JP2001223140A - タンタル固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

タンタル固体電解コンデンサ及びその製造方法

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JP2001223140A
JP2001223140A JP2000030658A JP2000030658A JP2001223140A JP 2001223140 A JP2001223140 A JP 2001223140A JP 2000030658 A JP2000030658 A JP 2000030658A JP 2000030658 A JP2000030658 A JP 2000030658A JP 2001223140 A JP2001223140 A JP 2001223140A
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electrolytic capacitor
conductive polymer
tantalum
film
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Akihiro Shimada
晶弘 島田
Katsuhiko Naoi
勝彦 直井
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Nippon Chemi Con Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 陽極酸化皮膜層と導電性ポリマー層との同時
生成が可能で、優れた容量出現率が得られるタンタル固
体電解コンデンサの製造方法を提供する。 【解決手段】 Ta金属(焼結体)を陽極として、対極
として例えば白金、ステンレス等の金属を用い、導電性
高分子のモノマーと界面活性剤を含んだ水溶液中で電解
酸化を行うことにより、Ta上に誘電体酸化皮膜(Ta
25)/導電性高分子膜を形成させる。そして、これに
導電性ペースト等による陰極引き出しを行うことによ
り、タンタル固体電解コンデンサを作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性高分子を固
体電解質として用いるタンタル固体電解コンデンサ及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電気機器回路のディジタル化に伴
って、使用されるコンデンサも、高周波領域でのインピ
ーダンスが低く、小型大容量のものへの要求が高まって
いる。このような大容量タイプのコンデンサとして、導
電性高分子を固体電解質として用いる固体電解コンデン
サが開発されている。
【0003】このような固体電解コンデンサに用いられ
るポリピロール等の導電性高分子は、電気伝導率が電解
液の約100〜1000倍と高いため、導電性高分子を
用いた固体電解コンデンサは、高周波領域においても低
インピーダンスであり、さらに静電容量や正接損失の温
度依存性が小さい等、優れた電気的特性を有している。
【0004】このような導電性高分子を固体電解質とす
るアルミ固体電解コンデンサは、例えば、以下のように
して製造される。すなわち、アルミニウムをアジピン酸
アンモニウム水溶液等の電解液中で陽極酸化することに
より誘電体であるアルミナを形成し、続いてピロール等
の導電性高分子モノマーを含む電解液中で電解重合する
ことにより、アルミナ上に導電性高分子を形成する。し
かし、このような二段階の製造方法の場合、初めの工程
で形成されたアルミナは絶縁性が大きいため、次の工程
の電解重合による導電性高分子の形成には、例えば電解
重合を−25〜−45℃の低温で行う必要があるといっ
た不都合があった(特開昭62−189714号)。
【0005】上記の問題点を解消するために、固体電解
コンデンサを常温〜高温で製造する方法として、例え
ば、特開昭63−158829号公報には、アルミニウ
ムまたはタンタルの皮膜形成金属に誘電体酸化皮膜を形
成し、この誘電体酸化皮膜上に酸化剤を用いて化学酸化
重合した導電性高分子膜を形成し、さらにこの導電性高
分子膜上に電解重合により得られるポリピロールの導電
性高分子膜を積層して、二重に形成された導電性高分子
膜を固体電解質として用いた固体電解コンデンサが示さ
れている。
【0006】また、特開昭63−173313号公報に
は、皮膜形成金属上に形成された誘電体酸化皮膜と、こ
の誘電体酸化皮膜上に形成された金属または導電性を有
する金属化合物の薄膜と、この金属または導電性を有す
る金属化合物の薄膜上に固体電解質として電解重合法に
より得られる導電性高分子膜を形成して成る固体電解コ
ンデンサが示されている。さらに、特開平1−2532
26号公報には、誘電体酸化皮膜上に二酸化マンガンを
形成し、この上に電解重合によって導電性高分子膜を形
成してなる固体電解コンデンサが示されている。
【0007】しかしながら、これらの方法では、製造工
程数が増えることに加え、化学重合を行った場合は、形
成された導電性高分子の電気伝導率が電解重合により形
成された導電性高分子よりも低いという欠点を有する。
また、これらの方法により製造される固体電解コンデン
サでは、導電性ポリマー層が酸化皮膜層の表面に層状に
形成されてゆくことから、酸化皮膜層と導電性ポリマー
層がうまく接着し難く、これら層間に微少な空間が形成
され、これが原因で容量低下が起き易い等の問題があっ
た。
【0008】上記の問題点を解決する手段として、特開
平8−288184号公報には、導電性高分子モノマー
と界面活性剤を溶解した水溶液中で、箔状のアルミニウ
ムを電解することにより、アルミナと導電性高分子を同
時に形成積層することを特徴とするアルミ固体電解コン
デンサの製造方法が示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような電極が金属箔状の場合は、誘電体の面積を拡大
するために、通常、金属箔にエッチング処理が施され
る。この場合、エッチングされた部分と金属箔の残りの
芯の部分とでは、電気伝導度が異なることが知られてい
る。また、エッチングされた金属箔の表面のエッチング
の状態は完全に均一ではなく、エッチングの進んだとこ
ろと、あまりエッチングされていないところとが存在す
るため、エッチングされた金属箔の厚み方向の電気伝導
度にはムラがある。
【0010】このように、エッチングされた金属箔の電
気伝導度にはムラがあるため、同時生成の際に電圧を印
加した場合に、電流密度にムラが生ずる。その結果、生
成する酸化皮膜と導電性高分子の量が不均一となり、酸
化皮膜上に生成される導電性高分子の状態がばらつき、
容量出現率が低下するという問題点があった。
【0011】本発明は、上述したような従来技術の問題
点を解決するために提案されたものであり、その目的
は、陽極酸化皮膜層と導電性ポリマー層との同時生成が
可能で、優れた容量出現率が得られるタンタル固体電解
コンデンサ及びその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の問
題点を解決すべく、タンタル焼結体を用いて導電性ポリ
マーと酸化皮膜の同時生成について種々検討を重ねた結
果、本発明を完成するに至ったものである。すなわち、
導電性高分子モノマーと界面活性剤を溶解した水溶液中
で、タンタル焼結体を電解することにより、誘電体酸化
皮膜と導電性高分子を同時に形成積層することができ、
優れた容量出現率が得られるタンタル固体電解コンデン
サを得ることができることを見出したものである。
【0013】このように、導電性高分子モノマーと界面
活性剤を溶解した水溶液中で、タンタル焼結体を電解す
ることにより、優れた容量出現率が得られるタンタル固
体電解コンデンサを得ることができた理由は、焼結体の
場合、エッチド箔より電流分布が均一になるため、電解
重合膜を均一に形成することができるためであると考え
られる。
【0014】また、導電性高分子モノマーの水溶液中に
界面活性剤を存在させると、導電性高分子モノマーを中
心に界面活性剤が親水基を外に向けて会合し、モノマー
が親水性となり、親水性のタンタル焼結体の表面上に集
合する状態となる。このようになると、タンタル焼結体
の表面上にモノマーが豊富に存在する状態となり、この
モノマーが高分子となったあとも、溶液中の界面活性剤
が会合したモノマーがタンタル焼結体の表面に集合し
て、高分子の形成が進行し、誘電体酸化皮膜と導電性高
分子の同時生成が良好に進行するためであると考えられ
る。
【0015】さらに、上述した特開昭63−17331
3号公報に示されたような酸化皮膜の表面に電解重合膜
を形成する従来法においては、なんらかの通電手段を用
いる必要があったが、特に、微小なタンタル焼結体の場
合には、このような通電手段を講じることは非常に困難
であった。しかし、本発明においては、直接通電によっ
て酸化皮膜を形成すると共に電解重合膜を形成すること
ができるので、微小なタンタル焼結体にも、容易に電解
重合膜を形成することができる。
【0016】[固体電解コンデンサの製造方法]本発明
の固体電解コンデンサの製造方法は、以下の通りであ
る。Ta金属(焼結体)を陽極として、対極として例え
ば白金、ステンレス等の金属を用い、導電性高分子のモ
ノマーと界面活性剤を含んだ水溶液中で電解酸化を行う
ことにより、Ta上に誘電体酸化皮膜(Ta25)/導
電性高分子膜を形成させる。そして、これに導電性ペー
スト等による陰極引き出しを行うことにより、タンタル
固体電解コンデンサを作製する。なお、上記電解酸化の
電流密度及び時間は、電解質の種類、濃度、弁金属の種
類、大きさ、エッチングの状況等によって適宜選定され
る。
【0017】[モノマー]本発明に用いられるモノマー
としては、ピロール(Py)、アニリン(An)、チオ
フェン(Thi)、エチレンジオキシチオフェン(ED
T)等が挙げられる。また、その濃度は、0.01〜1
M/lであることが望ましい。
【0018】[モノマーの濃度について]タンタル焼結
体を用いた場合に、Py(ピロール)の濃度がTa陽極
酸化に及ぼす影響について検討したところ、図1に示す
ような結果が得られた。すなわち、本実験はタンタル焼
結体を用いて、支持電解質として0.1MSDBS(ド
デシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム)を用い、電解
電流を1mAとした場合に、Pyの濃度を種々変え、P
yとSDBSの水溶液中における電圧上昇の様子を調査
したものである。具体的には、タンタル粉末を加圧、焼
結して、3.8mm×3.0mm×1.5mmの焼結体
を成形し、この焼結体に図1に示す条件で電流を通電し
た時の電圧の変化を測定したものである。
【0019】図から明らかなように、Pyを添加してい
ないaは、電圧が直線的に上昇して、化成皮膜(酸化皮
膜)のみが形成され、約4000秒後には、化成電圧が
5Vの化成皮膜が形成されていることを示している。一
方、Pyを30mM添加したcでは、ある程度電圧が上
昇して、化成皮膜が形成された後、電圧が上昇せず、こ
の間はPPy膜が形成されていることを示している。具
体的には、化成電圧が2Vの化成皮膜が形成された後
は、PPyが形成され続けていることを示している。
【0020】また、Pyを10mM添加したbでは、約
6000秒後に5Vに達している。これは、化成電圧が
5Vの化成皮膜が形成されたことを示し、上記のaと比
較して余分にかかった約2000秒分の電流による電荷
がPPyの形成に費やされたことを示している。
【0021】これらのことから、b、cにおいては、タ
ンタル焼結体を用いて化成皮膜と固体電解質の同時生成
が行われていることが分かった。なお、本発明者等は、
この実験後に、b、cのタンタル焼結体を切断して内部
を観察したところ、PPyが形成されていることを確認
している。また、他のモノマーについても同様の検討を
重ねたところ、同様の結果が得られた。
【0022】[電解質]本発明に用いられる電解質とし
ては、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸
塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩等のスルフォン
酸系界面活性剤を適用することができる。また、その濃
度は0.01〜1M/lであることが望ましい。なお、
上記の界面活性剤の他にも、以下に記載するアニオン性
界面活性剤または両イオン性界面活性剤を用いることが
でき、これらの界面活性剤は単独で、または二種以上混
合して用いられる。
【0023】アニオン性界面活性剤としては、デシルス
ルホン酸、ドデシルスルホン酸などのアルキルスルホン
酸類;オクチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼン
スルホン酸、トリデシルベンゼンスルホン酸などのベン
ゼン環に付しているアルキル基の炭素数が8〜23のア
ルキルベンゼンスルホン酸類;アルキルナフタレンスル
ホン酸、硫酸ドデシル、硫酸テトラデシル、硫酸ヘキサ
デシルなどの硫酸モノエステル類、デカン酸、ドデカン
酸、ペルフルオロヘキサン酸、ペルフルオロオクタン
酸、2−スルホナトテトラデカン酸などのカルボン酸類
の塩が用いられる。
【0024】塩を形成するカチオンとしてはナトリウム
イオン、リチウムイオン、カリウムイオンなどのアルカ
リ金属イオン類、テトラメチルアンモニウムイオン、ト
リエチルメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアン
モニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンなど
の四級アンモニウムイオン類、テトラメチルホスホニウ
ムイオン、トリエチルメチルホスホニウムイオン、テト
ラエチルホスホニウムイオン、テトラブチルホスホニウ
ムイオンなどの四級ホスホニウムイオン類が挙げられ
る。
【0025】また、両イオン性界面活性剤としては、ド
デシルジメチルアンモニオプロパンカルボキシラート、
3−(ジメチルドデシルアンモニオ)プロパン−1−ス
ルホナート、3−(ドデシルメチルアンモニオ)プロパ
ン−1−スルホナート、N−ドデシル−N,N−ジメチ
ルグリシン、C−ドデシル−N,N−ジメチルグリシン
などが挙げられる。
【0026】[電解条件]Taを陽極として、定電流も
しくは定電圧による電解を行うことにより、誘電体酸化
皮膜(酸化タンタル)と導電性高分子の電解重合膜の同
時生成を行う。また、電流値は0.1〜10mA/p
(ペレット)であることが望ましい。
【0027】
【実施例】(実施例1)Taペレット(2,000CV
/p、20,000CV/g)を使用し、以下の工程で
タンタル固体電解コンデンサを作製した。 (1)対極としてステンレス板を用い、0.1M/lの
SDBS(ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウ
ム)、0.01M/lのPy(ピロール)水溶液中で、
電流密度1mA/pで定電流電解を120分行った(終
了電圧…10V)。この定電流電解により、Taペレッ
トの表面に、酸化タンタル層(Ta25)とポリピロー
ル層(PPy)が同時に形成された。そして、これを電
極体として用い、以下の処理を行った。 (2)純水で水洗、100℃で30分乾燥 (3)カーボン、銀ペースト塗布 (4)銀接着剤で陰極リード接続 (5)エポキシ樹脂により外装、封口 (6)この固体電解コンデンサについて電気的特性を測
定したところ、表1に示したように、静電容量は158
μF、tanδは0.023、漏れ電流(LC)は4.
8μA/6.3V、100kHzにおける等価直列抵抗
(ESR)は45mΩであった。また、容量出現率(電
解質溶液中での誘電体を有する電極の静電容量を100
%とした場合)は79%であった。
【0028】(実施例2)実施例1と同様のTaペレッ
トを使用し、以下の工程でタンタル固体電解コンデンサ
を作製した。 (1)対極としてステンレス板を用い、0.1M/lの
DBSA(ドデシルベンゼンスルフォン酸)、0.01
M/lのAn(アニリン)水溶液中で、電流密度1mA
/pで定電流電解を120分行った(終了電圧…20
V)。この定電流電解により、Taペレットの表面に、
酸化タンタル層(Ta25)とポリアニリン層(PA
n)が同時に形成された。そして、これを電極体として
用い、以下の処理を行った。 (2)純水で水洗、100℃で30分乾燥 (3)カーボン、銀ペースト塗布 (4)銀接着剤で陰極リード接続 (5)エポキシ樹脂により外装、封口 (6)この固体電解コンデンサについて電気的特性を測
定したところ、表1に示したように、静電容量は76μ
F、tanδは0.039、漏れ電流(LC)は6.4
μA/10V、100kHzにおける等価直列抵抗(E
SR)は63mΩであった。
【0029】(実施例3)実施例1と同様のTaペレッ
トを使用し、以下の工程でタンタル固体電解コンデンサ
を作製した。 (1)対極としてステンレス板を用い、0.1M/lの
BNS(ブチルナフタレンスルフォン酸ナトリウム)、
0.01M/lのEDT水溶液中で、電流密度1mA/
pで定電流電解を120分行った(終了電圧…10
V)。この定電流電解により、Taペレットの表面に、
酸化タンタル層(Ta25)とポリエチレンジオキシチ
オフェン層(PEDT)が同時に形成された。そして、
これを電極体として用い、以下の処理を行った。 (2)純水で水洗、100℃で30分乾燥 (3)カーボン、銀ペースト塗布 (4)銀接着剤で陰極リード接続 (5)エポキシ樹脂により外装、封口 (6)この固体電解コンデンサについて電気的特性を測
定したところ、表1に示したように、静電容量は162
μF、tanδは0.027、漏れ電流(LC)は3.
8μA/6.3V、100kHzにおける等価直列抵抗
(ESR)は21mΩであった。
【0030】(比較例1)実施例1と同じTaペレット
を使用し、以下の工程でタンタル固体電解コンデンサを
作製した。 (1)0.5%リン酸水溶液中、室温で20Vまで化成 (2)30%硝酸マンガン水溶液中にペレットを浸漬 (3)250℃、10分焼成(予備導電層としてMnO
2を形成) (4)0.5%リン酸水溶液中、室温で20V修復化成 (5)対極としてステンレス板を用い、0.04M/l
のナフタレンスルフォン酸ナトリウム、0.05M/l
のPy(ピロール)水溶液中にて、ステンレスワイヤー
を外部電極(陽極)として、電流密度1mA/pで定電
流電解を60分行った。この定電流電解により、二酸化
マンガンを介してポリピロール層(PPy)が形成され
た。そして、これを電極体として用い、以下の処理を行
った。 (6)純水で水洗、100℃で30分乾燥 (7)カーボン、銀ペースト塗布 (8)銀接着剤で陰極リード接続 (9)エポキシ樹脂により外装、封口 (10)この固体電解コンデンサについて電気的特性を
測定したところ、表1に示したように、静電容量は86
μF、tanδは0.026、漏れ電流(LC)は2.
8μA/10V、100kHzにおける等価直列抵抗
(ESR)は53mΩであった。
【0031】(比較例2)実施例2と同じTaペレット
を使用し、以下の工程でタンタル固体電解コンデンサを
作製した。 (1)0.5%リン酸水溶液中、室温で20Vまで化成 (2)30%硝酸マンガン水溶液中にペレットを浸漬 (3)250℃、10分焼成 (4)0.5%リン酸水溶液中、室温で20V修復化成 (5)(2)〜(4)を10回繰り返すことにより、T
aペレットの表面に、酸化タンタル層(Ta25)が形
成され、その上に固体電解質層として二酸化マンガン層
が形成された。そして、これを電極体として用い、以下
の処理を行った。 (6)カーボン、銀ペースト塗布 (7)銀接着剤で陰極リード接続 (8)エポキシ樹脂により外装、封口 (9)この固体電解コンデンサについて電気的特性を測
定したところ、表1に示したように、静電容量は94μ
F、tanδは0.043、漏れ電流(LC)は1.6
μA/10V、100kHzにおける等価直列抵抗(E
SR)は105mΩであった。
【0032】(比較例3)リード線付きのAlエッチド
箔(水浴容量100μF/cm2、10Vで化成した場
合)1cm2を使用し、以下の工程でアルミ固体電解コ
ンデンサを作製した。 (1)対極としてステンレス板を用い、0.1M/lの
SDBS(ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウ
ム)、0.05M/lのPy(ピロール)水溶液中で、
電流密度1mA/cm2で定電流電解を60分行った
(終了電圧…10V)。この定電流電解により、Alエ
ッチド箔の表面に、酸化アルミニウム層(Al23)と
ポリピロール層(PPy)が同時に形成された。そし
て、これを電極体として用い、以下の処理を行った。 (2)純水で水洗、100℃で30分乾燥 (3)カーボン、銀ペースト塗布 (4)銀接着剤で陰極リード接続 (5)エポキシ樹脂により外装、封口 (6)この固体電解コンデンサについて電気的特性を測
定したところ、表1に示したように、静電容量は61μ
F、tanδは0.052、漏れ電流(LC)は9.5
μA/6.3V、100kHzにおける等価直列抵抗
(ESR)は74mΩであった。また、容量出現率は6
1%であった。
【0033】[比較結果]上記の各製造方法を用いて得
られた固体電解コンデンサについて、その製品特性を調
べた結果を表1に示した。
【表1】
【0034】表1から明らかなように、Taペレットを
用いた実施例1とAlエッチド箔を用いた比較例3の容
量出現率を比較すると、実施例1の方が大きくなってい
る。この理由は、以下の通りであると考えられる。すな
わち、電極が金属箔状の場合は、誘電体の面積を拡大す
るために、通常、金属箔にエッチング処理が施される
が、エッチングされた部分と金属箔の残りの芯の部分と
では、電気伝導度が異なる。また、エッチングされた金
属箔の表面のエッチングの状態は完全に均一ではなく、
エッチングの進んだところと、あまりエッチングされて
いないところとが存在するため、エッチングされた金属
箔の厚み方向の電気伝導度にはムラがある。
【0035】このように、エッチングされた金属箔の電
気伝導度にはムラがあるため、同時生成の際に電圧を印
加した場合に、電流密度にムラが生ずる。その結果、生
成する酸化皮膜と導電性高分子の量が不均一となり、酸
化皮膜上に生成される導電性高分子の状態がばらつき、
容量出現率が低下すると考えられる。
【0036】これに対して、タンタル焼結体を用いた実
施例1の場合は、エッチングが不要であるため、焼結体
表面において、厚み方向に電気伝導度にムラが生じると
いうことがなく、電流分布が均一となる。したがって、
電解重合膜を均一に形成することができるため、高い容
量出現率が得られたと考えられる。このように、誘電体
酸化皮膜と導電性高分子の同時生成においては、タンタ
ル焼結体の方が金属箔より有利であることが示された。
【0037】次に、導電性高分子モノマーとしてピロー
ルを用いた実施例1と比較例1とを比較すると、静電容
量は実施例1の方が比較例1に比べて約2倍となった。
また、実施例1の方が製造工程は大幅に簡略化されてい
る。このことから、Taペレットの表面に誘電体酸化皮
膜と導電性高分子を同時に形成した実施例1の方が、T
aペレットの表面に形成された誘電体酸化皮膜の上に、
二酸化マンガンを介して導電性高分子層を形成した比較
例1より有効であることが示された。
【0038】さらに、無機電解質である二酸化マンガン
を用いた比較例2は、100kHzにおける等価直列抵
抗(ESR)が、有機電解質を用いた実施例1〜3ある
いは比較例1、3に比べて非常に高い値を示した。この
ことから、固体電解質としては、導電性高分子ポリマー
の方が有効であることが示された。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、陽
極酸化皮膜層と導電性ポリマー層との同時生成が可能
で、優れた容量出現率が得られるタンタル固体電解コン
デンサ及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】タンタル焼結体を用いた場合に、Py(ピロー
ル)の濃度がTa陽極酸化に及ぼす影響について検討し
た結果を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01G 9/00 H01G 9/02 331E 9/24 B A

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性高分子モノマーと界面活性剤を溶
    解した水溶液中で、タンタル焼結体を電解酸化すること
    により、誘電体酸化皮膜と導電性高分子を同時に形成積
    層することを特徴とするタンタル固体電解コンデンサの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 導電性高分子モノマーと界面活性剤を溶
    解した水溶液中で、タンタル焼結体を電解酸化すること
    によって、誘電体酸化皮膜と導電性高分子を同時に形成
    してなる金属体を電極体として用いたことを特徴とする
    タンタル固体電解コンデンサ。
JP2000030658A 2000-02-08 2000-02-08 タンタル固体電解コンデンサ及びその製造方法 Pending JP2001223140A (ja)

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