JP4634301B2 - ガスセンサ及びガスセンサの製造方法 - Google Patents
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Description
このうち、ガス検出素子911は、軸線C方向中央付近に周方向に形成され外側に突出する突出部913を有する。この突出部913は、その先端側に位置し先端側から基端側に
向けて拡がる第1テーパ状外周面913t1(先端面とも言う。)と、基端側に位置し基端側から先端側に向けて拡がる第2テーパ状外周面913t2(基端面とも言う。)と、これらの面を結ぶ同径な中央外周面913mとを有する。ガス検出素子911は、酸素イオン伝導性を有する固体電解質からなり、その内周面911nには内側電極915が被着形成され、外周面911mには外側電極917が被着形成されている。
先端部933は、比較的小径な内周面933nを有し、一方、外周には、このガスセンサ901を排ガス管に取り付けるための取付ねじ部933gが周方向に形成されている。また、先端部933の先端側には、ガス検出素子911の先端部を保護するための保護キャップ951が装着されている。保護キャップ951は、有底筒状をなし、排気管内の排気ガスをガスセンサ901の内部に導入するための通気孔951kが多数形成されている。一方、先端部933の基端側には、ガスケット953が取り付けられている。
基端部937は、中央部935の中央内周面935nに繋がり、中央内周面935nより径大な内周面937nを有する。
さらに、その基端側においては、ガス検出素子911の基端側の外周面911mと主体金具931の内周面931n(基端部937の内周面937n)とによって構成された環状の空隙に、粉体が充填され、充填封止層961が形成されている。
なお、このような技術に関連する文献として、例えば、特許文献1が挙げられる。
また、第1線パッキン959が緩むことにより、充填封止層961を形成する粉体が、ガス検出素子911の外周面911mと主体金具931の内周面931nとの隙間を通って先端側にもれる恐れもある。
しかしながら、このようなものは、粉体を充填してから主体金具931をかしめるまでの間に、本来なら第1線パッキン959で堰き止められているはずの粉体が、ガス検出素子911の外周面911mと主体金具931の内周面931nとの隙間を通って板パッキン959のある部分まで達し、板パッキン959とガス検出素子911の間や板パッキン959と主体金具931の間に入り込んで、上記のように、板パッキン957とガス検出素子911及び主体金具931との電気的接触が不良となる恐れがある。
パッキンと、を備え、前記第1パッキンは、前記被保持部材の基端側保持面と前記主体金具の内周面とが鋭角をなす間隙に、断面くさび型形状をなして配設され、前記被保持部材の基端側保持面及び前記主体金具の内周面にそれぞれ圧接してなり、上記主体金具の内周面は、上記第1パッキンの基端側に、基端側に向かって拡がるテーパ面を有し、前記第1パッキンの基端側であって、前記被保持部材の外周面と上記テーパ面を含む前記主体金具の内周面とによって構成された空隙に、粉体が充填されてなる充填封止層を有し、前記被保持部材は、前記先端側保持面と前記基端保持面とを含み径方向外側に突出する突出部を有し、軸線方向先端側が閉じた有底筒状をなすガス検出素子であることを特徴とするガスセンサである。
しかし、本発明では、第1パッキンが、被保持部材(ガス検出素子または素子ホルダ)の基端側保持面と主体金具の内周面とがなす鋭角な間隙に、断面くさび型形状をなして配設され、被保持部材の基端側保持面及び主体金具の内周面にそれぞれ圧接している。このため、ガスセンサの長期間の使用により、かしめゆるみ等が起きても、粉体が、ガス検出素子の突出部の外周面と主体金具の内周面との隙間、または、素子ホルダの外周面と主体金具の内周面との隙間から先端側にもれることを抑制することができる。
加えて、本発明によれば、被保持部材は、有底筒状をなすガス検出素子自身である。このガス検出素子は、先端側保持面と基端保持面とを含み径方向外側に突出する突出部を有するため、第1パッキンは、ガス検出素子の突出部の基端側保持面に圧接すると共に、主体金具の内周面にも圧接する。このようなものでは、第1パッキンに外部からの応力が働かなくても、この第1パッキンによってガス検出素子を主体金具に固定できる。このため、ガスセンサを長期間使用してかしめゆるみ等が起きても、従来に比して第1パッキンが緩みにくいので、ガス検出素子の位置ずれをより確実に抑制できる。
また、主体金具が被保持部材を自身の内側に保持するとは、主体金具の内側に、被保持部材の全体を保持することも、被保持部材の一部を保持することも含まれる。
また、第1パッキンは、必ずしも上記間隙に配置されるパッキン全周にわたってその断面がくさび型形状である必要はなく、少なくとも一部が断面くさび型形状であればよい。また、第1パッキンは、その断面の全体がくさび型形状である必要はなく、少なくとも先端側がくさび型形状であればよい。
さらに、本発明によれば、ガス検出素子の外周面と主体金具の内周面とによって構成された空隙には、粉体が充填されてなる充填封止層を有する。従って、ガス検出素子と主体金具との間のシール性能をより向上させることができる。
従来では、ガスセンサの長期間の使用により、かしめゆるみ等が起きることで、粉体がガス検出素子の突出部の外周面と主体金具の内周面との隙間を通って板パッキンまで達し、板パッキンとガス検出素子、または、板パッキンと主体金具との間に入り込んで、これらの接触が不良となり、これらの電気的接続が不良となる恐れがあった。
しかし、本発明では、第1パッキンが、ガス検出素子の突出部の基端面と主体金具の内周面とがなす鋭角な間隙に、断面くさび型形状をなして配設され、突出部の基端面及び主体金具の内周面にそれぞれ圧接している。このため、ガスセンサの長期間の使用により、かしめゆるみ等が起きても、粉体がガス検出素子の突出部の外周面と主体金具の内周面との隙間を通って第2パッキンまで達することを抑制し、第2パッキンとガス検出素子、または、第2パッキンと主体金具との間に入り込んで、これらの接触が不良となることを抑制することができる。
かなくても、この第1パッキンによってガス検出素子を主体金具に固定できる。このため、ガスセンサを長期間使用してかしめゆるみ等が起きても、従来に比して第1パッキンが緩みにくいので、ガス検出素子の位置ずれを抑制し、第2パッキンと、ガス検出素子の突出部の先端面にある外側電極及び主体金具の段付部の支持面との接触不良を抑制できる。よって、ガス検出素子の外側電極と主体金具との電気的接続の信頼性を向上させることができる。
さらに、本発明によれば、ガス検出素子の外周面と主体金具の内周面とによって構成された空隙には、粉体が充填されてなる充填封止層を有する。従って、ガス検出素子と主体金具との間のシール性能をより向上させることができる。
従来では、ガスセンサの長期間の使用により、かしめゆるみ等が起きることで、粉体がガス検出素子の突出部の外周面と主体金具の内周面との隙間を通って板パッキンまで達し、板パッキンとガス検出素子、または、板パッキンと主体金具との間に入り込んで、これらの接触が不良となり、これらの電気的接続が不良となる恐れがあった。
しかし、本発明では、第1パッキンが、ガス検出素子の突出部の基端面と主体金具の内周面とがなす鋭角な間隙に、断面くさび型形状をなして配設され、突出部の基端面及び主体金具の内周面にそれぞれ圧接している。このため、ガスセンサの長期間の使用により、かしめゆるみ等が起きても、粉体がガス検出素子の突出部の外周面と主体金具の内周面との隙間を通って第2パッキンまで達することを抑制し、第2パッキンとガス検出素子、または、第2パッキンと主体金具との間に入り込んで、これらの接触が不良となることを抑制することができる。
そしてその後、線パッキンを挿入する(線パッキン挿入工程)。その後、この線パッキンを軸線方向に押圧し、線パッキンを塑性変形させて、突出部の基端面と主体金具の内周面とがなす鋭角な間隙に、断面くさび型形状をなして配設すると共に、突出部の基端面及び主体金具の内周面にそれぞれ圧接させる(第1パッキン形成工程)。このようにすれば、塑性変形してできた第1パッキンは、ガス検出素子の突出部の基端面に強く圧接すると共に、主体金具の内周面にも強く圧接する。従って、第1パッキンに外部からの応力が働かなくても、この第1パッキンによってガス検出素子を主体金具に固定できる。このため、ガスセンサを長期間使用してかしめゆるみ等が起きても、従来に比して第1パッキンが緩みにくいので、ガス検出素子の位置ずれを抑制し、ガス検出素子の突出部の先端面にある外側電極と主体金具の段付部の支持面との接触不良を抑制できる。よって、ガス検出素子の外側電極と主体金具との電気的接続の信頼性を向上させることができる。加えて、線パッキンを利用し、これを塑性変形させて、上記のような第1パッキンを形成しているので、安価にかつ容易にガスセンサを製造することができる。
111,311,411 ガス検出素子
111n,311n (ガス検出素子の)内周面
111m,311m (ガス検出素子の)外周面
113,313 (ガス検出素子の)突出部
115,315 内側電極
117,317 外側電極
131,331,431 主体金具
131n,331n,431n (主体金具の)内周面
135b,335b,435b (主体金具の)段付部
157,357,457 板パッキン(第2パッキン)
159,359,459 第1パッキン
165,365,465 線パッキン
161,361,461 充填封止層
421 素子ホルダ
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態のガスセンサ101の断面図を図1に、第1パッキン159及び板パッキン(第2パッキン)157付近の部分拡大断面図を図2に示す。さらに、第1パッキン159付近の要部の部分拡大断面図を図3に示す。このガスセンサ101は、内燃機関の排ガス管に取り付けて、排気ガス中の酸素濃度を測定する酸素センサである。ガスセンサ101は、軸線C方向先端側(図中下側)が閉じた有底筒状のガス検出素子(被保持部材)111と、このガス検出素子111を内側に同軸状に保持する筒状の主体金具131とを備える。
先端部133は、比較的小径(直径約6.5mm)な内周面133nを有し、一方、外周には、このガスセンサ101を排ガス管に取り付けるための取付ねじ部133gが周方向に形成されている。また、先端部133の先端側には、ガス検出素子111の先端部を保護するための保護キャップ151が装着されている。保護キャップ151は、ステンレス鋼からできており、有底筒状をなし、排気管内の排気ガスをガスセンサ101の内部に導入するための通気孔151kを多数有する。一方、先端部133の基端側には、ステンレス鋼からなるガスケット153が取り付けられている。
基端部137は、中央部135の第2テーパ状内周面135t2に繋がり、上記中央内主面135nより径大(直径約12.5mm)な内周面137nを有する。
からなるC状の第1パッキン159が配置されている。即ち、第1パッキン159は、突出部113の第2テーパ状外周面113t2と主体金具131の中央内周面135nとがなす鋭角な間隙120に、断面くさび型形状をなして配設され、突出部113の第2テーパ状外周面113t2と主体金具131の中央内周面135nにそれぞれ圧接している。より具体的には、間隙120(図3参照)のうち、先端側の部分は、突出部113の第2テーパ状外周面113t2の先端側が第1曲面113t21となっているため、突出部113の第2テーパ状外周面113t2と主体金具131の中央内周面135nのなす角が先端側ほど小さくなる形態となっている。そして、第1パッキン159は、この角度が小さくなる部分にまで配設されている。なお、第1パッキン159は、本来直径約0.6mmの線パッキンであったが、軸線方向先端側に押圧することにより塑性変形され、上記のようにくさび型形状をなしている。
層161が形成されている。
さらに、間隙120の先端側部分では、第2テーパ状外周面113t2と内周面131nとのなす角が先端側ほど小さくなる形態(図3の第1曲面113t21)とされ、この部分にまで第1パッキン159が配設されているので、第1パッキン159の先端側ほどくさびの効果が大きくなり、ガス検出素子111と主体金具131とをより強固に固定できる。
その上、上記のような第1パッキン159により、ガスセンサ101の長期間の使用でかしめゆるみ等が起きても、粉体がガス検出素子111の突出部113の外周面(中央外周面113m)と主体金具131の内周面(中央内周面135n)との隙間を通って板パッキン157まで達することを抑制し、板パッキン157とガス検出素子111、または、板パッキン157と主体金具131との間に入り込んで、これらの接触が不良となることを抑制することができる。
まず、公知の方法により所定形状に成型した主体金具131を用意する。また一方で、公知の手法により固体電解質体に内側電極115と外側電極117を被着させ焼成したガス検出素子111を用意する。
そして、主体金具131に厚さ約0.3mmの板パッキン157を挿入し、板パッキン157を中央部135の段付部135bの第1テーパ状内周面135t1上に配置する(第2パッキン挿入工程)。
その後、板パッキン157とガス検出素子111とを約3kNの力で軸線方向に押圧することにより、板パッキン157を中央部135の段付部135bの第1テーパ状内周面135t1にならわせ密着させる(第2パッキン押圧工程)。
次に、ガス検出素子111が内挿された主体金具131に、第1パッキン159となる線パッキン159を挿入し、線パッキン159をガス検出素子111の突出部113の基端側であって、ガス検出素子111の外周面111mと主体金具131の内周面131nとの間(間隙120)に配置する(線パッキン挿入工程)(図5参照)。
その後、上記空隙に、包囲体171の先端部173を挿入し、軸線方向に押圧する。その後、線パッキン165を挿入し、包囲体171の先端部173のテーパ状外周面173m上に配置する。そして、主体金具131の基端部137の基端を内側に折り曲げ軸線方向に圧縮してかしめる。
次に、ガス検出素子111内に素子側端子181を挿入し、ガス検出素子111の内側電極115と接触させる。またこれと共に、包囲体171の内側に包囲体側端子183を挿入し固定する。その後は、主体金具131の先端に保護キャップ151を装着し、また、主体金具131の先端部133の基端側にガスケット153を取り付ける。
このようにしてガスセンサ101が完成する。
次いで、第2の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態1と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。
本実施形態に係るガスセンサの要部の部分拡大断面図を図6に示す。このガスセンサでは、板パッキン(第2パッキン)をなくしている点が、上記実施形態1と異なる。それ以外の部分は、上記実施形態1と同様であるので、同一の符号を付してその説明を省略する。
このようなものでも、第1パッキン159は、ガス検出素子111の突出部113の第2テーパ状外周面(基端面(基端側保持面))113t2に強く圧接すると共に、主体金具131の内周面131n(中央内周面135n)にも強く圧接する。従って、第1パッキン159に外部からの応力が働かなくても、この第1パッキン159によってガス検出素子(被保持部材)111を主体金具131に固定できる。このため、ガスセンサ101を長期間使用してかしめゆるみ等が起きても、従来に比して第1パッキン159が緩みにくいので、ガス検出素子111の位置ずれを抑制し、板パッキン157と、ガス検出素子111の突出部113の第1テーパ状外周面(先端面)113t1にある外側電極117、及び、主体金具131の第1段付部135bの第1テーパ状内周面(支持面)135t1との接触不良を抑制できる。よって、ガス検出素子111の外側電極117と主体金具131との電気的接続の信頼性を向上させることができる。
その他、上記実施形態1と同様な部分は同様な効果を奏する。
次いで、第3の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態1または2と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。
本実施形態に係るガスセンサ301の断面図を図7に、第1パッキン359及び板パッキン(第2パッキン)357付近の部分拡大断面図を図8に示す。さらに、第1パッキン359付近の要部の部分拡大断面図を図9に示す。このガスセンサ301も、内燃機関の排ガス管に取り付けて、排気ガス中の酸素濃度を測定する酸素センサである。ガスセンサ301は、軸線C方向先端側(図中下側)が閉じた有底筒状のガス検出素子(被保持部材)311と、このガス検出素子311を内側に同軸状に保持する筒状の主体金具331とを備える。
先端部333は、比較的小径な内周面333nを有する。この先端部333及び後述する中央部335の外側には、このガスセンサ301を排ガス管に取り付けるための取付ねじ部333gが周方向に形成されている。また、先端部333の先端側には、ガス検出素子311の先端部を保護するための保護キャップ351が装着されている。保護キャップ351は、ステンレス鋼からできており、有底筒状をなし、排気管内の排気ガスをガスセン
サ301の内部に導入するための通気孔351kを多数有する。
基端部337は、中央部335の第2テーパ状内周面335t2に繋がり、上記中央内周面335nより径大な内周面337nを有する。基端部337の先端部分の外側は、このガスセンサ301を排ガス管に取り付ける際に利用される六角フランジ部(工具係合部)337rとされている。
からなるC状の第1パッキン359が配置されている。即ち、第1パッキン359は、突出部313の第2テーパ状外周面313t2と主体金具331の中央内周面335nとがなす鋭角な間隙320に、断面くさび型形状をなして配設され、突出部313の第2テーパ状外周面313t2と主体金具331の中央内周面335nにそれぞれ圧接している。より具体的には、間隙320(図9参照)の先端部分は、突出部313の第2テーパ状外周面313t2の先端側が第1曲面313t21となっているため、第2テーパ状外周面313t2と中央内周面335nとのなす角が先端側ほど小さくなる形態となっている。そして、第1パッキン359は、この角度が小さくなる部分にまで配設されている。なお、第1パッキン359は、線パッキンを軸線方向先端側に押圧することにより、塑性変形されてくさび型形状をなしている。
また、セパレータ381の先端側の周囲には、金属外筒375を付勢し、金属外筒375の内側にセパレータ381を保持する付勢金具393が装着されている。
さらに、間隙320は先端側ほど、第2テーパ状外周面313t2と内周面331nとのなす角が小さくなる形態(図9の第1曲面313t21)とされ、この部分まで第1パッキン359が配設されているので、第1パッキン359の先端側ほどくさびの効果が大きくなり、ガス検出素子311と主体金具331とをより強固に固定できる。
その上、上記のような第1パッキン359により、ガスセンサ301の長期間の使用でかしめゆるみ等が起きても、粉体がガス検出素子311の突出部313の外周面(中央外周面313m)と主体金具331の内周面(中央内周面335n)との隙間を通って板パッキン357まで達することを抑制することができる。
まず、公知の方法により所定形状に成型した主体金具331を用意する。また一方で、公知の手法により固体電解質体に内側電極315と外側電極317等を被着させ焼成したガス検出素子311を用意する。
そして、主体金具331に板パッキン357を挿入し、板パッキン357を中央部335の段付部335bの第1テーパ状内周面335t1上に配置する(第2パッキン挿入工程)。
その後、板パッキン357とガス検出素子311とを約3kNの力で軸線方向に押圧することにより、板パッキン357を中央部335の段付部335bの第1テーパ状内周面335t1にならわせ密着させる(第2パッキン押圧工程)。
次に、ガス検出素子311が内挿された主体金具331に、第1パッキン359となる線パッキン359を挿入し、線パッキン359をガス検出素子311の突出部313の基端側であって、ガス検出素子311の外周面311mと主体金具331の内周面331nとの間(間隙320)に配置する(線パッキン挿入工程)。
その後、上記空隙に、インシュレータ371を挿入し、軸線方向に押圧する。その後、線パッキン365を挿入して、主体金具331の基端部337の基端を内側に折り曲げ軸線方向に圧縮してかしめる。また、主体金具331の先端に保護キャップ351を装着し、主体金具331にガスケット353を取り付ける。
次に、セパレータ381等を有する金属外筒375を、ガス検出素子311が組み込まれた主体金具331の所定位置に当接させる。その後、金属外筒375の先端側をかしめて金属外筒375と主体金具331を仮接続する。
次に、金属外筒375の基端側を縮径変形させて、金属外筒375内にセパレータ381等を固定する。また、金属外筒375のさらに基端側をかしめてグロメット377を固定する。その後、仮接続しておいた金属外筒375と主体金具331をレーザ溶接により固設する。
このようにしてガスセンサ301が完成する。
圧工程において、板パッキン(第2パッキン)357を軸線方向に押圧して、板パッキン357を主体金具331の段付部335bの第1テーパ状内周面(支持面)335t1に密着させている。このため、板パッキン357と主体金具331との係合が良好となる。また、第1パッキン形成工程において、線パッキン359を軸線方向に押圧し、これを塑性変形させて、線パッキン(第1パッキン)359を、ガス検出素子311の突出部313の第2テーパ状外周面313t2と主体金具331の中央部335の中央内周面335nとにそれぞれ強く圧接している。従って、第1パッキン359に外部からの応力が働かなくても、この第1パッキン359によってガス検出素子(被保持部材)311を主体金具331に固定できる。このため、ガスセンサ301を長期間使用してかしめゆるみ等が起きても、従来に比して第1パッキン359が緩みにくいので、ガス検出素子311の位置ずれを抑制することができる。加えて、線パッキン359を利用し、これを塑性変形させて、上記のような第1パッキン359を形成しているので、安価にかつ容易にガスセンサ301を製造することができる。
次いで、参考形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態1〜3と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。
本参考形態に係るガスセンサ401の断面図を図10に、第1パッキン459及び板パッキン(第2パッキン)457付近の部分拡大断面図を図11に示す。さらに、第1パッキン459付近の要部の部分拡大断面図を図12に示す。このガスセンサ401も、内燃機関の排ガス管に取り付けて、排気ガス中の酸素濃度を測定する酸素センサである。ガスセンサ401は、軸線C方向に延びる棒状のガス検出素子411と、このガス検出素子411が開口内に挿通された筒状の素子ホルダ(被保持部材)421と、この素子ホルダ421を内側に保持する筒状の主体金具431とを備える。
先端部433は、比較的小径な内周面433nを有する。先端部433の先端側には、ガ
ス検出素子411の先端部を保護するための二重構造をなす保護キャップ451が装着されている。保護キャップ451は、ステンレス鋼からできており、有底筒状をなし、排気管内の排気ガスをガスセンサ401の内部に導入するための通気孔451kを多数有する。
基端部437は、中央部435の内周面435nに繋がる内周面437nを有する。基端部437の先端側の外周には、ステンレス鋼からなるガスケット453が取り付けられている。また、基端部437のうちガスケット453の基端側は、このガスセンサ401を排ガス管に取り付ける際に利用される六角フランジ部(工具係合部)437rとされている。
が配置されている。即ち、第1パッキン459は、素子ホルダ421の第2テーパ状外周面421t1と主体金具431の中央内周面435nとがなす鋭角な間隙420(図12参照)に、断面くさび型形状をなして配設され、素子ホルダ421の第2テーパ状外周面421t2と主体金具431の中央内周面435nにそれぞれ強く圧接している。より具体的には、間隙420の先端側部分は、第2テーパ状外周面421t2の先端側が第1曲面421t21となっているため、第2テーパ状外周面421t2と中央内周面435nとのなす角が先端側ほど小さくなる形態となっている。そして、第1パッキン459は、この角度が小さくなる部分にまで配設されている。なお、第1パッキン459は、線パッキンを軸線方向先端側に押圧することにより、塑性変形されてくさび型形状をなしている。
生じる充填封止層461の弾性力(応力)により、素子ホルダ421の外周面421mと主体金具431の内周面431nとの間のシール性が確保されている。
グロメット477の先端側には、絶縁性のアルミナセラミックからなるセパレータ481が設けられている。セパレータ481には、センサ出力リード線483,484と電気的に接続するセンサ端子金具487,488、及び、ヒータリード線485,486と電気的に接続するヒータ端子金具491,492が、それぞれ互いに絶縁されつつ保持されている。さらに、セパレータ481の内側には、ガス検出素子411の基端部412が挿入され、基端部412に形成された電極端子413,414と、センサ端子金具487,488及びヒータ端子金具491,492とがそれぞれ電気的に接続した状態で保持されている。
さらに、間隙420の先端側は、第2テーパ状外周面421t2と中央内周面435nとのなす角が先端側ほど小さくなる形態(図12の第1曲面421t21)とされ、この部分まで第1パッキン459が配設されているので、第1パッキン459の先端側ほどくさびの効果が大きくなり、素子ホルダ421と主体金具431とをより強固に固定できる。
その上、上記のような第1パッキン459により、ガスセンサ401の長期間の使用でかしめゆるみ等が起きても、粉体が素子ホルダ421の外周面(外周面421m)と主体金具431の内周面(中央内周面435n)との隙間を通って板パッキン457まで達することを抑制することができる。
まず、公知の方法により所定形状に成型した主体金具431を用意する。また一方で、公知の手法により形成したガス検出素子411を用意する。
そして、主体金具431に板パッキン457を挿入し、板パッキン457を中央部435の段付部435bの第1テーパ状内周面435t1上に配置する(第2パッキン挿入工程)。
その後、板パッキン457と素子ホルダ421とを約3kNの力で軸線方向に押圧することにより、板パッキン457を中央部435の段付部435bの第1テーパ状内周面435t1にならわせ密着させる(第2パッキン押圧工程)。
次に、主体金具431に第1パッキン459となる線パッキン459を挿入し、線パッキン459を、素子ホルダ421の第2テーパ状外周面421t2と主体金具431の内周面431nとの間(間隙420)に配置する(線パッキン挿入工程)。
その後、上記空隙に、インシュレータ471を挿入し、軸線方向に押圧する。その後、線パッキン465を挿入して、主体金具431の基端部437の基端を内側に折り曲げ軸線方向に圧縮してかしめる。また、主体金具431の先端に保護キャップ451を装着し、主体金具431にガスケット453を取り付ける。
このようにしてガスセンサ401が完成する。
でもない。
例えば、上記実施形態では、線パッキン159,165等として、線状(C型)のものを使用しているが、環状のものを利用してもよい。環状の線パッキンは、シール性能を確実に向上させることができる利点がある。
また、上記実施形態1等では、第2パッキンとして、環状の板パッキン157等を用いているが、この代わりに、線状(C型)のパッキンなどを利用することもできる。
Claims (10)
- 先端側保持面、及び、この先端側保持面よりも基端側に位置する基端側保持面を有する被保持部材と、
筒状をなすと共に、内周面から径方向内側に突出する段付部を有し、前記被保持部材の先端側保持面を前記段付部の支持面で支持しつつ前記被保持部材の径方向外側を取り囲んで、前記被保持部材を自身の内側に保持する主体金具と、
前記被保持部材の基端側保持面及び前記主体金具の内周面にそれぞれ当接する金属製の第1パッキンと、
を備え、
前記第1パッキンは、前記被保持部材の基端側保持面と前記主体金具の内周面とが鋭角をなす間隙に、断面くさび型形状をなして配設され、前記被保持部材の基端側保持面及び前記主体金具の内周面にそれぞれ圧接してなり、
上記主体金具の内周面は、
上記第1パッキンの基端側に、基端側に向かって拡がるテーパ面を有し、
前記第1パッキンの基端側であって、前記被保持部材の外周面と上記テーパ面を含む前記主体金具の内周面とによって構成された空隙に、粉体が充填されてなる充填封止層を有し、
前記被保持部材は、前記先端側保持面と前記基端保持面とを含み径方向外側に突出する突出部を有し、軸線方向先端側が閉じた有底筒状をなすガス検出素子である
ことを特徴とするガスセンサ。 - 請求項1に記載のガスセンサであって、
前記第1パッキンは、前記被保持部材の基端側保持面と前記主体金具の内周面との前記間隙に挿入した線パッキンを軸線方向に押圧して塑性変形させることにより、断面くさび型形状としてなる
ことを特徴とするガスセンサ。 - 請求項1または請求項2に記載のガスセンサであって、
前記被保持部材の基端側保持面と前記主体金具の内周面とは、前記間隙をなす部分のうち、少なくとも先端側の部分において、前記基端側保持面と前記内周面とのなす角が先端側ほど小さくなる形態を有し、
前記第1パッキンは、前記間隙のうち、前記基端側保持面と前記内周面とのなす角が先端側ほど小さくなる部分にまで配設されてなる
ことを特徴とするガスセンサ。 - 軸線方向先端側が閉じた有底筒状をなすと共に、内周面に内側電極を有し、外周面に外側電極を有し、かつ、径方向外側に突出する突出部を有するガス検出素子と、
筒状をなすと共に、内周面から径方向内側に突出する段付部を有し、前記突出部の先端面を前記段付部の支持面で支持しつつ前記ガス検出素子の径方向外側を取り囲んで、前記ガス検出素子を自身の内側に保持する主体金具であって、前記段付部の支持面が前記突出部の先端面にある前記外側電極に当接して前記外側電極と電気的に接続する主体金具と、
前記突出部の基端面及び前記主体金具の内周面にそれぞれ当接する金属製の第1パッキンと、
を備え、
前記第1パッキンは、前記突出部の基端面と前記主体金具の内周面とが鋭角をなす間隙に、断面くさび型形状をなして配設され、前記突出部の基端面及び前記主体金具の内周面にそれぞれ圧接してなり、
上記主体金具の内周面は、
上記第1パッキンの基端側に、基端側に向かって拡がるテーパ面を有し、
前記ガス検出素子の前記突出部より基端側であって、前記ガス検出素子の外周面と上記テーパ面を含む前記主体金具の内周面とによって構成された空隙に、粉体が充填されてなる充填封止層を有する
ことを特徴とするガスセンサ。 - 軸線方向先端側が閉じた有底筒状をなすと共に、内周面に内側電極を有し、外周面に外側電極を有し、かつ、径方向外側に突出する突出部を有するガス検出素子と、
筒状をなすと共に、内周面から径方向内側に突出する段付部を有し、前記突出部の先端面を前記段付部の支持面で支持しつつ前記ガス検出素子の径方向外側を取り囲んで、前記ガス検出素子を自身の内側に保持する主体金具と、
前記突出部の基端面及び前記主体金具の内周面にそれぞれ当接する金属製の第1パッキンと、
前記突出部の先端面と前記段付部の支持面との間に配置され、前記突出部の先端面にある前記外側電極及び前記段付部の支持面にそれぞれ当接することで前記外側電極と前記主体金具とを電気的に接続する金属製の第2パッキンと、
を備え、
前記第1パッキンは、前記突出部の基端面と前記主体金具の内周面とが鋭角をなす間隙に、断面くさび型形状をなして配設され、前記突出部の基端面及び前記主体金具の内周面にそれぞれ圧接してなり、
上記主体金具の内周面は、
上記第1パッキンの基端側に、基端側に向かって拡がるテーパ面を有し、
前記ガス検出素子の前記突出部より基端側であって、前記ガス検出素子の外周面と上記テーパ面を含む前記主体金具の内周面とによって構成された空隙に、粉体が充填されてなる充填封止層を有する
ことを特徴とするガスセンサ。 - 請求項4または請求項5に記載のガスセンサであって、
前記第1パッキンは、前記突出部の基端面にある前記外側電極及び前記主体金具の内周面にそれぞれ当接して前記外側電極と前記主体金具とを電気的に接続することを特徴とするガスセンサ。 - 請求項4〜請求項6のいずれか一項に記載のガスセンサであって、
前記第1パッキンは、前記突出部の基端面と前記主体金具の内周面との前記間隙に挿入した線パッキンを軸線方向に押圧して塑性変形させることにより、断面くさび型形状としてなる
ことを特徴とするガスセンサ。 - 請求項4〜請求項7のいずれか一項に記載のガスセンサであって、
前記突出部の基端面と前記主体金具の内周面とは、前記間隙をなす部分のうち、少なくとも先端側の部分において、前記基端面と前記内周面とのなす角が先端側ほど小さくなる形態を有し、
前記第1パッキンは、前記間隙のうち、前記基端面と前記内周面とのなす角が先端側ほど小さくなる部分にまで配設されてなる
ことを特徴とするガスセンサ。 - 軸線方向先端側が閉じた有底筒状をなすと共に、内周面に内側電極を有し、外周面に外側電極を有し、かつ、径方向外側に突出する突出部を有するガス検出素子と、
筒状をなすと共に、内周面から径方向内側に突出する段付部を有し、前記突出部の先端面を前記段付部の支持面で支持しつつ前記ガス検出素子の径方向外側を取り囲んで、前記ガス検出素子を自身の内側に保持する主体金具であって、前記段付部の支持面が前記突出部の先端面にある前記外側電極に当接して前記外側電極と電気的に接続する主体金具と、
前記突出部の基端面及び前記主体金具の内周面にそれぞれ当接する金属製の第1パッキンと、
を備え、
上記主体金具の内周面は、
上記第1パッキンの基端側に、基端側に向かって拡がるテーパ面を有する
ガスセンサの製造方法であって、
前記主体金具に前記ガス検出素子を挿入する素子挿入工程と、
前記第1パッキンとなる線パッキンを挿入する線パッキン挿入工程と、
前記主体金具に挿入された前記線パッキンを軸線方向に押圧し、前記線パッキンを塑性変形させて、前記突出部の基端面と前記主体金具の内周面とが鋭角をなす間隙に、断面くさび型形状をなす前記第1パッキンを形成すると共に、これを前記突出部の基端面及び前記主体金具の内周面にそれぞれ圧接させる第1パッキン形成工程と、
前記ガス検出素子の前記突出部より基端側であって、前記ガス検出素子の外周面と上記テーパ面を含む前記主体金具の内周面とによって構成された空隙に、粉体を充填し、押圧して充填封止層を形成する充填封止層形成工程と、
を備えることを特徴とするガスセンサの製造方法。 - 軸線方向先端側が閉じた有底筒状をなすと共に、内周面に内側電極を有し、外周面に外側電極を有し、かつ、径方向外側に突出する突出部を有するガス検出素子と、
筒状をなすと共に、内周面から径方向内側に突出する段付部を有し、前記突出部の先端
面を前記段付部の支持面で支持しつつ前記ガス検出素子の径方向外側を取り囲んで、前記ガス検出素子を自身の内側に保持する筒状の主体金具と、
前記突出部の基端面及び前記主体金具の内周面にそれぞれ当接する金属製の第1パッキンと、
前記突出部の先端面と前記段付部の支持面との間に配置され、前記突出部の先端面にある前記外側電極及び前記段付部の支持面にそれぞれ当接して前記外側電極と前記主体金具とを電気的に接続する金属製の第2パッキンと、
を備え、
上記主体金具の内周面は、
上記第1パッキンの基端側に、基端側に向かって拡がるテーパ面を有する
ガスセンサの製造方法であって、
前記主体金具に前記第2パッキン挿入する第2パッキン挿入工程と、
前記第2パッキン挿入工程後、前記主体金具に前記ガス検出素子を挿入する素子挿入工程と、
前記素子挿入工程後、前記主体金具に挿入された前記第2パッキンと前記ガス検出素子とを軸線方向に押圧し、前記第2パッキンを前記段付部の支持面に密着させる第2パッキン押圧工程と、
前記第2パッキン押圧工程後、前記第1パッキンとなる線パッキンを挿入する線パッキン挿入工程と、
前記主体金具に挿入された前記線パッキンを軸線方向に押圧し、前記線パッキンを塑性変形させて、前記突出部の基端面と前記主体金具の内周面とが鋭角をなす間隙に、断面くさび型形状をなす前記第1パッキンを形成すると共に、これを前記突出部の基端面及び前記主体金具の内周面にそれぞれ圧接させる第1パッキン形成工程と、
前記ガス検出素子の前記突出部より基端側であって、前記ガス検出素子の外周面と上記テーパ面を含む前記主体金具の内周面とによって構成された空隙に、粉体を充填し、押圧して充填封止層を形成する充填封止層形成工程と、
を備えることを特徴とするガスセンサの製造方法。
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