JP5958005B2 - 自動車のフロントサブフレーム構造 - Google Patents
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Description
そして、下記特許文献2では、エンジンを支持するエンジンマウントブラケットが、車幅方向に延びるU字状パイプ材後部の上方(上面)に取付けられている。
このように、上記特許文献1に開示された従来構造は、パワートレイン用マウントをコンパクトに配設するという点でさらなる改善の余地があった。
そして、クロスメンバに沿って荷重を伝達する車幅方向荷重伝達経路と、クロスメンバを介して傾斜メンバに平面視で略X字状に荷重を伝達する傾斜方向荷重伝達経路とを避けるようにして、パワートレイン用マウントをクロスメンバに配設することができる。これにより、上記荷重の影響がパワートレイン用マウントに及ぶことを防止しつつ、これをコンパクトに配設することができる。
上記構成によれば、アーム支持部とクロスメンバの少なくとも一部とが前後同一位置に配設されることになる。この場合、アーム支持部から入力した荷重を、上記車幅方向荷重伝達経路によって車幅方向に伝達することができるため、結果として、通常時における車幅方向剛性を高めることができる。
上記構成によれば、アーム支持部をクロスメンバの中央部より前方に配設しても、クロスメンバの前縁に沿った車幅方向荷重伝達経路と、クロスメンバにおける傾斜方向荷重伝達経路とを、斜め外側前方に延設された左右端部によって確保することができる。このため、クロスメンバの中央部をアーム支持部よりも相対的に後方に配設することが可能になり、クロスメンバを後方に配設することで、パワートレインの配設スペース拡大を図ることができる。
要するに、クロスメンバにおける荷重伝達剛性を高めつつ、パワートレインの配設スペース拡大を図ることができるものである。
上記構成によれば、傾斜方向荷重を、サイドメンバを介することなく車体側に直接伝達することができるため、上記傾斜方向荷重の車体への伝達剛性を高めることができる。
上記構成によれば、クロスメンバの傾斜方向荷重を、内部隔壁を介して傾斜メンバへ略X字状に円滑に伝達することができる。
上記構成によれば、クロスメンバの傾斜方向荷重を、縦壁部を介して傾斜メンバへ略X字状に円滑に伝達することができる。
上記構成によれば、荷重伝達経路以外の部位を開口の形成によって省略することができるため、フロントサブフレームの軽量化を図ることができる。
また、フロントサブフレームの表面積を縮小することができるため、フロントサブフレームにおける騒音、振動を低減することができる。
上記構成によれば、開口部が、車幅方向荷重の集中するクロスメンバの前縁から上下方向に離間して配設されているので、クロスメンバの前面においてその一部を開口部で寸断することなく、車幅方向荷重を伝達することができる。従って、クロスメンバの車幅方向荷重に対する荷重伝達剛性向上と前後方向のコンパクト化とを両立する上で好ましい構成となる。
上記構成によれば、車幅方向荷重の一部をバイパス経路にも伝達させることにより、これを開口部の上下に分散することができる。この場合、開口部とクロスメンバの前縁との間の部位にかかる負荷を軽減することができるため、結果として、クロスメンバの車幅方向荷重に対する荷重伝達剛性を高めることができる。
図1は自動車のフロントサブフレーム構造を示す側面図、図2は図1の底面図であり、図1において、エンジンルームと車室とを前後方向に仕切るダッシュロアパネル1(ダッシュパネル)を設け、このダッシュロアパネル1の下部後端には、フロアパネル2を一体または一体的に接合固定している。
上述のフロアパネル2は、車室の底面を形成するパネル部材で、ダッシュロアパネル1の下部後端から後方に向けて略水平に延びると共に、フロアパネル2の車幅方向中央には車室内ヘ突出して車両の前後方向に延びるトンネル部3(フロアトンネル)が一体または一体的に形成されている。
上述のフロアパネル2の左右両サイドにはサイドシル5,5を接合固定している。
このサイドシル5と、上述のトンネルメンバ4との車幅方向の中間部には、フロアフレーム6を設けている。
このフロアフレーム6は断面ハット形状に形成され車両の前後方向に延びるフレームであって、該フロアフレーム6をフロアパネル2の下面に接合固定して、フロアパネル2とフロアフレーム6との間には、車両の前後方向に延びる閉断面が形成されている。
このフロントサイドフレーム7の後部には、ダッシュロアパネル1の前面部および下面部に沿うキックアップ部7aが一体形成されると共に、該フロントサイドフレーム7と上述のフロアフレーム6とが車両の前後方向に連続するように形成されている。
なお、図2において、12はサスタワー、13はエプロンレイン、14は左右一対のトンネルメンバ4,4を車幅方向に連結する板状のトンネルクロスメンバである。
図1,図2に示すように、車体の前部に設けられた左右一対のフロントサイドフレーム7,7の下側には、図3〜図6で示すサブフレーム20を架設している。
前後のサイドメンバ21F,21R間(サイドメンバの中間部)から上方に延設されて図1,図2で示した左右のフロントサイドフレーム7,7にそれぞれ連結される左右の車体取付け部22(いわゆる「ツノ部材」であり、以下単にタワー部と略記する)と、
前側のサイドメンバ21F,21F間に車幅方向に向けて架設されたフロントクロスメンバ23(いわゆるNo.0クロスメンバ)と、
後側のサイドメンバ21Rの前部間に車幅方向に向けて架設されたセンタクロスメンバ24と、
該センタクロスメンバ24の後部車幅方向中間部と後側のサイドメンバ21Rの後端部との間に、平面視で略V字状に架設された傾斜メンバ25(いわゆるV字ブレース)と、
後側のサイドメンバ21Rの後端と対応する傾斜メンバ25の左右の後部間に車幅方向に延びるように架設されたリヤクロスメンバ26と、
を備えている。
つまり、サブフレーム20は片側4点、左右両側で計8点にて車体にマウントされたものである。
また、後側のサイドメンバ21Rは金属丸パイプで形成されており、該サイドメンバ21Rには車両の前後方向に延びる閉断面が形成されている。
さらに、上述のフロントクロスメンバ23は金属角パイプを加工して形成されており、該フロントクロスメンバ23には車幅方向に延びる閉断面が形成されている。
上述の前側のサイドメンバ21Fの前端部には、図1,図2に示すようにフランジ28,29を介してサブクラッシュカン30が取付けられている。このサイドメンバ21F前端のサブクラッシュカン30、および、前述のフロントサイドフレーム7前端のクラッシュカン10は何れも衝撃吸収部材である。
上述のセンタクロスメンバ24は、左右のサイドメンバ21Rを連結すると共に、断面略ハット形状のセンタクロスメンバアッパ24aと、下側に位置するセンタクロスメンバロア24bとを接合固定して、車幅方向に延びる閉断面24c(図8参照)を形成したものである。そして、該センタクロスメンバ24の車幅方向中央前面には、後述するパワートレインマウント50用の開口部24dを形成すると共に、この開口部24dと対応して上述のセンタクロスメンバアッパ24a、センタクロスメンバロア24bには、センタクロスメンバ24の車幅方向中央部において左右側部の後縁より車両後方に膨出する膨出部24e,24eを一体形成し、これら上下の膨出部24e,24e間に、傾斜メンバ25の前部中央を連結している(図1参照)。
そして、センタクロスメンバ24と傾斜メンバ25とサイドメンバ21Rとの間には、左右一対の開口Sが形成されている。
そして、この実施例では、センタクロスメンバ24の前縁よりも後方で、かつ傾斜メンバ25よりも前方に、パワートレインマウント50用のマウント取付け部51が配設されており、このマウント取付け部51が膨出部24e,24eにより構成されている。
上述の傾斜メンバ25は、フロントクロスメンバ23よりも後方(車室側)で車幅方向に延設されることにより、車室側クロスメンバを構成しており、リヤマウントパイプM4,M4を介して車体に支持されている。
また、傾斜メンバ25は、金属角パイプを加工して形成された閉断面構造部材であって、該傾斜メンバ25は、図3〜図6に示すように、前側に位置して車幅方向に延びる中央部25aと、この中央部25aに向かって車幅方向内方かつ前方(車室と反対側の前後方向外側)に延びる傾斜部25bと、傾斜部25bの後端から車幅方向外方に延びる後部25cとを一体形成したものである。
そして、傾斜メンバ25がサイドメンバ21Rに連結される接続部から車幅方向外側に離間した位置には上述したリヤマウントパイプM4が配設され、上記接続部と反対側の位置には、上述したマウントポイントM3が設定されている。
また、該サイドメンバ21Rと傾斜メンバ25の後部25cとの間には、ロアアーム40(図5参照)の後側を上側、下側からそれぞれ支持する上下のロアアームブラケット32,33が取付けられており、いずれもリヤマウントパイプM4よりも前方に離間した位置に配設されている。これら上下のロアアームブラケット32,33にはビード等の凹凸部が一体形成されていて、該ロアアームブラケット32,33それ自体の剛性が高められている。
リヤクロスメンバ26には、その車幅方向両端部にて上述したマウントポイントM3,M3が設定されている。
この実施例では、上述の閉断面22cは斜め上方かつ車外側に延びており、斜め上方かつ車外側に延びる閉断面22cの下部部位には、ロアアーム40(図5参照)の前側を支持する前後のロアアーム支持部22d,22e(図4参照)が設けられると共に、その下端の下面部22fが図7に示すようにセンタクロスメンバ24のセンタクロスメンバロア24bに連結されており、この構成により、ロアアーム40からの入力荷重(特に、車両旋回時等における横荷重)をフロントサイドフレーム7に分散すると共に、該入力荷重をセンタクロスメンバ24に円滑に伝達して、荷重分散を図るように構成している。ここで、上述の前後のロアアーム支持部22d,22eはマウントブラケットロア22bに対して下方に突出すべく隆起形成されていて、この隆起構造により、ロアアーム支持部22d,22eそれ自体の強度が高められている。
換言すれば、前後の各サイドメンバ21F,21Rはタワー部22の閉断面構造の略ボックス形状部を介して、車両の前後方向に連続するように構成されたものである。
さらに、図6,図7,図8に示すように、タワー部22のロアアーム支持部22d,22eは、その閉断面22cが略前後に分岐して、前側支持部22dと後側支持部22eとが形成されており、上述の閉断面22cそれ自体でロアアーム支持部22d,22eの剛性を高め、これにより、ロアアーム40の支持剛性向上を図るように構成している。
スタビライザは、周知のように、ねじり剛性の抵抗により片輪のみのバンプ、リバウンド時にロール角を抑制するものである。
ここで、上述のスタビライザ取付け用のブッシュ45には、図8と同様にボルト、ナット等の締結部材を用いて、スタビライザ支持ブラケット36,37の後部が取付けられている(図5参照)。
そして、傾斜メンバ25では、傾斜部25bが、平面視で後側のリヤマウントパイプM4から車幅方向の反対側のロアアーム支持部22d,22eに向かって延設されている。
この構成により、車幅方向および傾斜方向の荷重伝達経路を確保するように構成している。
逆に、左側のロアアーム支持部22dから荷重が入力されると、図3,図4に点線矢印β1で示すように、該荷重を延長部22jからセンタクロスメンバ24に伝達した後に、その一部を、図3,図4の点線矢印β2で示すように、センタクロスメンバ24の前縁に沿って車幅方向に伝達させと同時に、点線矢印β3で示すように、該センタクロスメンバ24から傾斜メンバ25の右側の傾斜部25bにも分岐して伝達させることができる。
これにより、左右のロアアーム支持部22d,22eからの荷重伝達経路が、センタクロスメンバ24に沿って伝達する車幅方向荷重伝達経路(矢印α2,β2)と、センタクロスメンバ24を介して傾斜メンバ25を平面視で略X字状に伝達する傾斜方向荷重伝達経路(矢印α3,β3)とを確保することができる。
この実施例では、上記荷重伝達経路を避けるようにして、上記低応力部にマウント取付け部51を配設している。これにより、上記荷重の影響が、パワートレインPTの後面中央部に設けられたパワートレインマウント50に及ぶことを防止しつつ、これをセンタクロスメンバ24にコンパクトに配設することが可能になっており、これによって、パワートレインPTのレイアウト性を確保している。
さらに、センタクロスメンバ24の前面には、車幅方向に延びて上記前縁をバイパスするバイパス経路24gが、開口部24dを挟んで上記前縁の反対側に配設されている。
一方、傾斜方向荷重は、図3に実線矢印α31、点線矢印β31で示すように、膨出部24eの縦壁部24e1,24e1を介して傾斜メンバ25に伝達されると同時に、一部が、図10に実線矢印α32、破線矢印β32で示すように、内部隔壁52,52を介して傾斜メンバ25に伝達される。
また、パワートレインPTの後部には、リンク55が取付けられており、このリンク55が開口部24dに挿通され、マウント取付け部51内部のパワートレインマウント50に連結されることで、パワートレインPTの後部がサブフレーム20に支持されている。
すなわち、タワー部22はマウントブラケットアッパ22aに一体形成された上壁22kおよび前後の縦壁22m,22mと、マウントブラケットロア22bに一体形成された下壁22nとを独立的に備えており、例えば、特開2011−162159号公報と同様、上壁22kおよび縦壁22m,22mをセンタマウントパイプM2に溶接する一方で、下壁22nはセンタマウントパイプM2を非溶接となし、さらに前後の縦壁22m,22mの基部上下に切欠き部22p,22qを設け、車両の前突時にセンタマウントパイプM2を車体に残してサブフレーム20の車体取付け部(タワー部22)が離脱可能となるように構成して、パワートレインPTの後退を許容可能に構成している。
そして、サブフレーム20では、下側のロアアームブラケット33の他端が傾斜メンバ25の後部25c(リヤマウントパイプM4)の下部と連結されていることにより、上記衝突荷重が、フロントサイドフレーム7、サイドメンバ21F,21R、およびロアアームブラケット33を介して、図11に実線矢印γに示すように、後部25c(リヤマウントパイプM4)の下部に入力される。
この時、上側のロアアームブラケット32の他端(屈曲部25c´)では、これがリヤマウントパイプM4から離間していることにより、入力される衝突荷重は、リヤマウントパイプM4の下部よりも小さくなる。
この実施例では、上記衝突荷重がリヤマウントパイプM4の下部に偏って入力されることにより、リヤマウントパイプM4の下部に応力が集中して、図11に実線矢印δに示すように、リヤマウントパイプM4の下部を後方に変位させる捩りモーメントが発生し、この捩りモーメントの作用によって、図11に二点鎖線で示すように、後部25cを捩るようになっている。そして、この後部25cの捩れにより、フロントサイドフレーム7からリヤマウントパイプM4を離脱させることが可能になっている。
そして、さらに衝突荷重が入力されると、傾斜メンバ25の傾斜部25b全体が、図11に実線矢印ζに示すように、リヤマウントパイプM4を中心にして後方かつ車幅方向内方に向かって回動するように変形する。この時、サイドメンバ21Rとの接続部が後方に変位することになるため、サイドメンバ21R,21Fの相対変位がより促進される。
そして、下壁22nとセンタマウントパイプM2とを非溶接となすことによって、センタマウントパイプM2の下部が、側部、前部および後部よりも低剛性に設定されているので、タワー部22の一部に応力が集中して、センタマウントパイプM2とタワー部22との接合が外れる。
また、センタマウントパイプM2や、センタマウントパイプM2とタワー部22とを締結する締結部材の一部に脆弱部(切欠き、薄肉部等)を設け、この脆弱部と起点した変形、破損によってタワー部22を離脱させるようにしてもよい。この場合、センタマウントパイプM2や締結部材に設けられた脆弱部が離脱手段として機能することになる。
また、離脱手段の作動によって車体取付け部(タワー部22)を離脱させる部位は、センタマウントパイプM2と対応する中間部(タワー部22)であることに必ずしも限定されず、フロントマウントパイプM1と対応する前部であってもよい。
そして、センタクロスメンバ24に沿って荷重を伝達する車幅方向荷重伝達経路と、センタクロスメンバ24を介して傾斜メンバ25に平面視で略X字状に荷重を伝達する傾斜方向荷重伝達経路とを避けるようにして、パワートレイン用マウント50をセンタクロスメンバ24に配設することができる。これにより、上記荷重の影響がパワートレイン用マウント50に及ぶことを防止しつつ、これをコンパクトに配設することができる。
また、センタクロスメンバ24の前部が、左右のサスペンションのアーム(ロアアーム40)を支持するロアアーム支持部22d,22eを直線的に結ぶ車幅方向荷重伝達経路を形成し、該経路の後方に、マウント取付け部51が配設されたものである(図3,図4参照)。
また、マウント取付け部51は、センタクロスメンバ24の中央部を左右側部の後縁よりも後方に膨出させた膨出部24eにより構成されると共に、該膨出部24eは、傾斜メンバ25と連結されたものである(図1〜図6,図9〜図11参照)。
また、センタクロスメンバ24の左右端部が、斜め外側前方に延設され、左右のサスペンションのアーム(ロアアーム40)を支持するロアアーム支持部22d,22eが、センタクロスメンバ24の中央部よりも前方に延設されたものである(図1〜図6,図9〜図11参照)。
要するに、センタクロスメンバ24における荷重伝達剛性を高めつつ、パワートレインPTの配設スペース拡大を図ることができるものである。
また、傾斜メンバ25の左右の後部が、車体と連結されたものである(図1〜図6,図9〜図12参照)。
また、マウント取付け部51の左右に、前後方向に延びる縦壁からなる内部隔壁52,52が設けられたものである(図10参照)。
また、マウント取付け部51の左右外殻に、前後方向に延びる縦壁部24e1,24e1が形成されたものである(図3,図5参照)。
また、センタクロスメンバ24と傾斜メンバ25とサイドメンバ21Rとの間に開口Sが形成されたものである(図2〜図6,図10,図11参照)。
また、上記クロスメンバの表面積を縮小することができるため、該クロスメンバにおける騒音、振動を低減することができる。
また、マウント取付け部51には、センタクロスメンバ24の前縁の左右側端と、傾斜メンバ25との連結部位とを結ぶ仮想線L,Lに交わらず、かつ上記前縁から後方に離間した位置にある前面に、パワートレイン用マウント50に連結されるリンク55を挿通する開口部24dが配設され、該開口部24dは、上記前縁から上下方向に離間して配設されたものである(図3参照)。
また、センタクロスメンバ24の前面には、車幅方向に延びて上記前縁をバイパスするバイパス経路24gが、開口部24dを挟んで上記前縁の反対側に配設されたものである(図1,図3,図5,図6,図9参照)。
図13〜図21において、図1〜図12と同一の部分には同一符号を付している。
また、図17に斜視図で示すように、左右のタワー部22(但し、図面では右側のタワー部22のみを示す)の下部の上面部22gがサイドメンバ21F,21Rの上面に溶接にて連結されている。
しかも、同図に示すように、センタクロスメンバ24には、その左右両端部を車両前後方向でタワー部22のマウント部側、詳しくは、前側のロアアーム支持部22d側に傾斜して延ばすことにより、斜め外側前方に延設された延長部24fが形成されており、この延長部24fが、図14,図17,図18に示すように、サイドメンバ21F,21Rと連結されており、サンタクロスメンバ24において該延長部24fが形成された側に対して車両前後方向の反対側つまり後側の車幅方向中央部には左右側部の後縁より後方に突出する膨出部24eが一体形成されていて、この膨出部24eには、図14,図15に示すように傾斜メンバ25が連結されている。
さらに、図14,図18,図21に示すように、センタクロスメンバ24とタワー部22とが車両前後方向で重なる位置における上述のサイドメンバ21Rには、該サイドメンバ21Rを上下方向に貫通してサイドメンバ21R上下面を溶接にて連結する補機取付けブッシュとしてのスタビライザ取付け用のブッシュ44が設けられている。
そして、このブッシュ44と、その直後のブッシュ45との両者には、スタビライザ支持ブラケット36,37を介して補機としてのスタビライザを取付けるように構成している。
また、前側のブッシュ44はタワー部22における後側のロアアーム支持部22eともオーバラップさせており、この構成により、スタビライザを車幅方向に通して取付けつつ、荷重入力時にサイドメンバ21F,21R、特に、後側のサイドメンバ21Rの閉断面の潰れを防止するように構成している。
なお、図18、図20において、21aはロアアーム40との干渉を回避する目的で、サイドメンバ21Rに形成された凹部である。
このため、サブフレーム20の軽量高剛性化を図り、また騒音、振動の低減を図ることができる。特に、横荷重入力時にサイドメンバ21F,21Rの変形が防止でき、管状つまりパイプ製のサイドメンバ21F,21Rの薄肉化による軽量化や剛性感の向上を図ることができる。
また、上記左右の車体取付け部(タワー部22参照)の下部の上面部22gが、上記サイドメンバ21F,21Rの上面に連結されているものである(図15,図21参照)。
さらに、上記センタクロスメンバ24は、その車幅方向側部が車両前後方向で上記車体取付け部(タワー部22)のマウント部側に傾斜して延びて(延長部24f参照)上記サイドメンバ21F,21Rと連結され、車両前後方向反対側の車幅方向中間部に傾斜メンバ25が連結されているものである(図14参照)。
詳しくは、右側のロアアーム支持部22dから荷重(図14の実線矢視参照)が入力されると、該荷重をセンタクロスメンバ24から左側の傾斜メンバ25に伝達させることができ、逆に、左側のロアアーム支持部22dから荷重(図14の点線矢視参照)が入力されると、該荷重をセンタクロスメンバ24から右側の傾斜メンバ25に伝達させることができ、傾斜荷重伝達経路を確保することができる。
加えて、上記センタクロスメンバ24と上記車体取付け部(タワー部22参照)とが車両前後方向で重なる位置における上記サイドメンバ21F,21Rには、該サイドメンバ21F,21R(但し、この実施例ではサイドメンバ21R)の上下面を連結する補機取付けブッシュ44が設けられたものである(図14,図21参照)。
実施例1および実施例2においては、傾斜メンバ25として平面視略V字状で左右非分割構造のものを採用したが、図22に示すこの実施例3においては、左右分割構造の一対の傾斜メンバ25A,25Bを採用している。
このように、傾斜メンバ25A,25Bを左右分割構造と成しても、先の各実施例1,2とほぼ同様の作用、効果を奏するので、図22において前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
図23(a)に示す実施例では、傾斜メンバ25の下面部に、長手方向(車幅方向)に延びるビード部25dを形成し、このビード部25dをサイドメンバ21Fとの接続部と対応する位置に配設したものである。
図23で示した実施例においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例と略同様であるから、図23において、前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
実施例1〜実施例4においては、傾斜メンバ25とサイドメンバ21Rとの接続部と反対側に、リヤクロスメンバ26およびマウントポイントM3を設けたものを採用したが、図24に示すこの実施例5においては、上記接続部と反対側に、車体側から下方に突出する車体側当接部60を設けたものを採用している。
この時、傾斜メンバ25の後方側後面は、車体側当接部60との当接によってこれに強固に支持されるため、傾斜メンバ25がサイドメンバ21Rと車体側当接部60とによって前後方向に強く挟まれた状態になり、結果的に、傾斜メンバ25の後方側前面がサイドメンバ21Rによって前後方向に潰れることになる。
図25に示すこの実施例においては、センタクロスメンバアッパ24aの車幅方向中央部において、センタクロスメンバ24の前面から膨出部24eに亘って下方に凹む取付け凹部24hを形成しており、この取付け凹部24hによりマウント取付け部51が構成されている。
このように、膨出部24eに形成した取付け凹部24hによりマウント取付け部51を構成しても、先の各実施例1〜5と略同様の作用、効果を奏するので、図25において前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
この発明のクロスメンバは、実施例のセンタクロスメンバ24に対応し、
以下同様に、
アーム支持部は、ロアアーム支持部22d,22eに対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
21F,21R…サイドメンバ
22d,22e…ロアアーム支持部(アーム支持部)
22n…下壁
22p,22q…切欠き部
24…センタクロスメンバ(クロスメンバ)
24d…開口部
24e…膨出部
24e1…縦壁部
24g…バイパス経路
25…傾斜メンバ
25A,25B…傾斜メンバ
50…パワートレインマウント
51…マウント取付け部
52…内部隔壁
55…リンク
L…仮想線
PT…パワートレイン
S…開口
Claims (9)
- 左右一対のサイドメンバと、
該左右一対のサイドメンバを連結して車幅方向に延びる閉断面構造のクロスメンバと、
該クロスメンバの中央部後面に連結された平面視略V字状の傾斜メンバとが配設されると共に、
上記クロスメンバの前縁よりも後方で、かつ上記傾斜メンバよりも前方に、パワートレイン用マウントの取付け部が配設され、
上記取付け部は、上記クロスメンバの中央部を左右側部の後縁よりも後方に膨出させた膨出部により構成されると共に、
該膨出部が、上記傾斜メンバと連結された
自動車のフロントサブフレーム構造。 - 上記クロスメンバの前部が、左右のサスペンションのアームを支持するアーム支持部を直線的に結ぶ車幅方向荷重伝達経路を形成し、
該経路の後方に、上記取付け部が配設された
請求項1記載の自動車のフロントサブフレーム構造。 - 上記クロスメンバの左右端部が、斜め外側前方に延設され、
左右のサスペンションのアームを支持するアーム支持部が、上記クロスメンバの中央部よりも前方に延設された
請求項1または2に記載の自動車のフロントサブフレーム構造。 - 上記傾斜メンバの左右の後部が、車体と連結された
請求項1〜3の何れか一項に記載の自動車のフロントサブフレーム構造。 - 上記取付け部の左右に、前後方向に延びる縦壁からなる内部隔壁が設けられた
請求項1〜4の何れか一項に記載請求項1記載の自動車のフロントサブフレーム構造。 - 上記取付け部の左右外殻に、前後方向に延びる縦壁部が形成された
請求項1〜5の何れか一項に記載の自動車のフロントサブフレーム構造。 - 上記クロスメンバと傾斜メンバとサイドメンバとの間に開口が形成された
請求項1〜6の何れか一項に記載の自動車のフロントサブフレーム構造。 - 上記取付け部には、上記クロスメンバの前縁の左右側端と、上記傾斜メンバとの連結部位とを結ぶ仮想線に交わらず、かつ上記前縁から後方に離間した位置にある前面に、上記パワートレイン用マウントに連結されるリンクを挿通する開口部が配設され、
該開口部は、上記前縁から上下方向に離間して配設された
請求項1〜7の何れか一項に記載の自動車のフロントサブフレーム構造。 - 上記クロスメンバの前面には、車幅方向に延びて上記前縁をバイパスするバイパス経路が、上記開口部を挟んで上記前縁の反対側に配設された
請求項8に記載の自動車のフロントサブフレーム構造。
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