JPWO2007004554A1 - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、直方体形状の導電体粉末の焼結体の一面に陽極リードを植設し、誘電体酸化皮膜、半導体層及び電極層を順次積層した固体電解コンデンサ素子を外装樹脂で封口してなる固体電解コンデンサにおいて、陽極リードを植設した面に、その面と平行にほぼ同一面形状の絶縁板を200μm以下の距離をおいて陽極リード上に設ける固体電解コンデンサ製造方法およびその製造方法で作製された固体電解コンデンサに関する。本発明の固体電解コンデンサは、導電体粉末からなる焼結体に半導体層を形成する際の半導体層形成用溶液等の這い上がりを防止し、かつ固体電解コンデンサ素子の封止時の溶融樹脂による焼結体上面への応力を緩和して、性能と信頼性が良好な固体電解コンデンサである。

Description

本発明は、性能と信頼性が良好な固体電解コンデンサに関する。さらに詳しく言えば、導電体粉末からなる焼結体に誘電体酸化皮膜及び半導体層を形成する際の半導体層形成用溶液等の這い上がりを防止し、かつ固体電解コンデンサ素子の封止時の溶融樹脂による焼結体上面への応力を緩和し、漏れ電流(LC)の劣化が少ない固体電解コンデンサの製造方法及びその方法により得られる固体電解コンデンサに関する。
各種電子機器に使用される高容量なコンデンサの一つとして直方体形状の一面に陽極リードを植設した導電体粉末の焼結体に、誘電体酸化皮膜、半導体層及び電極層を順次積層した固体電解コンデンサ素子を外装樹脂で封口した固体電解コンデンサがある。
固体電解コンデンサは、内部に微小な細孔を有するタンタル等の導電体粉の焼結体を一方の電極(導電体)として、その電極の表層に形成した誘電体層とその誘電体層上に設けられた他方の電極(通常は、半導体層)および他方の電極上に積層された電極層とから構成された固体電解コンデンサ素子を封口して作製されている。同一体積の導電体では、細孔が小さく細孔量が多いほど導電体内部の表面積が大きくなるために、その導電体から作製したコンデンサの容量は大きなものとなる。
昨今の固体電解コンデンサは、低ESR(等価直列抵抗)であることが要求されるために、内部の半導体層としてもっぱら導電性高分子が使用される。そのような半導体層は、化学重合または電解重合法で形成される。1例を挙げると、誘電体層まで形成した導電体を陽極リードを除いて別途用意した酸化剤及びドーパントが入った溶液とモノマーが入った溶液に交互に漬けることを複数回繰り返して半導体層が形成される。各溶液が這い上がって陽極リードにも半導体層が形成されることを防ぐために、陽極リードの根元に絶縁板を入れる方法が提案されている。例えば、特開平7−201662号公報(特許文献1)では、絶縁板の端部の角度を溶液との接触角より大きくすることによって溶液の這い上がりを防いでいる。また、特開平11−135366号公報(特許文献2)では、厚さを規定した絶縁板が示されている。また、特開平3-255607号公報(特許文献3)では、絶縁板を溶融することによって陽極リードとの密着を図っている。さらに、特開平2−187009号公報(特許文献4)では、絶縁板の代わりに陽極リード部に樹脂を塗布することを提案している。
しかしながら、これらの固体電解コンデンサ素子は、外装樹脂によって封口されて固体電解コンデンサとなるが、封止時に樹脂の硬化応力によって、あるいは封止時の樹脂の進入圧力によってダメージを受けコンデンサの漏れ電流(以下、LCと略す。)が、上昇する場合がある。特に、陽極リードを植設している面は、半導体層厚さが薄いか、時には存在しないこともあり、また、電極層が形成されていないことが多いために、この部分での劣化が著しいと考えられている。
とりわけ、使用する導電体粉の粒径を小さくして作製してコンデンサの容量を大きくした場合にLCの劣化が大きなものとなる。このような外装封止時の影響を緩和するために、例えば特開平2−128416号公報(特許文献5)では、陽極リードの所定部を含めてコンデンサ素子をフッ素樹脂等の樹脂で囲った後に外装を行う方法が提案されている。しかし、この様にすると、樹脂で囲ったコンデンサ素子の厚みを均一にすることが難しくなる。そのため、外装樹脂で覆ったとき、外装樹脂の厚みが不均一になりやすいが、厚さの薄い部分が出来るとコンデンサとしての信頼性が乏しくなる。
特開平7−201662号公報 特開平11−135366号公報 特開平3−255607号公報 特開平2−187009号公報 特開平2−128416号公報
本発明の課題は、半導体層形成時の溶液這い上がりを防止し、また封止時の溶融樹脂による焼結体上面への応力を緩和することにより、性能と信頼性が良好な固体電解コンデンサを提供することにある。
本発明者等は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、直方体形状の一面に陽極リードを植設した導電体粉末からなる焼結体の一面に、その面と平行にほぼ同一面形状の絶縁板を200μm以下の距離をおいて陽極リード上に設け、誘電体酸化皮膜及び半導体層を形成した固体電解コンデンサにより、性能と信頼性が良好な固体電解コンデンサが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の固体電解コンデンサ製造方法及びその製造方法により作製した固体電解コンデンサを提供するものである。
1.直方体形状の導電体粉末の焼結体の一面に陽極リードを植設し、誘電体酸化皮膜、半導体層及び電極層を順次積層した固体電解コンデンサ素子を外装樹脂で封口してなる固体電解コンデンサにおいて、陽極リードを植設した面に、その面と平行にほぼ同一面形状の絶縁板を200μm以下の距離をおいて陽極リード上に設けてなる固体電解コンデンサ。
2.陽極リードを植設した面に、その面と平行にほぼ同一面形状の絶縁板を5〜100μmの距離をおいて陽極リード上に設けてなる前記1に記載の固体電解コンデンサ。
3.陽極リードが、線、箔または板状である前記1に記載の固体電解コンデンサ。
4.陽極リードの材質が、タンタル、アルミニウム、ニオブ、チタン、またはこれら弁作用金属を主成分とする合金である前記1に記載の固体電解コンデンサ。
5.導電体が、タンタル、ニオブ、チタン及びアルミニウムから選ばれる少なくとも1種を主成分とする金属あるいは合金、酸化ニオブ、またはこれら金属、合金及び酸化ニオブから選ばれる少なくとも2種以上の混合物である前記1に記載の固体電解コンデンサ。
6.半導体層が、有機半導体層及び無機半導体層から選ばれる少なくとも1種である前記1に記載の固体電解コンデンサ。
7.半導体層が、下記一般式(1)または(2)
Figure 2007004554
(式中、R〜Rは、各々独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基を表わし、Xは酸素、イオウまたは窒素原子を表わし、RはXが窒素原子のときのみ存在して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表わし、RとR及びRとRは、互いに結合して環状になっていてもよい。)
で示される繰り返し単位を含む高分子にドーパントをドープした導電性高分子を主成分とした半導体から選択される少なくとも1種の層である前記6に記載の固体電解コンデンサ。
8.一般式(1)で示される繰り返し単位を含む導電性高分子が、下記一般式(3)
Figure 2007004554
(式中、R及びRは、各々独立して水素原子、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和のアルキル基、またはそのアルキル基が互いに任意の位置で結合して、2つの酸素原子を含む少なくとも1つ以上の5〜7員環の飽和炭化水素の環状構造を形成する置換基を表わし、前記環状構造には置換されていてもよいビニレン結合を有するもの、及び置換されていてもよいフェニレン構造のものも含まれる。)
で示される構造単位を繰り返し単位として含む導電性高分子である前記7に記載の固体電解コンデンサ。
9.導電性高分子が、ポリアニリン、ポリオキシフェニレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリピロール、ポリメチルピロール、及びこれらの置換誘導体及び共重合体から選択される前記7に記載の固体電解コンデンサ。
10.導電性高分子が、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である前記9に記載の固体電解コンデンサ。
11.無機半導体が、二酸化モリブデン、二酸化タングステン、二酸化鉛、及び二酸化マンガンから選ばれる少なくとも1種の化合物である前記6に記載の固体電解コンデンサ。
12.半導体の電導度が、10−2〜10S・cm−1の範囲である前記6に記載の固体電解コンデンサ。
13.直方体形状の導電体粉末の焼結体の一面に陽極リードを植設し、誘電体酸化皮膜、半導体層及び電極層を順次積層した固体電解コンデンサ素子を外装樹脂で封口する固体電解コンデンサの製造方法において、陽極リードを植設した面に、その面と平行にほぼ同一面形状の絶縁板を200μm以下の距離をおいて陽極リードに差込んだ状態で設けることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
14.前記1乃至12に記載の固体電解コンデンサを使用した電子回路。
15.前記1乃至12に記載の固体電解コンデンサを使用した電子機器。
本発明は、陽極リードを植設した面に、その面と平行にほぼ同一面形状の絶縁板を200μm以下の距離をおいて陽極リード上に設けてなる固体電解コンデンサ素子、それを用いたコンデンサ、及びその製造方法を提供したものであり、本発明によれば、焼結体に半導体層を形成する際の半導体層形成用溶液等の這い上がりが防止され、かつ固体電解コンデンサ素子の封止時の溶融樹脂による焼結体上面への応力が緩和されるため、漏れ電流(LC)の劣化が少ない性能と信頼性が良好な固体電解コンデンサを得ることができる。
本発明の固体電解コンデンサの1形態を添付図面を参照して説明する。
図1(A)及び(B)は本発明の固体電解コンデンサの1例の側面及び上面の概略図である(図1では各部の大きさは説明の便宜のために誇張して示してある。)。
本発明の固体電解コンデンサは、導電体の粉末からなる焼結体(1)の一面の中心に陽極リード(2)を植設し、その面と平行に絶縁板(3)を陽極リードに差し込み200μm以下の距離をおいて固設し、誘電体酸化皮膜層、半導体層及び電極層を順次積層し、外装されて作製される。なお、本願において絶縁板を陽極リード上に設けるとは、陽極リードによって貫かれるように、すなわち、陽極リードの外周と実質的に密着するように絶縁板を設けることをいう。
本発明に使用される焼結体は、陽極リードを成形体面に植設した導電体の粉末の成形体を焼結して作製される。成形圧力(例えば、0.1〜50Kg/mm)と焼結条件(例えば、温度800〜1800℃・時間1分〜10時間)を適宜選択することにより焼結体の表面積を大きくすることができる。焼結後に焼結体の表面積をさらに増加させるために、焼結体表面を化学的及び/または電気的にエッチング処理を行っていてもよい。
焼結体の形状は、特に限定されず、通常は柱状形状であるが、角柱形状の場合には、各隅のうち少なくとも1隅を面取りまたは球面状にRをとって、焼結体を使用して作製される固体電解コンデンサの漏れ電流(LC)値の平均値を良好にしておいてもよい。また、成形時に金型から成形体が脱離しやすいようにテーパをきっておいてもよい。この場合は作製焼結体の形状は略角錐台状となる。
本発明においては、陽極リードは、リード線であってもリード箔あるいはリード板であってもよい。また陽極リードを成形体に植設せずに、焼結体を作製した後に接続してもよい。陽極リードの材質としては、タンタル、アルミニウム、ニオブ、チタン、これら弁作用金属を主成分とする合金が使用される。また、陽極リードの一部を、炭化、燐化、ホウ化、窒化、硫化、酸化から選ばれた少なくとも1種の処理を行ってから使用してもよい。
陽極リードを成形体に植設する場合、陽極リードの焼結体内の深さは、焼結体の1/3以上、好ましくは2/3以上とすると焼結体の強度が維持できて後述するコンデンサ素子の外装封口時の熱的、物理的な封止応力に耐えることができるために好ましい。
導電体としては、タンタル、アルミニウム、ニオブ、チタン、これら弁作用金属を主成分とする合金または酸化ニオブであるか、または前記弁作用金属、合金及び導電性酸化物から選択された2種以上の混合物が挙げられる。
弁作用金属または導電性酸化物の形状は、通常粉体である。
弁作用金属または前記合金または導電性化合物あるいは前記焼結体等の一部を、炭化、燐化、ホウ素化、窒化、硫化、酸化から選ばれた少なくとも1種の処理を行ってから使用してもよい。
本発明に使用される絶縁板としては、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アリルエステル樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、フッ素樹脂、エステル樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、アミド樹脂、イミドアミド樹脂、スチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコン樹脂等の公知の樹脂から作製した板が挙げられる。絶縁板の大きさは、陽極リードが植設している面と実質的に同一面形状で、厚さは0.05〜1mmであり、好ましくは0.1〜0.3mmである。半導体形成時の溶液這い上がりを防止するためには、絶縁板は焼結体の対応面より大きいほうが効果的であるが、最終的なコンデンサの形状を考慮すると、コンデンサとして外装可能な範囲に制限される。通常、絶縁板形状は、焼結体の対応面とほぼ同一形状である。なお、ほぼ同一面形状とは、焼結体の対応面の長さを基準に90%に縮小した面を含み、同110%に拡大した面に含まれる形状の面をいう。絶縁板形状は、前記割合がそれぞれ95%、105%がより好ましく、焼結体のリード線が植設されている面と同一の面形状が最も望ましい。絶縁板には、陽極リードを通すための孔、すなわちリードが円形線状の場合にはリードの径に対応する円形の孔(4)を設け、リード断面が矩形状の板の場合には、断面の矩形に対応する矩形の孔を設ける。絶縁板の孔にリード線を差し込み、焼結体との間に隙間を残し、リード線が植設されている長方形の面と四隅を合わせ絶縁板を設置する。絶縁板の孔の形状をリードの断面形状よりやや小さくしておくと、摩擦力により絶縁板をリードに固定しやすくなる。焼結体と絶縁板との間に適当な隙間があるとその部分に半導体層が形成され、作製したコンデンサの耐湿性能が増す。一方、隙間がないと半導体層は形成されないが、耐湿試験(例えば、60℃、90%RH)時に蒸気がわずかな隙間に入り、作製したコンデンサのLC悪化等の性能劣化の原因となることがある。
焼結体と絶縁板との隙間は、200μm以下が好ましく、5〜100μmがさらに好ましい。隙間が200μmを超えると、樹脂封口時に溶融樹脂が進入しやすくなるので、LC悪化の原因となり、好ましくない。
本発明の固体電解コンデンサは、前記陽極リードを備えた絶縁板を設けた誘電体酸化皮膜層を有する焼結体に、半導体層、電極層を順次積層して陰極部を形成した固体電解コンデンサ素子の陽極リードの一部と陰極部の一部を、陽極端子と陰極端子に各々接続して前記陰陽両端子の一部を残して外装封口して作製される。
本発明において、焼結体及び陽極リードの一部の表面に誘電体酸化皮膜層を形成させる。誘電体酸化皮膜層としては、Ta、Al、TiO、Nb等の金属酸化物から選ばれる少なくとも1つを主成分とする誘電体層が挙げられる。該誘電体層は、前記陽極基体を電解液中で化成することによって得ることができる。また、金属酸化物から選ばれた少なくとも1つを主成分とする誘電体層とセラミックコンデンサで使用される誘電体層を混合した誘電体層であってもよい(国際公開第00/75943号パンフレット(US6430026))。
本発明の誘電体層上に形成される半導体層の代表例として、有機半導体および無機半導体から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。
有機半導体の具体例としては、ベンゾピロリン4量体とクロラニルからなる有機半導体、テトラチオテトラセンを主成分とする有機半導体、テトラシアノキノジメタンを主成分とする有機半導体、下記一般式(1)または(2)で示される繰り返し単位を含む重合体にドーパントをドープした導電性高分子を主成分とした有機半導体が挙げられる。
Figure 2007004554
式(1)及び(2)において、R〜Rは、各々独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、Xは酸素、イオウまたは窒素原子を表し、RはXが窒素原子のときのみ存在して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、RとR及びRとRは、互いに結合して環状になっていてもよい。
さらに、本発明においては、前記一般式(1)で示される繰り返し単位を含む高分子として、好ましくは下記一般式(3)で示される構造単位を繰り返し単位として含む高分子が挙げられる。
Figure 2007004554
式中、R及びRは、各々独立して水素原子、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和のアルキル基、またはそのアルキル基が互いに任意の位置で結合して、2つの酸素原子を含む少なくとも1つ以上の5〜7員環の飽和炭化水素の環状構造を形成する置換基を表わす。また、前記環状構造には置換されていてもよいビニレン結合を有するもの、置換されていてもよいフェニレン構造のものも含まれる。
このような化学構造を含む導電性重合体は、荷電されており、ドーパントがドープされる。ドーパントは特に限定されず公知のドーパントを使用できる。
式(1)〜(3)で示される繰り返し単位を含む高分子としては、例えば、ポリアニリン、ポリオキシフェニレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリピロール、ポリメチルピロール、及びこれらの置換誘導体や共重合体などが挙げられる。中でもポリピロール、ポリチオフェン及びこれらの置換誘導体(例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)等)が好ましい。
前述した半導体層は、純粋な化学反応(溶液反応、気相反応、固液反応及びそれらの組み合わせ)、電解重合手法、あるいはこれらの方法を組み合わせて形成されるが、少なくとも1回は電解重合手法を用いて半導体層を作製すると、導電性高分子鎖の分岐が無いためか、あるいは導電体外表層上の半導体層厚みが均一になるためかコンデンサの初期ESR値が他法に比較して低くなるので好ましい。
無機半導体の具体例としては、二酸化モリブデン、二酸化タングステン、二酸化鉛、二酸化マンガン等から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。
上記有機半導体及び無機半導体として、電導度10−2〜10S・cm−1の範囲のものを使用すると、作製した固体電解コンデンサのESR値が小さくなり好ましい。
本発明においては、半導体層を形成する際に生じる誘電体層の微小な欠陥を修復するために、再化成を行ってもよい。また、半導体層形成と再化成を複数回繰り返してもよいし、繰り返し時の半導体層形成条件と再化成条件を変更してもよい。通常、半導体層形成を止める場合、半導体層形成溶液から導電体を引き上げて洗浄・乾燥を行うが、半導体層形成・半導体層形成停止・洗浄・乾燥工程の繰り返しを複数回行ってから再化成工程に入れてもよい。理由は定かでないが、連続して半導体層を形成するよりも半導体層形成時間を同じにして半導体層形成・半導体層形成停止・洗浄・乾燥を行うことを繰り返すほうが、半導体層質量が上昇する場合がある。
再化成は、前述した化成による誘電体層の形成方法と同様にして行うことも、従来の電解液中で行うことも可能であるが、本発明の誘電体層形成方法と同様な電解液中で行うほうが作製した固体電解コンデンサのESR値が低いために好ましい。通常、再化成電圧は、化成電圧以下で行われる。
また、半導体層の形成割合を高めるための前処理として、導電体層の表面に形成された誘電体層上に微小突起部を形成して電気的な微小欠陥部を作製した後に、半導体層を形成してもよい。
半導体層の形成を複数回に分けて行う場合は、半導体層形成の任意の時に任意の回数再化成を行ってもよいが、最終の半導体層形成後には再化成を行うことが望ましい。
本発明では、形成した半導体層の上に電極層を設ける。電極層は、例えば、導電ペーストの固化、メッキ、金属蒸着、耐熱性の導電樹脂フイルムの付着等により形成することができる。導電ペーストとしては、銀ペースト、銅ペースト、アルミニウムペースト、カーボンペースト、ニッケルペースト等が好ましいが、これらは1種を用いても2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合は混合してもよく、または別々の層として積層してもよい。導電ペーストを適用した後は空気中に放置するか、または加熱して固化させる。
導電ペーストの主成分は樹脂と金属等の導電粉であるが、所望により樹脂を溶解するための溶媒や樹脂の硬化剤も用いられるが、溶媒は前記の加熱固化時に飛散する。樹脂として、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂、フッ素樹脂、エステル樹脂、イミドアミド樹脂、アミド樹脂、スチレン樹脂等の公知の各種樹脂が使用される。導電粉としては、銀、銅、アルミニウム、金、カ−ボン、ニッケル及びこれら金属を主成分とする合金の粉やこれらの混合物粉が使用される。導電ペースト中の導電粉の含有量は、通常40〜97質量%である。40質量%未満であると作製した導電ペーストの導電性が小さく、また97質量%を超えると導電ペーストの接着性が不良になるために好ましくない。導電ペーストには、前述した半導体層を形成する導電性重合体や金属酸化物の粉を混合して使用してもよい。
メッキとしては、ニッケルメッキ、銅メッキ、銀メッキ、金メッキ、アルミニウムメッキ等が挙げられる。また蒸着金属としては、アルミニウム、ニッケル、銅、金、銀等が挙げられる。
具体的には、例えば形成した半導体層上にカーボンペースト、銀ペーストを順次積層して電極層が形成される。このようにして導電体に電極層まで積層して固体電解コンデンサ素子が作製される。
以上のような構成の本発明の固体電解コンデンサ素子は、例えば、樹脂モールド、樹脂ケース、金属性の外装ケース、樹脂のディッピング、ラミネートフイルムなどにより外装して各種用途の固体電解コンデンサ製品とすることができる。これらの中でも、樹脂モールド外装を行ったチップ状固体電解コンデンサが、小型化と低コスト化が簡単に行えるのでとりわけ好ましい。
樹脂モールド外装について具体的に説明すると、本発明のコンデンサは、前記コンデンサ素子の電極層の一部を、別途用意した一対の対向して配置された先端部を有するリードフレームの一方の先端部に載置し、さらに導電体の一部を前記リードフレームの他方の先端部に載置する。このとき導電体が陽極リードを有する構造の場合は、寸法を合わすために陽極リードの先端を切断した陽極リードを用いてもよい。ついで前者(リードフレームの一方の先端部)は、導電ペーストの固化で、後者(リードフレームの他方の先端部)は、溶接で各々電気的・機械的に接合した後、前記リードフレームの先端部の一部を残して樹脂封口し、樹脂封口外の所定部でリードフレームを切断折り曲げ加工して作製される(なお、リードフレームが樹脂封口の下面にあってリードフレームの下面または下面と側面のみを残して封口されている場合は、切断加工のみでもよい)。
上述のようにリードフレームは、最終的に切断加工されてコンデンサの外部端子となるが、その形状は箔または平板状であり、材質としては鉄、銅、アルミニウムまたはこれら金属を主成分とする合金が使用される。リードフレームの一部または全部に半田、錫、チタン、金、銀、ニッケル、パラジウム、銅等のメッキ層を少なくとも1つ施していてもよい。
リードフレームには、前記の切断折り曲げ加工前または加工後に各種メッキを行うこともできる。また、固体電解コンデンサ素子を載置接続する前にメッキを行い、さらに封口後の任意の時に再メッキを行うことも可能である。
リードフレームは一対の対向して配置された先端部が存在し、先端部間に隙間があることにより各コンデンサ素子の陽極部と電極層部とが絶縁される。
樹脂モールド外装に使用される樹脂の種類としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エステル樹脂、アリルエステル樹脂等コンデンサの封止に使用される公知の樹脂が採用できる。各樹脂とも一般に市販されている低応力樹脂(例えば、フィラーが通常70体積%以上入っている、熱膨張係数αが3×10−5/℃以下の樹脂。)を使用すると、封止時のコンデンサ素子への封止応力の発生を緩和することができるために好ましい。また、樹脂封口するためには、トランスファーマシンが好んで使用される。
このように作製された固体電解コンデンサは、電極層形成時や外装時の熱的及び/または物理的な誘電体層の劣化を修復するために、エージング処理を行ってもよい。
エージング方法は、コンデンサに所定の電圧(通常、定格電圧の2倍以内)を印加することによって行われる。エージング時間や温度は、コンデンサの種類、容量、定格電圧によって最適値が異なるので予め実験によって決定されるが、通常、時間は、数分から数日、温度は電圧印加冶具の熱劣化を考慮して300℃以下で行われる。
エージングの雰囲気は、減圧、常圧、加圧下のいずれの条件で行ってもよい。さらに、エージングの雰囲気は、空気中、アルゴン、窒素、ヘリウム等のガス中でもよいが、好ましくは水蒸気中である。エージングは、水蒸気を含む雰囲気中で行い、次に空気中、アルゴン、窒素、ヘリウム等のガス中で行うと誘電体層の安定化が進む場合がある。水蒸気を供給した後に常圧室温に戻し、あるいは、水蒸気を供給した後に150〜250℃の高温に数分〜数時間放置し余分な水分を除去し前記エージングを行うことも可能である。水蒸気の供給方法の1例として、エージングの炉中に置いた水溜めから熱により水蒸気を供給する方法や恒温恒湿槽中でエージングを行う方法が挙げられる。
電圧印加方法として、直流、任意の波形を有する交流、直流に重畳した交流やパルス電流等の任意の電流を流すように設計することができる。エージングの途中に一旦電圧印加を止め、再度電圧印加を行うことも可能である。低電圧から高電圧へ順に電圧を昇圧しながらエージングを行ってもよい。
本発明によって製造される固体電解コンデンサは、例えば、中央演算回路や電源回路等の高容量のコンデンサを用いる回路に好ましく用いることができ、これらの回路は、パソコン、サーバー、カメラ、ゲーム機、DVD、AV機器、携帯電話等の各種デジタル機器や、各種電源等の電子機器に利用可能である。本発明で製造された固体電解コンデンサは、容量が大きく、高信頼性があるために、顧客の満足度の高い電子回路及び電子機器を得ることができる。
以下、本発明の具体例についてさらに詳細に説明するが、以下の例により本発明は限定されるものではない。
実施例1〜3:
CV(容量と化成電圧の積)14万μF・V/gのタンタル粉と0.40mmφのタンタルリード線を使用して成形し、大きさ4.5×1.0×1.5mmの焼結体を作製した(焼結温度1300℃、焼結時間20分、焼結体密度6.6g/cm、焼結体の1.0×1.5mmの面中央部に垂直にタンタルリード線が焼結体内部に4mm入り、外部に10mm出るように植設されている。)。次に、中心に0.38mmφの孔を設けた、長さ1.5×幅1.0×厚さ0.2mmのテトラフルオロエチレン製の絶縁板を用意した。絶縁板の孔にタンタルリード線を通し、表1に示す隙間(絶縁板と焼結体の距離)を残し固定した。この焼結体640個を1ロットとして以下の各種操作を行った。
焼結体を1%燐酸水溶液中にリード線の一部を除いて浸漬し、リード線を陽極とし、水溶液中に配置したタンタル陰極板との間に9Vを印加し、80℃で8時間化成してTaからなる誘電体酸化皮膜層を形成した。この焼結体のリード線を除いて、モリブデン酸アンモニウム30gと硫酸ニッケル6水和物200gを水800gに溶解させ1N水酸化アンモニウムを250ml加えて作製した溶液に浸漬し、リード線側を陽極に、前記溶液中に設けたタンタル板を陰極として室温下2.2Vで150分電解反応した。
その後焼結体を溶液から引き上げ水洗乾燥した後、0.1%燐酸水溶液中で8V、80℃、30分の再化成を行った。再化成終了後、焼結体を水洗・乾燥を行った。
次に焼結体のリード線以外の部分を3,4−エチレンジオキシチオフェンモノマーの15%エタノール溶液に浸漬し引き上げ、80℃で乾燥しエタノールを飛散させ、焼結体の細孔内に半導体層形成用前駆体を含浸させた。
続いて焼結体のリード線以外の部分をエチレンジオキシチオフェン(モノマーが飽和濃度以下となる水溶液として使用)とアントラキノンスルホン酸が溶解した水と20%エチレングリコール電解液(半導体層形成溶液)に漬け、金属製フレームの表面左側の給電端子を利用しリード線から電解液中に配置した負極のタンタル電極板との間に室温で焼結体1個につき、0.094mAの直流定電流を30分流し、半導体層を形成するための通電を行った。引き上げ水洗・エタノール洗浄・乾燥した後、金属製フレームの裏面右側の給電端子を利用し、1%燐酸水溶液中で誘電体層の微小なLC(漏れ電流)の欠陥を修復するための再化成(80℃、30分、8V)を行った。前記半導体層形成用前駆体の含浸と通電と再化成を11回繰り返した(最後2回の通電は、60分行った。)後水洗・エタノール洗浄・乾燥して半導体層を形成した。さらにリード線が植設されている面を除いて半導体層上にカーボンペーストと銀ペースト)を順に付着させ乾燥し電極層を設けて陰極部を形成し固体電解コンデンサ素子を作製した。
別途用意した、厚さ100μmの銅合金リードフレーム(表面に厚さ平均1μmのニッケルメッキさらにその上に厚さ平均7μmの錫メッキされている。幅3.4mmの一対の先端部が32個存在し、電極層が形成された導電体が収まるように一方の先端が0.5mmの段差を有するポケット加工がされている。両先端部には同一平面に投影して1.0mmの隙間がある。)の一対の先端部の上面に、前記した固体電解コンデンサ素子2個の陰極部面(4.5mm×1.5mmの面)と陽極リード線(一部切断除去した。)とを各々方向を揃えて隙間無く載置し、前者は陰極部と同一の銀ペーストの固化で、後者はスポット溶接で電気的・機械的に接続した。ついで前記リードフレームの一部を残してエポキシ樹脂でトランスファー成形して樹脂外装し、さらに、リードフレームの樹脂外部の所定部を切断後外装部に沿って折り曲げ加工した。引き続き185℃で外装樹脂を硬化させた後に、125℃、3.5Vで4時間エージング処理を行い、大きさ7.3×4.3×1.8mmの固体電解コンデンサを320個作製した。
比較例1:
絶縁板を設置しないこと以外は実施例1と同様にして、固体電解コンデンサを320個作製した。ただし、この320個の内、陽極と陰極がショートしたものがあったため、コンデンサとして得られたのは224個であった。
実施例4〜8:
実施例1でタンタル焼結体の代わりにニオブ焼結体(CV25万μF・V/gの粉、窒化量1.1万ppm、表面に自然酸化酸素量8.1万ppm、焼結温度1280℃、焼結時間30分、焼結体密度3.4g/cm)を、タンタルリード線の代わりに0.29mmφのニオブリード線を使用し、さらに、中心に0.27mmφの孔を設けた、長さ1.5×幅1.0×厚さ0.3mmのシリコン製の絶縁板を用いたこと以外は、実施例1と同様に表1に示す隙間(絶縁板と焼結体の距離)を置いて固定した。次に23Vの化成でNbからなる誘電体酸化皮膜層を形成した。さらに焼結体を2%エチレンジオキシチオフェンアルコール溶液に浸漬した後引き上げ放置後18%ナフタレンスルホン酸鉄アルコール溶液に浸漬し引き上げ40℃で30分放置後エタノールに浸漬するという一連の操作を7回繰り返した。次に、0.1%酢酸水溶液中で17V、80℃、30分再化成し、水洗・乾燥した。
ついで焼結体のリード線以外の部分を3,4−エチレンジオキシチオフェンモノマーの25%アルコール溶液に浸漬し引き上げ、80℃で乾燥しアルコールを飛散させ、焼結体の細孔内に半導体層形成用前駆体を含浸させた。
その後、実施例1と同様にして通電・再化成(14V)を繰り返して半導体層形成を行い、さらに陰極層形成・エージング(85℃、6V、4時間)して固体電解コンデンサを320個作製した。
比較例2:
絶縁板を設置しないこと以外は実施例4と同様にして、固体電解コンデンサを320個作製した。ただし、この320個の内、陽極と陰極がショートしたものがあったため、コンデンサとして得られたのは206個であった。
以上作製した各コンデンサについて初期LC値、40℃、90%RH耐湿試験後のLC値及び60℃、90%RH耐湿試験後のLC値を測定した。耐湿試験は、JIS C5102規格に準拠する方法で行った。すなわち、40℃または60℃で湿度90〜95%RHの恒温恒湿槽中にコンデンサを500時間放置後取り出し、コンデンサに定格電圧を印加して30秒後のLC値を室温で測定した。なお、定格電圧は、実施例1〜3及び比較例1では2.5V、実施例4〜8及び比較例2では4Vである。各実施例では、作製したコンデンサ320個すべてについて、比較例1及び2ではショートしたコンデンサを除くそれぞれ224個、206個について測定した結果(平均値)を表1に示す。
Figure 2007004554
表1から、絶縁板があると初期LC値が良好になることがわかる。絶縁板と焼結体の隙間がないと、40℃の耐湿試験では問題ないが、60℃の耐湿試験ではLC値が上昇することがわかる。隙間が100μmを超えると絶縁板がない場合と同程度のLC値を示すが、半導体層の這い上がりがないため、フレームへの接続時のショート不良の危惧をなくすことができるので好ましい。
本発明の固体電解コンデンサの1例の側面図及び上面図である。
符号の説明
1 焼結体
2 陽極リード
3 絶縁板
4 孔

Claims (15)

  1. 直方体形状の導電体粉末の焼結体の一面に陽極リードを植設し、誘電体酸化皮膜、半導体層及び電極層を順次積層した固体電解コンデンサ素子を外装樹脂で封口してなる固体電解コンデンサにおいて、陽極リードを植設した面に、その面と平行にほぼ同一面形状の絶縁板を200μm以下の距離をおいて陽極リード上に設けてなる固体電解コンデンサ。
  2. 陽極リードを植設した面に、その面と平行にほぼ同一面形状の絶縁板を5〜100μmの距離をおいて陽極リード上に設けてなる請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 陽極リードが、線、箔または板状である請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 陽極リードの材質が、タンタル、アルミニウム、ニオブ、チタン、またはこれら弁作用金属を主成分とする合金である請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  5. 導電体が、タンタル、ニオブ、チタン及びアルミニウムから選ばれる少なくとも1種を主成分とする金属あるいは合金、酸化ニオブ、またはこれら金属、合金及び酸化ニオブから選ばれる少なくとも2種以上の混合物である請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  6. 半導体層が、有機半導体層及び無機半導体層から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  7. 半導体層が、下記一般式(1)または(2)
    Figure 2007004554
    (式中、R〜Rは、各々独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基を表わし、Xは酸素、イオウまたは窒素原子を表わし、RはXが窒素原子のときのみ存在して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表わし、RとR及びRとRは、互いに結合して環状になっていてもよい。)
    で示される繰り返し単位を含む高分子にドーパントをドープした導電性高分子を主成分とした半導体から選択される少なくとも1種の層である請求項6に記載の固体電解コンデンサ。
  8. 一般式(1)で示される繰り返し単位を含む導電性高分子が、下記一般式(3)
    Figure 2007004554
    (式中、R及びRは、各々独立して水素原子、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和のアルキル基、またはそのアルキル基が互いに任意の位置で結合して、2つの酸素原子を含む少なくとも1つ以上の5〜7員環の飽和炭化水素の環状構造を形成する置換基を表わし、前記環状構造には置換されていてもよいビニレン結合を有するもの、及び置換されていてもよいフェニレン構造のものも含まれる。)
    で示される構造単位を繰り返し単位として含む導電性高分子である請求項7に記載の固体電解コンデンサ。
  9. 導電性高分子が、ポリアニリン、ポリオキシフェニレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリピロール、ポリメチルピロール、及びこれらの置換誘導体及び共重合体から選択される請求項7に記載の固体電解コンデンサ。
  10. 導電性高分子が、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である請求項9に記載の固体電解コンデンサ。
  11. 無機半導体が、二酸化モリブデン、二酸化タングステン、二酸化鉛、及び二酸化マンガンから選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項6に記載の固体電解コンデンサ。
  12. 半導体の電導度が、10−2〜10S・cm−1の範囲である請求項6に記載の固体電解コンデンサ。
  13. 直方体形状の導電体粉末の焼結体の一面に陽極リードを植設し、誘電体酸化皮膜、半導体層及び電極層を順次積層した固体電解コンデンサ素子を外装樹脂で封口する固体電解コンデンサの製造方法において、陽極リードを植設した面に、その面と平行にほぼ同一面形状の絶縁板を200μm以下の距離をおいて陽極リードに差込んだ状態で設けることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  14. 請求項1乃至12に記載の固体電解コンデンサを使用した電子回路。
  15. 請求項1乃至12に記載の固体電解コンデンサを使用した電子機器。
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