは1000〜2000℃であり、より好ましくは1100〜1700℃、さらに好ましくは1200〜1600℃である。また、焼結時間は、好ましくは10〜50分であり、より好ましくは15〜30分である。
<化成工程>
焼結により陽極体を得た後、陽極体の表層部に誘電体層を形成する化成工程を行う。化成の条件を下記に示す。
化成工程で用いる化成液としては、従来の酸化剤を含む溶液を用いることができる。ここで用いる酸化剤は、自身が還元されやすい含酸素化合物である。好ましい酸化剤としては、マンガン(VII)化合物、クロム(VI)化合物、ハロゲン酸化合物、過硫酸化合物及び有機過酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一つが挙げられる。具体的には、過マンガン酸塩などのマンガン(VII)化合物;三酸化クロム、クロム酸塩、ニクロム酸塩などのクロム(VI)化合物;過塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸及びそれらの塩などのハロゲン酸化合物;過酢酸、過安息香酸及びそれらの塩や誘導体などの有機酸過酸化物;過硫酸及びその塩などの過硫酸化合物が挙げられる。これらのうち、扱い易さ、酸化剤としての安定性及び水易溶性、並びに容量上昇性の観点から、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸水素カリウム等の過硫酸化合物が好ましい。これらの酸化剤は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
酸化剤の含有量は、化成液中、好ましくは0.05〜12質量%、より好ましくは0.05〜7質量%、さらに好ましくは1〜5質量%未満である。酸化剤の含有量が当該範囲であると、酸化剤の含有量が多すぎて容量が高くならない素子が出現する可能性が低く、また、化成工程後の化成液を洗浄するための時間が短くて済む。
化成液には、コンデンサ素子の性能に支障を来さない範囲で、公知の電解質が含まれていてもよい。電解質としては、硝酸、硫酸、ホウ酸、シュウ酸、アジピン酸、リン酸等の酸;またはそれら酸のアルカリ金属塩やアンモニウム塩等が挙げられる。ただし、電解質の量が多すぎると誘電体層の表面に突起や凸条が生じて誘電体層の平滑性が損なわれることがある。
化成工程は複数回繰り返し行ってもよい。
また、前述の酸化剤を含有する化成液を用いる化成の前または後に、必要に応じて前述の電解質を含有する化成液を用いる化成を行ってもよい。ただし、酸化剤を含有する化成液を用いる化成と電解質を含有する化成液を用いる化成を併用する手法は、化成液が混じり合ってそれぞれの化成液を劣化させる場合があるが、化成工程後の水洗浄を長時間にすれば、これを防ぐこともできる。
化成工程では、上記化成液に、陽極体を浸漬し、電圧を印加する。電圧は、陽極体(陽極)と対電極(陰極)との間に印加する。陽極体への通電は陽極リード線を通じて行うことができる。
電圧印加は、所定の初期電流密度にて開始し、該電流密度値を維持し、所定の電圧(化成電圧)に達した時からはその電圧値を維持することが好ましい。化成電圧は所望の耐電圧に応じて適宜設定することができる。
化成処理の温度は、好ましくは62℃以下、より好ましくは0〜60℃、さらに好ましくは5〜50℃である。
化成後、陽極体を純水で洗浄することが好ましい。この洗浄によって化成液をできるだけ除去する。水洗浄の後、表面に付着する水または陽極体の細孔内に浸み込んだ水を除去することが好ましい。
洗浄水の除去は、例えば、水との混和性を有する溶剤(プロパノール、エタノール、メタノール等)に接触させて加熱処理することによって行われる。加熱処理の温度は、特に限定されないが、好ましくは150℃〜200℃である。加熱処理の時間は、好ましくは1〜60分、より好ましくは5〜30分、さらに好ましくは10〜20分である。
<半導体層形成工程>
化成工程の後、半導体層形成工程を行う。半導体層形成工程では、化成工程で形成した誘電体層上に、導電性高分子を重合する。
導電性高分子としては、従来コンデンサに適用されている公知の導電性高分子が使用可能である。例えば、ポリピロールやポリエチレンジオキシチオフェンを使用することができる。導電性高分子からなる半導体層を形成する前後またはその途中に、二酸化マンガンからなる層または島状の点在層を形成しておいても良い。
導電性高分子の重合に用いる重合液は、ドーパントを含んでいてもよい。ドーパントとしては、トルエンスルフォン酸鉄、アントラキノンスルフォン酸等が挙げられる。これらのドーパントは、酸化剤としての役割も果たすため、好ましい。
導電性高分子の重合は、陽極体を導電性高分子の溶液に浸漬させる方法(化学重合)、電圧を印加して行う方法(電解重合)のどちらを用いてもよく、両方を用いてもよく、繰り返し行ってもよい。
導電性高分子やドーパントの濃度、重合温度、重合時間は特に限定されず、従来技術に従って決定すればよい。また、電解重合を用いて重合する場合、通電条件は従来技術や予備実験等により求めることが可能である。
半導体層の形成後、前述の化成工程と同様に、洗浄、加熱処理を行ってもよい。ただし、加熱処理の温度は、半導体層の劣化を避けるため、好ましくは化成工程よりも低い温度であり、より好ましくは100〜150℃である。
<後化成工程>
半導体層形成工程後、誘電体層に生じた損傷を修復する後化成工程を行う。
後化成工程は化成工程と同様に行うことができる。すなわち、化成液に半導体層を形成した陽極体を浸漬し、陽極体(陽極)と対電極(陰極)との間に所定の電圧を所定の時間印加することにより行うことができる。ただし、半導体層の劣化を防ぐため、印加する電圧は化成工程よりも低いことが好ましい。
後化成後、前述の半導体層形成工程と同様に、洗浄、加熱処理を行ってもよい。
なお、前述の導電性高分子の重合、洗浄、加熱処理、後化成、洗浄、加熱処理のセットを繰り返して行ってもよい。
<非水電解工程>
後化成工程後に非水電解工程を行う。より具体的には、酸化剤を含む非水系溶媒の溶液中に陽極体を浸漬して、電解操作を行う。
なお、電解操作は、酸化剤を含む非水系溶媒に後化成工程後の陽極体を浸漬し、陽極体(陽極)と対電極(陰極)との間に所定の電圧を印加することにより行うことができる。初期電流値は、陽極体の大きさや、使用されるタングステン粉の平均粒径を考慮して求められる。好ましくは0.01〜10mA/陽極体であり、より好ましくは、0.1〜2mA/陽極体である。
非水系溶媒としては、酸化剤を溶解するものであり、例えば、一価アルコール、二価アルコール、三価アルコールが好ましい。一価アルコールとしては、メチルアルコール、エタノール、プロピルアルコールが好ましい。二価アルコールとしては、エチレングリコールやプロピレングリコールが好ましい。
溶媒の蒸発を考慮した液面維持管理の観点から、一価のアルコールと二価のアルコールの混合溶媒が好ましい。混合比率は特に限定されない。
なお、非水系溶媒中には、空気中の湿気に由来する微量の水分や、市販溶媒製造時に脱水困難な微量水分が含まれていてもよい。含有される水分としては、例えば、10000ppm以下であることが好ましい。
酸化剤としては、前述の非水系溶媒に溶解するものが挙げられる。例えば、スルフォン酸、スルフォン酸塩、有機過酸化物がある。これらは2つ以上を併用してもよい。これらの中では、取り扱いが容易なことから、スルフォン酸塩(ナフタレンスルフォン酸塩、アントラセンスルフォン酸塩など)が好ましく、特にナフタレンスルフォン酸鉄が好ましい。
酸化剤の濃度は、好ましくは飽和濃度以下、より好ましくは0.2〜10質量%、さらに好ましくは0.2〜5質量%である。
電解操作中の非水系溶媒の温度は、好ましくは非水系溶媒の沸点以下、より好ましくは30℃以下である。
電解操作の時間は、半導体層に残存する未反応モノマーや低重合度オリゴマーが無くなるまで行うことが好ましいが、電流値が下がり始めた時点、あるいは電圧が上昇した時点を終点としてもよい。
電解操作後、前述の半導体層形成工程と同様に、洗浄、加熱処理を行ってもよい。
発明においては、非水系溶媒の溶液を用いることにより、このような重合が可能になる。水系溶媒を用いた場合、未反応モノマーや低重合度オリゴマーの重合が起こりにくいので、同等の効果は見込めない。さらに、電解操作で用いる溶液に含まれる酸化剤は、重合によって発生する水素や水(高温時には水蒸気)による還元作用や溶解作用を緩和することができる。これによって誘電体層の劣化を抑えることができる。
本発明では、以上のようにして、後化成工程における半導体層の脱離部分を補い、誘電体層劣化の原因となる未反応モノマーや低重合度オリゴマーを消費することができる。これに伴い、高温熱処理後のLC増大の原因を解決することができる。
<導電体層形成工程>
非水電解工程後は、導電体層形成工程を行う。陽極体上への導電体層の形成には、従来コンデンサに適用されている公知の導電体層形成材料や方法が使用可能である。例えば、カーボン層に銀層を順次積層する方法を挙げることができる。
上記導電体層に陰極リードが電気的に接続され、陰極リードの一部が電解コンデンサの外装の外部に露出して陰極外部端子となる。一方、陽極体では、陽極リードの一部がコンデンサの外装の外部に露出して陽極外部端子となる。次いで、樹脂等による封止によって外装を形成してコンデンサを得ることができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を説明するが、下記の記載により本発明は何ら限定されるものではない。
本発明において、粒径(体積平均粒径及び粒径範囲)、BET比表面積、容量及びLC値は以下の方法で測定した。
粉体の粒径(体積平均粒径)は、マイクロトラック社製HRA9320−X100(レーザー回折・散乱式粒度分析計)を用いて測定した。具体的には、本装置により体積基準の粒度分布を測定し、その累積分布において、累積体積%が50%、10%、90%に相当する粒径値をそれぞれ体積平均粒径D50(μm)、D10(μm)、D90(μm)とした。
BET比表面積は、NOVA2000E(SYSMEX社)を用いてBET法で測定した。
容量は、アジレント製LCRメーターを用いて、室温、120Hz、バイアス2.5Vでの値を測定した。
LC値は、25℃で2.5Vを印加して30秒後に測定した。
実施例1〜4、比較例1〜2:
三酸化タングステンを水素ガス雰囲気下で還元して得たタングステン粉100質量部(体積平均粒径D50=0.4μm、D10=0.05μm、D90=5μm、BET比表面積4.7m2/g)に対して、ケイ素粉(体積平均粒径D50=0.8μm、D10=0.3μm、D90=8μm)を0.6質量部混合した後に、真空条件下、1200℃で20分間加熱し、室温に戻した。充分に徐酸化を行った後、大気中に取り出した。得られた塊状物を解砕し、体積平均粒径D50=55μm、D10=35μm、D90=150μmの粒子を得た。ケイ素の一部は、タングステン粉の表層の一部で合金化していた。
(1)焼結工程
前述の一部ケイ化したタングステン粉と陽極リード用の0.24mmφのタンタル線を使用して成形後、真空中、1300℃で20分間、焼結し、大きさ1.0×2.3×1.7mm(32mg、1.0×2.3mm面にタンタル線が植立している)陽極体を1000個作製した。
(2)化成工程
続いて、酸化剤として4質量%の過硫酸カリウムを含む水溶液をステンレス製容器に用意し、陽極体とタンタルリード線の一部を浸漬した。リード線を電源の正極に、ステンレス容器を電源の負極に接続して5℃で1時間、化成処理を行った。通電条件は、初期は電流密度2mA/陽極体の定電流条件とし、電圧が10Vに到達した後は電圧10Vの定電圧条件とした。終了後、水洗、エタノール洗浄を行った後に、190℃で15分間、加熱処理を行った。
(3)半導体層形成工程
次に、化成済陽極体を10質量%エチレンジオキシチオフェンエタノール溶液に浸漬した後に、7質量%のトルエンスルフォン酸鉄水溶液に浸漬して60℃で15分間、化学重合を行った。この化学重合は3回行った。
引き続き、アントラキノンスルフォン酸を3質量%、エチレンジオキシチオフェンを飽和濃度以上含む、質量比が水:エチレングリコール=7:3の溶液を別途用意し、化学重合済みの陽極体を浸漬して、電解重合を行った。
なお、重合の際はタンタルリード線を電源の正極に、ステンレス製容器を電源の負極に接続して、50μA/陽極体の定電流条件、25℃、撹拌条件下で60分間重合した。
重合後、水洗、エタノール洗浄、105℃で15分間、加熱処理を行った。
(4)後化成工程
さらに、(2)化成工程で用いたものと同じ化成液に陽極体とリード線の一部を浸漬して、25℃で15分間、後化成を行った。通電条件は、初期は0.4mA/陽極体の定電流条件とし、電圧が7Vに到達した後は電圧7Vの定電圧条件とした。
その後、水洗、エタノール洗浄、105℃15分間、加熱処理を行った。
前述のエチレンジオキシフェンを用いた電解重合、洗浄、加熱処理、後化成、洗浄、加熱処理は、5回繰り返して行った。なお、電解重合における通電条件は、3回目と4回目は60μA/陽極体の定電流条件、5回目は80μA/陽極体の定電流条件とした。
(5)非水電解工程
次に、実施例1〜4では、表1に記載した酸化剤を含む非水系溶媒の溶液中に、陽極体を浸漬して、表1に記載の電流値、温度・時間条件にて電解操作を行った。なお、電解操作の際はタンタルリード線を電源の正極に、ステンレス製容器を電源の負極に接続した。この操作後、エタノール洗浄を行い、105℃で15分間、加熱処理を行った。
比較例1では、本工程は行わず、次の(6)導電性高分子形成工程を行った。
比較例2では、電解操作に用いる溶液を1質量%のトルエンスルフォン酸鉄水溶液としたこと以外は実施例1と同様にして、電解操作、洗浄、加熱処理を行った。
Figure 0005824115
(6)導電体層形成工程
続いて、陽極体のリード線植立面以外の面に、カーボン層と銀層を順次積層し、各々105℃で20分間、乾燥硬化させ、タングステンコンデンサ素子を各例32個作製した。各例の初期、及び高温加熱処理後の容量とLC値の平均値を表2に示す。なお、高温加熱処理では、コンデンサ素子を、空気中160℃で10分間、加熱した。表2に「高温加熱処理後」として示した値は、高温加熱処理後、コンデンサ素子を室温に戻して測定した値である。
Figure 0005824115
実施例1の非水電解工程の前後の陽極体(任意の5個)について、質量変化、陽極体の2.3mm×1.7mm面の片面における半導体層の厚さの変化、及びイオウ含有量の変化を測定した。5個の平均値は、質量変化が+0.8mg、半導体層厚さの変化は+0.4μm、イオウ含有量は操作前が全体の0.34質量%、操作後が全体の0.42質量%であった。なお、イオウはドーパントや導電性高分子に由来する。
実施例5〜6、比較例3:
1質量%のホウ酸水溶液を、タングステン粉に対して10質量%混合した後、真空下、100℃で60分間加熱し、水を除去して一部ホウ化したタングステン粉を得た。
(1)焼結工程
一部ケイ化したタングステン粉を、前述の一部ホウ化したタングステンとしたこと以外は実施例1と同様に行った。
(2)化成工程
化成液の酸化剤を、3質量%の過硫酸アンモニウムとし、化成温度を50℃、時間を5時間、定電圧における電圧を12Vとしたこと以外は実施例1と同様に行った。
(3)半導体層形成工程
電解重合前の浸漬操作は、エチレンジオキシチオフェンとトルエンスルフォン酸鉄水溶液の代わりにピロールとナフタレンスルフォン酸鉄エタノール溶液を使用したこと以外は、実施例1と同様に行った。
電解重合は、エチレンジオキシチオフェンの代わりに質量比がピロール:エチレンジオキシチオフェン=3:7の混合物を使用したこと以外は実施例1と同様に行った。
(4)後化成工程
化成液の酸化剤を、3質量%の過硫酸アンモニウムとしたこと以外は、実施例1と同様に行った。
(5)非水電解工程
次に、実施例5及び6では、表3に記載した酸化剤を含む非水系溶媒の溶液中に、陽極体を浸漬して表3に記載の電流値、温度・時間条件にて電解操作を行った後、実施例1と同様に洗浄、加熱処理を行った。
比較例3では、本工程は行わず、次の(6)導電性高分子形成工程を行った。
Figure 0005824115
(6)導電体層形成工程
実施例5〜6、及び比較例2について、実施例1と同様に行った。
各例の初期、及び高温加熱処理後の容量とLC値の平均値を、実施例1と同様に測定した。結果を表4に示す。
Figure 0005824115
以上より、後化成工程後の陽極体を、酸化剤を含む非水系溶媒の溶液に浸漬して非水電解工程を行った実施例1〜6は、非水電解工程を行わなかった比較例1、3よりも高温加熱処理後のLCが小さい。このことから、非水電解工程を行うことにより、高温加熱処理後でもLC特性が良好なコンデンサ素子が得られることがわかる。また、電解操作において、水系溶媒を用いた比較例2の場合には効果が得られないことを確認した。

Claims (5)

  1. タングステン粉またはその成形体を焼結して陽極体を形成する焼結工程、前記陽極体の表層部に誘電体層を形成する化成工程、前記誘電体層上に半導体層を形成する半導体層形成工程、前記誘電体層に生じた損傷を修復する後化成工程、前記陽極体を、酸化剤を含む非水系溶媒の溶液に浸漬して電解操作を行う非水電解工程、及び前記陽極体上に導電体層を形成する導電体層形成工程を、この順で含むコンデンサ素子の製造方法。
  2. 前記非水電解工程の酸化剤が、スルフォン酸、スルフォン酸塩及び有機過酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のコンデンサ素子の製造方法。
  3. 前記非水電解工程の酸化剤が、ナフタレンスルフォン酸またはその塩である請求項2に記載のコンデンサ素子の製造方法。
  4. 前記非水電解工程の非水系溶媒が、メチルアルコール、エタノール、プロピルアルコール、エチレングリコール及びプロピレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載のコンデンサ素子の製造方法。
  5. 前記非水電解工程の非水系溶媒が、メチルアルコール、エタノール及びプロピルアルコールからなる群より選ばれる一価のアルコールと、エチレングリコール及びプロピレングリコールからなる群より選ばれる二価アルコールとの混合溶媒である請求項4に記載のコンデンサ素子の製造方法。
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