JP5372130B2 - 車体前部構造 - Google Patents
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Description
この車体前部構造は、フロントサブフレームの前方に動力源(エンジン)が配置され、動力源が支持部材を介してフロントサブフレームの略中央に連結されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、フロントサブフレームの略中央に支持部材を介して動力源を連結することで、フロントサブフレームで動力源を支えている。
さらに、車体前部構造のなかには、締付バンドおよび固定ブッシュを組み合わせた取付部材を用いないで、複数の固定ブッシュのみを用いてステアリングギヤボックスがフロントサブフレームに取り付けられたものがある。
しかし、ステアリングギヤボックスは、左右いずれか一方の端部側にステアリングギヤのピニオンや電動アシスト用のモータが設けられている。
このため、制動荷重による左右の車輪のトー角変化(ばらつき)を同じにすることは難しいとされていた。
このように、フロントサブフレームにクロスメンバーを設けることで、部品点数が増え、そのことが生産性を高める妨げになっていた。
ステアリングギヤボックスを左右略対称の支え部位に設けることで、フロントサスペンション用の左右のロアアームからフロントサブフレームに作用するそれぞれの荷重を、ステアリングギヤボックスで均等に支えることができる。
これにより、制動荷重による左右の車輪のトー角変化のばらつきを抑制することができる。
これにより、補強部材としてクロスメンバーなどを個別に設ける必要がないので、部品点数を増やすことなくフロントサブフレームの剛性を確保することができる。
これにより、左右のロアアームの取付部位を左右のサイドフレームで補強して、左右のロアアームの取付部位の剛性を確保することができる。
この支え部位にステアリングギヤボックスが取り付けられているので、支え部位に伝わった荷重をステアリングギヤボックスで効率よく支えることができる。
車体前部構造10は、車体前後方向に向けて配置された左右のサイドフレーム11,12と、左サイドフレーム11の外側に設けられた左フロントサスペンション13と、右サイドフレーム12の外側に設けられた右フロントサスペンション14と、左右のサイドフレーム11,12の下方に取り付けられたフロントサブフレーム16と、フロントサブフレーム16の上部16aに取り付けられたステアリングギヤボックス18とを備える。
右フロントサスペンション14のナックル27(図2参照)にハブを介して右前輪26が取り付けられている。
この動力源23は、左取付ブラケット31を介して左サイドフレーム11に取り付けられ、右取付ブラケット32を介して右サイドフレーム12に取り付けられ、支持ロッド(支持部材)33を介してフロントサブフレーム16に連結されている。
フロントサブフレーム16は、平面視で略矩形状に形成され、左端部に左前取付部(左サイドフレーム11に取り付けられる部位)36および左後取付部37,47が設けられるとともに、右端部に右前取付部(右サイドフレーム12に取り付けられる部位)38および右後取付部39,49が設けられ、左前取付部36の近傍に左アーム取付部(左ロアアームの取付部位)41が設けられ、右前取付部38の近傍に右アーム取付部(右ロアアームの取付部位)42が設けられ、上部16aに3個の支え部位44〜46が左右略対称に設けられるとともに連結部48が設けられている。
左前取付部36および左後取付部37がボルト51,51で左サイドフレーム11にそれぞれ取り付けられている。
右前取付部38および右後取付部39がボルト52,52で右サイドフレーム12にそれぞれ取り付けられている。
これにより、フロントサブフレーム16は、左右のサイドフレーム11,12の下側に取り付けられている。
左アーム取付部41に、図1に示す左フロントサスペンション13の一部を構成する左ロアアーム21の基部21aがボルト53で上下方向に回動自在に取り付けられている。
左ロアアーム21の先端部に左ナックル(図示せず)が回動自在に設けられている。この左ナックルにハブを介して左前輪25(図1参照)が取り付けられている。
右アーム取付部42に、図1に示す右フロントサスペンション14の一部を構成する右ロアアーム22の基部22aがボルト54で上下方向に回動自在に取り付けられている。
右ロアアーム22の先端部22bに右ナックル27が回動自在に設けられている。この右ナックル27にハブを介して右前輪26(図1参照)が取り付けられている。
この構成によれば、例えば、車両の走行中において、左右の前輪25,26を制動させた際に、左右のロアアーム21,22を経てフロントサブフレーム16に車体幅方向への荷重がそれぞれ作用する。
よって、左右のアーム取付部41,42を左右のサイドフレーム11,12で補強することができ、左右のアーム取付部41,42の剛性を確保することができる。
左支え部位44は、左前取付部36および左アーム取付部41の近傍に隆起状に設けられ、中央に取付孔44aが形成され、裏面側に取付孔44aと同軸上にナット(図示せず)が溶接されている。
左支え部位44は、ステアリングギヤボックス18のケースを構成するボックス本体19の前方に設けられている。
この右支え部位45は、右前取付部38および右アーム取付部42の近傍に隆起状に設けられ、中央に取付孔45aが形成され、裏面側に取付孔45aと同軸上にナット(図示せず)が溶接されている。
右支え部位45は、左支え部位44と同様に、ステアリングギヤボックス18のケースを構成するボックス本体19の前方に設けられている。
中央支え部位46は、ステアリングギヤボックス18のケースを構成するボックス本体19の後方に設けられている。
ステアリングギヤボックス18は、図2に示すステアリングギヤ17などを収容するボックス本体19と、ボックス本体19の左端部19aから車体前方に向けて張り出された左取付片56と、ボックス本体19の右端部19bから車体前方に向けて張り出された右取付片57と、ボックス本体19の中央部19cから車体後方に向けて張り出された中央取付片58とを備えている。
ボックス本体19は円筒状のケースである。
筒状のブッシュ56aおよび左支え部位44の取付孔44aにボルト61が差し込まれ、差し込まれたボルト61が左支え部位44のナット(図示せず)にねじ結合されている。
筒状のブッシュ57aおよび右支え部位45の取付孔45aにボルト62が差し込まれ、差し込まれたボルト62が右支え部位45のナット(図示せず)にねじ結合されている。
筒状のブッシュ58aおよび中央支え部位46の取付孔46aにボルト63が差し込まれ、差し込まれたボルト63が中央支え部位46のナット(図示せず)にねじ結合されている。
ステアリングホイール67を回転することにより左右のタイロッド68,69が車幅方向に移動する。左右のタイロッド68,69を車幅方向に移動することで、左右のナックル27(右ナックルのみを図示する)が回動して左右の前輪25,26(図1参照)の向きを変える。
よって、例えば、左右の前輪25,26を制動させた際に、左右のロアアーム21,22を経てフロントサブフレーム16に作用するそれぞれの荷重を、ステアリングギヤボックス18で均等に支えることができる。
これにより、制動荷重による左右の車輪のトー角変化のばらつきを抑制することができる。
したがって、補強部材としてクロスメンバーを個別に設ける必要がないので、部品点数を増やすことなくフロントサブフレーム16の剛性を確保することができる。
連結部48は、中央支え部位46の車体前方側に上取付ブラケット71が設けられ、上取付ブラケット71と上部16aとの間に収容空間72が形成され、上取付ブラケット71および上部16aに取付孔71a,16bがそれぞれ同軸上に形成され、上部16aの裏面側に取付孔16bと同軸上にナット(図示せず)が溶接されている。
すなわち、連結部48は、中央支え部位46の車体前方側に設けられている。
すなわち、上取付ブラケット71の取付孔71a、後端部33aの取付孔73および上部16aの取付孔16bにボルト75が差し込まれ、このボルト75がナット(図示せず)にねじ結合されている。
この支持ロッド33は、前端部33bが取付ブラケット77を介して動力源23に取り付けられている。
よって、動力源23を支持ロッド33を介してフロントサブフレーム16の前部16c中央で支えることができる。
図4(a),(b)は本発明に係るフロントサブフレームに伝わった荷重をステアリングギヤボックスで支える例を説明する図である。
(a)において、左右の前輪25,26(図1参照)を制動させた際に、左ロアアーム21を経てフロントサブフレーム16の左アーム取付部41に荷重F1が作用するとともに、右ロアアーム22を経てフロントサブフレーム16の右アーム取付部42に荷重F1が作用する。
これにより、左アーム取付部41に作用した荷重(反力)F1を矢印Aの如く伝えることができる。
矢印Aの如く伝わった荷重(反力)の一部が、左支え部位44を経てステアリングギヤボックス18に伝わり、伝わった荷重(反力)をステアリングギヤボックス18(ボックス本体19)で支える。
これにより、右アーム取付部42に作用した荷重(反力)F1を矢印Bの如く伝えることができる。
矢印Bの如く伝わった荷重(反力)の一部が、右支え部位45を経てステアリングギヤボックス18に伝わり、伝わった荷重(反力)をステアリングギヤボックス18(ボックス本体19)で支える。
よって、左右のロアアーム21,22を経てフロントサブフレーム16に作用する荷重(反力)F1の一部を、ステアリングギヤボックス18の左右の端部19a,19bからそれぞれ均等に伝えることができる。
したがって、制動荷重による左右の車輪25,26(図1参照)のトー角変化のばらつきを抑制することができる。
したがって、補強部材としてクロスメンバーを個別に設ける必要がないので、部品点数を増やすことなくフロントサブフレーム16の剛性を確保することができる。
支持ロッド33に伝わった荷重F2は、連結部48を経てフロントサブフレーム16の前部16c中央に伝わる。
中央支え部位46はステアリングギヤボックス18を取り付ける部位である。よって、連結部48を経てフロントサブフレーム16の前部16c中央に伝わった荷重を、ステアリングギヤボックス18で効率よく支えることができる。
これにより、フロントサブフレーム16の剛性を確保することができる。
Claims (4)
- 左右のサイドフレームの下方にフロントサブフレームが取り付けられた車体前部構造であって、
前記フロントサブフレームにステアリングギヤボックスが車体幅方向を向けて取り付けられ、
前記フロントサブフレームに、前記ステアリングギヤボックスを取り付ける少なくとも3つの支え部位を左右略対称に設け、
前記支え部位は左、右、中央の支え部位からなり、左右の支え部位が中央の支え部位に対して左右対称であり、
前記フロントサブフレームに、フロントサスペンション用の左右のロアアームの取付部位と、前記左右のサイドフレームに取り付けられる左右の取付部とが設けられ、
前記左右のロアアームの取付部位は、前記フロントサブフレームの内側から車幅方向外側に延びており、
前記左右の支え部位は、前記左右のサイドフレームに取り付けられる左右の取付部の車幅方向内側に並んで位置されるとともに、
前記左右のロアアームの取付部位が、前記左右のサイドフレームに取り付けられる取付部の前方かつ近傍にそれぞれ設けられ、
前記左右の支え部位が、前記左右のロアアームの取付部位の近傍にそれぞれ隆起状に形成されたことを特徴とする車体前部構造。 - 前記左右の支え部位が前記ステアリングギヤボックスの本体の前方に配置され、
前記中央の支え部位が前記ステアリングギヤボックスの本体の後方に配置されたことを特徴とする請求項1記載の車体前部構造。 - 前記中央の支え部位は車体幅方向で略中央に設けられ、
前記フロントサブフレームは、前記中央の支え部位の前方において、動力源を支える支持部材が取り付けられたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の車体前部構造。 - 前記ステアリングギヤボックスが前記少なくとも3つの支え部位にブッシュを介して取り付けられたことを特徴とする請求項1記載の車体前部構造。
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