JP3881480B2 - 固体電解コンデンサおよびその製法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はタンタル粉末などの弁作用金属粉末の焼結体からなる固体電解コンデンサおよびその製法に関する。さらに詳しくは、回路基板などに実装する際のハンダリフロー時における温度ショックに対しても、コンデンサ素子の陰極層に剥離が生じないで、等価直列抵抗(インピーダンス)が増加したり、ショート不良などが発生しない構造の固体電解コンデンサおよびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のタンタル電解コンデンサのような固体電解コンデンサに内蔵されるコンデンサ素子1は、図3に示されるように、たとえばTa粉末を用い、一壁面にTaワイヤなどの陽極リード11を埋設した直方体または立方体形状の成形体を作り、真空雰囲気で焼結する。そして、粉末の周囲および焼結体10の外周にTa25などの誘電体層(酸化皮膜)14および二酸化マンガン層15を形成する。さらに外周に、グラファイト層16、銀樹脂層18をそれぞれ形成して被覆層19を設け、その表面を陰極12とすることにより製造される。この誘電体層14は、焼結体10を陽極酸化(化成処理)することにより形成され、二酸化マンガン層15は、硝酸マンガン水溶液に浸漬して内部に染み込ませた後、硝酸マンガン水溶液を熱分解をすることにより形成され、グラファイト層16は水性グラファイト(いわゆる墨汁)を塗布して130℃程度で焼き付けることにより形成され、銀樹脂層17はいわゆる銀ペーストを塗布して200℃程度で乾燥させることにより形成されている。なお、13はテフロンリングである。
【0003】
このように、コンデンサ素子1の陰極12は焼結体10の外周に各層からなる被覆層19が設けられることにより形成されているが、各層の線膨張係数は表1に示されるようにそれぞれ異なっている。
【0004】
【表1】
Figure 0003881480
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、コンデンサ素子の陰極は、誘電体層が形成された焼結体の表面に種々の層が設けられており、その線膨張係数も異なるため、固体電解コンデンサを回路基板などに実装する際のハンダリフローの温度衝撃による応力により各層の剥離または浮きが生じる。その結果、陽極・陰極間のインピーダンス(高周波での等価直列抵抗)が大きくなり、電気的特性が低下するという問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、陰極層のそれぞれの層間での熱応力に基づくインピーダンス(等価直列抵抗)の増大を防止し、陽極・陰極間のインピーダンスの小さい固体電解コンデンサおよびそれを得る製法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、固体電解コンデンサを回路基板などに実装した後に、陽極・陰極間のインピーダンスが大きくなったり、リーク電流が大きくなる原因について鋭意検討を重ねて調べた結果、実装する際にハンダ付けのためリフロー炉に入れて270℃程度に温度を上げるが、その昇温の際の温度衝撃により、陰極層である二酸化マンガン層、グラファイト層、金属層(銀樹脂層)のそれぞれの界面で剥離が生じたり、軽い浮きが生じるため、層間での直列抵抗が増加してインピーダンスが上昇することに原因があることを見出した。とくに、グラファイト層は非常に薄い層であるが、グラファイト層に異常が生じやすく、その異常が直接陽極・陰極間のインピーダンスに非常に大きく影響することが判明した。
【0008】
さらに、層間での剥離や浮きの生じる原因を調べた結果、ハンダ付けのためのリフロー時に層間の剥離や浮きが生じる原因が、各層の線膨張係数が異なること、各層を設けるための焼付け後に室温に戻った状態での各層の応力関係と、ハンダリフロー時の各層間の応力関係が逆転すること、の2点がとくにに大きな原因であることを見出した。そして、とくに線膨張係数の異なるグラファイト層と金属層(銀ペーストなどのように、金属粉末が樹脂に混ぜられたものを乾燥して形成されており、若干の樹脂を含有し、たとえば銀樹脂層とも呼べる)との間に線膨張係数が中間となる樹脂グラファイト層を介在させることにより、および/またはグラファイト層を焼付けにより設ける際の焼付け温度をハンダのリフロー温度である230〜300℃程度の温度で行うことにより、応力の影響を受けやすいグラファイト層への負担が軽くなり、インピーダンスの増加を防止することができた。
【0009】
本発明による固体電解コンデンサは、一壁面に陽極リードが埋設された弁作用金属粉末の焼結体と、該金属粉末の外周に設けられる誘電体層と、該誘電体層が設けられた焼結体の外周に設けられる二酸化マンガン層と、該二酸化マンガン層の外周に設けられるグラファイト層と、該グラファイト層の外周に設けられる金属層とからコンデンサ素子が形成され、前記グラファイト層が前記二酸化マンガン層側に設けられる炭素粉末を水に分散して形成される水性グラファイト層と前記金属層側に設けられる炭素粉末がフェノール樹脂と混合された樹脂グラファイト層とからなり、前記金属層が銀または銅の粉末がフェノール樹脂と混合された樹脂含有金属層からなっている。
【0010】
ここに水性グラファイトとは、従来から用いられているグラファイトのことで、炭素粉末を水に分散させたもので、いわゆる墨汁を意味し、樹脂グラファイトとは、フェノール樹脂などの樹脂に炭素粉末を分散させたもので、いわゆるペンキを意味する。
【0011】
この構造にすることにより、金属層は元々銀ペーストなどのように、金属粉末を樹脂と混ぜたペースト状のものを塗布して乾燥させることにより形成されており、若干の樹脂を含有しており、樹脂グラファイトは、この金属層に線膨張係数が近づき、とくに線膨張係数の異なるグラファイト層と金属層との間に、その中間の線膨張係数を有する樹脂グラファイト層が設けられることになる。その結果、両者間の線膨張係数の差に基づく応力の作用が小さくなり、実装時のハンダ付けに基づく熱衝撃に対しても、陰極の各層が剥離などを生じることがなくなる。
【0012】
本発明による固体電解コンデンサの製法は、(a)弁作用金属粉末の焼結体を形成し、(b)該焼結体を陽極酸化することにより金属粉末表面に酸化膜皮膜を形成し、(c)前記金属粉末の周囲および焼結体の外周に二酸化マンガン層を形成し、(d)前記焼結体外周の二酸化マンガン層上にグラファイト層を形成し、(e)前記グラファイト層上に金属層を形成することによりコンデンサ素子を製造する場合に、前記グラファイト層の形成を、炭素粉末を水に分散した水性グラファイトを塗布して230〜300℃で焼き付けて水性グラファイト層を形成した後、炭素粉末をフェノール樹脂に分散した樹脂グラファイトを塗布し、230〜300℃で焼き付けて樹脂グラファイト層を形成することを特徴とする。
【0013】
このように、グラファイトを焼き付ける温度をハンダのリフロー時の温度程度にすることにより、焼付け後の室温に戻った状態では、線膨張係数の小さい材料には圧縮力が働き、線膨張係数の大きい材料には引っ張り力が働く。しかし、ハンダのリフロー時には、焼付け時の温度と殆ど同じであるため、応力が働かない状態になっている。すなわち、室温時の各層の応力関係と、リフロー時の各層の応力関係とは従来のように反転しないため、受けるダメージは小さくなる。
【0014】
前記水性グラファイト層および樹脂グラファイト層のそれぞれを形成する際に焼き付ける温度を、230〜300℃の範囲で実装時のハンダリフロー温度以上で行うことがより一層陰極層の浮きを防止することができるため好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
つぎに、図面を参照しながら本発明の固体電解コンデンサおよびその製法について説明をする。本発明の固体電解コンデンサは、図1に本発明による固体電解コンデンサの一実施形態であるコンデンサ素子1およびパッケージ内に組み立てた状態の断面説明図が示されるように、一壁面に陽極リード11が埋設された、たとえばTa粉末などからなる弁作用金属粉末の焼結体10が形成されている。そして、金属粉末の周囲および焼結体10の外周に誘電体層(酸化皮膜)14が設けられ、その誘電体層14が設けられた粉末の周囲および焼結体10の外周に二酸化マンガン層15が設けられている。二酸化マンガン層15の外周には、さらにグラファイト層16、17が設けられているが、本発明では、グラファイト層が二酸化マンガン層15側に設けられる水性グラファイト層16とその外側に設けられる樹脂グラファイト層17とからなり、その外周に金属層18が設けられることによりコンデンサ素子1が形成されている。
【0016】
焼結体10は、タンタル、アルミニウム、ニオブなどの弁作用金属の粉末が、その一壁面に陽極リード11が埋め込まれるように角形に成形され、真空雰囲気中で1400〜2300℃程度で、20〜30分程度の熱処理をすることにより形成される。この焼結体10の大きさは、固体電解コンデンサの種類や特性により異なるが、たとえば底面が0.5mm角程度から1mm弱角程度の立方体または直方体の角型に形成される。陽極リード11は、たとえば0.2mmφ程度のタンタル線が用いられ、成形時にその一端部が内部に埋め込まれている。
【0017】
誘電体層(酸化皮膜)14は、たとえばリン酸水溶液などに焼結体10を浸漬させ、陽極酸化を行うことにより、Ta粉末の表面が酸化してTa25などの酸化皮膜となることにより形成される。この酸化皮膜の厚さは、0.05μm程度である。
【0018】
二酸化マンガン層15は、酸化皮膜(誘電体層14)が形成された焼結体を硝酸マンガン水溶液中に浸漬し、硝酸マンガン水溶液を含浸させた後、熱分解することにより粉末の外周に内装二酸化マンガン層が形成される。さらに電解MnO2の微粒子を分散させた硝酸マンガン水溶液に浸漬して加熱分解することにより、焼結体の外周に外装二酸化マンガン層15が20〜30μm程度の厚さに形成される。
【0019】
グラファイト層は、前述のように、水性グラファイト層16と、樹脂グラファイト層17とからなっている。それぞれの厚さは1μm〜数μm程度である。水性グラファイトは、炭素粉末が水に分散したもので、いわゆる墨汁と同じ成分であり、従来からグラファイト層として使用されているものである。この液状のグラファイトに焼結体10を浸漬し、焼結体10の外周に塗布して焼き付けることにより水分が蒸発して水性グラファイト層16が形成される。樹脂グラファイトは、炭素粉末がフェノール樹脂などの樹脂に混合されたもので、いわゆるペンキと同じ成分である。水性グラファイト層16が形成された焼結体10を、同様に液状の樹脂グラファイト中に浸漬し、その表面に塗布して焼き付けることにより、樹脂グラファイト層17が形成される。
【0020】
この水性グラファイトおよび樹脂グラファイトの塗布後の焼付けは、従来の水性グラファイトの焼付け温度である130℃で行っても、従来の構造より良好な結果が得られたが、後述するように、ハンダのリフロー温度である270℃程度、すなわち230〜300℃程度で焼き付けた方が、さらにインピーダンス特性が良好であった。
【0021】
金属層18は、銀または銅などの粉末がフェノール樹脂などの樹脂に混入されたもので、いわゆる銀ペーストなどと呼ばれているものである。そのペースト内に陽極リード11が埋め込まれた上面がつからない程度に焼結体10を浸漬して表面に塗布した後、乾燥させることにより50μm程度の厚さに形成される。この金属層18は、樹脂を含有するペーストを乾燥させることにより形成されているため、金属層18内にも若干の樹脂を含有し、たとえば銀樹脂ともいえる。この外表面が陰極12とされ、陽極リード11との間で固体電解コンデンサの陰極と陽極が構成されている。
【0022】
コンデンサ素子1の陽極リード11および陰極12が、図1(b)に断面説明図が示されるように、リードフレームからなる外部リード2、3にそれぞれ抵抗溶接とヒューズ4などを介して接続され、その周囲がモールド成形されて樹脂製パッケージ5が形成され、リードフレームから各リードが切断されてフォーミングされることにより、固体電解コンデンサが形成されている。
【0023】
この構造にすることにより、従来構造のグラファイト層である水性グラファイト層16と金属層(たとえば銀樹脂層)18との間に樹脂グラファイト層17が設けられているため、従来構造のグラファイト層と銀樹脂層との間の応力を緩和することができる。すなわち、水性グラファイトの線膨張係数は、0.3×10-5であり、銀樹脂の線膨張係数は、4×10-5であり、樹脂グラファイトの線膨張係数は、2×10-5であるため、樹脂グラファイトが設けられることにより、その中間の線膨張係数の材料が介在することになり、水性グラファイト層16と銀樹脂層18との間の応力を緩和することができる。一方、樹脂グラファイト層17は、その樹脂成分は、銀樹脂層18の樹脂と同系統の樹脂であり、また、炭素粉末は、水性グラファイトと同じカーボン粉末であり、両層に馴染みがよい。そのため、温度衝撃がかかっても、グラファイト層または銀樹脂層が剥離したり浮きが生じることがなくなる。
【0024】
この構造で、前述のグラファイト層の焼付け温度を従来と同様の130℃で行った結果、30個の平均で、ハンダリフロー後の100kHzでのインピーダンスの平均xはx=2.14Ω、バラツキの平均である標準偏差σはσ=0.23で、従来構造のx=5.63Ω、σ=1.29より遥かに良好なインピーダンス特性が得られた。
【0025】
つぎに、グラファイト層として、従来の水性グラファイト層を用い、その焼付け温度をハンダリフローの温度と同程度の温度である270℃程度で行う固体電解コンデンサの製法について、図2のフローチャートを参照しながら説明をする。
【0026】
(a)まず、たとえばタンタル粉末からなる弁作用金属粉末を0.5mm立方程度に成形し、その一側面に、たとえば太さが0.2mmφ程度のタンタル線を埋め込んで成形体を作製する(S1)。そして、真空中で1400〜2300℃で20〜30分程度の時間焼結することにより、陽極リード11が一壁面に埋め込まれた焼結体10を形成する(S2)。
【0027】
(b)つぎに、陽極リード11の付け根部分にテフロンリング13を被せ、このコンデンサ素子の陽極リード11の先端部を、たとえばステンレス板で形成したステンレスバーに数十個程度の素子を溶接する。そして、ステンレスバーに溶接された分をまとめて、たとえばリン酸水溶液中に浸漬し、陽極リード11を陽極として陽極酸化をすることにより、タンタル粉末の周囲にTa25 からなる酸化皮膜(誘電体層)を形成(化成処理)する(S3)。
【0028】
(c)ついで、ステンレスバーに溶接したままの状態で、前述の焼結体を硝酸マンガン溶液中に浸漬し、焼結体内に含浸させる。そして、炉中で水分を蒸発させると共に、亜硝酸ガスがなくなるまで分解して酸化皮膜上に二酸化マンガン層を形成する(S4)。この場合、焼結体10の内部だけでなく、焼結体10の外周の酸化皮膜14上にもに二酸化マンガン層15を形成する。なお、この二酸化マンガン層の形成工程で、前述の酸化皮膜が破損する部分が生じるため、再度前述の化成処理と同じ工程を行い、この工程と共に数回繰り返す(再化成処理)。
【0029】
(d)つぎに、焼結体10外周の二酸化マンガン層15上に水性グラファイト層16を形成する。前述のステンレスバーに溶接したままの状態で、周囲に二酸化マンガン層15が形成された焼結体10をグラファイト水溶液中に浸漬してから引き上げることにより、外周にグラファイト溶液を塗布する。そして、実装の際におけるハンダリフロー時の温度程度である270℃程度の炉中に入れて、60分程度の時間焼付けを行うことにより、水性グラファイト層16を1〜数μm程度の厚さ形成する(S5)。すなわち、従来は130℃程度の温度で焼付けを行っていたが、前述のように、この焼付け温度を実装の際のハンダリフロー時の温度程度で行うことにより、インピーダンスを小さくすることができた。その理由については後述する。
【0030】
(e)その後、グラファイト層16上に銀樹脂層(金属層)18を形成する(S6)。この銀樹脂層18の形成は、銀ペースト中に、グラファイト層16が形成された焼結体10を浸漬し、その外周に銀ペーストを塗布して200℃程度で乾燥させることにより、50μm程度の厚さに形成される。
【0031】
このようにして形成されたコンデンサ素子1の陽極リード11および陰極12をリードフレームの外部リード2、3とそれぞれ接続し、樹脂モールドにより樹脂製パッケージ5を形成し、リードフレームから外部リード2、3を分離し、フォーミングをすることにより、固体電解コンデンサが形成される(S6)。
【0032】
前述のように、グラファイト層16の形成において、焼付け温度を実装時のハンダリフロー温度程度の温度で行うとインピーダンスが小さくなる理由について説明をする。焼付け温度をハンダリフロー時の温度、たとえば270℃で行うと、270℃の状態で、二酸化マンガン層15とグラファイト層16は共に応力が働かない状態で接している。焼付けが終了して、室温に戻ると、線膨張係数の小さいグラファイト層16は圧縮力を受け、線膨張係数の大きい二酸化マンガン層15は引っ張り力を浮けるが、ハンダリフロー時の温度に上昇しても、その応力は0に近づくだけで、それぞれの層の圧縮力と引っ張り力が反転することはない。そして、ハンダリフローが終了して、また室温に戻ると、前述と同様のグラファイト層16に圧縮力、二酸化マンガン層15に引っ張り力が働き、この応力の関係が反転することがない。
【0033】
一方、従来の製法では、室温では同じ応力関係にあるが、焼付け温度の130℃を超えると、引っ張り力と圧縮力の関係が逆転して270℃まで上げることになる。すなわち、温度衝撃による剥離などの現象は、この応力の逆転が大きく影響し、この応力の関係が逆転しなければ、層間の剥離や浮きが生じにくいことが本発明者の鋭意検討の結果見出されたのである。
【0034】
この方法で製造したタンタル電解コンデンサのインピーダンスを、前述と同様に、30個の平均で調べた結果、インピーダンスの平均xは、x=3.15Ω、標準偏差σ=0.46で、樹脂グラファイト層を挿入したものよりは劣るが、従来構造に比して、明らかに特性が向上している。
【0035】
さらに、この水性グラファイト層16を、高温で焼き付けた後に、さらに前述の樹脂グラファイト層17を同様に270℃程度で焼付けし、その上に前述と同様に銀樹脂層18を設けたものを30個作製し、その平均のインピーダンスxおよび標準偏差σを調べた。この結果を、従来構造の固体電解コンデンサ、図1に示される構造のコンデンサ、図2に示される方法により製造されるコンデンサと対比して表2にまとめる。
【0036】
【表2】
Figure 0003881480
【0037】
表2から明らかなように、グラファイト層を水性グラファイト層16と樹脂グラファイト層17との複層にし、しかもそのグラファイト層を共に実装時のハンダリフロー温度の近傍で行うことにより、100kHzでのインピーダンスを非常に低下させることができた。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、電極間のインピーダンスに一番大きく影響するグラファイト層に線膨張係数が金属層に近い層を介在させているため、ハンダリフロー時の熱衝撃に対しても、応力が緩和される構造になっている。そのため、陰極層の剥離や浮きなどが生ぜず、インピーダンスの上昇を招くことがない。
【0039】
さらに、グラファイト層を焼き付ける際の温度を実装時におけるハンダリフロー時の温度近傍で行うことにより、グラファイト層にかかる応力の関係が、室温時とハンダリフロー時とで逆転することがなく、熱衝撃によるグラファイト層の剥離や浮きなどが生ぜず、インピーダンス特性を良好に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による固体電解コンデンサの一実施形態の断面説明図である。
【図2】本発明による固体電解コンデンサの製法の一実施形態であるフローチャートを示す図である。
【図3】従来の固体電解コンデンサにおけるコンデンサ素子部の構造説明図である。
【符号の説明】
1 コンデンサ素子
10 焼結体
14 誘電体層(酸化皮膜)
15 二酸化マンガン層
16 水性グラファイト層
17 樹脂グラファイト層
18 金属層

Claims (3)

  1. 一壁面に陽極リードが埋設された弁作用金属粉末の焼結体と、該金属粉末の外周に設けられる誘電体層と、該誘電体層が設けられた焼結体の外周に設けられる二酸化マンガン層と、該二酸化マンガン層の外周に設けられるグラファイト層と、該グラファイト層の外周に設けられる金属層とからコンデンサ素子が形成され、前記グラファイト層が前記二酸化マンガン層側に設けられる炭素粉末を水に分散して形成される水性グラファイト層と前記金属層側に設けられる炭素粉末がフェノール樹脂と混合された樹脂グラファイト層とからなり、前記金属層が銀または銅の粉末がフェノール樹脂と混合された樹脂含有金属層からなる固体電解コンデンサ。
  2. (a)弁作用金属粉末の焼結体を形成し、
    (b)該焼結体を陽極酸化することにより金属粉末表面に酸化膜皮膜を形成し、
    (c)前記金属粉末の周囲および焼結体の外周に二酸化マンガン層を形成し、
    (d)前記焼結体外周の二酸化マンガン層上にグラファイト層を形成し、
    (e)前記グラファイト層上に金属層を形成する
    ことによりコンデンサ素子を製造する場合に、前記グラファイト層の形成を、炭素粉末を水に分散した水性グラファイトを塗布して230〜300℃で焼き付けて水性グラファイト層を形成した後、炭素粉末をフェノール樹脂に分散した樹脂グラファイトを塗布し、230〜300℃で焼き付けて樹脂グラファイト層を形成し、その表面に銀または銅の粉末をフェノール樹脂に混入した樹脂含有金属層を形成することを特徴とする固体電解コンデンサの製法。
  3. 前記水性グラファイト層および樹脂グラファイト層のそれぞれを形成する際に焼き付ける温度を、230〜300℃の範囲で実装時のハンダリフロー温度以上で行う請求項2記載の製法。
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