JP4068426B2 - センサおよびセンサ製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定対象物の物理量(例えば、温度や特定ガスの濃度や濃度変化など)を検出するために、検出素子,主体金具,外筒を備えて構成されるセンサ、およびそのようなセンサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、測定対象物の物理量を検出するセンサとしては、被測定領域に存在する測定対象物の温度を検出する温度センサや、被測定領域に存在する混合ガス中から特定ガス成分の濃度や濃度変化を検出するガスセンサ(酸素センサやNOxセンサなど)などが知られている。
【0003】
ガスセンサとしては、例えば、図5に断面図として示される従来型ガスセンサ101がある(例えば、特許文献1)。この従来型ガスセンサ101は、先端が閉じた中空軸状に形成された固体電解質体からなる検出素子106と,検出素子106の内部に配置されるセラミックヒータ104と,検出素子106を保持する主体金具110と、主体金具110の後端部(図中の上側の端部)に組み付けられて基準ガス空間を形成する外筒103と、を備えて構成されている。
【0004】
このうち、検出素子106は、長手方向略中間位置の外周側面から径方向外向きに突出する鍔部115を備えており、鍔部115が挿通孔111の棚部113と薄肉部117との間に挟持されることで、主体金具110に保持される。
すなわち、主体金具110の挿通孔111には、内面から径方向内向き突出した棚部113が設けられており、支持部材114がリング118を介して棚部113に係止されることにより、検出素子106が下方から支持されている。そして、支持部材114の上側における主体金具110の内周面と検出素子106の外周面との間に滑石粉末116が充填され、さらに、この滑石粉末116の上側に略筒状の押圧スリーブ112およびリング119が順次同軸状に内挿された状態で、主体金具110の上端の薄肉部117が内方(下方)に加締められることで、滑石粉末116が加圧充填され、それにより、検出素子106が主体金具110に保持固定されている。
【0005】
このあと、外筒103が、検出素子106を保持した主体金具110の後端側に組み付けられて、外筒103と主体金具110とがレーザー溶接あるいは加締め加工などにより接合される。また、外筒103が主体金具110に組み付けられる際には、外部から外筒103の内部に挿通されたリード線に電気的に接続された端子部107が、セラミックセパレータ105に支持されて、検出素子106の電極端子に接続される。なお、外筒103の後端部には、リード線を挿通するリード線挿通孔を有するシール部材108(絶縁部材108)が嵌め込まれている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−50928号公報(図1、図10参照)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の従来型ガスセンサ101においては、検出素子106を主体金具110に保持するための加締め作業を経て、外筒103を主体金具に組みつける作業を実行する必要がある。
【0008】
具体的には、主体金具110に外筒103を組み付けた後では、薄肉部117が外筒103に覆われてしまい、薄肉部117の加締め作業ができないため、主体金具110に対する外筒103の組み付け作業の前に、検出素子106を主体金具110に固定するための加締め作業を行う必要がある。
【0009】
そのため、組立作業が煩雑になると共に、全体としての作業時間が長くなるという問題がある。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、組立作業の煩雑さを軽減でき、作業時間の短縮を図ることができるセンサ、およびそのようなセンサの製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、先端側に測定対象物にさらされる検出部を有する長尺形状に形成されると共に、検出部よりも後端側に位置する外周側面から径方向外向きに突出する鍔部を有する検出素子と、検出素子を挿通可能な挿通孔を有すると共に、挿通孔の内面から径方向内向きに突出する検出素子の鍔部を支持するための棚部を有する筒型形状に形成され、自身の先端から検出部の少なくとも一部が突出する状態で検出素子を保持する主体金具と、検出素子を保持した主体金具の後端側に組み付けられると共に、外径が異なる先端側部と後端側部とを繋ぐ段差部または内面から径方向内向きに突出する内側凸部を有する外筒と、外筒の後端部に内挿され、外部から外筒の内側にリード線を導入し、リード線と電気的に接続された端子部を検出素子に導通させた状態で保持すると共に、端子部と外筒とを電気的に絶縁する絶縁部材と、を備えるセンサであって、検出素子の外周表面と挿通孔の内面との間のうち、鍔部よりも後端側に配置されて、検出素子と主体金具とを接合するロー材と、検出素子の外周表面と挿通孔の内面との間のうちロー材の後端側に配置されて、ロー材を挿通孔の内部に封止する後端側封止部材と、外筒の段差部または内側凸部と後端側封止部材の後端面との間に配置されて、後端側封止部材を棚部に向けて押圧する弾性材料からなる押圧部材とを備えることを特徴とする。
【0011】
このセンサは、主体金具に対して検出素子を固定するにあたり、加締めによる固定構造ではなく、ロー付け接合による固定構造を採用して構成されている。そして、ロー付け接合作業は、ロー材を加熱溶融することで実行される作業であり、ロー材に対して熱を加えることができれば、直接ロー材に接触することなく実行することができる。
【0012】
つまり、このセンサは、外筒を主体金具に組み付けた状態であっても、例えば、主体金具を介した熱伝導によりロー材を加熱溶融することで、ロー付け接合作業を実行することができる。このため、このセンサは、検出素子と主体金具との固定作業を経た上で、主体金具と外筒との固定作業を行う必要が無い。
【0013】
また、このセンサは、主体金具と検出素子との間に配置されるロー材の後端側に位置する後端側封止部材の後端面と、外筒の段差部または内側凸部との間に、後端側封止部材を押圧する押圧部材を備えており、ロー付け接合作業により溶融状態となったロー材に対して、押圧部材の弾性力による圧力が印加される。これにより、溶融状態のロー材が、検出素子の外周表面と主体金具の挿通孔の内面との間に隙間無く隅々まで充填されることから、ロー材と検出素子の接合状態、およびロー材と主体金具との接合状態が強固となり、ひいては、検出素子と主体金具との接合状態が強固になる。
【0014】
よって、本発明(請求項1)のセンサによれば、組立作業の煩雑さを軽減でき、作業時間の短縮を図ることができる。また、押圧部材によるロー材への圧力印加により、検出素子と主体金具との接合状態を強固にすることができるため、主体金具に対する検出素子のロー付けによる接合強度が低下するのを防止できる。
【0015】
押圧部材は、センサの長手方向に伸縮可能に構成されていればよく、環状に形成することもできるし、周方向に部分的に配置可能となるように構成することもできる。押圧部材の具体例としては、線状部材を螺旋状に巻回したバネ部材を挙げることができる。なお、押圧部材は、後端側封止部材を棚部に向けて押圧可能な状態で、外筒の段差部または内側凸部と後端側封止部材の後端面との間に位置すれば良く、押圧部材が、該段差部または内側凸部、後端側封止部材の後端面に当接している必要はない。例えば、センサがリード線と接続される端子部を保持するセラミックセパレータを備え、そのセラミックセパレータの外周面から径方向外側に向かって突出するフランジ部が外筒の段差部または内側凸部の内面に当接する構造である場合には、押圧部材の後端部をセラミックセパレータのフランジ部の先端面あるいはセラミックセパレータ自身の先端面に当接させた状態として、押圧部材を外筒の段差部または内側凸部と後端側封止部材の後端面との間に位置させても良い。
【0016】
また、本発明では、検出素子における鍔部を主体金具の棚部に当接させた状態で、検出素子を主体金具に支持させてもよいが、センサの気密性をより向上させるために、検出素子における鍔部を先端側封止部材(具体的には、線パッキンまたは板パッキンといったパッキン単体や、該パッキンとセラミック製の支持部材とを組み合わせた部材)を介して、主体金具の棚部に支持させてもよい。さらに、検出素子における鍔部を主体金具の棚部に当接させつつ、ロー材よりも先端側における鍔部の外側面と主体金具の内面との隙間に線パッキンまたは板パッキンを設けてもよい。
【0017】
センサは、測定対象物の物理量として温度を検出する際には、検出素子として、温度に応じた検出信号を出力する温度検出素子を用いて構成され、測定対象物の物理量として特定ガスの濃度あるいは濃度変化を検出する際には、検出素子として、特定ガスの濃度あるいは濃度変化に応じた検出信号を出力するガス検出素子を用いて構成される。
【0018】
長尺形状の検出素子としては、有底筒状(カップ形状)に形成されたもの、板型形状に形成されたものなどが挙げられる。また、検出素子は、固体電解質体としてジルコニアを用いて形成されるものに限定されることはなく、ジルコニアとアルミナからなる固体電解質体(例えば、ジルコニアとアルミナの合計量を100wt%とした場合に、アルミナを10〜80wt%の範囲内で含有させる固体電解質体)から形成されていてもよい。
【0019】
さらに、検出素子は、主体となる検出部を有する長尺形状部分と、その長尺形状部分の外周側面から突出する鍔部とが同種の材料で形成されるものに限ることはない。
例えば、請求項2に記載のように、先端側に測定対象物にさらされる検出部を有し、後端側に測定対象物の物理量に応じた検出信号を出力する電極端子を有する長板形状に形成された板型検出素子と、板型検出素子を挿通可能な中空部を有する筒状に形成され、板型検出素子の径方向周囲を取り囲む状態で板型検出素子と一体に接合される金属ホルダと、を備えて構成される検出素子を用いて、センサを構成しても良い。
【0020】
なお、この検出素子においては、金属ホルダが鍔部として備えられることになり、また、板型検出素子と金属ホルダとの接合は、ロー付け接合や、ガラス封着による接合などを用いることができる。
次に、上記目的を達成するためになされた請求項3に記載の発明方法は、先端側に測定対象物にさらされる検出部を有する長尺形状に形成されると共に、検出部よりも後端側に位置する外周側面から径方向外向きに突出する鍔部を有する検出素子と、検出素子を挿通可能な挿通孔を有すると共に、挿通孔の内面から径方向内向きに突出する検出素子の前記鍔部を支持するための棚部を有する筒型形状に形成され、自身の先端から検出部の少なくとも一部が突出する状態で検出素子を保持する主体金具と、検出素子を保持した主体金具の後端側に組み付けられると共に、外径が異なる先端側部と後端側部とを繋ぐ段差部または内面から径方向内向きに突出する内側凸部を有する外筒と、外筒の後端部に内挿され、外部から外筒の内側にリード線を導入し、リード線と電気的に接続された端子部を検出素子に導通させた状態で保持すると共に、端子部と外筒とを電気的に絶縁する絶縁部材と、検出素子の外周表面と挿通孔の内面との間のうち、鍔部よりも後端側に配置されて、検出素子と主体金具とを接合するロー材と、検出素子の外周表面と挿通孔の内面との間のうちロー材の後端側に配置されて、ロー材を挿通孔の内部に封止する後端側封止部材と、外筒の段差部または内側凸部と後端側封止部材の後端面との間に配置されて、後端側封止部材を棚部に向けて押圧する弾性材料からなる押圧部材と、を備えるセンサを製造するためのセンサ製造方法であって、鍔部が棚部に支持されるように主体金具の挿通孔に検出素子を挿入し、挿通孔の内面と検出素子の外周面との間に、ロー材、後端側封止部材を配置する第1工程と、検出素子に端子部を接続し、外筒の段差部または内側凸部と後端側封止部材の後端面との間に押圧部材を配置するように、絶縁部材が内挿された外筒を主体金具の後端側に固定する第2工程と、ロー材を加熱溶融して検出素子と主体金具とをロー付け接合する第3工程と、を有することを特徴とするセンサ製造方法である。
【0021】
このセンサ製造方法は、主体金具に対する検出素子の固定構造が加締めによる固定構造ではなく、ロー付け接合による固定構造である。
つまり、このセンサ製造方法では、外筒を主体金具に組みつけた後に、例えば、主体金具を介した熱伝導によりロー材を加熱溶融することで、ロー付け接合作業を(第3工程)を実行している。このため、検出素子と主体金具との固定作業を経た上で、主体金具と外筒との固定作業を行う必要がない。
【0022】
また、このセンサ製造方法においては、ロー付け接合作業により溶融状態となったロー材が、押圧部材の弾性力による圧力が後端側封止部材を介して印加されることにより、検出素子の外周表面と主体金具の挿通孔の内面との間に隙間無く隅々まで充填される。このため、ロー材と検出素子の接合状態、およびロー材と主体金具との接合状態が強固となり、ひいては、検出素子と主体金具との接合状態が強固になる。
【0023】
よって、本発明(請求項3)のセンサ製造方法によれば、センサの組立作業の煩雑さを軽減でき、作業時間の短縮を図ることができる。また、押圧部材によるロー材への圧力印加により、検出素子と主体金具との接合状態を強固にすることができるため、2つの固定作業を同時に行うことに伴い主体金具に対する検出素子の固定強度が低下するのを防止できる。
【0024】
なお、第3工程における検出素子と主体金具とのロー付け接合作業は、上述したように、主体金具を介した熱伝導によりロー材を加熱溶融することで実行できる。また、主体金具と外筒との組みつけ(固定)には、例えば、ロー付け接合、レーザ溶接または加締め加工、圧入などを用いることができる。主体金具と外筒とをロー付け接合する場合には、各部の加熱作業を同時に行うことができ、検出素子と主体金具とのロー付け接合作業と、主体金具と外筒とのロー付け接合作業とを同時に実行できるため、さらに作業の簡略化を図ることができる。
【0025】
そして、このセンサ製造方法は、上述の請求項1または請求項2に記載のセンサの製造方法として利用することができる。
次に、上述(請求項3)のセンサ製造方法は、例えば、請求項4に記載のように、第3工程において、検出素子と主体金具とのロー付け接合作業を行うにあたり、ロー材の近傍部分を加熱し、ロー材以外の部分のうち少なくとも絶縁部材を含む部分を冷却するとよい。
【0026】
つまり、センサの構成部材の中には、高温になると破損あるいは変形する部材があり、ロー付け作業用の熱量の供給により、そのような高温環境に弱い部材の温度が上昇するのを防止する必要がある。そして、この高温環境に弱い部材として、外筒の後端部に内挿される絶縁部材(通常は、シリコンゴムやフッ素ゴム等から構成される)が挙げられる。そのため、ロー材以外の部分で、かつ高温環境に弱い部材が配置されている部分については、ロー付け作業時には、冷却することにより高温になるのを防止すると良い。
【0027】
なお、冷却方法としては、例えば、冷却対象部分に冷却風を吹き付けて温度を低下させる空冷方式の冷却方法を用いることができる。
よって、本発明方法(請求項4)によれば、ロー付け作業を行うにあたり、センサを構成する部材が高温により破損するのを防止することができ、センサの品質低下を防ぐことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を適用したセンサの実施例を図面と共に説明する。
本実施例は、ガスセンサの一種である酸素センサ1であり、図1に酸素センサ1の全体構成を表す断面図を示す。なお、以下の説明においては、酸素センサ1のうち、図1における下端側が上記各請求項でいう「ガスセンサの先端側」に相当し、同様に、酸素センサ1の図1における上端側が「ガスセンサの後端側」に相当する。
【0029】
図1に示すように、酸素センサ1は、ジルコニア(ZrO2 )を主成分とする固体電解質体により先端が閉じた有底筒状に形成された検出素子2,検出素子2の有底孔41に配置された軸状のセラミックヒータ3,酸素センサ1の内部構造物を収容すると共に酸素センサ1を排気管等の取付部に固定するケーシング4などを備えて構成されている。
【0030】
検出素子2の有底孔41の内面には、そのほぼ全面を覆うように、PtあるいはPt合金により多孔質に形成された内部電極48が形成され、外面のうち先端側(図中の下側)に同様な外部電極46が形成されている。また、検出素子2は、自身の長手方向略中間位置の外周表面から径方向外向きに突出する鍔部26を有して構成されている。そして、検出素子2は、先端側に配置される外部電極46、内部電極48および固体電解質体により構成され、測定対象物(排気ガス)にさらされることになる検出部25を有している。
【0031】
ここで、図6に、図1に示す酸素センサ1に備えられる検出素子2の外観を表す斜視図を示す。
検出素子2の外面には、図6に示すように、後端側(図6における上側)に導電層47が周方向に沿って帯状に形成され、外部電極46が鍔部26よりも先端側の全面を覆うように形成されており、さらに、導電層47と外部電極46とが直線状の接続パターン層44を介して電気的に接続されている。ここで、検出素子2の外面のうち鍔部26よりも後端側においては、後述するように素子側ロー付け面28が形成されることになるが、本実施例では、接続パターン層44と後述する充填部材52(ロー材)とが直接接触することがない(換言すれば、外部電極46と主体金具5とが充填部材52を介して短絡することがない)ように、接続パターン層44のうちで素子側ロー付け面28に位置する部分には、絶縁性のガラス層45により被覆されている。
【0032】
ケーシング4は、検出素子2を保持すると共にその先端側にある検出部25を排気管等の内部に突出させる主体金具5と、主体金具5の後端部(図1では上側の端部)に組み付けられ、検出素子2との間で基準ガス空間を形成する外筒6とを備えて構成されている。
【0033】
主体金具5は、検出素子2を挿通するよう先端側から後端側にかけて貫通する挿通孔50と、検出部25を有する先端側から挿通孔50に挿通された検出素子2の鍔部26を支持する棚部54とを有する略円筒型形状に形成されている。そして、主体金具5は、検出部25および後端部が挿通孔50の外部に露出する状態で検出素子2を保持可能に構成されている。
【0034】
主体金具5にて検出素子2を保持するにあたり、挿通孔50の内部には、検出素子2を先端側(図中下側)から支持するセラミックス材料からなる支持部材51,支持部材51の後端側(図中上側)に充填される共晶ロー(BAg8:Ag−Cu系ロー材)からなる充填部材52,および充填部材52の後端側に配置されるセラミックス材料からなるスリーブ53が同軸状に配置される。
【0035】
すなわち、支持部材51は、略円筒状に形成され、主体金具5の挿通孔50の内周に形成される棚部54にリング55を介して係止されると共に、検出素子2の鍔部26を先端側(図中下側)から支持する。なお、検出素子2の鍔部26は、支持部材51にパッキン56を介して係止される。そして、充填部材52は、支持部材51の後端側における主体金具5の挿通孔50の内周面と検出素子2の外周面との間に配設され、さらに、スリーブ53は、略円筒状に形成され、充填部材52の後端側に配設される。
【0036】
なお、主体金具5の挿通孔50の内面のうち充填部材52に当接する部分に、金具側ロー付け面32が形成されており、検出素子2の外周面のうち充填部材52に当接する部分に、素子側ロー付け面28が形成されている。
スリーブ53は、後述するコイルバネ9により先端側に付勢されており、充填部材52に対して圧力を印加している。このため、加熱により溶融状態となった充填部材52は、スリーブ53からの加圧により、挿通孔50の内周面と検出素子2の外周面との間の隅々まで充填される。そして、温度低下により凝固した充填部材52は、検出素子2および主体金具5(詳細には挿通孔50の内面)とそれぞれ強固に接合され、ひいては、検出素子2と主体金具5とが強固に接合される。なお、支持部材51およびスリーブ53は、溶融状態の充填部材52が挿通孔50から外部に漏洩しないように、充填部材52を挿通孔50の内部に封止可能な形状に構成されている。また、溶融状態の充填部材52は、パッキン56によって検出素子2と支持部材51との間から漏れるのが確実に抑制される。
【0037】
なお、充填部材52を構成するBAg8は、溶融温度が約800[℃]であり、ロー付け作業後の耐熱温度が500〜600[℃]程度となる特性を示す共晶ロー材である。
また、酸素センサ1は、主体金具5の後端部を覆う略円筒状の外筒6を備えており、外筒6は、主体金具5との間に基準ガス空間(内部空間)を形成している。外筒6は、その軸方向略中央部を境界として後端側部65の径方向寸法(外径)が先端側部64よりも縮径して形成されると共に、先端側部64と後端側部65とを繋ぐ段差部61が形成されている。なお、段差部61は、後述するセパレータ7のフランジ部71を係止可能に形成されている。外筒6の後端部(図中の上端部)には、後述するシール部材11の後端縁(上端縁)を覆うように内方に屈曲した肩部62が設けられ、その端縁により上端開口部63が形成されている。
【0038】
外筒6の上端開口部63には、検出素子2の電極46,48に夫々接続されるリード線21,22およびセラミックヒータ3に接続される一対のリード線を夫々外部から外筒6(酸素センサ1)の内部に導入すると共に、外筒6の内部への水分や油分の侵入を防止するシールユニット10が設けられている。
【0039】
このシールユニット10は、フッ素ゴムからなる円柱状のシール部材11と、このシール部材11の中央を軸方向に貫通する貫通孔14に嵌挿可能な筒状挿入部材30と、この筒状挿入部材30の上端部を覆うと共に、これらシール部材11の貫通孔14の内周面と筒状挿入部材30の外周面との間に挟持されて固定されるシート状の通気フィルタ40とから構成されている。シールユニット10は、リード線21,22などを挿通した状態で外筒6の先端側の開口部から上端開口部63の内側に配置された状態のシール部材11が、外筒6と共に径方向内側に加締められることにより、外筒6に固定される。これにより、外筒6およびシール部材11が密着し、そのシール性がより確実なものとなる。
【0040】
また、外筒6の内部に組み付けられたシール部材11の先端側には、セラミックで筒状に形成された絶縁性のセパレータ7が内挿されている。このセパレータ7は、略円筒形状の本体を有し、その本体先端部の外周面には径方向外側に突出したフランジ部71が周設され、その先端面には先端方向に突出した環状突部72が形成されている。フランジ部71は、その外径が先端側になるほど大きくなるようにテーパ状の当接部73を有し、この当接部73が外筒6の段差部61に係止されている。セパレータ7は、各リード線21,22と電気的に接続された端子部8を検出素子2の電極46,48に接続させた状態で保持すると共に、セラミックヒータ3と電気的に接続する一対のリード線とそれぞれ接続されるヒータ端子部36(もう一方は、図示せず)を保持し、端子部8と外筒6とを、また、端子部8とヒータ端子部36とを電気的に絶縁している。
【0041】
そして、主体金具5とセパレータ7との間には、コイルバネ9(押圧部材)が介装されており、コイルバネ9は、主体金具5の挿通孔50に配置されるスリーブ53を棚部54に向けて押圧している。コイルバネ9は、一端が、スリーブ53に直接接触し、他端が、セパレータ7の環状突部72の内側に位置するセパレータ7の先端面74(下端面74)に直接接触している。なお、コイルバネ9は、検出素子2の外面、端子部8、ヒータ端子部36と接することがないように、寸法が適宜調整されている。
【0042】
外筒6は、その下端開口端部が径方向内側に加締められ、全周レーザ溶接されることにより、主体金具5に対して装着されている。また、主体金具5の下端側外周には、検出素子2の突出部分(検出部25)を覆うと共に、測定対象ガスを導入するための複数の孔部を有する金属製の二重のプロテクタ81,82が溶接によって取り付けられている。
【0043】
次に、本実施例の酸素センサ1の製造方法について説明する。
酸素センサ1の製造方法は、主体金具5の挿通孔50に検出素子2を挿入配置するための第1工程と、外筒6を主体金具5の後端側に固定するための第2工程と、検出素子2と主体金具5とをロー付け接合する第3工程と、を有している。
【0044】
第1工程では、主体金具5の挿通孔50の内面と検出素子2の外周面との間に、リング55、支持部材51、パッキン56、充填部材52、スリーブ53を配置しつつ、鍔部26がパッキン56、支持部材51、リング55を介して棚部54に支持されるように、主体金具5の挿通孔50に検出素子2を配置させる。
【0045】
次に、第2工程では、まず、検出素子2の電極46、48(詳細には、導電層47および内部電極48)に端子部8を接続し、外筒6の内側に配置させたセパレータ7の先端面74とスリーブ53との間にコイルバネ9を配置するように、セパレータ7およびシールユニット10が内装された外筒6を、主体金具5の後端側に取り付ける。このとき、セパレータ7の内側に配置されるセラミックヒータ3が、検出素子2の有底孔41に挿入される。続いて、外筒6と主体金具5とを加締め固定するための先端側加締め作業と、外筒6とシール部材11とを加締め固定するための後端側加締め作業とを実行する。先端側加締め作業は、外筒6の先端部分を径方向内側に向けて加締めることで行われ、この結果、外筒6が主体金具5に固定される。また、後端側加締め作業は、外筒6の後端部分を径方向内側に向けて加締めることで行われ、この結果、シールユニット10を備えるシール部材11が外筒6に固定される。
【0046】
続いて、第3工程では、第1工程および第2工程を経て各部材が組みつけられた後、主体金具5と検出素子2をロー付け接合するためのロー付け作業を行う。ロー付け作業は、主体金具5に対して熱を加えて、主体金具5を介した熱伝導により充填部材52を800[℃]程度まで加熱すると共に、外筒6の後端部分に冷却風を当てることで行われる。加熱されて溶融した充填部材52は、コイルバネ9の弾性力によりスリーブ53から押圧されるため、金具側ロー付け面32、素子側ロー付け面28、支持部材51およびスリーブ53に囲まれる領域の隅々まで充填される。他方、外筒6の後端側の内部に配置されるシールユニット10、シール部材11などは、冷却風により冷却されることから、充填部材52よりも低い温度に維持されるため、高温による破損から保護される。なお、ロー付け作業時には、検出素子2の内部に配置されたセラミックヒータ3に通電してセラミックヒータ3を発熱させることで、充填部材52のうち、検出素子2の近傍の温度を主体金具5の近傍部分の温度よりも5[℃]以上高温となるように制御している。
【0047】
充填部材52に対する加熱作業が終了した後、所定の冷却期間にわたり冷却された充填部材52が凝固すると、充填部材52により検出素子2と主体金具5とがロー付け接合される。
以上に説明したように、本実施例(以下、第1実施例ともいう)の酸素センサ1は、主体金具5に対して検出素子2を固定するにあたり、加締めによる固定構造ではなく、ロー付け接合による固定構造を採用して構成されている。そして、ロー付け接合作業は、充填部材52(ロー材)を加熱溶融することで実行される作業であり、ロー材に直接接触することなく実行することができる。
【0048】
つまり、この酸素センサ1は、外筒6を主体金具5に組み付けた状態であっても、主体金具5を介した熱伝導により充填部材52(ロー材)を加熱溶融することで、ロー付け接合作業を実行することができる。このため、酸素センサ1は、検出素子2と主体金具5との固定作業を経た上で、主体金具5と外筒6との接合作業を行う必要がない。
【0049】
また、酸素センサ1は、スリーブ53を棚部54に向けて押圧するコイルバネ9を備えており、ロー付け接合作業により溶融状態となった充填部材52に対して、コイルバネ9の弾性力による圧力が印加される。これにより、溶融状態の充填部材52が、検出素子2の外周表面と主体金具5の挿通孔50の内面との間に隙間無く隅々まで充填されることから、充填部材52と検出素子2の接合状態、および充填部材52と主体金具5との接合状態が強固となり、ひいては、検出素子2と主体金具5との接合状態が強固になる。
【0050】
よって、本実施例の酸素センサ1によれば、組立作業の煩雑さを軽減でき、作業時間の短縮を図ることができる。また、コイルバネ9による充填部材52(ロー材)への圧力印加により、検出素子2と主体金具5との接合状態を強固にすることができるため、主体金具に対する検出素子の固定強度が低下するのを防止できる。
【0051】
また、この酸素センサ1のセンサ製造方法は、主体金具5に対する検出素子2の固定構造が加締めによる固定構造ではなく、ロー付け接合による固定構造である。
つまり、このセンサ製造方法では、外筒6を主体金具5に組みつけた後に、主体金具5を介した熱伝導により充填部材52(ロー材)を加熱溶融することで、ロー付け接合作業を(第3工程)を実行している。このため、検出素子2と主体金具5との固定作業を経た上で、主体金具5と外筒6との固定作業を行う必要がない。
【0052】
また、このセンサ製造方法においては、ロー付け接合作業により溶融状態となった充填部材52(ロー材)が、コイルバネ9の弾性力による圧力がスリーブ53を介して印加されることにより、検出素子2の外周表面と主体金具5の挿通孔50の内面との間に隙間無く隅々まで充填される。このため、充填部材52と検出素子2の接合状態、および充填部材52と主体金具5との接合状態が強固となり、ひいては、検出素子2と主体金具5との接合状態が強固になる。
【0053】
よって、本実施例のセンサ製造方法によれば、センサの組立作業の煩雑さを軽減でき、作業時間の短縮を図ることができる。
また、本実施例のセンサ製造方法では、第3工程において、検出素子2と主体金具5とのロー付け接合作業を行うにあたり、主体金具5を介して充填部材52(ロー材)の近傍部分を加熱すると共に、外筒6の後端部分に冷却風を吹き付ける冷却作業を実施している。
【0054】
なお、上述したように、加熱されて溶融した充填部材52は、コイルバネ9の弾性力によりスリーブ53から押圧されるため、挿通孔50の内周面、検出素子2の外周面、支持部材51およびスリーブ53に囲まれる領域の隅々まで充填される。
【0055】
他方、外筒6の後端側の内部に配置されているシールユニット10およびセパレータ7などは、冷却風により冷却されることから、充填部材52よりも低い温度に維持されるため、高温になることでの変形や破損から保護される。
よって、本実施例のセンサ製造方法によれば、ロー付け作業を行うにあたり、酸素センサを構成する部材が高温により変形あるいは破損するのを防止することができ、酸素センサの品質低下を防ぐことができる。
【0056】
なお、第1実施例の酸素センサ1においては、シールユニット10が、特許請求の範囲に記載の絶縁部材に相当し、充填部材52がロー材に相当し、スリーブ53が後端側封止部材に相当し、コイルバネ9が押圧部材に相当する。
次に、第2実施例として、板型検出素子と金属ホルダを備える第2酸素センサ85について、説明する。
【0057】
第2酸素センサ85の全体構成を表す断面図を図2に示す。なお、以下の説明においては、第2酸素センサ85のうち、図2における下端側が上記各請求項でいう「ガスセンサの先端側」に相当し、同様に、第2酸素センサ85の図2における上端側が「ガスセンサの後端側」に相当する。
【0058】
図2に示すように、第2酸素センサ85は、板型検出素子96と、金属ホルダ93と,第2酸素センサ85の内部構造物とを収容すると共に、第2酸素センサ85を排気管等の取付部に固定する第2ケーシング87などを備えて構成されている。
【0059】
板型検出素子96は、ジルコニア(ZrO2 )を主成分とする固体電解質体により板型形状に形成されると共に、先端側(図中の下側)に排気ガス(測定対象物)にさらされる検出部99を有し、後端側(図中の上側)に排気ガス中の酸素濃度に応じた検出信号を出力するための検出部99を構成する一対の電極部と接続された一対の電極端子97を有して構成されている。また、板型検出素子96は、内部にヒータ(図示省略)を備えており、一対のヒータ端子98を通じて供給される電力よりヒータが発熱することで、固体電解質体を活性化温度に加熱・維持するよう構成されている。
【0060】
金属ホルダ93は、図3にも示すように、固定用ロー材135を収容可能な有底筒状に形成されると共に底面に板型検出素子96を挿通可能な中空部を有するホルダ本体部95と、板型検出素子96を挿通可能な中空部を有すると共にホルダ本体部95の開口面に当接可能なホルダ蓋部94と、を備えて構成されている。
【0061】
図3に、板型検出素子96が挿通された金属ホルダ93の分解斜視図および断面図を示す。
図3に示すように、金属ホルダ93は、ホルダ本体部95の底面の中空部に板型検出素子96が挿通され、内部に固定用ロー材135が配置される状態でホルダ蓋部94が配置された後、固定用ロー材135が加熱溶融されてロー付け作業が行われることで、板型検出素子96と一体に接合される。つまり、金属ホルダ93は、板型検出素子96を挿通可能な中空部を有する略環状に形成され、板型検出素子96の長手方向略中間位置において径方向周囲を取り囲む状態で板型検出素子96と一体に接合される。
【0062】
なお、板型検出素子96は、外面のうち固定用ロー材135との当接部分および充填部材52との当接部分のそれぞれに、固定用ロー材135および充填部材52と接合するための素子側ロー付け面43が形成されている。
図2に戻り、第2ケーシング87は、板型検出素子96と接合された金属ホルダ93を保持すると共に、板型検出素子96の先端側にある検出部99を排気管等の内部に突出させる主体金具5と、主体金具5の後端部(図2では上側の端部)に組み付けられ、板型検出素子96との間で基準ガス空間を形成する第2外筒89とから構成されている。
【0063】
主体金具5は、第1実施例と同様の構成であり、挿通孔50と棚部54とを有する略円筒型形状に形成されており、検出部99および電極端子97が挿通孔50の外部に露出する状態で板型検出素子96を保持可能に構成されている。
主体金具5にて板型検出素子96を保持するにあたり、挿通孔50の内部には、板型検出素子96と接合された金属ホルダ93を先端側(図中下側)から支持するセラミックス材料からなる第2支持部材90,第2支持部材90の後端側(図中上側)に充填される共晶ロー(BAg8:Ag−Cu系ロー材)からなる充填部材52,および充填部材52の後端側に配置されるセラミックス材料からなる第2スリーブ92が同軸状に配置される。
【0064】
すなわち、第2支持部材90は、略円筒状に形成され、主体金具5の挿通孔50の内周に形成される棚部54にリング55を介して係止されると共に、金属ホルダ93を先端側(図中下側)から支持する。そして、充填部材52は、第2支持部材90の後端側における主体金具5の挿通孔50の内周面と板型検出素子96の外周面との間に配設され、さらに、第2スリーブ92は、略円筒状に形成され、充填部材52の後端側に配設される。
【0065】
第2スリーブ92は、後述する第2コイルバネ136により先端側に付勢されており、充填部材52に対して圧力を印加している。このため、加熱により溶融状態となった充填部材52は、第2スリーブ92からの加圧により、挿通孔50の内周面と板型検出素子96の外周面との間の隅々まで充填される。そして、温度低下により凝固した充填部材52は、板型検出素子96および主体金具5(詳細には挿通孔50の内面)とそれぞれ強固に接合され、ひいては、板型検出素子96と主体金具5とが強固に接合される。なお、第2支持部材90および第2スリーブ92は、溶融状態の充填部材52が挿通孔50から外部に漏洩しないように、充填部材52を挿通孔50の内部に封止可能な形状に構成されている。
【0066】
また、第2酸素センサ85は、主体金具5の後端部を覆う略円筒状の第2外筒89を備えており、第2外筒89は、主体金具5との間にコンタクト部材130などを収容する内部空間を形成している。第2外筒89は、その軸方向略中央部を境界として後端側の径方向寸法が先端側よりも縮径して形成されており、この径方向寸法の変更部分の内壁には、先端側に対向する段差部61が形成されている。なお、段差部61は、後述する第2コイルバネ136の一端を係止可能に形成されている。
【0067】
第2外筒89の上端開口部63には、板型検出素子96の電極端子97に接続される一対のリード線21と、ヒータ端子98に接続される一対のリード線22とを夫々外部から第2外筒89(第2酸素センサ85)の内部に導入する略円柱状のフッ素ゴムからなるグロメット120が備えられている。グロメット120は、リード線21,22などを挿通した状態で第2外筒89の先端側の開口部から上端開口部63の内側に配置されたあと、第2外筒89と共に径方向内側に加締められることにより、第2外筒89に固定される。
【0068】
また、第2外筒89の内部に組み付けられたグロメット120の先端側には、リード線21,22と電気的に接続された4本のリードフレーム131を、板型検出素子96の電極端子97,ヒータ端子98に接続させるためのコンタクト部材130が配置されている。コンタクト部材130は、各リードフレーム131が電極端子97ないしヒータ端子98に接触する状態の板型検出素子96を、一対の絶縁性ハウジング132で挟持するよう構成されている。また、コンタクト部材130は、リードフレーム131と第2外筒89とを電気的に絶縁している。
【0069】
そして、主体金具5と第2外筒89との間には、先端側(主体金具側)の径寸法が小さく、後端側(第2外筒側)の径寸法が大きくなるようテーパ状に形成された第2コイルバネ136(押圧部材)が介装されており、第2コイルバネ136は、主体金具5の挿通孔50に配置される第2スリーブ92を棚部54に向けて押圧している。第2コイルバネ136は、一端が、第2スリーブ92に直接接触し、他端が、第2外筒89の段差部61に直接接触している。なお、第2コイルバネ136は、板型検出素子96の外面、コンタクト部材130と接することがないように、寸法が適宜調整されている。
【0070】
第2外筒89は、その下端開口端部が径方向内側に加締められることにより主体金具5に対して装着されている。また、主体金具5の下端側外周には、板型検出素子96の突出部分(検出部99)を覆うと共に、測定対象ガスを導入するための複数の孔部を有する金属製の二重のプロテクタ81,82が溶接によって取り付けられている。
【0071】
次に、本実施例の第2酸素センサ85の製造方法について説明する。
第2酸素センサ85の製造方法は、第1実施例の酸素センサ1と同様に、板型検出素子96および金属ホルダ93を挿入配置するための第1工程と、第2外筒89を主体金具5の後端側に固定するための第2工程と、板型検出素子96および金属ホルダ93と主体金具5とをロー付け接合する第3工程と、を有している。
【0072】
第1工程では、主体金具5の挿通孔50の内面と、板型検出素子96およびこの板型検出素子96とロー付け接合された金属ホルダ93の外周面との間に、リング55、第2支持部材90、充填部材52、第2スリーブ92を配置しつつ、金属ホルダ93が第2支持部材90、リング55を介して棚部54に支持されるように、主体金具5の挿通孔50に板型検出素子96を配置させる。
【0073】
次に、第2工程では、まず、コンタクト部材130を用いて板型検出素子96の電極端子97、ヒータ端子98にリードフレーム131を接続し、第2外筒89の段差部61の内面と第2スリーブ92との間に第2コイルバネ136を配置するように、グロメット120およびコンタクト部材130が内挿された第2外筒89を主体金具5の後端側に取り付ける。続いて、第2外筒89と主体金具5とを加締め固定するための先端側加締め作業と、第2外筒89とグロメット120とを加締め固定するための後端側加締め作業とを実行する。先端側加締め作業は、第2外筒89の先端部分を径方向内側に向けて加締めることで行われ、この結果、第2外筒89が主体金具5に固定される。また、後端側加締め作業は、第2外筒89の後端部分を径方向内側に向けて加締めることで行われ、この結果、グロメット120が第2外筒89に固定される。
【0074】
続いて、第3工程では、第1工程および第2工程を経て各部材が組みつけられた後、主体金具5と板型検出素子96をロー付け接合するためのロー付け作業を行う。ロー付け作業は、主体金具5に対して熱を加えて、主体金具5を介した熱伝導により充填部材52を800[℃]程度まで加熱すると共に、第2外筒89の後端部分に冷却風を当てることで行われる。加熱されて溶融した充填部材52は、第2コイルバネ136の弾性力により第2スリーブ92から押圧されるため、金具側ロー付け面32、素子側ロー付け面43、第2支持部材90および第2スリーブ92に囲まれる領域の隅々まで充填される。他方、第2外筒89の後端側の内部に配置されるグロメット120などは、冷却風により冷却されることから、充填部材52よりも低い温度に維持されるため、高温による破損から保護される。なお、ロー付け作業時には、板型検出素子96の内部に配置されたヒータ(図示省略)に対してヒータ端子98を通じて電力供給を行い、そのヒータを発熱させることで、充填部材52のうち、板型検出素子96の近傍の温度を主体金具5の近傍部分の温度よりも5[℃]以上高温となるように制御している。
【0075】
充填部材52に対する加熱作業が終了した後、所定の冷却期間にわたり冷却された充填部材52が凝固すると、金属ホルダ93にロー付け接合された板型検出素子96と主体金具5とが充填部材52によりロー付け接合される。
以上に説明したように、第2実施例の第2酸素センサ85は、第1実施例の酸素センサ1と同様に、主体金具5に対して板型検出素子96を固定するにあたり、ロー付け接合による固定構造を採用しており、板型検出素子96と主体金具5との固定作業を経た上で、主体金具5と第2外筒89との固定作業を実行する必要がない。
【0076】
さらに、第2酸素センサ85は、酸素センサ1と同様に、第2スリーブ92を棚部54に向けて押圧する第2コイルバネ136を備えており、溶融状態の充填部材52が板型検出素子96の外周表面と主体金具5の挿通孔50の内面との間に隙間無く隅々まで充填されることから、板型検出素子96と主体金具5との接合状態が強固になる。
【0077】
よって、第2実施例の第2酸素センサ85によれば、第1実施例の酸素センサ1と同様に、組立作業の煩雑さを軽減でき、作業時間の短縮を図ることができると共に、主体金具に対する検出素子の固定強度が低下するのを防止できる。
このことから、本発明および本発明方法は、検出素子として、第1実施例に示すような固体電解質体により先端が閉じた中空長軸状に形成されたものに限らず、板型検出素子96に金属ホルダ93が取り付けられて形成されたものを採用することができる。
【0078】
なお、第2実施例の第2酸素センサ85においては、グロメット120が、特許請求の範囲に記載の絶縁部材に相当し、充填部材52がロー材に相当し、第2スリーブ92が後端側封止部材に相当し、第2コイルバネ136が押圧部材に相当する。
【0079】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
例えば、充填部材として用いるロー材は、BAg8に限ることはなく、BAg9(Ag−Cu−Ni系ロー材)やパラジウム系ロー材(Pdロー)など、ロー付け後の強度が低下し難く、ロー付け後の耐熱温度が500〜600[℃]程度となる特性を有する共晶ロー材を用いることができる。
【0080】
さらに、ロー材(充填部材)に対して圧力を印加するための弾性部材は、コイルバネに限ることはなく、ロー付け作業時に溶融状態となったロー材に対して圧力を印加できる弾性部材であれば、板バネなど他の弾性部材を用いてもよい。
また、外筒と主体金具との接合は、加締めによる接合に限ることはなく、ロー付け接合やレーザー溶接、圧入など他の接合方法を用いてもよい。主体金具と外筒とをロー付け接合する場合には、1回の加熱作業により、検出素子と主体金具とのロー付け接合作業と、主体金具と外筒とのロー付け接合作業とを同時に実行できるため、さらに作業の簡略化を図ることができる。
【0081】
さらに、センサは、酸素検出を行う酸素センサに限ることはなく、温度に応じた検出信号を出力する温度検出素子を備えて構成された温度を検出するセンサに対して本発明を適用することも可能である。
また、金属ホルダは、図3に示す金属ホルダ93のような複数の部材で構成されるものに限ることはなく、図4に斜視図として示す金属ホルダ138のような単一の部材で構成されるものでも良い。金属ホルダ138は、板型検出素子96を挿通可能な中空部を有する略環状に形成され、板型検出素子96の径方向周囲を取り囲む状態で、ロー材139を用いたロー付け接合により板型検出素子96と一体に接合されて、検出素子を構成する。なお、金属ホルダと板型検出素子との接合は、ロー付け接合に限ることはなく、例えば、ガラス封着による接合など、他の接合方法を用いることもできる。
【0082】
さらに、コイルバネ9、第2コイルバネ136は、外筒6の段差部61とスリーブ53との間、または第2外筒89の段差部61と第2スリーブ92との間に配置されるものであった。しかし、外筒6または第2外筒89に段差部61を設けずに、外筒6または第2外筒89に自身の内面から径方向内側に突出する内側凸部を形成し、この内側凸部とスリーブ53(第2スリーブ92)との間にコイルバネ9(第2コイルバネ136)を配置させるようにしてもよい。なお、この内側凸部としては、例えば、外筒6(第2外筒89)の軸方向中間部分に周方向に均等に複数箇所(例えば、4箇所など)、径方向内側に凸部頂面が四角形状となって内面から突出する凸部として形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 酸素センサの全体構成を表す断面図である。
【図2】 第2酸素センサの全体構成を表す断面図である。
【図3】 第2検出素子の分解斜視図、および板型検出素子が挿通された金属ホルダの断面図である。
【図4】 単一の部材で構成される金属ホルダの斜視図である。
【図5】 従来型ガスセンサの全体構成を表す断面図である。
【図6】 図1に示す酸素センサに備えられる検出素子の外観を表す斜視図である。
【符号の説明】
1…酸素センサ、2…検出素子、5…主体金具、6…外筒、7…セパレータ、9…コイルバネ、10…シールユニット、26…鍔部、50…挿通孔、51…支持部材、52…充填部材、53…スリーブ、54…棚部、61…段差部、85…第2酸素センサ、89…第2外筒、90…第2支持部材、92…第2スリーブ、93…金属ホルダ、96…板型検出素子、120…グロメット、136…第2コイルバネ、138…金属ホルダ。
Claims (4)
- 先端側に測定対象物にさらされる検出部を有する長尺形状に形成されると共に、前記検出部よりも後端側に位置する外周側面から径方向外向きに突出する鍔部を有する検出素子と、
前記検出素子を挿通可能な挿通孔を有すると共に、前記挿通孔の内面から径方向内向きに突出する前記検出素子の前記鍔部を支持するための棚部を有する筒型形状に形成され、自身の先端から前記検出部の少なくとも一部が突出する状態で前記検出素子を保持する主体金具と、
前記検出素子を保持した前記主体金具の後端側に組み付けられると共に、外径が異なる先端側部と後端側部とを繋ぐ段差部または内面から径方向内向きに突出する内側凸部を有する外筒と、
前記外筒の後端部に内挿され、外部から前記外筒の内側にリード線を導入し、前記リード線と電気的に接続された端子部を前記検出素子に導通させた状態で保持すると共に、前記端子部と前記外筒とを電気的に絶縁する絶縁部材と、
を備えるセンサであって、
前記検出素子の外周表面と前記挿通孔の内面との間のうち、前記鍔部よりも後端側に配置されて、前記検出素子と前記主体金具とを接合するロー材と、
前記検出素子の外周表面と前記挿通孔の内面との間のうち前記ロー材の後端側に配置されて、前記ロー材を前記挿通孔の内部に封止する後端側封止部材と、
前記外筒の前記段差部または前記内側凸部と前記後端側封止部材の後端面との間に配置されて、前記後端側封止部材を前記棚部に向けて押圧する弾性材料からなる押圧部材と、
を備えることを特徴とするセンサ。 - 前記検出素子は、
先端側に測定対象物にさらされる検出部を有し、後端側に前記測定対象物の物理量に応じた検出信号を出力する電極端子を有する長板形状に形成された板型検出素子と、
前記板型検出素子を挿通可能な中空部を有する筒状に形成され、前記板型検出素子の径方向周囲を取り囲む状態で前記板型検出素子と一体に接合される金属ホルダと、を備えて構成され、
前記金属ホルダが前記鍔部として備えられること、
を特徴とする請求項1に記載のセンサ。 - 先端側に測定対象物にさらされる検出部を有する長尺形状に形成されると共に、前記検出部よりも後端側に位置する外周側面から径方向外向きに突出する鍔部を有する検出素子と、
前記検出素子を挿通可能な挿通孔を有すると共に、前記挿通孔の内面から径方向内向きに突出する前記検出素子の前記鍔部を支持するための棚部を有する筒型形状に形成され、自身の先端から前記検出部の少なくとも一部が突出する状態で前記検出素子を保持する主体金具と、
前記検出素子を保持した前記主体金具の後端側に組み付けられると共に、外径が異なる先端側部と後端側部とを繋ぐ段差部または内面から径方向内向きに突出する内側凸部を有する外筒と、
前記外筒の後端部に内挿され、外部から前記外筒の内側にリード線を導入し、前記リード線と電気的に接続された端子部を前記検出素子に導通させた状態で保持すると共に、前記端子部と前記外筒とを電気的に絶縁する絶縁部材と、
前記検出素子の外周表面と前記挿通孔の内面との間のうち、前記鍔部よりも後端側に配置されて、前記検出素子と前記主体金具とを接合するロー材と、
前記検出素子の外周表面と前記挿通孔の内面との間のうち前記ロー材の後端側に配置されて、前記ロー材を前記挿通孔の内部に封止する後端側封止部材と、
前記外筒の前記段差部または前記内側凸部と前記後端側封止部材の後端面との間に配置されて、前記後端側封止部材を前記棚部に向けて押圧する弾性材料からなる押圧部材と、
を備えるセンサを製造するためのセンサ製造方法であって、
前記鍔部が前記棚部に支持されるように前記主体金具の前記挿通孔に前記検出素子を挿入し、前記挿通孔の内面と前記検出素子の外周面との間に、前記ロー材、前記後端側封止部材を配置する第1工程と、
前記検出素子に前記端子部を接続し、前記外筒の前記段差部または前記内側凸部と前記後端側封止部材の後端面との間に前記押圧部材を配置するように、前記絶縁部材が内挿された前記外筒を前記主体金具の後端側に固定する第2工程と、前記ロー材を加熱溶融して前記検出素子と前記主体金具とをロー付け接合する第3工程と、
を有することを特徴とするセンサ製造方法。 - 前記請求項3に記載のセンサ製造方法であって、
前記第3工程において、前記検出素子と前記主体金具とのロー付け接合作業を行うにあたり、前記ロー材の近傍部分を加熱し、前記ロー材以外の部分のうち少なくとも前記絶縁部材を含む部分を冷却すること、
を特徴とするセンサ製造方法。
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