JP4911611B2 - 固体電解コンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、高容量で信頼性の高い固体電解コンデンサに関する。
固体電解コンデンサは、高周波特性が優れていることに加え、小型且つ大容量であることから、パーソナルコンピューターや映像装置等の各種電子機器の電源回路において広く用いられている。さらに、携帯電話や携帯音楽プレーヤーなどに代表される携帯機器の高性能化に伴い、より小型で高容量のコンデンサが求められている。
図5に従来の固体電解コンデンサの断面構造図を示す。図5(a)は従来の固体電解コンデンサの1断面図、図5(b)は、図5(a)に示すB−B面での断面図、図5(c)は、図5(a)に示すC−C面での断面図である。陽極リード2の周囲に、陽極体3、誘電体層4及び導電性高分子層5が形成されている。陽極リード2の周囲には、タンタル、ニオブ、チタン又はアルミニウム等の弁作用金属の粒子が直方体状に焼結された陽極体3が形成されている。
この陽極体3及び陽極リード2の表面には、誘電体層4が形成されている。この誘電体層4は、例えば陽極酸化法により陽極体3と陽極リード2の表面を酸化させて形成される。この誘電体層4上及び空間を埋めるように、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子からなる導電性高分子層5が形成されている。
導電性高分子層5の表面上には、カーボン層6と銀層7が形成されている。陽極リード2には板状の陽極端子1が接続されており、銀層7には板状の陰極端子8が接続されている。
外装体9は、陽極リード2、陽極体3、誘電体層4、導電性高分子層5、カーボン層6及び銀層7を内部に収納するように、直方体状に形成されている。外装体9は、例えばエポキシ樹脂から構成される。陽極端子1及び陰極端子8は相反する方向に外装体9から引き出されると共に、下方に屈曲されている。これら端子の先端部は、外装体9の下面に沿って配置され、実装基板に固体電解コンデンサを電気的に接続するために使用される。(例えば、特許文献1参照)。
固体電解コンデンサの高容量化を図るために、一般的に陽極リードに弁作用金属またはその合金からなる金属粒を焼結させてなる陽極体に使用する焼結体の表面積を増加させる手段がとられる。焼結体の表面積を増加させる方法として、焼結に用いる金属粒の粒径を小さくして粒子密度を向上することが挙げられる。
特開2004−14667号公報
しかしながら、焼結に用いる金属粒の粒径を小さくすると、ある程度は容量の増加は図れるものの、表面積の増加の度合に比べて、容量の増加の度合が少なくなるという課題があった。この原因について、本件発明者らが、鋭意検討を行った結果、焼結に用いる金属粒の粒径が小さい場合、導電性高分子層が、陽極体内部では、十分に形成されておらず、そのため、陽極体内部がコンデンサとして完全には利用されていないという新たな課題を見出した。
前述のような課題を解決するために、本発明の固体電解コンデンサは、導電性高分子用モノマーの誘電体層表面での重合反応による導電性高分子層の形成プロセスにおいて、陽極体表面近くに形成された導電性高分子層が、陽極体内部への導電性高分子用モノマーの供給を阻害することを抑制する構造及びその製造方法を提供することで、陽極体内部への導電性高分子層の十分な形成を可能にするものである。
前記従来の課題を解決するために、本発明の固体電解コンデンサは、多孔質体からなる陽極体と、前記陽極体表面上に設けられた誘電体層と、前記誘電体層表面上に設けられた導電性高分子層と、を備え、前記陽極体は、前記陽極体を構成する第1の面から、該第1の面と異なる第2の面にまで貫通する穴部を有することを特徴とするものである。
これにより、導電性高分子用モノマーを陽極体に形成された穴部を通して内部にまで十分供給することができるため、陽極体内部においても導電性高分子層の十分な形成をすることができる。また、穴部が他の面にまで貫通していることで、導電性高分子用モノマーを含んだ流体が、穴部で澱むことなく流れることができるので、陽極体内部へスムーズに供給することができ、陽極体内部での導電性高分子層の形成が促進される。
また、本発明の固体電解コンデンサは、前記導電性高分子層の少なくとも一部を覆う外装体と、をさらに備え、前記穴部の内部に前記外装体の一部が入り込んでいることを特徴とするものである。
これにより、陽極体と外装体との接触面積が増大し、密着性が増大するため、外部からの機械的な衝撃力に対して、外装体が分離、変形して、銀層やカーボン層、あるいは導電性高分子層が剥離するなどの不良が発生しにくくなる。また、陽極体の貫通した穴を通して、外装体が連結されている場合、さらに外装体の分離、変形が抑制されるため、より好ましい。
さらに、本発明の固体電解コンデンサの製造方法は、陽極体を形成する工程と、前記陽極体表面上に誘電体層を形成する工程と前記誘電体層上に、導電性高分子層を形成する工程とを有し、前記陽極体を形成する工程は、弁作用を有する金属の粒子をバインダーと混錬してなる混錬物を得る混錬工程と、前記混錬工程によって得られた前記混錬物を所定の形状の成型体にする成型工程と、前記成型工程により得られた成型体に貫通穴を形成する貫通穴形成工程と、前記貫通穴形成工程によって貫通穴が形成された成型体を焼結して陽極体を形成する焼結工程と、を含むことを特徴とするものである。
これにより、簡便に陽極体に貫通穴を形成することができる。
本発明によれば、導電性高分子層の形成プロセスに起因する容量の低下を抑制した高容量な固体電解コンデンサを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(第1の参考の形態)
図1は本発明の第1の参考形態による固体電解コンデンサの断面構造図である。図1(a)は本発明の第1の参考形態による固体電解コンデンサの1断面図、図1(b)は、図1(a)に示すB−B面での断面図、図1(c)は、図1(a)に示すC−C面での断面図である。図2は本参考形態における固体電解コンデンサの陽極体の斜視図を示す。図1
及び図2を参照して、以下に、本発明の第1の参考形態による固体電解コンデンサの構造について説明する。
本発明の固体電解コンデンサでは、図1に示すように、陽極リード2は、陽極体3中に埋め込まれており、弁作用を有する金属で構成されている。陽極体3は、弁作用を有する金属からなる金属粒子を真空中で焼結成形することで、直方体状に成型されている。
また、陽極リード2と交差しない位置に、図2に示すように、直方体状の陽極体3を構成する1面31から対向する面32へ貫通する複数の穴部3aを有している。
ここで、穴部3aを形成する面は、第1の面31から第2の面32へ貫通するものに限られるものではなく、第3の面33から第4の面34へ貫通する場合や第5の面35から第6の面36へ貫通する場合であってもよく、さらには、第1の面31から第3の面33などの対向しない面に貫通していてもよい。
また、陽極体3が、直方体以外の形状である場合であっても、その形状を構成する1面から他の面へ貫通する穴部3aを有していればよい。
穴部3aの開口部の大きさとしては、陽極体3の内部へ導電性高分子層5が形成される前に、埋まってしまわない程度に大きければよく、陽極体3を構成する金属粒子間の間隔と比較して、例えばその100倍以上であることが好ましい。1例として、円形の場合には、直径で0.1〜1mmとすることができる。0.1mmより小さいと陽極体3内部へ導電性高分子層5が形成される前に、穴部3aが導電性高分子層5で埋まってしまい、陽極体3内部へモノマーを供給する経路が遮断される危惧があり、1mmより大きいと陽極体の表面積が減少して、容量が低下する危惧がある。特に、高い容量を得るために、0.3mm〜0.7mmのものが好ましい。
ここで、陽極リード2及び陽極体3を構成する弁作用を有する金属としては、絶縁性の酸化膜を形成できる金属材料であり、チタン、タンタル、アルミニウム、ニオブ、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモン等を使用することができ、陽極体3としては、これらの金属粒子を焼結させることによって、多孔質焼結体を得ることができる。この中でも、材料としては、酸化物の誘電率が高く、原料の入手が容易なチタン、タンタル、アルミニウム、ニオブが好ましい。特に、酸化物の誘電率が、タンタルの1.5倍程度であるニオブが好ましい。
また、陽極リード2及び陽極体3を構成する弁作用を有する金属として、上述の弁作用を有する金属同士の合金を用いることもできる。合金としては、弁作用を有する金属と他の金属等との合金も用いることができるが、その場合には弁作用を有する金属の割合が50%以上であることが望ましい。
図3に陽極体3の製造工程図を示す。同図を参照して、以下に製造工程を説明する。原料となる弁作用を有する金属からなる金属粒子にバインダーを混入した後、十分に混錬したものに陽極リード2を挿入し、共に金型に導入・成型することで、混錬金属粉成型体30を形成する。この混錬金属粉成型体30に、図3(a)に示す複数の棒状の突起物を備えた穿鑿治具40等を用いて、図3(b)に示すように、穿鑿治具40の棒状の突起物を混錬金属粉成型体30に挿入する。次に、図3(c)に示すように、穿鑿治具40を混錬金属粉成型体30から引き離すことで貫通穴を形成する。この貫通穴形成後の混錬金属粉成型体30を減圧化においてバインダーを除去し、高温にして金属粒子同士を焼結して、陽極体3を形成する。
ここで使用する金属粒子の粒径としては、0.08μm〜1μmのものを用いることができる。0.08μmより小さいと金属粒が密集して、陰極膜が形成できるスペースが制限されるため、陰極被覆率が低下し、容量利用率が低減する危惧があり、1μmより大きいと粒の数量が減ってしまうので、表面積が小さくなり、容量が減少する危惧がある。特に、高い容量を得るために、0.2μm〜0.5μmのものが好ましい。
また、金属粒子と混合するバインダーとしては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニルやアクリル系樹脂と有機溶剤との混合物を用いることができる。焼結の温度としては、900℃〜1300℃が好ましい。900℃よりも低いと、焼結が不十分となる危惧があり、1300℃よりも高いと、焼結が進みすぎて空孔が減ってしまうため、表面積が減少してしまう危惧がある。
陽極リード2及び陽極体3の表面には、弁作用を有する金属の酸化物からなる誘電体層4が形成されている。例えば、弁作用を有する金属が、ニオブ金属から構成される場合には、誘電体層4は酸化ニオブとなる。
誘電体層4は、陽極リード2及び陽極体3をリン酸などの水溶液中において陽極酸化を行うことにより形成する。これにより、陽極体3の多くの孔の内部においても、弁作用を有する金属表面上に誘電体層4が形成される。誘電体層4の膜厚としては、10nm〜500nmの範囲が好ましい。誘電体層4の膜厚が500nmよりも厚いと、静電容量が低下すると共に、陽極リード2及び陽極体3からの剥離が起こりやすくなる等の不都合が生じる危惧がある。反対に誘電体層4の膜厚が10nmよりも薄いと、耐電圧が低下すると共に、漏れ電流の増大を招く危惧がある。
誘電体層4上には、ポリピロール等からなる導電性高分子層5が形成される。導電性高分子層5の材料としては、導電性を有する高分子材料であれば特に限定されないが、特に導電性に優れたポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン等の材料を用いることができる。
導電性高分子層5は、化学重合法等により形成することができる。化学重合法では、酸化剤を用いてモノマーを酸化重合することにより、導電性高分子層5を形成する。より詳細には、陽極体3と陽極リード2の表面に誘電体層4を形成した後、この誘電体層4上に酸化剤を付着させる。そして、酸化剤が付着した陽極体3と陽極リード2をモノマーが溶解した溶液に浸漬、又はモノマー蒸気雰囲気中に放置する。このようにして、誘電体層4上でモノマーが重合して導電性高分子層5が形成される。
そのため、陽極体3表面近くの誘電体層4上に導電性高分子層5が形成されていくと、陽極体3表面近くの金属粒子間が導電性高分子層5で埋まってしまい、陽極体内部へモノマーが十分に供給できにくくなる。そのため、陽極体内部で導電性高分子層5が形成されない部分が発生したり、厚さが薄すぎて、コンデンサとして十分機能しない領域が形成されてしまう。
そこで、本発明の陽極体3は、陽極体3を構成する1面から対向する面へ貫通する穴部3aを有しているため、導電性高分子層5形成用のモノマーが、この穴部3aを通じて陽極体3の内部にまで十分に供給されるため、陽極体3の表面近くが導電性高分子層5で埋まってしまっても、陽極体内部の導電性高分子層5を形成することができる。その結果、陽極体3全体において、導電性高分子層5が形成できる領域が増加し、高容量化を行うことができる。
その後、導電性高分子層5上に、カーボンペーストを塗布、乾燥することによりカーボ
ン粒子を含む層からなるカーボン層6と、カーボン層6上に銀ペーストを塗布、乾燥することにより銀粒子を含む層からなる銀層7とが形成される。
銀層7上には、導電性接着剤を介して平板状の陰極端子8が接続され、陽極リード2には、平板状の陽極端子1がスポット溶接により接続される。陽極端子1及び陰極端子8の幅は、陽極体3とほぼ同じ長さにまで広げることで、端子部での抵抗損失を低減させることができる。そして、陽極端子1及び陰極端子8の一部が、図1のように外部に引き出される形で、エポキシ樹脂等からなる外装体9が射出成形等により形成される。
この際、外装体9を形成するエポキシ樹脂等が、陽極体3の穴部3a内に入り込んで、硬化されるため、導電性高分子層5、カーボン層6あるいは銀層7と外装体9との接触面積が増大し、外装体9との密着性が向上するため、外部からの衝撃に対して、外装体9が変形し、それによって導電性高分子層5等が剥離するなどの不良の発生が抑制される。また、貫通する穴部3a内部で外装体9が連結されている場合には、さらに密着性が向上するため、より不良発生率を低減させることができる。
なお、陽極端子1及び陰極端子8の材料としては、ニッケル等の導電性材料を用いることができ、外装体9から露出した陽極端子1及び陰極端子8の端部は、折り曲げて本固体電解コンデンサの端子として機能する。
(第2の実施の形態)
図4は本発明の第2の実施形態による固体電解コンデンサの陽極体の斜視図である。図4に示すように、陽極体3が、第1の面31からその対向する第2の面32へ貫通する複数の穴部3aと第3の面33からその対向する第4の面34へ貫通する穴部3bを有しており、それらが陽極体3の内部で接続している。この陽極体3を用いて、第1の参考形態と同様の構成を形成することにより、本発明の第2の実施形態による固体電解コンデンサが形成できる。
ここで、穴部3aあるいは穴部3bを形成する面は、第1の参考形態と同様に、任意に設定することができる。
本実施形態の固体電解コンデンサによれば、複数の面からの貫通穴により、陽極体3内部へ導電性高分子層5形成用のモノマーを供給する経路がより多く確保できるため、さらに高容量化を実現することができる。
参考例1)
電解酸化皮膜形成後のニオブ焼結体の容量と電解電圧の積であるCV値が100,000[μF・V/g]であるニオブ粉を原料としてバインダーと混練し、混練ニオブ粉を調製する。このバインダーと混練したニオブ粉を、陽極リード2となる0.5mm径金属タンタル製ワイヤとともに金型を用いて、4.5×3.3×1.0mmのサイズに成形する。これを図3に示すように穿鑿治具を用いてニオブ粉成形体を貫通する孔(0.5mmφ×4箇所)を開ける。その後減圧下でバインダーを除去し、1100℃で焼結してニオブ製陽極体3を作製した。
こうして作製された多孔性のニオブ製陽極体3の表面に陽極酸化法により酸化皮膜を形成し、誘電体層4とした。具体的には、ニオブ製陽極体3を約60℃に保持した約0.1重量%のリン酸水溶液中に浸漬し、約10Vの電圧を10時間印加することにより形成した。誘電体層4の形成終了後に、ニオブ製陽極体3の導電性高分子層の形成状態に寄らない静電容量を求めるため、水中容量を測定した。
なお、水中容量は、30wt%硫酸溶液中に、陽極体3と対極を浸漬することで、日本電子機械工業会規格(EIAJ RC−2361A)に記載の静電容量の測定方法により
測定した。
次に、多孔性のニオブ製陽極体3表面に形成された誘電体層4上に、導電性高分子であるポリピロールを形成するため、そのモノマーであるピロールを付着させ、化学重合等により導電性高分子層5としてポリピロール膜を形成する。その後、ポリピロール膜上にカーボン層6および銀層7を形成して、コンデンサ素子を形成した。このコンデンサ素子の陽極リード2と銀層7とにそれぞれ陽極端子1及び陰極端子8を取り付け、射出成形によりコンデンサ素子と金属端子板を樹脂で被覆して、外装体9を形成することで参考例1の固体電解コンデンサを完成させた。
固体電解コンデンサは、同時に100個作製し、それぞれについてLCRメータを用いて周波数120Hzでの容量を測定し、その結果から平均容量を求めた。
(実施例2)
電解酸化皮膜形成後のニオブ焼結体の容量と電解電圧の積であるCV値が100,000[μF・V/g]であるニオブ粉を原料としてバインダーと混練し、混練ニオブ粉を調製する。このバインダーと混練したニオブ粉を、陽極リードとなる0.5mm径金属タンタル製ワイヤとともに金型を用いて、4.5×3.3×1.1mmのサイズに成形する。これに穿鑿治具を用いてニオブ粉成形体を貫通する孔(0.5mmφ×4箇所)を開ける。さらに、別の穿鑿治具を用いて、貫通孔を開けた成形体の異なる面に対し陽極ワイヤと交差しないように貫通孔(0.5mmφ×2箇所)を開けた。その後、減圧下でバインダーを除去し、1100℃で焼結して異なる2方向に貫通孔を有するニオブ製陽極体3を作製した。
その後、参考例1と同様の工程により、実施例2の固体電解コンデンサを完成させた。
また、水中容量及び平均容量についても、参考例1と同様に測定した。
(比較例)
電解酸化皮膜形成後のニオブ焼結体の容量と電解電圧の積であるCV値が100,000[μF・V/g]であるニオブ粉を原料としてバインダーと混練し、混練ニオブ粉を調製する。このバインダーと混練したニオブ粉を、陽極リードとなる0.5mm径金属タンタル製ワイヤとともに金型を用いて、4.5×3.3×0.95mmのサイズに成形する。その後減圧下でバインダーを除去し、1100℃で焼結してニオブ製陽極体3を作製した。
その後、参考例1と同様の工程により、実施例2の固体電解コンデンサを完成させた。
また、水中容量及び平均容量についても、参考例1と同様に測定した。
(評価1)
以上の参考例1、実施例2及び比較例の固体電解コンデンサ各100個の容量を測定し、その平均値を平均容量として求めた。得られた平均容量値から比較例1の平均容量を1として相対容量を求めた。合わせて参考例1、実施例2および比較例で用いた誘電体層4後の陽極体3から求めた水中容量と固体電解コンデンサ作製後に求めた平均容量との比を容量出現率(%)として得た。これらの結果を表1にまとめて示す。ここで、水中容量は参考例1、実施例2および比較例において同じになるように、陽極体3のサイズが調整されている。
Figure 0004911611
表1から判るように、参考例1の平均容量(343μF)は比較例(243μF)を41%上回っており、容量出現率も82%と比較例の58%より増加した。実施例2では、平均容量49%増、容量出現率も86%と参考例1より増加した。貫通孔が増えているため、固体電解質層である導電性高分子(例えば、ポリピロール)層の陽極体のより内部への形成が進行しているためと考えられる。
(評価2)
参考例1及び実施例2と比較例1で、固体電解コンデンサの耐衝撃試験を行った。具体的には、実施例毎の各20個をプリント基板に無鉛ハンダで実装し、100gの荷重を付加して1.5mの高さからコンクリート床に落下するもので、基板側を下に向けて落下させることをそれぞれのサンプルで20回実施した。落下試験後に特性評価を行い、試験前の容量値から20%以上劣化したサンプルを不良として個数をカウントした。
その結果、比較例では20個中不良数が8個であったのに対し、参考例1では0個であった。実施例2においても不良数は0個であった。
この理由として、モールド樹脂と陽極体表面の陰極層との密着性が改善されていることが挙げられる。陽極体貫通孔構造を採用することにより、モールド時に樹脂が貫通孔を通して流れ込み、より堅固に陽極体を保持するために陰極層との密着性が向上し、機械的な強度が増したものと考えられる。
以上のように、本発明にかかる固体電解コンデンサは、高容量で信頼性の高い固体電解コンデンサ及びその製造方法を提供することが可能となるので、パーソナルコンピューターや映像装置等の各種電子機器だけでなく、携帯電話や携帯音楽プレーヤーなどに代表される携帯機器の電源回路などの用途に適用できる。
本発明の第1の参考形態における固体電解コンデンサの断面構造図である。(a)1断面図、(b)B−B面での断面図、(c)C−C面での断面図。 本発明の第1の参考の形態における固体電解コンデンサの陽極体の斜視図である。 本発明の第1の参考の形態における固体電解コンデンサの陽極体の製造工程図である。 本発明の第2の実施の形態における固体電解コンデンサの陽極体の斜視図である。 従来例における固体電解コンデンサの断面構造図である。(a)1断面図、(b)B−B面での断面図、(c)C−C面での断面図。
1 陽極端子
2 陽極リード
3 陽極体
3a 穴部
3b 穴部
4 誘電体層
5 導電性高分子層
6 カーボン層
7 銀層
8 陰極端子
9 外装体
30 混錬金属粉成型体
31 陽極体を構成する第1の面
32 陽極体を構成する第2の面
33 陽極体を構成する第3の面
34 陽極体を構成する第4の面
35 陽極体を構成する第5の面
36 陽極体を構成する第6の面
40 穿鑿治具

Claims (4)

  1. 多孔質体からなる陽極体と、
    前記陽極体表面上に設けられた誘電体層と、
    前記誘電体層表面上に設けられた導電性高分子層と、
    前記導電性高分子層上に設けられた外装体と、を備え、
    前記陽極体は、前記陽極体を構成する第1の面から、該第1の面と対向する第2の面にまで貫通する複数の第1の穴部と、前記陽極体を構成する第3の面から、該第3の面と対向する第4の面にまで貫通する複数の第2の穴部と、を有し、
    前記第1の穴部及び前記第2の穴部には、前記外装体の一部が入り込んでいることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記第1の穴部及び前記第2の穴部において、前記外装体が連結していることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記多孔質体として、弁作用を有する金属の粒子の焼結体を用いることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 前記弁作用を有する金属として、ニオブを用いることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。

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