JP5949043B2 - フロントサブフレーム構造 - Google Patents

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本発明は、車両用エンジン等からなるパワープラントの配置スペースに配設されるフロントサブフレーム構造に関するものである。
従来、下記特許文献1に示されるように、平面視U字状をなす一本のパイプ材と、該U字状パイプ材の左右側辺部を連結する連結部材(クロスメンバ)と、上記U字状パイプ材に対してハの字状に配置された二本のパイプ材からなる伝達手段とを備えたフロントサブフレームが設けられた車体懸架装置おいて、サスペンションアームからフロントサブフレームに入力された外力を、上記伝達手段を介して車体側強度部材に設けられた取付部に伝達するように構成し、これによりサスペンションアームの取り付け剛性を高めるとともに、その捩り剛性を向上させることが行われている。
また、下記特許文献2に示されるように、車体フレームにより支持される車両用サブフレームの組付け構造において、該サブフレームを、車幅方向に延びる前後のクロスパイプと車両前後方向に延びる左右のサイドパイプとを第1接合部位にて溶接接合し、上記前後のクロスパイプまたは左右のサイドパイプにマウント部材支持パイプを第2接合部位にて溶接接合するとともに、該マウント部材支持パイプに上記車体フレームに取付けられる円筒状のマウント部材を、軸芯が上下方向に延びる第3接合部位にて溶接接合してなるものとし、車幅方向、車両前後方向および上下方向のうちの少なくとも一方向における上記マウント部材の位置を調節可能とする公差吸収構造を上記第1〜第3接合部位に採用することが行われている。
特開2009−61879号公報 特開2001−39333号公報
上記特許文献1,2に開示されているように平面視U字状をなす一本のパイプ材または左右のサイドパイプからなるフロントサブフレームのサイドメンバを車体の前部左右に配設し、該サイドメンバにより車両の衝突時に入力された衝突荷重を効果的に吸収できるようにするためには、上記サイドメンバの断面形状を車両の前後方向に延びる稜線と相隣接する稜線間に配設された平板部とを有する角パイプ状に形成することが好ましい。しかし、上記サイドメンバを角パイプ状に形成した場合には、車両の走行時にサスペンションアームからフロントサブフレームに入力された横力等に応じて上記サイドメンバを構成する平板部が面振動し易いとともに、該サイドメンバの断面形状が例えば正方形から平行四辺形等に塑性変形し易いという問題がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、車両の走行時にサスペンションアームからフロントサブフレームに入力された横力等に応じて上記サイドメンバを構成する平板部が面振動するのを防止する効果と、該サイドメンバの断面形状が塑性変形するのを防止する効果とを、簡単な構成で効果的に両立することができるフロントサブフレーム構造を提供することを目的としている。
請求項1に係る発明は、サスペンションアームを支持するアーム支持部が設けられた左右一対のサイドメンバと、該左右のサイドメンバを連結するように車幅方向に延設されたクロスメンバとを有するフロントサブフレーム構造であって、上記アーム支持部よりも車両の前方側に位置するサイドメンバ前部が、車両の前後方向に延びる稜線と、相隣接する稜線間に配設された平板部とを有するパイプ状断面形状に形成されるとともに、上記アーム支持部が設けられたサイドメンバ後部が、上記サイドメンバ前部の平板部に比べて曲率の大きい湾曲面を有するパイプ状断面形状に形成され、かつサイドメンバ後部に上記クロスメンバの左右両端部が接続されたものである。
請求項2に係る発明は、上記請求項1に記載のフロントサブフレーム構造において、上記サイドメンバ前部は、平面視でサイドメンバ後部の前端近傍から車幅方向外側に傾斜しつつ車両の前方側に延設されたものである。
請求項3に係る発明は、上記請求項1または2に記載のフロントサブフレーム構造において、上記サイドメンバ後部には、車体フレームに対する取付ブラケットもしくは車両用補機の取付部が設けられたものである。
請求項4に係る発明は、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載のフロントサブフレーム構造において、上記サイドメンバ前部とサイドメンバ後部とが一本のパイプ材により一体に形成されたものである。
請求項5に係る発明は、上記請求項1〜4のいずれか1項に記載のフロントサブフレーム構造において、上記クロスメンバの車幅方向中央部からその左右外方側に傾斜しつつ車両の後方側に延設されるとともに、その左右両側部がフロアトンネルの左右に設置された車体側強度部に接合されたパイプ状部材を有し、当該パイプ状部材のうち、前記車体側強度部に対する当該パイプ状部材の接合部よりも車幅方向内方側に位置する部位の前面側部に上記サイドメンバの後端部が連結されたものである。
請求項6に係る発明は、上記請求項5に記載のフロントサブフレーム構造において、上記サスペンションアームの後部を支持する後側アーム支持部が、パイプ状部材の左右側端部とサイドメンバの後端部とに跨るように架設されたものである。
請求項7に係る発明は、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載のフロントサブフレーム構造において、上記サイドメンバ前部とサイドメンバ後部とが別体に形成されるとともに、上記アーム支持部が上記クロスメンバに連結されたものである。
請求項1に係る発明では、上記アーム支持部よりも車両の前方側に位置するサイドメンバ前部を、車両の前後方向に延びる稜線と、相隣接する稜線間に配設された平板部とを有するパイプ状断面形状に形成したため、上記サイドメンバ前部を軽量化しつつ、該サイドメンバ前部の車両の衝突荷重に対する剛性を充分に確保することができる。また、上記アーム支持部が設けられたサイドメンバ後部を、上記サイドメンバ前部の平板部に比べて曲率の大きい湾曲面を有するパイプ状断面形状に形成したため、車両の走行時に上記アーム支持部から入力された横力に応じてサイドメンバ後部の壁面部が面振動したり、あるいはその断面形状が塑性変形したりするのを効果的に防止することができる。
したがって、上記フロントサブフレームを構成するサイドメンバ前部等を大型化することなく、該サイドメンバ前部に入力された衝突荷重を充分に支持しつつ、上記サイドメンバ後部およびその後方に設けられた車体側強度部材に上記衝突荷重を効果的に伝達して支持することができ、かつ上記サイドメンバ前部に入力された衝突荷重が一定値以上となった時点で、該サイドメンバ前部を蛇腹状に塑性変形させる等により上記衝突荷重を充分に吸収することにより、該衝突荷重がサイドメンバ後部および車室内等に及ぶのを効果的に防止できるという効果と、車両の走行時に上記サスペンションアームからサイドメンバ後部に入力された横力に応じてフロントサブフレームが振動するのを抑制しつつ、上記横力に対する耐力を効果的に向上できるという効果とを両立することができる。
請求項2に係る発明では、上記サイドメンバ前部を、平面視でサイドメンバ後部の前端近傍から車幅方向外側に傾斜させつつ車両の前方側に延設したため、該サイドメンバ前部の長さを充分に確保してその全体を衝突荷重の吸収部として機能させることができ、かつ上記サイドメンバ前部の後方側において車幅方向の内側寄りに配設されたサイドメンバ後部の前側部分に位置する車幅方向外側面に上記アーム支持部を設け、該アーム支持部を車幅方向の内方側に位置させることにより、サスペンションアームのアーム長を充分に確保し、サスペンションジオメトリーを効果的に向上できるという利点がある。さらに、上記のようにサイドメンバ後部の前側部分を車幅方向内側に位置させるとともに、上記アーム支持部をサイドメンバの外方側に露出した位置に配設することにより、該アーム支持部に対してサスペンションアームを取り付ける作業を容易に行うことができ、かつ上記アーム支持部によりサイドメンバ後部を効果的に補強してその剛性を向上させることができるため、簡単かつ軽量な構成で、車両の衝突時に上記サイドメンバ前部に衝突荷重を集中させることにより、該サイドメンバ前部を衝突荷重の吸収部として効率よく機能させることができるという利点がある。
請求項3に係る発明では、上記サイドメンバ後部に、車体フレームに対する取付ブラケットもしくは車両用補機の取付部を設けたため、上記サイドメンバ後部を補強する別体の補強部材を設けることなく、上記取付ブラケット等を利用してサイドメンバ後部を簡単な構成で効果的に補強することができる。したがって、上記サイドメンバ後部およびクロスメンバに入力された車両の衝突荷重および走行時の横力等に対するフロントサブフレームの剛性を容易かつ充分に確保し、上記衝突荷重に応じてサイドメンバ後部が内倒れすること等を効果的に防止できるとともに、車両の走行時にサスペンションアームから入力される横力等によりフロントサブフレームが変形することを抑制して車両の走行安定性を効果的に向上できるという利点がある。
請求項4に係る発明では、上記サイドメンバ前部とサイドメンバ後部とを一本のパイプ材により一体に形成したため、軽量で衝突荷重に対して高い剛性を有するサイドメンバを容易に製造することができるとともに、車両の走行時に上記アーム支持部から入力された横力に応じてサイドメンバ後部の壁面部が面振動したり、あるいはその断面形状が塑性変形したりするのを、より効果的に防止できるという利点がある。
請求項5に係る発明では、上記クロスメンバの車幅方向中央部からその左右外方側に傾斜しつつ車両の後方側に延設されるとともに、その左右両側部がフロアトンネルの左右に設置された車体側強度部に接合されたパイプ状部材を設け、当該パイプ状部材のうち、前記車体側強度部に対する当該パイプ状部材の接合部よりも車幅方向内方側に位置する部位の前面側部に上記サイドメンバの後端部を連結したため、車両の衝突時に上記サイドメンバに入力された衝突荷重を上記クロスメンバの左右両側部により受け止めることができる。したがって、上記サイドメンバの後端部が屈曲変形するのを効果的に防止しつつ、上記衝突荷重を車体側強度部材に伝達して効果的に支持することができる。
請求項6に係る発明では、サスペンションアームを支持する後側アーム支持部を、上記パイプ状部材の側端部に設けられた接合部と上記サイドメンバ後部の後端部とに跨るように架設したため、該サイドメンバ後部の後端部を補強するための補強部材を別体に設けることなく、上記アーム支持部を利用してサイドメンバ後部の後方部分を簡単な構成で効果的に補強することができる。したがって、上記サイドメンバ後部およびパイプ状部材に入力された車両の衝突荷重および走行時の横力等に対する剛性を容易かつ充分に確保し、上記衝突荷重に応じてサイドメンバ後部が内倒れすること等を効果的に防止できるとともに、車両の走行時にサスペンションアームから入力される横力等によりフロントサブフレームが変形することを抑制して車両の走行安定性を効果的に向上できるという利点がある。
請求項7に係る発明では、上記サイドメンバ前部とサイドメンバ後部とを別体に形成するとともに、上記アーム支持部を上記クロスメンバに連結したため、車両の走行時に、上記サスペンションアームからフロントサブフレームに入力された横力等を上記クロスメンバに伝達することにより、該横力等を、より効率よく車体の全体に分散させて効果的に支持できるという利点がある。
本発明に係るフロントサブフレーム構造の第1実施形態を示す側面断面図である。 上記フロントサブフレーム構造を斜め下部後方から見た状態を示す斜視図である。 上記フロントサブフレーム構造の具体的構成を示す平面図である。 上記フロントサブフレーム構造の具体的構成を示す底面図である。 上記フロントサブフレーム構造の具体的構成を示す分解斜視図である。 サイドメンバ前部の具体的構成を示す正面断面図である。 サイドメンバ後部および第2マウントブラケットの具体的構成を示す正面断面図である。 フロントサブフレームと車体との接合部の構造を示す正面断面図である。 ロアアームの具体的構成を示す平面図である。 上記フロントサブフレーム構造の変形例を示す側面断面図である。 本発明に係るフロントサブフレーム構造の第2実施形態を示す平面図である。 上記フロントサブフレーム構造を斜め上部前方から見た状態を示す斜視図である。 上記フロントサブフレーム構造を斜め下部前方から見た状態を示す斜視図である。 閉断面構造体の具体的構成を示す正面断面図である。 閉断面構造体の具体的構成を示す平面断面図である。
図1〜図5は、本発明の第1実施形態に係るフロントサブフレーム構造を備えた車両を示している。該車両の前部には、駆動用エンジンまたは駆動用モータ等からなるパワープラント1が配置されるとともに、その後方には、車室とパワープラント1の配設スペース(エンジンルーム)とを区画するダッシュパネル2が設けられている。そして、該ダッシュパネル2の下端部から車両の前方側に延びるように左右一対のサイドフレーム3が設置され、該サイドフレーム3の下方側にフロントサスペンション用のロアアーム4等を支持するフロントサブフレーム5が設置されている。
上記サイドフレーム3は、側面視で車両の前後方向に沿って略水平に延びる前方部3aと、その後端部から上記ダッシュパネル2の下端部に向けて後下がりに傾斜しつつ車両の後方側に延びる後方部3bとを有し、該後方部3bの後端部には、後述のフロアフレーム37が連設されている。なお、上記サイドフレーム3の前端部には、金属製の筒状体等からなるクラッシュカン6が車両の前方側に向けて突設されるとともに、その前端部には、車幅方向に延びるバンパレインフォースメント49の側端部が取り付けられている。
上記フロントサブフレーム5は、サイドフレーム3の下方に配設されて車両の前後方向に延びる左右一対のサイドメンバ7と、上記パワープラント1の配置スペースよりも後方側で上記サイドフレーム3の下方側に配設された後述のパイプ状部材からなる第1クロスメンバ8とを有している。また、上記車室の底部を構成するフロアパネル9には、その車幅方向中央部を上方に膨出させたフロアトンネル35が車両の前後方向に延びるように設置されている。
上記フロアトンネル35の前部上壁には、後下がりに傾斜した傾斜部35a(図1参照)が設けられ、該傾斜部35aの後端よりも前方側において、具体的には上記フロアトンネル35の前端部直下において、上記第1クロスメンバ8の左右両側端部を相連結する第2クロスメンバ(リヤクロスメンバ)10が車幅方向に延設されている。さらに、左右サイドメンバ7の前後方向中間部を相連結する第3クロスメンバ11(センタクロスメンバ)が車幅方向に沿って略直線状に延設され、かつ上記左右サイドメンバ7の前部を相連結する第4クロスメンバ(フロントクロスメンバ)12が車幅方向に延設されている。
上記サイドメンバ7は、図3〜図5に示すように、後述する前側アーム支持部18よりも車両の前方側に位置するとともに、側面視(図1参照)おいて前上がりの傾斜状態で設置されたサイドメンバ前部13と、該サイドメンバ前部13の後端部に連設されるとともに、側面視おいて略水平に設置されたサイドメンバ後部14とを有している。また、上記サイドメンバ前部13の前端部には、車両の前方に向けて突出する金属製の筒状体等からなるクラッシュカン15が取り付けられている。
上記サイドメンバ前部13は、所定径のパイプ状部材をハイドロフォーム加工する等により、図6に示すように、車両の前後方向に延びる4本の稜線13aと、相隣接する稜線13a間に配設された4枚の平板部13bとを有する略正方形のパイプ状断面形状に形成されている。また、図3に示すように平面視で、上記サイドメンバ前部13が、サイドメンバ後部14の前端から車幅方向の外方側に傾斜しつつ、車両の前方側に延びるように設置されている。そして、サイドメンバ前部13の前端部上面には、上端部がサイドフレーム3の前部下面に締結ボルトで締結されることにより取り付けられる第1マウントブラケット16が立設され、その車幅方向内側部には、上記第4クロスメンバ12の側端部が溶接される等により一体に接合されている。
上記サイドメンバ後部14は、図7に示すように、サイドメンバ前部13の平板部13bに比べて曲率の大きい湾曲面を備えた断面形状(当実施形態では丸パイプ状)に構成されている。そして、平面視で図3に示すように、上記サイドメンバ後部14の前方部がサイドメンバ前部13の後端部から車両の後方側に向けて略真っ直ぐに延びるように設置されるとともに、サイドメンバ後部14の後方部が車幅方向の内方側に傾斜しつつ車両の後方側に延びるように設置されている。
また、上記サイドメンバ後部14の前部外側面には、後述するように締結ボルト53を介して上記サイドフレーム3の下面に上端部が連結される第2マウントブラケット17が設置されている。該第2マウントブラケット17の下部外側面には、上記ロアアーム4の基端部に設けられた後述の前側連結部43が支持される前側アーム支持部18が設けられている。
上記サイドメンバ後部14には、図外のスタビライザーまたはステアリングラック等からなる車両用補機の取付部となる3本の丸パイプ材19が、第2マウントブラケット17の後部近傍およびその後方側に位置する部位に設置されている(図5参照)。そして、図4等に示すように、上記サイドメンバ後部14の後端部が、上記第1クロスメンバ8の左右両側端部に設けられたフロアフレーム37に対する接合部20よりも車幅方向内方側に位置する部位、具体的には上記第1第2クロスメンバ10の左右両側方部に設けられた後述のトンネルロアフレーム38に対する固定部34に対向する部位の前面側部に溶接される等により一体に連結されている。
上記第3クロスメンバ11は、図1および図5に示すように、車幅方向に延びる略矩形状の閉断面形状を形成する鋼板材等の上部パネル22と下部パネル23とからなっている。そして、該上部パネル22と下部パネル23の左右両側端部が、上記第2マウントブラケット17の設置部に対応する位置においてサイドメンバ後部14の車幅方向内側面部の上下にそれぞれ溶接される等により、左右サイドメンバ7の車両前後方向中間部が上記第3クロスメンバ11を介して互いに連結されている。
また、上記第3クロスメンバ11の車幅方向中央部には、車両用エンジン等からなるパワープラント1(図3参照)の後部マウント24の導入部となる開口部25と、該後部マウント24を支持するパワープラント支持部26とが設けられるとともに、その後方部には、パイプ状部材からなる第1クロスメンバ8の車幅方向中央部28を支持する支持ブラケット27が設けられている。
上記第1クロスメンバ8は、円形の鋼管等を折り曲げることにより形成されたパイプ状部材からなり、車両の幅方向に延びるように設置された車幅方向中央部28と、平面視で該車幅方向中央部28の左右両端部から車両の後方側に向けてハの字状に延びるように設置された左右一対の傾斜部29とを有している。そして、上記第1クロスメンバ8の車幅方向中央部28が第3クロスメンバ11の支持ブラケット27に溶接される等により、上記第1クロスメンバ8と第3クロスメンバ11とがその車幅方向中央部において一体に接続されている。
上記傾斜部29の後端部が車幅方向の外方側に延びるように折り曲げられるとともに、その端部が偏平形状に押し潰される等により、下記フロアフレーム37に接合される接合部20が形成されている。また、上記傾斜部29の後部前面に、上記サイドメンバ7の後端部が溶接されることにより、該サイドメンバ7と第1クロスメンバ8とが一体に連結されている。さらに、上記傾斜部29の後部背面側に、上記第2クロスメンバ10の左右両側端部が溶接されることにより、該第2クロスメンバ10を介して上記第1クロスメンバ8の左右両端部が互いに連結されている。
上記第1クロスメンバ8の左右両端部には、傾斜部29の後端部に設けられた上記フロアフレーム37に対する接合部20と、上記サイドメンバ後部14の後端部とに跨るように、上下一対のプレート材からなる後側アーム支持部31が架設されている(図5参照)。そして、後述するようにロアアーム4からなるサスペンションアームの基端部に設けられた後側連結部44が上記後側アーム支持部31に支持されるようになっている。
上記第2クロスメンバ10は、車幅方向に延びる略矩形状の閉断面を構成する鋼板材等の上部パネル32と下部パネル33とからなり、該上部パネル32および下部パネル33の側辺部が溶接されて相接合されている。また、上記第2クロスメンバ10の左右両側端部には、その車幅方向中央部に比べて幅広に形成された固定部34が設けられ、該固定部34がトンネルロアフレーム38の前端部にボルト止めされることにより車体に固定されるようになっている。
図1に示すように、上記第2クロスメンバ10の上下寸法は、第1クロスメンバ8の上下寸法よりも小さく設定されるとともに、第2クロスメンバ10の前後寸法は、第1クロスメンバ8の前後寸法と同程度に設定されている。これにより、上記第2クロスメンバ10により形成された閉断面の車幅方向中央部における面積が、上記パイプ状部材からなる第1クロスメンバ8の車幅方向中央部28における閉断面の面積よりも小さな値に設定されている。
上記車両の車室底部を構成するフロアパネル9の車幅方向中央部には、車室内側(上方側)に膨出するとともに車両の前後方向に延びるフロアトンネル35が設けられている。また、上記フロアパネル9の下面には、図2等に示すように、サイドフレーム3の後端部に連続して車両の後方側に延びるフロアフレーム37が、上記フロアトンネル35と所定距離を置いてその車幅方向外方側に設置され、かつ上記該フロアトンネル35の下辺部に沿って左右一対のトンネルロアフレーム38が車両の前後方向に延びるように設置されている。
そして、上記第1クロスメンバ8の後端部に設けられた接合部20が、上記フロアフレーム37の前端部に締結ボルトを介して締結されるとともに、上記第2クロスメンバ10の側端部に設けられた固定部34が、上記トンネルロアフレーム38の前端部下面に締結ボルトを介して締結されることにより、上記両サイドメンバ7の後部がそれぞれ左右二個所において車体側強度部材に固定されている。上記フロアフレーム37およびトンネルロアフレーム38と、これらを連結する上記第1クロスメンバ8の接合部20および第2クロスメンバ10の固定部34とにより、図8に示すように、正面視でU字状に連続した構造体が構成されるとともに、該構造体と上記フロアパネル9との間に、上記固定部34および接合部20の上下寸法に対応した開口部40が形成されている。
また、上記フロアパネル9の左右両側辺部には、サイドシル36が車両の前後方向に延びるように設置され、かつ該サイドシル36の前部と上記フロアフレーム37の前部とを連結するトルクボックス39が設置されている(図2および図4参照)。該トルクボックス39は、車室の前部に配設されたダッシュパネル2の下方部に沿って車幅方向に延びる前面板と、その下端部から車両の後方側に延びる底面板とを有し、上記前面板およびその下端部に設けられた稜線が、上記接合部20の配設部位に隣接した位置から車幅方向の外方側に向けて延設されている。
上記フロントサブフレーム5に支持されるロアアーム4は、図3および図9に示すように、先端部42がボールジョイント等を介して図外の車輪支持部材(アクスルハウジング)に連結されるととともに、その車幅方向内側部(基端部)に前後一対の前側連結部43および後側連結部44が設けられた所謂A型アームからなっている。該ロアアーム4の前側連結部43および後側連結部44は、上記フロントサブフレーム5のサイドメンバ後部14に設けられた前側アーム支持部18および後側アーム支持部31に、それぞれ揺動可能かつ弾性変位可能に支持されるように構成されている。
すなわち、上記ロアアーム4の前側連結部43には、車両の前後方向に延びる支持軸45と、該支持軸45を抱持するゴムブッシュ46とが設けられている。そして、上記支持軸45の前後両端に設けられた締結部が、締結ボルトを介して上記第2マウントブラケット17の基端部に設けられた前側アーム支持部18に締結されることにより、上記ロアアーム4の前側連結部43が支持軸45を支点にして回動可能に支持されるとともに、上記ゴムブッシュ46が有する弾力性に応じて弾性変位可能に支持されている。
上記サイドメンバ後部14の前部外側面に設置された第2マウントブラケット17は、図7に示すように、上記サイドメンバ後部14を構成する丸パイプ状部材の外側面上部から斜め上方かつ車幅方向外方側に向けて突設された上部パネル51と、上記サイドメンバ後部14の外側面下部から斜め上方かつ外側方に向けて突設された下部パネル52と、締結ボルト53を介して上記サイドフレーム3の下面に締結される筒状取付部54とを有している。
上記第2マウントブラケット17を構成する上部パネル51は、基端部(下端部)がサイドメンバ後部14の前部外側面に接合された上壁板55と、該上壁板55の前後両側端部から下方に延びる一対の側壁板56とを有している。該上壁板55および側壁板56の先端部(車幅方向外側端部)には、上記筒状取付部54が溶接されることにより固定されている。また、上記側壁板56の先端部には、車両の衝突時に所定の衝突荷重がフロントサブフレーム5に入力された際に、上記筒状取付部54の支持部を変形させることにより、上記サイドフレーム3から第2マウントブラケット17が離脱するのを促進するための脆弱部となる上下一対の切欠き57,58が形成されている。
上記第2マウントブラケット17の下部パネル52は、上部パネル51の上壁板55と所定間隔を置いてその下方に設置され、上記下部パネル52の先端部上面に、上記筒状取付部54の下端部が溶接されるようになっている。そして、上記下部パネル52の側辺部に上部パネル51の側壁板56の下辺部に溶接されることにより、車幅方向に延びる閉断面59が上記第2マウントブラケット17の上部パネル51と下部パネル52とで形成されている。
また、上記下部パネル52の基端部近傍には、上記前側アーム支持部18を構成する前後一対のナット部材が固着されている。そして、上記支持軸45の前後両端に設けられた締結部が、締結ボルト47を介して上記第2マウントブラケット17に設けられた前側アーム支持部(ナット部材)18に締結されることにより、ロアアーム4の前側連結部43が第2マウントブラケット17の下部外側面に支持されるようになっている。
上記ロアアーム4の後側連結部44には、図9に示すように、上下方向に延びる支持軸62と、該支持軸62を抱持するゴムブッシュ63とが設けられている。上記支持軸62の上下両端部が、サイドメンバ後部14と第1クロスメンバ8の接合部20とに跨るように架設された上下一対のプレート材からなる上記後側アーム支持部31に固定されることにより、上記ロアアーム4の後側連結部44が、支持軸62を支点にして回動可能に支持されるとともに、上記ゴムブッシュ63が有する弾力性に応じて弾性変位可能に支持されている。
上記フロントサブフレーム5は、ロアアーム4を有するフロントサスペンション装置等がサブアッシーされた状態で車両の組立ラインに搬入されるとともに、上記サイドフレーム3の下方から車体の前部に導入される。そして、上記フロントサブフレーム5のサイドメンバ7に設けられた第1,第2マウントブラケット16,17の上端部がサイドフレーム3の下面にボルト止めされることにより、上記サイドメンバ7の前端部および前後方向中央部がそれぞれサイドフレーム3に取り付けられる。
また、上記第1クロスメンバ8の後端部に設けられた接合部20が、フロアパネル9の下面に設置されたフロアフレーム37の前端部にボルト止めされるとともに、上記第2クロスメンバ10の左右両端部に設けられた固定部34がフロアトンネル35の下端部に沿って設置されたトンネルロアフレーム38の前端部にボルト止めされることにより、上記フロントサブフレーム5の左右に設けられた両サイドメンバ7の後端部が、それぞれ左右二個所において上記フロアフレーム37およびトンネルロアフレーム38からなる車体側強度部材に固定される。
そして、車両用エンジン等からなるパワープラント1が左右のサイドフレーム3の間に設置され、かつ該パワープラント1の後部マウント24が上記第3クロスメンバ11の前面に形成された開口部25からパワープラント支持部26に導入されてボルト止めされることにより、パワープラント1の後部がフロントサブフレーム5に支持されるように構成されている。
上記構成において、車両の走行時に、例えば図3および図4の矢印Aに示すように、車体の一方(右側)に位置するロアアーム4の前側連結部43からサイドメンバ7に設けられた前側アーム支持部18に横力が入力された場合には、該横力が、矢印Bに示すように上記第3クロスメンバ11を介して他方(左側)のサイドメンバ7に伝達されるとともに、矢印Cに示すように上記第3クロスメンバ8の支持ブラケット27から第1クロスメンバ8の車幅方向中央部28および左側傾斜部29に伝達され、その後方側に位置するフロアフレーム37およびトンネルロアフレーム38等に伝達されて支持される。
また、車両の走行時に、例えば図3および図4の矢印Dに示すように、車体の一方(右側)に位置するロアアーム4の後側連結部44からサイドメンバ7に設けられた後側アーム支持部31に入力された横力は、矢印Eに示すように、第1クロスメンバ8の右側傾斜部29からその車幅方向中央部28および第3クロスメンバ11に伝達される。そして、該第3クロスメンバ11に伝達された横力が、矢印Bに示すように他方(左側)のサイドメンバ7に伝達されるとともに、矢印Cに示すように上記第3クロスメンバ8の支持ブラケット27から第1クロスメンバ8の車幅方向中央部28および左側傾斜部29に伝達され、その後方側に位置するフロアフレーム37およびトンネルロアフレーム38等に伝達されてそれぞれ支持される。
一方、車両の衝突時に、例えば図3および図4の矢印Fに示すように、車体の左側に位置するサイドメンバ前部13に衝突荷重が入力された場合には、該衝突荷重が、矢印G,Hに示すように、車体の左側に位置する第1クロスメンバ8の後部に配設された接合部20および第2クロスメンバ10の固定部34を介して車体左側のフロアフレーム37およびトンネルロアフレーム38にそれぞれ伝達され、これらに分散されて支持される。さらに、上記衝突荷重が、矢印I,Jに示すように、車体の右側に位置する第1クロスメンバ8の接合部20および第2クロスメンバ10の固定部34を介してフロアフレーム37およびトンネルロアフレーム38に伝達され、これらにも分散されてそれぞれ支持される。
したがって、上記クラッシュカン15の変形に応じて吸収することができない所定の衝突荷重がフロントサブフレーム5のサイドメンバ7に入力された場合に、上記サイドメンバ後部14が内倒れしたり、サイドメンバ7の後端部が車体側強度部材から離脱したりすること等を効果的に抑制しつつ、上記サイドメンバ前部13に衝突荷重を集中的に作用させて、これを例えば蛇腹状に変形させることにより、車両の衝突時に入力される衝突荷重を効率よく吸収することができる。
さらに、車両の衝突時に上記フロントサブフレーム5に支持されたパワープラント1を後退させる方向に大きな衝突荷重が作用した場合には、上記パワープラント1のアクスルシャフトが上記第2マウントブラケット17に当接する等により、上記サイドフレーム3の下面に締結された第2マウントブラケット17の筒状取付部54を後方に押動する荷重が作用することになる。そして、該筒状取付部54の支持部には、上記サイドフレーム3から第2マウントブラケット17が離脱するのを促進する脆弱部、つまり上記側壁板56の切欠き57,58が設けられているため、車両の衝突時に所定の衝突荷重が作用すると、上記筒状取付部54の支持部を大きく変形させてサイドフレーム3から第2マウントブラケット17を離脱させることができる。
また、図1に示すように、側面視で前上がりの傾斜状態で設置されたサイドメンバ前部13には、車両の衝突時に該サイドメンバ前部13を斜め下方に押動する衝突荷重Kが作用するため、上記第1クロスメンバ8の後部に配設された上記接合部20および固定部34からなる二個所の固定部を支点として、上記フロントサブフレーム5が下方に揺動変位することが許容され、該フロントサブフレーム5に保持された上記パワープラント1が下方に誘導されて下降することになる。
上記のようにロアアーム4の前側連結部43を支持する前側アーム支持部18からなるアーム支持部が設けられた左右一対のサイドメンバ7と、該左右のサイドメンバ7を連結するように車幅方向に延設された第3クロスメンバ11からなるセンタクロスメンバとを有するフロントサブフレーム構造において、上記前側アーム支持部18よりも車両の前方側に位置するサイドメンバ前部13を、車両の前後方向に延びる複数本の稜線13aと相隣接する稜線13a間に配設された平板部13bとを有する角パイプ状の断面形状とし(図6参照)、かつ上記前側アーム支持部18等からなるアーム支持部が設けられたサイドメンバ後部14を、上記サイドメンバ前部13の平板部13bに比べて曲率の大きい湾曲面を備えた丸パイプ状の断面形状とし(図7参照)、かつサイドメンバ後部14に上記第3クロスメンバ11の左右両端部を接合したため、簡単かつコンパクトな構成で、車両の走行時に上記ロアアーム4を介してフロントサブフレーム5に入力された横力と、車両の衝突時にフロントサブフレーム5に入力された衝突荷重との両方を適正かつ効果的に支持できるという利点がある。
すなわち、上記実施形態では、ロアアーム4の前側連結部43を支持する前側アーム支持部18よりも前方側に位置するサイドメンバ前部13を、4本の稜線13aと各稜線13a間に設置された4枚の平板部13bとを備えた略正方形のパイプ状断面形状としたため、上記サイドメンバ前部13を軽量化しつつ、該サイドメンバ前部13の車両の衝突荷重に対する剛性を充分に確保することができる。したがって、上記フロントサブフレーム5を構成するサイドメンバ前部13等を大型化することなく、該サイドメンバ前部13に入力された衝突荷重を充分に支持しつつ、上記サイドメンバ後部14およびその後方に設けられた車体側強度部材に上記衝突荷重を効果的に伝達して支持することができる。そして、上記サイドメンバ前部13に入力された衝突荷重が一定値以上となった時点で、該サイドメンバ前部13を蛇腹状に塑性変形させる等により上記衝突荷重を充分に吸収することができるため、該衝突荷重がサイドメンバ後部14および車室内等に及ぶのを効果的に防止できるという利点がある。
なお、上記前側アーム支持部18よりも後方側に位置するサイドメンバ後部をサイドメンバ前部13と同様に略正方形のパイプ状断面形状とすることも考えられるが、このように構成した場合には、車両の走行時に上記ロアアーム4から前側アーム支持部18を介してサイドメンバ後部に入力された横力等に応じ、該サイドメンバ後部を構成する平板部が面振動し易いとともに、該サイドメンバ後部の断面形状が略正方形から平行四辺形等に塑性変形し易いという問題がある。
これに対して上記実施形態に示すように、前側アーム支持部18および後側アーム支持部31からなるアーム支持部が設けられたサイドメンバ後部14の断面形状を丸パイプ状に形成した場合には、上記横力に応じてサイドメンバ後部14の壁面部が面振動したり、あるいはその断面形状が塑性変形したりするのを効果的に防止することができる。このため、上記のようにサイドメンバ前部13を略正方形のパイプ状断面形状とするとともに、上記サイドメンバ後部14を丸パイプ状の断面形状とすることにより、車両の衝突時に上記サイドメンバ前部13に入力された衝突荷重に対する耐力を向上させて該衝突荷重を効果的に吸収できるという効果と、車両の走行時に上記ロアアーム4からサイドメンバ後部14に入力された横力に応じてフロントサブフレーム5が振動するのを抑制しつつ、上記横力に対する耐力を効果的に向上できるという効果とを両立することができる。
なお、上記サイドメンバ前部13を、略正方形以外のパイプ状断面形状、例えば長方形または六角形等からなる複数の稜線と各稜線間に設置された平板部とを備えた角パイプ状の断面形状とし、またサイドメンバ後部14を、上記丸パイプ状以外のパイプ状断面形状、例えばサイドメンバ前部13の平板部に比べて曲率の大きい湾曲面を備えた楕円形またハート形等の断面形状としてもよい。このように構成した場合においても、車両の衝突時に上記サイドメンバ前部13に入力された衝突荷重に対する耐力を向上させて該衝突荷重を効果的に吸収することができるという効果と、車両の走行時に上記サイドメンバ後部14に入力された横力等に応じてフロントサブフレーム5が振動するのを効果的に防止しつつ、上記横力に対する耐力を効果的に向上させることができるという効果とが同時に得られるという利点がある。
上記実施形態では、サイドメンバ前部13を、平面視でサイドメンバ後部14の前端近傍から車幅方向の外方側に傾斜させつつ車両の前方側に延びるように設置したため、該サイドメンバ前部13の長さを充分に確保してその全体を衝突荷重の吸収部として機能させることができる。また、上記サイドメンバ前部13の後方側において車幅方向の内側寄りに配設されたサイドメンバ後部14の前側部分に位置する車幅方向外側面に前側アーム支持部18を設けたため、該前側アーム支持部18を車幅方向の内方側に位置させることができ、これにより上記ロアアーム4からなるサスペンションアームのアーム長(車幅方向寸法)を充分に確保して、サスペンションジオメトリーを効果的に向上させることができるという利点がある。
さらに、上記のようにサイドメンバ後部14の前側部分を車幅方向内側に位置させるとともに、上記前側アーム支持部18をサイドメンバ7の外方側に露出した位置に配設することにより、該前側アーム支持部18に対してロアアーム4からなるサスペンションアームを取り付ける作業を容易に行うことができ、かつ上記前側アーム支持部18によりサイドメンバ後部14を効果的に補強してその剛性を向上させることができるため、簡単かつ軽量な構成で、車両の衝突時に上記サイドメンバ前部13に衝突荷重を集中させることにより、該サイドメンバ前部13を衝突荷重の吸収部として効率よく機能させることができるという利点がある。
また、上記実施形態では、サイドメンバ後部14に、サイドフレーム3からなる車体フレームに取り付けられる第2マウントブラケット17および図外のスタビライザーまたはステアリングラック等からなる車両用補機の取付部となる3本の丸パイプ材19を設けた構造としたため、上記サイドメンバ後部14を補強する別体の補強部材を設けることなく、上記第2マウントブラケット17からなる取付ブラケット等を利用してサイドメンバ後部14を簡単な構成で効果的に補強することができる。したがって、上記サイドメンバ後部14および第1クロスメンバ8に入力された車両の衝突荷重および走行時の横力等に対するフロントサブフレーム5の剛性を容易かつ充分に確保し、上記衝突荷重に応じてサイドメンバ後部14が内倒れすること等を効果的に防止できるとともに、車両の走行時にロアアーム4から入力される横力等によりフロントサブフレーム5が変形することを抑制して車両の走行安定性を効果的に向上できるという利点がある。
なお、一本のパイプ状部材をハイドロフォーム加工することにより上記サイドメンバ前部13とサイドメンバ後部14とを一体に形成した上記実施形態に代え、別体に形成されたサイドメンバ前部13とサイドメンバ後部14とを溶接する等によりサイドメンバ7を構成することも可能であるが、上記実施形態に示すように、フロントサブフレーム5のサイドメンバ前部13とサイドメンバ後部14とを一本のパイプ材により一体に形成した場合には、軽量で衝突荷重に対して高い剛性を有するサイドメンバ7を容易に製造できるとともに、車両の走行時に上記アーム支持部から入力された横力に応じてサイドメンバ後部の壁面部が面振動したり、あるいはその断面形状が塑性変形したりするのを、より効果的に防止できるという利点がある。
さらに、上記実施形態に示すように、ロアアーム4からなるサスペンションアームの後側連結部44を支持する後側アーム支持部31を、上記パイプ状部材からなる第1クロスメンバ8の側端部に設けられた接合部20と上記サイドメンバ後部14の後端部とに跨るように架設した場合には、該サイドメンバ後部14の後端部を補強するための補強部材を別体に設けることなく、上記後側アーム支持部31を利用してサイドメンバ後部14の後方部分を簡単な構成で効果的に補強することができる。したがって、上記サイドメンバ後部14および第1クロスメンバ8に入力された車両の衝突荷重および走行時の横力等に対する剛性を容易かつ充分に確保し、上記衝突荷重に応じてサイドメンバ後部14が内倒れすること等を効果的に防止できるとともに、車両の走行時にロアアーム4から入力される横力等によりフロントサブフレーム5が変形することを抑制して車両の走行安定性を効果的に向上できるという利点がある。
また、上記実施形態に示すように、第3クロスメンバ11の車幅方向中央部からその左右外方側に傾斜しつつ車両の後方側に延設されるとともに、その左右両側部がフロアトンネル35の左右に設置されたフロアフレーム(車体側強度部)37に接合されたパイプ状部材からなる第1クロスメンバ8を設け、該車体側強度部に対する第1クロスメンバ8の接合部20よりも車幅方向内方側に位置する部位の前面側部に上記サイドメンバ7の後端部を連結した場合には、車両の衝突時に上記サイドメンバ7に入力された衝突荷重を上記第1クロスメンバ8の左右両側部により受け止めることができるため、上記サイドメンバ7の後端部が屈曲変形するのを効果的に防止しつつ、該サイドメンバ7に入力された衝突荷重を、第1クロスメンバ8の後部に配設された接合部20からフロアフレーム37等に伝達して効果的に支持することができる。そして、所定の衝突荷重がフロントサブフレーム5のサイドメンバ7に作用した場合に、該衝突荷重を上記サイドメンバ前部13に集中的に作用させて、該サイドメンバ前部13を蛇腹状に変形させる等により、上記衝突荷重を効率よく吸収できるという利点がある。
すなわち、上記実施形態では、フロントサブフレーム5に、ロアアーム4からなるサスペンションアームの前側連結部43を支持する前側アーム支持部18およびロアアーム4の後側連結部44を支持する後側アーム支持部31が設けられた左右一対のサイドメンバ7と、該左右のサイドメンバ7の間に配設されて上記前側アーム支持部18の設置部を連結するように車幅方向に延設された第3クロスメンバ(センタクロスメンバ)11とを有するフロントサブフレーム構造において、上記第3クロスメンバ11に設けられた支持ブラケット27に支持される車幅方向中央部28と、その左右両端部から外方側に傾斜しつつ車両の後方側に延設された一対の傾斜部29とを有するパイプ状部材からなる第1クロスメンバ8を設置し、該第1クロスメンバ8の左右両端部に設けられた接合部20をフロアフレーム37からなる車体側強度部材に接合したため、該第1クロスメンバ8の車幅方向中央部28をフロアトンネル35の前部下方に位置させることなく、車両の走行時に上記ロアアーム4の前側連結部43および後側連結部44からサイドメンバ7に入力された横力A,Dを、上記第3クロスメンバ8および第1クロスメンバ8を介して、フロアパネル9に設置されたフロアフレーム37およびトンネルロアフレーム38からなる車体側強度部材に伝達することにより安定して支持することができる。
したがって、従来例のように大径のU字状パイプ材からなる連結部材の本体部、または車両用サブフレームを構成する後方のクロスパイプがフロアトンネル35の前部下方に設置されることに起因して、該フロアトンネル35内に設置されるエンジンの排気管1aやプロペラシャフト等のレイアウト性が阻害されたり、上記大径のU字状パイプ材等がフロアパネル9の下方に配設されることによりフロアパネル9の地上高が高くなって、車両の乗降性、繰安性および空力特性が悪化したりする等の弊害を生じることなく、車両の走行時に上記ロアアーム4からフロントサブフレーム5に入力された横力等を安定して支持できるという利点がある。
また、上記のようにパワープラント配置スペースの側方部に沿って車両の前後方向に延びるように設置されたサイドメンバ7の後端部を、上記フロアフレーム37等の車体側強度部材に対する接合部20よりも車幅方向内方側に位置する第1クロスメンバ8の左右両側部前面に連結したため、車両の衝突時に上記サイドメンバ7に入力された衝突荷重を上記第1クロスメンバ8の左右両側部により受け止めることができる。したがって、上記サイドメンバ7の後端部が屈曲変形するのを効果的に防止しつつ、上記サイドメンバ7に入力された衝突荷重を、第1クロスメンバ8の後部に配設された接合部20からフロアフレーム37等に伝達して効果的に支持することができる。そして、所定の衝突荷重がフロントサブフレーム5のサイドメンバ7に作用した場合に、該衝突荷重を上記サイドメンバ前部13に集中的に作用させて、該サイドメンバ前部13を蛇腹状に変形させる等により、上記衝突荷重を効率よく吸収できるという利点がある。
さらに、上記衝突荷重を、図3および図4の矢印I,Jに示すように、第3クロスメンバ11の支持ブラケット27から第1クロスメンバ8の傾斜部29を介して車両の斜め後方に伝達し、第1クロスメンバ8の後端部に配設された接合部20および第2クロスメンバ10の固定部34から、上記車体の右側に位置するフロアフレーム37およびトンネルロアフレーム38に分散させてそれぞれ支持することができる。このため、上記衝突荷重に応じてサイドメンバ後部14が内倒れすること等を第1クロスメンバ8により効果的に抑制しつつ、上記サイドメンバ前部13に衝突荷重を集中的に作用させてこれを例えば蛇腹状等に圧縮変形させることにより、車両の衝突時に入力される衝突荷重を効率よく吸収することができる。
また、車両の衝突時に、上記フロントサブフレーム5に支持されたパワープラント1を後退させる方向に作用する衝突荷重に応じ、パワープラント1のアクスルシャフトを上記サイドメンバ7の第2マウントブラケット17に当接させる等により、該第2マウントブラケット17の締結状態を解除し、かつ図1に示すように、側面視において前上がりの傾斜状態で設置されたサイドメンバ前部13を斜め下方に押動する方向に作用する衝突荷重Kに応じ、上記第1クロスメンバ8の後部に配設された二個所の固定部を支点として、上記フロントサブフレーム5が下方に揺動変位することが許容されるように構成したため、車両の衝突時に該フロントサブフレーム5に保持された上記パワープラント1を下方に誘導して、該パワープラント1がダッシュパネル2に干渉するのを抑制することができ、車室内にパワープラント1が侵入すること等を効果的に防止できるという利点がある。
上記実施形態では、フロアトンネル35の前端部直下に配設されて上記第1クロスメンバ8の左右両端部を連結するように車幅方向に延びる第2クロスメンバ(リヤクロスメンバ)10を設け、かつ該第2クロスメンバ10の車幅方向中央部における閉断面の面積を、上記パイプ状部材からなる第1クロスメンバ8の車幅方向中央部28における閉断面の面積よりも小さな値に設定したため、上記フロアトンネル35の前部下方に大型のリヤクロスメンバ等を設けた場合のように、上記フロアトンネル35内に設置されるエンジンの排気管1aまたはプロペラシャフト等からなる各部材のレイアウト性が阻害されること等を抑制しつつ、上記第1クロスメンバ8からトンネルロアフレーム38に入力された車両の衝突荷重および走行時の横力等に対する剛性を効果的に向上できるという利点がある。したがって、簡単かつ軽量な構成で、車両の走行時に上記フロントサブフレーム5の第1クロスメンバ8からトンネルロアフレーム38に入力された横力等に応じてフロアトンネル35が拡縮変形すること等を効果的に防止できるという利点がある。
特に、上記実施形態に示すように、フロアトンネル35の前部上壁に後下がりの傾斜部35aが形成された車両において、該傾斜部35aの後端よりも前方側に第2クロスメンバ10を配設し、かつ該第2クロスメンバ10の車幅方向中央部における上下寸法を上記パイプ状部材からなる第1クロスメンバ8よりも小さな値に設定した場合には、上記フロアトンネル35の上面部(傾斜部35a)と、上記第2クロスメンバ10との間に、上記エンジンの排気管1aまたはプロペラシャフト等を設置するためのスペースを充分に確保しつつ、第2クロスメンバ10によりフロアトンネル35の前部下方を効率よく補強して、その拡縮変形を効果的に防止することができる。
なお、フロアトンネル35の前部上壁に形成された後下がりの傾斜部35aの前端よりも前方側に、上記第1クロスメンバ8の左右両端部を連結する第2クロスメンバ10が配設された車両では、該第2クロスメンバ10の車幅方向中央部における上下寸法を上記第1クロスメンバ8よりも大きな値に設定した場合においても、上記第2クロスメンバ10の車幅方向中央部における前後寸法を第1クロスメンバ8よりも小さな値に設定して上記第2クロスメンバ10をなるべく車両の前方側に位置させることにより、上記フロアトンネル35の上面部(傾斜部35a)と、上記第2クロスメンバ10との間に、エンジンの排気管1aまたはプロペラシャフト等を設置するためのスペースを充分に確保できるという利点がある。
一方、図10に示すように、上記フロアトンネル35の前部上壁35bが略水平に形成されるとともに、該フロアトンネル35の前端よりも後方側に、上記第1クロスメンバ8の左右両端部を連結する第2クロスメンバ10Aが配設された車両では、該第2クロスメンバ10Aの車幅方向中央部における前後寸法の如何に拘わらず、その上下寸法を上記第1クロスメンバ8の上下寸法よりも小さな値に設定して上記第2クロスメンバ10Aをなるべく車両の下方側に位置させることにより、上記フロアトンネル35の前部上壁35bと、上記第2クロスメンバ10Aとの間に、エンジンの排気管1aまたはプロペラシャフト等を設置するためのスペースを充分に確保することができる。
また、上記実施形態では、第2クロスメンバ10の左右両側方部に設けられた固定部34を、上記フロアフレーム37からなる車体側強度部材と所定間隔を置いた位置でフロアトンネル35の下辺部に沿って配設されたトンネルロアフレーム38からなる他の車体側強度部材に固定している。そして、図8に示すように、上記フロアフレーム37およびトンネルロアフレーム38からなる両車体側強度部材と、第1クロスメンバ8の接合部20および第2クロスメンバ10の固定部34とにより、正面視でU字状に連続した構造体を形成したため、上記第1クロスメンバ8および第2クロスメンバ10の支持部における車体の剛性を充分に確保して、上記第1クロスメンバ8に入力された走行時の横力等を、上記接合部20および固定部34からフロアフレーム37およびトンネルロアフレーム38にそれぞれ伝達して効果的に支持することができる。しかも、上記フロアフレーム37とトンネルロアフレーム38との間に沿って配策されたハーネス等を、上記接合部20および固定部34とフロアパネル9との間に形成された開口部40からエンジンルーム内へ容易に導出させることができるという利点がある。
さらに、上記実施形態に示すように、パイプ状部材からなる第1クロスメンバ8の車幅方向中央部28を支持する支持ブラケット27を備えた第3クロスメンバ(センタクロスメンバ)11が車幅方向に延びるように設置された車両において、該第3クロスメンバ11の左右両側方部で上記第1クロスメンバ8の車幅方向中央部28よりも前方側に位置する部位に、上記ロアアーム4からなるサスペンションアームの前側連結部43を支持する前側アーム支持部18を配設した場合には、上記ロアアーム4の前側連結部43から第3クロスメンバ11の側方部に入力された横力等を、該第3クロスメンバ11から第1クロスメンバ8の車幅方向中央部28および左右の傾斜部29を介して斜め後方側に伝達することにより、フロアパネル9に設置されたフロアフレーム37等の車体側強度部材において効果的に支持できるという利点がある。
図11〜図15は、本発明の第2実施形態に係るフロントサブフレーム構造を示している。なお、該フロントサブフレーム構造において、上記第1実施形態と同一の部材には同一の番号を付してその説明を省略している。上記第2実施形態に係るフロントサブフレーム構造では、上記フロントサブフレーム5のサイドメンバ7が、略正方形のパイプ状断面形状を有するサイドメンバ前部71と、丸パイプ状の断面形状を有するサイドメンバ後部72とに分割されている。
そして、左右のサイドメンバ7前後方向中間部を連結するように車幅方向に延設された第3クロスメンバ(センタクロスメンバ)11と、上記ロアアーム4からなるサスペンションアームの前側連結部43を支持する前側アーム支持部18とが、車幅方向に延びる閉断面を構成する閉断面構造体74を介して相連結されている。
上記閉断面構造体74は、第3クロスメンバ11の側端部から斜め上方かつ側方に向けて突設された上部パネル75と、該上部パネル75の下方に配設された下部パネル76と、締結ボルト53を介して上記サイドフレーム3の下面に締結される筒状取付部54とを有する第2マウントブラケットからなっている。
上記閉断面構造体74の上部パネル75は、上記第3クロスメンバ11の側端部上面から斜め上方に延びる上壁板77と、該上壁板77の前後両側端部から下方に延びる一対の側壁板78と、上記上壁板77の車幅方向内側端部から下方に延びる内壁板79とを備え、上記側壁板78および内壁板79の下端部に上記下部パネル76の外周辺部が接合されることにより、車幅方向に延びる閉断面80が形成されている(図14参照)。
上記閉断面構造体74を構成する上部パネル75および下部パネル76は、図15に示すように、上記サイドメンバ前部71およびサイドメンバ後部72を構成するパイプ材の板厚よりも厚肉に形成されるとともに、上記第3クロスメンバ11の上部パネル22および下部パネル23を構成する鋼板材よりも厚肉の鋼板材等により形成されている。また、上記サイドメンバ前部71の後端部が、上記閉断面構造体74の基端部前面に溶接されるとともに、上記サイドメンバ後部72の前端部が、上記閉断面構造体74の基端部後面に溶接されることにより、該閉断面構造体74を介して上記サイドメンバ前部71とサイドメンバ後部72とが相連結されている。
上記上部パネル22と下部パネル23とにより車幅方向に延びる略矩形状の閉断面を構成する上記第3クロスメンバ11の側端部が、上記閉断面構造体74を構成する上部パネル75の内壁板79に接合されるとともに、上記下部パネル76の基端部(下方部)に前側アーム支持部18を構成する前後一対のナット部材が固着されている。そして、上記下部パネル76の基端部に設けられた前側アーム支持部18と、上記上部パネル75の内壁板79に接合された第3クロスメンバ11とが、上記閉断面構造体74を介して相連結されている。
また、上記第3クロスメンバ11の後端部は、閉断面構造体74の後端部よりも後方側に配設されるとともに、該第3クロスメンバ11の後部外側面が上記サイドメンバ後部14の前部内側面に接合されている。さらに、上記第3クロスメンバ11の車幅方向中央部には、上記第1実施形態と同様に、パイプ状部材からなる第1クロスメンバ8の車幅方向中央部28が接合される支持ブラケット27が設けられている。そして、該第1クロスメンバの左右傾斜部29が、平面視で上記車幅方向中央部28の左右両端部から車両の後方側に向けてハの字状に延びるように設置されるとともに、上記傾斜部29の後端部にフロアフレーム37からなる車体側強度部材に接合される接合部20が設けられている。
上記のようにロアアーム4からなるサスペンションアームを支持する前側アーム支持部18と、左右一対のサイドメンバ7と、該左右のサイドメンバ7を連結するように車幅方向に延設された第3クロスメンバ11からなるセンタクロスメンバとを有するフロントサブフレーム構造において、上記サイドメンバ7を、上記前側アーム支持部18よりも前方側に位置する閉断面形状のサイドメンバ前部71と、上記前側アーム支持部18よりも後方側に位置する閉断面形状のサイドメンバ後部72とに分割し、かつ上記前側アーム支持部18と第3クロスメンバ11とを、車幅方向に延びる閉断面を形成する閉断面構造体74を介して相連結するように構成した場合には、簡単かつコンパクトな構成で、車両の走行時にロアアーム4からフロントサブフレーム5に入力される横力等を安定して支持できるという利点がある。
すなわち、上記サイドメンバ7を閉断面形状のパイプ状体からなるサイドメンバ前部71とサイドメンバ後部72とにより構成したため、該サイドメンバ7を軽量で高剛性に形成することができる。そして、車両の走行時に、例えば車体の一方側に位置するロアアーム4から上記前側アーム支持部18に入力された横力等を、上記閉断面構造体74および第3クロスメンバ11から車体の他方側に伝達することができるため、上記サイドメンバ前部71およびサイドメンバ後部72が上記横力等に応じて振動するのを抑制しつつ、該横力等を安定して支持することができる。
また、上記実施形態では、サイドメンバ前部71の後端部およびサイドメンバ後部72の前端部を上記閉断面構造体74にそれぞれ接合するように構成したため、該閉断面構造体74に、サイドメンバ前部71とサイドメンバ後部14との連結部材として機能を兼ね備えさせることができる。したがって、簡単かつコンパクトな構成で、車両の衝突時に上記サイドメンバ前部71に入力された衝突荷重を、上記閉断面構造体74を介してサイドメンバ後部72および上記第3クロスメンバ11に伝達することにより、車体の全体に分散させて効率よく支持できるという利点がある。
さらに、サイドメンバ前部71を、上記第1実施形態に係るサイドメンバ前部13と同様に、車両の前後方向に延びる複数本の稜線と、相隣接する稜線間に配設された平板部とを備えた角パイプ状等の断面形状とした場合には、上記フロントサブフレーム5を構成するサイドメンバ前部71を大型化することなく、車両の衝突時に該サイドメンバ前部71に入力された衝突荷重を充分に支持しつつ、上記サイドメンバ後部72およびその後方に設けられた車体側強度部材に上記衝突荷重を効果的に伝達することができる。そして、上記サイドメンバ前部71に入力された衝突荷重が一定値以上となった時点で、該サイドメンバ前部71を蛇腹状に塑性変形させる等により上記衝突荷重を効果的に吸収することができるため、該衝突荷重がサイドメンバ後部72および車室内等に及ぶのを効果的に防止できるという利点がある。
また、上記サイドメンバ後部72を、上記第1実施形態に係るサイドメンバ後部14と同様に、上記サイドメンバ前部71の平板部に比べて曲率の大きい湾曲面を備えた丸パイプ状等の断面形状とした場合には、車両の走行時にロアアーム4の後側連結部44等からサイドメンバ後部72に入力された横力に応じてサイドメンバ後部72の壁面部が面振動したり、あるいはその断面形状が塑性変形したりするのを効果的に防止することができる。したがって、上記のようにサイドメンバ前部71を角パイプ状等の断面形状とするとともに、サイドメンバ後部72を丸パイプ状等の断面形状とすることにより、車両の衝突時に上記サイドメンバ前部71に入力された衝突荷重に対する耐力を向上させて該衝突荷重を効果的に吸収できるという効果と、車両の走行時に入力された横力に応じてフロントサブフレーム5が振動するのを抑制しつつ、上記横力に対する耐力を効果的に向上できるという効果とを両立することができる。
また、上記実施形態では、ロアアーム4の前側連結部43を支持する前側アーム支持部18と、左右のサイドメンバ7間に設置された第3クロスメンバ11とを相連結する閉断面構造体74を、サイドフレーム3からなる車体フレームの前後方向中央部に取り付けられる第2マウントブラケットにより構成したため、車両の走行時に、上記ロアアーム4から前側アーム支持部18に入力された横力等を、閉断面構造体74から上記サイドフレーム3からなる車体フレームに伝達することにより、該横力等を、より効率よく車体の全体に分散させて効果的に支持できるという利点がある。
上記実施形態に示すように、閉断面構造体74を構成する鋼板材等の板厚を、サイドメンバ前部71およびサイドメンバ後部72を構成するパイプ材の板厚よりも厚肉に形成した場合には、上記フロントサブフレーム5の主要部を構成するサイドメンバ7を効果的に軽量化しつつ、車両の走行時に、上記ロアアーム4から該閉断面構造体74に入力された横力等を、上記第3クロスメンバ11およびサイドメンバ7を介して車体の全体に分散させることにより効果的に支持できるという利点がある。
また、上記閉断面構造体74を構成する鋼板材等の板厚を、上記第3クロスメンバ11を構成する上部パネル22および下部パネル23よりも厚肉に形成した場合には、上記フロントサブフレーム5の主要部を構成する第3クロスメンバ11からなるセンタクロスメンバを効果的に軽量化しつつ、車両の衝突時に、上記サブフレーム前部13から該閉断面構造体74に入力された衝突荷重を、上記サイドメンバ後部14に伝達することにより安定して支持できるという利点がある。
さらに、上記実施形態に示すように、第3クロスメンバ11を、車幅方向に伸びる閉断面を形成する上部パネル22と下部パネル23により構成し、かつ該第3クロスメンバ11の後端部を上記閉断面構造体74の後端部よりも後方側に位置させるように、第3クロスメンバ11と閉断面構造体74とを車両の前後方向にオフセットさせて配設した場合には、上記第3クロスメンバ11の側端部を閉断面構造体74とサイドメンバ後部14の前方部とに跨るように架設することにより、該閉断面構造体74とサイドメンバ後部14との連結部を上記第3クロスメンバ11により補強することができるため、上記フロントサブフレーム5の剛性を効果的に向上させることができる。
また、上記第3クロスメンバ11の車幅方向中央部28からその左右外方側に傾斜しつつ車両の後方側に向けて延びる左右一対の傾斜部29を備えたパイプ状部材からなる第1クロスメンバ8を設け、該第1クロスメンバ8の左右両側部をフロアトンネル35の左右に設置されたフロアフレーム37からなる車体側強度部に連結するように構成した場合には、上記ロアアーム4の前側連結部43から第3クロスメンバ11の前方部に入力された横力等を、該第3クロスメンバ11から第1クロスメンバ8の車幅方向中央部28および左右の傾斜部29を介してフロアパネル9に設置されたフロアフレーム37等の車体側強度部材に伝達することにより効果的に支持できるという利点がある。
しかも、車両の衝突時には、上記サイドメンバ前部71に入力された衝突荷重を、上記第3クロスメンバ11の車幅方向中央部および第1クロスメンバ8の左右傾斜部29からその後方に配設されたフロアフレーム37等に伝達し、これらに分散させてそれぞれ支持することができるため、上記衝突荷重に応じてサイドメンバ後部72が内倒れすること等を第1クロスメンバ8により効果的に抑制しつつ、上記サイドメンバ前部71に衝突荷重を集中的に作用させてこれを例えば蛇腹状等に圧縮変形させることにより、車両の衝突時に入力される衝突荷重を効率よく吸収できるという利点がある。
3 サイドフレーム(車体フレーム)
4 ロアアーム(サスペンションアーム)
5 フロントサブフレーム
7 サイドメンバ
8 第1クロスメンバ(パイプ状部材)
11 第3クロスメンバ
13,71 サイドメンバ前部
13a 稜線
13b 平板部
14,72 サイドメンバ後部
17 第2マウントブラケット(取付ブラケット)
18 前側アーム支持部
19 丸パイプ材(車両用補機の取付部)
20 接合部
31 後側アーム支持部
35 フロアトンネル
37 フロアフレーム(車体側強度部材)

Claims (7)

  1. サスペンションアームを支持するアーム支持部が設けられた左右一対のサイドメンバと、該左右のサイドメンバを連結するように車幅方向に延設されたクロスメンバとを有するフロントサブフレーム構造であって、上記アーム支持部よりも車両の前方側に位置するサイドメンバ前部が、車両の前後方向に延びる稜線と、相隣接する稜線間に配設された平板部とを有するパイプ状断面形状に形成されるとともに、上記アーム支持部が設けられたサイドメンバ後部が、上記サイドメンバ前部の平板部に比べて曲率の大きい湾曲面を有するパイプ状断面形状に形成され、かつサイドメンバ後部に上記クロスメンバの左右両端部が接続されたことを特徴とするフロントサブフレーム構造。
  2. 上記サイドメンバ前部は、平面視でサイドメンバ後部の前端近傍から車幅方向外側に傾斜しつつ車両の前方側に延設されたことを特徴とする請求項1に記載のフロントサブフレーム構造。
  3. 上記サイドメンバ後部には、車体フレームに対する取付ブラケットもしくは車両用補機の取付部が設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載のフロントサブフレーム構造。
  4. 上記サイドメンバ前部とサイドメンバ後部とが一本のパイプ材により一体に形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフロントサブフレーム構造。
  5. 上記クロスメンバの車幅方向中央部からその左右外方側に傾斜しつつ車両の後方側に延設されるとともに、その左右両側部がフロアトンネルの左右に設置された車体側強度部に接合されたパイプ状部材を有し、当該パイプ状部材のうち、前記車体側強度部に対する当該パイプ状部材の接合部よりも車幅方向内方側に位置する部位の前面側部に上記サイドメンバの後端部が連結されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフロントサブフレーム構造。
  6. 上記サスペンションアームの後部を支持する後側アーム支持部が、パイプ状部材の左右側端部とサイドメンバの後端部とに跨るように架設されたことを特徴とする請求項5に記載のフロントサブフレーム構造。
  7. 上記サイドメンバ前部とサイドメンバ後部とが別体に形成されるとともに、上記アーム支持部が上記クロスメンバに連結されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフロントサブフレーム構造。
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