JP6585891B2 - 固体電解コンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、陽極にTiとZrの合金を用い、陽極酸化処理により酸化物からなる誘電体皮膜を形成し、電解質として導電性高分子を用いた固体電解コンデンサに関する。
従来、電解コンデンサは、弁作用金属を陽極として用い、電解酸化法等により陽極表面に弁作用金属の酸化皮膜を誘電体として形成している。弁作用金属としては、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ジルコニウムなどが知られている。特に、近年はコンデンサの更なる高容量化が求められており、酸化膜の比誘電率が高いチタンの使用が検討されている。
しかしながら、チタンを電解酸化して製造した電解コンデンサは、アルミニウムやタンタルなどの旧来の実用化された電解コンデンサと比較して、漏れ電流が大きいという問題がある。
漏れ電流特性の劣化を防止するため、特許文献1では、電解酸化条件、すなわち陽極の化成処理方法を改善することが提案されている。また、弁作用金属の合金を陽極体に使用することが特許文献2〜4に開示されている。特許文献2では、陽極酸化時の陽極酸化溶液の組成の改良が、特許文献3では、窒素ドープしたチタン又はチタン合金からなる陽極を陽極酸化することが、特許文献4では、陽極酸化時にフッ素ドープすることが提案されている。
また、特許文献5では、チタンまたはチタン合金の陽極酸化前に自然酸化膜が形成されることを防止するため、基体にチタンまたはチタン合金を蒸着し、さらに亜鉛の保護膜を形成した後、陽極酸化溶液中で亜鉛の保護膜を溶解して陽極酸化することで、結晶性の酸化膜の生成を抑制する方法が開示されている。
WO2007/020969 特開平7−268688号公報 特開2004−146805号公報 特開2004−349658号公報 WO2011/145372
一方、従来の液体電解質に代えて、固体電解質を用いた固体電解コンデンサが知られている。固体電解質としては、導電性高分子を用いることが提案されている。
特許文献1,2には、合金についての示唆はあるものの、具体的な合金の組成比や使用例はなく、アルミ箔や純チタン箔での実施例しか示されていない。特許文献3〜4についてはいずれも、Ti合金を陽極酸化して誘電体を形成した電解コンデンサについても記載されているが、添加金属は5重量%以下あるいは10重量%以下である。また、特許文献1〜4には、導電性高分子等の固体電解質の使用も示唆されてはいるものの、その実施例は陽極酸化までの評価でしかない。
特許文献5には、Ti合金陽極として、実験例3にTi:77atm%−Zr:23atom%のTiZr合金の例が示されている。漏れ電流密度が評価されているものの、液体電解質を用いた評価のみ実施されている。また、陽極酸化時間は15Vで10分間とされており、形成される酸化皮膜は極めて薄いものと考えられる。
このように、従来は、弁作用金属の合金と導電性高分子を含む電解質との組み合わせを検討した例はない。本発明者らは、弁作用金属の合金、特にチタンとジルコニウムとの合金からなる陽極体を陽極酸化して酸化皮膜を形成し、固体電解質として導電性高分子を形成すると、合金の組成や酸化皮膜の膜厚によって、静電容量や漏れ電流が大きくばらつくという知見を得た。したがって、本発明は、弁作用金属の合金からなる陽極体と、この陽極体を陽極酸化して得られる酸化皮膜からなる誘電体と導電性高分子を含む電解質との組み合わせになる固体電解コンデンサにおいて、良好な静電容量と優れた漏れ電流特性の両方を達成することを目的とする。
すなわち、本発明は、陽極体としてチタンとジルコニウムからなる合金と、誘電体として前記陽極体を陽極酸化して得られる酸化皮膜と、電解質として導電性高分子を含む固体電解コンデンサであって、陽極体の合金におけるチタンとジルコニウムの原子比がTi:Zrで80:20〜10:90であり、前記酸化皮膜の膜厚が5nm以上1000nm以下であることを特徴とする固体電解コンデンサに関する。
本発明によれば、チタンとジルコニウムとの合金からなる陽極体を化成処理して誘電体膜を形成し、電解質として導電性高分子を含む固体電解コンデンサにおいて、良好な静電容量と優れた漏れ電流特性とを両立することができる。
本発明の一実施形態に係る固体電解コンデンサの概略断面図である。
以下、本発明の実施形態を掲げて説明するが、本発明はこの実施形態のみに限定されるものではない。
<実施の形態1>
チタン(Ti)とジルコニウム(Zr)からなる合金を陽極体として、電解液中で陽極酸化処理を行うことにより、陽極表面に誘電体である酸化皮膜が形成される。この上に導電性高分子を含む電解質層を形成させる。
本発明では、弁作用金属の中から、酸化膜の比誘電率に優れるチタンを選択し、さらにチタンと同族のジルコニウムとの合金が、導電性高分子を含む電解質と組み合わせた際に所定の条件下で良好な静電容量と優れた漏れ電流特性とを両立することができることを見出した。
TiとZrは同族元素であり全率固溶体となるため、任意組成で均一合金を得られる利点があるが、Zrが原子比率で20%以上では、導電性高分子形成後に漏れ電流が低くなり、コンデンサ特性が良好になる。また、Zrの原子比率が90%以下であれば、静電容量がTaを陽極体として用いた固体電解コンデンサよりも良好な値を示す。さらには、Zrの原子比率が20%以上、70%以下であれば、誘電体がアモルファス構造となることで、コンデンサの耐熱特性が向上するためより好ましい。つまり、本発明に係る陽極体は、チタンとジルコニウムの原子比がTi:Zrで80:20〜10:90である合金であり、Ti:Zrが80:20〜30:70であることが好ましい。
陽極体を構成するTiとZrからなる合金は、アーク溶解法、焼結法、スパッタ法、メカニカルアロイ法などで製造したものが利用できる。陽極体の形状としては、板状、箔状、線状など公知のいずれの形状であっても良い。また、適当な基体上にTiとZrからなる合金膜を形成したものでも良い。陽極体として、焼結法で形成したものは、微細な空孔を有して表面積が大きく、高い静電容量が要求される固体電解コンデンサに有利である。
陽極酸化処理により形成される、酸化皮膜からなる誘電体は、膜厚が5nm以上、1000nm以下のときに、導電性高分子形成後の漏れ電流が低くなる。酸化皮膜の膜厚は、陽極酸化の処理電圧と陽極の組成により決定されるが、Zrの原子比率が20%以上の場合には、陽極酸化処理電圧が3V以上、500V以下であるときに、数時間の処理で膜厚を5nm以上、1000nm以下とすることができる。誘電体の膜厚は、薄くなるほど静電容量が高くなり、厚くなるほど高電圧での使用が可能となる。したがって、固体電解コンデンサに要求される性能に応じて、上記範囲から適宜選択することができる。
また陽極酸化処理には、公知の電解液を用いることができる。例えばリン酸、硝酸、ホウ酸、クエン酸、またはそれらのナトリウム塩、アンモニウム塩などを含む水溶液、または非水溶液を使用することができる。
酸化皮膜からなる誘電体の上に形成される導電性高分子としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリシラン、またはそれらの誘導体から選択される1種以上を使用することができる。導電性高分子を含む電解質層の形成方法としては、化学酸化重合法、電解重合法、分散液または溶液の塗布乾燥法などが適用できる。電解質層は、導電性高分子に導電性を発現させるドーパントを含むことができ、さらに必要に応じてバインダーを含むことができる。ドーパントとしてはアニオン性のドーパントが挙げられ、特にポリ酸アニオンが好ましい。バインダーとしては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリビニルアルコールや糖類等の水溶性樹脂等が挙げられる。
図1に、本実施形態に係る固体電解コンデンサの構造を示す模式的断面図を示す。この固体電解コンデンサは、陽極導体1上に、誘電体層2、電解質層3がこの順に形成された構造を有している。電解質層3の外周には、グラファイト層4と銀層5形成して陰極を形成し、更に、導電接着剤6を介して外部との接続端子となる電極7に接続される。また、陽極導体1の電解質層3を形成していない面には陽極導体1と同様の弁作用金属からなる金属リード8が設けられており、金属リード8は、陰極とは異なる接続端子の電極7に接続されている。また、全体はエポキシ樹脂等の絶縁性の外装樹脂9で覆われ、電解コンデンサが形成される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例1は、参考例を示す。
<実施例1>
ボタンアーク溶解法により作製したTiとZrの原子比が80:20である合金板を陽極として、0.05wt%のリン酸と50wt%のエチレングリコールと水を含む電解液を用い、室温で100Vの陽極酸化処理を2時間行った。この時に形成された酸化皮膜の膜厚を透過電子顕微鏡にて測定したところ、200nmであった。
その後、導電性高分子であるポリチオフェンの分散液を酸化皮膜の上に塗布した後、溶媒を乾燥させて、電解質層を形成した。さらに、グラファイトペーストと、銀ペーストを塗布し、硬化させることにより、陰極引き出し層を形成させ、固体電解コンデンサを得た。
得られた固体電解コンデンサについて、周波数120Hzで静電容量を測定した。また、50Vの直流電圧を印加し、5分後の漏れ電流を測定した。
<実施例2>
ボタンアーク溶解法により作製したTiとZrの原子比が70:30である合金板を陽極として、0.05wt%のリン酸と50wt%のエチレングリコールと水を含む電解液を用い、室温で100Vの陽極酸化処理を2時間行った。この時に形成された酸化皮膜の膜厚を透過電子顕微鏡にて測定したところ、190nmであった。
その後、導電性高分子であるポリチオフェンの分散液を酸化皮膜の上に塗布した後、溶媒を乾燥させて、電解質層を形成した。さらに、グラファイトペーストと、銀ペーストを塗布し、硬化させることにより、陰極引き出し層を形成させ、固体電解コンデンサを得た。
得られた固体電解コンデンサについて、周波数120Hzで静電容量を測定した。また、50Vの直流電圧を印加し、5分後の漏れ電流を測定した。
<実施例3>
ボタンアーク溶解法により作製したTiとZrの原子比が40:60である合金板を陽極として、0.05wt%のリン酸と50wt%のエチレングリコールと水を含む電解液を用い、室温で100Vの陽極酸化処理を2時間行った。この時に形成された酸化皮膜の膜厚を透過電子顕微鏡にて測定したところ、183nmであった。
その後、導電性高分子であるポリチオフェンの分散液を酸化皮膜の上に塗布した後、溶媒を乾燥させて、電解質層を形成した。さらに、グラファイトペーストと、銀ペーストを塗布し、硬化させることにより、陰極引き出し層を形成させ、固体電解コンデンサを得た。
得られた固体電解コンデンサについて、周波数120Hzで静電容量を測定した。また、50Vの直流電圧を印加し、5分後の漏れ電流を測定した。
<実施例4>
ボタンアーク溶解法により作製したTiとZrの原子比が10:90である合金板を陽極として、0.05wt%のリン酸と50wt%のエチレングリコールと水を含む電解液を用い、室温で100Vの陽極酸化処理を2時間行った。この時に形成された酸化皮膜の膜厚を透過電子顕微鏡にて測定したところ、195nmであった。
その後、導電性高分子であるポリチオフェンの分散液を酸化皮膜の上に塗布した後、溶媒を乾燥させて、電解質層を形成した。さらに、グラファイトペーストと、銀ペーストを塗布し、硬化させることにより、陰極引き出し層を形成させ、固体電解コンデンサを得た。
得られた固体電解コンデンサについて、周波数120Hzで静電容量を測定した。また、50Vの直流電圧を印加し、5分後の漏れ電流を測定した。
<比較例1>
ボタンアーク溶解法により作製したTiとZrの原子比が90:10である合金板を陽極として、0.05wt%のリン酸と50wt%のエチレングリコールと水を含む電解液を用い、室温で100Vの陽極酸化処理を2時間行った。この時に形成された酸化皮膜の膜厚を透過電子顕微鏡にて測定したところ、215nmであった。
その後、導電性高分子であるポリチオフェンの分散液を酸化皮膜の上に塗布した後、溶媒を乾燥させて、電解質層を形成した。さらに、グラファイトペーストと、銀ペーストを塗布し、硬化させることにより、陰極引き出し層を形成させ、固体電解コンデンサを得た。
得られた固体電解コンデンサについて、周波数120Hzで静電容量を測定した。また、50Vの直流電圧を印加し、5分後の漏れ電流を測定した。
<比較例2>
ボタンアーク溶解法により作製したTiとZrの原子比が85:15である合金板を陽極として、0.05wt%のリン酸と50wt%のエチレングリコールと水を含む電解液を用い、室温で100Vの陽極酸化処理を2時間行った。この時に形成された酸化皮膜の膜厚を透過電子顕微鏡にて測定したところ、210nmであった。
その後、導電性高分子であるポリチオフェンの分散液を酸化皮膜の上に塗布した後、溶媒を乾燥させて、電解質層を形成した。さらに、グラファイトペーストと、銀ペーストを塗布し、硬化させることにより、陰極引き出し層を形成させ、固体電解コンデンサを得た。
得られた固体電解コンデンサについて、周波数120Hzで静電容量を測定した。また、50Vの直流電圧を印加し、5分後の漏れ電流を測定した。
<比較例3>
ボタンアーク溶解法により作製したTiとZrの原子比が5:95である合金板を陽極として、0.05wt%のリン酸と50wt%のエチレングリコールと水を含む電解液を用い、室温で100Vの陽極酸化処理を2時間行った。この時に形成された酸化皮膜の膜厚を透過電子顕微鏡にて測定したところ、200nmであった。
その後、導電性高分子であるポリチオフェンの分散液を酸化皮膜の上に塗布した後、溶媒を乾燥させて、電解質層を形成した。さらに、グラファイトペーストと、銀ペーストを塗布し、硬化させることにより、陰極引き出し層を形成させ、固体電解コンデンサを得た。
得られた固体電解コンデンサについて、周波数120Hzで静電容量を測定した。また、50Vの直流電圧を印加し、5分後の漏れ電流を測定した。
<比較例4>
ボタンアーク溶解法により作製したTiとZrの原子比が0:100である合金板を陽極として、0.05wt%のリン酸と50wt%のエチレングリコールと水を含む電解液を用い、室温で100Vの陽極酸化処理を2時間行った。この時に形成された酸化皮膜の膜厚を透過電子顕微鏡にて測定したところ、210nmであった。
その後、導電性高分子であるポリチオフェンの分散液を酸化皮膜の上に塗布した後、溶媒を乾燥させて、電解質層を形成した。さらに、グラファイトペーストと、銀ペーストを塗布し、硬化させることにより、陰極引き出し層を形成させ、固体電解コンデンサを得た。
得られた固体電解コンデンサについて、周波数120Hzで静電容量を測定した。また、50Vの直流電圧を印加し、5分後の漏れ電流を測定した。
実施例1〜4および、比較例1〜4について、静電容量と漏れ電流をまとめると表1のようになる。
Figure 0006585891
表1より、Zrの原子比率が20%以上の場合には、漏れ電流が導電性高分子を電解質に用いた固体電解コンデンサの一般的な規格値である0.1μA/μFV以下となる結果であった。また、Zrの原子比率が90%以下の場合には、静電容量が0.14μF/cm以上と良好な結果を示した。
<実施例5>
ボタンアーク溶解法により作製したTiとZrの原子比が70:30である合金板を陽極として、0.05wt%のリン酸と50wt%のエチレングリコールと水を含む電解液を用い、室温で5Vの陽極酸化処理を2時間行った。この時に形成された酸化皮膜の膜厚を透過電子顕微鏡にて測定したところ、10nmであった。
その後、導電性高分子であるポリチオフェンの分散液を酸化皮膜の上に塗布した後、溶媒を乾燥させて、電解質層を形成した。さらに、グラファイトペーストと、銀ペーストを塗布し、硬化させることにより、陰極引き出し層を形成させ、固体電解コンデンサを得た。
得られた固体電解コンデンサについて、周波数120Hzで静電容量を測定した。また、2.5Vの直流電圧を印加し、5分後の漏れ電流を測定した。
<実施例6>
ボタンアーク溶解法により作製したTiとZrの原子比が70:30である合金板を陽極として、0.05wt%のリン酸と50wt%のエチレングリコールと水を含む電解液を用い、室温で300Vの陽極酸化処理を2時間行った。この時に形成された酸化皮膜の膜厚を透過電子顕微鏡にて測定したところ、570nmであった。
その後、導電性高分子であるポリチオフェンの分散液を酸化皮膜の上に塗布した後、溶媒を乾燥させて、電解質層を形成した。さらに、グラファイトペーストと、銀ペーストを塗布し、硬化させることにより、陰極引き出し層を形成させ、固体電解コンデンサを得た。
得られた固体電解コンデンサについて、周波数120Hzで静電容量を測定した。また、150Vの直流電圧を印加し、5分後の漏れ電流を測定した。
<実施例7>
ボタンアーク溶解法により作製したTiとZrの原子比が70:30である合金板を陽極として、0.05wt%のリン酸と50wt%のエチレングリコールと水を含む電解液を用い、室温で500Vの陽極酸化処理を2時間行った。この時に形成された酸化皮膜の膜厚を透過電子顕微鏡にて測定したところ、950nmであった。
その後、導電性高分子であるポリチオフェンの分散液を酸化皮膜の上に塗布した後、溶媒を乾燥させて、電解質層を形成した。さらに、グラファイトペーストと、銀ペーストを塗布し、硬化させることにより、陰極引き出し層を形成させ、固体電解コンデンサを得た。
得られた固体電解コンデンサについて、周波数120Hzで静電容量を測定した。また、250Vの直流電圧を印加し、5分後の漏れ電流を測定した。
<実施例8>
ボタンアーク溶解法により作製したTiとZrの原子比が40:60である合金板を陽極として、0.05wt%のリン酸と50wt%のエチレングリコールと水を含む電解液を用い、室温で5Vの陽極酸化処理を2時間行った。この時に形成された酸化皮膜の膜厚を透過電子顕微鏡にて測定したところ、9nmであった。
その後、導電性高分子であるポリチオフェンの分散液を酸化皮膜の上に塗布した後、溶媒を乾燥させて、電解質層を形成した。さらに、グラファイトペーストと、銀ペーストを塗布し、硬化させることにより、陰極引き出し層を形成させ、固体電解コンデンサを得た。
得られた固体電解コンデンサについて、周波数120Hzで静電容量を測定した。また、2.5Vの直流電圧を印加し、5分後の漏れ電流を測定した。
<実施例9>
ボタンアーク溶解法により作製したTiとZrの原子比が40:60である合金板を陽極として、0.05wt%のリン酸と50wt%のエチレングリコールと水を含む電解液を用い、室温で300Vの陽極酸化処理を2時間行った。この時に形成された酸化皮膜の膜厚を透過電子顕微鏡にて測定したところ、549nmであった。
その後、導電性高分子であるポリチオフェンの分散液を酸化皮膜の上に塗布した後、溶媒を乾燥させて、電解質層を形成した。さらに、グラファイトペーストと、銀ペーストを塗布し、硬化させることにより、陰極引き出し層を形成させ、固体電解コンデンサを得た。
得られた固体電解コンデンサについて、周波数120Hzで静電容量を測定した。また、150Vの直流電圧を印加し、5分後の漏れ電流を測定した。
<実施例10>
ボタンアーク溶解法により作製したTiとZrの原子比が40:60である合金板を陽極として、0.05wt%のリン酸と50wt%のエチレングリコールと水を含む電解液を用い、室温で500Vの陽極酸化処理を2時間行った。この時に形成された酸化皮膜の膜厚を透過電子顕微鏡にて測定したところ、915nmであった。
その後、導電性高分子であるポリチオフェンの分散液を酸化皮膜の上に塗布した後、溶媒を乾燥させて、電解質層を形成した。さらに、グラファイトペーストと、銀ペーストを塗布し、硬化させることにより、陰極引き出し層を形成させ、固体電解コンデンサを得た。
得られた固体電解コンデンサについて、周波数120Hzで静電容量を測定した。また、250Vの直流電圧を印加し、5分後の漏れ電流を測定した。
<比較例5>
ボタンアーク溶解法により作製したTiとZrの原子比が70:30である合金板を陽極として、0.05wt%のリン酸と50wt%のエチレングリコールと水を含む電解液を用い、室温で2Vの陽極酸化処理を2時間行った。この時に形成された酸化皮膜の膜厚を透過電子顕微鏡にて測定したところ、4nmであった。
その後、導電性高分子であるポリチオフェンの分散液を酸化皮膜の上に塗布した後、溶媒を乾燥させて、電解質層を形成した。さらに、グラファイトペーストと、銀ペーストを塗布し、硬化させることにより、陰極引き出し層を形成させ、固体電解コンデンサを得た。
得られた固体電解コンデンサについて、周波数120Hzで静電容量を測定した。また、1Vの直流電圧を印加し、5分後の漏れ電流を測定した。
<比較例6>
ボタンアーク溶解法により作製したTiとZrの原子比が70:30である合金板を陽極として、0.05wt%のリン酸と50wt%のエチレングリコールと水を含む電解液を用い、室温で550Vの陽極酸化処理を2時間行った。この時に形成された酸化皮膜の膜厚を透過電子顕微鏡にて測定したところ、1045nmであった。
その後、導電性高分子であるポリチオフェンの分散液を酸化皮膜の上に塗布した後、溶媒を乾燥させて、電解質層を形成した。さらに、グラファイトペーストと、銀ペーストを塗布し、硬化させることにより、陰極引き出し層を形成させ、固体電解コンデンサを得た。
得られた固体電解コンデンサについて、周波数120Hzで静電容量を測定した。また、275Vの直流電圧を印加し、5分後の漏れ電流を測定した。
<比較例7>
ボタンアーク溶解法により作製したTiとZrの原子比が40:60である合金板を陽極として、0.05wt%のリン酸と50wt%のエチレングリコールと水を含む電解液を用い、室温で2Vの陽極酸化処理を2時間行った。この時に形成された酸化皮膜の膜厚を透過電子顕微鏡にて測定したところ、4nmであった。
その後、導電性高分子であるポリチオフェンの分散液を酸化皮膜の上に塗布した後、溶媒を乾燥させて、電解質層を形成した。さらに、グラファイトペーストと、銀ペーストを塗布し、硬化させることにより、陰極引き出し層を形成させ、固体電解コンデンサを得た。
得られた固体電解コンデンサについて、周波数120Hzで静電容量を測定した。また、1Vの直流電圧を印加し、5分後の漏れ電流を測定した。
<比較例8>
ボタンアーク溶解法により作製したTiとZrの原子比が40:60である合金板を陽極として、0.05wt%のリン酸と50wt%のエチレングリコールと水を含む電解液を用い、室温で550Vの陽極酸化処理を2時間行った。この時に形成された酸化皮膜の膜厚を透過電子顕微鏡にて測定したところ、1007nmであった。
その後、導電性高分子であるポリチオフェンの分散液を酸化皮膜の上に塗布した後、溶媒を乾燥させて、電解質層を形成した。さらに、グラファイトペーストと、銀ペーストを塗布し、硬化させることにより、陰極引き出し層を形成させ、固体電解コンデンサを得た。
得られた固体電解コンデンサについて、周波数120Hzで静電容量を測定した。また、275Vの直流電圧を印加し、5分後の漏れ電流を測定した。
実施例5〜10および、比較例5〜8について、静電容量と漏れ電流をまとめると表2のようになる。実施例2及び3の結果も合わせて示す。
Figure 0006585891
表2より、酸化皮膜の膜厚が5nm以上、1000nm以下の場合には、漏れ電流が導電性高分子を電解質に用いた固体電解コンデンサの一般的な規格値である0.1μA/μFV以下となる結果であった。
1:陽極導体(TiZr合金)
2:誘電体層
3:電解質層(導電性高分子)
4:グラファイト層
5:銀層
6:導電接着剤
7:電極
8:金属リード
9:外装樹脂

Claims (2)

  1. 陽極体としてチタンとジルコニウムからなる合金と、誘電体として前記陽極体を陽極酸化して得られる酸化皮膜と、電解質として導電性高分子を含む固体電解コンデンサであって、陽極体の合金におけるチタンとジルコニウムの原子比がTi:Zrで70:30〜10:90であり、前記酸化皮膜の膜厚が5nm以上1000nm以下であることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 陽極酸化して得られる酸化皮膜の膜厚が9nm以上950nm以下である請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
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