JPH09166572A - 酸素センサの素子保持構造 - Google Patents

酸素センサの素子保持構造

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JPH09166572A
JPH09166572A JP7327687A JP32768795A JPH09166572A JP H09166572 A JPH09166572 A JP H09166572A JP 7327687 A JP7327687 A JP 7327687A JP 32768795 A JP32768795 A JP 32768795A JP H09166572 A JPH09166572 A JP H09166572A
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JP
Japan
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heater
glass
oxygen sensor
element body
sensor
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JP7327687A
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English (en)
Inventor
Shuichi Tanaka
修一 田中
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い気密性を確保できる酸素センサの素子保
持構造を提供する。 【解決手段】 酸素センサのセンサ素子21は素子本体
23と、素子本体23に対向して配置されたヒータ24
とが積層された構造を有する。センサ素子21を、イン
ナスリーブ15内に配設された第1副保持部材36の内
部に貫通させる。第1副保持部材36において、センサ
素子21の外周を囲む部位に環状段部39を形成する。
素子本体23に接触するヒータ24の側面に溝部40を
形成する。環状段部39内に、ガラス粉末Pを投入し加
熱溶融させる。溶融したガラスは溝部40の内部に侵入
し、同溝部内40にガラス層を形成する。このガラス層
により素子本体23及びヒータ24の各対向面の間にお
ける排ガスの移動が規制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関等から排
出される排ガス中の酸素濃度を検出するための酸素セン
サに係り、詳しくは同センサの素子を酸素センサのハウ
ジング内部にて保持する構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、図10に示すように、固体電解質
からなる基板82aを有する素子本体82を備え、その
素子本体82によって排ガス中の酸素濃度を検出するよ
うにした酸素センサ81が知られている。
【0003】この酸素センサ81は、前記素子本体82
と、同素子本体82の温度を所定温度以上に維持するこ
とによってセンサ出力を安定化させるセラミックヒータ
83とを備えている。酸素センサ81の内部には、ハウ
ジング84に対して固定されたインナスリーブ85が配
設されており、前記素子本体82及びセラミックヒータ
83は、このインナスリーブ85内に挿通され配置され
ている。素子本体82及びセラミックヒータ83と、前
記インナスリーブ85との間には2つの副保持部材86
a,86b、及び主保持部材87が介在されており、こ
れら各部材86a,86b,87によって素子本体82
及びセラミックヒータ83は保持されている。
【0004】図9は図10のIX−IX断面図である。同図
に示すように、前記素子本体82の内部には、同素子本
体82の上端面において開口する大気導入空間88が形
成されており、同空間88の内部にはその開口を介して
大気が導入されるように成っている。
【0005】一方、酸素センサ81の先端側(図10の
下側)に装着された保護カバー89,90には複数の孔
89a,90aが形成されており、酸素センサ81内部
には、前記各孔89a,90aから排ガスが導入され
る。従って、前記基板82aの内面は大気に、外面は排
ガスにそれぞれ晒される。固体電解質からなる基板82
aは、その内外面の酸素濃度差に応じた起電力を発生す
るため、この起電力の大きさに基づき排ガス中の酸素濃
度を検出することが可能である。
【0006】ここで、酸素濃度を精度良く検出するため
には、排ガスが前記大気導入空間88に浸入しないよう
にする必要がある。そこで、前記酸素センサ81におい
ては、前記副保持部材86aにガラス層92を形成し、
同ガラス層92によって、素子本体82及びセラミック
ヒータ83と、副保持部材86aとの間に形成される隙
間を埋めるようにしている。
【0007】より詳細に説明すれば、副保持部材86a
には、素子本体82及びセラミックヒータ83の外周を
囲む環状段部91が形成されている。そして、この環状
段部91の内部にガラス粉末を充填すると共に加熱溶融
させる。溶融状態となったガラスは、環状段部91の内
周壁、及び素子本体82及びセラミックヒータ83の外
周壁に対して密着した状態となる。
【0008】従って、従来の酸素センサ81において
は、図9に示すように、素子本体82及びセラミックヒ
ータ83と、副保持部材86aとの間にはガラス層92
が隙間なく形成されるため、排ガスの移動はこのガラス
層92により規制され、その漏出防止が図られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記酸素センサ81に
おいて、素子本体82及びセラミックヒータ83の各対
向面は、いずれも完全な平坦面ではなく僅かな反りやう
ねりを有し、又、その表面には微少な凹凸が形成されて
いる。その結果、素子本体82とセラミックヒータ83
とは完全に密着することはなく、両者82,83の間に
は図9に示すような微少な間隙93が形成されている。
又、この間隙93は極めて微少であるため、前述したガ
ラス層92を形成する場合においても、溶融したガラス
粉末がその間隙93内に浸入することは殆どない。
【0010】以上のような微少な間隙93を有した従来
の酸素センサ81では、その間隙93を介して排ガスが
前記大気導入空間88の開口にまで移動するとともに、
同開口から大気導入空間88内に浸入してしまい、酸素
濃度の検出精度が悪化する虞があった。
【0011】本発明はこのような事情を鑑みてなされた
ものであり、その目的は、酸素センサにおける高い気密
性を確保することができる同センサの素子保持構造を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、酸素濃度を検出するための
素子本体と、同素子本体に対向して配置され、素子本体
を加熱するヒータとを含むセンサ素子と、酸素センサの
ハウジングに固定支持され、前記センサ素子の外周を囲
む保持部とを備え、前記センサ素子と保持部との間に、
溶融状態のガラス材を固化させてガラス層を形成すると
ともに、同ガラス層を介して前記センサ素子を保持部に
て保持するようにした酸素センサの素子保持構造におい
て、前記ガラス材が前記素子本体及びヒータの各対向面
の間へ移動することを促進させる移動促進部を前記各対
向面の間に設けたことをその要旨とするものである。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明における移動促進部を、素子本体及びヒータにおける
各対向面の少なくとも一方に形成された凸部若しくは凹
部にて構成したことをその要旨とするものである。
【0014】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明における移動促進部を、素子本体及びヒータにおける
各対向面の間に介在された介装部材にて構成したことを
その要旨とするものである。
【0015】(作用)請求項1乃至3記載の発明によれ
ば、前記センサ素子と保持部との間において、溶融状態
のガラス材が固化することによりガラス層が形成され
る。このガラス層を介してセンサ素子は保持部に保持さ
れる。前記ガラス層を形成する際、溶融状態のガラス材
は、素子本体とヒータとの各対向面の間へ移動するが、
この移動は各対向面の間に形成された移動促進部により
促進される。従って、ガラス材は、前記各対向面の間に
容易に移動するとともに、素子本体及びヒータに対して
密着状態となって固化する。その結果、前記各対向面の
間にはガラス層が形成される。
【0016】特に、請求項2記載の発明によれば、前記
移動促進部が、素子本体及びヒータにおける各対向面の
少なくとも一方に形成された凸部若しくは凹部によって
構成され、又、請求項3記載の発明によれば、移動促進
部が素子本体及びヒータの各対向面の間に介在された介
装部材にて構成される。従って、請求項2又は3記載の
発明によれば、素子本体及びヒータにおける各対向面の
間には、ガラス材が容易に移動可能な間隙が形成され
る。ガラス材はその間隙内に移動して固化し、前記各対
向面の間にガラス層を形成する。
【0017】このように、請求項1乃至3記載の発明に
よれば、素子本体及びヒータにおける各対向面の間にガ
ラス層が介在された状態となる結果、前記各対向面間に
おける排ガスの移動はそのガラス層により規制され、酸
素センサの気密性が向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下、本発明を具体化した第1の
実施の形態について図1〜図5を参照して説明する。
図1は、本実施の形態における酸素センサ11の断面を
示している。同図に示すように、酸素センサ11は上下
両端が開放された円筒状のハウジング12を備えてい
る。ハウジング12の外周部には、取付孔13aを有す
るフランジ13が固着されており、前記取付孔13aに
挿通されたボルト(図示しない)によってハウジング1
2が、エンジンの排気管(図示しない)に固定されるよ
うになっている。ハウジング12内には、上下両端が開
放された円筒状をなし、且つ、外周に環状突部15を有
する中間部材14が配設されている。
【0019】インナスリーブ16は略円管状をなし、そ
の下端には拡径部17が形成されると共に、上端には透
孔18が形成されている。このインナスリーブ16は、
前記拡径部17を含む下端部が前記環状突部15に嵌合
されることにより、中間部材14に装着されている。
又、前記ハウジング12の内周部とインナスリーブ16
の外周部との間には環状をなす支持部材19が介在され
ており、同支持部材19によりインナスリーブ16はハ
ウジング12に対して支持されている。
【0020】インナスリーブ16内には酸素濃度検出用
のセンサ素子20が固定されている。センサ素子20は
図2に示すように長尺状をなす本体部21と、その一端
に形成された幅広部22とを備え、全体として正面略T
字状をなしている。このセンサ素子20は素子本体23
と、同素子本体23に積層されたヒータ24とによって
構成されている。
【0021】図2に示すように、前記素子本体23は、
固体電解質シート25、枠体26、基底シート27が積
層されてなる構造を有しており、各両シート25,27
及び枠体26によって囲まれた空間により大気導入空間
28が形成されている。大気導入空間28は、センサ素
子20の幅広部22において開口しており、酸素濃度既
知の気体である大気が、この開口部分から大気導入空間
28内に導入されるようになっている。
【0022】前記固体電解質シート25は、安定化ジル
コニア(ZrO2 )等の固体電解質によって形成されて
おり、同シート25の外面は排ガスに、内面は前記大気
導入空間28に導入された大気に晒されるようになって
いる。
【0023】固体電解質シート25の内外両面には、電
極反応部29(外面側の電極反応部29のみ図示する)
及び電極リード部30を備えた白金(Pt)(或いは、
金(Au)とニッケル(Ni)の合金)からなる電極3
1が形成されている。電極反応部29は、固体電解質シ
ート25に生じた起電力に応じた信号を発生する。又、
電極リード部30には端子30aを介して図1に示すよ
うにリード線46が接続されるようになっており、電極
反応部29で発生した信号がこれらの電極リード部3
0、端子30a、リード線46等を介して酸素センサ1
1の外部に取り出される。尚、図示しないが、前記電極
リード部30は固体電解質シート25上に形成されたリ
ード保護層によって被覆され、電極反応部29は固体電
解質シート25上に積層された多孔質層及び溶射層によ
って被覆されている。
【0024】前記ヒータ24は、アルミナ(Al
2 3 )或いは窒化珪素(Si3 4 )によって正面略
T字状に形成されており、その内部には発熱部(図示し
ない)が埋設されている。又、ヒータ24の側面には発
熱部と電気的に接続された一対の端子32a(図5にお
いて示す)が、前記電極31と同様の材料によって形成
されている。そして、これら各端子32aを介して発熱
部に所定電流を流すことが可能となっている。発熱部
は、所定電流が供給されると発熱して前記電極反応部2
9を所定温度(例えば、400℃)以上に維持し、セン
サ素子20の作動を安定化させる。
【0025】図1,4に示すように、前記インナスリー
ブ16の上端面上には環状をなすスペーサ33が配設さ
れている。前記本体部21はこのスペーサ33内に挿通
されており、前記幅広部22は同スペーサ33の上面に
て係止されている。又、本体部21は、前記透孔18を
介してインナスリーブ16の内部に挿通されており、同
本体部21の下部は前記中間部材14を貫通して、酸素
センサ11の先端側(図1の下側)にて露出されてい
る。
【0026】センサ素子20の長手方向において略中央
に該当する部分と、インナスリーブ16との間には、タ
ルク粉末を主成分とした材料を加圧成形してなる主保持
部材34が介在されている。この主保持部材34の上側
には第1ガスケット35を介して、アルミナからなる第
1副保持部材36が本体部21の外周部分を囲うように
して配設されている。
【0027】又、主保持部材34の下側には第2ガスケ
ット37を介して、第2副保持部材38が本体部21の
外周部分を囲うようにして配設されている。この第2副
保持部材38は、ワイヤメッシュにより略円筒状に形成
されており、前記中間部材14の内部に嵌入され支持さ
れている。
【0028】前記主保持部材34には、同部材34をイ
ンナスリーブ16内に組付ける際に、前記第2ガスケッ
ト37を介して図1において上下方向の圧縮力が加えら
れている。圧縮力が加えられ、主保持部材34と前記本
体部21との接触面における面圧が増加する結果、本体
部21の外周部は主保持部材34によって保持されてい
る。又、前記第1及び第2副保持部材38も、前記主保
持部材34よりその保持力が小さいものの、同様にして
本体部21の外周部を保持している。
【0029】前記第1副保持部材36の上端部におい
て、本体部21の外周に該当する部分には、図3〜図5
に示すように環状段部39が形成されている。同段部3
9の底部には、図4に示すように、シール用ガスケット
41が配設されている。このガスケット41は、後述す
るように環状段部39内にガラス層Gを形成する際、ガ
ラスがセンサ素子20と第1副保持部材36との間に形
成された微少な隙間に入り込むことを抑制するためのも
のであり、耐熱性を有した繊維状セラミックによって形
成されている。尚、図3では、後述するガラス層Gの図
示は省略している。
【0030】前記基底シート27の側面に対向するヒー
タ24の一側面において、前記環状段部39の内部に位
置する部分には、本発明の凹部を構成する断面矩形状の
溝部40がヒータ24の幅方向全長に亘って形成されて
いる。そして、前記環状段部39及び溝部40の内部に
は、図4又は図5に示すように、例えば、亜鉛ガラス
(ZnO・B2 3 ・SiO2 )、或いは、ナトリウム
ガラス(Na2 O・B23 ・SiO2 )等のガラス材
が隙間なく充填されることによりガラス層Gが形成され
ている。以下、このガラス層Gを形成する際の工程につ
いて説明する。
【0031】先ず、図3に示すように、環状段部39内
に前記亜鉛ガラス或いはナトリウムガラスからなるガラ
ス粉末Pが投入される。又、ガラス粉末Pの投入に換え
て、例えば、前記ガラス粉末Pを環状段部39と略同形
状となるよう加圧成形して圧粉体Kを形成し、同段部3
9内部にこの圧粉体Kを配設するようにしてもよい。次
に、環状段部39内部のガラス粉末Pを所定温度(70
0℃)まで加熱する。ガラス粉末Pは加熱されると徐々
に溶融して、その粘度が低下する。その結果、環状段部
39の内部は溶融状態となったガラスによって隙間なく
満たされる。
【0032】又、溶融状態となったガラスは、素子本体
23及びヒータ24の各対向面の間(例えば、図4のA
部)には、その間隙が狭いため侵入できないが、前記溝
部40内には容易に侵入することができる。そして、加
熱を所定時間続けると、図4,5に示すように、前記溝
部40内はガラスが隙間なく充填された状態となる。そ
の後、前記環状段部39及び溝部40内のガラスは、徐
々に冷却されることにより固化してガラス層Gを形成す
る。ガラスは固化する際に若干収縮するが、環状段部3
9及び溝部40の内周壁及び本体部21の外周壁に対し
ては密着した状態を維持する。従って、ガラス層Gと環
状段部39又は溝部40の内周壁との間、或いは同じく
ガラス層Gと本体部21の外周壁との間に隙間が形成さ
れることはない。以上説明したようにして、環状段部3
9及び溝部40内にガラス層Gが形成されている。
【0033】酸素センサ11の構成について説明を続け
ると、図1に示すように、前記ハウジング12の下端部
には、そのハウジング12から露出するセンサ素子20
の下端部を覆う内外一対の保護カバー42,43が装着
されている。両保護カバー42,43は、有底円筒状を
なすと共に、外周に複数の排ガス導入孔42a,43a
を有している。排気管の内部を流れる排ガスの一部はこ
れらの排ガス導入孔42a,43aを通ってセンサ素子
20の下端部に接触するようになっている。
【0034】一方、ハウジング12の上端にはインナス
リーブ16を覆った状態でアウタスリーブ44が装着さ
れ、更にそのスリーブ44の上部外周にはカバー45が
被嵌されている。アウタスリーブ44の上端部には、素
子本体23及びヒータ24の側面に形成された各端子3
0a,32aとリード線46との接続部分を覆う保護部
材47が嵌入されている。又、前記カバー45内にはリ
ード線46を弾性的に支持するためのゴム製ブッシュ4
8が嵌合されている。このブッシュ48には大気導入孔
48aが複数形成されている。前記カバー45におい
て、前記各大気導入孔48aと対応する位置にはそれぞ
れ透孔45aが形成されている。これら大気導入孔48
a及び透孔45aを介して酸素センサ11の内部に大気
が導入される。
【0035】上記のように構成された本実施の形態にお
ける酸素センサ11の作用について説明する。酸素セン
サ11の使用時には、前記カバー45、ブッシュ48に
形成された透孔45a、大気導入孔48aを介して、ア
ウタスリーブ44の内部には酸素濃度既知の大気が導入
されるとともに、素子本体23の大気導入空間28の開
口部分から同空間28内に導入される。そして、大気導
入空間28に導入された大気は、前記固体電解質シート
25の内面、及びその内面に形成された電極反応部29
に接触する。
【0036】これに対して、前記両保護カバー42,4
3の排ガス導入孔42a,43aからは同カバー42,
43の内部に排ガスが導入される。そして、その排ガス
は、溶射層、多孔質層(いずれも図示しない)を通過し
て固体電解質シート25の外面、及びその外面に形成さ
れた電極反応部29(図2において示す)に接触する。
【0037】以上のように、固体電解質シート25の内
外面に大気及び排ガスがそれぞれ接触することにより、
同シート25の内面側と外面側とでは、その酸素濃度、
換言すれば、酸素分圧が異なることとなり、酸素分圧の
高い内面側から同分圧の低い外面側へ向けて酸素イオン
が移動する。その結果、前記各電極反応部29間に起電
力が発生する。又、白金製の電極反応部29は、排ガス
中の酸素と一酸化炭素或いは炭化水素等とを結合させる
触媒作用を発揮し、固体電解質シート25の外面におけ
る酸素濃度を低下させて、内面の酸素濃度との差を増大
させることにより前記起電力を増大させる。この増大さ
れた起電力が電極リード部30等を介して出力され、そ
の起電力に基づき排ガス中の酸素濃度が検出される。
【0038】前述したように、前記素子本体23及びヒ
ータ24とは各対向面において完全に密着した状態とな
っておらず、両対向面の間には微少な間隙が形成されて
いる。従って、前記排ガス導入孔42a,43aから導
入され、前記固体電解質シート25の外面に接している
排ガスの一部は、その間隙内に侵入すると共に、各対向
面の間を酸素センサ11の基端側(図1の上側)に向か
って移動する。そして、排ガスは前記溝部40が形成さ
れた位置まで到達するが、排ガスの移動は溝部40内の
ガラス層Gによって規制されるため、同層Gよりも基端
側へ排ガスが漏出してしまうことがない。
【0039】以上の構成及び作用を備えた本実施の形態
は以下の特徴を有する。 (a)素子本体23及びヒータ24の各対向面の間にお
ける排ガスの移動を、ガラス層Gによって規制し、排ガ
スが前記大気導入空間28の開口部に達してしまうこと
を防止できる。従って、漏出した排ガスに起因して大気
導入空間28に導入される大気の酸素濃度が変化してし
まうことがないため、排ガスの酸素濃度を精確に検出す
ることができる。
【0040】(b)本実施の形態によれば、ヒータ24
に形成された溝部40内にガラスを容易に侵入させ、素
子本体23及びヒータ24の各対向面の間において排ガ
スの移動を規制するガラス層Gを形成することができ
る。
【0041】例えば、この溝部40を有しない構成とし
た場合、ガラス粉末Pをより高温(例えば、約900
℃)で加熱溶融させることにより、その粘度を低下させ
素子本体23とヒータ24との各対向面の間にガラスを
侵入させて前記ガラス層Gを形成することも考えられ
る。この場合には、ガラス粉末Pを高温に加熱すること
が必要であるため、酸素センサ11の他の部材に悪影響
を与えることが懸念される。或いは、ガラス材料とし
て、溶融した際の粘度がより低いものを選択することに
より、前記各対向面の間にガラスを侵入させてガラス層
Gを形成することが考えられるが、この場合には選択で
きるガラス材が限定されて設計上好ましくない。
【0042】しかしながら、本実施の形態によれば、溶
融した際のガラスの温度が低温でその粘度が比較的大き
い場合であっても、溝部40内にガラスを侵入させて前
記各対向面の間にガラス層Gを形成することができる。
そのため、前述したようなガラスを高温に加熱すること
による不具合を未然に回避することができる。更に、本
実施の形態によれば、ガラス材料として種々の材料が使
用できるようになり設計上の自由度を増すことができ
る。
【0043】(第2の実施の形態)次に、本発明を具体
化した第2の実施の形態について説明する。尚、以下の
説明において上記第1の実施の形態と同様の構成部材に
ついては同一の符号を付すとともにその説明を省略す
る。
【0044】前記ヒータ24において、前記基底シート
27の一側面に対向する側面には、図6及び図7(ヒー
タ24のみを図示する)に示すように帯状をなす第1凸
部49が、ヒータ24の幅方向全長に亘って一体的に形
成されている。この第1凸部49は本発明における凸部
を構成するものであり、前記ヒータ24の長手方向にお
いて、前記環状段部39と対応する位置に設けられてい
る。又、ヒータ24の下端部において、第1凸部49が
形成された側の側面には第2凸部50が形成されてい
る。
【0045】ヒータ24は、前記第1,第2凸部49,
50の部分のみが基底シート27に接触しており、他の
部分は基底シート27に対して所定間隔離間した状態と
なっている。従って、素子本体23及びヒータ24の各
対向面の間において、前記第1凸部49の上下側に該当
する部分には、図6に示すように間隙51,52がそれ
ぞれ形成されている。
【0046】本実施の形態では、上記第1の実施の形態
と同様、前記環状段部39内にガラス粉末が投入される
とともに加熱溶融される。尚、前記第1凸部49の側面
は基底シート27に接触しているため、投入されたガラ
ス粉末が第1凸部49の下側に形成された間隙52に入
り込むことはない。溶融したガラスは、環状段部39内
を隙間なく満たすとともに、第1凸部49の上側に形成
された間隙51内に侵入する。その後、ガラスが冷却さ
れ固化すると、環状段部39内、及び前記間隙51内に
は図6に示すようにガラス層Gが隙間なく形成される。
【0047】本実施の形態においても、第1の実施の形
態と略同様の作用効果を得ることができる。即ち、素子
本体23とヒータ24との各対向面の間における排ガス
の移動が、前記ガラス層Gによって規制されるため、セ
ンサ素子20の基端側に排ガスが漏出することを防止す
ることができる。従って、排ガスの酸素濃度を精確に検
出することができる。
【0048】(第3の実施の形態)次に、本発明を具体
化した第3の実施の形態について説明する。本実施の形
態は上記第2の実施の形態と略同様の構成を有している
が、素子本体23とヒータ24との各対向面の間にスペ
ーサ54を介在させ、同スペーサ54によって前記各対
向面の間に間隙51,52(図6において示す)を形成
するようにした点で第2の実施の形態における構成と相
違している。
【0049】より詳細に説明すれば、本実施の形態で
は、ヒータ24の側面において前記第1凸部39が形成
されていた部位に、図8(a)に示すような断面矩形状
をなす取付溝53が形成されている。そして、この取付
溝53内には、四角柱状をなすスペーサ54が図8
(b)に示すように嵌合されるとともに、取付溝53の
内周壁面にて固着されている。
【0050】このスペーサ54は、前記第1凸部49と
同様に、素子本体23の基底シート27に対して接触す
ることによって、素子本体23とヒータ24とを所定間
隔離間させるものである。又、スペーサ54は環状段部
39内にガラス粉末を投入し加熱溶融した際に、同スペ
ーサ54の下側に形成された間隙52内にガラスが入り
込むことを規制するものである。尚、このスペーサ54
は本発明における介装部材を構成している。
【0051】スペーサ54は、耐熱性を有し、且つ、基
底シート27との密着性を向上させるため、ヒータ24
を形成するAl2 3 或いはSi3 4 より硬度の小さ
い材料によって形成されることが望ましい。従って、ス
ペーサ54を形成する材料としては、例えば、銅(C
u)、アルミニウム(Al)、或いはこれらの合金や、
ステンレス鋼(Fe−Cr)等の金属が好適である。加
えて、スペーサ54は排ガスに接触するため、耐食性を
備えることが必要となる。従って、上記金属の内でも、
ステンレス鋼がより好適である。本実施の形態では、上
記の観点から、前記ステンレス鋼によりスペーサ54を
形成している。
【0052】本実施の形態は上記第2の実施の形態と同
様の作用効果を奏することができる他、以下に示す特徴
を有する。 (a)スペーサ54をヒータ24とは別部材によって形
成することにより、同スペーサ54を形成する材料とし
て、機能的に優れた材料を選択することができる。
【0053】特に、本実施の形態においては、ステンレ
ス鋼によりスペーサ54を形成するようにしたため、基
底シート27に対して接触した際における弾性変形を生
じ易くし、同スペーサ54を同シート27に対してより
密着させることができる。従って、前記ガラス層Gを形
成する際、スペーサ54の下側にある間隙52内にガラ
スが入り込むことを効果的に抑制することができる。加
えて、スペーサ54を耐熱性及び耐食性に優れたものと
することができる。
【0054】(b)本実施の形態では、ヒータ24の側
面に取付溝53を形成し、同溝53内にスペーサ54を
嵌合させるようにしたため、同スペーサ54の位置決め
を確実に行うことができる。
【0055】尚、上記各実施の形態は、以下のように構
成を変更して実施することができる。 (1)第1の実施の形態において、溝部40と同様の溝
部を複数形成し、複数の部位において排ガスの移動を規
制するようにしてもよい。
【0056】(2)第1の実施の形態において、溝部4
0を図3の二点鎖線にて示すような段部50に変更す
る。このような構成としても、第1の実施の形態と同
様、段部50内にガラス層Gを形成し、同ガラス層Gに
て排ガスの移動を規制することができる。
【0057】(3)第1の実施の形態において、溝部4
0をヒータ24の側面に形成するようにしたが、基底シ
ート27の側面に形成するようにしてもよい。又、第2
の実施の形態において、第1凸部49を基底シート27
の側面に形成するようにしてもよい。
【0058】(4)第3の実施の形態では、ヒータ24
の側面に取付溝53を形成し、同取付溝53内にスペー
サ54を嵌合させるようにしたが、基底シート27の側
面に取付溝を形成すると共に、同溝内にスペーサ54を
嵌合させるようにしてもよい。
【0059】(5)第3の実施の形態において、取付溝
53を省略し、スペーサ54をヒータ24或いは基底シ
ート27の所定位置に接着する構成としてもよい。 (6)第3の実施の形態において、スペーサ54を形成
する材料はステンレス鋼に限定されることなく、前述し
た各種の金属或いはそれらの合金であってもよい。又、
金属材料以外にも、例えば、石綿、岩綿、ガラスウール
等によりスペーサを形成することも可能である。
【0060】以上、本発明を具体化した各実施の形態に
ついて説明したが、これら実施の形態から把握される技
術的思想をその効果と共に記載する。 (イ)請求項3記載の発明において、素子本体及びヒー
タにおける各対向面の少なくとも一方に溝部を形成し、
介装部材を同溝部内にて嵌合させる。このような構成に
よれば、介装部材の位置決めを確実に行うことができ
る。
【0061】
【発明の効果】以上詳細に説明したように請求項1乃至
3記載の発明によれば、素子本体及びヒータにおける各
対向面の間にガラス層を介在させ、そのガラス層により
前記各対向面間における排ガスの移動を規制することに
より、酸素センサの気密性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における酸素センサの断面
図。
【図2】センサ素子を示す斜視図。
【図3】環状段部の近傍を示す斜視図。
【図4】環状段部の近傍を示す断面図。
【図5】図4のV −V 断面図。
【図6】第2の実施の形態における酸素センサの要部を
示す断面図。
【図7】ヒータの一部を示す斜視図。
【図8】第3の実施の形態におけるヒータの一部を示す
斜視図。
【図9】図10のIX−IX断面図。
【図10】従来における酸素センサの断面図。
【符号の説明】
11…酸素センサ、12…ハウジング、20…センサ素
子、23…素子本体、24…ヒータ、36…第1副保持
部材(保持部)、40…規制溝部(移動促進部、凹
部)、49…第1凸部(移動促進部)、54…スペーサ
(移動促進部、介装部材)、G…ガラス層。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素濃度を検出するための素子本体と、
    同素子本体に対向して配置され、素子本体を加熱するヒ
    ータとを含むセンサ素子と、 酸素センサのハウジングに固定支持され、前記センサ素
    子の外周を囲む保持部とを備え、前記センサ素子と保持
    部との間に、溶融状態のガラス材を固化させてガラス層
    を形成するとともに、同ガラス層を介して前記センサ素
    子を保持部にて保持するようにした酸素センサの素子保
    持構造において、 前記ガラス材が前記素子本体及びヒータの各対向面の間
    へ移動することを促進させる移動促進部を前記各対向面
    の間に設けたことを特徴とする酸素センサの素子保持構
    造。
  2. 【請求項2】 前記移動促進部は、前記素子本体及びヒ
    ータにおける各対向面の少なくとも一方に形成された凸
    部若しくは凹部であることを特徴とする請求項1記載の
    酸素センサの素子保持構造。
  3. 【請求項3】 前記移動促進部は、前記素子本体及びヒ
    ータにおける各対向面の間に介在された介装部材である
    ことを特徴とする請求項1記載の酸素センサ素子保持構
    造。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001147214A (ja) * 1999-09-17 2001-05-29 Robert Bosch Gmbh 特に測定センサ用の気密の貫通部
JP2004125431A (ja) * 2002-09-30 2004-04-22 Ngk Spark Plug Co Ltd センサおよびセンサ製造方法
JP2004226310A (ja) * 2003-01-24 2004-08-12 Kyocera Corp 酸素センサ
US7935235B2 (en) 2003-06-27 2011-05-03 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Gas sensor with sealing structure

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