JP5020465B2 - チップ状固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

チップ状固体電解コンデンサ及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、等価直列抵抗(ESR)が低く、漏れ電流(LC値)が良好なチップ状固体電解コンデンサ及びその製造方法に関する。
従来のチップ状固体電解コンデンサとしては、その構造の1例の斜視図を図3に示すように、弁作用金属または導電性の酸化物からなる焼結体の表面に誘電体酸化皮膜層、半導体層及び導電体層を順次形成した1個の固体電解コンデンサ素子(2)の導電体層の一部と前記焼結体に接続された陽極リード(4a)(陽極部)を、各々外部端子となる平板状金属製リードフレーム(1)の一部である一対の対向して配置された先端部(1a及び1b)に載置し、それぞれ電気的・機械的に接続した後、リードフレームの外部端子部のみを残して樹脂で封口してチップ状の外装部(5)を形成した後、外装部外のリードフレームを所定部で切断後曲げ加工したものが知られている。
一方、近年の電子機器の高周波化に対応して、固体電解コンデンサにおいても高周波性能の良好なものが望まれている。本発明者等は、既に特開平5-234829号公報(特許文献1)において、弁作用金属よりなる陽極基体の表面に誘電体酸化皮膜層、その上に半導体層、さらにその上に導電体層を順次積層して陰極部を形成し、陽極部を有する複数の固体電解コンデンサ素子の陰極部の一部を、一対の対向して配置された先端部を有するリードフレームの一方の先端部に並列に隙間無く載置し、また陽極部を他方の先端部に載置し、各々電気的・機械的に接合した後、前記リードフレームの先端部の一部を残して樹脂封口し、樹脂封口外の所定部でリードフレームを切断折り曲げ加工した、高周波性能値の良好なチップ状固体電解コンデンサを提案している。
他方、チップ状固体電解コンデンサでは、コンデンサ内部に供給された電荷を維持するために、LC値はできるだけ小さいことが望まれている。
特開平5−234829号公報
前記したコンデンサ素子を複数個並べて作製してチップ状固体電解コンデンサを多数個作製する場合、LC値の平均値が上がる場合があった。
本発明者等は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、フレームに並列に隙間無く載置された複数のコンデンサ素子間を封止時の樹脂が引き剥がそうとする応力によってもたらされる可能性が大きいこと、そして前記複数個のコンデンサ素子の少なくとも一部に、素子間に跨がる素子どうしを固定する固定層を積層し、封止することにより本課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のチップ状固体電解コンデンサ、その製造方法及びそのチップ状固体電解コンデンサを使用した電子機器に関する。
1.固体電解コンデンサ素子が、一対の対向して配置されたリードフレームの先端部に複数個水平に並列して隙間なく載置され、前記複数個のコンデンサ素子間に跨がる素子どうしを固定する固定層を有することを特徴とする樹脂封口されたチップ状固体電解コンデンサ。
2.固体電解コンデンサ素子が、弁作用金属もしくは導電性酸化物の焼結体よりなる陽極基体または前記焼結体と金属線の接続物よりなる陽極基体の一端の陽極部を除く表面に誘電体酸化皮膜層、半導体層及び導電体層を順次積層して陰極部を形成してなるものであり、前記陽極部及び陰極部が、各々リードフレーム先端部に接触するように載置されている前記1に記載のチップ状固体電解コンデンサ。
3.固定層が、樹脂層または導電体層である前記1または2に記載のチップ状固体電解コンデンサ。
4.陽極部が陽極基体の末端からなる前記2または3に記載のチップ状固体電解コンデンサ。
5.陽極部が焼結体に接続された金属線または金属箔からなる前記2〜4のいずれかに記載のチップ状固体電解コンデンサ。
6.金属線が、タンタル、ニオブ、アルミニウム、チタン、これら金属を主成分とする合金及びこれら金属または前記合金の一部を酸化及び/または窒化させたものから選択される前記5記載のチップ状固体電解コンデンサ。
7.弁作用金属もしくは導電性酸化物が、タンタル、アルミニウム、ニオブ、チタン、これら弁作用金属を主成分とする合金または酸化ニオブであるか、または前記弁作用金属、合金及び導電性酸化物から選択される2種以上の混合物である前記2〜6のいずれかに記載のチップ状固体電解コンデンサ。
8.前記弁作用金属、合金及び導電性酸化物が、それらの一部が炭化、燐化、ホウ素化、窒化、硫化から選ばれる少なくとも1種の処理がされたものである前記7記載のチップ状固体電解コンデンサ。
9.前記焼結体が、その表面が化学的及び/または電気的にエッチング処理されたものである前記2〜8のいずれかに記載のチップ状固体電解コンデンサ。
10.陽極基体の陽極部と陽極部を除く残部との境界部が絶縁性樹脂により絶縁されている前記2〜9のいずれかに記載のチップ状固体電解コンデンサ。
11.前記誘電体酸化物層が、Ta25、Al23、TiO2、及びNb25から選ばれる少なくとも1つを主成分とするものである前記2〜10のいずれかに記載のチップ状固体電解コンデンサ。
12.半導体層が、有機半導体層及び無機半導体層から選ばれる少なくとも1種である前記2〜11のいずれかに記載のチップ状固体電解コンデンサ。
13.有機半導体が、ベンゾピロリン4量体とクロラニルからなる有機半導体、テトラチオテトラセンを主成分とする有機半導体、テトラシアノキノジメタンを主成分とする有機半導体、下記一般式(1)または(2)
Figure 0005020465
(式(1)及び(2)において,R1〜R4は各々独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基を表わし、Xは酸素、イオウまたは窒素原子を表わし、R5はXが窒素原子のときのみ存在して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表わし、R1とR2及びR3とR4は、互いに結合して環状になっていてもよい。)
で示される繰り返し単位を含む高分子にドーパントをドープした導電性高分子を主成分とした有機半導体から選択される少なくとも1種である前記12記載のチップ状固体電解コンデンサ。
14.一般式(1)で示される繰り返し単位を含む導電性高分子が、下記一般式(3)
Figure 0005020465
(式中、R6及びR7は、各々独立して水素原子、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和のアルキル基、または該アルキル基が互いに任意の位置で結合して、2つの酸素原子を含む少なくとも1つ以上の5〜7員環の飽和炭化水素の環状構造を形成する置換基を表わす。また、前記環状構造には置換されていてもよいビニレン結合を有するもの、置換されていてもよいフェニレン構造のものが含まれる。)
で示される構造単位を繰り返し単位として含む導電性高分子である前記13記載のチップ状固体電解コンデンサ。
15.導電性高分子が、ポリアニリン、ポリオキシフェニレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリピロール、ポリメチルピロール、及びこれらの置換誘導体や共重合体から選択される前記13記載のチップ状固体電解コンデンサ。
16.導電性高分子が、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である前記15記載のチップ状固体電解コンデンサ。
17.無機半導体が、二酸化モリブデン、二酸化タングステン、二酸化鉛、及び二酸化マンガンから選ばれる少なくとも1種の化合物である前記12記載のチップ状固体電解コンデンサ。
18.半導体の電導度が10-2〜103S/cmの範囲である前記2〜17のいずれかに記載のチップ状固体電解コンデンサ。
19.弁作用金属もしくは導電性酸化物の焼結体よりなる陽極基体または前記焼結体と金属線の接続物よりなる陽極基体の一端の陽極部を除く表面に、誘電体酸化皮膜層、半導体層及び導電体層を順次積層して陰極部を形成した固体電解コンデンサ素子を、一対の対向して配置されたリードフレームの先端部に、複数個水平に並列して隙間なく、前記陽極部及び陰極部とがリードフレームに接触するように載置し接合した後、前記複数個のコンデンサ素子間に跨がる素子どうしを固定する固定層を積層し、リードフレームの外部端子部を残して樹脂封口することを特徴とするチップ状固体電解コンデンサの製造方法。
20.前記1乃至18のいずれかに記載のチップ状固体電解コンデンサを使用した電子回路。
21.前記1乃至18のいずれかに記載のチップ状固体電解コンデンサを使用した電子機器。
本発明は、リードフレームに水平に並列して隙間なく載置されたコンデンサ素子間に跨がる固定層を形成したチップ状固体電解コンデンサを提供したものであり、本発明によれば、ESRが低く、LC値が良好なチップ状固体電解コンデンサを得ることができる。
発明の実施の形態
本発明のチップ状固体電解コンデンサの1形態を図面に基づいて説明する。
図1は3個の固体電解コンデンサ素子を用いたチップ状固体電解コンデンサの1例の斜視図である。本例では、陽極部リード(4a)が接続され、弁作用金属または導電性酸化物よりなる陽極基体(4)の表面に誘電体酸化皮膜層、その上に半導体層、さらにその上に導電体層を順次積層して陰極部(3)が形成された3個の固体電解コンデンサ素子(2)の陰極部の一部が、一対の対向して配置された先端部を有するリードフレーム(1)の一方の先端部(1a)に並列に隙間無く載置されているが、この陽極部リード(4a)を前記他方の先端部(1b)に載置して各々を電気的・機械的に接合する前、あるいは接合後に、前記3個のコンデンサ素子間に跨がる固定層(6)をさらに積層した後に前記リードフレーム(1)外部端子部を残して樹脂封口し、樹脂封口外の所定部(図示せず)でリードフレームを切断折り曲げ加工した構造を有している。
前記固定層(6)は、3個のコンデンサ素子間に跨がるものであれば良く、図1の態様のように各素子のほぼ全面に跨がるものでもよいし、本発明のチップ状固体電解コンデンサの他の例の斜視図である図2に示される素子間の一部に跨がるものでもよい。好ましくは、ほぼ全面に跨がるものがよい。
図2のチップ状固体電解コンデンサは、固体電解コンデンサ素子の端部の陽極部(4)が残るように、弁作用金属または導電性酸化物よりなる陽極基体の表面に誘電体酸化皮膜層、半導体層、導電体層を順次積層して陰極部(3)を形成した3個の固体電解コンデンサ素子(2)の陰極部(3)を、一対の対向して配置されたリードフレーム(1)の一方の先端部(1a)に並列に隙間無く載置し、陽極部(4)を他方の先端部(1b)に載置して、各々電気的・機械的に接合する前後に、前記3個のコンデンサ素子に跨がる固定層(6)をさらに積層した後、リードフレーム(1)の外部端子部を残して樹脂封口して、図1の例と同様に樹脂封口外の所定部でリードフレームを切断折り曲げ加工した構造を有している。
本発明に使用される弁作用金属または導電性酸化物としては、タンタル、アルミニウム、ニオブ、チタン、これら弁作用金属を主成分とする合金または酸化ニオブであるか、または前記弁作用金属、合金及び導電性酸化物から選択された2種以上の混合物が挙げられる。弁作用金属または前記合金または導電性化合物等の一部を、炭化、燐化、ホウ素化、窒化、硫化から選ばれる少なくとも1種の処理を行ってから使用してもよい。
本発明で使用する陽極基体は、前記弁作用金属または導電性酸化物の粉末を成形した後焼結して焼結体としたものであるが、成形圧力と焼結条件(温度・時間)を適宜選択することにより焼結体の表面積を変化させることができる。焼結後に焼結体の表面積をさらに増加させるために、焼結体表面を化学的及び/または電気的にエッチング処理を行っていてもよい。
本発明では、陽極基体(4)の一部を陽極部として使用する。図2に示したように陽極基体の末端を陽極部として設けておいてもよいし、または図1で示したように、陽極基体の一部に金属線(4a)接続して陽極部としておいてもよい。なお、金属線の代わりに金属箔を使用することも可能である。金属線(または金属箔)の接続は、焼結体作製後に行ってもよいし、焼結体作製前の成形時に金属線(または金属箔)の一部を埋設させた後に焼結して接続を取ることもできる。金属線(または金属箔)の種類として、タンタル、ニオブ、アルミニウム、チタン、これら金属を主成分とする合金及びこれら金属または前記合金の一部を酸化及び/または窒化させたものが挙げられる。金属線の線径は、通常1mm以下であり、金属箔の場合の厚みは通常1mm以下である。陽極部とする部分に後記する半導体層が付着してコンデンサがショートすることを防ぐために、陽極部と残部の陽極基体の境界部に絶縁性樹脂を鉢巻状に付着させて絶縁を計ってもよい。
本発明の陽極部を除く陽極基体表面の全部または一部に形成させる誘電体酸化皮膜層としては、Ta25、Al23、TiO2、Nb25等の金属酸化物から選ばれる少なくとも1つを主成分とする誘電体層が挙げられる。該誘電体層は、前記陽極基体を電解液中で化成することによって形成することができる。また本出願人による国際公開第00/75943号パンフレットに記載されているように、金属酸化物から選ばれる少なくとも1つを主成分とする誘電体層とセラミックコンデンサで使用される誘電体層を混合した誘電体層であってもよい。
一方、本発明の誘電体層上に形成される半導体層の代表例として、有機半導体及び無機半導体から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。
有機半導体の具体例としては、ベンゾピロリン4量体とクロラニルからなる有機半導体、テトラチオテトラセンを主成分とする有機半導体、テトラシアノキノジメタンを主成分とする有機半導体、下記一般式(1)または(2)で示される繰り返し単位を含む高分子にドーパントをドープした導電性高分子を主成分とした有機半導体が挙げられる。
Figure 0005020465
式(1)及び(2)において、R1〜R4は、各々独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基を表わし、Xは酸素、イオウまたは窒素原子を表わし、R5はXが窒素原子のときのみ存在して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表わし、R1とR2及びR3とR4は、互いに結合して環状になっていてもよい。
さらに、本発明においては、前記一般式(1)で示される繰り返し単位を含む導電性高分子の好ましい例として下記一般式(3)で示される構造単位を繰り返し単位として含む導電性高分子が挙げられる。
Figure 0005020465
式中、R6及びR7は、各々独立して水素原子、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和のアルキル基、またはそのアルキル基が互いに任意の位置で結合して、2つの酸素原子を含む少なくとも1つ以上の5〜7員環の飽和炭化水素の環状構造を形成する置換基を表わす。また、前記環状構造には置換されていてもよいビニレン結合を有するもの、置換されていてもよいフェニレン構造のものが含まれる。
このような化学構造を含む導電性高分子は、荷電されており、ドーパントがドープされる。ドーパントには公知のドーパントが制限なく使用できる。
式(1)乃至(3)で示される繰り返し単位を含む高分子としては、例えば、ポリアニリン、ポリオキシフェニレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリピロール、ポリメチルピロール、及びこれらの置換誘導体や共重合体などが挙げられる。中でもポリピロール、ポリチオフェン及びこれらの置換誘導体(例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)等)が好ましい。
無機半導体の具体例としては、二酸化モリブデン、二酸化タングステン、二酸化鉛、二酸化マンガン等から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。
上記有機半導体及び無機半導体として、電導度10-2〜103S/cmの範囲のものを使用すると、作製したコンデンサのESR値が小さくなり好ましい。
上記半導体層を形成する方法として、電解重合による方法(特開昭60-37114号公報)、酸化剤処理した陽極基体を電解重合する方法(特許第2054506号公報)、化学的析出させる方法(特許第2044334号公報)等従来公知の方法を採用することができる。
本発明では、前述した方法等で形成された半導体層の上に導電体層が設けられる。導電体層としては、例えば、導電ペーストの固化、メッキ、金属蒸着、耐熱性の導電樹脂フィルムの付着等により形成することができる。導電ペーストとしては、銀ペースト、銅ペースト、アルミニウムペースト、カーボンペースト、ニッケルペースト等が好ましいが、これらは1種を用いても2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合、混合してもよく、または別々の層として重ねてもよい。導電ペーストを適用した後、空気中に放置するか、または加熱して固化せしめる。
導電ペーストは、樹脂と金属等の導電粉を主成分とするものであり、場合によっては、樹脂を溶解するための溶媒や樹脂の硬化剤等が用いられているが、溶媒は前記固化時に飛散する。樹脂としては、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂、フッ素樹脂、エステル樹脂、イミドアミド樹脂、アミド樹脂、スチレン樹脂等の公知の各種樹脂が使用される。導電粉としては、銀、銅、アルミニウム、金、カーボン、ニッケル及びこれら金属を主成分とする合金の粉やこれらの混合物粉が使用される。導電粉は、通常40〜97質量%含まれている。40質量%未満であると作製した導電ペーストの導電性が小さく、また97質量%を超えると、導電ペーストの接着性が不良になるために好ましくない。導電ペーストに前述した半導体層を形成する導電性高分子や金属酸化物の粉を混合して使用してもよい。
メッキとしては、ニッケルメッキ、銅メッキ、銀メッキ、アルミニウムメッキ等が挙げられる。また蒸着金属としては、アルミニウム、ニッケル、銅、銀等が挙げられる。
具体的には、例えば半導体層が形成された陽極基体の上にカーボンペースト、銀ペーストを順次積層し導電体層が形成される。
このようにして陽極基体に導電体層まで積層して陰極部を形成した固体電解コンデンサ素子が作製される。
本発明のチップ状固体電解コンデンサは、前記固体電解コンデンサ素子を複数個用意し、各々の固体電解コンデンサ素子の陰極部の一部を、別途用意した一対の対向して配置された先端部を有するリードフレームの一方の先端部に並列に隙間無く載置し、さらに陽極基体の陽極部を前記リードフレームの他方の先端部に載置し、例えば前者は導電ペーストの固化で、後者はスポット溶接で各々電気的・機械的に接合した後、前記リードフレームの先端部の一部を残して樹脂封口し、樹脂封口外の所定部でリードフレームを切断折り曲げ加工して作製される。
本発明においては、前述したコンデンサ素子を複数個リードフレームの所定部に載置して該リードフレームに電気的・機械的に接合する前、または接合した後に、さらに前記複数個のコンデンサ素子の少なくとも一部に、素子間に跨がる固定層を積層することが肝要である。また、コンデンサ素子を複数個リードフレームの所定部に載置する前に、予めコンデンサ素子の陰極部の一部を複数個方向を揃えて並列に導電ペーストで接続しておき、前記複数個のコンデンサ素子の将来リードフレームに載置される面と対向する面及び/または陽極部と対向する面の少なくとも一部に、素子間に跨がる固定層をさらに積層した後に、前述したようにリードフレームの所定部に載置して、陰陽極の接続を図る態様も本発明の範囲内である。
固定層は、複数のコンデンサ素子どうしの境界部分を覆うように設けることが好ましい。コンデンサ素子どうしの境界部分を覆うことにより、例えば、封止時に流入する樹脂によってコンデンサ素子間を引き剥がそうとする応力を減じることが可能となる。固定層としては、樹脂層、好ましくは導電体層が挙げられる。樹脂としては、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂、フッ素樹脂、エステル樹脂、イミドアミド樹脂、アミド樹脂、スチレン樹脂等の公知の各種樹脂が使用される。樹脂は、固化時に収縮の少ないことが好ましく、溶媒に溶解された樹脂を用い、乾燥固化させるとよい。導電体層としては、例えば、導電ペーストの固化、耐熱性の導電樹脂フィルムの付着等により形成することができる。導電ペーストとして前述した導電ペーストを使用することができる。固定層として積層した樹脂や導電ペーストの上にさらに金属箔、高分子のフィルム、セラミック板から選ばれる少なくとも1種の材料を載置して固定層の補強を計ってもよい。固定層の厚さ(補強体が存在する場合は補強体を含めた厚さ)は、作製するチップ状固体電解コンデンサの規格厚みを考慮して決定される。導電ペースト等の導電材料を使用して固定層を形成することにより、作製されたチップ状固体電解コンデンサのESR値が幾分低下し改善されることが確認できる。
具体的には、図1に示されるように、例えば3個の固体電解コンデンサ素子が、一対の対向して配置されたリードフレームの先端部に並列に隙間無く載置され、素子間に跨がる固定層(6)を設けた後に封口して1つの角型、通常は直方体形状チップ状固体電解コンデンサが作製される。このような固体電解コンデンサの作製に際しては、切断されたリードフレームの納め場所として側面及び/または底面の一部に切り欠け部を設けたり、陽極と陰極を区別するために、例えば上面に切り欠け部を設けたり、あるいは樹脂封口時に作製したチップ状固体電解コンデンサが金型から離脱しやすいように、上面及び/または下面にテーパを切るように角度をつけ細工しておいてもよい。
前記リードフレームは、前述したように切断加工されて最終的にはチップ状固体電解コンデンサの外部端子となるが、形状は、箔または平板状であり、材質は鉄、銅、アルミニウムまたはこれら金属を主成分とする合金が使用される。リードフレームの一部または全部に半田、錫、チタン、銀、金等のメッキが施されていてもよい。リードフレームとメッキとの間に、ニッケルや銅等の下地メッキがあってもよい。リードフレームは、2辺のフレームが互いに隙間を保って対向するように配置され、隙間があることによって各固体電解コンデンサ素子の陽極部と陰極部とが絶縁される。
本発明のチップ状固体電解コンデンサの封口に使用される樹脂の種類としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、アリールエステル樹脂等チップ状固体電解コンデンサの封止に使用される公知の樹脂が挙げられる。また、樹脂封口するための製造機としてトランスファーマシンが好んで使用される。
このように作製された固体電解コンデンサは、導電体層形成時や外装時の熱的及び/または物理的な誘電体層の劣化を修復するために、エージング処理を行ってもよい。
エージング方法は、固体電解コンデンサに所定の電圧(通常、定格電圧の2倍以内)を印加することによって行われる。エージング時間や温度は、コンデンサの種類、容量、定格電圧によって最適値が異なるので予め実験によって決定されるが、通常、時間は、数分から数日、温度は電圧印加冶具の熱劣化を考慮して300℃以下で行われる。エージングの雰囲気は、空気中でもよいし、アルゴン、窒素、ヘリウム等のガス中でもよい。また、減圧、常圧、加圧下のいずれの条件で行ってもよいが、水蒸気を供給しながらまたは、水蒸気を供給した後に前記エージングを行うと誘電体層の安定化が進む場合がある。水蒸気の供給方法の1例として、エージングの炉中に置いた水溜めから熱により水蒸気を供給する方法が挙げられる。
また、本発明のチップ状固体電解コンデンサは、例えば、電圧安定化回路や、ノイズ除去回路等の高容量のコンデンサを用いる回路に好ましく用いることができる。これらの回路は、パソコン、サーバー、カメラ、ゲーム機、DVD、AV機器、携帯電話等の各種デジタル機器や、各種電源等の電子機器に利用可能である。本発明で製造されたチップ状固体電解コンデンサは、初期LCが小さいことから、これらを用いることにより、エネルギー浪費が少ないことによる環境負荷が小さな電子回路及び電子機器を得ることができる。
以下、本発明の具体例を挙げてさらに詳細に説明するが、以下の例により本発明は限定されるものではない。
実施例1〜2及び比較例1:
CV(容量と化成電圧の積)15万μF・V/gのタンタル粉を使用して、大きさ4.5×0.95×1.5mmの焼結体を作製した(焼結温度1300℃、焼結時間20分、焼結体密度6.2g/cm3、Taリード線0.24mmφ、焼結体の4.5mm寸法の長手方向と平行にTaリード線の一部が埋設されていて焼結体から突き出たリード線部が陽極部となる。)。陽極となる焼結体を1%燐酸水溶液中にリード線の一部を除いて浸漬し、陰極のTa板電極との間に9Vを印加し、80℃で8時間化成してTa25からなる誘電体酸化皮膜層を形成した。この焼結体のリード線を除いて、20%酢酸鉛水溶液と35%過硫酸アンモニウム水溶液の1:1混合液に浸漬し40℃で1時間放置した後引き上げ水洗後乾燥することと、15%酢酸アンモニウム水溶液で洗浄することを39回繰り返して、誘電体酸化皮膜層上に二酸化鉛と酢酸鉛との混合物(二酸化鉛96%)からなる半導体層を形成した。さらに半導体層上にカーボンペースト、エポキシ樹脂10質量部と銀粉90質量部からなる銀ペーストを順次積層し陰極部を形成し固体電解コンデンサ素子を作製した。
別途用意した、表面に錫メッキした厚さ100μmの銅合金リードフレーム(幅3.4mmの一対の先端部が32個存在し、陰極部が載置される先端部は、図1のように0.8mmの段差があり、載置部の長さは、4.6mmある。両先端部には同一平面に投影して1mmの隙間がある。)の一対の先端部に、前記した固体電解コンデンサ素子を3個並列に水平に隙間無く接続した(固体電解コンデンサ素子の陰極側、即ち焼結体の4.5×0.95mmの面を、段差が存在する先端部に載置し、固体電解コンデンサ素子の陽極側は、他方の先端部に載置し、前者は、陰極部と同一の銀ペーストの固化で、後者は、スポット溶接で電気的・機械的に接続した。次に図1に示したように上記の銀ペーストを使用して、3個のコンデンサ素子のリードフレームに載置された面と対向する陰極側の接続面の一部に固定層を設けた。固定層は、最大厚さ0.15mmでコンデンサ素子のリードフレーム側の面に対向する面の約70%を覆うようにしたもの(実施例1)及び同0.35mm、90%としたもの(実施例2)を作製した(各10個の抜き取り検査平均値)。また固定層を設けないものをも作製した(比較例1)。各例について、1枚のリードフレームに固体電解コンデンサ素子は、各一対の先端部に3個、全部で96個接続した。ついでリードフレームの両先端部の一部と固体電解コンデンサ素子を封口するためにエポキシ樹脂でトランスファー成形し、大きさ7.3×4.3×2.8mmのチップ状固体電解コンデンサを作製した。封口後封口外の両先端部の封口端面から各々3.4mmのところを切断し、残りのフレームを除去した後、チップ状固体電解コンデンサに接続された外側に残った先端部をコンデンサの外周に沿って折り曲げ加工し、外部端子とした。1リードフレームから32個のチップ状固体電解コンデンサが作製された。
実施例3:
実施例1で固定層に使用する導電ペーストを銀粉を含有しないアクリル系樹脂のみに代えた以外は、実施例1と同様にしてチップ状固体電解コンデンサを作製した。固定層は、最大厚さ0.17mmでコンデンサ素子のリードフレーム側の面に対向する面の約70%を覆っていた。
実施例4及び比較例2:
実施例1と同様にして誘電体層まで形成した焼結体を3%3,4−エチレンジオキシチオフェンアルコール溶液と1.5%過硫酸アンモニウムが溶解した13%アントラキノン−2−スルホン酸水溶液とに交互に浸漬することを7回繰り返すことにより誘電体層上にエチレンジオキシポリマーを主成分とする複数の微小接触物を付着させ、誘電体層に電気的な微小欠陥部分を複数個作製した。走査型電子顕微鏡(SEM)観察によると該微小接触物は、誘電体層のおおよそ8%を点状に覆っていた。ついで該焼結体をエチレンジオキシチオフェン(モノマーが飽和濃度以下となる水溶液として使用)とアントラキノンスルホン酸が溶解した水と20%エチレングリコール電解液に漬け、焼結体のリード線を陽極にして、電解液中に配置した負極のタンタル電極との間に室温で12Vの直流電圧を45分印加し、半導体層を形成するための通電を行った。引き上げ洗浄乾燥した後、0.1%酢酸水溶液中で誘電体層の微小なLCの欠陥を修復するための再化成(80℃、30分、7V)を行った。前記通電と再化成を10回繰り返した後水洗浄乾燥し、陰極である半導体層を形成した。さらにカーボンペースト、銀ペースト(アクリル系樹脂10質量部と銀粉90質量部からなる。初めアクリル系樹脂を溶解させる溶媒が存在するが、乾燥固化することにより溶媒は飛散する。)を順次積層して陰極層を形成し固体電解コンデンサ素子を作製した。
続いて実施例1と同様にしてリードフレームに載置し、アクリル系樹脂10質量部と銀粉90質量部からなる銀ペーストで素子間に跨がる固定層を設けた。固定層は、最大厚さ0.25mmでコンデンサ素子のリードフレーム側の面に対向する面の約70%を覆うようにしたもの(実施例4)と固定層を設けないもの(比較例2)について、実施例1と同様にしてチップ状固体電解コンデンサを作製した。
実施例5及び比較例3:
CV19万μF・V/gの一部窒化したニオブ粉(窒素量1.2万ppm、表面は自然酸化されていて全酸素量は9.8万ppm)を0.023g使用して、大きさ4.5×0.94×1.5mmの焼結体を多数個作製した(焼結温度1280度、30分、焼結体密度3.6g/cm3、Nbリード線0.29mmφ)。該焼結体を0.1%燐酸水溶液中にリード線の一部を除いて浸漬し、負極のTa板電極との間に20Vを印加し、80度で5時間化成し、Nb25を主成分とする誘電体層を形成した。この焼結体を3%エチレンジオキシチオフェンアルコール溶液と1.5%過硫酸アンモニウムが溶解した13%アントラキノンスルホン酸水溶液とに交互に浸漬することを7回繰り返すことにより誘電体層上にエチレンジオキシポリマーを主成分とする複数の微小接触物を付着させ誘電体層に電気的な微小欠陥部分を複数個作製した。走査型電子顕微鏡(SEM)観察によると該微小接触物は、誘電体層のおおよそ11%を点状に覆っていた。次に焼結体を実施例4と同様な電解液に漬け、焼結体のリード線を陽極にし、電解液中に配置した負極のタンタル電極との間に室温で30μAの直流電流を45分流し、半導体層を形成するための通電を行った。引き上げ洗浄乾燥した後、0.1%酢酸水溶液中で誘電体層の微小なLCの欠陥を修復するための再化成(80℃、30分、14V)を行った。前記通電と再化成を10回繰り返した後水洗浄乾燥し、陰極である半導体層を形成した。さらにカーボンペースト、アクリル系樹脂10質量部と銀粉90質量部からなる銀ペーストを順次積層して陰極層を形成し固体電解コンデンサ素子を作製した。その後実施例4と同様にして、固定層は、最大厚さ0.28mmでコンデンサ素子のリードフレーム側の面に対向する面の約70%を覆うようにしたもの(実施例5)と固定層を設けないもの(比較例3)とについてチップ状固体電解コンデンサを作製した。
以上の実施例1〜5、及び比較例1〜3で作製したチップ状固体電解コンデンサ各150個について以下の方法により測定したコンデンサ容量、ESR値、及びLC値の結果(平均値)を表1に示す。
コンデンサの容量:ヒューレットパッカード社製LCR測定器を用い、室温、120Hzで容量を測定した。
ESR値:コンデンサの等価直列抵抗を100kHZで測定した。
LC値:室温において、所定の直流電圧(実施例1〜4及び比較例1〜2は2.5V値、実施例5と比較例3は4V値)を作製したコンデンサの端子間に30秒間印加し続けた後に測定した。
Figure 0005020465
実施例1〜4と比較例1〜2、実施例5と比較例3を比べることにより、コンデンサ素子間に跨がる固定層を形成することによりLC値が良好になることがわかる。
陽極リード(陽極部)を有する固体電解コンデンサ素子を3個並列に水平に隙間無くリードフレームの先端部に載置した状態を示すチップ状固体電解コンデンサの斜視図である。 焼結体自身に陽極部を有する固体電解コンデンサ素子を3個並列に水平に隙間無くリードフレームの先端部に載置した状態を示すチップ状固体電解コンデンサの斜視図である。 リードフレームの先端部に載置した固体電解コンデンサ素子を示す従来例のチップ状固体電解コンデンサの斜視図である。
符号の説明
1 リードフレーム
1a リードフレームの一方の先端部
1b リードフレームの他方の先端部
2 固体電解コンデンサ素子
3 陰極部
4 陽極体
4a 陽極リード
5 外装部(チップ状封口樹脂)
6 固定層

Claims (21)

  1. 直方体状の固体電解コンデンサ素子が、一対の対向して配置されたリードフレームの先端部に複数個水平に並列して隙間なく載置され、コンデンサ素子のリードフレーム側の面に対向する面に、前記複数個のコンデンサ素子間に跨がる素子どうしを固定する固定層を有し、前記固定層が樹脂層であることを特徴とする樹脂封口されたチップ状固体電解コンデンサ。
  2. 固体電解コンデンサ素子が、弁作用金属もしくは導電性酸化物の焼結体よりなる陽極基体または前記焼結体と金属線の接続物よりなる陽極基体の一端の陽極部を除く表面に誘電体酸化皮膜層、半導体層及び導電体層を順次積層して陰極部を形成してなるものであり、前記陽極部及び陰極部が、各々リードフレーム先端部に接触するように載置されている請求項1に記載のチップ状固体電解コンデンサ。
  3. 固定層が、導電体層である請求項1または2記載のチップ状固体電解コンデンサ。
  4. 陽極部が陽極基体の末端からなる請求項2または3記載のチップ状固体電解コンデンサ。
  5. 陽極部が焼結体に接続された金属線または金属箔からなる請求項2または3記載のチップ状固体電解コンデンサ。
  6. 金属線が、タンタル、ニオブ、アルミニウム、チタン、これら金属を主成分とする合金及びこれら金属または前記合金の一部を酸化及び/または窒化させたものから選択される請求項5記載のチップ状固体電解コンデンサ。
  7. 弁作用金属もしくは導電性酸化物が、タンタル、アルミニウム、ニオブ、チタン、これら弁作用金属を主成分とする合金または酸化ニオブであるか、または前記弁作用金属、合金及び導電性酸化物から選択される2種以上の混合物である請求項2乃至6のいずれかに記載のチップ状固体電解コンデンサ。
  8. 前記弁作用金属、合金及び導電性酸化物が、それらの一部が炭化、燐化、ホウ素化、窒化、硫化から選ばれる少なくとも1種の処理がされたものである請求項7記載のチップ状固体電解コンデンサ。
  9. 前記焼結体が、その表面が化学的及び/または電気的にエッチング処理されたものである請求項2乃至8のいずれかに記載のチップ状固体電解コンデンサ。
  10. 陽極基体の陽極部と陽極部を除く残部との境界部が絶縁性樹脂により絶縁されている請求項2乃至9のいずれかに記載のチップ状固体電解コンデンサ。
  11. 前記誘電体酸化物層が、Ta25、Al23、TiO2、及びNb25から選ばれる少なくとも1つを主成分とするものである請求項2乃至10のいずれかに記載のチップ状固体電解コンデンサ。
  12. 半導体層が、有機半導体層及び無機半導体層から選ばれる少なくとも1種である請求項2乃至11のいずれかに記載のチップ状固体電解コンデンサ。
  13. 有機半導体が、ベンゾピロリン4量体とクロラニルからなる有機半導体、テトラチオテトラセンを主成分とする有機半導体、テトラシアノキノジメタンを主成分とする有機半導体、下記一般式(1)または(2)
    Figure 0005020465
    (式(1)及び(2)において,R1〜R4は各々独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基を表わし、Xは酸素、イオウまたは窒素原子を表わし、R5はXが窒素原子のときのみ存在して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表わし、R1とR2及びR3とR4は、互いに結合して環状になっていてもよい。)
    で示される繰り返し単位を含む高分子にドーパントをドープした導電性高分子を主成分とした有機半導体から選択される少なくとも1種である請求項12記載のチップ状固体電解コンデンサ。
  14. 一般式(1)で示される繰り返し単位を含む導電性高分子が、下記一般式(3)
    Figure 0005020465
    (式中、R6及びR7は、各々独立して水素原子、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和のアルキル基、または該アルキル基が互いに任意の位置で結合して、2つの酸素原子を含む少なくとも1つ以上の5〜7員環の飽和炭化水素の環状構造を形成する置換基を表わす。また、前記環状構造には置換されていてもよいビニレン結合を有するもの、置換されていてもよいフェニレン構造のものが含まれる。)
    で示される構造単位を繰り返し単位として含む導電性高分子である請求項13記載のチップ状固体電解コンデンサ。
  15. 導電性高分子が、ポリアニリン、ポリオキシフェニレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリピロール、ポリメチルピロール、及びこれらの置換誘導体や共重合体から選択される請求項13記載のチップ状固体電解コンデンサ。
  16. 導電性高分子が、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である請求項15記載のチップ状固体電解コンデンサ。
  17. 無機半導体が、二酸化モリブデン、二酸化タングステン、二酸化鉛、及び二酸化マンガンから選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項12記載のチップ状固体電解コンデンサ。
  18. 半導体の電導度が10-2〜103S/cmの範囲である請求項2乃至17のいずれかに記載のチップ状固体電解コンデンサ。
  19. 弁作用金属もしくは導電性酸化物の焼結体よりなる陽極基体または前記焼結体と金属線の接続物よりなる陽極基体の一端の陽極部を除く表面に、誘電体酸化皮膜層、半導体層及び導電体層を順次積層して陰極部を形成した直方体状の固体電解コンデンサ素子を、一対の対向して配置されたリードフレームの先端部に、複数個水平に並列して隙間なく、前記陽極部及び陰極部とがリードフレームに接触するように載置し接合した後、コンデンサ素子のリードフレーム側の面に対向する面に、前記複数個のコンデンサ素子間に跨がる素子どうしを固定する固定層を積層し、リードフレームの外部端子部を残して樹脂封口し、前記固定層が樹脂層であることを特徴とするチップ状固体電解コンデンサの製造方法。
  20. 請求項1乃至18のいずれかに記載のチップ状固体電解コンデンサを使用した電子回路。
  21. 請求項1乃至18のいずれかに記載のチップ状固体電解コンデンサを使用した電子機器。
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