JP2006108658A - 固体電解コンデンサ素子、固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ素子、固体電解コンデンサ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ESR値が良好な高容量固体電解コンデンサを作製する。
【解決手段】表面に化成処理により誘電体層を形成した導電体の該誘電体層上に導電性重合体を含む半導体層及び電極層を順次形成した固体電解コンデンサ素子の製造方法において、半導体層形成後ドーパントを電解質とした電解液中で再化成処理することによって半導体層形成による誘電体層の修復を行うことを特徴とする固体電解コンデンサ素子を用いて固体電解コンデンサを作製する。
【選択図】無し

Description

本発明は、等価直列抵抗(ESR)値が低く、良好な固体電解コンデンサ素子の製造方法に関する。
各種電子機器に使用される高容量かつ低ESRであるコンデンサとして、アルミニウム固体電解コンデンサや、タンタル固体電解コンデンサが知られている。
固体電解コンデンサは、表面層に微細の細孔を有するアルミニウム箔や、内部に微小な細孔を有するタンタル粉の焼結体を一方の電極(導電体)として、その電極の表層に形成した誘電体層とその誘電体層上に設けられた他方の電極(通常は、半導体層)および他方の電極上に積層された電極層とから構成された固体電解コンデンサ素子を封口して作製されている。
半導体層としては、有機化合物や無機化合物が使用されるが作製したコンデンサの耐熱性や低ESR特性を考慮して導電性高分子が好んで使用される。この導電性高分子とは、10-2〜103S・cm-1という高導電性を有する高分子のことであり、平面状の共役二重結合を有する高分子(通常、絶縁体またはきわめて低い導電性を有する高分子)にドーパントと称する電子供与性の化合物を添加することにより高い導電性が発現する。半導体層として導電性高分子を形成する方法の具体例として、導電体の前記細孔中で導電性高分子になりうる単分子(モノマー)にドーパントの存在下、適当な酸化剤もしくは電子を供給して重合する方法を挙げることができる。単分子が重合するときにドーパントが取り込まれて導電性高分子が得られる。
一方、誘電体層は、半導体層形成時の反応等により劣化を起こす可能性があるために化成と称する電気化学的な方法によって修復が行われる。修復法の1例として、半導体層が形成された導電体層を、電解質として燐酸、硫酸等の鉱酸またはその塩、酢酸、アジピン酸等の有機酸またはその塩が溶解した電解液中に浸漬し、導電体を陽極に、電解液中に別途設けた陰極との間に所定の電圧を印加する方法を挙げることができる。
特開昭64−268234号公報(特許文献1)には、化成後に濃度65質量%以上の濃厚リン酸溶液中での再化成法が記載されている。また、特開平2−100309号公報(特許文献2)には、無機ポリマーを化成液中に添加して陽極酸化する化成方法が記載されている。
特開昭64−268234号公報 特開平2−100309号公報
昨今の電子機器は、高消費電力で使用電圧を低く設定して大電流を瞬時に流す設計傾向にあり、このために使用する部品の固体電解コンデンサは、より低ESR値を示す大容量コンデンサを必要とする方向にある。しかしながら、高消費電力、低電圧で使用する従来の高容量コンデンサを、さらに低ESRにするには限界があった。
従って、本発明の課題はESR値が良好な高容量固体電解コンデンサの製造方法を提供することにある。
本発明者等は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、少なくとも導電性高分子を半導体層とした導電体の誘電体層の修復を、ドーパントを電解質とした電解液中で再化成することによって行うことにより、修復に伴う副作用としてのESRの劣化を起こさず、より低ESR値を示す固体電解コンデンサ素子が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の固体電解コンデンサ素子の製造方法、及びその方法を使用して作製した固体電解コンデンサを提供するものである。
1.表面に化成処理により誘電体層を形成した導電体の該誘電体層上に導電性重合体を含む半導体層、及び電極層を順次形成した固体電解コンデンサ素子の製造方法において、半導体層を形成後、ドーパントを電解質とした電解液中で再化成処理することを特徴とする固体電解コンデンサ素子の製造方法。
2.ドーパントが、半導体層中の導電性重合体に含有されているドーパントと同一である前記1に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
3.ドーパントが、電解重合時にドーピングしたときに電導度が101〜103S・cm-1の導電性重合体を与える電子供与性化合物である前記1に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
4.ドーパントが、スルホン酸基を有する化合物及びホウ素原子にカルボン酸が配位したホウ素化合物から選ばれる少なくとも1種である前記1乃至3のいずれかに記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
5.前記導電体が、タンタル、ニオブ、チタン及びアルミニウムから選ばれる少なくとも1種を主成分とする金属あるいは合金、酸化ニオブ、またはこれら金属、合金及び酸化ニオブから選ばれる少なくとも2種以上の混合物である前記1に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
6.半導体層が、下記一般式(1)または(2)
Figure 2006108658
(式中R1〜R4は、各々独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基を表わし、Xは酸素、イオウまたは窒素原子を表わし、R5はXが窒素原子のときのみ存在して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表わし、R1とR2及びR3とR4は、互いに結合して環状になっていてもよい。)
で示される繰り返し単位を含む重合体にドーパントをドープした導電性重合体を主成分とした半導体から選択される少なくとも1種の層である前記1に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
7.一般式(1)で示される繰り返し単位を含む重合体が、下記一般式(3)
Figure 2006108658
(式中、R6及びR7は、各々独立して水素原子、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和のアルキル基、またはそのアルキル基が互いに任意の位置で結合して、2つの酸素原子を含む少なくとも1つ以上の5〜7員環の飽和炭化水素の環状構造を形成する置換基を表わす。また、前記環状構造には置換されていてもよいビニレン結合を有するもの、置換されていてもよいフェニレン構造のものも含まれる。)
で示される構造単位を繰り返し単位として含む重合体である前記6に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
8.導電性重合体が、ポリアニリン、ポリオキシフェニレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリピロール、ポリメチルピロール、及びこれらの置換誘導体及び共重合体から選択される前記6に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
9.導電性重合体が、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である前記8に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
10.半導体の電導度が、10-2〜103S・cm-1の範囲である前記6に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
11.前記1〜10のいずれかに記載の製造方法で得られた固体電解コンデンサ素子。
12.前記11に記載の固体電解コンデンサ素子を封口した固体電解コンデンサ。
13.前記12に記載の固体電解コンデンサを使用した電子回路。
14.前記12に記載の固体電解コンデンサを使用した電子機器。
本発明は、半導体層形成による誘電体層の修復をドーパントを電解質とした電解液中で再化成する固体電解コンデンサ素子の製造方法、及びその方法で得られるコンデンサ素子を封口した固体電解コンデンサを提供したものであり、本発明によれば、初期のESR値が低く、良好な固体電解コンデンサが作製できる。
本発明の固体電解コンデンサ素子の製造方法及びその固体電解コンデンサ素子を使用した固体電解コンデンサの一形態を説明する。
本発明に使用される導電体の例としては、タンタル、ニオブ、チタン及びアルミニウムから選ばれる少なくとも1種を主成分とする金属あるいは合金、酸化ニオブ、またはこれら金属、合金及び酸化ニオブから選ばれる少なくとも2種以上の混合物が挙げられる。
導電体として金属を使用する場合、金属の一部を、炭化、燐化、ホウ素化、窒化、硫化から選ばれる少なくとも1種の処理を行ってから使用してもよい。
導電体の形状は特に限定されず、箔状、板状、棒状、あるいは導電体自身を粉状にして成形または成形後焼結した形状等として用いられる。箔状または板状の金属の一部に粉状の導電体を付着させて焼結した形状としても良い。導電体表面をエッチング等で処理して、微細な細孔を有するようにしてもよい。導電体を粉状にして成形体形状または成形後焼結した形状とする場合には、成形時の圧力を適当に選択することにより、成形または焼結後の内部に微小な細孔を設けることができる。
導電体には引き出しリードを直接接続することが可能であるが、導電体を粉状にして成形体形状または成形後焼結した形状とする場合は、成形時に別途用意した引き出しリード線(またはリード箔)の一部を導電体と共に成形し、引き出しリード線(またはリード箔)の成形外部の箇所を、固体電解コンデンサ素子の一方の電極の引き出しリードとすることもできる。また、導電体の一部に半導体層を形成せずに残しておいて陽極部とすることもできる。陽極部と半導体層形成部の境界には、半導体層の這い上がりを防ぐために絶縁性樹脂を鉢巻状に付着硬化させておいても良い。
本発明の導電体の好ましい例として、表面がエッチング処理されたアルミニウム箔、タンタル粉、ニオブ粉、タンタルを主成分とする合金粉、ニオブを主成分とする合金粉、一酸化ニオブ粉等の粉を成形後焼結した内部に微細な空孔が多数存在する焼結体を挙げることができる。
導電体の形状を焼結体とし、さらに粒径が細かい粉を使用して作製すると質量あたりの比表面積が大きな焼結体が作製できる。本発明では、CV値(容量と後記する化成電圧の積)がタンタル粉では8万μFV/g以上、ニオブ粉または一酸化ニオブ粉では15万μFV/g以上の高比表面積を有する焼結体とし、質量を50mg以上にすると作製した固体電解コンデンサ素子は、小体積で容量が大きなものになり、好ましい。
本発明の導電体表面に形成される誘電体層としては、Ta25、Al23、TiO2、Nb25等の金属酸化物から選ばれる少なくとも1つを主成分とする誘電体層を挙げることができる。これらの誘電体層は、前記導電体を酢酸、アジピン酸、安息香酸等の有機酸または有機酸塩あるいは燐酸、硫酸、ホウ酸等の鉱酸または鉱酸塩を含有した電解液中に漬け、導電体側を陽極に、電解液中に別途配置した陰極板との間で電圧を印加すること(「化成」という。)によって形成される。化成温度、化成時間、化成時の電流密度等は、導電体の種類、質量、大きさ、目的とする固体電解コンデンサ素子の容量と作動電圧等を考慮して決定される。化成温度は、通常、室温から100℃以下、化成時間は、通常、数時間から数日である。
一方、本発明のコンデンサ素子の前記誘電体層上に形成される他方の電極としては、後記する導電性重合体から選ばれる少なくとも1種の有機半導体が挙げられる。導電性重合体を含むことを必須とし、それ以外の有機半導体および無機半導体から選ばれる少なくとも1種の化合物を層として、または混合物として含んでいてもよい。
有機半導体の具体例としては、ベンゾピロリン4量体とクロラニルからなる有機半導体、テトラチオテトラセンを主成分とする有機半導体、テトラシアノキノジメタンを主成分とする有機半導体、下記一般式(1)または(2)で示される繰り返し単位を含む重合体にドーパントをドープした導電性重合体を主成分とした有機半導体が挙げられる。
Figure 2006108658
式(1)および(2)において,R1〜R4は、各々独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、Xは酸素、イオウまたは窒素原子を表し、R5はXが窒素原子のときのみ存在して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、R1とR2及びR3とR4は、互いに結合して環状になっていてもよい。
さらに、本発明においては、前記一般式(1)で示される繰り返し単位を含む重合体は、好ましくは下記一般式(3)で示される構造単位を繰り返し単位として含む重合体が挙げられる。
Figure 2006108658
式中、R6及びR7は、各々独立して水素原子、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和のアルキル基、またはそのアルキル基が互いに任意の位置で結合して、2つの酸素原子を含む少なくとも1つ以上の5〜7員環の飽和炭化水素の環状構造を形成する置換基を表わす。また、前記環状構造には置換されていてもよいビニレン結合を有するもの、置換されていてもよいフェニレン構造のものも含まれる。
このような化学構造を含む導電性重合体は荷電されており、ドーパントがドープされる。ドーパントは特に限定されず公知のドーパントを使用できる。
ドーパントの好ましい例としては、スルホン酸基を有する化合物やホウ素原子にカルボン酸が配位したホウ素化合物を挙げることができる。そのような化合物として、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アントラセンスルホン酸、ベンゾキノンスルホン酸、ナフトキノンスルホン酸及びアントラキノンスルホン酸等のアリール基を有するスルホン酸、ブチルスルホン酸、ヘキシルスルホン酸及びシクロヘキシルスルホン酸等のアルキル基を有するスルホン酸、ポリビニルスルホン酸等の各種オリゴマーまたは重合体(重合度2〜200)スルホン酸、これらスルホン酸の塩(アンモニウム塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等)を代表例として挙げることができる。これら化合物には、各種置換基を有していてもよいし、スルホン酸基が複数個存在してもよい。例えば、2,6−ナフタレンジスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸等が挙げられる。また、ホウ素化合物として、ボロジサリチル酸アンモニウムおよびその水和物、ボロ−1,2−カルボキシベンゼンアンモニウム等が挙げられる。また、ドーパントは、複数のドーパントを併用してもよい。
本発明で使用するドーパントは、化合物として記載しているが、実際にドーパントとして作用するときには、一部が荷電(δ−)した状態、イオン化(主にアニオン)した状態にあるので、これらをも含むものとする(例えば、ベンゼンスルホン酸の場合、ベンゼンスルホン酸アニオンも含む)。
式(1)〜(3)で示される繰り返し単位を含む重合体としては、例えば、ポリアニリン、ポリオキシフェニレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリピロール、ポリメチルピロール、およびこれらの置換誘導体や共重合体などが挙げられる。中でもポリピロール、ポリチオフェン及びこれらの置換誘導体(例えばポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)等)が好ましい。
前述した半導体層は、純粋な化学反応(溶液反応、気相反応、固液反応およびそれらの組み合わせ)、電解重合手法、あるいはこれらの方法を組み合わせて形成するが、少なくとも1回は電解重合手法を用いて作製した半導体層は、導電性重合体鎖の分岐が無いためか、あるいは導電体外表層上の半導体層厚みが均一になるためかコンデンサの初期ESR値が他法に比較して低いために好ましい。
無機半導体の具体例として、二酸化モリブデン、二酸化タングステン、二酸化鉛、二酸化マンガン等から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。
上記有機半導体および無機半導体として、電導度10-2〜103S・cm-1の範囲のものを使用すると、作製した固体電解コンデンサのESR値が小さくなり好ましい。
半導体層を形成することによって生じる誘電体層の微小な欠陥を修復するために、通常再化成を行うが、本発明ではドーパントを電解質とした電解液中で再化成を行うことが肝要である。
再化成に用いるドーパントは、例えばピロールまたは3,4−エチレンジオキシチオフェンを代表モノマーとし、電解重合により重合と同時にドーピングしたときに電導度が101〜103S・cm-1程度の導電性重合体を与えるドーパントが使用できる。従来、再化成の電解質としては、前述の誘電体層形成(化成)の箇所に記載した鉱酸や有機酸またはそれらの塩が使用されてきているが、このような電解液で再化成を行うと、誘電体層の修復と同時に電解液中の鉱酸イオンや有機酸イオンが半導体層に取り込まれ、半導体層中に既に含有されている導電性重合体のドーパントに悪影響を及ぼす。極端な場合は、鉱酸イオンや有機酸イオンが既に含有されているドーパントを追い出すこともある。半導体層に整然と配置された充分な量のドーパントがないと高抵抗の半導体層となり、作製した固体電解コンデンサのESR値は劣化したものとなる。
一方、本発明のようにドーパントを電解質とする電解液中で再化成を行うと、誘電体層の修復と同時に半導体層にドーパントとして取り込まれても、そのドーパントが電導度が比較的高い導電性重合体を与えるドーパントであり、半導体層中に既に含有されているドーパントを追い出しても取り込まれるドーパントが同じ作用をおこすものであることから殆ど影響が無く、半導体層は低抵抗値を維持するので作製した固体電解コンデンサのESR値は、本来の優れた値を示すと考えられる。
本発明の再化成に使用されるドーパントの例として、スルホン酸基を有する有機化合物が挙げられる。スルホン酸基を有する有機化合物の具体例としては、先に導電性重合体のドーパントとして記載したのと同じものが挙げられる。
また、半導体層中に含まれる導電性重合体に既に含有されているドーパントと同一のドーパントを使用して再化成を行うと、再化成によって新ドーパントの取り込みや旧ドーパントの追い出しがあったとしても同一のドーパントであるため、導電性重合体鎖間に存在すると考えられるドーパントの種類及び大きさが同じになり、導電性重合体間隙が均一となり、その結果、半導体層の抵抗値の不必要な上昇が生じないのでより好ましい。
再化成の方法は、前述した化成による誘電体層の形成方法と同様に行うことができる。再化成電圧は、通常化成電圧以下、好ましくは化成電圧未満から化成電圧の1/2以上とする。化成電圧を超える電圧では、未反応オリゴマーの重合が起こり誘電体層の修復が不十分となるので好ましくない。化成電圧と同じ電圧にすると、半導体層が付着した誘電体層界面の修復が困難で、再化成によってかえって漏れ電流を悪化させる場合がある。また、化成電圧の1/2未満では、作製したコンデンサに耐圧が小さくなるものが発生する可能性がある。
半導体層の形成を複数回に分けて行う場合、本発明のドーパントを電解質とする再化成は半導体層形成の任意の時に任意の回数行ってよいが、最終の半導体層形成後には本発明の再化成を行うことが望ましい。
本発明では、前述した方法等で形成した半導体層の上に電極層を設ける。電極層は、例えば導電ペーストの固化、メッキ、金属蒸着、耐熱性の導電樹脂フィルムの付着等により形成することができる。導電ペーストとしては、銀ペースト、銅ペースト、アルミニウムペースト、カーボンペースト、ニッケルペースト等が好ましい。これらは1種を用いても2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合は混合してもよく、または別々の層として積層してもよい。導電ペーストを適用した後は空気中に放置するか、または加熱して固化せしめる。
導電ペーストの主成分は樹脂と金属等の導電粉であるが、所望により樹脂を溶解するための溶媒や樹脂の硬化剤も用いられる。溶媒は前記の加熱固化時に飛散する。樹脂として、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂、フッ素樹脂、エステル樹脂、イミドアミド樹脂、アミド樹脂、スチレン樹脂等の公知の各種樹脂が使用される。導電粉としては、銀、銅、アルミニウム、金、カーボン、ニッケル及びこれら金属を主成分とする合金の粉やこれらの混合物粉が使用される。導電粉は、通常40〜97質量%含まれている。40質量%未満であると作製した導電ペーストの導電性が小さく、また97質量%を超えると導電ペーストの接着性が不良になるために好ましくない。導電ペーストには、前述した半導体層を形成する導電性重合体や金属酸化物の粉を混合して使用してもよい。
メッキとしては、ニッケルメッキ、銅メッキ、銀メッキ、金メッキ、アルミニウムメッキ等が挙げられる。また、蒸着金属としては、アルミニウム、ニッケル、銅、金、銀等が挙げられる。
具体的には、例えば形成した半導体層上にカーボンペースト、銀ペーストを順次積層して電極層が形成される。このように導電体に電極層まで積層して固体電解コンデンサ素子が作製される。
以上のような構成の本発明の固体電解コンデンサ素子は、例えば、樹脂モールド、樹脂ケース、金属製の外装ケース、樹脂のディッピング、ラミネートフィルムなどにより外装して各種用途の固体電解コンデンサ製品とすることができる。これらの中でも、樹脂モールド外装を行ったチップ状固体電解コンデンサが、小型化と低コスト化が簡単に行えるのでとりわけ好ましい。
樹脂モールド外装について具体的に説明すると、本発明のコンデンサは前記コンデンサ素子の電極層の一部を、別途用意した一対の対向して配置された先端部を有するリードフレームの一方の先端部に載置し、さらに導電体の一部を前記リードフレームの他方の先端部に載置する。このとき導電体が陽極リードを有する構造の場合は、寸法を合わすために陽極リードの先端を切断した陽極リードを用いてもよい。ついで前者(リードフレームの一方の先端部)は導電ペーストの固化で、後者(リードフレームの他方の先端部)は、溶接で各々電気的・機械的に接合した後、前記リードフレームの先端部の一部を残して樹脂封口し、樹脂封口外の所定部でリードフレームを切断折り曲げ加工して作製される(なお、リードフレームが樹脂封口の下面にあってリードフレームの下面または下面と側面のみを残して封口されている場合は、切断加工のみでよい)。
上記のようにリードフレームは、最終的に切断加工されてコンデンサの外部端子となるが、その形状は箔または平板状で、材質としては鉄、銅、アルミニウムまたはこれら金属を主成分とする合金が使用される。リードフレームの一部または全部に半田、錫、チタン、金、銀、ニッケル、パラジウム、銅等のメッキ層を少なくとも1つ施していてもよい。
リードフレームには、前記の切断折り曲げ加工前または加工後に各種メッキを行うこともできる。また、固体電解コンデンサ素子を載置接続する前にメッキを行い、さらに封口後の任意の時に再メッキを行うことも可能である。
リードフレームは一対の対向して配置された先端部が存在し、先端部間に隙間があることにより各コンデンサ素子の導電体部と電極層部とが絶縁される。
樹脂モールド外装に使用される樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エステル樹脂、アリルエステル樹脂等コンデンサの封止に使用される公知の樹脂が採用できる。各樹脂とも一般に市販されている低応力樹脂(例えば、フィラーが通常70体積%以上入っている、熱膨張係数αが3×10-5/℃以下の樹脂。)を使用すると封止時のンデンサ素子への封止応力の発生を緩和することができるため好ましい。また、樹脂封口するためには、トランスファーマシンが好んで使用される。
このようにして作製された固体電解コンデンサについて、電極層形成時や外装時の熱的および/または物理的な誘電体層の劣化を修復するためのエージング処理を行ってもよい。エージング処理は、コンデンサに所定の電圧(通常、定格電圧の2倍以内)を印加することによって行われる。エージング時間や温度は、コンデンサの種類、容量、定格電圧により最適値が変化するので予め実験によって決定される。通常、時間は数分から数日、温度は電圧印加冶具の熱劣化を考慮して300℃以下で行われる。
エージングの雰囲気は、空気中でもよいし、アルゴン、窒素、ヘリウム等のガス中でもよい。また、減圧、常圧、加圧下のいずれの条件で行ってもよいが、水蒸気を供給しながら、または水蒸気を供給した後に前記エージングを行うと誘電体層の安定化が進む場合がある。水蒸気を供給した後に150〜250℃の高温に数分〜数時間放置し余分な水分を除去し前記エージングを行うことも可能である。水蒸気の供給方法の1例として、エージングの炉中に置いた水溜めから熱により水蒸気を供給する方法が挙げられる。
電圧印加の方法は、直流、任意の波形を有する交流、直流に重畳した交流やパルス電流等の任意の電流を流すように設計することができる。エージングの途中に一旦電圧印加を止めて再度電圧印加を行うことも可能である。
本発明の方法で製造される固体電解コンデンサは、例えば、中央演算回路や電源回路等の高容量のコンデンサを用いる回路に好ましく用いることができる。これらの回路は、パソコン、サーバー、カメラ、ゲーム機、DVD、AV機器、携帯電話等の各種デジタル機器や、各種電源等の電子機器に利用可能である。本発明で製造される固体電解コンデンサは、初期のESR値が極めて良好で、これを用いることにより大電流を流しても発熱が小さい信頼性の大きな電子回路及び電子機器を得ることができる。
以下、本発明の具体例についてさらに詳細に説明するが、以下の例により本発明は限定されるものではない。
実施例1:
ニオブインゴットの水素脆性を利用して粉砕したニオブ一次粉(平均粒径0.31μm)を造粒し平均粒径120μmのニオブ粉を得た(このニオブ粉は微粉であるため自然酸化され酸素が90000 ppm存在する。)。次に450℃の窒素雰囲気中に放置し、さらに700℃のアルゴン中に放置することにより、窒化量9000ppmの一部窒化したニオブ粉(CV274000μF・V/g)とした。このニオブ粉を0.48mmφのニオブ線と共に成形した後1270℃で焼結することにより、大きさ4.1×3.5×1.2mmの焼結体(導電体)を複数個作製した(各々の質量0.06g。ニオブのリード線が焼結体内部に3.7mm、外部に8mm存在する。)。
ついで、0.1質量%燐酸水溶液中で80℃、20V、8時間化成することにより、焼結体表面とリード線の一部に五酸化二ニオブを主成分とする誘電体層を形成した。焼結体を、引き続き2%ナフタレン−2−スルホン酸鉄水溶液に浸漬した後乾燥して水分を除去し、さらに0.1質量%酢酸水溶液中で80℃にて15Vで5分間、後化成する操作を交互に8回繰り返した。さらに焼結体を、別途用意した微量の3,4−エチレンジオキシチオフェンモノマーと4%アントラキノン−2−スルホン酸が溶解した30質量%エチレングリコールと水の混合溶液が入った槽(槽自身にタンタル箔が貼られていて外部電極になる)に浸漬し、焼結体のリード線を陽極に、外部電極を陰極にして100μAで電解重合を60分行い、槽から引き上げ、水洗浄・アルコール洗浄・乾燥を行った後、1%アントラキノン−2−スルホン酸水溶液中で80℃にて13Vで15分間再化成を行った。この電解重合と再化成を6回繰り返して誘電体層上にアントラキノン−2−スルホン酸イオンをドーパントとするポリチオフェン誘導体からなる半導体層を形成した。
ついで、半導体層上にカーボンペーストを積層し乾燥して、カーボン層を設けた後、銀粉90質量%、アクリル樹脂10質量%を主成分とする銀ペーストを積層した後乾燥して電極層を形成し、固体電解コンデンサ素子を複数個作製した。別途用意した外部電極であるリードフレーム(日立電線製銅合金C151、両面に10μmの半光沢スズメッキが施されている)の一対の両先端に、焼結体側のリード線と電極層側の銀ペースト側が載るように置き、前者はスポット溶接で、後者は電極層に使用したものと同一の銀ペーストで電気的・機械的に接続した。その後、リードフレームの一部を除いてエポキシ樹脂でトランスファーモールドし、モールド外のリードフレームの所定部を切断後外装に沿って折り曲げ加工して外部端子とした大きさ7.3×4.3×1.8mmのチップ状固体電解コンデンサを作製した。続いて、125℃、7Vで3時間エージングし、さらにピ−ク温度270℃で230℃の領域が35秒のトンネル炉を3回通過させて最終的なチップ状固体電解コンデンサとした。
比較例1:
実施例1で1質量%燐酸水溶液中で再化成を行ったこと以外は実施例1と同様にしてチップ状固体電解コンデンサを作製した。
比較例2:
実施例1で0.1質量%硫酸水溶液中で再化成を行ったこと以外は実施例1と同様にしてチップ状固体電解コンデンサを作製した。
比較例3:
1mol/lのLiBF4プロピレンカーボネート溶液中で再化成を行ったこと以外は実施例1と同様にしてチップ状固体電解コンデンサを作製した。
実施例2:
実施例1で電解重合をアントラキノン−2−スルホン酸の代わりにナフタレン−2−スルホン酸、再化成のドーパントをアントラキノン−2−スルホン酸の代わりにナフタレン−2−スルホン酸としたこと以外は実施例1と同様にしてチップ状固体電解コンデンサを作製した。
比較例4:
再化成を0.1質量%酢酸水溶液中で行った以外は実施例2と同様にしてチップ状固体電解コンデンサを作製した。
実施例3:
CV(容量と化成電圧の積)15万μF・V/gのタンタル粉にタンタルリード線(0.40mmφ)を埋設し、焼結温度1300℃、焼結時間20分焼結して大きさ4.5×1.1×3.1mmの焼結体を作製した(焼結体密度5.9g/cm3、焼結体の4.5mm寸法の長手方向と平行にタンタルリード線の一部が埋設し焼結体から突き出たリード線部が陽極部となる。)。陽極となる焼結体を0.1質量%燐酸水溶液中にリード線の一部を除いて浸漬し、陰極のタンタル板電極との間に10Vを印加し、80℃で5時間化成してTa25からなる誘電体酸化皮膜層を形成した。この焼結体のリード線を除いて、20質量%モリブデン酸ナトリウム水溶液が入った槽に浸漬後乾燥することと10質量%水素化ホウ素ナトリウム水溶液が入った槽に浸漬して乾燥することを交互に行い、さらに0.1質量%酢酸水溶液中80℃で8V、10分、後化成することを複数回繰り返すことにより誘電体層に電気的な微小欠陥部分を作製した。
引き続き、焼結体を3%ベンズキノンスルホン酸とピロールが不溶な部分も存在するほど充分投入されている20質量%エチレングリコールと水の混合溶液が入った槽(槽自身にタンタル箔が貼られていて外部電極になる)に浸漬し、焼結体のリード線を陽極に、外部電極を陰極にして14.5Vで30分通電し誘電体層上に半導体層を形成した。焼結体を引き上げて、水洗・アルコール洗浄・乾燥し、さらに1%ベンズキノンスルホン酸水溶液中80℃、7Vで15分再化成を行い、引き上げ水洗・アルコール洗浄・乾燥した。このような半導体層形成と再化成の工程を7回行ってベンズキノンスルホン酸イオンをドーパントとするポリピロールからなる半導体層を形成した。続いて半導体層上にカーボンペーストを積層して乾燥しカーボン層を設けた後、銀粉93質量%、エポキシ樹脂7質量%を主成分とする銀ペーストを積層した後乾燥して電極層を形成し固体電解コンデンサ素子を複数個作製した。別途用意した両面に0.7μmのニッケル下地メッキ及び7μmの無光沢錫メッキが施されている外部電極のリードフレーム(神戸製鋼製銅合金KLF、両面に0.7μmのニッケル下地メッキ及び7μmの無光沢錫メッキが施されている)の両先端に、焼結体側のリード線と電極層側の銀ペースト側が載るように置き、前者はスポット溶接で、後者は電極層に使用したものと同一の銀ペーストで電気的・機械的に接続した。その後、リードフレームの一部を除いてエポキシ樹脂でトランスファーモールドし、モールド外のリードフレームの所定部を切断後外装に沿って折り曲げ加工して外部端子とした大きさ7.3×4.3×1.8mmのチップ状固体電解コンデンサを作製した。
続いて、135℃、3Vで3時間エージングし、さらに150℃の炉に15分放置して外装樹脂の硬化を行い最終的なチップ状固体電解コンデンサとした。
比較例5:
再化成を0.1質量%燐酸水溶液中で行ったこと以外は実施例3と同様にしてチップ状固体電解コンデンサを作製した。
比較例6:
実施例3で再化成を0.1質量%安息香酸水溶液中で行ったこと以外は実施例3と同様にしてチップ状固体電解コンデンサを作製した。
実施例1〜3及び比較例1〜6で作製した固体電解コンデンサの性能を下記の方法で測定した。そのて結果を表1にまとめて示した。なお、表1のデータは各例ともコンデンサ数30個の平均値である。
容量:ヒューレットパッカード社製LCR測定器を用い室温120Hzで測定した。
ESR:コンデンサの等価直列抵抗を100kHzで測定した。
LC:実施例1と2、比較例1〜4は、定格電圧4Vで、実施例3、比較例5と6は、定格電圧2.5Vで室温30秒で測定した。
Figure 2006108658
実施例1と比較例1〜3、実施例2と比較例4、実施例3と比較例5、6を比べることにより、ドーパントを電解質とした電解液中で再化成して半導体層形成による誘電体層の修復を行うと作製した固体電解コンデンサのESR値が極めて良好であることがわかる。

Claims (14)

  1. 表面に化成処理により誘電体層を形成した導電体の該誘電体層上に導電性重合体を含む半導体層、及び電極層を順次形成した固体電解コンデンサ素子の製造方法において、半導体層を形成後、ドーパントを電解質とした電解液中で再化成処理することを特徴とする固体電解コンデンサ素子の製造方法。
  2. ドーパントが、半導体層中の導電性重合体に含有されているドーパントと同一である請求項1に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
  3. ドーパントが、電解重合時にドーピングしたときに電導度が101〜103S・cm-1の導電性重合体を与える電子供与性化合物である請求項1に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
  4. ドーパントが、スルホン酸基を有する化合物及びホウ素原子にカルボン酸が配位したホウ素化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項1乃至3のいずれかに記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
  5. 前記導電体が、タンタル、ニオブ、チタン及びアルミニウムから選ばれる少なくとも1種を主成分とする金属あるいは合金、酸化ニオブ、またはこれら金属、合金及び酸化ニオブから選ばれる少なくとも2種以上の混合物である請求項1に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
  6. 半導体層が、下記一般式(1)または(2)
    Figure 2006108658
    (式中R1〜R4は、各々独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基を表わし、Xは酸素、イオウまたは窒素原子を表わし、R5はXが窒素原子のときのみ存在して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表わし、R1とR2及びR3とR4は、互いに結合して環状になっていてもよい。)
    で示される繰り返し単位を含む重合体にドーパントをドープした導電性重合体を主成分とした半導体から選択される少なくとも1種の層である請求項1に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
  7. 一般式(1)で示される繰り返し単位を含む重合体が、下記一般式(3)
    Figure 2006108658
    (式中、R6及びR7は、各々独立して水素原子、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和のアルキル基、またはそのアルキル基が互いに任意の位置で結合して、2つの酸素原子を含む少なくとも1つ以上の5〜7員環の飽和炭化水素の環状構造を形成する置換基を表わす。また、前記環状構造には置換されていてもよいビニレン結合を有するもの、置換されていてもよいフェニレン構造のものも含まれる。)
    で示される構造単位を繰り返し単位として含む重合体である請求項6に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
  8. 導電性重合体が、ポリアニリン、ポリオキシフェニレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリピロール、ポリメチルピロール、及びこれらの置換誘導体及び共重合体から選択される請求項6に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
  9. 導電性重合体が、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である請求項8に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
  10. 半導体の電導度が、10-2〜103S・cm-1の範囲である請求項6に記載の固体電解コンデンサ素子の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法で得られた固体電解コンデンサ素子。
  12. 請求項11に記載の固体電解コンデンサ素子を封口した固体電解コンデンサ。
  13. 請求項12に記載の固体電解コンデンサを使用した電子回路。
  14. 請求項12に記載の固体電解コンデンサを使用した電子機器。
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