JP5162201B2 - 車両用動力源の支持構造 - Google Patents

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Description

本発明は、フロントサブフレームの前方に設けられた動力源をフロントサブフレームに連結する車両用動力源の支持構造に関する。
自動車の車体のなかには、左右のサイドフレームの下側にフロントサブフレームが取り付けられ、フロントサブフレームの左右端部にフロントサスペンションが取り付けられたものがある。
車体は、フロントサブフレームの前方にエンジン(以下、動力源という)が配置され、動力源をフロントサブフレームに連結する支持構造を備えている。
この車両用動力源の支持構造は、動力源を支持部材を用いてフロントサブフレームの略中央に連結するように構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2000−238656号公報
特許文献1に示す従来の支持構造によれば、支持部材の上下のブラケットでフロントサブフレームが挟み付けられ、挟み付けられた各ブラケットがフロントサブフレームにボルト止めされている。
よって、動力源を支持部材を介してフロントサブフレームで支えることができる。
ところで、従来の車両用動力源の支持構造は、車体前方から後方に向けて衝撃荷重が作用した場合、上下のブラケットを変形させて衝撃荷重を吸収することが可能である。
しかし、通常の車体は、一般に、フロントサブフレームと動力源との間の距離が小さく抑えられている。
よって、従来の車両用動力源の支持構造のように、上下のブラケットを変形させて衝撃荷重を吸収する構成では、上下のブラケットの変形代を十分に確保できない。
このため、上下のブラケットを変形させて衝撃荷重を効率よく吸収することは難しい。
また、コンパクトな車両用動力源の支持構造においては、荷重入力方向(作用方向)や荷重の大きさなどを考慮して脆弱部を設定するスペースの確保が難しい。
本発明は、車体前方から後方に向けて作用する衝撃荷重を効率よく吸収することができる車両用動力源の支持構造を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、フロントサブフレームの前方に設けられた動力源を前記フロントサブフレームに支持する車両用動力源の支持構造であって、前記動力源の下部において前記動力源に取り付けられた支持ブラケットと、前記支持ブラケットに前端部が連結されるとともに車体後方に延出され、延出された後端部が前記フロントサブフレームに連結された支持ロッドと、を備え、前記支持ブラケットには前記動力源に取り付けられる第1、第2の締結部と、前記支持ロッドの前端部に取り付けられる第3締結部と、が形成され、前記第1締結部は前記支持ロッドに沿って前記動力源に第1締結部材で取り付けられ、前記第2締結部は前記支持ブラケットにおいて前記第1締結部の前方かつ上方に位置し、前記動力源に前記第2締結部材で取り付けられ、前記第3締結部は前記支持ブラケットにおいて前記第1締結部より前方で、かつ前記第2締結部より下方に位置し、前記支持ブラケットは、前記動力源に車体前方側から衝撃荷重が作用したとき、まず前記第1締結部が破断して前記第1締結部材による締結が解除され、つぎに前記第2締結部が破断して前記第2締結部材による締結が解除されるように形成されていることを特徴とする。
請求項2において、前記第1締結部は横アーム、前記第2締結部は上支え部、第3締結部は支えアームであり、前記支持ブラケットは、前記支持ロッドに沿って車両前後方向に延びる横アームが前記動力源に第1締結部材で取り付けられ、前記横アームと車体幅方向に交差させて前記支えアームが配置され、前記支えアームの下端部が前記第1締結部材の前方かつ下方に配置されて前記支持ロッドの前端部に第3締結部材で連結され、前記支えアームの上端部前記上支え部設けられ、前記上支え部が前記動力源に前記第2締結部材で取り付けられたことを特徴とする。
請求項1に係る発明では、動力源に車体前方から後方に向けて衝撃荷重が作用した際に、支持ブラケットのうち、第1締結部材で締結した第1締結部を破断し、第1締結部を破断した後、第2締結部材で締結した第2締結部を破断するように構成した。
このように、支持ブラケットを第1、第2の締結部で2段階に破断させることで、車体前方から後方に向けて作用した衝撃荷重を支持ブラケットで効率よく吸収することができるとともに、動力源をスムーズに車体後方に移動させることが可能となる。
請求項2に係る発明では、横アームを支持ロッドに沿って配置し、横アームに対して交差するように支えアームを配置した。そして、支えアームの下端部に支持ロッドの前端部を第3締結部材で設け、支えアームの上端部から上支え部を上方に張り出した。
よって、上支え部を締結する第2締結部材が第3締結部材の上方に設けられ、横アームを締結する第1締結部材が第3締結部材に対して車体後方に設けられている。
ここで、動力源に車体前方から後方に向けて衝撃荷重が作用した際に、動力源を車体後方に移動させようとする。
一方、支持ブラケットは、横アームが第1締結部材で動力源に取り付けられ、上支え部が第2締結部材で動力源に取り付けられている。
さらに、支持ブラケットは、支えアームが第3締結部材で支持ロッドの前端部に取り付けられている。よって、第3締結部材は静止状態に保たれる。
よって、第3締結部材による反力が車体前方に向いて作用する。同時に、第1締結部材による反力が、第3締結部材および第1締結部材を結ぶ線上において車体後方を向いて作用する。よって、横アームに引張力が作用する。
また、第2締結部材による反力が、第3締結部材および第2締結部材を結ぶ線上において第3締結部材に向いて作用する。よって、上支え部に圧縮力が作用する。
ここで、横アーム、上支え部に引張力と圧縮力が作用した場合、引張力が作用した場合が破損しやすい。
よって、動力源23に衝撃荷重Fが矢印の如く作用した場合、まず横アームが破断する。
横アームが破断することにより、支持ブラケットが第2締結部材を軸にして車体前方に向けて回動する。
よって、上支え部に作用していた圧縮力が引張力に変化して上支え部が破断する。
これにより、まず横アームを破断させ、つぎに上支え部を破断させることができる。したがって、上支え部を締結する第2締結部材を第3締結部材の上方に設け、横アームを締結する第1締結部材を第3締結部材に対して車体後方に設けるという簡単な構成で、支持ブラケットを横アーム、上支え部で2段階に破断させることができる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」は運転者から見た方向にしたがい、前側をFr、後側をRr、左側をL、右側をRとして示す。
図1は本発明に係る車両用動力源の支持構造を備えた車体前部構造を示す平面図である。
車体前部構造10は、車体前後方向に向けて配置された左右のサイドフレーム11,12と、左サイドフレーム11の外側に設けられた左フロントサスペンション13と、右サイドフレーム12の外側に設けられた右フロントサスペンション14と、左右のサイドフレーム11,12の下方に取り付けられたフロントサブフレーム16と、フロントサブフレーム16の上部16aに取り付けられたステアリングギヤボックス18とを備える。
また、車体前部構造10は、フロントサブフレーム16の左端部に左フロントサスペンション13の左ロアアーム21が取り付けられ、フロントサブフレーム16の右端部に右フロントサスペンション14の右ロアアーム22が取り付けられ、フロントサブフレーム16の前方に車両用動力源の支持構造20が設けられている。
左フロントサスペンション13のナックルにハブ(図示せず)を介して左前輪25が取り付けられている。
右フロントサスペンション14のナックル27(図2参照)にハブを介して右前輪26が取り付けられている。
図2は本発明に係る車両用動力源の支持構造を備えた車体前部構造を示す斜視図である。
フロントサブフレーム16は、平面視で略矩形状に形成され、左端部に左前取付部36および左後取付部37が設けられるとともに、右端部に右前取付部38および右後取付部39が設けられ、左前取付部36の近傍に左アーム取付部41が設けられ、右前取付部38の近傍に右アーム取付部42が設けられ、上部16aにステアリングギヤボックス18が取り付けられている。
左前取付部36は、車体左側に向けて上り勾配で延出され、左後取付部37は車体左側に向けて延出されている。
左前取付部36および左後取付部37がボルト51,51で左サイドフレーム11にそれぞれ取り付けられている。
右前取付部38は、車体右側に向けて上り勾配で延出され、右後取付部39は車体左側に向けて延出されている。
右前取付部38および右後取付部39がボルト52,52で右サイドフレーム12にそれぞれ取り付けられている。
これにより、フロントサブフレーム16は、左右のサイドフレーム11,12の下側に取り付けられている。
左前取付部36の車体前方側の近傍に左アーム取付部41が設けられている。
左アーム取付部41に、図1に示す左フロントサスペンション13の一部を構成する左ロアアーム21の基部21aがボルト53で上下方向に回動自在に取り付けられている。
左ロアアーム21の先端部に左ナックル(図示せず)が回動自在に設けられている。この左ナックルにハブを介して左前輪25(図1参照)が取り付けられている。
右前取付部38の車体前方側の近傍に右アーム取付部42が設けられている。
右アーム取付部42に、図1に示す右フロントサスペンション14の一部を構成する右ロアアーム22の基部22aがボルト54で上下方向に回動自在に取り付けられている。
右ロアアーム22の先端部22bに右ナックル27が回動自在に設けられている。この右ナックル27にハブを介して右前輪26(図1参照)が取り付けられている。
このように、左前取付部36の車体前方側の近傍に左アーム取付部41が設けられるとともに、右前取付部38の車体前方側の近傍に右アーム取付部42が設けられている。
よって、左右のアーム取付部41,42を左右のサイドフレーム11,12で補強することができ、左右のアーム取付部41,42の剛性を確保することができる。
ステアリングギヤボックス18は、ステアリングギヤ17などを収容する円筒状のケースである。
このステアリングギヤボックス18は、左右の取付片56,57および中央取付片58がそれぞれのボルト61,62,63でフロントサブフレーム16の上部16aに車体幅方向を向いて取り付けられている。
ステアリングギヤボックス18から延出されたステアリングシャフト66にステアリングホイール67が取り付けられている。
ステアリングホイール67を回転することにより左右のタイロッド68,69が車幅方向に移動する。左右のタイロッド68,69を車幅方向に移動することで、左右のナックル27(右ナックルのみを図示する)が回動して左右の前輪25,26(図1参照)の向きを変える。
フロントサブフレーム16の上部16aで、かつ、中央支え部位16d(図1参照)の車体前方側に、車両用動力源の支持構造20の連結部48が設けられている。
中央支え部位16dに、ステアリングギヤボックス18の中央取付片58がボルト63で取り付けられている。
以下、車両用動力源の支持構造20の構成を図3〜図4に基づいて詳しく説明する。
図3は本発明に係る車両用動力源の支持構造の分解斜視図である。
車両用動力源の支持構造20は、フロントサブフレーム16の上部16aに設けられた連結部48と、動力源23に取り付けられた支持ブラケット34と、連結部48および支持ブラケット34に連結された支持ロッド33とを備える。
動力源23は、エンジン28とトランスミッション29とが一体に形成され、左右のサイドフレーム11,12間に横向きに配置されたエンジン/トランスミッションユニットである。
この動力源23は、図1に示すように、左取付ブラケット31を介して左サイドフレーム11に取り付けられ、右取付ブラケット32を介して右サイドフレーム12に取り付けられ、支持ロッド33を介してフロントサブフレーム16の上部16aに連結されている。
連結部48は、フロントサブフレーム16の上部16aに上取付ブラケット71が設けられ、上取付ブラケット71と上部16aとの間に収容空間72が形成され、上取付ブラケット71および上部16aに取付孔71a,16bがそれぞれ同軸上に形成され、上部16aの裏面側に取付孔16bと同軸上にナット76が溶接されている。
この連結部48は、ステアリングギヤボックス18の中央取付片58の車体前方側に設けられている。
上部16aに上取付ブラケット71を設けることで、上部16aおよび上取付ブラケット71で収納空間72が形成されている。収納空間72は、支持ロッド33のロッド後端部(後端部)33aを収容する空間である。
連結部48に支持ロッド33のロッド後端部33aが取り付けられている。
支持ブラケット34は、支持ロッド33のロッド前端部(前端部)33bを支持可能な支えアーム(第3締結部)35と、支えアーム35から車体後方に向けて延びた横アーム(第1締結部)43と、支えアーム35から上方に突出された上支え部(第2締結部)44とを有する。
この支持ブラケット34は、一例として、アルミニウム鋳造品である。
支えアーム35は、車幅方向に延びる頂部(上端部)45と、頂部45の両端部に所定間隔Sをおいて設けられた一対のアーム部46,47とで略門型に形成されている。
一対のアーム部46,47のうち、動力源23の壁面23aから離れた側のアーム部46の下端部46aに取付孔81が形成され、壁面23aに近い側のアーム部47の下端部47aにねじ孔82が形成されている。
支えアーム35に支持ロッド33のロッド前端部33bが取り付けられている。
支持ロッド33はロッド前端部33bから車体後方に延出され、後端に設けられたロッド後端部33aが連結部48に取り付けられている。
一対のアーム部46,47間に、支持ロッド33のロッド前端部33bが第3ボルト(第3締結部材)83で取り付けられている。
具体的には、一対のアーム部46,47間にロッド前端部33bが配置され、アーム部46の取付孔81、およびロッド前端部33bの取付孔74に第3ボルト83が差し込まれ、第3ボルト83のねじ部83aがアーム部47のねじ孔82にねじ結合されている。
横アーム43は、動力源23に近い側のアーム部47から支持ロッド33に沿って車体後方に向けて延出され、後端部43aに第1取付孔84が形成されている。
この横アーム43は、動力源23に沿って配置され、図4に示すように、アーム部47から車体後方に向けて幅が徐々に狭くなるように側面視先細状に形成されている。
横アーム43に交差するように支えアーム35が配置されている(図4参照)。
第1取付孔84に第1ボルト(第1締結部材)85が差し込まれ、第1ボルト85のねじ部85aが動力源23の第1ねじ孔86にねじ結合されている。
上支え部44は、支えアーム35の頂部45から動力源23に沿って上方に向けて張り出され、第2取付孔87が形成されている。
第2取付孔87に第2ボルト(第2締結部材)88が差し込まれ、第2ボルト88のねじ部88aが動力源23の第2ねじ孔89にねじ結合されている。
前述したように、連結部48に支持ロッド33のロッド後端部33aを取り付けるために、上取付ブラケット71の取付孔71a、ロッド後端部33aの取付孔73および上部16aの取付孔16bにボルト75が差し込まれ、ボルト75のねじ部75aがナット76にねじ結合されている。
これにより、連結部48の収納空間72に支持ロッド33のロッド後端部33aが収容された状態で、ロッド後端部33aがボルト75を介して連結部48に取り付けられている。
また、前述したように、支えアーム35に支持ロッド33のロッド前端部33bを取り付けるために、一対のアーム部46,47間にロッド前端部33bが配置され、アーム部46の取付孔81、およびロッド前端部33bの取付孔74に第3ボルト83が差し込まれ、第3ボルト83のねじ部83aがアーム部47のねじ孔82にねじ結合されている。
これにより、一対のアーム部46,47間に、支持ロッド33のロッド前端部33bが第3ボルト83で取り付けられている。
このように、連結部48にロッド後端部33aが取り付けられるとともに、支えアーム35にロッド前端部33bが取り付けられることで、動力源23が支持ブラケット34、支持ロッド33および連結部48を介してフロントサブフレーム16の前部16c中央に連結されている。
よって、動力源23を支持ロッド33を介してフロントサブフレーム16の前部16c中央で支えることができる。
図4は図2の4−4線断面図である。
支持ブラケット34は、横アーム43の後端部43aが第1ボルト85で動力源23の壁面23aに取り付けられ、上支え部44が第2ボルト88で動力源23の壁面23aに取り付けられている。
さらに、支持ブラケット34は、支えアーム35の下端部46a,47aに支持ロッド33のロッド前端部33bが第3ボルト83で取り付けられている。
支持ロッド33のロッド後端部33aは、連結部48にボルト75で取り付けられている。
つぎに、車両用動力源の支持構造20で車体前方側から後方に向けて作用した衝撃荷重を吸収する例を図5〜図7に基づいて説明する。
図5(a),(b)は本発明に係る支持ブラケットの横アームを破断させて衝撃荷重を吸収する例について説明した図である。
(a)において、車体前方側から後方に向けて衝撃荷重がかかることにより、動力源23に衝撃荷重Fが矢印の如く作用する。
ここで、支持ブラケット34は、横アーム43が第1ボルト85で動力源23の壁面23aに取り付けられ、上支え部44が第2ボルト88で動力源23の壁面23aに取り付けられている。
さらに、支持ブラケット34は、支えアーム35が第3ボルト83でロッド前端部33bに取り付けられている。よって、第3ボルト83は支持ロッド33で静止状態に保たれる。
よって、第3ボルト83による反力F1が支持ブラケット34に矢印の如く作用する。同時に、第1ボルト85による反力F2が、第3ボルト83の反対方向に向けて支持ブラケット34に矢印の如く作用する。
よって、支持ブラケット34の横アーム43(図3に示す第1取付孔84)に引張力が作用する。
また、第2ボルト88による反力F3が、第3ボルト83に向けて支持ブラケット34に矢印の如く作用する。
よって、支持ブラケット34の上支え部44(図3に示す第2取付孔87)に圧縮力が作用する。
ここで、一例として、反力F2は反力F1と略同じ大きさである(すなわち、F2≒F1)。
一方、一例として、反力F3は反力F1の略1/5の大きさである(すなわち、F3≒0.2×F1)。
さらに、衝撃荷重Fは、車両の通常走行時に作用する荷重と比較して十分に大きい。
また、第3ボルト83は、図3に示すように一対のアーム部46,47に両端支持されている。
よって、動力源23に衝撃荷重Fが矢印の如く作用した場合に、F2>F3となり、まず第1ボルト85に対して横アーム43に滑りが生じる。
これにより、横アーム43の後端部43aに第1取付孔84(図3参照)から亀裂が生じ、後端部43aが破断線91から破断する。
ここで、第1ボルト85の締付トルクや、横アーム43の後端部43aうち、第1ボルト85の頭部の座面となる部位の大きさや厚みをコントロールすることで、横アーム43の後端部43aの破断荷重を調整することができる。
(b)において、横アーム43の後端部43aが破断することで、衝撃荷重Fの一部を吸収することができる。
横アーム43の後端部43aが破断することで、第1ボルト85による横アーム43の後端部43aの締結が解除され、支持ブラケット34は第2ボルト88を軸にして矢印A方向に回動する。
よって、動力源23は車体後方に向けて矢印Bの如く衝撃荷重Fと平行に移動することができる。
図6(a),(b)は本発明に係る支持ブラケットの上支え部を破断させて衝撃荷重を吸収する例について説明した図である。
(a)において、動力源23が車体後方に向けて矢印Bの如く継続して移動することで、支持ブラケット34が第2ボルト88を軸にして矢印A方向に継続して回動する。
よって、第2ボルト88による反力F3が、ボルト83および第2ボルト88を結ぶ線上に矢印の如く作用する。よって、上支え部44の第2取付孔87(図3参照)に引張力が作用する。
ここで、支持ブラケット34が第2ボルト88を軸にして矢印A方向に継続して回動することで、支持ブラケット34が略水平に配置された状態に近づき、上支え部44の第2取付孔87に作用する引張力が大きくなる。
これにより、上支え部44に第2取付孔87から亀裂が生じ、上支え部44が破断線93から破断する。
(b)において、上支え部44が破断線93((a)参照)から破断することで、衝撃荷重Fの残りの一部を吸収することができる。
上支え部44が破断線93から破断することで、第2ボルト88による上支え部44の締結が解除される。
このように、支持ブラケット34を横アーム43および上支え部44で2段階に破断させることで、車体前方から後方に向けて作用した衝撃荷重Fを支持ブラケット34で効率よく吸収することができるとともに、動力源23をスムーズに車体後方に移動させることができる。
加えて、上支え部44を締結する第2ボルト88を第3ボルト83の上方に設け、横アーム43を締結する第1ボルト85を第3ボルト83に対して車体後方に設けるという簡単な構成で、支持ブラケット34を横アーム43および上支え部44で2段階に破断させることができる。
なお、前記実施の形態では、第1〜第3の締結部材として第1〜第3のボルト85,88,83を例示したが、これに限定するものではなく、例えばクリップなどのその他の締結部材を使用することも可能である。
また、前記実施の形態では、支持ブラケット34の支えアーム35、横アーム43よび上支え部44をアルミニウム鋳造品で一体に成形した例について説明したが、これに限らないで、板材をプレス成形したり、板材を溶接で組み合わせて形成することも可能である。
本発明は、フロントサブフレームの前方に設けられた動力源をフロントサブフレームに連結する車両用動力源の支持構造を備えた自動車への適用に好適である。
本発明に係る車両用動力源の支持構造を備えた車体前部構造を示す平面図である。 本発明に係る車両用動力源の支持構造を備えた車体前部構造を示す斜視図である。 本発明に係る車両用動力源の支持構造の分解斜視図である。 図2の4−4線断面図である。 本発明に係る支持ブラケットの横アームを破断させて衝撃荷重を吸収する例について説明した図である。 本発明に係る支持ブラケットの上支え部を破断させて衝撃荷重を吸収する例について説明した図である。
符号の説明
10…車体前部構造、16…フロントサブフレーム、20…車両用動力源の支持構造、23…動力源、33…支持ロッド、33a…ロッド後端部(後端部)、33b…ロッド前端部(前端部)、34…支持ブラケット、35…支えアーム(第3締結部)、43…横アーム(第1締結部)、44…上支え部(第2締結部)、45…頂部(上端部)、46a,47a…支えアームの下端部、83…第3ボルト(第3締結部材)、85…第1ボルト(第1締結部材)、88…第2ボルト(第2締結部材)、F…衝撃荷重。

Claims (2)

  1. フロントサブフレームの前方に設けられた動力源を前記フロントサブフレームに支持する車両用動力源の支持構造であって
    前記動力源の下部において前記動力源に取り付けられた支持ブラケットと、
    前記支持ブラケットに前端部が連結されるとともに車体後方に延出され、延出された後端部が前記フロントサブフレームに連結された支持ロッドと、を備え、
    前記支持ブラケットには前記動力源に取り付けられる第1、第2の締結部と、
    前記支持ロッドの前端部に取り付けられる第3締結部と、が形成され、
    前記第1締結部は前記支持ロッドに沿って前記動力源に第1締結部材で取り付けられ、
    前記第2締結部は前記支持ブラケットにおいて前記第1締結部の前方かつ上方に位置し、前記動力源に前記第2締結部材で取り付けられ、
    前記第3締結部は前記支持ブラケットにおいて前記第1締結部より前方で、かつ前記第2締結部より下方に位置し、
    前記支持ブラケットは、前記動力源に車体前方側から衝撃荷重が作用したとき、まず前記第1締結部が破断して前記第1締結部材による締結が解除され、つぎに前記第2締結部が破断して前記第2締結部材による締結が解除されるように形成されていることを特徴とする車両用動力源の支持構造。
  2. 前記第1締結部は横アーム、前記第2締結部は上支え部、第3締結部は支えアームであり、
    前記支持ブラケットは、
    前記支持ロッドに沿って車両前後方向に延びる横アームが前記動力源に第1締結部材で取り付けられ、
    前記横アームと車体幅方向に交差させて前記支えアームが配置され、
    前記支えアームの下端部が前記第1締結部材の前方かつ下方に配置されて前記支持ロッドの前端部に第3締結部材で連結され、
    前記支えアームの上端部前記上支え部設けられ、前記上支え部が前記動力源に前記第2締結部材で取り付けられたことを特徴とする請求項1記載の車両用動力源の支持構造。
JP2007270713A 2007-10-17 2007-10-17 車両用動力源の支持構造 Expired - Fee Related JP5162201B2 (ja)

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