JP5892105B2 - A/fセンサ素子及びその製造方法 - Google Patents

A/fセンサ素子及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、内部にヒータを挿入して用いる有底筒状のA/Fセンサ素子及びその製造方法に関する。
車両用のA/Fセンサは、測定ガス(排ガス)中の酸素濃度を検出して内燃機関内での燃焼状態を検知するために用いられる。自動車用を例に挙げると、A/Fセンサは、基準ガスと測定ガス(排気ガス)との酸素濃度差により、A/Fセンサ素子の固体電解質に生じる、起電力を限界電流として出力することにより測定ガス(排気ガス)中の酸素濃度を検出する製品である。A/Fセンサ素子としては、1セル型の酸素センサ素子が広く使用されている。
A/Fセンサ素子は、一般に、イットリアで部分安定化した酸化ジルコニウムなどの固体電解質と、その両表面に設けられた一対の白金電極とから構成されている。A/Fセンサ素子の一対の電極のうち排気ガスに晒される側の電極表面には、多孔質セラミックスからなる拡散抵抗層が設けられている。拡散抵抗層は、排ガス等の測定ガスを透過させることができ、測定ガスは、拡散抵抗層の導通孔を通じて素子内に導入され、固体電解質上に形成された電極に到達する。
また、A/Fセンサ素子においては、排気ガスと基準酸素濃度となる大気を固体電解質で空間的に仕切る必要があり、板状あるいは有底筒状のA/Fセンサ素子が用いられている。
板状のA/Fセンサ素子は、シート状の固体電解質層や絶縁層を積層形成して作製できるため、製造が容易である。また、素子を加熱するためのヒータを固体電解質層と一体的に積層形成することができるため、固体電解質層を加熱させやすくなる。しかし、全体形状が板状となり、端部に角部が形成されるため、使用環境における熱衝撃や排気管内で被水することによって生じる熱衝撃に弱く、素子が損傷する恐れがある。
一方、有底円筒状のA/Fセンサ素子においては、底面を曲面にすることができるため、熱衝撃が分散し、被水等による割れの発生を防止できるという利点がある。有底筒状のA/Fセンサ素子としては、例えば素子全体がジルコニア等の固体電解質で形成された酸素センサのジルコニア焼結体が開発されている(特許文献1参照)。
特開昭53−139595号公報
しかしながら、ジルコニアは、熱伝導性が低い。そのため、A/Fセンサ素子全体をジルコニアで形成すると、有底筒状の素子内に挿入配置したヒータにより素子を加熱する際に、素子を十分に加熱するまでにかかる時間が長くなる。その結果、A/Fセンサ素子の早期活性化ができなくなるという問題がある。また、近年、固体電解質としては、イットリア等の高価なレアアースをジルコニアに添加した部分安定化ジルコニアが使用されている。しかし、従来のように素子全体を部分安定化ジルコニアからなる固体電解質で形成すると、レアアースの使用量が多くなり、製造コストが高くなってしまう。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、低コストで製造が可能であり、早期の活性化が可能なA/Fセンサ素子及びその製造方法を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、先端が閉塞し後端が開口した有底状の絶縁セラミックスからなる基体と、固体電解質からなる電解質部と、一対の電極部とを有するA/Fセンサ素子において、
上記絶縁セラミックスは、上記固体電解質よりも熱伝導率の高い材料からなり、
上記電解質部は、上記基体の側壁の少なくとも一部に埋設されて該側壁の一部を構成しており、
上記一対の電極部は、それぞれ上記側壁の内面及び外面に形成されていると共に、上記電解質部を挟む位置に形成されており、
上記A/Fセンサ素子は、上記有底状の上記基体内に棒状のヒータを挿入して用いられ、
上記基体内における上記ヒータとの当接位置において、上記基体は上記絶縁セラミックスからなり、
上記基体と上記電解質部との境界部の段差は10μm以下であることを特徴とするA/Fセンサ素子にある
本発明の他の態様は、上記A/Fセンサ素子を製造する方法において、
絶縁セラミックス原料を含む基体形成用坏土を、上記電解質部の形成位置に空間が形成された上記基体の形状に成形する第一成形工程と、
固体電解質原料を含む電解質形成用坏土を、上記空間内に充填して成形する第二成形工程と、
焼成を行って上記電解質部を有する上記基体を作製する焼成工程と、
上記電極を形成する電極形成工程とを有し、
上記第一成形工程においては、金型のキャビティ内における上記電解質部の形成位置を可動型金型で塞いだ状態で、上記金型のキャビティ内に上記基体形成用坏土を射出成形し、上記第二成形工程においては、上記可動型金型で塞いだ上記電解質部の上記形成位置を開放して形成される上記空間内に上記電解質形成用坏土を射出成形することを特徴とするA/Fセンサ素子の製造方法にある
上記A/Fセンサ素子においては、固体電解質からなる電解質部が、絶縁セラミックスからなる基体の側壁の少なくとも一部に埋設されて該側壁の一部を構成している。そのため、固体電解質の使用量を少なくすることができる。したがって、固体電解質として、例えばイットリア等の高価なレアアースをジルコニアに添加した部分安定化ジルコニア等を用いても、その使用量を少なくすることができる。そのため、上記A/Fセンサ素子は、低コストで製造することができる。また、側壁の一部を電解質部により構成することにより、A/Fセンサ素子の体格を小さくすることができる。これにより、A/Fセンサ素子を早く加熱することが可能になり、ヒータ加熱時における早期活性が改善される。
また、上記A/Fセンサ素子は、有底筒状の基体内に、棒状のヒータを挿入して用いられ、基体内におけるヒータとの当接位置において、基体は、固体電解質よりも熱伝導率の高い絶縁セラミックスからなる。即ち、ヒータとの当接位置において、基体には、熱伝導率の低い固体電解質からなる電解質部は存在しておらず、熱伝導率の高い絶縁セラミックスが存在している。そのため、ヒータからの熱は、熱伝導率の高い絶縁セラミックスからなる基体に速やかに伝わる。それ故、加熱に要する時間が短くなり、A/Fセンサ素子を早期に活性化させることができる。
また、上記A/Fセンサ素子は、有底筒状の基体を有している。そのため、例えば積層型で板状のA/Fセンサ素子のように、被水時等に熱応力が集中し易い角部の形成を回避することができる。そのため、応力集中によるクラックの発生を防止することができる。また、上述のように角部の形成を回避することができるため、他部材への組み付け時に、角部の衝突により素子が破損することを防止することができる。したがって、他部材への組み付けが容易になる。
上記A/Fセンサ素子は、上記第一成形工程、上記第二成形工程、上記焼成工程、及び上記電極形成工程を行うことにより製造することができる。第一成形工程においては、絶縁セラミックス原料を含む基体形成用坏土を、上記電解質部の形成位置に空間が形成された上記基体の形状に成形する。この第一成形工程においては、電解質部を形成するための空間の大きさを適宜調整することができ、必要に応じて空間の大きさを小さくすることができる。そのため、第一成形工程後に行い第二成形工程において充填する電解質形成用坏土の使用量を少なくすることが可能になる。そのため、A/Fセンサ素子の製造コストを下げることができる。
また、第一成形工程においては、空間の形成位置を調整することにより、電解質部の形成位置を制御することができる。そして、有底筒状の基体の側壁の一部に、電解質部の形成位置となる上記空間を形成することができる。そのため、ヒータとの当接位置が絶縁セラミックスにより形成できるように、調整することができる。これにより、早期活性化が可能なA/Fセンサ素子を製造することができる。
また、上記製造方法においては、上記第一成形工程と上記第二成形工程とを行うことにより、上記基体形成用坏土と上記電解質形成用坏土とを有底筒状に一体的に成形することができる。その結果、上記焼成工程を行うことにより、有底筒状の基体であって、側壁の少なくとも一部に固体電解質からなる電解質部が埋設された基体を得ることができる。
また、上記第二成形工程においては、上記第一成形工程において予め形成した上記空間部に上記電解質形成用坏土を充填して、上記のごとく一体的に成形を行っているため、焼成後に、上記基体と上記電解質部との境界部の段差をほとんどなくすことが可能になる。そのため、上記A/Fセンサ素子の焼成時や被水等による熱衝撃時に、上記基体と電解質部との段差における応力集中を抑制することができ、クラックの発生を防止できるA/Fセンサ素子を製造することができる。
実施例1における、A/Fセンサ素子の側面図。 図1のII−II線矢視断面図。 図1のIII−III線矢視断面図。 実施例1における、電解質部を側壁の一部に形成した基体の側面図。 実施例1における、キャビティ内の一部が可動型金型によって閉塞された金型の断面構造を示す説明図。 実施例1における、キャビティ内に基体形成用坏土を充填した状態の金型の断面構造を示す説明図。 実施例1における、閉塞用の可動型金型を取り外した状態の金型の断面構造を示す説明図。 実施例1における、電解質部形成用の可動型金型を配置して、電解質部形成用のキャビティを形成した金型の断面構造を示す説明図。 実施例1における、キャビティ内に電解質形成用坏土を充填した状態の金型の断面構造を示す説明図。 実施例1における、金型から成形体を取り出す様子を断面にて示す説明図。 変形例1における、側壁に対向する一対の電解質部を形成した基体の側面図。 図11に示す基体の紙面と平行方向における断面図。 図11のXIII−XIII線矢視断面図。 変形例2における、側壁の全周に電解質部を形成した基体の側面図。 図14のXV−XV線矢視断面図。 図14のXVI−XVI線矢視断面図。 変形例3における側壁の一部に電解質部が埋設され、側壁に対して直行する底部を有し、かつ底面が平坦な基体の側面図。 図17のXVIII−XVIII線矢視断面図。 図17のXIX−XIX線矢視断面図。
次に、上記A/Fセンサ素子(空燃比センサ素子)の好ましい実施形態について説明する。
A/Fセンサ素子において、基体は、先端が閉塞し後端が開口した中空の有底筒状であり、A/Fセンサ素子は、所謂コップ型、円筒型、先端詰形状型と呼ばれるものである。本明細書において、先端とは、A/Fセンサ素子を内燃機関のエキゾーストマニホールド(所謂「エキマニ」)及び/又は排気管内に挿入する側の端部をいい、その反対側、即ちエキマニ及び/又は排気管から露出する側の端部を後端というものとする。
A/Fセンサ素子は、基準ガスと排気ガスとの酸素濃度差により、素子の固体電解質間の限界電流を検知することにより、排気ガス中の酸素濃度を検出することができる。これにより、A/Fセンサ素子は、空燃比(air/fuel ratio;A/F)を検出することができる。
A/Fセンサ素子は、絶縁セラミックスからなる有底筒状の基体と、この基体と一体的に形成され、かつ固体電解質よりなる電解質部とを有する。電解質部は、有底筒状の基体の側壁の少なくとも一部に埋設されており、側壁の一部を形成している。電解質部は、一体焼成により基体と一体的に形成することができる。A/Fセンサ素子においては、有底筒状の基体の側壁の一部又は複数の部分が固体電解質に置き換えられることにより電解質部が形成されている。
A/Fセンサ素子は、有底筒状の基体内に棒状のヒータ(ヒーターロッド)を挿入して用いられる。基体内に挿入配置したヒータによる加熱によって、固体電解質の酸素イオン導電性が発現するまでの時間を短縮することができる。
基体内におけるヒータとの当接位置において、基体は、上述のように絶縁セラミックスからなる。当接位置に固体電解質からなる電解質部が形成されている場合には、ヒータからの熱が熱伝導率の低い電解質部を介して基体に伝わることとなり、センサとして機能する所定温度までA/Fセンサ素子を昇温させるために要する時間が長くなる。即ち、A/Fセンサ素子の早期活性化が困難になる。
A/Fセンサ素子においては、棒状(円柱状)のヒータの外径、基体の内径を調整したり、先端側に向けて内径が小さくなるように側壁に傾斜を設けたりすることにより、基体内におけるヒータとの当接位置を調整することができる。好ましくは、ヒータとの当接位置は、電解質部よりも先端寄りであることがよい。具体的には、当接位置は、電解質部よりも先端側における側壁や基体の底部が好ましい。より好ましくは、例えば棒状のヒータの軸方向における一端が基体の底部に接触するように、ヒータを挿入することがよい。
好ましくは、有底筒状の基体は、側壁の一部が電解質部よりなり、電解質部よりも先端側及び後端側は絶縁セラミックスからなることがよい
この場合には、有底筒状の基体内に棒状のヒータを挿入配置し、例えばヒータの一端を基体の底部に接触させたり、電解質部よりも先端側の側壁に接触させたりすることにより、基体におけるヒータとの当接位置が熱伝導率の高い絶縁セラミックスからなるという上述の構成を簡単に実現することができる。また、この場合には、高価な固体電解質よりなる電解質部を小さくすることができるため、A/Fセンサ素子の製造コストをより低下させることができる。
また、A/Fセンサ素子において、基体と電解質部との境界部の段差は30μm以下であることが好ましいこの場合には、熱衝撃時に段差に発生する応力集中を小さくすることができ、クラックの発生を防止することができる。クラックの発生をより一層回避するためには、境界部の段差は10μm以下がより好ましく、5μm以下がさらに好ましい。
A/Fセンサ素子においては、尖った部分や周囲より突出する部分などの角部、又は段差が基体に存在すると、熱衝撃時に角部や段差に応力集中が発生し、クラックの発生の原因となるおそれがある。このクラックの発生を防止するために、基体は、有底円筒形状であることが好ましい同様の観点から、有底筒状の基体において、側壁と底部との境界は、曲面となっていることが好ましい。
基体は、各種絶縁セラミックスにより構成することができる。
絶縁セラミックスとしては、例えばアルミナ、ジルコニア、イットリア、マグネシア、カルシア、及びシリカなどから選ばれる1種、又は2種以上の混合材料を採用することができる。
好ましくは、絶縁セラミックスはアルミナであることがよい
この場合には、基体の熱伝導性及び電気絶縁性をより高めることができる。なお、アルミナとは、酸化アルミニウム(Al23)主成分とする材料を意味する。絶縁セラミックスにおける酸化アルミニウムの含有量は90質量%以上が好ましい。絶縁セラミックスは、アルミナの他に、例えばジルコニア、イットリア、マグネシア、カルシア、及びシリカなどから選ばれる1種又は2種以上を含有することができる。
また、固体電解質は、部分安定化ジルコニアであることが好ましい
この場合には、A/Fセンサ素子の検出感度を向上させることができる。部分安定化ジルコニアは、ジルコニア(二酸化ジルコニウム、ZrO2)を主成分とし、このジルコニアに対してイットリア(Y23)を例えば4〜8mol%添加してなる。また、部分安定化ジルコニアは、ジルコニア及びイットリアの他に、アルミナ、シリカ、マグネシア、カルシアなどから選ばれる1種又は2種以上を含有することができる。
また、A/Fセンサ素子において、電解質部は、基体の体積の1/2以下の大きさで形成されていることが好ましい
この場合には、比較的高価な固体電解質よりなる電解質部を確実に小さくすることができるため、A/Fセンサ素子の製造コストを低下させることができる。また、この場合には、絶縁セラミックスに比べて熱伝導率の低い固体電解質よりなる電解質部を小さくすることができるため、加熱時にA/Fセンサ素子を昇温させやすくなり、A/Fセンサ素子の早期活性化をより改善することができる。同様の観点から、電解質部は、基体の体積の1/5以下の大きさで形成されていることがより好ましく、1/10以下の大きさで形成されていることがさらに好ましい。
また、有底筒状の基体の内径が小さくなりすぎると、測定に必要な十分量の基準ガスを基体内に確保することが困難になり、センサ特性が悪くなるおそれがある。一方、基体の内径が大きくなりすぎると、A/Fセンサ素子の体格が大きくなり、加熱時に素子を活性化させるまでにかかる時間が長くなるおそれがある。これらの観点から、基体の内径は、1〜10mmであることが好ましく、1〜4mmであることがより好ましい。なお、側壁に傾斜を設けることにより内径が変化する基体を採用することも可能である。より具体的には、後端側から先端側に向けて基体の内径が小さくなるように、側壁に傾斜を設けることができる。この場合には、少なくとも基体の開口部の内径を上記範囲内にすることが好ましい。
また、A/Fセンサ素子には、その表面を覆う素子カバーを設置することができる。この素子カバーによってA/Fセンサ素子の強度を補強することができるものの、基体の肉厚が小さすぎる場合には、A/Fセンサ素子の強度が弱くなり、素子が壊れやすくなるおそれがある。したがって、少なくとも基体の肉厚は0.1mm以上が好ましく、0.3mm以上がより好ましい。一方、基体の肉厚が大きすぎる場合には、加熱時に素子を活性化させるまでにかかる時間が長くなるおそれがある。したがって、素子の肉厚は5mm以下が好ましく、3mm以下が好ましい。
また、A/Fセンサ素子は、側壁の内面及び外面にそれぞれ形成された一対の電極部を有する。これら一対の電極部は、基体の側壁に埋設された電解質部を挟む位置に形成される。例えば基体の外面に、被測定ガス側電極を形成し、基体の内面には基準ガス側電極を形成することができる。
一対の電極は、白金などの貴金属により形成することができる。好ましくは、白金により形成することがよい。
また、電極部の厚みが大きすぎる場合には、特に被測定ガス側電極となる電極部において、電解質部(固体電解質)と電極部(貴金属)と排気ガスとの3成分が重なり合う部分が少なくなり、センサ特性が悪くなるおそれがある。したがって、電極部の厚みは、5μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましい。一方、電極部の厚みが小さすぎる場合には、電極をPt等の金属成分により構成していると、金属成分の隙間が大きくなり、電極部の導電性が悪くなるおそれがある。したがって、電極部の厚みは0.3μm以上が好ましい。
また、電極部は、鍍金電極であることが好ましい。
この場合には、導電性の高い電極部を形成することができ、特に被測定ガス側電極となる電極部において、固体電解質と電極部と排気ガスとの3成分が重なり合う部分を増やし易くなる傾向にある。これに対し、例えば導電性のペースト材料の印刷や、スパッタ法で形成した電極部は、焼き付け時の加熱の際に、導電性の金属成分の粒成長が起こり、金属成分が島状に凝集してしまうおそれがある。そのため、この粒成長を防止するために、電極材料中にPtなどの導電性金属成分の他に、更に他の金属成分やセラミックスの粒子等を添加する必要がある。その結果、導電性を得るために必要な電極部の膜厚が必然的に大きくなり、電極部における反応性が低下する傾向にある。
また、基体の外面においては、例えば電解質部と同じ大きさの電極部(被測定ガス側電極)を電解質部上に形成することができる。また、基体の外面においては、被測定ガス側電極から基体の後端側に伸びる電極リード部を形成することができる。この電極リード部は、電解質部に形成された被測定ガス側電極に電気的に導通しており、電解質部及び電極部によって構成される電気化学的セルの出力させるためのものである。電極リード部は、例えば電極部と同様の貴金属により形成することができる。
また、電極リード部は、電解質部上には形成されないように配置することが好ましい。即ち、電極部(被測定ガス側電極)により、基体の外面の電解質部を完全に覆うことが好ましい。この場合には、A/Fセンサ素子の検出精度を向上させることができる。電極リード部が電解質部上に形成されると、電極リード部においても酸素イオン導電反応が起こり、A/Fセンサとしての検出精度が低下してしまうおそれがある。
一方、基体の内面には、少なくとも電解質部を覆う電極部(基準ガス側電極)を形成することができる。基準ガス側電極は、基体の内面全体に形成することもできる。
また、基体の外面における電極部(被測定ガス側電極)の形成面積は、基体の外面の面積の1/5以下にすることが好ましい。
この場合には、後述のように電極部を覆う拡散抵抗層や保護層を形成する際に、これらの形成領域を小さくすることができ、A/Fセンサ素子の生産性を向上させることができる。また、溶射により拡散抵抗層や保護層を形成する場合には、溶射にかかる時間は処理面積が小さくなるにつれて減少するため、生産性を大きく向上させることができる。また、拡散抵抗層や保護層の形成領域を小さくできることは、A/Fセンサ素子の体格を小さくできることにつながる。その結果、素子の加熱時における早期活性化をより改善させることができる。
また、A/Fセンサ素子においては、上記基体の外面上に形成された少なくとも上記電極部を被覆する多孔質セラミックスからなる拡散抵抗層を有することが好ましい
この場合には、基体の外面上に形成された電極部(被測定ガス側電極)の表面へのガスの拡散を制限することができる。そのため、センサとしての検出精度を上げることができる。MgO・Al23スピネルなどの耐熱性金属酸化物の多孔質体により構成することができる。
拡散抵抗層の厚みを小さくしすぎると、限界電流を十分に得ることができなくなり、センサとしての検出性能が低下するおそれがある。一方、厚みを大きくしすぎると素子体格が大きくなり、素子の早期活性に悪影響を及ぼすおそれがある。したがって、拡散抵抗層の厚みは、50μm以上かつ500μm以下が好ましく、50μm以上かつ300μm以下がより好ましい。
さらに、A/Fセンサ素子においては、拡散抵抗層の少なくとも一部を被覆する保護層を形成することができる。
保護層は、拡散抵抗層と同様に、耐熱性に優れたMgO・Al23スピネルなどのセラミックスにより形成させることができる。保護層は、多孔質体又は緻密体のいずれであってもよい。多孔質体よりなる保護層を用いる場合には、拡散抵抗層の全体を被覆するように保護層を形成することができる。多孔質体よりなる保護層は、拡散抵抗層だけでなく、基体の外面の全体、又は少なくとも先端から排ガス管又はエキマニ内に挿入される領域を覆うように形成することができる。また、緻密体よりなる保護層を用いる場合には、A/Fセンサ素子の外面に拡散抵抗層の少なくとも一部が露出し、拡散抵抗層が保護層により被覆されていない領域を形成することが好ましい。
保護層の厚みを小さくしすぎると電極部の保護が不十分になり、大きくしすぎると素子体格が大きくなり、素子の早期活性に悪影響を及ぼすおそれがある。したがって、保護層の厚みは、50μm以上かつ500μm以下が好ましく、50μm以上かつ300μm以下がより好ましい。
拡散抵抗層及び保護層は、例えば溶射により、MgO・Al23スピネル等のセラミックス粉末を吹き付けることにより形成することができる。
A/Fセンサ素子は、第一成形工程と、第二成型工程と、焼成工程と、電極形成工程とを行うことにより、製造することができる。
第一成形工程においては、絶縁セラミックス原料を含む基体形成用坏土を、上記電解質部の形成位置に空間が形成された基体の形状に成形する。
絶縁セラミックス原料としては、例えばアルミナ粉末を用いることができる。絶縁セラミックス原料は、アルミナを主成分とし、さらに例えばジルコニア、イットリア、マグネシア、カルシア、及びシリカなどから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。
基体形成用坏土は、絶縁セラミックス原料、有機バインダ、分散剤、水等を混合することにより得ることができる。
第二成形工程においては、固体電解質原料を含む電解質形成用坏土を、上記空間内に充填して成形する。
固体電解質原料としては、焼成後に固体電解質を生成する原料を用いることができる。具体的には、ジルコニア粉末、イットリア粉末等を用いることができる。これらの他に、適宜アルミナ粉末、シリカ粉末、マグネシア粉末、カルシア粉末などから選ばれる1種又は2種以上を含有する原料を用いることができる。
上記電解質形成用坏土は、上記固体電解質原料、有機バインダ、分散剤、水等を混合することにより得ることができる。
第一成形工程及び第二成形工程は、金型を用いた射出成形法、又は石膏・樹脂型を用いた鋳込み成形法により行うことができる。
好ましくは、第一成形工程及び第二成形工程においては金型を用いて基体形成用坏土及び電解質形成用坏土をそれぞれ射出成形することがよい
この場合には、基体と電解質部との境界部の段差が小さいA/Fセンサ素子を容易に製造することができる。
第一成形工程においては、金型のキャビティ内における電解質部の形成位置を可動型金型で塞いだ状態で、金型のキャビティ内に基体形成用坏土を射出成形し、第二成形工程においては、可動型金型で塞いだ電解質部の形成位置を開放して形成される空間内に電解質形成用坏土を射出成形することが好ましい
この場合には、一端が閉塞し他端が開口した有底筒状の絶縁セラミックスからなる基体と、基体の側壁の少なくとも一部に埋設されて側壁の一部を構成する電解質部とを容易に形成することができる。
焼成工程においては、第一成形工程及び第二成形工程を行って得られる成形体を焼成する。焼成温度は、絶縁セラミックス及び固体電解質の組成に応じて適宜決定することができる。
また、焼成工程を行う前に、成形体を脱脂する脱脂工程を行うことが好ましい。脱脂工程を行うことにより、焼成前に、成形体中に含まれるバインダ等の有機成分を除去しておくことができる。
電極形成工程においては、基体の外面及び内面にそれぞれ一対の電極部を形成する。これら一対の電極部は、基体の側壁における少なくとも電解質部を挟む位置に形成する。
電極形成工程においては、めっきにより電極部を形成することが好ましい。電極部を形成する際の加熱温度は、1200℃以下であることが好ましい。
(実施例1)
次に、A/Fセンサ素子の実施例について説明する。
図1〜図4に示すごとく、本例のA/Fセンサ素子1は、先端101が閉塞し後端102が開口した有底円筒形状の絶縁セラミックスからなる基体10と、固体電解質からなる電解質部103と、一対の電極部11、12とを有する。電解質部103は、基体10の側壁104の少なくとも一部に埋設されて基体10の側壁104の一部を形成している(図2〜図4参照)。また、一対の電極11、12は、それぞれ側壁104の内面106及び外面107に形成されていると共に、電解質部103を挟む位置に形成されている。
なお、図1においては、説明の便宜のため、基体10の外形、外面107に形成された電極部12、後述の電極リード部121、及び拡散抵抗層14を点線で示し、後述の電極取り出し部122、電極リード部121の一部、及び保護層13をハッチングや点による装飾を付けて表している。
以下、本例のA/Fセンサ素子1について、図1〜図4を用いて詳細に説明する。
図1〜図4に示すごとく、本例のA/Fセンサ素子1は、絶縁セラミックスからなる有底円筒形状の基体10を有する。有底円筒形状の基体10は、図2に示すごとく、側壁104と底部108との境界が曲面となっており、底面が全体的に曲面になっている。基体10は、均一な肉厚を有しており、その肉厚は1mmである。
図2〜図4に示すごとく、基体10は、絶縁セラミックスからなる側壁104の一部が固体電解質により置き換えられた構成を有しており、基体10の側壁104には、固体電解質よりなる電解質部103が形成されている。即ち、A/Fセンサ素子1においては、固体電解質からなる電解質部103が、絶縁セラミックスからなる基体10の側壁104の少なくとも一部に埋設されて側壁104の一部を構成している。電解質部103は、基体10の側壁104における閉塞側の端部、即ち先端101寄りに形成されている。有底円筒形状の基体10は、側壁104の一部が固体電解質よりなる電解質部103よりなり、この電解質部103よりも先端101側及び後端102側において基体10はすべて絶縁セラミックスからなる。電解質部103は、基体10に対して十分に小さく、電解質部103は、基体10の全体積の1/30程度の大きさで形成されている。
基体10と電解質部103との境界部105に段差はほとんどなく、本例においては、基体10の内面106及び外面107のいずれにおいても、基体10と電解質部103との境界部105における段差は最大で3μmになっている(図2〜図4参照)。
本例において、絶縁セラミックスは、熱伝導率40W/m・Kのアルミナからなり、固体電解質は、ジルコニアを主成分とし、イットリアを4〜8mol%含有する熱伝導率15W/m・Kの部分安定化ジルコニアからなる。
また、本例のA/Fセンサ素子1は、図1〜図3に示すごとく、有底円筒形状の基体10内に、棒状のヒータ3を挿入して用いられる。図2及び図3に示すごとく、基体10内におけるヒータ3との当接位置109において、基体10は、固体電解質よりも熱伝導率の高い絶縁セラミックスにより構成されている。即ち、ヒータ3との当接位置109には、熱伝導率の低い固体電解質からなる電解質部103は存在しておらず、熱伝導率の高い絶縁セラミックスが存在している。
本例において、基体10の後端102側、即ち開口部側端部の内径は3mmであり、基体10内に挿入される棒状のヒータ3の直径は、1.5mmである。そして、ヒータ3を基体10内に挿入すると、棒状のヒータ3の軸方向における一端31が基体10の底部108に当接し、底部108は絶縁セラミックスより構成されている。
また、図1〜図3に示すごとく、基体10の内面106及び外面107には、電解質部103を挟む一対の電極部11、12が形成されている。これら一対の電極部11、12は、白金よりなり、厚み1μmで形成されている。電極部11、12は、鍍金電極である。
本例においては、これらの電極部11、12として、基準ガス側電極11と被測定ガス側電極12が形成されている。即ち、基体10の内面106に基準ガス側電極11が形成されており、外面107に被測定ガス側電極12が形成されている。A/Fセンサ素子1においては、電解質部103、及びこれを挟んで形成された一対の電極部11、12により、電気化学的セルが構成されている。
本例において、基準ガス側電極11は、基体10の内面106の全面を覆うように形成されている。一方、被測定ガス側電極12は、基体10の外面107上における電解質部103と重なる領域に形成されている。また、外面107には、被測定ガス側電極12から基体10の後端102側に向けて伸びる電極リード部121が形成されている。電極リード部121は、絶縁セラミックスよりなる基体10の外面107上に形成されており、固体電解質よりなる電解質部103上には形成されていない。さらに、基体10の後端102側においては、基体の外周を覆うリング状の電極取り出し部122が形成されており、この電極取り出し部122は、電極リード部121に接続しており、電気的に導通している。これらの電極リード部121、及び電極取り出し部122も、電極部11、12、と同様に、白金(Pt)からなり、電極部と同じ厚みで形成されている。
本例のA/Fセンサ素子1においては、図1〜図3に示すごとく、被測定ガス側電極12の表面への被測定ガス(排ガス)の拡散を制限するために、被測定ガス側電極12を被覆する多孔質セラミックスからなる拡散抵抗層14が形成されている。この拡散抵抗層14は、MgO・Al23スピネルからなる多孔質の層であり、厚み(最大厚)200μmで形成されている。
また、基体10には、その外面を覆う保護層が形成されている。保護層13は、MgO・Al23スピネルの非多孔質体(緻密体)からなり、厚み(最大厚)300μmで形成されている。保護層13は、拡散抵抗層14を完全には覆っておらず、A/Fセンサ素子の外面には、拡散抵抗層14が少なくとも部分的に露出している。本例において保護層13は、排ガスをほとんど透過させない。したがって、本例のA/Fセンサ素子1において、排ガスは、拡散抵抗層14上における保護層13の非形成領域、即ち、拡散抵抗層14が露出する開口部141から拡散抵抗層33内を通過して被測定ガス側電極12に到達する構成となっている。
なお、保護層13は、拡散抵抗層14及び基体10の後端102側を除いて、基体10の外面107の全体を覆っている。少なくとも拡散抵抗層14及び電極取り出し部122は、保護層13に被覆されておらず、露出している。
本例のA/Fセンサ素子1は、先端101側を排ガス管又はエキマニ内に挿入して用いられる(図1〜図4参照)。
A/Fセンサ素子1においては、その先端101側の外面107が被測定ガス(排ガス)に曝される。一方、内面106は、基準ガス(空気)に曝される。A/Fセンサ素子1において、電解質部103と、その対向する表面にそれぞれ形成された基準ガス側電極11及び被測定ガス側電極12とは、電気化学的セルを形成しており、各電極11、12がそれぞれ基準ガス及び被測定ガスに曝されると、これらのガスの酸素濃度差によって電極11、12間に限界電流が生じ、この限界電流値から空燃比を検出することができる。
以下、本例のA/Fセンサ素子1の製造方法について説明する。
本例においては、第一成形工程、第二成形工程、脱脂工程、焼成工程、電極形成工程を行うことにより、A/Fセンサ素子1を製造する。
第一成形工程においては、絶縁セラミックス原料を含む基体形成用坏土18を、上記電解質部の形成位置に空間201が形成された基体10の形状(有底円筒形状)に成形する(図6〜図8参照)。
第二成形工程においては、固体電解質原料を含む電解質形成用坏土19を、上記空間201内に充填して成形する(図8及び図9参照)。
脱脂工程においては、第一成形工程及び第二成形工程後に得られる成形体100(図10参照)を脱脂する。
焼成工程においては、成形体100を焼成する。
また、電極形成工程においては、焼成後に得られる基体10に電極部11、12、電極リード部121、電極取り出し部122を形成する(図1〜図3参照)。
以下、本例のA/Fセンサ素子1の製造方法について詳細に説明する。
まず、アルミナ粉末、パラフィン樹脂、スチレンブタジエン共重合体樹脂、及びステアリン酸を配合し、純水を加えて加熱して混合することにより、基体形成用坏土を得た。
そして、図5に示すごとく、基体の形状(有底円筒形状)のキャビティ20が形成された金型2を準備する。同図に示すごとく、本例において、金型2は、上型21、中型22、下型23の大きくわけて3つの構成部位からなり上型21、中型22、下型23は、互いに分離可能である。上型21には、上型21、中型22、及び下型23によって形成されるキャビティ20内に材料を供給するための坏土注入口211が形成されている。また、下型23には、キャビティ20の一部を塞ぐ可動型金型231が設けられている。この可動型金型231は、キャビティ20内における電解質部103(図2参照)の形成位置を塞ぐように設けられている。
次に、図5及び図6に示すごとく、坏土注入口211から金型2のキャビティ20内に基体形成用坏土18を充填して射出成形を行った(第一成形工程)。射出成形は、金型2のキャビティ20内における電解質部の形成位置を可動型金型231で塞いだ状態で行った。
次に、ジルコニア粉末、イットリア粉末、パラフィン樹脂、スチレンブタジエン共重合体樹脂、及びステアリン酸を配合し、純水を加えて加熱して混合することにより、電解質形成用坏土を得た。
次いで、図7〜図9に示すごとく、可動型金型231で塞いだ電解質部の形成位置を開放して形成される空間201内に電解質形成用坏土19を射出成形した。具体的には、基体形成用坏土18の射出成形後(図6参照)に、図7に示すごとく、電解質部の形成位置を塞ぐ可動型金型231を取り外し、図8に示すごとく、電解質部の形成位置にキャビティ(空間201)が形成される可動型金型232に入れ替えた。可動型金型232には、空間201内に材料を供給するための坏土注入口233が形成されている。そして、図9に示すごとく、可動型金型232に設けられた坏土注入口233から空間201内に電解質形成用坏土19を射出成形した(第二成形工程)。
次に、図10に示すごとく、射出成形後の成形体100から上型21、中型22、及び下型23を順次取り外し、有底円筒形状の成形体100を得た。この有底円筒形状の成形体100は、側壁の一部が電解質形成用坏土19からなり、その他は基体形成用坏土18からなる。
次に、成形体100を脱脂した後(脱脂工程)、さらに焼成した(焼成工程)。これにより、図4に示すごとく、側壁104の一部に固体電解質よりなる電解質部103が埋設された、有底円筒形状の絶縁セラミックスからなる基体10を得た。
次に、無電解メッキにより、図1〜図3に示すごとく、基体10の内面106及び外面107に白金を付着させ、温度1000℃で熱処理することにより、基準ガス側電極11及び被測定ガス側電極12をそれぞれ形成した(電極形成工程)。本例においては、基準ガス側電極11を基体10の内面106の全域に形成し、被測定ガス側電極12を電解質部103と同じ大きさで形成した。さらに、基体の外面107には、被測定ガス側電極12から基体10の後端102側に向けて伸びる電極リード121と、基体10の後端102側において基体10の外周を覆うリング状の電極取り出し部122を形成した(図1〜図3参照)。電極リード部121及び電極取り出し部122も、基準ガス側電極11及び被測定ガス側電極12と同様に、無電解めっきにより白金を用いて形成した。
次いで、少なくとも被測定ガス側電極12を完全に覆うように、MgO・Al23スピネルからなる多孔質の拡散抵抗層14を形成した。拡散抵抗層14は、プラズマ溶射により形成した。
また、拡散抵抗層14及び基体10の後端102側を除く、基体10の外面に、プラズマ溶射により、MgO・Al23スピネルの緻密体からなる保護層13を形成した。
以上のようにして、図1〜図3に示すごとく、有底円筒形状の絶縁セラミックスからなる基体10と、固体電解質からなる電解質部103と、一対の電極11、12とを有するA/Fセンサ素子1を得た。
本例のA/Fセンサ素子1においては、図2〜図4に示すごとく、固体電解質からなる電解質部103が、絶縁セラミックスからなる基体10の側壁104の少なくとも一部に埋設されて側壁104の一部を構成している。そのため、固体電解質の使用量を少なくすることができる。したがって、固体電解質として、例えばイットリア等の高価なレアアースをジルコニアに添加した部分安定化ジルコニアを用いても、その使用量を少なくすることができる。そのため、A/Fセンサ素子1は、低コストで製造することができる。また、側壁104の一部を電解質部103により構成することにより、A/Fセンサ素子1の体格を小さくすることができる。これにより、A/Fセンサ素子1を早く加熱することが可能になり、早期活性が改善される。
また、A/Fセンサ素子1は、図1〜図3に示すごとく、有底筒状の基体10内に、棒状のヒータ3を挿入して用いられる。基体10内におけるヒータ3との当接位置109は、固体電解質よりも熱伝導率の高い絶縁セラミックスにより構成されている。即ち、ヒータ3との当接位置109において、基体10には、熱伝導率の低い固体電解質からなる電解質部103は存在しておらず、熱伝導率の高い絶縁セラミックスが存在している。そのため、ヒータ3からの熱は、熱伝導率の高い絶縁セラミックスからなる基体10に速やかに伝わる。それ故、加熱に要する時間が短くなり、A/Fセンサ素子1を早期に活性化させることができる。
また、有底筒状の基体10は、側壁104の一部が電解質部103よりなり、この電解質部103よりも先端101側及び後端102側は絶縁セラミックスからなる。そのため、本例のA/Fセンサ素子1においては、有底筒状の基体10内にヒータ3を挿入配置し、ヒータ3の端部31を基体10の底面に接触させることにより、基体10におけるヒータ3との当接位置109が熱伝導率の高い絶縁セラミックスからなるという上述の構成を簡単に実現することができる。
また、本例においては、基体10の内面106側及び外面107側における、基体10と電解質部103との境界部105における段差をレーザ変位計により測定した。測定は、非接触測定である。その結果、段差は最大部分でも3μm程度であった。このように、本例のA/Fセンサ素子1においては、基体10と電解質部103との境界部105の段差が非常に小さい。そのため、基体10の焼成時や、A/Fセンサ素子1の被水等による熱衝撃時に、基体10と電解質部103との境界部105における段差に応力集中が発生することを抑制することができる。その結果、A/Fセンサ素子1にクラックが発生することを防止することができる。
また、A/Fセンサ素子1は、有底円筒形状の基体10を有している。そのため、例えば板状のA/Fセンサ素子のように、被水時等に熱応力が集中し易い角部や段差の形成を回避することができる。そのため、応力集中によるクラックの発生をより一層防止することができる。
また、上述のように角部の形成を回避することができるため、他部材への組み付け時に、角部の衝突により素子が破損することを防止することができる。したがって、他部材への組み付けが容易になる。
また、本例のA/Fセンサ素子1においては、有底円筒形状の基体10は、側壁104と底部108との境界が曲面となっている。そのため、側壁104と底部108との境界部における熱応力の集中も防止することができる。それ故、クラックの発生をより一層防止することができる。
また、本例において、基材10の絶縁セラミックスは、アルミナを主成分とする。そのため、基体10の熱伝導性及び電気絶縁性を高めることができる。
また、電解質部103の固体電解質は、部分安定化ジルコニアを主成分とする。そのため、A/Fセンサ素子1は、優れた検出感度を発揮することができる。
さらに、本例のA/Fセンサ素子1は、少なくとも被測定ガス側電極12を被覆する多孔質セラミックスからなる拡散抵抗層14を有する。そのため、被測定ガス側電極12の表面へのガスの拡散を制限し、センサとしての検出精度を上げることができる。
また、本例においては、第一成形工程と第二成形工程と焼成工程と電極形成工程とを行って、A/Fセンサ素子1を製造している。第一成形工程においては、基体形成用坏土18を電解質部の形成位置に空間201が形成された基体の形状に成形し、第二成形工程においては電解質形成用坏土19を空間201内に充填して成形する(図5〜図10参照)。これにより、基体形成用坏土18と電解質形成用坏土19とを有底円筒形状に一体的に成形することができる(図10参照)。その結果、焼成工程を行うことにより、有底円筒形状の基体10であって、側壁104の少なくとも一部に固体電解質からなる電解質部13が埋設された基体10を得ることができる。第二成形工程においては、第一成形工程において予め形成した空間部201に電解質形成用坏土19を充填して、上記のごとく一体的に成形を行っている。そのため、焼成後に、基体10と電解質部103との境界部105の段差を上述のようにほとんどなくすことが可能になる。
本例の第一成形工程及び上記第二成形工程においては、金型2を用いて基体形成用坏土18及び電解質形成用坏土19をそれぞれ射出成形している(図5〜図10参照)。特に、第一成形工程においては、金型2のキャビティ20内における電解質部の形成位置を可動型金型231で塞いだ状態で、金型2のキャビティ20内に基体形成用坏土18を射出成形し、第二成形工程においては、可動型金型231で塞いだ電解質部の形成位置を開放して形成される空間201内に電解質形成用坏土19を射出成形している。そのため、基体10と電解質部103との境界部105の段差がほとんどない上述のA/Fセンサ素子1を容易に製造することができる(図1〜図3参照)。
(比較例1)
本例は、有底円筒形状の基体の全体を固体電解質により形成したA/Fセンサ素子の例である。このようなA/Fセンサ素子としては、具体的には、例えば特開昭53−139595号公報の第3図に示す酸素濃度検出素子がある。
基体全体を固体電解質(部分安定化ジルコニア)により構成したA/Fセンサ素子は、上述の実施例1と同様の大きさで基体を作製したとしても、高価なジルコニアの使用量が実施例1に比べて20倍となった。また、基体全体が熱伝導率の低い固体電解質よりなるため、ヒータにより加熱を行っても、センサとして測定可能な所定温度に到達するまでに、実施例1に比べて4倍の時間がかかった。
(比較例2)
本例は、アルミナよりなる棒状の芯材に、表裏面に一対の電極を有する固体電解質層を巻き付けた構成のA/Fセンサ素子の例である。このようなA/Fセンサ素子としては、具体的には、例えば特開昭61−272649号公報の第1実施例(第1図〜第3図)に示す酸素センサがある。本例のA/Fセンサ素子は、その製造時に、固体電解質層となるグリーンシートを芯材に巻き付ける工程が必要となる。そのため、芯材にもグリーンシートにもある程度の強度が必要となり、グリーンシートの厚みを大きくする必要がある。その結果、熱伝導率の低い固体電解質層の体格が大きくなり、ヒータによって加熱されにくくなる。
これに対し、上述の実施例1のA/Fセンサ素子においては、側壁104の一部に固体電解質103が埋設されているため、素子1の体格を小さくすることができる(図1〜図4参照)。さらに、実施例1のA/Fセンサ素子1においては、基体10におけるヒータ3との当接位置105が熱伝導率の高い絶縁セラミックスからなる(図1〜図3参照)。したがって、実施例1のA/Fセンサ素子1は、比較例2の構成の素子と比べて、早期活性化が可能である。
実際に、比較例2の構成のA/Fセンサ素子は、センサとして測定可能な所定温度に到達するまでに、実施例1に比べて2倍の時間がかかった。
(変形例)
上述の実施例1においては、固体電解質からなる電解質部を、有底円筒形状の絶縁セラミックスからなる基体の側壁の一部に形成したが、電解質部は、基体の側壁の複数の部分に形成することも可能である。以下の変形例については、基体における電解質部の形成パターン、基体の形状を実施例1とは変更した基体の例について説明する。なお、以下の変形例1〜3が参照する図11〜図19は、基体の形状及び基体における電解質部の形成位置を示し、電極部、拡散抵抗層、保護層、ヒータなどのA/Fセンサ素子におけるその他の構成を省略して示す。ただし、図12、図15、図18の断面図においては、後述のヒータと基材との位置関係を説明する便宜のため、基体内に挿入されるヒータを点線にて示してある。
(変形例1)
本例は、先端寄りの側壁に、互いに対向する一対の電解質部を形成した基体の例である。
図11〜図13に示すごとく、本例における基体40は、有底円筒形状であり、その側壁404における互いに対向する位置に一対の電解質部403a、403bを有している。これらの電解質部403a、403bは、側壁404の先端401寄りに形成されており、側壁404に埋設されて側壁404の一部を形成している。有底筒状の基体40は、側壁404の一部が固体電解質よりなる電解質部403a、403bよりなり、電解質部403a、403bよりも先端101側及び後端102側はすべて絶縁セラミックスからなる。
したがって、実施例1と同様に、本例の基体40についても、その内面406及び外面407に電極部(図示略)を形成し、外面407に保護層(図示略)を形成してA/Fセンサ素子を作製し、その基体40の内部にヒータ3(図12中点線にて表示)を例えば底部408まで挿入配置すると、基体40内におけるヒータ3との当接位置409は、絶縁セラミックスにより構成される(図12参照)。
(変形例2)
本例は、先端寄りの側壁に、その全周にわたって円筒状の電解質部を形成した基体の例である。
図14〜図16に示すごとく、本例における基体50は、有底円筒形状であり、その先端501寄りの側壁504の一部に、側壁50の全周にわたって形成された円筒状の電解質部503を有している。電解質部503は、側壁504に埋設されて側壁504の一部を形成している。有底筒状の基体50は、側壁504の一部が固体電解質よりなる電解質部503よりなり、電解質部503よりも先端101側及び後端102側はすべて絶縁セラミックスからなる。
したがって、実施例1と同様に、本例の基体50についても、その内面506及び外面507に電極部(図示略)を形成し、外面507に保護層(図示略)を形成してA/Fセンサ素子を作製し、その基体50の内部にヒータ3(図15中点線にて表示)を例えば底部508まで挿入配置すると、基体50内におけるヒータ5との当接位置509は、絶縁セラミックスにより構成される(図15参照)。
(変形例3)
本例は、側壁と底部とを曲面ではなく、側壁に対して底部を直角に形成した基体の例である。
図17〜図19に示すごとく、本例における基体60は、有底円筒形状であり、実施例1と同様に、基体60の先端601寄りの側壁604の一部に、電解質部603を有している。側壁604は円筒状であり、この側壁604と直交する方向に底部608が設けられている。側壁604と底部608とのなす角は直角である。
本例の基体60は、側壁604の一部が固体電解質よりなる電解質部603よりなり、電解質部603よりも先端601側及び後端602側はすべて絶縁セラミックスからなる。
したがって、実施例1と同様に、本例の基体60についても、その内面606及び外面607に電極部(図示略)を形成し、外面607に保護層(図示略)を形成してA/Fセンサ素子を作製し、その基体60の内部にヒータ3(図18中点線にて表示)を例えば底部608まで挿入配置すると、基体60内におけるヒータ3との当接位置609は、絶縁セラミックスにより構成される(図18参照)。
なお、上述の変形例1及び2の基体40、50は、電解質形成用坏土を充填する空間の形状を各変形例における電解質部403a、403b、503の形状に合わせて変更する点を除いて、実施例1と同様に、第1成形工程、第2成形工程、焼成工程を行うことにより製造することができる(図11〜図16参照)。さらに、変形例3の基体60は、側壁604と底部608とが直角になるようなキャビティが形成された金型を用いる点を除いて、実施例1と同様に、第1成形工程、第2成形工程、焼成工程を行うことにより製造することができる(図17〜図19参照)。したがって、各変形例の基体40、50、60においても、実施例1と同様に、絶縁セラミックスよりなる基体40、50、60と、電解質部403a、403b、503、603との境界部405a、405b、505、605における段差をほとんどなくすことができる。
また、変形例1〜3の基体40、50、60を用いてA/Fセンサ素子を構成する場合には、電極部は、電解質部403a、403b、503、603の形状及び形成位置に応じて、電気化学的セルが構成できるように適宜形成することができる。また、拡散抵抗層及び保護層は、電解質部403a、403b、503、603上に形成した少なくとも電極部(被測定ガス側電極)を覆うように基体40、50、60の外面に形成することができる。これらの電極部、拡散抵抗層、保護層を形成することにより、各変形例についても、実施例1と同様のA/Fセンサ素子を構成することができ、これらのA/Fセンサ素子は、実施例1と同様の作用効果を奏する。なお、変形例において、実施例1と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する実施例1の説明を参照する。
1 A/Fセンサ素子
10 基体
103 電解質部
104 側壁
109 当接位置
11 電極部(基準ガス側電極)
12 電極部(被測定ガス側電極)

Claims (7)

  1. 先端(101、401、501、601)が閉塞し後端(102、402、502、602)が開口した有底状の絶縁セラミックスからなる基体(10、40、50、60)と、固体電解質からなる電解質部(103、403a、403b、503、603)と、一対の電極部(11、12)とを有するA/Fセンサ素子(1)において、
    上記絶縁セラミックスは、上記固体電解質よりも熱伝導率の高い材料からなり、
    上記電解質部(103、403a、403b、503、603)は、上記基体(10、40、50、60)の側壁(104、404、504、604)の少なくとも一部に埋設されて該側壁(104、404、504、604)の一部を構成しており、
    上記一対の電極部(11、12)は、それぞれ上記側壁(104、404、504、604)の内面(106、406、506、606)及び外面(107、407、507、607)に形成されていると共に、上記電解質部(103、403a、403b、503、603)を挟む位置に形成されており、
    上記A/Fセンサ素子(1)は、上記有底状の上記基体(10、40、50、60)内に棒状のヒータ(3)を挿入して用いられ、
    上記基体(10、40、50、60)内における上記ヒータ(3)との当接位置(109、409、509、609)において、上記基体(10、40、50、60)は上記絶縁セラミックスからなり、
    上記基体(10、40、50、60)と上記電解質部(103、403a、403b、503、603)との境界部(105、405、505、605)の段差は10μm以下であることを特徴とするA/Fセンサ素子(1)。
  2. 請求項1に記載のA/Fセンサ素子(1)において、上記有底状の上記基体(10、40、50、60)は、上記側壁(104、404、504、604)の一部が上記電解質部(103、403a、403b、503、603)よりなり、該電解質部(103、403a、403b、503、603)よりも先端(101、401、501、601)側及び後端(102、402、502、602)側は上記絶縁セラミックスからなることを特徴とするA/Fセンサ素子(1)。
  3. 請求項1又は2に記載のA/Fセンサ素子(1)において、上記絶縁セラミックスはアルミナであることを特徴とするA/Fセンサ素子(1)。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載のA/Fセンサ素子(1)において、上記固体電解質は部分安定化ジルコニアであることを特徴とするA/Fセンサ素子(1)。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載のA/Fセンサ素子(1)において、上記電解質部(103、403a、403b、503、603)は上記基体(10、40、50、60)の体積の1/2以下の大きさで形成されていることを特徴とするA/Fセンサ素子(1)。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載のA/Fセンサ素子(1)において、上記基体の外面上に形成された少なくとも上記電極部(11、12)を被覆する多孔質セラミックスからなる拡散抵抗層を有することを特徴とするA/Fセンサ素子(1)。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載のA/Fセンサ素子(1)を製造する方法において、
    絶縁セラミックス原料を含む基体形成用坏土(18)を、上記電解質部(103、403a、403b、503、603)の形成位置に空間(201)が形成された上記基体(10、40、50、60)の形状に成形する第一成形工程と、
    固体電解質原料を含む電解質形成用坏土(19)を、上記空間(201)内に充填して成形する第二成形工程と、
    焼成を行って上記電解質部(103、403a、403b、503、603)を有する上記基体(10、40、50、60)を作製する焼成工程と、
    上記電極部(11、12)を形成する電極形成工程とを有し、
    上記第一成形工程においては、金型(2、21、22、23)のキャビティ(20)内における上記電解質部(103、403a、403b、503、603)の形成位置を可動型金型(2、231)で塞いだ状態で、上記金型(2、21、22、23)のキャビティ(20)内に上記基体形成用坏土(18)を射出成形し、上記第二成形工程においては、上記可動型金型(2、231)で塞いだ上記電解質部(103、403a、403b、503、603)の上記形成位置を開放して形成される上記空間(201)内に上記電解質形成用坏土(19)を射出成形することを特徴とするA/Fセンサ素子(1)の製造方法。
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