JP6044794B2 - 車両の前部車体構造 - Google Patents

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本発明は、エプロンレインフォースメントの前端部からフロントサイドフレームの前端側部分の車幅方向外側部まで延びた延設部材と、この延設部材から前方に延びた突設部材を備えた車両の前部車体構造に関する。
従来より、車両の前面衝突時の乗員に対する衝撃荷重を低減する為に、フロントサイドフレームに入力される衝撃荷重によりフロントサイドフレームを所定の変形モードで変形させることで衝撃エネルギーを吸収する変形モード制御が知られている。
この変形モード制御においては、衝突初期に、フロントサイドフレームの前端部に設けられたクラッシュカンを潰れ変形させ、衝突中期に、フロントサイドフレームをダッシュパネルとの結合部を基点として車幅方向外側へ向かうように山折れ変形させ、衝突後期に、変形されたフロントサイドフレームを全体的に潰れ変形させることにより、衝突初期に車体減速度を大きくし、その後も大きな車体減速度を維持している。
車両の前面衝突では、フロントサイドフレームよりも車幅方向外側の車体部分に衝撃荷重が作用することがある。このスモールオーバーラップ衝突(以下、SOL衝突と略す)では、衝突物がフロントサイドフレームと前輪との間に入り込む虞があり、また、衝突物とフロントサイドフレームとがオーバーラップする場合に比べてフロントサイドフレームへの荷重伝達効率が低下し、フロントサイドフレームの変形による衝撃エネルギー吸収量が少なく、車室側へ伝達される衝撃荷重が増加する。
特許文献1の車両の前部車体構造は、フロントサイドフレームから車幅方向外側に突出する荷重伝達部材としての突出部を設け、この突出部の前端を車体前後方向においてクラッシュカンとフロントサイドフレームとの連結部とセットプレートを介して連結し、突出部の車幅方向外側の側面を平面視において車体後方に向かって車幅方向内側へ傾斜するように形成し、突出部とパワーユニットとを車体前後方向にオーバーラップさせている。
また、車体構成部材であるエプロンレインフォースメント(以下、レインフォースメントをレインと略す)を利用して荷重伝達部材を形成する技術も提案されている。
特許文献2の車両の車体構造は、フロントサイドフレームと、エプロンレインと、セットプレートを介してフロントサイドフレームの前端に取り付けられたクラッシュカンとを備え、フロントサイドフレームよりも車幅方向外側にエプロンレインの前端とセットプレートとを連結する荷重伝達部材としての連結部材を設けている。
特開2013−212757号公報 特開2005−231435号公報
一般に、前端部に大重量であるバンパレインが装着されたクラッシュカンは、その後端部が螺合可能な締結部材(例えばボルト)によってフロントサイドフレームの前端部に設けられたセットプレートに対して前後方向から締結固定されている。
それ故、車両の軽衝突時には、締結部材を取り外して破損したクラッシュカンのみを新しいクラッシュカンに取り替えることにより、リペア性を確保している。
このような構造では、クラッシュカンの後端部がセットプレートに対して締結固定された、所謂面で支持された片持ち構造になっているため、車両の走行振動に起因してバンパレインとクラッシュカンが上下方向に振動し易いことから、NVH(Noise Vibration Harshness)性能が低下し、乗員の室内の居住性が悪化するという問題があった。
バンパレインとクラッシュカンの上下振動は、セットプレートによる固定を廃止して、フロントサイドフレームの前端部にクラッシュカンの後端部分を挿入し、締結部材により車幅方向から締結固定することで、クラッシュカンとフロントサイドフレームとの結合領域を増加してクラッシュカンの支持強度を向上させることができ、抑制することができる。
しかし、クラッシュカンをフロントサイドフレームに対して挿入し車幅方向から締結固定する場合、以下のような新たな問題が生じる。
つまり、フロントサイドフレームの前端部にクラッシュカンの後端部分を挿入した場合、フロントサイドフレームとクラッシュカンとが重なり合う結合領域の板厚が増加するため、結合領域のフレーム剛性が増加する。それ故、衝突後期におけるフロントサイドフレームの潰れ変形が阻害され、前面衝突時のフロントサイドフレームの変形による衝撃エネルギー吸収量が減少する。これは、衝撃エネルギー吸収部材等の追加により補うことができるが、この場合、重量が増加するという新たな問題が生じる。
一方で、SOL衝突を対策しつつ衝撃エネルギー吸収量を増加するために、クラッシュカンの車幅方向外側に第2クラッシュカンを設けてフロントサイドフレームに固定することが考えられる。しかし、第2クラッシュカンをフロントサイドフレームに固定した場合、前述した場合と同様に、フロントサイドフレームの高剛性領域が増加することによる衝撃エネルギー吸収量の減少を衝撃エネルギー吸収部材等の追加により補うが、この場合、重量が増加するという新たな問題が生じる。
本発明の目的は、軽量でありながら、クラッシュカンのリペア性を確保しつつ、NVH性能と衝撃エネルギー吸収性能とを両立できる車両の前部車体構造等を提供することである。
請求項1の車両の前部車体構造は、車幅方向に延びるバンパレインフォースメントと、このバンパレインフォースメントを左右1対のクラッシュカンを介して支持する左右1対のフロントサイドフレームと、左右1対のエプロンレインフォースメントの前端部から前記左右1対のフロントサイドフレームの前端側部分の車幅方向外側部まで夫々延びた左右1対の延設部材と、これら左右1対の延設部材から前方に夫々延びた左右1対の突設部材とを備えた車両の前部車体構造において、前記クラッシュカンの後端部分が前記フロントサイドフレームの前端部に挿入された結合部を介して固定され、前記延設部材の前端部が前記結合部の車幅方向外側壁部に当接され、前記突設部材が前記延設部材の前端部よりも車幅方向外側に配設され、前記突設部材と前記延設部材とが車両前後方向にオーバーラップする状態で前記結合部の車幅方向外側壁部に連結されたことを特徴としている。
この車両の前部車体構造では、クラッシュカンの後端部分がフロントサイドフレームの前端部に挿入された結合部を介して固定されるため、バンパレインフォースメントとクラッシュカンの上下振動を抑制しながらボルト等の締結部材により車幅方向から締結固定することができる。
前記延設部材の前端部が前記結合部の車幅方向外側壁部に当接され、突設部材が延設部材の前端部よりも車幅方向外側に配設され、突設部材と延設部材とが車両前後方向にオーバーラップする状態で結合部に連結されているため、突設部材を介して前面衝突時の衝撃荷重を分散することができ、結合部のようにフレーム剛性が増加する結合構造の長さを最小限にしてフロントサイドフレームの変形による衝撃エネルギー吸収量を高くすることができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記突設部材が前記フロントサイドフレームと平行に前後方向に延びることを特徴としている。
これにより、SOL衝突のとき、衝撃荷重を突設部材を介して延設部材からエプロンレインフォースメントへ能率的に伝達でき、荷重伝達効率を向上することができる。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記突設部材が外側クラッシュカンであり、前記延設部材が前記エプロンレインフォースメントの前端部から下側前方に移行するように形成され、前記延設部材の前端部に、内部に第1のボルトが着座可能なボルト座面部を収容した閉断面が形成されると共に外部にブラケットが設けられ、前記延設部材と前記クラッシュカンが前記結合部に車幅方向向きの前記第1のボルトにより締結され且つ前記外側クラッシュカンの後端部分が前記ブラケットに上下方向向きの第2のボルトにより締結されたことを特徴としている。
これにより、クラッシュカン及び外側クラッシュカンの交換をボルトの脱着によって行うことができ、軽衝突時のリペア性を向上することができる。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記外側クラッシュカンの前端部分が前記バンパレインフォースメントに上下方向向きの第3のボルトにより締結されたことを特徴としている。
これにより、外側クラッシュカンの交換を上下方向からの作業で行えるため、作業能率を高くすることができ、一層軽衝突時のリペア性を向上することができる。
本発明の車両の前部車体構造によれば、軽量でありながら、クラッシュカンのリペア性を確保しつつ、NVH性能と衝撃エネルギー吸収性能とを両立することができる。
実施例1に係る車両の前部車体の斜視図である。 平面図である。 フロントサイドフレームをエンジンルーム外方側から視た側面図である。 延設部材周辺の斜視図である。 延設部材周辺を下方から視た図である。 外側クラッシュカンの一部破断側面図である。 外側クラッシュカンとブラケットを取り外した側面図である。 バンパレインと外側クラッシュカンと延設部材の分解斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下の説明は、本発明を車両に適用したものを例示したものであり、本発明、その適用物、或いは、その用途を制限するものではない。
以下、本発明の実施例1について図1〜図8に基づいて説明する。
図1〜図3に示すように、車両Vには、車室SとエンジンルームEとを前後に仕切るダッシュパネル1と、このダッシュパネル1の前側に配設される左右1対のフロントサイドフレーム2と、これら1対のフロントサイドフレーム2の前端部に左右1対の断面略矩形筒状の内側クラッシュカン3(クラッシュカン)を介して支持されたバンパレインフォースメント(以下、バンパレインと略す)4と、1対のフロントサイドフレーム2の車幅方向外側上方に配置された左右1対のエプロンレインフォースメント(以下、エプロンレインと略す)5と、これら1対のエプロンレイン5の前端部から前方に延びた左右1対の延設部材6と、これら1対の延設部材6から前方に延びた左右1対の外側クラッシュカン7(突設部材)等が設けられている。
尚、以下、矢印F方向を前方とし、矢印L方向を左方として説明する。
ダッシュパネル1は、フロントサイドフレーム2等に比べて板厚が薄く比較的剛性の低い鋼板からなる。このダッシュパネル1は、車室Sの前端部において上下方向に延びる縦壁部1aと、縦壁部1aの下端縁から後方に向かって後方下がり傾斜状に延びる傾斜部1bとを備えている。縦壁部1aの下端部と傾斜部1bの上端部はスポット溶接により接合されている。傾斜部1bの後端部分は、フロアパネル(図示略)の前端部分に接合されている。縦壁部1aの上端部は、車幅方向に延びるカウル部(図示略)に接合され、ダッシュパネル1の車幅方向両端部はフロントヒンジピラー(図示略)に接合されている。
次に、左右1対のフロントサイドフレーム2について、説明する。
図1〜図7に示すように、左右1対のフロントサイドフレーム2は、車室Sの前端を仕切るダッシュパネル1の前側においてエンジンルームEの左部と右部に夫々前後方向に延びるように配設されている。即ち、左右1対のフロントサイドフレーム2は、車両Vの前端側位置から後方へ向かって略水平状に延び且つ後端側途中部がダッシュパネル1の縦壁部1aに接合され、後端側部分が傾斜部1bとフロアパネルの下面に沿って後方下がり傾斜状に延びて接合されている。フロントサイドフレーム2の後端側部分はダッシュパネル1に接合されている。
フロントサイドフレーム2は、車幅方向外側のアウタパネル2aと、車幅方向内側のインナパネル2bとにより前後方向に延びる断面略矩形状の閉断面構造に形成されている。
アウタパネル2aは、平板状のハイテン鋼板をプレス成形した部材であり、アウタパネル2aは、上側に位置するアウタ上フランジ部と、下側に位置するアウタ下フランジ部と、両者の中間に位置する鉛直断面略コ字状のアウタパネル本体部とを備えている。
同様に、ハイテン鋼板製インナパネル2bは、上側に位置するインナ上フランジ部、下側に位置するインナ下フランジ部、両者の中間に位置する鉛直断面略コ字状のインナパネル本体部を備えている。
アウタパネル2aの前端側部分には、上下方向に延びる折れ曲り予定部としてのアウタビード2cが形成され、インナパネル2bの後端側部分には、上下方向に延びる折れ曲り予定部としてのインナビード2dが形成されている。これにより、フロントサイドフレーム2に前方から衝撃荷重が作用したとき、フロントサイドフレーム2は、アウタビード2cを基点として車幅方向内側に谷折れ変形すると共にインナビード2dを基点として車幅方向外側に山折れ変形した後、全体的に潰れ変形されて車室Sに伝達される衝撃エネルギーを吸収している。
次に、左右1対の内側クラッシュカン3について説明する。
図1,図2,図4〜図7に示すように、フロントサイドフレーム2の前端部には、内側クラッシュカン3の後端部分が内嵌状に挿入されている。この内側クラッシュカン3は、フロントサイドフレーム2と同種の金属製筒状体で形成され、その後端部分には、車幅方向に延びる3つのパイプ状スペーサ(図示略)が配設されている。内側クラッシュカン3の後端部分がフロントサイドフレーム2の前端部と重なり合った部分が結合部Bに相当している。
軽衝突等のように衝撃荷重が比較的小さい場合には、フロントサイドフレーム2を破損させることなく、内側クラッシュカン3のみが潰れることによって衝撃エネルギーを吸収し、また、内側クラッシュカン3の変形のみで衝撃エネルギーを吸収できない場合には、前述したようにフロントサイドフレーム2が折れ曲り変形する。
左右1対のエプロンレイン5は、1対のフロントヒンジピラーの付け根部分からサスタワー8の前側近傍位置まで左右1対のフロントサイドフレーム2に対して略平行に下側前方へ夫々延設され、1対のサスタワー8を夫々支持している。
エプロンレイン5は、下壁部と外壁部とからなるアウタパネル5aと、上壁部と内壁部とからなるインナパネル5bとにより前後方向に延びる断面略矩形状の閉断面を構成している。これらエプロンレイン5の車幅方向外側部分には、左右両側のフェンダパネル(図示略)が夫々装着されている。
1対の筒状のサスタワー8は、フロントサイドフレーム2とエプロンレイン5との間でダッシュパネル1に近接配置されている。
次に、左右1対の延設部材6について説明する。
図1〜図8に示すように、左右1対の延設部材6は、左右1対のエプロンレイン5の前端部から左右1対のフロントサイドフレーム2のアウタビード2cの前側近傍位置まで夫々延びるように形成されている。これら延設部材6は、エプロンレイン5に連なるようにアウタパネル6aとインナパネル6bとを備え、断面略矩形状の閉断面形状に夫々構成されている。左右1対の延設部材6は、左右1対のエプロンレイン5の前端部から車幅方向内側に向けて下側前方に湾曲状に移行し、それら前半部のインナパネル6bは略鉛直姿勢でアウタパネル2aに面当接している。
図5に示すように、左右1対の延設部材6の下端部分には、閉断面内に車幅方向に延びる3つのパイプ状スペーサs1(ボルト座面部)が収容されている。これらのスペーサs1は、内側クラッシュカン3のスペーサと同軸状に隣接するように配設され、それらのスペーサ間に、インナパネル6bと、アウタパネル2aと、内側クラッシュカン3の車幅方向外側壁部とが介在されている。これにより、スペーサs1等を車幅方向に貫通させた3本のボルトb1(第1のボルト)を締結したとき、内側クラッシュカン3の後端部分が結合部Bに固定され、同時に、インナパネル6bを介して延設部材6が結合部Bに固定される。
左右1対の延設部材6の車幅方向外側部分には、結合部Bの上端と下端に夫々対応するように上下1対の板状ブラケット9が夫々固着されている。上下1対のブラケット9は、略水平状に配設され、前後方向に所定間隔離隔して隣り合う1対のボルト穴9hが夫々形成されている。図8に示すように、アウタパネル6aの上下1対のブラケット9に挟まれた部分には、3本のボルトb1に対向した3つの作業穴6cが形成されている。
次に、左右1対の外側クラッシュカン7について説明する。
左右1対の外側クラッシュカン7は、左右1対のフロントサイドフレーム2と略平行に配設され、前後方向に延びるように夫々形成されている。
外側クラッシュカン7は、フロントサイドフレーム2と同種の金属素材で構成され、断面略矩形筒状に形成されている。これら外側クラッシュカン7は、軽衝突等のように衝撃荷重が比較的小さい場合には、外側クラッシュカン7のみが潰れることによって衝撃エネルギーを吸収し、また、外側クラッシュカン7の変形のみで衝撃エネルギーを吸収できない場合には、吸収できない衝撃エネルギーを主にエプロンレイン5に伝達し、残りをフロントサイドフレーム2に伝達するように構成されている。このように、外側クラッシュカン7と延設部材6とが車両前後方向にオーバーラップする状態で前記結合部Bの車幅方向外側壁部に連結されている。
図1〜図6,図8に示すように、左右1対の外側クラッシュカン7は、断面略コ字状のアウタパネル7aと、断面略コ字状のインナパネル7bとを備え、両者が協働して前後方向に延びる閉断面を構成している。外側クラッシュカン7の上壁部及び下壁部の後端側部分には、ブラケット9の前後1対のボルト穴9hに対応するように、前後方向に所定間隔離隔して隣り合う1対のボルト穴7hが夫々形成されている。
図6に示すように、外側クラッシュカン7の後端側部分の閉断面内部には、上下に対向して形成されたボルト7h穴間を連通する前後1対のパイプ状スペーサs2が設けられている。上下1対のブラケット9の間に外側クラッシュカン7を嵌装した後、各ボルト穴7h,9hとスペーサs2とを上下方向に貫通させた2本のボルトb2(第2のボルト)により締結固定する。
図5,図6,図8に示すように、外側クラッシュカン7の上壁部及び下壁部の前端側部分には、ボルト穴7iを備えた上下1対の突出部7cが形成されている。上下1対の突出部7cが、バンパレイン4の左右両端側後部に夫々設けられた上下方向に延びるパイプ状スペーサs3を上下から挟み込むように配置され、各ボルト穴7iとスペーサs3とを上下方向に貫通させたボルトb3(第3のボルト)によりバンパレイン4と外側クラッシュカン7とを締結固定する。
次に、内側クラッシュカン3と外側クラッシュカン7の組み付け手順について説明する。
まず、内側クラッシュカン3の後端部分が内嵌状に挿入されたフロントサイドフレーム2の結合部Bに延設部材6を固定する。
具体的には、延設部材6を結合部Bに位置決めした後、ボルトb1を作業穴6cから延設部材6内のスペーサs1に挿入し、スペーサs1に着座したボルトb1が内側クラッシュカン3及びフロントサイドフレーム2を車幅方向に貫通した状態で締結固定される。
これにより、内側クラッシュカン3及び延設部材6がフロントサイドフレーム2の結合部Bに固定される。この後、内側クラッシュカン3にバンパレイン4を組み付ける。
次に、外側クラッシュカン7を延設部材6に固定する。
外側クラッシュカン7の後端側部分を延設部材6の車幅方向外側から上下1対のブラケット9の間に嵌装し、ボルト穴7h,9hからスペーサs2に挿入されたボルトb2が外側クラッシュカン7を上下方向に貫通した状態で締結固定される。
これにより、外側クラッシュカン7が結合部Bに固定された延設部材6に固定される。この後、外側クラッシュカン7の突出部7cのボルト穴7iに挿入されたボルトb3がバンパレイン4に設けられたスペーサs3を上下方向に貫通した状態で締結固定される。
内側クラッシュカン3又は外側クラッシュカン7を交換する場合は、上記手順と反対の手順で作業する。即ち、軽衝突等のように衝撃荷重が比較的小さく外側クラッシュカン7のみが潰れた場合、ボルトb2,b3を取り外して外側クラッシュカン7を交換する。また、軽衝突において、内側クラッシュカン3のみが潰れた場合、外側クラッシュカン7を取り外した後、作業穴6cから締結工具を挿入してボルトb1を取り外して内側クラッシュカン3を交換する。
次に、上記車両Vの前部車体構造の作用・効果について説明する。
この車両Vの前部車体構造によれば、内側クラッシュカン3の後端部分がフロントサイドフレーム2の前端部に挿入された結合部Bを介して固定されるため、バンパレイン4と内側クラッシュカン3の上下振動を抑制しながらボルトb1により車幅方向から締結固定することができる。
外側クラッシュカン7が延設部材6の前端部よりも車幅方向外側に配設され、外側クラッシュカン7と延設部材6とが結合部Bに連結されているため、外側クラッシュカン7を介して前面衝突時の衝撃荷重を分散することができ、フレーム剛性が増加する結合部Bを最小限にしてフロントサイドフレーム2の変形による衝撃エネルギー吸収量を高くすることができる
外側クラッシュカン7がフロントサイドフレーム2と平行に前後方向に延びているため、SOL衝突のとき、衝撃荷重を外側クラッシュカン7を介して延設部材6からエプロンレイン5へ能率的に伝達でき、荷重伝達効率を向上することができる。
突設部材が外側クラッシュカン7であり、延設部材6がエプロンレイン5の前端部から下側前方に移行するように形成され、延設部材6の前端部に、内部にボルトb1が着座可能なスペーサs1を収容した閉断面が形成されると共に外部にブラケット9が設けられ、延設部材6と内側クラッシュカン3が結合部Bに車幅方向向きのボルトb1により締結され且つ外側クラッシュカン7の後端部分がブラケット9に上下方向向きのボルトb2により締結されたため、内側クラッシュカン3及び外側クラッシュカン7の交換をボルトb1,b2の脱着によって行うことができ、軽衝突時のリペア性を向上することができる。
外側クラッシュカン7の突出部7cがバンパレイン4に設けたスペーサs3に上下方向向きのボルトb3により締結されている。これにより、外側クラッシュカン7の交換を上下方向からの作業で行えるため、作業能率を高くすることができ、一層軽衝突時のリペア性を向上することができる。
次に、前記実施形態を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施形態においては、突設部材として軸圧縮変形可能な外側クラッシュカンを用いた例を説明したが、少なくともSOL衝突時、エプロンレインに衝撃荷重を伝達できれば良く、通常のメンバ部材であっても良い。
2〕前記実施形態においては、外側クラッシュカンを延設部材に固定し、この延設部材を内側クラッシュカンとフロントサイドフレームの結合部に車幅方向から共締めした例を説明したが、外側クラッシュカンと延設部材と内側クラッシュカンとを共通のボルトによりフロントサイドフレームの結合部に車幅方向から共締めしても良い。
3〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
V 車両
B 結合部
2 フロントサイドフレーム
3 内側クラッシュカン
4 バンパレイン
5 エプロンレイン
6 延設部材
7 外側クラッシュカン(突設部材)
9 ブラケット
b1,b2,b3 ボルト
s1,s2,s3 スペーサ

Claims (4)

  1. 車幅方向に延びるバンパレインフォースメントと、このバンパレインフォースメントを左右1対のクラッシュカンを介して支持する左右1対のフロントサイドフレームと、左右1対のエプロンレインフォースメントの前端部から前記左右1対のフロントサイドフレームの前端側部分の車幅方向外側部まで夫々延びた左右1対の延設部材と、これら左右1対の延設部材から前方に夫々延びた左右1対の突設部材とを備えた車両の前部車体構造において、
    前記クラッシュカンの後端部分が前記フロントサイドフレームの前端部に挿入された結合部を介して固定され、
    前記延設部材の前端部が前記結合部の車幅方向外側壁部に当接され、
    前記突設部材が前記延設部材の前端部よりも車幅方向外側に配設され、
    前記突設部材と前記延設部材とが車両前後方向にオーバーラップする状態で前記結合部の車幅方向外側壁部に連結されたことを特徴とする車両の前部車体構造。
  2. 前記突設部材が前記フロントサイドフレームと平行に前後方向に延びることを特徴とする請求項1に記載の車両の前部車体構造。
  3. 前記突設部材が外側クラッシュカンであり、
    前記延設部材が前記エプロンレインフォースメントの前端部から下側前方に移行するように形成され、
    前記延設部材の前端部に、内部に第1のボルトが着座可能なボルト座面部を収容した閉断面が形成されると共に外部にブラケットが設けられ、
    前記延設部材と前記クラッシュカンが前記結合部に車幅方向向きの前記第1のボルトにより締結され且つ前記外側クラッシュカンの後端部分が前記ブラケットに上下方向向きの第2のボルトにより締結されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の前部車体構造。
  4. 前記外側クラッシュカンの前端部分が前記バンパレインフォースメントに上下方向向きの第3のボルトにより締結されたことを特徴とする請求項3に記載の車両の前部車体構造。
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