JP2015220247A - 固体電解コンデンサおよび固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】固体電解コンデンサおよび固体電解コンデンサの製造方法を提供すること。【解決手段】 弁作用金属からなり、陽極を構成する多孔質焼結体1と、多孔質焼結体1に一部が進入した陽極ワイヤ11と、多孔質焼結体1上に形成された誘電体層と、前記誘電体層上に形成された固体電解質層と、前記固体電解質層上に形成された陰極層と、を備えた固体電解コンデンサであって、陽極ワイヤ11の進入長さLeと、x方向における多孔質焼結体1の全長Lとの比Le/Lが、0.80以上0.95以下である。【選択図】図7
Description
本発明は、固体電解コンデンサおよび固体電解コンデンサの製造方法に関する。
図23は、従来の固体電解コンデンサの一例を示している(たとえば、特許文献1参照)。同図に示された固体電解コンデンサXは、多孔質焼結体91、陽極ワイヤ91a、誘電体層92、固体電解質層93、陰極層94、封止樹脂95、陽極導通部材96および陰極導通部材97を備えている。多孔質焼結体91は、弁作用金属の微粉末の成形体が焼結されたものであり、固体電解コンデンサXの陽極を構成する。陽極ワイヤ91aは、その一部が多孔質焼結体91に進入している。誘電体層92、固体電解質層93および陰極層94は、多孔質焼結体91上に積層されている。陽極導通部材96は、陽極ワイヤ91aを介して多孔質焼結体91に導通しており、外部陽極端子を構成する。陰極導通部材97は、陰極層94に導通しており、外部陰極端子を構成する。封止樹脂95は、多孔質焼結体91、陽極ワイヤ91a、誘電体層92、固体電解質層93、陰極層94と、陽極導通部材96および陰極導通部材97の一部ずつとを覆っている。
固体電解コンデンサXは、様々な電子機器などに搭載される電子部品であり、電子機器の仕様などにより、大きさや形を種々に設定することが要求され得る。特に、多孔質焼結体91をより扁平に形成する際には、多孔質焼結体91の変形が懸念される。
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、多孔質焼結体の変形を抑制することが可能な固体電解コンデンサおよび固体電解コンデンサの製造方法を提供することをその課題とする。
本発明の第一の側面によって提供される固体電解コンデンサは、弁作用金属からなり、陽極を構成する多孔質焼結体と、前記多孔質焼結体に一部が進入した陽極ワイヤと、前記多孔質焼結体上に形成された誘電体層と、前記誘電体層上に形成された固体電解質層と、前記固体電解質層上に形成された陰極層と、を備えた固体電解コンデンサであって、前記陽極ワイヤの進入長さLeと、前記陽極ワイヤの進入方向における前記多孔質焼結体の全長Lとの比Le/Lが、0.80以上0.95以下であることを特徴としている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記進入方向に対して直角である厚さ方向における前記多孔質焼結体の厚さTと前記全長Lとの比T/Lが、0.14以上0.16以下である。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記進入方向における前記多孔質焼結体の先端と前記陽極ワイヤの先端との距離Ldと前記厚さTとの比Ld/Tが、0.3以上1.4以下である。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記陽極ワイヤの直径Dwと前記厚さTとの比Dw/Tが、0.4以上0.9以下である。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記陽極ワイヤは、前記厚さ方向において前記多孔質焼結体の中央に位置する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記多孔質焼結体は、前記厚さ方向視において矩形状である。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記多孔質焼結体は、前記進入方向に沿う二辺を有する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記陽極ワイヤは、前記進入方向および前記厚さ方向のいずれに対しても直角である幅方向において、前記多孔質焼結体の中央に位置する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記陽極ワイヤに導通し、かつその一部が外部陽極端子を構成する陽極導通部材を備える。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記陽極ワイヤと前記陽極導通部材とは、溶接により接合されている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記陽極導通部材は、一体構造とされている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記陽極導通部材は、前記陽極ワイヤに接合された中間部と、前記外部陽極端子を構成する露出部とを有する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記陰極層に導通し、かつその一部が外部陽極端子を構成する陰極導通部材を備える。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記陽極導通部材は、板状であり、その片面が前記外部陽極端子を構成している。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記外部陽極端子および前記外部陰極端子は、前記厚さ方向における同じ側を向く。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記陰極層をさらに覆う封止樹脂を有する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記露出部は、前記外部陽極端子と反対側に位置し且つ前記中間部を支持する支持面と、前記外部陽極端子と反対側に位置し且つ前記支持面よりも内方に位置する退避面と、を有し、前記退避面と前記外部陽極端子との距離は、前記支持面と前記外部陽極端子との距離より小さい。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記露出部の端部には、前記外部陽極端子から前記支持面側に凹むフィレット部が形成されている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記退避面に形成された絶縁層を更に備える。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記陰極層をさらに覆う封止樹脂を備え、前記陽極ワイヤおよび前記中間部は各々、前記封止樹脂から露出し、且つ、互いに面一である端面を有し、上記封止樹脂は、上記陽極ワイヤの端面と面一である端面を有する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記陽極ワイヤを向く第1面と前記第1面と反対側の第2面とを有する基材と、前記基材の第2面に形成され、且つ、前記陽極ワイヤと導通する実装陽極膜と、前記基材の第2面に形成され、且つ、前記固体電解質層と導通する実装陰極膜と、を更に備え、前記実装陽極膜が外部陽極端子を構成し、前記実装陰極膜が外部陰極端子を構成する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記基材の第1面に形成され、且つ、前記実装陽極膜と導通する表面陽極膜と、前記基材の第1面に形成され、且つ、前記実装陰極膜と導通する表面陰極膜とを更に備える。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記基材には、その一端に、前記第2面から前記第1面側に凹む段差部が形成されている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記前記陽極ワイヤを支持する中間部を更に備え、前記表面陽極膜は前記習慣部を支持する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記陽極ワイヤおよび前記中間部を覆う封止樹脂を更に備え、前記陽極ワイヤおよび前記中間具は各々、前記封止樹脂から露出し、且つ、互いに面一である端面を有し、前記封止樹脂は、前記陽極ワイヤの端面と面一である端面を有する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記陽極ワイヤを覆う封止樹脂を更に備え、前記陽極ワイヤは、前記封止樹脂から露出する端面を有し、前記封止樹脂、前記基材、および、前記実装陽極膜は各々、前記陽極ワイヤの端面と面一の端面を有する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記陽極ワイヤ、前記封止樹脂、前記基材、および、前記実装陽極膜の各端面を覆う側面陽極膜を更に備える。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記側面陽極膜は、メッキにより形成されている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記封止樹脂は、前記多孔質焼結体と厚さ方向が共通である扁平形状である。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記弁作用金属は、TaまたはNbである。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記陽極ワイヤは、前記多孔質焼結体の前記弁作用金属と同じ材質からなる。
本発明の第二の側面によって提供される固体電解コンデンサは、弁作用金属からなり、陽極を構成するとともに、陽極ワイヤの一部が進入した多孔質焼結体を形成する工程と、前記多孔質焼結体上に誘電体層を形成する工程と、前記誘電体層上に固体電解質層を形成する工程と、前記固体電解質層上に陰極層を形成する工程と、を備えた固体電解コンデンサの製造方法であって、前記多孔質焼結体を形成する工程においては、前記陽極ワイヤの進入長さLeと、前記陽極ワイヤの進入方向における前記多孔質焼結体の全長Lとの比Le/Lを、0.80以上0.95以下とすることを特徴としている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記多孔質焼結体を形成する工程においては、前記進入方向に対して直角である厚さ方向における前記多孔質焼結体の厚さTと前記全長Lとの比T/Lを、0.14以上0.16以下とする。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記多孔質焼結体を形成する工程においては、前記進入方向における前記多孔質焼結体の先端と前記陽極ワイヤの先端との距離Ldと前記厚さTとの比Ld/Tを、0.3以上1.4以下とする。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記多孔質焼結体を形成する工程においては、前記陽極ワイヤの直径Dwと前記厚さTとの比Dw/Tを、0.4以上0.9以下とする。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
図1〜図6は、本発明の第一実施形態に基づく固体電解コンデンサを示している。本実施形態の固体電解コンデンサA1は、多孔質焼結体1、陽極ワイヤ11、誘電体層2、固体電解質層3、陰極層4、封止樹脂5、陽極導通部材6および陰極導通部材7を備えている。固体電解コンデンサA1のサイズの一例を挙げると、x方向寸法が3.5mm程度、y方向寸法が2.8mm程度、z方向寸法が0.8mm程度である。
図1は、固体電解コンデンサをA1示す平面図である。図2は、固体電解コンデンサA1を示す正面図である。図3は、固体電解コンデンサA1を示す側面図である。図4は、図1のIV−IV線に沿う断面図である。図5は、図1のV−V線に沿う断面図である。図6は、固体電解コンデンサA1を示す要部拡大断面図である。
多孔質焼結体1は、誘電体層2に対して陽極をなすものであり、弁作用金属であるたとえばTaまたはNbなどからなる。本実施形態においては、多孔質焼結体1は、比較的扁平な直方体形状である。陽極ワイヤ11は、多孔質焼結体1の内部にその一部がx方向に進入している。陽極ワイヤ11は、たとえば弁作用金属であるたとえばTaまたはNbなどからなる。多孔質焼結体1は、その内部に微小な多数の細孔を有している。陽極ワイヤ11は、多孔質焼結体1を形成する弁作用金属と同じ弁作用金属によって形成されることが好ましい。
図7は、多孔質焼結体1および陽極ワイヤ11を示す斜視図である。図8は、図7のVIII−VIII線に沿う断面図である。本実施形態における典型的な寸法例を挙げると、多孔質焼結体1のx方向における全長Lが2.4mm程度、z方向における厚さTが0.34mm程度、y方向における幅が2.5mm程度である。陽極ワイヤ11の直径Dwは、0.2mm程度である。また、陽極ワイヤ11が多孔質焼結体1に進入している進入長さLeは、1.9mm以上2.26mm以下程度である。陽極ワイヤ11の先端11aと多孔質焼結体1の先端1aとの距離Ldは、0.11mm以上0.5mm以下程度である。なお、先端11aは、x方向において陽極ワイヤ11が進入する側における陽極ワイヤ11の先端である。また、先端1aは、x方向において陽極ワイヤ11が進入する側における多孔質焼結体1の先端である。また、本実施形態においては、陽極ワイヤ11は、z方向において多孔質焼結体1の中央に位置している。また、陽極ワイヤ11は、y方向において多孔質焼結体1の中央に位置している。
誘電体層2は、多孔質焼結体1の表面に積層されている。また、誘電体層2は、陽極ワイヤ11の一部の表面に積層され得る。多孔質焼結体1は、多数の細孔を有する構造であり、誘電体層2が覆う表面は、多孔質焼結体1の外観に表れる表面だけでなく、それぞれの細孔の内表面を含んでいる。誘電体層2は、一般的に弁作用金属の酸化物からなり、たとえば五酸化タンタルまたは五酸化ニオブなどからなる。
固体電解質層3は、誘電体層2を覆っている。固体電解質層3は、誘電体層2を挟んで多孔質焼結体1と電気的にコンデンサを構成しうるものであればよい。固体電解質層3の具体例を挙げると、図6によく表れているように、固体電解質層3は、内部電極層31および外部電極層32からなる。内部電極層31は、誘電体層2のうち、多孔質焼結体1の細孔の内表面を覆っている部分を覆っており、多孔質焼結体1の細孔を埋める形態となっている。内部電極層31は、たとえば二酸化マンガンまたは導電性ポリマーからなる。外部電極層32は、内部電極層31上に積層されており、多孔質焼結体1の外部において内部電極層31を覆う形態となっている。本実施形態においては、外部電極層32は、導電性ポリマーからなる。なお、固体電解質層3は、二酸化マンガンまたは導電性ポリマーなどの単一層によって構成されていてもよい。
陰極層4は、固体電解質層3の外部電極層32上に積層されており、陰極導通部材7との導通を図る層である。陰極層4は、適切な導電性を有するものであればその構成は特に限定されない。陰極層4の具体例を挙げると、図6に示すように、陰極層4は、下地層41および上層42からなる。下地層41は、たとえばグラファイトからなり、固体電解質層3を直接覆っている。上層42は、下地層41上に積層されており、たとえば銀からなる。
封止樹脂5は、多孔質焼結体1、陽極ワイヤ11、誘電体層2、固体電解質層3、および陰極層4を覆っており、たとえばエポキシ樹脂からなる。
陽極導通部材6は、陽極ワイヤ11に接合されており、その一部が封止樹脂5から露出している。陽極導通部材6は、たとえば銅メッキが施された、42アロイなどのNi−Fe合金からなる。陽極導通部材6のうち封止樹脂5から露出した部位は、固体電解コンデンサA1を面実装するための外部陽極端子6aとして用いられる。本実施形態においては、陽極導通部材6は、中間部61および露出部62によって構成されている。中間部61は、そのすべてが封止樹脂5に覆われており、陽極ワイヤ11に対して溶接によって接合されている。露出部62は、その一部が封止樹脂5から露出することにより外部陽極端子6aを構成しており、中間部61と接合されている。
陰極導通部材7は、たとえば銀などからなる導電性接合材71を介して陰極層4に接合されており、その一部が封止樹脂5から露出している。陰極導通部材7は、たとえば銅メッキが施された、42アロイなどのNi−Fe合金からなり、本実施形態においては、板状部材である。陰極導通部材7のうち封止樹脂5から露出した面は、固体電解コンデンサA1を面実装するための外部陰極端子7aとして用いられる。
次に、固体電解コンデンサA1の製造方法について、以下に説明する。
図9は、固体電解コンデンサA1の製造方法のフローを示している。まず、多孔質焼結体1を形成する(多孔質焼結体形成工程)。この工程においては、たとえばタンタルまたはニオブなどの弁作用金属の微粉末を用意する。次いで、弁作用金属の微粉末を陽極ワイヤ11となるワイヤ材料とともに金型に装填する。そして、この金型によって加圧成形することにより、ワイヤ材料が進入した多孔質体が得られる(多孔質体成形)。この多孔質体および前記ワイヤ材料に焼結処理を施す。この焼結処理により、弁作用金属の微粉末どうしが焼結し、多数の細孔を有する多孔質焼結体1が形成される(焼結処理)。この際、焼結処理に伴う収縮によって、多孔質体の外形よりも多孔質焼結体1の外形は小となる。この収縮を考慮して、多孔質焼結体1および陽極ワイヤ11が上述した全長L、厚さT、進入長さLe、距離Ldとなるように、多孔質体成形を行う。
次いで、誘電体層2を形成する(誘電体層形成工程)。たとえば、上記ワイヤ材料によって多孔質焼結体1を支持しながら、リン酸水溶液の化成液に多孔質焼結体1を漬ける。そして、この化成液中において、多孔質焼結体1に対して陽極酸化処理を施す。これにより、多孔質焼結体1の外表面および内表面を覆うようにたとえば五酸化タンタルまたは五酸化ニオブなどからなる誘電体層2が形成される。
次いで、固体電解質層3を形成する(固体電解質層形成工程)。固体電解質層3を形成する工程においては、まず、内部電極層31を形成する(内部電極層形成)。たとえば、多孔質焼結体1を既知の酸化剤溶液に浸漬し、引き上げる。この多孔質焼結体1を既知のモノマー溶液に浸漬し、引き上げた後に乾燥させる。これにより、化学重合反応を起こさせる。そして、必要に応じて洗浄や再化成処理を行う。これにより、導電性ポリマーからなる内部電極層31が形成される。または、モノマーおよびドーパントを含む電解質液を塗布し、電流を流すことにより導電性ポリマーからなる内部電極層31を形成する電解重合法を用いてもよい。あるいは、多孔質焼結体1を硝酸マンガン水溶液に浸漬させた後に、多孔質焼結体1を硝酸マンガン水溶液から引き揚げる。そして、硝酸マンガン水溶液が付着した多孔質焼結体1に対して焼成処理を施す。これにより、二酸化マンガンからなる内部電極層31が形成される。
次に、外部電極層32を形成する(外部電極層形成)。まず、ポリマー分散体と溶媒とを混合する。前記ポリマー分散体は、あらかじめ重合反応させた導電性ポリマー粒子であり、たとえばポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)から選ばれる1種または2種からなる重合体または共重合体が導電率の観点から好適に用いられる。さらには、ポリピリロール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)は、導電性をより向上させるとともに、耐熱性を高めることが可能である点から、より好ましい。前記溶媒は、前記ポリマー分散体を均一に分散させうるものであり、たとえば水、エタノール、有機溶剤などが適宜採用できる。これにより、分散体液が得られる。
次いで、前記分散体液を多孔質焼結体1に形成された内部電極層31に塗布する。この塗布は、多孔質焼結体1を前記分散体液に浸漬させること、あるいは、多孔質焼結体1に前記分散体液を吹き付けること、など、多孔質焼結体1の内部電極層31に適切に塗布可能な手法が採用される。次いで、塗布した前記分散体液をたとえば乾燥させることにより、前記溶媒を除去する。これにより、導電性ポリマーからなる外部電極層32が構成される。
次いで、陰極層4を形成する(陰極層形成工程)。まず、下地層41を形成する(下地層形成)。下地層41の形成は、たとえば、グラファイトと有機溶剤との溶液に多孔質焼結体1を浸漬させ、引き上げた後に乾燥あるいは焼成する。次いで、上層42を形成する(上層形成)。上層42の形成は、たとえばAgフィラーと有機溶剤との溶液に多孔質焼結体1を浸漬させ、引き上げた後に、乾燥あるいは焼成する。これにより、上層42が形成され、陰極層4が得られる。
次いで、陽極導通部材6を陽極ワイヤ11に接合する(陽極導通部材接合工程)。たとえば、中間部61となる母材と陽極ワイヤ11とを溶接する。そして、この母材を所定の大きさに切断した後に、露出部62に中間部61を接合する。これにより、陽極導通部材6が得られる。次いで、陰極導通部材7を接合する(陰極導通部材接合工程)。たとえば、板状の金属部材を銀ペーストなどの導電性接合材71によって陰極層4に接合する。そして、金型成型などにより、封止樹脂5を形成する(封止樹脂形成工程)。以上の工程を経ることにより、図1〜図6に示す固体電解コンデンサA1が得られる。
次に、固体電解コンデンサA1の作用について説明する。
多孔質焼結体1がある程度扁平な形状となると、図10に示すように、多孔質焼結体1のうち陽極ワイヤ11からx方向に突出した部分が反ってしまうことが、発明者らの研究によって明らかになった。反りがある程度以上過大であると、たとえば固体電解コンデンサA1の製造方法において、陽極ワイヤ11と中間部61とを溶接する際に、多孔質焼結体1を保持することによって多孔質焼結体1に割れなどが生じるおそれがある。
図11は、図10における反り量Cdを種々の条件で試験した結果である。横軸は、全長Lに対する進入長さLeの比Le/Lである。本実施形態においては、全長Lが2.4mm程度であり、進入長さLeが1.9mm以上2.26mm以下程度である。これにより、比Le/Lが、80%、85%、90%、95%の実施例を用意した。また、参考例として、比Le/Lが75%の多孔質焼結体1を用意した。これらの多孔質焼結体1を焼結処理によって形成した後に、それぞれの反り量Cdを測定した。厚さTが0.34mm程度である場合、反り量Cdが20μmを超えると、製造工程などにおける不具合が顕著となる。比Le/Lが75%である参考例では、反り量Cdが22μm程度となり、20μmを超えた。また、複数の参考例を作成した場合、反り量Cdのばらつきが比較的大であった。一方、比Le/Lが80%、85%、90%、95%の実施例の場合、反り量Cdは、20μmを確実に下回る結果が得られた。また、各実施例を複数作成した場合、反り量Cdのばらつきが比較的小であった。以上の結果より、比Le/Lが0.8以上0.95以下の場合に、多孔質焼結体1の変形を適切に抑制することができる。なお、比Le/Lが0.95を超えると、多孔質焼結体1のうち陽極ワイヤ11から突出する部分が薄肉となり、欠けやすいなどの欠点が顕著となり好ましくない。
上述した反りの低減効果は、全長Lに対する厚さTの比T/Lが0.14以上0.16以下である場合に、より顕著に得られることが判明した。また、厚さTに対する距離Ldの比Ld/Tが0.3以上1.4以下であることが、上述した反りの抑制効果を奏するのに好ましい条件であることが知見として得られた。
また、厚さTに対する直径Dwの比Dw/Tが0.4以上0.9以下である場合に、多孔質焼結体1の欠けを抑制しつつ、ESRの低減を図ることが可能である。
図12〜図22は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
図12に示す固体電解コンデンサA2においては、陽極導通部材6が一体的に形成されている。より具体的には、たとえば銅メッキが施された、42アロイなどのNi−Fe合金からなる金属板を折り曲げ加工することによって、陽極導通部材6が形成されている。このような実施形態によっても、多孔質焼結体1の変形を適切に抑制することができる。
図13および図14は、本発明の第三実施形態に基づく固体電解コンデンサを示している。本実施形態の固体電解コンデンサA3は、陽極導通部材6の構成が上述した実施形態と異なっている。図13は、図4と同様の断面における固体電解コンデンサA3の断面図である。図14は、図13の図中左方から見た固体電解コンデンサA3の側面図である。
露出部62は、厚肉部621と、厚肉部621よりも厚さ(z方向寸法)が薄い薄肉部622とを含む。厚肉部621にて外部陽極端子6aと反対側に位置する面は、中間部61を支持する支持面624となっている。支持面624は、外部陽極端子6aと平行である。厚肉部621のx方向図中左端の部分には、外部陽極端子6aから支持面624側に凹むフィレット部621aが形成されている。これにより、外部陽極端子6aと回路基板S1aとを接着するハンダ89の一部は、ハンダフィレットとして形成される。
薄肉部622は、露出部62が導電層16ないし固体電解質層3や陰極層4に接触するのを防止するために形成されている。薄肉部622にて外部陽極端子6aと反対側に位置する面は、退避面625となっている。退避面625は、外部陽極端子6aと平行である。退避面625は、露出部62において、x方向における右端側に位置している。退避面625は薄肉部622におけるものであるから、退避面625と外部陽極端子6aとの距離は、支持面624と外部陽極端子6aとの距離よりも小さい。退避面625は、必ずしも外部陽極端子6aと平行である必要はなく、支持面624からx方向図中右方に向かうにつれて、徐々に外部陽極端子6aに接近する面であってもよい。本実施形態では、退避面625は、支持面624と起立面626を介してつながっている。起立面626は、退避面625に対し垂直である面であり、退避面625から支持面624に延びる。
図14に示すように、露出部62は、封止樹脂5からx方向に露出している。フィレット部621aのy方向寸法は、露出部62のy方向寸法よりも小である。フィレット部621aは、y方向において露出部62の略中央に位置している。
陰極導通部材7は、陰極層4および導電性接合材71を介して固体電解質層3と導通している。陰極導通部材7は、厚肉部721と、厚肉部721よりも厚さ(z方向寸法)が薄い薄肉部722とを含む。陰極導通部材7の一部は、封止樹脂5から露出している。陰極導通部材7において封止樹脂5から露出している面は、固体電解コンデンサA1を回路基板S1aに実装するための外部陰極端子7aとなっている。外部陰極端子7aがハンダ89によって回路基板S1aに対し接着されることにより、固体電解コンデンサA1は回路基板S1aに対し実装される。外部陰極端子7aの面積と外部陽極端子6aの面積とが同一であるならば、セルフアライメントに効果的である。陰極導通部材7のx方向図中右端には、露出部62と同様に、フィレット部721aが形成されている。陰極導通部材7にて外部陰極端子7aと反対側に位置する面は、等価直列抵抗(ESR)を向上させる観点から、大きい方が好ましい。
図15および図16は、本発明の第四実施形態に基づく固体電解コンデンサを示す断面図である。本実施形態の固体電解コンデンサA4は、陽極ワイヤ11および中間部61が封止樹脂5から露出している点において、固体電解コンデンサA3と相違する。陽極ワイヤ11の端面11b、中間部61の端面61a、および封止樹脂5の端面5aは、面一となっている。このような固体電解コンデンサA4は、切断線CL1に沿って切断されることにより製造されたものである。
図17は、本発明の第五実施形態に基づく固体電解コンデンサを示す断面図である。同図に示す固体電解コンデンサA5は、退避面625および起立面626に形成された絶縁層628を更に備えている点において、固体電解コンデンサA3と相違する。このような構成によると、露出部62が固体電解質層3や陰極層4と接触し導通することを、防止することができる。絶縁層628を備える構成は、上述の固体電解コンデンサA4にも適用できる。
図18および図19は、本発明の第六実施形態に基づく固体電解コンデンサを示している。本実施形態の固体電解コンデンサA6は、中間部61を備えておらず、且つ、陽極導通部材6と陰極導通部材7との断面がL字状である点において、固体電解コンデンサA1〜A7と主に相違する。
陽極ワイヤ11は、封止樹脂5から露出している。陽極ワイヤ11は、封止樹脂5から露出している端面11bを有する。
陽極導通部材6は、外部陽極端子6aと端面6bとを有する。外部陽極端子6aおよび端面6bは封止樹脂5から露出している。外部陽極端子6aは矩形状を呈する。図19に示すように、本実施形態において端面6bは、台形状部分を有する。端面6bは、陽極ワイヤ11の端面11bと面一となっている。陽極導通部材6は、表面にメッキが施された一つの板状部材を折り曲げ成形されている。そのため、外部陽極端子6aおよび端面6bにはいずれも、メッキが施されている。これにより、固体電解コンデンサA6が回路基板S1aに実装される際には、外部陽極端子6aのみならず端面6bにも、回路基板S1aと接着するためのハンダ89を付着させることができる。したがって、このような構成によれば、視認性の高いハンダフィレットを形成することができる。
陰極導通部材7は、外部陰極端子7aと端面7bとを有する。外部陰極端子7aおよび端面7bは封止樹脂5から露出している。外部陰極端子7aおよび端面7bは矩形状を呈する。陰極導通部材7は、陽極導通部材6と同様に、一つの板状部材を折り曲げ成形されている。そのため、外部陰極端子7aおよび端面7bにはいずれも、銅などのメッキが施されている。これにより、固体電解コンデンサA6が回路基板S1aに実装される際には、外部陰極端子7aのみならず端面7bにも、回路基板S1aと接着するためのハンダ89を付着させることができる。したがって、このような構成によれば、視認性の高いハンダフィレットを形成することができる。
図20は、本発明の第七実施形態に基づく固体電解コンデンサを示す断面図である。同図に示す固体電解コンデンサA7は、陽極導通部材6および陰極導通部材7の形状が、固体電解コンデンサA6と相違する。
本実施形態においても、陽極導通部材6は陽極ワイヤ11に接合している。陽極導通部材6は、外部陽極端子6aと、露出面6b,6cと、端面6dとを有する。外部陽極端子6aは、x方向に沿って延びている。露出面6bは、外部陽極端子6aとつながり、x方向を向いている。露出面6cは、露出面6bとつながり、x方向を向いている。端面6dは、露出面6cとつながり、陽極ワイヤ11の端面11bと面一となっている。陰極導通部材7も陽極導通部材6と同一形状であり、外部陰極端子7aと、露出面7b,7cと、端面7dとを有する。
このような固体電解コンデンサA7は、切断線CLに沿って切断されることにより製造されたものである。また、陽極導通部材6は、一つの板状部材を折り曲げ成形されている。そのため、外部陽極端子6a、露出面6b,6cにはいずれも、銅などのメッキが施されている。これにより、固体電解コンデンサA7が回路基板S1aに実装される際には、外部陽極端子6aのみならず露出面6b,6cにも、回路基板S1aと接着するためのハンダ89を付着させることができる。したがって、このような構成によれば、陽極導通部材6に、視認性の高いハンダフィレットを形成することができる。同様の理由により、陰極導通部材7にも視認性の高いハンダフィレットを形成することができる。
図21は、本発明の第八実施形態にかかる固体電解コンデンサを示す断面図である。
同図に示す固体電解コンデンサA8は、露出部62、および陰極導通部材7を備えておらず、プリント基板8を備えている点において、上述したいずれの実施形態とも相違する。
プリント基板8は、基材81と、表面陽極膜82と、表面陰極膜83と、実装陽極膜84と、実装陰極膜85と、スルーホール電極86,87とを含む。
基材81は、たとえばガラスエポキシ樹脂よりなる。基材81は、陽極ワイヤ11を向く第1面811と、第1面811と反対側の第2面812とを有する。基材81には、段差部817が形成されている。段差部817は、第2面812のx方向における端部において、第2面812から第1面811側に凹む形状である。
表面陽極膜82、表面陰極膜83、実装陽極膜84、および実装陰極膜85を構成する材料は、たとえばCu、Au、Ag、Al、Niなどの導電性材料から適宜選択される。
表面陽極膜82および表面陰極膜83はいずれも、第1面811に形成されている。本実施形態において、表面陽極膜82は中間部61を支持している。これにより表面陽極膜82は、中間部61を介して、陽極ワイヤ11と導通している。
表面陰極膜83は、導電性接合材71により陰極層4と接着されている。これにより、表面陰極膜83は、導電性接合材71を介して、陰極層4や固体電解質層3と導通している。表面陰極膜83は、第1面811の大部分を占めている。これは、等価直列抵抗(ESR)を向上させるのに適している。
実装陽極膜84および実装陰極膜85は、第2面812に形成されている。実装陽極膜84は、基材81に形成されたスルーホール電極86を介して、表面陽極膜82と導通している。これにより、実装陽極膜84は、陽極ワイヤ11と導通している。実装陰極膜85は、基材81に形成されたスルーホール電極87を介して、表面陰極膜83と導通している。これにより、実装陰極膜85は、陰極層4や固体電解質層3と導通している。実装陽極膜84の図中下面は、外部陽極端子6aとされており、実装陰極膜85の図中下面は、外部陰極端子7aとされている。外部陽極端子6aおよび外部陰極端子7aがハンダ89によって回路基板S1aに対し接着されることにより、固体電解コンデンサA8は回路基板S1aに対し実装される。
固体電解コンデンサA8を回路基板S1aに実装する際には、基材81にハンダ89は付着せず、ハンダ89は、実装陽極膜84や実装陰極膜85に付着するのみである。また、基材81には、段差部817が形成されている。そのため、固体電解コンデンサA8によると、x方向において基材81や封止樹脂5と重なる領域に、ハンダフィレットを形成することができる。これにより、固体電解コンデンサA8の実装密度を向上させることが可能となる。
図22は、本発明の第九実施形態に基づく固体電解コンデンサを示す断面図である。同図に示す固体電解コンデンサA9は、基材81と、実装陽極膜84と、実装陰極膜85と、側面陽極膜88aと、側面陰極膜88bとを備える。
基材81は、たとえばガラスエポキシ樹脂よりなる。基材81の厚さは、たとえば50μmである。基材81にはスルーホール電極が形成されていない。基材81は、陽極ワイヤ11を向く第1面811と、第1面811と反対側の第2面812とを有する。第1面811は、導電性接合材71によって、陰極層4と接着されている。
実装陽極膜84および実装陰極膜85はいずれも第2面812に形成されている。実装陽極膜84および実装陰極膜85を構成する材料は、たとえばCu、Au、Ag、Al、Niなどの導電性材料から適宜選択される。実装陽極膜84の図中下面は、外部陽極端子6aとされており、実装陰極膜85の図中下面は、外部陰極端子7aとされている。
陽極ワイヤ11の端面11b、封止樹脂5の端面5a、基材81の端面81a、および、実装陽極膜84の端面84aは、面一となっている。同様に、封止樹脂5の端面5b、導電性接合材71の端面71b、基材81の端面81b、および、実装陰極膜85の端面85bは、面一となっている。
側面陽極膜88aは、たとえばAuまたはNiなどのめっきが施されたCuなどの金属からなり、端面11b,5a,81a,84aを覆っている。側面陽極膜88aは、陽極ワイヤ11および実装陽極膜84のいずれとも接している。これにより、側面陽極膜88aを介して、実装陽極膜84が陽極ワイヤ11と導通している。
側面陰極膜88bは、たとえばAuまたはNiなどのめっきが施されたCuなどの金属からなり、端面5b,71b,81b,85bを覆っている。側面陰極膜88bは、導電性接合材71および実装陰極膜85のいずれとも接している。これにより、側面陰極膜88bおよび導電性接合材71を介して、実装陰極膜85が陰極層4や固体電解質層3と導通している。
このような実施形態によれば、固体電解コンデンサA9のz方向寸法を縮小することができる。また、固体電解コンデンサA9を実装基板に実装する際には、実装陽極膜84および実装陰極膜85に加えて、側面陽極膜88aおよび側面陰極膜88bにはんだが付着することが期待される。これにより、固体電解コンデンサA9の実装強度を高めることができる。
本発明に係る固体電解コンデンサおよび固体電解コンデンサの製造方法は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る固体電解コンデンサおよび固体電解コンデンサの製造方法の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
A1〜A9 固体電解コンデンサ
1 多孔質焼結体
1a 先端
11 陽極ワイヤ
11a 先端
11b 端面
2 誘電体層
3 固体電解質層
31 内部電極層
32 外部電極層
4 陰極層
41 下地層
42 上層
5 封止樹脂
5a,5b 端面
6 陽極導通部材
6a 外部陽極端子
6b,6c 露出面
6d 端面
61 中間部
61a 端面
62 露出部
621 厚肉部
622 薄肉部
621a フィレット部
625 退避面
626 起立面
628 絶縁層
7 陰極導通部材
7a 外部陰極端子
7b,7c 露出面
7d 端面
71 導電性接合材
71b 端面
721 厚肉部
722 薄肉部
721a フィレット部
8 プリント基板
81 基材
811 第1面
812 第2面
817 段差部
82 表面陽極膜
83 表面陰極膜
84 実装陽極膜
85 実装陰極膜
86,87 スルーホール電極
88a 側面陽極膜
88b 側面陰極膜
L 全長
Le 進入長さ
T 厚さ
Ld 距離
Dw 直径
1 多孔質焼結体
1a 先端
11 陽極ワイヤ
11a 先端
11b 端面
2 誘電体層
3 固体電解質層
31 内部電極層
32 外部電極層
4 陰極層
41 下地層
42 上層
5 封止樹脂
5a,5b 端面
6 陽極導通部材
6a 外部陽極端子
6b,6c 露出面
6d 端面
61 中間部
61a 端面
62 露出部
621 厚肉部
622 薄肉部
621a フィレット部
625 退避面
626 起立面
628 絶縁層
7 陰極導通部材
7a 外部陰極端子
7b,7c 露出面
7d 端面
71 導電性接合材
71b 端面
721 厚肉部
722 薄肉部
721a フィレット部
8 プリント基板
81 基材
811 第1面
812 第2面
817 段差部
82 表面陽極膜
83 表面陰極膜
84 実装陽極膜
85 実装陰極膜
86,87 スルーホール電極
88a 側面陽極膜
88b 側面陰極膜
L 全長
Le 進入長さ
T 厚さ
Ld 距離
Dw 直径
Claims (34)
- 弁作用金属からなり、陽極を構成する多孔質焼結体と、
前記多孔質焼結体に一部が進入した陽極ワイヤと、
前記多孔質焼結体上に形成された誘電体層と、
前記誘電体層上に形成された固体電解質層と、
前記固体電解質層上に形成された陰極層と、を備えた固体電解コンデンサであって、
前記陽極ワイヤの進入長さLeと、前記陽極ワイヤの進入方向における前記多孔質焼結体の全長Lとの比Le/Lが、0.80以上0.95以下であることを特徴とする、固体電解コンデンサ。 - 前記進入方向に対して直角である厚さ方向における前記多孔質焼結体の厚さTと前記全長Lとの比T/Lが、0.14以上0.16以下である、請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記進入方向における前記多孔質焼結体の先端と前記陽極ワイヤの先端との距離Ldと前記厚さTとの比Ld/Tが、0.3以上1.4以下である、請求項1または2に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記陽極ワイヤの直径Dwと前記厚さTとの比Dw/Tが、0.4以上0.9以下である、請求項1ないし3のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
- 前記陽極ワイヤは、前記厚さ方向において前記多孔質焼結体の中央に位置する、請求項1ないし4のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
- 前記多孔質焼結体は、前記厚さ方向視において矩形状である、請求項1ないし5のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
- 前記多孔質焼結体は、前記進入方向に沿う二辺を有する、請求項6に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記陽極ワイヤは、前記進入方向および前記厚さ方向のいずれに対しても直角である幅方向において、前記多孔質焼結体の中央に位置する、請求項7に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記陽極ワイヤに導通し、かつその一部が外部陽極端子を構成する陽極導通部材を備える、請求項1ないし8のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
- 前記陽極ワイヤと前記陽極導通部材とは、溶接により接合されている、請求項9に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記陽極導通部材は、一体構造とされている、請求項10に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記陽極導通部材は、前記陽極ワイヤに接合された中間部と、前記外部陽極端子を構成する露出部とを有する、請求項10に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記陰極層に導通し、かつその一部が外部陽極端子を構成する陰極導通部材を備える、請求項9ないし12のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
- 前記陽極導通部材は、板状であり、その片面が前記外部陽極端子を構成している、請求項13に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記外部陽極端子および前記外部陰極端子は、前記厚さ方向における同じ側を向く、請求項13または14に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記露出部は、前記外部陽極端子と反対側に位置し且つ前記中間部を支持する支持面と、前記外部陽極端子と反対側に位置し且つ前記支持面よりも内方に位置する退避面と、を有し、
前記退避面と前記外部陽極端子との距離は、前記支持面と前記外部陽極端子との距離より小さい、請求項12に記載の固体電解コンデンサ。 - 前記露出部の端部には、前記外部陽極端子から前記支持面側に凹むフィレット部が形成されている、請求項15に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記退避面に形成された絶縁層を更に備える、請求項16または17に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記陰極層をさらに覆う封止樹脂を備え、
前記陽極ワイヤおよび前記中間部は各々、前記封止樹脂から露出し、且つ、互いに面一である端面を有し、
上記封止樹脂は、上記陽極ワイヤの端面と面一である端面を有する、請求項16ないし18のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。 - 前記陽極ワイヤを向く第1面と前記第1面と反対側の第2面とを有する基材と、
前記基材の第2面に形成され、且つ、前記陽極ワイヤと導通する実装陽極膜と、
前記基材の第2面に形成され、且つ、前記固体電解質層と導通する実装陰極膜と、を更に備え、
前記実装陽極膜が外部陽極端子を構成し、
前記実装陰極膜が外部陰極端子を構成する、請求項1ないし8のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。 - 前記基材の第1面に形成され、且つ、前記実装陽極膜と導通する表面陽極膜と、
前記基材の第1面に形成され、且つ、前記実装陰極膜と導通する表面陰極膜とを更に備える、請求項20に記載の固体電解コンデンサ。 - 前記基材には、その一端に、前記第2面から前記第1面側に凹む段差部が形成されている、請求項21に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記前記陽極ワイヤを支持する中間部を更に備え、
前記表面陽極膜は前記習慣部を支持する、請求項21または22に記載の固体電解コンデンサ。 - 前記陽極ワイヤおよび前記中間部を覆う封止樹脂を更に備え、
前記陽極ワイヤおよび前記中間具は各々、前記封止樹脂から露出し、且つ、互いに面一である端面を有し、
前記封止樹脂は、前記陽極ワイヤの端面と面一である端面を有する、請求項23に記載の固体電解コンデンサ。 - 前記陽極ワイヤを覆う封止樹脂を更に備え、
前記陽極ワイヤは、前記封止樹脂から露出する端面を有し、
前記封止樹脂、前記基材、および、前記実装陽極膜は各々、前記陽極ワイヤの端面と面一の端面を有する、請求項20に記載の固体電解コンデンサ。 - 前記陽極ワイヤ、前記封止樹脂、前記基材、および、前記実装陽極膜の各端面を覆う側面陽極膜を更に備える、請求項25に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記側面陽極膜は、メッキにより形成されている、請求項26に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記封止樹脂は、前記多孔質焼結体と厚さ方向が共通である扁平形状である、請求項24ないし27のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
- 前記弁作用金属は、TaまたはNbである、請求項1ないし28のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
- 前記陽極ワイヤは、前記多孔質焼結体の前記弁作用金属と同じ材質からなる、請求項29に記載の固体電解コンデンサ。
- 弁作用金属からなり、陽極を構成するとともに、陽極ワイヤの一部が進入した多孔質焼結体を形成する工程と、
前記多孔質焼結体上に誘電体層を形成する工程と、
前記誘電体層上に固体電解質層を形成する工程と、
前記固体電解質層上に陰極層を形成する工程と、を備えた固体電解コンデンサの製造方法であって、
前記多孔質焼結体を形成する工程においては、前記陽極ワイヤの進入長さLeと、前記陽極ワイヤの進入方向における前記多孔質焼結体の全長Lとの比Le/Lを、0.80以上0.95以下とすることを特徴とする、固体電解コンデンサの製造方法。 - 前記多孔質焼結体を形成する工程においては、前記進入方向に対して直角である厚さ方向における前記多孔質焼結体の厚さTと前記全長Lとの比T/Lを、0.14以上0.16以下とする、請求項31に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
- 前記多孔質焼結体を形成する工程においては、前記進入方向における前記多孔質焼結体の先端と前記陽極ワイヤの先端との距離Ldと前記厚さTとの比Ld/Tを、0.3以上
1.4以下とする、請求項31または32に記載の固体電解コンデンサの製造方法。 - 前記多孔質焼結体を形成する工程においては、前記陽極ワイヤの直径Dwと前記厚さTとの比Dw/Tを、0.4以上0.9以下とする、請求項31ないし33のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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---|---|---|---|---|
JP2017191884A (ja) * | 2016-04-14 | 2017-10-19 | 株式会社トーキン | 固体電解コンデンサ、および固体電解コンデンサの製造方法 |
JP2019504487A (ja) * | 2015-12-18 | 2019-02-14 | ケメット エレクトロニクス コーポレーション | コンデンサ及び封止材厚さ規制用薄膜を用いた製造方法 |
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-
2014
- 2014-05-14 JP JP2014100410A patent/JP2015220247A/ja active Pending
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