JP5870673B2 - 自動車のフロントサブフレーム構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の前後方向に延びる左右一対のサイドメンバと、該左右のサイドフレームを連結するように車幅方向に延びるクロスメンバとを有する自動車のフロントサブフレーム構造に関するものである。
従来、下記特許文献1に示されるように、平面視U字状をなす一本のパイプ材と、該U字状パイプ材の左右側辺部を連結する連結部材(クロスメンバ)と、上記U字状パイプ材に対してハの字状に配置された二本のパイプ材からなる伝達手段とを備えたフロントサブフレームが設けられた車体懸架装置おいて、サスペンションアームからフロントサブフレームに入力された外力を、上記伝達手段を介して車体側部材に設けられた取付部に伝達するように構成し、これによりサスペンションアームの取り付け剛性を高めるとともに、その捩り剛性を向上させることが行われている。
また、下記特許文献2に示されるように、車体前方から入力される衝突荷重を後方側に伝達可能なフロントサブフレーム(サスペンションメンバ)を備えた車両の車体下部構造において、上記フロントサブフレームの後部を車体の左右一対のフロアフレーム(サイドメンバ)および左右一対のトンネルリインホースメントに車幅方向の4点で結合することにより、車両の前方から入力される前面衝突荷重が車幅方向の片側に集中する場合においても、その前面衝突荷重を車体下部の前後骨格部に的確に分散して伝達することが行われている。
さらに、下記特許文献3に示されるように、車体フレームの車両前方部の下方側に位置するとともに、前端部が該車体フレームの車両前方部における前端部近傍まで延設されたフロントサブフレームと、該車室の下方側周辺に形成されるフロアパネルとを備えるとともに、該フロアパネルには、その前部近傍において、該フロントサブフレームの後端部付近に設けられた左右の後端支持部と締結される左右一対の取付部と、該取付部より後方側で、上記フロアパネルより下方側に突出するストッパ部とが形成された車体の前部構造において、上記フロアパネルには、車両前後方向に延設されるフロアフレームと、該フロアフレームの前方部に位置する分岐部から車両内方側に分岐して後方側に延設される分岐フレームとを、それぞれ延設方向に亘って下方側に突出するように形成し、上記取付部を、該分岐部あるいはその近傍において、該取付部の下面の高さが取付部近傍のフロアフレームの下面の高さよりも高くなるよう形成し、上記ストッパ部を、該分岐部あるいはその近傍で、フロアフレームに隣接して形成することが行われている。
特開2009−62879号公報 国際公開WO2009/072614号 特開2005−271811号公報
上記特許文献1に開示された車体懸架装置では、自動車の走行時にサスペンションアームからフロントサブフレームに入力された横力等の外力を、剛性の高い車体側部材(フロアフレーム)に設けられた取付部に伝達するように構成したため、上記サスペンションアームからフロントサブフレームへと付与された外力を安定して支持することができるとともに、該フロントサブフレームに軸支されるフロントアームの取り付け剛性を向上させることができる。しかし、上記車両懸架装置の捩り剛性等を充分に確保するためには、上記フロントサブフレームの本体部を構成するU字状パイプ材の口径および管厚等を大きくする必要があり、該U字状パイプ材の後方部がフロアトンネルの前部下方に設置されることに起因してフロアトンネル内に設置される各部材のレイアウト性が阻害されるという問題がある。また、車両の衝突時に上記U字状パイプ材の前方部を容易に変形させることが困難であり、該U字状パイプ材の前方部を圧縮して変形させることによる衝突荷重の吸収作用を充分に発揮させることができなかった。
また、上記特許文献2に開示された車体下部構造では、車両の前面衝突時にパワープラントに入力された衝突荷重を、上記衝突荷重伝達部材に設けられた三点の荷重受点で受け止めることにより、パワープラントに不用意な回転力を発生させることなく、上記荷重を車体下部に設けられた複数本の前後骨格部に分散させて支持できるという利点がある。しかし、上記車体下部構造においても、車室の底部にフロアトンネルが形成された車両では、フロントサブフレームの後方部(後側クロスビーム)がフロアトンネルの前端部下方に設置されることに起因してフロアトンネル内における部材のレイアウト性が阻害されるとともに、車両の衝突時に上記フロントサブフレームの前方部を変形させることによる衝突荷重の吸収効果を充分に発揮させることができず、この点で改良の余地があった。
さらに、上記特許文献3に開示された車両の前部構造では、車両の車体フレーム前端部よりも高さの低い障害物に車両が前方衝突した場合に、衝突荷重がフロントサブフレームから取付部に伝達されてストッパ部により支持され、その際に車両前後方向に延設された分岐フレームとフロアフレームとの分岐部またはその近傍に設けられた上記ストッパ部により上記衝突荷重を確実に受け止め、上記分岐フレームとフロアフレームとに分散させて支持しつつ、上記フロントサブフレームの後退を阻止できるという利点がある。
しかし、上記特許文献3に係る車体の前部構造では、平面視で車両の前後方向に真っ直ぐ延びるように設置されたサイドメンバの前方部と、その後方側において車幅方向の内方側へ向けて屈曲した屈曲部と、その後方側に配置されて前後方向に延びるように設置されたサイドメンバの後方部と、該サイドメンバの左右後方部を連結するように設置されたクロスメンバとを有するフロントサブフレームを、上側パネルと下側パネルとを重ね合わせたペリメータフレームにより形成するとともに、上記フロントサブフレームの屈曲部および後方部にサスペンションアーム(ロアアーム)の基端部を枢支しており、該サスペンションアームのアーム長を充分に確保してサスペンションジオメトリーを向上させるためには、上記屈曲部を車幅方向の内側へ大きく屈曲させる必要がある。したがって、上記サスペンションアームから入力された横力等と、上記サイドメンバの前方部から入力された衝突荷重との両方を上記屈曲部および後方部により安定して支持し得るように構成するには、上記フロントサブフレームを大形化してその剛性を充分に確保する必要があり、車体重量が増大するとともに、フロントサブフレームの表面積が大きくなって面振動に起因した騒音が発生し易い等の弊害がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、簡単かつコンパクトな構成で自動車の走行時にサスペンションアームから入力される横力等を安定して支持することができるとともに、自動車の衝突時に入力される衝突荷重を効果的に吸収することができる自動車のフロントサブフレーム構造を提供することを目的としている。
請求項1に係る発明は、車両の前後方向に延びる左右一対のサイドメンバと、該左右のサイドフレームを連結するように車幅方向に延設されたクロスメンバとを有する自動車のフロントサブフレーム構造であって、上記サイドメンバは、少なくともその一部が車幅方向の内方側に傾斜しつつ車両の後方側に延びるように設置されたサイドメンバ後方部と、該サイドメンバ後方部の前端から車幅方向の外方側に傾斜しつつ車両の前方側に延びるように設置されたサイドメンバ前方部とを備え、サイドメンバ後方部には、上記クロスメンバの側端部が連結されるとともに、サスペンションアームを支持するアーム支持部が設けられ、かつフロアパネルの車幅方向中間部位を上方に膨出させてなるフロアトンネルの下辺部に沿って設けられたトンネルロアフレームに取り付けられるトンネルロアフレーム連結部が上記サイドメンバの後方延長線上に設けられ、自動車の衝突時に上記サイドメンバ前方部が変形することにより衝突荷重の吸収部として機能するように構成されたものである。
請求項2に係る発明は、上記請求項1に記載の自動車のフロントサブフレーム構造において、上記クロスメンバの車幅方向中央部から車幅方向の外方側に傾斜しつつ車両の左右後方に向けて延びる左右一対の傾斜メンバを有し、該傾斜メンバに上記サイドメンバの後端部が接合されるとともに、該傾斜メンバの後方に上記トンネルロアフレーム連結部が配設されたものである。
請求項3に係る発明は、上記請求項2に記載の自動車のフロントサブフレーム構造において、上記傾斜メンバの後端部に、フロアパネルに沿って上記トンネルロアフレームよりも車幅方向外側で車両の前後方向に延びるフロアフレームに取り付けられるフロアフレーム取付部が設けられたものである。
請求項4に係る発明は、上記請求項3に記載の自動車のフロントサブフレーム構造において、車室の左右両側辺部に設置されたサイドシルの前部と上記フロアフレームの前部と連結するトルクボックスを備え、該トルクボックスには、上記フロアフレーム取付部の隣接部位から車幅方向の外方側に延びる縦面または稜線が設けられたものである。
請求項5に係る発明は、上記請求項2〜4のいずれか1項に記載の自動車のフロントサブフレーム構造において、サスペンションアームの後側連結部を支持する後側アーム支持部材が、上記サイドメンバ後方部と傾斜メンバに設けられたフロアフレーム取付部とに跨るように架設されたものである。
請求項6に係る発明は、上記請求項2〜5のいずれか1項に記載の自動車のフロントサブフレーム構造において、左右傾斜メンバの後部を連結するように車幅方向に延設されたリヤクロスメンバを有し、該リヤクロスメンバの上下寸法が上記傾斜メンバの上下寸法よりも小さく設定されたものである。
請求項7に係る発明は、上記請求項2〜6のいずれか1項に記載の自動車のフロントサブフレーム構造において、上記サイドメンバおよび傾斜メンバがそれぞれパイプ状部材により形成されたものである。
請求項1に係る発明では、フロントサブフレームを構成するサイドメンバに、少なくともその一部が車幅方向の内方側に傾斜しつつ車両の後方側に延びるように設置されたサイドメンバ後方部と、該サイドメンバ後方部の前端から車幅方向の外方側に傾斜しつつ車両の前方側に延びるように設置されたサイドメンバ前方部とを設け、サイドメンバ後方部に、上記クロスメンバの側端部を連結するとともに、サスペンションアームを支持するアーム支持部を設け、かつフロアトンネルの下辺部に沿って設けられたトンネルロアフレームに取り付けられるトンネルロアフレーム連結部を上記サイドメンバの後方延長線上に設け、自動車の衝突時に上記サイドメンバ前方部を変形させることにより衝突荷重の吸収部として機能させるように構成したため、該衝突荷重に応じ、サイドメンバ後方部が大きく変形して内倒れしたり、サイドメンバの後端部が車体フレームから離脱したりするのを防止しつつ、上記サイドメンバ前方部に衝突荷重を集中的に作用させて該サイドメンバ前方部を変形させることにより、上記衝突荷重の吸収効果を顕著に発揮させることができ、該衝突荷重がサイドメンバ後方部および車室内等に及ぶこと等を確実に防止できるという利点がある。
請求項2に係る発明では、上記クロスメンバの車幅方向中央部から車幅方向の外方側に傾斜しつつ車両の左右後方に向けて延びる左右一対の傾斜メンバを設け、該傾斜メンバに上記サイドメンバの後端部を接合するとともに、該傾斜メンバの後方に上記トンネルロアフレーム連結部を配設したため、自動車の衝突時に、例えば車体の一方側に位置するサイドメンバの前端部に衝突荷重が入力された場合には、該衝突荷重を、その後方に位置する一方の傾斜メンバから、上記トンネルロアフレーム連結部を介してトンネルロアフレームに伝達して支持することができるとともに、上記センタクロスメンバおよび他方の傾斜メンバから、その後方のトンネルロアフレーム連結部を介して車体の他方側に位置するトンネルロアフレームに伝達することにより、上記衝突荷重を左右に分散させてそれぞれ効果的に支持できるという利点がある。
請求項3に係る発明では、フロアパネルに沿って車両の前後方向に延びるフロアフレームに取り付けられるフロアフレーム取付部を上記傾斜メンバの後端部に設けたため、フロントサブフレームの左右に設けられた上記サイドメンバの後端部をフロアフレームおよびトンネルロアフレームの二個所にそれぞれ安定して固定することができる。したがって、自動車の衝突時に上記サイドメンバの前端部に衝突荷重が入力された場合に、該衝突荷重を傾斜メンバの後部に配設された上記フロアフレーム取付部およびトンネルロアフレーム連結部を介して車体左側のフロアフレームおよびトンネルロアフレームに伝達し、これらに分散させて支持することができる。
請求項4に係る発明では、車室の左右両側辺部に設置されたサイドシルの前部と上記フロアフレームの前部と連結するトルクボックスを設けるとともに、該トルクボックスに、上記フロアフレーム取付部の隣接部位から車幅方向の外方側に延びる縦面または稜線を設けたため、上記傾斜メンバからフロアフレームに入力された自動車の衝突荷重および走行時の横力等を、上記トルクボックスの剛性部分を構成する縦面および稜線から上記サイドシルに伝達することにより、効率よく分散させて支持することができ、上記衝突荷重および横力等に対する車体の剛性を、さらに効果的に向上させることができる。
請求項5に係る発明では、サスペンションアームの後側連結部を支持する後側アーム支持部材を、上記サイドメンバ後方部と傾斜メンバのフロアフレーム取付部とに跨るように架設したため、サイドメンバ後方部を補強する別体の補強部材を設けることなく、上記後側アーム支持部材を利用してサイドメンバ後方部を簡単な構成で効果的に補強することができる。したがって、該サイドメンバ後方部および傾斜メンバに入力された自動車の衝突荷重および走行時の横力等に対する車体の剛性を容易かつ充分に確保し、上記衝突荷重に応じてサイドメンバ後方部が内倒れすること等を効果的に防止できるとともに、自動車の走行時にサスペンションアームから入力される横力等によりフロントサブフレームが変形するのを抑制して自動車の走行安定性を効果的に向上できるという利点がある。
請求項6に係る発明では、左右傾斜メンバの後部を連結するようにリヤクロスメンバを車幅方向に延設し、該リヤクロスメンバの上下寸法を上記傾斜メンバの上下寸法よりも小さく設定したため、フロアトンネル内に設置されるプロペラシャフトまたは排気管等からなる各部材のレイアウト性が阻害されること等を抑制しつつ、自動車の走行時に上記サスペンションアームから上記フロントサブフレームを介してトンネルロアフレームに入力された横力等に応じてフロアトンネルが拡縮変形するのを効果的に防止することができ、走行時の横力等に対する車体の剛性を効果的に向上できるという利点がある。
請求項7に係る発明では、上記サイドメンバおよび傾斜メンバをそれぞれパイプ状部材により形成したため、上記フロントサブフレームを大型化することなく、自動車の衝突時にサイドメンバに入力された衝突荷重と、自動車の走行時に上記サスペンションアームからサブフレームに入力された横力等との両方をそれぞれ適正に支持できるという利点がある。
本発明に係る自動車のフロントサブフレーム構造の実施形態を示す斜視図である。 上記フロントサブフレーム構造を後部下方から見た状態を示す斜視図である。 上記フロントサブフレーム構造の具体的構成を示す側面断面図である。 上記フロントサブフレーム構造の具体的構成を示す平面図である。 上記フロントサブフレーム構造の具体的構成を示す底面図である。 上記フロントサブフレーム構造の具体的構成を示す分解斜視図である。 本発明に係る自動車のフロントサブフレーム構造の別の実施形態を示す斜視図である。
図1〜図6は、本発明に係る自動車のフロントサブフレーム構造の実施形態を示している。該自動車は、車室の前面部に設置されたダッシュパネル1と、該ダッシュパネル1の下端部から車両の前方側に延びる左右一対のフロントサイドフレーム2とを有し、該フロントサイドフレーム2の下方には、フロントサスペンション装置用のロアアーム(サスペンションアーム)4等を支持するフロントサブフレーム3が配設されている。
上記フロントサイドフレーム2は、側面視で車両の前後方向に沿って略水平に延びる水平部2aと、その後端部から上記ダッシュパネル1の下端部に沿って後下がりに傾斜しつつ車両の後方側に延びる傾斜部2bとを有し、該傾斜部2bの後端部には、後述のフロアフレーム31が連設されている。また、上記フロントサイドフレーム2の前端部には、車両の前方側に向けて突出する金属製の筒状体等からなる図外のクラッシュカンが設けられるとともに、その前端面には、車幅方向に延びる図外のバンパレインフォースメントが取り付けられている。
上記フロントサブフレーム3は、フロントサイドフレーム2の下方において車両の前後方向に延びる左右一対のサイドメンバ5と、該左右サイドメンバ5の前端部を連結するように車幅方向に延設されたフロントクロスメンバ6と、左右サイドメンバ5の前後方向中間部を連結するように車幅方向に略直線状に延設されたセンタクロスメンバ7と、該センタクロスメンバ7の車幅方向中央部から平面視で車幅方向の外方側に傾斜しつつそれぞれ車両の左右後方に向けて延びる左右一対の傾斜メンバ8と、上記左右サイドメンバ5の後端部を連結するように車幅方向に延設されたリヤクロスメンバ9とを有している。
上記サイドメンバ5は、図4および図5に示すように、後述する前側アーム支持部材12の設置部から車両の後方側に延びるように設置されたサイドメンバ後方部10と、該サイドメンバ後方部10の前端に連設されたサイドメンバ前方部11とを有している。上記サイドメンバ後方部10は、側面視おいて略水平に設置され、上記サイドメンバ前方部11は、前上がりの傾斜状態で設置されている(図3参照)。
上記サイドメンバ後方部10は、所定径の丸パイプ状部材からなり、図4に示すように、平面視で車幅方向の内方側に傾斜しつつ車両の後方側に延びる後側部分10aと、その前端部から車両の前方側に向けて略真っ直ぐに延びるように設置された前側部分10bとを有している。該前側部分10bの車幅方向外側面には、上記ロアアーム(サスペンションアーム)4の基端部に設けられた後述の前側連結部43を支持する前側アーム支持部材12が取り付けられている。また、上記後側部分11aの後方延長線上には、後述のトンネルロアフレーム連結部29が配設されている。
上記サイドメンバ前方部11は、平面視で上記サイドメンバ後方部10の前端から車幅方向の外方側に傾斜しつつ、車両の前方側に延びるように設置された後側部分11aと、その前端部から車両の前方側に向けて略真っ直ぐに延設された前側部分11bとを有している。上記サイドメンバ前方部11の後側部分11aおよび前側部分11bは、サイドメンバ後方部10と一体に設けられた所定径の丸パイプ状部材をハイドロフォーム加工することによりそれぞれ角パイプ状に形成されている。また、上記サイドメンバ前方部11の前側部分11bは、後側部分11aよりも大径に形成され、その車幅方向内側面および下面には、フロントクロスメンバ6の側端部が接合されるとともに、上記前側部分11bの上面には、フロントサイドフレーム2の前部に締結ボルトにより締結される第1連結部材15が立設されている。
上記サイドメンバ後方部10のセンタクロスメンバ7が連結された部位(前側部分10b)の車幅方向外側面には、上記前側アーム支持部材12を構成するブラケット材が、上記サイドメンバ5の外方に突出した状態で取り付けられている。また、該ブラケット材の上部には、フロントサイドフレーム2に連結される第2連結部材16が一体に設けられ、該第2連結部材16が締結ボルトによりフロントサイドフレーム2の前後方向中間部下面に締結されるように構成されている。
上記のようにサイドメンバ前方部11にハイドロフォーム加工を施した場合には、加工硬化が生じることにより、該サイドメンバ前方部11の強度がサイドメンバ後方部10に比べて増大する傾向がある。しかし、上記サイドメンバ後方部10の前側部分10bには、上記センタクロスメンバ7の側端部が連結されるとともに前側アーム支持部材12が取り付けられることにより補強され、かつ上記サイドメンバ後方部10の後端部が傾斜メンバ8に接続されるとともに両者の間に後述の後側アーム支持部材26が取り付けられることによりそれぞれ補強されている。このため、上記サイドメンバ後方部10の強度、具体的には軸方向の耐力がサイドメンバ前方部11よりも高くなり、自動車の衝突時に、サイドメンバ5の前端部から入力される衝突荷重に応じて上記サイドメンバ後方部10が変形することが抑制されるとともに、上記サイドメンバ前方部11が圧縮されて変形することが促進され、該サイドメンバ前方部11が衝突荷重の吸収部として機能するようになっている。
上記センタクロスメンバ7は、図3に示すように、鋼板材等からなるアッパパネル7aとロアパネル7bとにより車幅方向に略直線状に延びる所定幅の閉断形状に形成されている。そして、上記センタクロスメンバ7の左右両側端部がサイドメンバ後方部10の前側部分10bの車幅方向内側面に溶接され、左右サイドメンバ5の車幅方向外側面にそれぞれ取り付けられた両前側アーム支持部材12の設置部(前側部分10b)が上記センタクロスメンバ7により互いに連結されている。また、上記センタクロスメンバ7の前面には、自動車用エンジン等からなるパワープラント18(図4参照)の後面中央部に設けられた後部マウント19を、上記センタクロスメンバ7の車幅方向中央部に設けられたパワープラント取付部20に導入するための開口部21が形成されている。
上記センタクロスメンバ7の車幅方向中央部には、その後面から車両の後方側に突出する上下一対の傾斜メンバ取付部22が設けられている。そして、該上下の傾斜メンバ取付部22に上記左右傾斜メンバ8の前端部が取り付けられることにより、該左右の傾斜メンバ8と上記センタクロスメンバ7とが一体に接合されるとともに、平面視でセンタクロスメンバ7の車幅方向中央部から車両の後方側に向けて上記左右の傾斜メンバ8がハの字状に突設されている。すなわち、丸パイプ材を折り曲げることにより、上記左右傾斜メンバ8の前端部同士を連結する連結部23が一体に形成され、該連結部23が上記上下の傾斜メンバ取付部22により挟持された状態で溶接されることにより、左右の傾斜メンバ8と上記センタクロスメンバ7とが一体に接合されるようになっている。
また、上記両傾斜メンバ8の後端部が車幅方向の外方側に延びるように折り曲げられるとともに、その端部が偏平形状に押し潰される等により、上記傾斜メンバ8の後端部にフロアフレーム取付部25が形成されている。上記傾斜メンバ8の後部前面、つまり傾斜メンバ8の後部における車幅方向外側面には、上記サイドメンバ5の後端部が溶接されることにより、これらが一体に連結されている。さらに、上記傾斜メンバ8の後部背面(車幅方向内側面)には、上記リヤクロスメンバ9の左右両側端部が溶接され、該リヤクロスメンバ9を介して左右傾斜メンバ8の後部が互いに連結されている。
上記傾斜メンバ8の後部には、サイドメンバ後方部10の後端部が接合されるとともに、該サイドメンバ後方部10と、上記傾斜メンバ8の後端部に形成されたフロアフレーム取付部25との間に跨るように、上下一対のプレート材からなる後側アーム支持部材26が架設されている。そして、上記ロアアーム4の基端部に設けられた後述の後側連結部44が上記後側アーム支持部材26により支持されるように構成されている。
上記リヤクロスメンバ9は、鋼板材等からなるアッパパネル9aとロアパネル9bとにより車幅方向に延びる所定幅の閉断面形状に形成され、その左右両側端部には、その車幅方向中央部に比べて幅広に形成されたトンネルロアフレーム連結部29が設けられている。上記リヤクロスメンバ9の前後寸法は、センタクロスメンバ7の前後寸法よりも小さく設定され(図4参照)、かつ上記リヤクロスメンバ9の上下寸法は、傾斜メンバ8の上下寸法よりも小さく設定されている(図3参照)。
車室の底面部を構成するフロアパネル30の下面には、図5に示すように、下記トンネルロアフレーム33よりも車幅方向外側に配設されるとともに、上記フロントサイドフレーム2の後端部に連続して車両の後方側に延びるフロアフレーム31が設置されている。また、上記フロアパネル30の車幅方向中央部には、車室内側(上方側)に膨出するフロアトンネル32が車両の前後方向に延びるように設置されるとともに、該フロアトンネル32の下辺部に沿って左右一対のトンネルロアフレーム33が車両の前後方向に延びるように設置されている。
そして、上記傾斜メンバ8の後端部に設けられたフロアフレーム取付部25が、上記フロアフレーム31の前端部に締結ボルトを介して締結されるとともに、上記リヤクロスメンバ9の側端部に設けられたトンネルロアフレーム連結部29が、上記トンネルロアフレーム33の前端部に締結ボルトを介して締結されることにより、上記両サイドメンバ5の後部がそれぞれ左右二個所において車体フレームに固定されている。
また、上記フロアパネル30の左右両側辺部には、サイドシル34が車両の前後方向に延びるように設置され、かつ該サイドシル34の前部と上記フロアフレーム31の前部とを連結するトルクボックス35が設置されている(図1および図5参照)。該トルクボックス35は、車室の前部に配設されたダッシュパネル1の下方部に沿って車幅方向に延びる前面板35aからなる縦面と、その下端部から車両の後方側に延びる底面板35bとを有し、上記前面板35aおよびその下端部に設けられた稜線35cが、上記フロアフレーム取付部25の配設部位に隣接した位置から車幅方向の外方側に向けて延設されている。
上記ロアアーム4は、図1および図4等に示すように、その先端部がボールジョイント42を介して図外の車輪支持部材(アクスルハウジング)に連結されるととともに、その車幅方向内側部(基端部)に前後一対の連結部43,44が設けられた所謂A型アームからなっている。上記ロアアーム4の前側連結部43および後側連結部44は、上記フロントサブフレーム3に設けられた前側アーム支持部材12および後側アーム支持部材26により、それぞれ揺動可能かつ弾性変位可能に支持されている。
上記ロアアーム4の前側連結部43には、車両の前後方向に延びる図示を省略した支持軸と、該支持軸を抱持する図示を省略したゴムブッシュとが設けられている。上記支持軸の前後両端部45,46が、サイドメンバ後方部10に設けられた前側アーム支持部材12に取り付けられることにより、上記前側連結部43が支持軸を支点にして回動可能に支持されるとともに、上記ゴムブッシュが有する弾力性に応じて弾性変位可能に支持されている。上記支持軸の後端部46は、サイドメンバ後方部10の前側部分10bにおいて上記センタクロスメンバ7の側端部が連結された部位に対応する位置に取り付けられている。
また、上記ロアアーム4の後側連結部44には、上下方向に延びる図示を省略した支持軸と、該支持軸を抱持する図示を省略したゴムブッシュとが設けられている。上記支持軸の上下両端部が、サイドメンバ後方部10と傾斜メンバ8のフロアフレーム取付部25とに跨るように設置された後側アーム支持部材26に取り付けられることにより、上記後側連結部44が支持軸を支点にして回動可能に支持されるとともに、上記ゴムブッシュが有する弾力性に応じて弾性変位可能に支持されている。
上記フロントサブフレーム3は、ロアアーム4を有するフロントサスペンション装置等がサブアッシーされた状態で自動車の組立ラインに搬入され、上記フロントサイドフレーム2の下方から自動車のエンジンルーム内に導入される。そして、上記サイドメンバ5に設けられた第1,第2連結部材15,16の上端部がフロントサイドフレーム2の下面に連結されることにより、サイドメンバ5の前端部および前後方向中央部がそれぞれフロントサイドフレーム2に取り付けられるようになっている。
また、上記傾斜メンバ8の後端部に形成されたフロアフレーム取付部25が、フロアパネル30の下面に設置されたフロアフレーム31の前端部にボルト止めされるとともに、上記リヤクロスメンバ9の左右両端部に設けられたトンネルロアフレーム連結部29がフロアトンネル32の下端部に沿って設置されたトンネルロアフレーム33の前端部にボルト止めされることにより、上記フロントサブフレーム3の左右に設けられた各サイドメンバ5の後端部が、それぞれ左右二個所において車体フレームに固定されている。
このように上記傾斜メンバ8の後部に配設されたフロアフレーム取付部25およびトンネルロアフレーム連結部29が、フロアフレーム31の前端部およびトンネルロアフレーム33の前端部に固定されることにより、フロアパネル30の前端部下面側において、上記フロアフレーム取付部25とトンネルロアフレーム連結部29とがフロアフレーム取付部25およびトンネルロアフレーム連結部29を介して互いに連結されるとともに、これらとフロアパネル30との間に、上記フロアフレーム31およびトンネルロアフレーム33の上下寸法に対応する開口部47が形成されている。
また、自動車用エンジン等からなるパワープラント18が左右のフロントサイドフレーム2の間に設置され、かつ上記パワープラント18の後部マウント19がセンタクロスメンバ7の前面に形成された開口部21からパワープラント取付部20に導入されて取り付けられることにより、パワープラント18の後部がフロントサブフレーム3に支持されるように構成されている。
上記のように車両の前後方向に延びる左右一対のサイドメンバ5と、該左右のサイドメンバ5を連結するように車幅方向に延びるセンタクロスメンバ7等とを有する自動車のフロントサブフレーム構造において、上記サイドメンバ5は、その少なくとも後側部分10aが車幅方向の内方側に傾斜しつつ車両の後方に延びるように設置されたサイドメンバ後方部10と、該サイドメンバ後方部10の前端から車幅方向の外方側に傾斜しつつ車両の前方側に延びるように設置されたサイドメンバ前方部11とを備え、上記サイドメンバ後方部10に、センタクロスメンバ7の側端部を連結するとともに、上記ロアアーム4からなるサスペンションアームの前側連結部43を支持する前側アーム支持部材12を設け、かつフロアトンネル32の下辺部に沿って設けられたトンネルロアフレーム33に取り付けられるトンネルロアフレーム連結部29をサイドメンバ5の後方延長線上に設け、自動車の衝突時に上記サイドメンバ前方部11を変形させて衝突荷重の吸収部として機能させるように構成したため、簡単かつコンパクトな構成で自動車の走行時に上記ロアアーム4から入力される横力等を安定して支持できるとともに、自動車の衝突時に入力される衝突荷重を効果的に吸収できるという利点がある。
すなわち、上記実施形態では、センタクロスメンバ7の側端部を上記サイドメンバ後方部10の前側部分10bに連結するとともに、その車外側面に前側アーム支持部材12を取り付け、かつ上記サイドメンバ後方部10の後端部と傾斜メンバ8との接合部に後側アーム支持部材26を設けることにより、上記サイドメンバ後方部10を補強し、該サイドメンバ後方部10の強度(軸方向の耐力)をサイドメンバ前方部11よりも高く設定している。これにより、自動車の衝突時に上記サイドメンバ5の前端部に入力された衝突荷重に応じて上記サイドメンバ後方部10が変形するのを効果的に抑制しつつ、上記サイドメンバ前方部11に衝突荷重を集中させて該サイドメンバ前方部11を例えば蛇腹状等に圧縮変形させることにより、上記衝突荷重の吸収機能を効果的に発揮できるように構成されている。
そして、上記サイドメンバ5の後方延長線上にトンネルロアフレーム連結部29を配設するとともに、該トンネルロアフレーム連結部29をトンネルロアフレーム33の前部下面にボルト止めする等により、上記フロントサブフレーム3の左右に設けられたサイドメンバ5の後端部を車体フレーム(トンネルロアフレーム33)にそれぞれ固定するように構成したため、図4および図5の矢印Aに示すように、自動車の衝突時に上記サイドメンバ前方部11に入力されるとともに、上記サイドメンバ後方部10に沿って車両の後方側に伝達された衝突荷重を、矢印Bに示すように、上記トンネルロアフレーム連結部29からトンネルロアフレーム33に効率よく伝達して支持することができる。したがって、上記衝突荷重に応じ、サイドメンバ後方部10が大きく変形して内倒れしたり、サイドメンバ5の後端部が車体フレームから離脱したりするのを防止しつつ、上記サイドメンバ前方部11に衝突荷重を集中的に作用させて該サイドメンバ前方部11を積極的に変形させることができ、上記衝突荷重の吸収効果を顕著に発揮させて、該衝突荷重がサイドメンバ後方部10および車室内等に及ぶのを確実に防止することができる。
また、上記サイドメンバ前方部11を平面視で車幅方向の外方側に傾斜させつつ車両の前方側に延びるように設置することにより、該サイドメンバ前方部11の長さを充分に確保してその全体を衝突荷重の吸収部として機能させるように構成し、かつ上記サイドメンバ前方部11の後方側において車幅方向の内側寄りに配設されたサイドメンバ後方部10の前側部分10bの車幅方向内側面に、上記センタクロスメンバ7の側端部を連結するとともに、上記前側部分10bの車幅方向外側面に前側アーム支持部材12を設けた構造としたため、該前側アーム支持部材12を車幅方向の内方側に位置させることによりロアアーム4からなるサスペンションアームのアーム長(車幅方向寸法)を充分に確保して、サスペンションジオメトリーを効果的に向上させることができる。
そして、自動車の走行時には、例えば図4および図5の矢印Cに示すように、車体の一方(右側)に位置するロアアーム4から左側のサイドメンバ5に設けられた前側アーム支持部材12に入力された横力等を、上記センタクロスメンバ7から左側の傾斜メンバ8に伝達し(矢印D参照)、該左側の傾斜メンバ8を介してその後方側に位置するトンネルロアフレーム33等に伝達して支持することができるため、上記フロントサブフレーム3を大型化することなく、簡単な構成で車体の変形を効果的に抑制して、自動車の走行安定性を向上させることができる。
しかも、上記サイドメンバ後方部10の前側部分10bを車幅方向内側に位置させるとともに、その車幅方向外側面から上記前側アーム支持部材12をサイドメンバ5の外方に突出させた状態で取り付けたため、該前側アーム支持部材12に対するロアアーム4の取付作業等を容易に行うことができる。また、上記前側アーム支持部材12によりサイドメンバ後方部10を効果的に補強して、その剛性を向上させることができるため、簡単かつ軽量な構成で、自動車の衝突時に上記サイドメンバ前方部11に衝突荷重を集中的に作用させることにより、該サイドメンバ前方部11を衝突荷重の吸収部として効率よく機能させることができるという利点がある。
例えば、上記特許文献3に開示されているように、ロアアームからなるサスペンションアームのアーム長を充分に確保するために、ペリメータフレームからなるフロントサブフレームの前後方向中央部(屈曲部)の側面にロアアームの前側連結部が導入される所定の大きさの開口部を形成し、該開口部からフロントサブフレームのサイドメンバ内に上記ロアアームの前側連結部を導入して支持させるように構成した場合には、上記開口部からフロントサブフレームのサイドメンバ内に上記ロアアームの前側連結部を導入して支持させる作業が繁雑であるとともに、上記開口部がサイドメンバに形成されることにより該サイドメンバの剛性が低下するために、上記ロアアームの支持部に補強プレートを設けてサイドメンバを補強する等の手段を講じなければならず、構造が複雑になるとともに、車体重量が増大する等の弊害がある。
これに対して上記実施形態に示すようにサイドメンバ後方部10の車幅方向外側面から上記前側アーム支持部材12をサイドメンバ5の外方に突設させた状態で取り付けた場合には、上記弊害の発生を防止して前側アーム支持部材12に対するロアアーム4の取付作業を容易に行うことができるとともに、サイドメンバ後方部10の剛性を簡単な構成で充分に確保できるという利点がある。しかも、上記サイドメンバ後方部10の前側部分10bを車幅方向の内方側に位置させるとともに、その内方側に上記パワープラント18を配設することにより、自動車の衝突時に入力される衝突荷重に応じて上記サイドメンバ後方部10の前側部分10bが内倒れするように変形するのを、上記パワープラント18によって効果的に規制できるという利点もある。
また、上記実施形態では、センタクロスメンバ7の車幅方向中央部から車幅方向の外方側に傾斜しつつ車体の左右後方に向けて延びる左右一対の傾斜メンバ8を設け、該傾斜メンバ8に上記サイドメンバ5の後端部を接合するとともに、上記トンネルロアフレーム連結部33を傾斜メンバ8の後端部に配設したため、自動車の衝突時に、例えば車体の一方側(左側)に位置するサイドメンバ5の前端部に衝突荷重(矢印A参照)が入力された場合には、該衝突荷重を、その後方に位置する一方の傾斜メンバ8から上記トンネルロアフレーム31に伝達して支持できるとともに(矢印B参照)、上記センタクロスメンバ8および他方の傾斜メンバ8から、その後方のトンネルロアフレーム連結部29を介して車体の他方側に位置するトンネルロアフレーム33に伝達することにより(矢印F,G参照)、上記衝突荷重を左右に分散させてそれぞれ効果的に支持できるという利点がある。
したがって、自動車の衝突時にサイドメンバ前方部11に入力される衝突荷重に応じて、サイドメンバ後方部10が大きく変形して内倒れしたり、車体フレームからサイドメンバ5の後端部が離脱したりするのを防止しつつ、上記サイドメンバ前方部11に衝突荷重を集中的に作用させて該サイドメンバ前方部11を変形させることにより、上記衝突荷重を効果的に吸収することができる。
さらに、上記実施形態に示すように、ロアアーム4からなるサスペンションアームの後側連結部44を支持する後側アーム支持部材26を、サイドメンバ後方部10と傾斜メンバ8に設けられたフロアフレーム取付部25とに跨るように架設した場合には、サイドメンバ後方部10を補強する別体の補強部材を設けることなく、上記後側アーム支持部材26を利用してサイドメンバ後方部10を簡単な構成で効果的に補強することができる。したがって、上記サイドメンバ後方部10および傾斜メンバ8に入力された自動車の衝突荷重および走行時の横力等に対する車体の剛性を容易かつ充分に確保し、上記衝突荷重に応じてサイドメンバ後方部10が内倒れすること等を効果的に防止できるとともに、自動車の走行時にロアアーム4から入力される横力等によりフロントサブフレーム3が変形することを抑制して自動車の走行安定性を効果的に向上できるという利点がある。
上記実施形態では、左右傾斜メンバ8の後部を連結するように車幅方向に延びるリヤクロスメンバ9を設け、図3に示すように、該リヤクロスメンバ9の上下寸法を上記傾斜メンバ8の上下寸法よりも小さく設定したため、上記フロアトンネル32の前部下方に厚肉のリヤクロスメンバ等を設けた場合のように、上記フロアトンネル32内に設置されるプロペラシャフトまたは排気管等からなる各部材のレイアウト性が阻害されること等を抑制しつつ、自動車の走行時に上記フロントサブフレーム5の傾斜メンバ8からトンネルロアフレーム33に入力された横力等に応じてフロアトンネル32が拡縮変形するのを効果的に防止することができる。これにより、上記傾斜メンバ8からトンネルロアフレーム33に入力された自動車の衝突荷重および走行時の横力等に対する車体の剛性を、簡単かつ軽量な構成で効果的に向上することができる。
また、上記のように車室の前部下面に設置されたサイドシル34の前部と上記フロアフレーム31の前部と連結するトルクボックス35をダッシュパネル1の下部側方に設けるとともに、該トルクボックス35に、上記フロアフレーム取付部25の隣接部位から車幅方向の外方側に延びる前面板35aからなる縦面、またはその下端部に設けられた稜線35cを設けた構造とした場合には、上記傾斜メンバ8からフロアフレーム31に入力された自動車の衝突荷重および走行時の横力等を、上記トルクボックス35の剛性部分を構成する前面板35aおよび稜線35cから上記サイドシル34に伝達することにより、効率よく分散させて支持することができるため、上記衝突荷重および横力等に対する車体の剛性を、さらに効果的に向上させることができるという利点がある。
上記実施形態では、図2に示すように、傾斜メンバ8の後部に配設されたフロアフレーム取付部25およびトンネルロアフレーム連結部29により、上記フロアフレーム31の前端部とトンネルロアフレーム33の前端部とを車幅方向に連結するとともに、上記フロアフレーム取付部25およびトンネルロアフレーム連結部29とフロアパネル30との間に、上記フロアフレーム31およびトンネルロアフレーム33の上下寸法に対応する開口部47を形成したため、上記フロアフレーム31とトンネルロアフレーム33との間に沿って配策されたハーネス等を上記開口部47からエンジンルーム内へ容易に導出させることができる。
したがって、フロアフレーム31の前端部とトンネルロアフレーム33の前端部とを連結する分岐フレームを設けた場合(特許文献3参照)のように、上記フロアフレーム31とトンネルロアフレーム33との間に沿って配策されたハーネスをエンジンルーム内へ導出させる際に上記分岐フレームが邪魔になる等の弊害を生じることなく、フロアフレーム取付部25およびトンネルロアフレーム連結部29により、上記フロアフレーム31の前端部とトンネルロアフレーム33の前端部とを連結して、これらを充分に補強することができ、上記傾斜メンバ8に入力された自動車の衝突荷重と走行時の横力等とを、上記フロアフレーム取付部25およびトンネルロアフレーム連結部29からフロアフレーム31およびトンネルロアフレーム33にそれぞれ伝達して効果的に支持することができる。
また、上記実施形態に示すように、フロントサブフレーム3を構成するサイドメンバ5および傾斜メンバ8を、それぞれ軽量で高剛性を有するパイプ状部材により形成した場合には、ペリメータフレームで上記フロントサブフレーム3を形成した場合のように、該フロントサブフレーム3を大型化することなく、自動車の衝突時に上記サイドメンバ5に入力された衝突荷重と、自動車の走行時に上記ロアアーム4から入力された横力等との両方を充分に支持することができるため、車体重量が増大するのを抑制しつつ、フロントサブフレーム3の表面積が大きくなることに起因した面振動を抑制して騒音が発生するのを効果的に防止できるという利点がある。
なお、上記実施形態では、サイドメンバ後方部10とサイドメンバ前方部11とを一本のパイプ状部材により形成した例について説明したが、別体に形成されたサイドメンバ後方部10とサイドメンバ前方部11とを一体に溶接する等により上記サイドメンバ5を構成してもよい。この場合、上記サイドメンバ前方部11を、サイドメンバ後方部10に比べて軸方向の耐力が低い素材で形成し、あるいはサイドメンバ前方部11の板厚を、サイドメンバ後方部10に比べて大きく設定することにより、上記サイドメンバ5の前方部を、自動車の衝突時に変形させて衝突荷重を効果的に吸収することができる。
さらに、上記実施形態では、左右傾斜メンバ8の前端部に設けられた連結部23をセンタクロスメンバ7の傾斜メンバ取付部22に取り付けることにより、該左右の傾斜メンバ8とセンタクロスメンバ7と一体に連結した例について説明したが、図7に示すように、左右の傾斜メンバ8aを別体の丸パイプ材等で形成するとともに、各傾斜メンバ8aの前端部を、センタクロスメンバ7の後部に設けられた取付孔部22aに挿入して、それぞれ個別に取り付けるように構成してもよい。
2 フロントサイドフレーム
3 フロントサブフレーム
4 ロアアーム(サスペンションアーム)
5 サイドメンバ
7 センタクロスメンバ
8 傾斜メンバ
10 サイドメンバ後方部
11 サイドメンバ前方部
12 前側アーム支持部材
25 フロアフレーム取付部
26 後側アーム支持部材
29 トンネルロアフレーム連結部
30 フロアパネル
31 フロアフレーム
32 フロアトンネル
33 トンネルロアフレーム
35 トルクボックス
35a 前面板(縦面)
35c 稜線
44 後側連結部

Claims (7)

  1. 車両の前後方向に延びる左右一対のサイドメンバと、該左右のサイドメンバを連結するように車幅方向に延設されたクロスメンバとを有する自動車のフロントサブフレーム構造であって、上記サイドメンバは、少なくともその一部が車幅方向の内方側に傾斜しつつ車両の後方側に延びるように設置されたサイドメンバ後方部と、該サイドメンバ後方部の前端から車幅方向の外方側に傾斜しつつ車両の前方側に延びるように設置されたサイドメンバ前方部とを備え、上記サイドメンバ後方部には、上記クロスメンバの側端部が連結されるとともに、サスペンションアームを支持するアーム支持部が設けられ、かつフロアパネルの車幅方向中間部位を上方に膨出させてなるフロアトンネルの下辺部に沿って設けられたトンネルロアフレームに取り付けられるトンネルロアフレーム連結部が上記サイドメンバの後方延長線上に設けられ、自動車の衝突時に上記サイドメンバ前方部が変形することにより衝突荷重の吸収部として機能するように構成されたことを特徴とする自動車のフロントサブフレーム構造。
  2. 上記クロスメンバの車幅方向中央部から車幅方向の外方側に傾斜しつつ車両の左右後方に向けて延びる左右一対の傾斜メンバを有し、該傾斜メンバに上記サイドメンバの後端部が接合されるとともに、該傾斜メンバの後方に上記トンネルロアフレーム連結部が配設されたことを特徴とする請求項1に記載の自動車のフロントサブフレーム構造。
  3. 上記傾斜メンバの後端部に、上記フロアパネルに沿って上記トンネルロアフレームよりも車幅方向外側において車両の前後方向に延びるフロアフレームに取り付けられるフロアフレーム取付部が設けられたことを特徴とする請求項2に記載の自動車のフロントサブフレーム構造。
  4. 車室の左右両側辺部に設置されたサイドシルの前部と上記フロアフレームの前部と連結するトルクボックスを備え、該トルクボックスには、上記フロアフレーム取付部の隣接部位から車幅方向の外方側に延びる縦面または稜線が設けられたことを特徴とする請求項3に記載の自動車のフロントサブフレーム構造。
  5. サスペンションアームの後側連結部を支持する後側アーム支持部材が、上記サイドメンバ後方部と傾斜メンバに設けられたフロアフレーム取付部とに跨るように架設されたことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の自動車のフロントサブフレーム構造。
  6. 左右傾斜メンバの後部を連結するように車幅方向に延設されたリヤクロスメンバを有し、該リヤクロスメンバの上下寸法が上記傾斜メンバの上下寸法よりも小さく設定されたことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の自動車のフロントサブフレーム構造。
  7. 上記サイドメンバおよび傾斜メンバがそれぞれパイプ状部材により形成されたことを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の自動車のフロントサブフレーム構造。
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