JP5118105B2 - ガス検出素子及びガスセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば内燃機関やボイラー等の各種の燃焼機器などに使用され、その排気ガスなどのガス濃度(例えば酸素濃度)等を検出することができるガス検出素子及びそれを備えたガスセンサに関する。
従来より、酸素センサ等のガスセンサの素子として、例えばジルコニア等の固体電解質の基体に電極を備えたガス検出素子が用いられている。
具体的には、軸線方向に延びると共に先端が閉じた有底筒状で、周方向にわたって外側に張り出す鍔部を有する固体電解質からなる基体を用い、その基体の内面に内側電極を備えると共に外面に外側電極を備えたガス検出素子が知られている。
このガス検出素子では、ガス検出素子の製造を容易にするために、本来特性とは関係の無い後端側の部分(電極と接しない部分)にも固体電解質であるジルコニアが使用されている(特許文献1参照)。
なお、前記ガス検出素子では、外側電極は鍔部より先端側に形成されており、その外側電極から鍔部を超えて後端側に伸びるようにリード部が形成されている。また、ガス検出素子は、その鍔部にて、例えばセラミックホルダ等を介して、主体金具によって外側から保持されている。
また、上述したガス検出素子全体を構成する材料として、固体電解質であるジルコニアに絶縁性セラミックであるアルミナを加えた材料を用いた技術も提案されている(特許文献2参照)
なお、これとは別に、板状のガス検出素子に関する技術として、絶縁体と固体電解質体とを貼り合わせて、一体焼成する技術が提案されている(特許文献3参照)。
特開2008−256477号公報 特開昭54−125210号公報 特開2005−271578号公報
しかしながら、内燃機関等の排気ガス中には、通常、水滴や油滴のほか、煤やカーボン等が多く含まれているので、上述した特許文献1、2等の有底筒状のガス検出素子を用いた従来技術では、ガス検出素子にブラックニング(黒色化)が発生し、ガス検出素子の割れや出力異常が発生するおそれがあった。
具体的には、排気ガス中の煤やカーボン等がガス検出素子に付着すると、それ自身が導体となるが、特に鍔部の近傍には煤が溜まりやすい。また、主体金具とガス検出素子とを絶縁するために、ガス検出素子の先端側には絶縁物質からなる保護層が形成されているが、鍔部を有するガス検出素子の形状が異形であるため、固体電解質体が外部にむき出しになることがある。更に、保護層にピンホール等が発生していると、同様に固体電解質体が外部にむき出しになることがある。
そして、上述の様に鍔部の近傍に煤等が溜まると、ガス検出素子の電極と主体金具とが、固体電解質体及び煤によって導通してしまい、ガス検出素子が電位を有していることから、その両者(内側電極と主体金具)に電流が流れてしまう。その結果、固体電解質体中のジルコニアがジルコニウムに還元されるブラックニングが発生する。
こうしてブラックニングが発生したガス検出素子は、脆くなって割れを生じ易く、特性の変化によってガスセンサの出力に異常が生ずるおそれがある。
本発明は、上記の従来の状況に鑑みてなされたものであり、ブラックニングを防止して、ガス検出素子の劣化を防ぐことができるガス検出素子及びガスセンサを提供することを目的とする。
(1)前記課題を解決するためになされた請求項1の発明は、軸線方向に延びるとともに先端側が閉じた有底筒状で、径方向に突出した鍔部を有するセラミック基体を備え、前記鍔部は、主体金具の棚部に直接又は他部材を介して保持される座面を有するガス検出素子において、前記セラミック基体のうち、前記座面よりも先端側の領域に、酸素イオン伝導性セラミックからなる検出部を設けるとともに、該検出部の少なくとも一部の対向する表裏面に電極を設け、更に、少なくとも前記座面を構成する部位を、前記セラミック基体の一部を構成する絶縁性セラミックで形成するとともに、前記酸素イオン伝導性セラミックを含まない構成としたことを特徴とする。
本発明では、鍔部の座面を構成する部位を、セラミック基体の一部を構成する絶縁性セラミックで形成するとともに、酸素イオン伝導性セラミックを含まない構成としているので、座面を構成する部位は、電気的な絶縁性を有している(即ち、酸素イオン伝導性や電子伝導性を有していない)。
従って、例えば排気ガス中の煤やカーボンが鍔部の近傍(例えば鍔部の座面と座面に対向する部材との間隙など)に付着した場合でも、ガス検出素子の内側電極と主体金具と間の導通を防止できる。よって、上述したような鍔部におけるブラックニングの発生を抑制することができるので、ガス検出素子の劣化を抑制することができる(即ち、ガス検出素子の耐久性が向上する)。
ここで、絶縁性セラミックとは、酸素イオン伝導性や電子伝導性を有しないセラミックのことであり、この絶縁性セラミックとしては、例えばアルミナ、ムライト、ステアタイトなどが挙げられる。
なお、絶縁性セラミックの平均粒径としては、10μm以下が、ガス検出素子にクラックが生じるのを抑制する点で好適である。
(2)上述したガス検出素子においては、請求項2の発明の様に、鍔部全体を、絶縁性セラミックで形成することができる。
本発明は、ガス検出素子の好ましい形態を例示したものである。鍔部全体を絶縁性セラミックで形成することにより、一層絶縁性を高めることができる。
(3)上述したガス検出素子においては、請求項3の発明の様に、セラミック基体は、鍔部と鍔部の後端側に隣接して配置される後端側胴部と含む筒状部を有しており、この筒状部を絶縁性セラミックで形成することができる。
本発明は、ガス検出素子の好ましい形態を例示したものである。鍔部を含む筒状部全体を絶縁性セラミックで形成することにより、一層絶縁性を高くできるとともに、ガス検出素子の製造を容易に行うことができる。
(4)上述したガス検出素子においては、請求項4の発明の様に、検出部に、酸素イオン伝導性を有するジルコニアを含むことができる。
本発明は、検出部に用いる酸素イオン伝導性セラミックを例示したものである。
このジルコニアの平均粒径としては、2.5μm以下が、ガス検出素子(検出部)にクラックが生ずるのを抑制する点で好適である。
(5)上述したガス検出素子においては、請求項5の発明の様に、検出部に、絶縁性セラミックを含むことができる。
本発明は、ガス検出素子の好ましい形態を例示したものである。
ここで、前記請求項3の発明の様に、検出部以外の部分(鍔部を含む筒状部)を絶縁性セラミックで形成した場合には、本発明の様に、検出部が酸素イオン伝導性を呈する範囲内で、当該検出部に同じ絶縁性セラミックを含ませることにより、固体電解質体である検出部と絶縁体である筒状部との熱膨張率を近づけることができる。よって、検出部と筒状部との結合強度が向上する。
つまり、異なるセラミックからなる(従って熱膨張率が異なる)検出部と筒状部との境界におけるクラックの発生を抑え、且つ両者を強固に結合させるためには、検出部に筒状部に含まれる絶縁性セラミックを含有させることが有効であるが、この理由は、検出部と筒状部との間に働く両者の熱膨張率差に起因する熱応力を緩和できるからである。
ここで、検出部における酸素イオン伝導性を有するセラミック(例えば酸素イオン伝導性を有するジルコニア)と絶縁性セラミックとの合計量を100質量%とした場合に、絶縁性セラミックの含有量は10〜80質量%の範囲内が好適である。
なお、以下では、熱膨張率とは、室温〜1000℃における線熱膨張係数(単に熱膨張係数と記す)のことを示している。
(6)上述したガス検出素子においては、請求項6の発明の様に、検出部に、酸素イオン伝導性を有するジルコニアを含むとともに、絶縁性セラミックを含み、検出部と検出部より後端側の筒状部とを、絶縁性セラミックと酸素イオン伝導性を有するジルコニアとを含む中間部を介して一体化するとともに、中間部における絶縁性セラミックの割合を、筒状部における絶縁性セラミックの割合よりも小さく、且つ、検出部における絶縁性セラミックの割合よりも大きくすることができる。
本発明では、検出部と筒状部とを中間部を介して結合しているが、この中間部においては、絶縁性セラミックの割合を調節することにより、中間部の熱膨張率を筒状部より大きくするとともに、検出部より小さくしている。
これにより、検出部と筒状部との間に働く両者の熱膨張率差に起因する熱応力を緩和することができるので、検出部と筒状部との間にクラック等が発生することを抑制することができる。
なお、中間部において、酸素イオン伝導性のジルコニアと絶縁性セラミック(例えばアルミナ、ムライト)との合計量を100質量%とした場合に、絶縁性セラミックの含有量は酸素イオン伝導性のジルコニアに比べて10質量%以上多いことが好ましい。
(7)上述したガス検出素子においては、請求項7の発明の様に、セラミック基体は、前記検出部と少なくとも前記座面を構成する部位とを一体焼成したものとすることができる。
本発明は、セラミック基体の好ましい態様を例示したものである。これにより、セラミック基体(従ってガス検出素子)の製造が容易となり、また、検出部と少なくとも座面を構成する部位との結合強度を高めることができる。
(8)上述したガス検出素子においては、請求項8の発明の様に、絶縁性セラミックとして、アルミナを採用できる。
本発明は、絶縁性セラミックとして好ましい材料を例示したものである。なお、アルミナ以外には、例えばムライトを採用でき、また、両者の混合物を用いることもできる。
(9)請求項9の発明のガスセンサは、前記請求項1〜8のいずれかに記載のガス検出素子と、該ガス検出素子の先端側を突出させるようにして、該ガス検出素子の周囲を取り囲んで保持する主体金具と、を備えたことを特徴とする。
本発明は、上述したガス検出素子を保持する主体金具を備えたガスセンサを示したものである。
第1実施形態のガス検出素子を示す正面図である。 ガス検出素子を中心軸に沿って破断して示す断面図である。 ガス検出素子が配設された酸素センサの一例の断面図である。 ガス検出素子の鍔部近傍を拡大して示す断面図である。 ラバープレス法によってガス検出素子を製造する方法を示す説明図である。 第2実施形態のガス検出素子を中心軸に沿って破断して示す断面図である。
次に、本発明ガス検出素子及びガスセンサの最良の形態について説明する。
[第1実施形態]
ここでは、ガスセンサとして、酸素濃度を検出する酸素センサを例に挙げて説明する。
a)まず、本実施形態の酸素センサに使用されるガス検出素子について説明する。
図1に示す様に、本実施形態のガス検出素子1は、先端側(図1下方)が閉塞された有底筒状のセラミック基体(セラミック焼結体)3を備えている。セラミック基体3は、その先端側に、酸素イオン伝導性を有する固体電解質である例えば部分安定化ジルコニアを主成分とする検出部5(図2参照)を備えるとともに、検出部5より後端側に、例えばアルミナ等の絶縁性セラミックからなる筒状部7を備えている。
この筒状部7は、その先端側に筒状部7の外周より外側に突出して筒状部7を一周する環状の鍔部9を備えるとともに、鍔部9より後端側に筒状の後端側胴部11を備えている。つまり、セラミック基体3には、検出部5と後端側胴部11との間に鍔部9が形成されている。
また、検出部5の外側面には、例えば白金からなる多孔質状の外側電極13が形成されており、検出部5の内側面を含むセラミック基体3の内側面には、例えば白金からなる多孔質状の内側電極14(基準電極:図2参照)が形成されている。
更に、セラミック基体3の外側面には、外側電極13に接続されるように、鍔部9を跨いで、軸方向(図1の上下方向)に沿って外側電極リード部15が設けられている。この外側電極リード部15は、後端側胴部11の後端側の外側面に設けられたリングリード部17と接続されている。
なお、外側電極13の表面全体には、絶縁性を有するセラミック(例えばスピネル)からなり、煤の侵入は防止するがガスの通過は可能な保護層(図示せず)が形成されている。
特に、本実施形態では、図2にガス検出素子1の断面を示す様に、先端側の検出部5と後端側の筒状部7とは焼結により一体に形成されているので、鍔部9(従ってその下方の座面19)は、絶縁性セラミックから構成されている。
なお、検出部5の組成としては、酸素イオン伝導性を発揮できるセラミックであればよく、例えばC相、M相、T相の各結晶相を有する部分安定化ジルコニアと絶縁性セラミック(具体的にはアルミナ)との合計量を100質量%とした場合に、絶縁性セラミックの含有量として10〜80質量%の範囲(従って酸素イオン伝導性セラミックの含有量は90〜10質量%の範囲)を採用できる。本実施形態では、ジルコニア80質量%、アルミナ20質量%の構成の検出部5にて構成した。
また、鍔部9を含む筒状部7の組成としては、電気的な絶縁性を発揮できるセラミック(即ち酸素イオン伝導性や電子伝導性が無いセラミック)であればよく、例えば絶縁性セラミックの含有量として90質量%を上回る範囲(具体的にはアルミナ100質量%)を採用できる。
b)次に、前記ガス検出素子1を備えた酸素センサについて説明する。
図3に示す様に、酸素センサ21は、上述のガス検出素子1と、ガス検出素子1の内部空間に挿入されるセラミックヒータ23と、ガス検出素子1を自身の内側にて保持する主体金具25とを備える。
前記主体金具25は、ガス検出素子1を先端側から支持するアルミナ製の支持部材27と、支持部材27の後端側に充填される滑石粉末からなる充填層29と、充填層29を後端側から先端側に向けて押圧するアルミナ製のスリーブ31とを、内部に収納可能に構成されている。
この主体金具25には、図4に拡大して示す様に、先端側内周に径方向内側に向かって突出した金具側段部(棚部)33が設けられており、この金具側棚部33にパッキン35を介して支持部材27が係止されている。また、支持部材27には、先端側内周に径方向内側に向かって突出した支持部材側段部(棚部)37が設けられており、この支持部材側棚部37にパッキン39を介してガス検出素子1の鍔部9が、その座面19にて係止されている。
つまり、ガス検出素子1は、鍔部9がパッキン39を介して支持部材27上に支持されることにより、主体金具25に支持される。
なお、ガス検出素子1の検出部5の外周面と、主体金具25の先端側の内周面及び支持部材27の先端側の内周面との間には、僅かな間隙47が形成されている。
図3に戻り、主体金具25の先端側外周には、ガス検出素子1の主体金具25の先端から突出する先端部を覆うとともに、複数のガス取入孔43を有する金属製のプロテクタ45が溶接によって取り付けられている。
一方、主体金具25の後端側においては、主体金具25の内面とガス検出素子1の外面との間に、充填層29が配設され、更にこの充填層29の後端側にスリーブ31及び環状リング41が順次同軸状に内挿された状態で配置されている。
また、主体金具25の後端側内側には、内筒部材49の先端側が挿入されている。この内筒部材49は、先端側の拡径した開口端部51を環状リング41に当接させた状態で、主体金具25の後端側を内側に加締めることで、主体金具25に固定されている。なお、この加締めにより、充填層29が圧縮され、これによりガス検出素子1が主体金具25の内側に気密状に保持されている。
内筒部材49には大気導入孔53が形成されるとともに、その後端側の外側には、大気導入孔53を介した気体の通過は許可するが水の浸入は阻止する筒状のフィルタ55が配置されている。
また、内筒部材49の後端側には、内筒部材49の後端側の開口部を覆うとともに内筒部材49に内嵌するセラミックセパレータ57が配置されている。このセラミックセパレータ57によって、ガス検出素子1に接続される素子用リード線59、61と、セラミックヒータ23に接続されるヒータ用リード線63、65とが分離される。
なお、素子用リード線59は、ガス検出素子1の外面に対して外嵌される端子金具67に接続され、素子用リード線61は、ガス検出素子1の内面に対して圧入される端子金具69に接続される。これにより、素子用リード線59は、ガス検出素子1の外側電極13と電気的に接続され、素子用リード線61は、内側電極14と電気的に接続される。他方、ヒータ用リード線63、65は、セラミックヒータ23の発熱抵抗体と接合された一対のヒータ用端子金具(図示せず)と各々接続される。
更に、内筒部材49の後端側には、内筒部材49の外側を覆うように、外筒部材71が同軸に接続されており、外筒部材71にも大気導入孔73が形成されている。
なお、外筒部材71の後端側の内部には、後端側の開口部を気密するように、(各リード線59〜65が貫通する)弾性シール部材75が、加締めにより固定されている。
c)次に、前記ガス検出素子1の製造方法について説明する。
(1)最初に、ラバープレス法により、ガス検出素子1のセラミック基体3となる成形体を作製する方法について説明する。なお、このラバープレス法に関しては、例えば特開平10−38840号公報に記載の技術を利用できる。
まず、図5に示す様に、セラミック基体3となる成形体81の内部の形状に対応した金属製の雄型(プレスピン)83を準備する。
次に、成形型85の内部に雄型83を配置するとともに、雄型83の周囲に成形体81の外部の形状に対応したゴム製の雌型87を配置する。
次に、アルミナ粉末、有機バインダ及び有機溶剤を混合してなるスラリーを、スプレードライ法により乾燥し、造粒した粉末89を、所定量雌型87の開口91から内部に投入する。つまり、筒状部7を構成するのに必要な量及び組成の粉末89を雌型87の内部に投入する。
次に、イットリアを固溶させた部分安定化ジルコニア粉末及びアルミナ粉末、有機バインダ及び有機溶剤を混合してなるスラリーを、スプレードライ法により乾燥し、造粒した粉末93を、所定量雌型87の開口91から内部に投入し、セラミック基体3に対応する全量を満たすようにする。つまり、検出部5を構成するのに必要な量及び組成の粉末93を雌型87の内部に投入する。
次に、開口91を封止部材95によって封鎖後、雌型87の外側に適当な圧力値に設定された水圧をかけて、原料粉末89、93をプレス成形して、成形体81を作製する。
次に、減圧後、雄型83を成形体81とともに軸方向に引き抜き、その後、成形体81を雄型83から軸方向に引き抜いて離型する。
次に、成形体81の外周面を、所望の形状、寸法となるように加工する。
(2)次に、焼成によってガス検出素子1を作製する方法について説明する。
上述した加工によって形成された成形体81に対して、その先端側の検出部5となる部位の外周に、凹凸材(例えば部分安定化ジルコニア粉末)を塗布する。
次に、成形体81の外側表面において、白金を主成分とする導電ペーストを用いて、外側電極リード部15及びリングリード部17となるパターンを印刷する。
次に、表面に導電ペーストを塗布した成形体81を、例えば1500℃で2時間焼成して、一体に焼結されたセラミック焼結体を作製する。
なお、焼成の条件は特に限定されず、焼成温度及び焼成時間はセラミックの種類、粒径等によって設定することが好ましい。また、焼成雰囲気も、セラミックの種類等により、大気雰囲気等の酸化雰囲気、所定量の水素ガスを含有する還元雰囲気、並びに窒素ガス雰囲気及びアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気などの不活性雰囲気のうちから選択することができる。
次に、セラミック焼結体の表面に、外側電極13及び内側電極14を形成する。
つまり、例えば無電解メッキによって、検出部5に対応する外側表面全体を覆うように外側電極13を形成するとともに、セラミック焼結体の内側全面を覆うように、内側電極14を形成し、所定の熱処理を施す。
その後、外側電極13の表面全体を覆うように、スピネル溶射により、保護層を形成し、ガス検出素子1を完成する。
(3)次に、ガス検出素子1を酸素センサ21に組み込む手順の要部について説明する。
主体金具25の内面側にガス検出素子1を固定する場合には、主体金具25の金具側棚部33に支持部材27をパッキン35を介して挿入する。
その後、支持部材27の内面側に、ガス検出素子1を検出部5の側を先端側としてパッキン39を介して挿入する。
次いで、支持部材27の後端側に、滑石粉末を供給して圧粉して充填層29を形成する。
次に、スリーブ31を挿入し、その先端側を充填層29の後端に当接させ、ガス検出素子1を固定するとともに、主体金具25の内側面とガス検出素子1の外側面との間を気密に封止する。
その他、周知の様に、各部材を取り付けることにより、ガス検出素子1が組み込まれた酸素センサ21を得ることができる。
d)この様に、本実施形態では、ガス検出素子1のセラミック基体3において、先端側の検出部5が、アルミナ及び酸素イオン伝導性を有するジルコニアから構成されるとともに、鍔部9を含む筒状部7全体が電気を絶縁する絶縁性セラミックであるアルミナから構成されている。
従って、例えば排気ガス中の煤やカーボンが鍔部9の近傍の間隙47に付着した場合でも、ガス検出素子1の内側電極14と主体金具25と間の導通を防止できる。よって、鍔部9におけるブラックニングの発生を抑制することができるので、ガス検出素子1の耐久性が向上する。
また、本実施形態では、検出部5が、アルミナ及び酸素イオン伝導性を有するジルコニア(C相、M相、T相の結晶相を含むジルコニア)から構成されるとともに、筒状部7がアルミナから構成されているので、検出部5と筒状部7との熱膨張率差が比較的小さくなる。よって、検出部5と筒状部7との間に働く両者の熱膨張率差に起因する熱応力を緩和できるので、検出部5と筒状部7との境界におけるクラックの発生を抑えることができる。
なお、ここで、検出部5の熱膨張率は7.8×10-6/℃で、筒状部7の熱膨張率は8.0×10-6/℃であり、両者の熱膨張率差を3.0%以下とすると、クラックの発生が少なく好適である。
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。
本実施形態では、ガス検出素子のセラミック基体の構成が、第1実施形態と異なるので、セラミック基体の構成について説明する。
図6に示す様に、本実施形態では、ガス検出素子110のセラミック基体111は、先端側の検出部113と(鍔部115を含む)後端側の筒状部117とを備えるとともに、検出部113と筒状部117との間に、中間部119を備えている。
具体的には、検出部113と筒状部117とを、絶縁性セラミック(具体的にはアルミナ)と酸素イオン導電性のジルコニアとを含む中間部119を介して一体化するとともに、中間部119の絶縁性セラミックの割合を、筒状部117(従って鍔部115)における絶縁セラミックの割合よりも小さく、且つ、検出部113における絶縁性セラミックの割合よりも大きくしている。
例えば検出部113は、C相、M相、T相の結晶相を含有する部分安定化ジルコニア80質量%及びアルミナ20質量%であり、筒状部117は、アルミナ100質量%であり、中間部119は、アルミナ50質量%及び(例えばC相)ジルコニア50質量%である。従って、検出部113の熱膨張率は7.8×10-6/℃、筒状部117の熱膨張率は8.0×10-6/℃、中間部119の熱膨張率は7.9×10-6/℃である。
なお、中間部119は、酸素イオン伝導性を有しているので、外側電極121は中間部119までを覆うように形成することが好ましい。
本実施形態においても、前記第1実施形態と同様な効果を有する。
また、本実施形態では、検出部113、筒状部117、中間部119の組成により、中間部119の熱膨張率は、検出部113の熱膨張率と筒状部117の熱膨張率との間の熱膨張率に設定されている。従って、酸素センサを温度変化が大きい環境で使用した場合でも、熱衝撃によってガス検出素子1が破損することを好適に抑制することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
[1]ガス検出素子の製造
前記第1実施形態にて説明した製造方法によって、成形体を作製した。
この成形体を作製する際には、セラミック材料として、筒状部となる部分には、平均粒径1.0μmのアルミナのアルミナ粉末を20質量%、平均粒径1.0μmのイットリアを固溶させた部分安定化ジルコニア粉末80質量%用いた。また、検出部となる部分には、平均粒径1.0μmのアルミナ100質量%を用いた。
そして、得られた造粒物を、同様に合してラバープレス機を用いてプレス成形し、成形体を作製し、所定の形状となるように外側面を研削した。
その後、同様にして、導電ペーストを用いて、外側電極など導電部分のパターンを形成し、同様にして焼成し、その後外側電極及び内側電極を形成してガス検出素子を得た。
[2]ガス検出素子の折損の有無
前記[1]のようにして製造したガス検出素子を、前記のようにして酸素センサの主体金具に保持固定して組み込んだ試料を10個作製した。
そして、下記の条件で冷熱サイクル試験を実施したところ、本発明のガス検出素子では破損は全く発生しなかった。
<冷熱サイクルの実験条件>
素子の先端部外面を、火炎を用いて素子温度が1000℃以上となるように90秒間加熱し、その後90秒間室温で放置し、さらに素子温度が90秒間風冷する処理を行う。そして、この処理を1サイクルとして、本処理を100サイクル行った。
[3]ブラックニングの有無
また、前記[1]のようにして製造したガス検出素子を、前記のようにして酸素センサの主体金具に固定して組み込んだ試料を10個作製した。
そして、鍔部に黒鉛を付着させ、ガス検出素子の内側及び外側の両電極間に1.5Vの電圧を3時間加え、ブラックニングの有無を調べた。
その結果、本発明のガス検出素子では、ブラックニングは全く発生しなかった。
また、比較例として、従来のガス検出素子(即ち、素子全体を、イットリア部分安定化ジルコニアで形成したもの)を備えた酸素センサの試料を1個作製した。
そして、前記と同様に、鍔部に黒鉛を付着させ、ガス検出素子の両電極間に電圧を加えたところ、1.5Vの電圧を3時間加えた段階で、ブラックニングが発生した。
尚、本発明は前記実施形態などになんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
(1)例えば、本発明のガス検出素子は、各種ガスセンサに組み込んで用いることができる。このガスセンサとしては、酸素センサ、一酸化炭素センサ、炭化水素センサ及び酸化窒素センサ等の内燃機関の排気ガスセンサなどが挙げられる。
(2)また、第1、2実施形態においては、筒状部を絶縁性セラミックであるアルミナで構成したが、アルミナに代えて他の絶縁性セラミックを用いてもよい。例えばムライトやステアタイトを用いてもよい。或いは、異なる種類の絶縁性セラミックを混合して用いてもよい。なお、この異なる種類のセラミックを用いる手法としては、例えば前記特開昭54−125210号公報に記載の技術を利用できる。
(3)また、第1、2実施形態においては、筒状部全体を絶縁性セラミックで形成しているが、鍔部のみ、或いは鍔部の座面を構成する部分のみを、絶縁性セラミックで形成してもよい。なお、この手法としては、例えば前記特開2005−271578号公報に記載の技術を採用できる。
(4)更に、第1、2実施形態においては、検出部の外側表面全体を覆うように外側電極を設けるようにしたが、検知対象となるガスが測定できる範囲内で検出部の外側表面に対して部分的に外側電極を設けるようにしてもよい。なお、検出部の内側全面を覆う内側電極についても同様である。
(5)なお、第1、2実施形態においては、主体金具の金具側棚部によって、パッキンや支持部材を介してガス検出素子の鍔部(座面)を保持しているが、主体金具の金具側棚部によって、直接にガス検出素子の鍔部(座面)を保持してもよい。
1、110…ガス検出素子
3、111…セラミック基体
5、113…検出部
7、117…筒状部
9、115…鍔部
11…後端側胴部
13、121…外側電極
14…内側電極
19…座面
25…主体金具
33…金具側段部(棚部)
119…中間部

Claims (9)

  1. 軸線方向に延びるとともに先端側が閉じた有底筒状で、径方向に突出した鍔部を有するセラミック基体を備え、
    前記鍔部は、主体金具の棚部に直接又は他部材を介して保持される座面を有するガス検出素子において、
    前記セラミック基体のうち、前記座面よりも先端側の領域に、酸素イオン伝導性セラミックからなる検出部を設けるとともに、該検出部の少なくとも一部の対向する表裏面に電極を設け、
    更に、少なくとも前記座面を構成する部位を、前記セラミック基体の一部を構成する絶縁性セラミックで形成するとともに、前記酸素イオン伝導性セラミックを含まない構成としたことを特徴とするガス検出素子。
  2. 前記鍔部全体を、前記絶縁性セラミックで形成したことを特徴とする請求項1に記載のガス検出素子。
  3. 前記セラミック基体は、前記鍔部と該鍔部の後端側に隣接して配置される後端側胴部と含む筒状部を有しており、この筒状部を前記絶縁性セラミックで形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のガス検出素子。
  4. 前記検出部に、酸素イオン伝導性を有するジルコニアを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガス検出素子。
  5. 前記検出部に、前記絶縁性セラミックを含むことを特徴とする請求項4に記載のガス検出素子。
  6. 前記検出部に、酸素イオン伝導性を有するジルコニアを含むとともに、前記絶縁性セラミックを含み、
    前記検出部と該検出部より後端側の前記筒状部とを、前記絶縁性セラミックと前記酸素イオン伝導性を有するジルコニアとを含む中間部を介して一体化するとともに、
    前記中間部における絶縁性セラミックの割合を、筒状部における絶縁性セラミックの割合よりも小さく、且つ、前記検出部における絶縁性セラミックの割合よりも大きくしたことを特徴とする請求項に記載のガス検出素子。
  7. 前記セラミック基体は、前記検出部と少なくとも前記座面を構成する部位とを一体焼成したものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のガス検出素子。
  8. 前記絶縁性セラミックは、アルミナであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のガス検出素子。
  9. 前記請求項1〜8のいずれかに記載のガス検出素子と、
    該ガス検出素子の先端側を突出させるようにして、該ガス検出素子の周囲を取り囲んで保持する主体金具と、
    を備えたことを特徴とするガスセンサ。
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