JP5099831B2 - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5099831B2
JP5099831B2 JP2007524023A JP2007524023A JP5099831B2 JP 5099831 B2 JP5099831 B2 JP 5099831B2 JP 2007524023 A JP2007524023 A JP 2007524023A JP 2007524023 A JP2007524023 A JP 2007524023A JP 5099831 B2 JP5099831 B2 JP 5099831B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solid electrolytic
electrolytic capacitor
semiconductor layer
capacitor according
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007524023A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2007004553A1 (ja
Inventor
一美 内藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko KK
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP2007524023A priority Critical patent/JP5099831B2/ja
Publication of JPWO2007004553A1 publication Critical patent/JPWO2007004553A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5099831B2 publication Critical patent/JP5099831B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/0029Processes of manufacture
    • H01G9/0036Formation of the solid electrolyte layer
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/004Details
    • H01G9/022Electrolytes; Absorbents
    • H01G9/025Solid electrolytes
    • H01G9/028Organic semiconducting electrolytes, e.g. TCNQ
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/004Details
    • H01G9/04Electrodes or formation of dielectric layers thereon
    • H01G9/042Electrodes or formation of dielectric layers thereon characterised by the material
    • H01G9/0425Electrodes or formation of dielectric layers thereon characterised by the material specially adapted for cathode
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/004Details
    • H01G9/04Electrodes or formation of dielectric layers thereon
    • H01G9/048Electrodes or formation of dielectric layers thereon characterised by their structure
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/004Details
    • H01G9/04Electrodes or formation of dielectric layers thereon
    • H01G9/048Electrodes or formation of dielectric layers thereon characterised by their structure
    • H01G2009/05Electrodes or formation of dielectric layers thereon characterised by their structure consisting of tantalum, niobium, or sintered material; Combinations of such electrodes with solid semiconductive electrolytes, e.g. manganese dioxide
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/0029Processes of manufacture
    • H01G9/0032Processes of manufacture formation of the dielectric layer
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/15Solid electrolytic capacitors

Description

本発明は、導電体粉末の焼結体に、誘電体酸化皮膜、半導体層及び電極層を順次積層し、外装樹脂で封口する固体電解コンデンサの製造方法に関する。さらに詳しく言えば、特に導電体粉末からなる焼結体の誘電体酸化皮膜上に効率よく良質の半導体層を形成でき、漏れ電流値(LC)の良好な固体電解コンデンサを作製できる固体電解コンデンサの製造方法に関する。
各種電子機器に使用される高容量なコンデンサの一つとして導電体粉末の焼結体に、誘電体酸化皮膜、半導体層及び電極層を順次積層した固体電解コンデンサ素子を外装樹脂で封口した固体電解コンデンサがある。
固体電解コンデンサは、内部に微小な細孔を有するタンタル等の導電体粉の焼結体を一方の電極(導電体)として、その電極の表層に形成した誘電体層とその誘電体層上に設けられた他方の電極(通常は、半導体層)および他方の電極上に積層された電極層とから構成された固体電解コンデンサ素子を封口して作製されている。同一体積の導電体では、細孔が小さく細孔量が多いほど導電体内部の表面積が大きくなるために、その導電体から作製したコンデンサの容量は大きなものとなる。
昨今の固体電解コンデンサは、低ESR(等価直列抵抗)であることが要求されるために、内部の半導体層としてもっぱら導電性高分子が使用される。そのような半導体層は、化学重合または電解重合法で形成される。1例を挙げると、誘電体層まで形成した導電体を陽極リードを除いて別途用意した酸化剤及びドーパントが入った溶液とモノマーが入った溶液に交互に漬けることを複数回繰り返して半導体層が形成される。
半導体層は、通電操作を行わない純粋な化学反応(溶液反応、気相反応及びそれらの組み合わせ)によって形成したり、通電手法によって形成したり、あるいはこれらの方法を組み合わせて形成する。
通電手法としては、例えば、導電体を陽極として、もしくは導電体に接触してあるいは近傍に配置した外部電極を陽極として半導体層形成溶液中に設けられた陰極板に対して通電することにより誘電体層上に半導体層が形成される。通電手法として定電圧法、定電流法またはこれらの組み合わせがあるが、多数個の導電体に同時に通電して半導体層を形成する場合に安定に半導体層を形成するために定電流法を用いることが好ましい。
陰極板としては、通電液による腐食が少ないステンレス板、白金板、タンタル板等が使用され、例えば実公平05−36267号公報(特許文献1)に記載されているように導電体群を陽極板から櫛歯状に突き出るように取り付けたものを半導体層形成槽に浸漬し、陽極板に対向するように陰極板を設ける。この文献では、各導電体に対向する位置表面にそれぞれ電界調整用の突起を有する金属板が使用されているが、この例を含め、一般に従来の陰極金属板の表面積は、表面に微細多孔を有する導電体群の全表面積よりはるかに小さい。
実公平05−36267号公報
したがって、本発明の課題は、表面に誘電体酸化皮膜を有する導電体に、導電体を陽極として、通電操作によって半導体層を形成する際に、良質の半導体層を効率よく形成して、LCの良好な固体電解コンデンサを作製できる固体電解コンデンサの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、表面に誘電体酸化皮膜を有する導電体を陽極にして通電操作によって半導体層を形成する際に、半導体形成溶液中に設ける陰極板の表面積を導電体の表面積と同様に大きくすること、すなわち、半導体形成溶液中に設ける陰極板の表面積をその陰極板の投影面積の10倍以上に大きくすることによって本課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の固体電解コンデンサの製造方法、その製造方法により作製した固体電解コンデンサ及びその用途に関する。
1.陽極リードが接続された導電体粉末の焼結体に、誘電体酸化皮膜、半導体層及び電極層を順次積層し、外装樹脂で封口する固体電解コンデンサの製造方法において、表面に誘電体酸化皮膜を有する前記導電体を陽極とし、電解液中に設けた陰極との間に通電して誘電体酸化皮膜上に半導体層を形成する際に、表面積を見掛け表面積の10倍以上にした陰極を使用することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
2.陰極として、半導体層を形成する容器壁を使用する前記1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
3.導電体粉末の焼結体を半導体層形成容器内の陰極板または半導体層形成容器壁に接続することにより陰極の表面積を見掛け表面積の10倍以上にする前記1または2に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
4.導電体が、タンタル、ニオブ、チタン及びアルミニウムから選ばれる少なくとも1種を主成分とする金属あるいは合金、酸化ニオブ、またはこれら金属、合金及び酸化ニオブから選ばれる少なくとも2種以上の混合物である前記1記載の固体電解コンデンサの製造方法。
5.陽極リードの材質が、タンタル、アルミニウム、ニオブ、チタン、またはこれら弁作用金属を主成分とする合金である前記1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
6.陽極リードが、線、箔または板状である前記1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
7.半導体層が、有機半導体層及び無機半導体層から選ばれる少なくとも1種である前記1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
8.有機半導体が、ベンゾピロリン4量体とクロラニルからなる有機半導体、テトラチオテトラセンを主成分とする有機半導体、テトラシアノキノジメタンを主成分とする有機半導体、下記一般式(1)または(2)
Figure 0005099831
(式中、R〜Rは各々独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、Xは酸素、イオウまたは窒素原子を表し、RはXが窒素原子のときのみ存在して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、RとR及びRとRは、互いに結合して環状になっていてもよい。)
で示される繰り返し単位を含む高分子にドーパントをドープした導電性高分子を主成分とした有機半導体から選択される少なくとも1種である前記7に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
9.一般式(1)で示される繰り返し単位を含む導電性高分子が、下記一般式(3)
Figure 0005099831
(式中、R及びRは各々独立して、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和のアルキル基、または該アルキル基が互いに任意の位置で結合して、2つの酸素原子を含む少なくとも1つ以上の5〜7員環の飽和炭化水素の環状構造を形成する置換基を表す。また、前記環状構造には置換されていてもよいビニレン結合を有するもの、置換されていてもよいフェニレン構造のものが含まれる。)
で示される構造単位を繰り返し単位として含む導電性高分子である前記8に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
10.導電性高分子が、ポリアニリン、ポリオキシフェニレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリピロール、ポリメチルピロール、及びこれらの置換誘導体及び共重合体から選択される前記8に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
11.導電性高分子が、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である前記9または10に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
12.半導体の電導度が10−2〜10S/cmの範囲である前記7に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
13.前記1乃至12のいずれかの項に記載のコンデンサの製造方法によって作製された固体電解コンデンサ。
14.前記13に記載の固体電解コンデンサを使用した電子回路。
15.前記13に記載の固体電解コンデンサを使用した電子機器。
本発明は、陽極リードが植設された導電体粉末の焼結体に、誘電体酸化皮膜、半導体層及び電極層を順次積層し、外装樹脂で封口する固体電解コンデンサの製造方法において、表面に誘電体酸化皮膜を有する前記導電体を陽極とし、半導体層形成溶液中に設けた陰極との間に通電して誘電体酸化皮膜上に半導体層を形成する際に、表面積を見掛け表面積の10倍以上にした陰極を使用することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法を提供したものである。なお、見掛け表面積とは、その陰極の外形寸法より求められる面積であって半導体層形成溶液に接触している面積を意味し、陰極が平面であれば、その投影面積(例えば、縦a、横bの矩形であればa×b)に相当する。
本発明によれば、導電体粉末からなる焼結体の誘電体酸化皮膜上に良質の半導体層を効率よく形成でき、LCの良好な固体電解コンデンサを製造することができる。
本発明の固体電解コンデンサの製造方法及び固体電解コンデンサの一形態を説明する。
本発明に使用される焼結体は、陽極リードを成形体面に植設した導電体の粉末の成形体を焼結して作製される。成形圧力(例えば、0.1〜50Kg/mm)と焼結条件(例えば、温度800〜1800℃・時間1分〜10時間)を適宜選択することにより焼結体の表面積を大きくすることができる。焼結後に焼結体の表面積をさらに増加させるために、焼結体表面を化学的及び/または電気的にエッチング処理を行っていてもよい。
焼結体の形状は、特に限定されず、通常は柱状形状であるが、角柱形状の場合には、各隅のうち少なくとも1隅を面取りまたは球面状にRをとって、焼結体を使用して作製される固体電解コンデンサの漏れ電流値(LC)の平均値を良好にしておいてもよい。また、成形時に金型から成形体が脱離しやすいようにテーパをきっておいてもよい。この場合は作製焼結体の形状は略角錐台状となる。
導電体としては、タンタル、アルミニウム、ニオブ、チタン、これら弁作用金属を主成分とする合金または酸化ニオブであるか、または前記弁作用金属、合金及び導電性酸化物から選択された2種以上の混合物が挙げられる。
前記弁作用金属、合金または導電性化合物、あるいは前記焼結体等の一部を、炭化、燐化、ホウ素化、窒化、硫化、酸化から選ばれた少なくとも1種の処理を行ってから使用してもよい。
導電体には引き出しリードを直接接続することが可能であるが、粉状の導電体を成形または成形後焼結した形状とする場合は、成形時に別途用意した引き出しリードの一部を導電体と共に成形し、引き出しリードの成形外部の箇所を、コンデンサの一方の電極の引き出しリードとすることもできる。
陽極リードは、線状でも、箔状でも板状でもよい。また陽極リードを成形体に植設せずに、焼結体を作製した後に接続してもよい。陽極リードの材質としては、タンタル、アルミニウム、ニオブ、チタン、これら弁作用金属を主成分とする合金が使用される。また、陽極リードの一部を、炭化、燐化、ホウ化、窒化、硫化、酸化から選ばれた少なくとも1種の処理を行ってから使用してもよい。
陽極リードを成形体に植設する場合、陽極リードの焼結体内の深さは、焼結体の1/3以上、好ましくは2/3以上とすると焼結体の強度が維持できて後述するコンデンサ素子の外装封口時の熱的、物理的な封止応力に耐えることができるために好ましい。
後記する半導体層が陽極リードの上部にまで付着してコンデンサがショートすることを防ぐために、焼結体と陽極リードの境界部(陽極リード側)に絶縁性樹脂を鉢巻状に付着させて絶縁を図ってもよい。あるいは、陽極リードを通して配置した絶縁板を設けてもよい。
本発明において、焼結体及び陽極リードの一部の表面に誘電体酸化皮膜層を形成させる。誘電体酸化皮膜層としては、Ta、Al、TiO、Nb等の金属酸化物から選ばれる少なくとも1つを主成分とする誘電体層が挙げられる。該誘電体層は、前記陽極基体を電解液中で化成することによって得ることができる。また、金属酸化物から選ばれる少なくとも1つを主成分とする誘電体層とセラミックコンデンサで使用される誘電体層を混合した誘電体層であってもよい(国際公開第00/75943号パンフレット(US6430026))。
本発明で誘電体層上に形成される半導体層の代表例として、有機半導体および無機半導体から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。
有機半導体の具体例としては、下記一般式(1)または(2)で示される繰り返し単位を含む高分子にドーパントをドープした導電性高分子を主成分とした有機半導体が挙げられる。
Figure 0005099831
式(1)及び(2)において、R〜Rは各々独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、Xは酸素、イオウまたは窒素原子を表し、RはXが窒素原子のときのみ存在して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、RとR及びRとRは、互いに結合して環状になっていてもよい。
さらに、本発明においては、前記一般式(1)で示される繰り返し単位を含む導電性高分子は、好ましくは下記一般式(3)で示される構造単位を繰り返し単位として含む導電性高分子が挙げられる。
Figure 0005099831
式中、R及びRは各々独立して、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和のアルキル基、または該アルキル基が互いに任意の位置で結合して、2つの酸素原子を含む少なくとも1つ以上の5〜7員環の飽和炭化水素の環状構造を形成する置換基を表す。また、前記環状構造には置換されていてもよいビニレン結合を有するもの、置換されていてもよいフェニレン構造のものも含まれる。
このような化学構造を含む導電性高分子は、荷電されており、ドーパントがドープされる。ドーパントは特に限定されず公知のドーパントが使用できる。
式(1)〜(3)で示される繰り返し単位を含む高分子としては、例えば、ポリアニリン、ポリオキシフェニレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリピロール、ポリメチルピロール、及びこれらの置換誘導体や共重合体などが挙げられる。中でもポリピロール、ポリチオフェン及びこれらの置換誘導体(例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)等)が好ましい。
無機半導体の具体例として、二酸化モリブデン、二酸化タングステン、二酸化鉛、二酸化マンガン等から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。
上記有機半導体及び無機半導体として、電導度10−2〜10S/cmの範囲のものを使用すると、作製したコンデンサのESR値が小さくなり好ましい。
前述した半導体層は、通電操作を行わない純粋な化学反応(溶液反応、気相反応及びそれらの組み合わせ)によって形成したり、通電手法によって形成したり、あるいはこれらの方法を組み合わせて形成するが、本発明では、半導体層形成工程で少なくとも1回は通電手法を採用する。
本発明では、通電手法により表面に誘電体酸化皮膜を有する前記導電体を陽極とし、電解液中に設けた陰極との間に通電して誘電体酸化皮膜上に半導体層を形成する際に、表面積を見掛け表面積の10倍以上、好ましくは30倍以上の陰極を使用することを特徴とする。この倍率は、製造可能な範囲で大きいほど好ましい。
本発明の方法により表面に誘電体層を形成した複数個の導電体に同時に半導体層を形成する方法の一例について説明する。
長尺金属板上に複数個(例えば、10〜1000個、好ましくは10〜200個)の導電体の陽極部を等間隔かつ等寸に整列接続する。このような長尺金属板を等間隔に複数枚(例えば、10〜500枚、好ましくは10〜200枚)配設した金属製フレームを、金属製フレーム上の導電体の半導体形成部を、別途用意した半導体層形成用溶液に浸漬するように載置して所定時間半導体層形成反応を行う。前記金属性フレームに設けた給電端子から半導体層形成容器中に設けた陰極板に向かって所定直流定電流を通電して導電体の誘電体層上に半導体層形成を行う。
半導体層形成溶液中に設ける陰極板は、通電時の対陰極として使用されるものであり、電導性材料、特に金属の箔や板が用いられる。
陰極板としてはステンレス板、タンタル板、白金板等が好ましく用いられる。
本発明において、陰極板の表面積を見掛け表面積の10倍以上に大きくする。その方法としては、例えば、陰極板として白金黒を表面に形成した白金板、白金黒を表面に付着させたタンタル板、ニオブ板やステンレス板を使用する方法がある。また、その表面に半導体を形成する多数個の導電体を接続するステンレス板、タンタル板、白金板との接続を溶接法により行い、接続した導電体部分で表面積をかせぐ方法が挙げられる。これらの中でも、半導体層形成容器自体を陰極板とし導電体を溶接により接続する態様が好ましい。
元の金属板の表面積に対する見掛け表面積を10倍以上にした陰極板を用いることにより、通電時の電流が安定し、良質の半導体を従来よりも短い時間で形成することができ、最終製品としてLCがの良好な固体電解コンデンサを効率よく生産することができる。
なお、本発明においては見掛け表面積の倍率は、BET法により測定した値を元の金属材料面の表面積で除して求めた値である。
通電は、少なくとも1箇所の給電部に電気的に接続した複数枚の陰極板を使用して、半導体層形成溶液に漬けられた複数個の導電体全てに均一に配電できるように配置した態様で行うことが好ましい。
所定直流定電流で所定時間通電して半導体層を形成することにより、作製したコンデンサ群の容量の標準偏差を容量の平均値で除した値が10%以下、好ましくは7%以下、より好ましくは5%以下にすることが可能になる。所定定電流で通電することにより各導電体に供給される通電量が決まるが、数個の導電体について何らかの具合で通電量が変動しても全通電電流値が一定であるために、残りの導電体への通電量が変動を打ち消すように変化する結果、全通電時間に渡って各導電体への電流供給量が安定化する。半導体層の質量は、副反応が無ければ全電流量と時間の積分値で与えられるため、半導体層の質量に比例関係にあるコンデンサの容量が安定化し、作製したコンデンサ群の容量の標準偏差が小さなものとなる。
本発明においては、通電時間や所定電流値は、使用する導電体の種類、大きさ、密度、形成した誘電体層の種類、厚さ、形成する半導体層の種類等によって変化するために、予備実験によって決定される。予備実験の1手法として、半導体層の質量を管理することによって所定定電流値の良否を判断することができる。例えば、予め各定電流値で通電時間と半導体質量についてプロットを行い、このプロットが飽和値に達した半導体質量が最大になるときの定電流値を選択する方法を挙げることができる。
半導体層形成溶液には、通電により半導体となる原料や、場合によっては前述したドーパント(例えば、アリールスルホン酸または塩、アルキルスルホン酸または塩、各種高分子スルホン酸または塩、及び前記の各置換基を有する化合物等の公知のドーパント)が少なくとも1種溶解していて、通電することにより誘電体層上に半導体層が形成される。半導体層形成溶液の温度・pHは、予備実験によって半導体層が形成しやすい条件が決定される。
本発明においては、所定定電流で通電した後に、半導体層が形成されることによって生じる誘電体層の微小な欠陥を修復するために、再化成(誘電体層を化成により形成していない場合は、これが1回目の化成)を行ってもよい。また、所定定電流での通電と再化成を複数回繰り返してもよいし、繰り返し時の定電流値を変更してもよい。通常、定電流通電を止める場合、半導体層形成溶液から前記した金属製フレームを引き上げて洗浄・乾燥した後再化成工程に入るが、再化成工程に入れずに、再度定電流通電を1回以上行った後に再化成工程に入れてもよい。理由は定かでないが、続けて定電流通電を行うよりも、通電時間を同じにして途中で通電を止めて洗浄・乾燥を行うことを繰り返すほうが半導体層質量が上昇する場合がある。
再化成は、前述した化成による誘電体層の形成方法と同様にして行うことができる。再化成電圧は、通常化成電圧以下で行われる。
本発明では、前述した方法等で形成された半導体層の上に電極層が設けられる。電極層は、例えば、導電ペーストの固化、メッキ、金属蒸着、耐熱性の導電樹脂フィルムの付着等により形成することができる。導電ペーストとしては、銀ペースト、銅ペースト、アルミニウムペースト、カーボンペースト、ニッケルペースト等が好ましい。これらは1種を用いても2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合は混合してもよく、または別々の層として重ねてもよい。導電ペーストを適用した後、空気中に放置するか、または加熱して固化させる。固化後の導電ペースト層の厚さは、一層あたり通常約0.1〜約200μmである。
導電性ペーストは、通常導電粉を40〜97質量%含む。40質量%未満であると作製した導電ペーストの導電性が小さく、97質量%を超えると、導電ペーストの接着性が小さくなる。導電ペーストに前述した半導体層を形成する導電性高分子や金属酸化物の粉を混合して使用してもよい。
メッキとしては、ニッケルメッキ、銅メッキ、銀メッキ、金メッキ、アルミニウムメッキ等が挙げられる。また蒸着金属としては、アルミニウム、ニッケル、銅、銀、金等が挙げられる。
具体的には、例えば半導体層が形成された導電体の上にカーボンペースト、銀ペーストを順次積層し電極層が形成される。
このようにして電極層まで積層して陰極部を形成したコンデンサ素子が作製される。
以上のような構成の本発明のコンデンサ素子は、例えば、樹脂モールド、樹脂ケース、金属性の外装ケース、樹脂のディッピング、ラミネートフイルムによる外装などの外装により各種用途のコンデンサ製品とすることができる。これらの中でも、とりわけ樹脂モールド外装を行ったチップ状コンデンサが、小型化と低コスト化が簡単に行えるので好ましい。
樹脂モールド外装に使用される樹脂の種類としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等固体電解コンデンサの封止に使用される公知の樹脂が採用できるが、各樹脂とも一般に市販されている低応力樹脂を使用すると、封止時におきるコンデンサ素子への封止応力の発生を緩和することができるために好ましい。また、樹脂封口するための製造機としてトランスファーマシンが好んで使用される。樹脂をトランスファーマシンに設置した成形金型に注入するときの注入口は、コンデンサ素子にダメージを与えないような任意の方向を予備実験により選択する。
このように作製されたコンデンサは、電極層形成時や外装時の熱的及び/または物理的な誘電体層の劣化を修復するために、エージング処理を行ってもよい。エージング方法は、コンデンサに所定の電圧(通常、定格電圧の2倍以内)を印加することによって行われる。エージング時間や温度は、コンデンサの種類、容量、定格電圧によって最適値が変化するので予め実験によって決定されるが、通常、時間は、数分から数日、温度は電圧印加冶具の熱劣化を考慮して300℃以下で行われる。エージングの雰囲気は、空気中でもよいし、アルゴン、窒素、ヘリウム等のガス中でもよい。また、減圧、常圧、加圧下のいずれの条件で行ってもよいが、水蒸気を供給しながら、または水蒸気を供給した後に前記エージングを行うと誘電体層の安定化が進む場合がある。水蒸気の供給方法の1例として、エージングの炉中に置いた水溜めから熱により水蒸気を供給する方法が挙げられる。
電圧印加方法は、直流、任意の波形を有する交流、直流に重畳した交流やパルス電流等の任意の電流を流すように設計することができる。所定の電圧まで任意のパターンで昇圧していく方法をとることも可能である。また、エージングの途中に一旦電圧印加を止め、再度電圧印加を行うことも可能である。
本発明で製造されたコンデンサは、例えば、中央演算回路や電源回路等の高容量で低LCのコンデンサを必要とする回路に好ましく用いることができる。これらの回路は、パソコン、サーバー、カメラ、ゲーム機、DVD、AV機器、携帯電話等の各種デジタル機器や、各種電源等の電子機器に利用可能である。本発明で製造されたコンデンサは、高容量でLC性能がよいことから、これを用いることにより性能が良好な電子回路及び電子機器を得ることができる。
以下、本発明の具体例についてさらに詳細に説明するが、以下の例により本発明は限定されるものではない。なお、下記実施例及び比較例で用いた半導体層形成時の陰極板の表面積は、BET法(Micrometritics社製,Vacprep061を使用)で測定した。
実施例1:
1.金属製フレームへの複数個導電体の設置
CV10万μF・V/gのタンタル焼結体(大きさ4.5×3.3×1mm、質量81mg、引き出しリード線0.29mmφが7mm表面に出ている。)を導電体として640個使用した。後に行う半導体層形成時の溶液はねあがり防止用として、リード線にポリテトラフルオロエチレン製ワッシャーを装着させた。別途用意した長さ250mm、幅20mm、厚さ2mmのステンレス製長尺金属板に左右30mmを残して前記焼結体32個の各リード線を等間隔かつ等寸に整列接続した。このような長尺金属板20枚を5mm間隔に並列に並べ、長尺金属板の左右15mmのところで電気的に接続するように金属製フレームに配設した。以上により焼結体640個が金属製フレームに等間隔に配置され、各焼結体はリード線を通して金属性フレームに設けた給電端子に電気的に接続されている。
2.コンデンサの作製
別途用意した1%燐酸水溶液が入った化成槽(4側面と底面の5面にタンタル板が貼り付けられている。)に焼結体とリード線の一部が化成槽に入るように前記金属製フレームを配設し、80℃,9Vで8時間化成し、焼結体の内部細孔表面と外部表面及びリード線の一部に五酸化二タンタルを主成分とする誘電体層を形成した。化成槽から引き上げ水洗・乾燥した後、金属製フレームを調節して、20%トルエンスルホン酸鉄水溶液に浸漬後引上げ、105℃、15分間乾燥することを5回繰り返した。3,4−エチレンジオキシチオフェン(モノマーが飽和濃度以下となる水溶液として使用)とアントラキノン−2−スルホン酸が溶解した水と20%エチレングリコール電解液が入った半導体層形成容器(5面に白金黒付き白金板(市村金属(株))が貼り付けられ、BET法による測定から求めた表面積が元の白金板表面積の50倍)に焼結体部分のみが浸漬するように金属製フレームを調整して設置し、金属製フレームに設けた給電端子を陽極に、半導体層形成容器中の白金黒付き白金板を陰極にして25mAの定電流を2時間通電した。金属製フレームを引き上げ水洗・アルコール洗浄・乾燥した後、前述した化成槽中に焼結体とリード線の一部を浸漬するように金属製フレームを設置し誘電体層の微小なLC(漏れ電流)の欠陥を修復するための再化成(80℃、30分、7V)を行った。引き上げて水洗・乾燥した後、前記通電と再化成を12回繰り返した後、水洗・アルコール洗浄・乾燥し、陰極である半導体層を形成した。ついでカーボンペースト槽、アクリル系樹脂10質量部と銀粉90質量部の銀ペースト槽に焼結体部のみを順次浸漬・乾燥することを行い、導電体層を形成し陰極部を設けたコンデンサ素子を作製した。その後金属製フレームから長尺金属板をはずし、別途用意した表面に錫メッキした厚さ100μmの銅合金リードフレーム(幅3.4mmの一対の先端部が32個存在し、両先端部には同一平面に投影して1.0 mmの隙間がある。)の一対の先端部の上面に、前記したコンデンサ素子を、陰極部面(4.5mm×3.3mmの面)と一部切断除去したリード線を各々載置し、前者は、銀粉75%を含むエポキシ樹脂の銀ペーストの固化で、後者は、スポット溶接で電気的・機械的に接続した。ついで前記リードフレームの一部を残してエポキシ樹脂でトランスファー成形して樹脂外装し、さらに、リードフレームの樹脂外部の所定部を切断後外装部に沿って折り曲げ加工し、大きさ7.3×4.3×1.8mmのチップ状コンデンサを640個作製した。さらに、125℃、3.5Vで2時間エージングを行い、185℃に30分放置して最終的な定格2.5Vのコンデンサとした。
実施例2:
実施例1で、半導体層形成容器の5面に貼り付けた白金板を、BET法による測定から求めた表面積が110倍の白金黒付き白金板(市村金属(株))とした外は、実施例1と同様にして定格2.5Vの固体電解コンデンサ640個を得た。
実施例3:
実施例1で、半導体層形成容器の5面に貼り付けた白金板を、BET法による測定から求めた表面積が225倍の白金黒付き白金板(市村金属(株))とした外は、実施例1と同様にして定格2.5Vの固体電解コンデンサを640個得た。
比較例1:
実施例1で、半導体層形成容器の内側5面に陰極としてタンタル板を貼り付け、通電と再化成を12回行ったこと以外は実施例1と同様に半導体層を形成して固体電解コンデンサを640個作製した。
参考例1:
実施例1で、半導体層形成容器の内側5面に陰極としてタンタル板を貼り付け、通電と再化成を20回行ったこと以外は実施例1と同様にして半導体層を形成して固体電解コンデンサを640個作製した。
実施例4:
実施例1で導電体をCV8万μF・V/gのニオブ焼結体(寸法は実施例1に同じ。質量は54mg)とし、化成電圧を20V、誘電体層を五酸化二ニオブ、定電流値を18mA(最終の2回を34mA)、回数を22回、半導体層形成容器の内側5面に、実施例3で使用したのと同様の白金板の表面より白金黒を削って銀ペーストでタンタル板に貼り付け、タンタル板投影面積の15倍の表面積の陰極とし、再化成電圧を14Vとして定格4Vとした以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを640個作製した。
実施例5:
実施例1で導電体をCV8万μF・V/gのニオブ焼結体とし、実施例4と同様にして白金黒を銀ペーストでタンタル板に貼り付けてタンタル板表面積の55倍の表面積とした外は、実施例4と同様にして固体電解コンデンサを640個作製した。
比較例2:
実施例1で導電体をCV8万μF・V/gのニオブ焼結体とし、実施例4と同様にして白金黒を銀ペーストでタンタル板に貼り付けてタンタル板表面積の5倍の表面積とした外は、実施例4と同様にして固体電解コンデンサを640個作製した。
比較例3:
実施例4で、半導体層形成容器の内側5面に陰極としてタンタル板を貼り付け、通電と再化成を22回行ったこと以外は実施例4と同様にして固体電解コンデンサを640個作製した。
参考例2:
実施例4で、半導体層形成容器の内側5面に陰極としてタンタル板を貼り付け、通電と再化成を30回行ったこと以外は実施例4と同様にして半導体層を形成して固体電解コンデンサを640個作製した。
実施例6:
実施例4で、半導体層形成容器として長さ350mm×幅170mm×高さ45mmのステンレス製の容器を用い、その底面と4側内面に実施例4と同等のニオブ焼結体250個の各リード線を溶接して接続し、ステンレス板見掛け表面積の35倍の表面積の陰極とした外は実施例4と同様に半導体層を形成して固体電解コンデンサを640個作製した。
[固体電解コンデンサの容量及びLC値の測定]
以上の実施例1〜6、比較例1〜3及び参考例1〜2で作製した各コンデンサについて容量及びLC値を以下の方法により測定した。
コンデンサの容量:ヒューレットパッカード社製LCR測定器を用い、室温120Hzで測定した。
LC値:室温において、所定の定格電圧(実施例1〜3、比較例1、及び参考例1は2.5V値、実施例4〜6、比較例2〜3、及び参考例2は4V値)を作製したコンデンサの端子間に30秒間印加し続けた後に測定した。
測定結果を表1に示す。
Figure 0005099831
表1から、実施例1〜3と比較例1の比較により、半導体層形成時の陰極板として白金黒付き白金板を用いることでLC値が低減されることがわかる。実施例4〜6と比較例2との対比により、白金黒を付着させたタンタル板やステンレス容器を用いても、表面積が10倍以上であれば、白金板と同様の効果が得られることがわかる。
比較例1〜2と同様の陰極板を用いた参考例1〜2では、それぞれ通電と再化成の繰り返し回数を増やすことによりLC値低減の効果がみられた。しかし、この方法は実施例に比べて半導体の形成に時間がかかり、また半導体層が厚くなり小型のコンデンサが得にくいため好ましくない。

Claims (16)

  1. 陽極リードが接続された導電体粉末の焼結体に、誘電体酸化皮膜、半導体層及び電極層を順次積層し、外装樹脂で封口する固体電解コンデンサの製造方法において、表面に誘電体酸化皮膜を有する前記導電体を陽極とし、電解液中に設けた陰極との間に定電流で通電して誘電体酸化皮膜上に半導体層を形成する際に、表面積を見掛け表面積の15倍以上にした陰極を使用することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 陰極として、半導体層を形成する容器壁を使用する請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 陰極が、導電体粉末の焼結体である請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  4. 導電体粉末の焼結体を半導体層形成容器内の陰極板または半導体層形成容器壁に接続することにより陰極の表面積を見掛け表面積の15倍以上にする請求項1〜3に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  5. 導電体が、タンタル、ニオブ、チタン及びアルミニウムから選ばれる少なくとも1種を主成分とする金属あるいは合金、酸化ニオブ、またはこれら金属、合金及び酸化ニオブから選ばれる少なくとも2種以上の混合物である請求項1記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  6. 陽極リードの材質が、タンタル、アルミニウム、ニオブ、チタン、またはこれら弁作用金属を主成分とする合金である請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  7. 陽極リードが、線、箔または板状である請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  8. 半導体層が、有機半導体層及び無機半導体層から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  9. 有機半導体が、ベンゾピロリン4量体とクロラニルからなる有機半導体、テトラチオテトラセンを主成分とする有機半導体、テトラシアノキノジメタンを主成分とする有機半導体、下記一般式(1)または(2)
    Figure 0005099831
    (式中、R1〜R4は各々独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、Xは酸素、イオウまたは窒素原子を表し、R5はXが窒素原子のときのみ存在して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、R1とR2及びR3とR4は、互いに結合して環状になっていてもよい。)
    で示される繰り返し単位を含む高分子にドーパントをドープした導電性高分子を主成分とした有機半導体から選択される少なくとも1種である請求項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  10. 一般式(1)で示される繰り返し単位を含む導電性高分子が、下記一般式(3)
    Figure 0005099831
    (式中、R6及びR7は各々独立して、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和のアルキル基、または該アルキル基が互いに任意の位置で結合して、2つの酸素原子を含む少なくとも1つ以上の5〜7員環の飽和炭化水素の環状構造を形成する置換基を表す。また、前記環状構造には置換されていてもよいビニレン結合を有するもの、置換されていてもよいフェニレン構造のものが含まれる。)
    で示される構造単位を繰り返し単位として含む導電性高分子である請求項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  11. 導電性高分子が、ポリアニリン、ポリオキシフェニレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリピロール、ポリメチルピロール、及びこれらの置換誘導体及び共重合体から選択される請求項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  12. 導電性高分子が、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である請求項10または11に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  13. 半導体の電導度が10-2〜103S/cmの範囲である請求項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  14. 請求項1乃至13のいずれかの項に記載のコンデンサの製造方法によって作製された固体電解コンデンサ。
  15. 請求項14に記載の固体電解コンデンサを使用した電子回路。
  16. 請求項14に記載の固体電解コンデンサを使用した電子機器。
JP2007524023A 2005-06-30 2006-06-30 固体電解コンデンサの製造方法 Active JP5099831B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007524023A JP5099831B2 (ja) 2005-06-30 2006-06-30 固体電解コンデンサの製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005191226 2005-06-30
JP2005191226 2005-06-30
JP2007524023A JP5099831B2 (ja) 2005-06-30 2006-06-30 固体電解コンデンサの製造方法
PCT/JP2006/313087 WO2007004553A1 (ja) 2005-06-30 2006-06-30 固体電解コンデンサの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2007004553A1 JPWO2007004553A1 (ja) 2009-01-29
JP5099831B2 true JP5099831B2 (ja) 2012-12-19

Family

ID=37604418

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007524023A Active JP5099831B2 (ja) 2005-06-30 2006-06-30 固体電解コンデンサの製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US8198126B2 (ja)
EP (1) EP1909298B1 (ja)
JP (1) JP5099831B2 (ja)
WO (1) WO2007004553A1 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05264499A (ja) * 1992-03-19 1993-10-12 Nippon Steel Chem Co Ltd 酸化性物質濃度測定装置
JPH07300689A (ja) * 1994-04-27 1995-11-14 K D K Kk 金属電極材料の作製方法
JPH1193827A (ja) * 1997-09-18 1999-04-06 Toshiba Corp 機能素子およびアクチュエータ
JP2001160392A (ja) * 1999-12-01 2001-06-12 Kao Corp 非水系二次電池
JP2002246271A (ja) * 2001-02-16 2002-08-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd 固体電解コンデンサの製造方法およびその製造装置
JP2003249420A (ja) * 2002-02-22 2003-09-05 Sanyo Electric Co Ltd 固体電解コンデンサの製造方法及び製造装置
JP2005167230A (ja) * 2003-11-13 2005-06-23 Showa Denko Kk 固体電解コンデンサ

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3254390A (en) * 1966-06-07 Electrolyte solution of
US4545883A (en) * 1982-07-19 1985-10-08 Energy Conversion Devices, Inc. Electrolytic cell cathode
US4758929A (en) * 1986-11-08 1988-07-19 Showa Denki Kabushiki Kaisha Solid electrolyte capacitor and process for preparation thereof
JPS63249323A (ja) * 1987-04-06 1988-10-17 松下電器産業株式会社 固体電解コンデンサ
JPH0536267Y2 (ja) 1988-02-12 1993-09-14
DE68914955T2 (de) * 1988-12-07 1994-12-01 Matsushita Electric Ind Co Ltd Festelektrolytkondensator.
KR940007640B1 (ko) 1991-07-31 1994-08-22 삼성전자 주식회사 공통 입출력선을 가지는 데이타 전송회로
US5469325A (en) * 1993-03-22 1995-11-21 Evans Findings Co. Capacitor
JP2586381B2 (ja) * 1993-07-05 1997-02-26 日本電気株式会社 固体電解コンデンサおよびその製造方法
US6375688B1 (en) * 1998-09-29 2002-04-23 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Method of making solid electrolyte capacitor having high capacitance
TW479262B (en) * 1999-06-09 2002-03-11 Showa Denko Kk Electrode material for capacitor and capacitor using the same
JP3881480B2 (ja) * 1999-10-14 2007-02-14 ローム株式会社 固体電解コンデンサおよびその製法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05264499A (ja) * 1992-03-19 1993-10-12 Nippon Steel Chem Co Ltd 酸化性物質濃度測定装置
JPH07300689A (ja) * 1994-04-27 1995-11-14 K D K Kk 金属電極材料の作製方法
JPH1193827A (ja) * 1997-09-18 1999-04-06 Toshiba Corp 機能素子およびアクチュエータ
JP2001160392A (ja) * 1999-12-01 2001-06-12 Kao Corp 非水系二次電池
JP2002246271A (ja) * 2001-02-16 2002-08-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd 固体電解コンデンサの製造方法およびその製造装置
JP2003249420A (ja) * 2002-02-22 2003-09-05 Sanyo Electric Co Ltd 固体電解コンデンサの製造方法及び製造装置
JP2005167230A (ja) * 2003-11-13 2005-06-23 Showa Denko Kk 固体電解コンデンサ

Also Published As

Publication number Publication date
WO2007004553A1 (ja) 2007-01-11
EP1909298A1 (en) 2008-04-09
EP1909298A4 (en) 2015-07-29
JPWO2007004553A1 (ja) 2009-01-29
US20090086412A1 (en) 2009-04-02
EP1909298B1 (en) 2019-05-08
US8198126B2 (en) 2012-06-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3974645B2 (ja) 固体電解コンデンサ素子、その製造方法、及び固体電解コンデンサ
US20090027834A1 (en) Solid electrolyte capacitor
JPWO2007004554A1 (ja) 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP4717824B2 (ja) コンデンサ素子製造用反応容器、コンデンサ素子の製造方法及びコンデンサ素子並びにコンデンサ
JP4827195B2 (ja) 固体電解コンデンサ素子の製造方法
JP2005101562A (ja) チップ状固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP4049804B2 (ja) コンデンサ素子製造用反応容器、コンデンサ素子の製造方法およびコンデンサの製造方法
JP4404730B2 (ja) 固体電解コンデンサ
JP3992706B2 (ja) コンデンサの製造方法
JP4488303B2 (ja) コンデンサの製造方法
JP5099831B2 (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JPWO2007004555A1 (ja) 固体電解コンデンサ素子及びその製造方法
JP4689381B2 (ja) コンデンサ素子の製造方法
JP4367752B2 (ja) 固体電解コンデンサ素子の製造方法
JP4699082B2 (ja) 固体電解コンデンサ及びその製造方法
TWI399773B (zh) Chip solid electrolytic capacitor and its manufacturing method
JP2005109466A (ja) コンデンサ及びその製造方法
JP2005101592A (ja) 焼結体及びその焼結体を使用したチップ状固体電解コンデンサ
JP4750498B2 (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
TWI469163B (zh) Solid electrolytic capacitor element, solid electrolytic capacitor and manufacturing method thereof

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101210

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110204

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110527

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120921

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151005

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5099831

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350