JP3442499B2 - センサのリード線シール構造及びその製造方法 - Google Patents

センサのリード線シール構造及びその製造方法

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JP3442499B2 JP22554894A JP22554894A JP3442499B2 JP 3442499 B2 JP3442499 B2 JP 3442499B2 JP 22554894 A JP22554894 A JP 22554894A JP 22554894 A JP22554894 A JP 22554894A JP 3442499 B2 JP3442499 B2 JP 3442499B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関からの排気ガ
ス中の酸素濃度を検出する酸素センサなどに使用される
センサのリード線シール構造及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば酸素センサは、その使用過程で内
部に排気ガス、或いは水、油等の液体が侵入すると、セ
ンサ電極やヒータ電極間の短絡、端子の腐食、起電力の
低下など様々な問題を生じる。このため、従来より、こ
うした排気ガス等の侵入の可能性のある接合箇所ないし
構造上の間隙(隙間)は、様々なシール材によってシー
ルが保持されている。
【0003】このうち、センサ電極やヒータ電極などに
接続されるリード線を貫通させる部位のシールを保持す
るためのシール材としては、従来一般には、シリコンゴ
ム等の耐熱ゴム、或いは、カーボン繊維やガラス繊維等
を含有する撥水性フィルタが使用されていた。こうした
ものによるリード線シール構造は、リード線の外周面に
シリコンゴム等からなるシール材を圧縮変形させること
により密着させ、これによってリード線の外周面とシー
ル材との界面のシールを保持するようにされていた。し
かし、こうしたものにおいては、次のような問題があっ
た。すなわち、センサ作動時におけるそれ自体の熱伝導
及び/又は排気ガスからの熱伝導によって、シール材が
耐熱劣化してガスが発生し、このガスがセンサの特性に
影響を及ぼして、正確なガス測定を困難にしてしまう。
また、シール材が、耐久劣化することによって、或い
は、高温水蒸気により加水分解して劣化することによっ
て、シール性が低下してしまう。
【0004】こうした中、本願出願人は、特開平4−2
85849号公報に開示される技術を提案している。こ
のものは、リード線の被覆膜の融点より低い融点を有
し、かつシール材使用温度(センサの使用過程で上昇す
るシール材の温度、例えば酸素センサでは約200℃)
よりも高い耐熱温度を有する樹脂をシール材とし、これ
をその融点以上でかつリード線の被覆膜の融点より低い
温度に加熱し、シール材のみを溶融させてリード線の被
覆膜に溶着させることで、シール材を貫通するリード線
の外周面にシール材を密着させ、これによってリード線
の外周面とシール材との界面の隙間を閉ざしてシール性
を保持するようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記公報記載の技術に
おいては、シール材にシール材使用温度よりも高い耐熱
温度を有する樹脂を用い、これを加熱溶融するなどによ
り、上記の問題を解消したものであるが、次のような解
決すべき課題があり、今一歩の技術とされていた。すな
わち、シール材(樹脂)を加熱溶融する際に、加熱溶融
された樹脂が液状化により周囲へ流出する。このため、
溶融された樹脂とリード線(被覆膜)との密着ないし溶
着がうまく行われず、結果的にシール不良を起こす原因
となり、製品の歩留まりの低下を招いていたといった問
題があった。
【0006】また、この技術においてシール性能を高め
るためには、シール材の溶融を十分のものとする必要が
あり、したがって加熱温度はなるべく上げないといけな
い。しかし、この種のセンサのリード線の被覆膜の材質
として好適とされるPTFE(ポリテトラフルオロエチ
レン)の融点は327℃であり、これと上記公報記載の
技術でシール材として好適とされるPFA(テトラフル
オロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル)
の融点(310℃)が接近しているため、加熱温度を上
げ気味とすると、加熱冷却過程で被覆膜(PTFE)自
体が熱収縮し、かえって、シール材とリード線との密着
が不完全となったり微小な隙間を生じてしまい、シール
性を損ねるといった問題があった。一方で、シール材の
加熱温度が低めの場合には、その溶融が不十分となり、
密着が不十分となる。つまり、上記公報記載の技術で
は、最適な加熱温度の設定が難しいことに基づき、必ず
しも十分なシールが得られないといった問題があった。
【0007】本発明は、こうした問題点を解消すべく案
出したものであって、センサにおけるリード線の外周面
とシール材との界面のシール不良の低減ないし製品の歩
留まりの向上を図るとともに、そのシール性能の向上を
図ることのできる技術を提供することをその目的とす
る。
【0008】上記の目的を達成するために、請求項1に
記載の本発明は、シール材を貫通するリード線の外周面
に該シール材が圧縮変形されて密着されることによって
前記リード線の外周面と該シール材との界面のシールが
保持されてなるセンサのリード線シール構造において、
前記シール材が、その上下及び側部を、下部閉塞部材と
上部閉塞部材との間において外方にはみ出したり逃げた
りできないように閉塞状に配置され、その2つの閉塞部
材の間において上下方向に圧縮されてなることを特徴と
するセンサのリード線シール構造である。この場合、前
記閉塞部材を前記シール材の融点より高い融点をもつ材
質からなるものとするのが好ましい。そして、請求項2
に記載の発明は、前記閉塞部材が、前記シール材の融点
より高い融点をもつ材質からなることを特徴とする請求
項1記載のセンサのリード線シール構造である。 さら
に、請求項3に記載の発明は、前記シール材が、フッ素
樹脂からなることを特徴とする請求項1又は2記載のセ
ンサのリード線シール構造である。
【0009】このような、シール材を貫通するリード線
の外周面に該シール材が密着されることによって前記リ
ード線の外周面と該シール材との界面のシールが保持さ
れてなるセンサのリード線シール構造の製造方法として
は、請求項4〜7に記載のものがある。 請求項4に記載
の発明は、シール材を貫通するリード線の外周面に該シ
ール材が密着されることによって前記リード線の外周面
と該シール材との界面のシールが保持されてなるセンサ
のリード線シール構造の製造方法において、前記シール
材を圧縮可能に、該シール材の上下及び側部を下部閉塞
部材と上部閉塞部材との間において外方にはみ出したり
逃げたりできないように閉塞状に配置しておき、その下
で、前記シール材を前記2つの閉塞部材の間において上
下に圧縮することによって前記リード線の外周面に前記
シール材を密着させて前記リード線の外周面と前記シー
ル材との界面のシールを保持するようにしたことを特徴
とするセンサのリード線シール構造の製造方法である。
そして、請求項5に記載の発明は、シール材を貫通する
リード線の外周面に該シール材が密着されることによっ
て前記リード線の外周面と該シール材との界面のシール
が保持されてなるセンサのリード線シール構造の製造方
法において、前記シール材を圧縮可能に、該シール材の
上下及び側部を、該シール材の融点より高い融点をもつ
材質からなる下部閉塞部材と上部閉塞部材との間におい
て外方にはみ出したり逃げたりできないように閉塞状に
配置しておき、その下で、前記シール材を前記2つの閉
塞部材の間において上下に圧縮しかつ該シール材の融点
を超えない温度に加熱することによって前記リード線の
外周面に前記シール材を密着させて前記リード線の外周
面と前記シール材との界面のシールを保持するようにし
たことを特徴とするセンサのリード線シール構造の製造
方法である。 また、請求項6に記載の発明は、シール材
を貫通するリード線の外周面に該シール材が密着される
ことによって前記リード線の外周面と該シール材との界
面のシールが保持されてなるセンサのリード線シール構
造の製造方法において、前記シール材を圧縮可能に、該
シール材の上下及び側部を、該シール材の融点より高い
融点をもつ材質からなる下部閉塞部材と上部閉塞部材と
の間において外方には み出したり逃げたりできないよう
に閉塞状に配置しておき、その下で、前記シール材を前
記2つの閉塞部材の間において上下に圧縮しかつ該シー
ル材の融点以上で前記閉塞部材の融点より低い温度に加
熱して該シール材を溶融し、この溶融されたシール材を
前記リード線の外周面に密着させて前記リード線の外周
面と前記シール材との界面のシールを保持するようにし
たことを特徴とするセンサのリード線シール構造の製造
方法である。 さらに、請求項7に記載の発明は、前記シ
ール材が、フッ素樹脂からなることを特徴とする請求項
4、5又は6記載のセンサのリード線シール構造の製造
方法である。
【0010】上記リード線のシール構造及びその製法に
おいてシール材の材質は、酸素センサなど高温雰囲気下
で使用されるセンサ(触媒温度検出用の温度センサなど
自動車の排気系に装着される各種のセンサ)において具
体化される場合には、PFA、PTFE或いはFEP
(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン
共重合体)に代表されるフッ素樹脂とするのが耐熱性等
の点で好ましい。そして、上記シール構造の製法におい
て、こうしたシール材を加熱する場合、その加熱温度
は、PFA(融点310℃)の場合は、200℃〜31
0℃、PTFE(融点327℃)の場合は、260℃〜
327℃、またFEP(融点285℃)の場合は、20
0℃〜285℃が、それぞれ適当であるが、前記のよう
に融点以上としてもよい。
【0011】
【作用及び発明の効果】本発明のセンサのリード線シー
ル構造は、リード線の外周面に密着されるシール材が閉
塞部材で閉塞状とされている。したがって、リード線シ
ール構造の製造過程などでシール材を圧縮(加圧)し、
或いは圧縮しかつ加熱して変形させることでリード線に
密着させる場合、シール材は閉塞されている分、周辺
(外方)にはみ出しにくく、したがって効率的に圧縮さ
れる。この結果、シール材はリード線の外周面に強く密
着させることができるから、信頼性の高いリード線シー
ル構造となすことができる。
【0012】また、上記において閉塞部材を前記シール
材の融点より高い融点をもつ材質からなるものとした場
合には、シール材を圧縮下、融点近傍又はそれ以上の高
温に加熱できる。これにより、シール材をその融点近傍
まで加熱して圧縮変形させることでリード線に密着させ
てシールを確保する際には、シール材はクリープにより
変形し易くなるから、信頼性の高いリード線シール構造
を効率良く得ることができる。またシール材を加熱溶融
(液状化)しても周辺に流出することが有効に防止され
るとともに圧縮下、リード線に密着させることができる
から融点近傍まで加熱した場合と同様の効果がある。そ
して、シール材を耐熱性に優れたフッ素樹脂からなるも
のとした場合には、シリコンゴムなどのシール材の場合
のようにセンサの使用過程でガスの発生なども有効に防
止される。
【0013】また、本発明のセンサのリード線シール構
造の製法のうち、シール材を圧縮可能に閉塞部材によっ
て閉塞状としておき、その下で、前記シール材を圧縮す
ることによって前記リード線の外周面に前記シール材を
密着させる製法によれば、シール材のはみ出しが防止さ
れ、しかも加熱工程を要しないので、信頼性の高いリー
ド線シール構造を簡易に得ることができる。この製法
は、比較的小さい圧力に対するシール性の保持に好適で
ある。
【0014】さらに、シール材を圧縮可能に、該シール
材の融点より高い融点をもつ材質からなる閉塞部材によ
って閉塞状としておき、その下で、前記シール材を圧縮
しかつ該シール材の融点を超えない温度に加熱すること
によって前記リード線の外周面に密着させる技術による
ときは、加熱する分、シール材が圧縮過程でクリープに
より変形し易くなる。したがって、その分、シール材が
リード線の外周面によくなじんで密着するから、高い気
(液)密性をもつリード線シール構造を比較的小さい圧
縮力で、しかも融点以下の加熱温度で得ることができ
る。
【0015】さらに、シール材を加熱溶融することによ
って前記リード線の外周面に密着させる技術によるとき
は、シール材が閉塞されているために溶融したものが外
部へ流出することもほとんどない上に、シール材は圧縮
されるから、リード線の外周面によく密着する。したが
って、この技術によれば、シール材の密着不良の防止に
有効であり、しかも信頼性の高いリード線シール構造を
得ることができる。そして、これらの製法において、シ
ール材を耐熱性に優れたフッ素樹脂からなるものとした
場合には、シリコンゴムなどのシール材の場合のように
センサの使用過程でガスの発生なども有効に防止され
る。
【0016】
【実施例】本発明に係るセンサのリード線シール構造な
いしその製法を具体化した実施例について、図1ないし
図5を参照して詳細に説明する。ただし、本例では、内
燃機関の排気通路(管)に取り付けられる酸素センサ
(以下、単にセンサという)で具体化したものである。
【0017】図中1は、センサの全体構造を示してい
る。センサ1は、筒状のハウジング2の先端側(図1下
方)に保護キャップ3が、後端側(図1上方)に略円筒
状をなす内筒4、及びこの内筒4の上端部外側に保護外
筒5がそれぞれ後述するようにして固着されている。ハ
ウジング2の内側には、略中央の外周にフランジを備え
有底円筒状をなす固体電解質の素子6が、リング状を成
すセラミック製絶縁部材7、滑石からなる(粉末)シー
ル材8、碍管9さらにパッキング10,11を介して絶
縁を確保して保持され、ハウジングと内筒4との間、及
びハウジング2と素子6との間(排気ガス側と基準ガス
側との間)のシール(気密或いは液密)が確保されてい
る。ただし、このシールは、ハウジング2の後端部の周
縁2aを、内筒4の下端部外周に設けられたフランジ4
aに被せるようにして内方に折り曲げ、センサ1の軸線
方向に圧縮した下で加締めることによっている。
【0018】さて、内筒4の上端部及び保護外筒5の内
側には、PFA製で略円盤状に成形されてなるシール材
12が(図2参照)、次記する閉塞部材13,14にて
上下及び側部を閉塞されている。そしてこのシール材1
2及び閉塞部材13,14を貫通して、本例では、保護
外筒5の後端(図1上方)から、図示しない制御回路に
接続されるリード線15がシールを保持して導出されて
いる。ただし、リード線15は、外周面に絶縁用のPT
FEからなる被覆膜が被覆されている。なお、シール材
12には、リード線15が上下に貫通するよう、本例で
は、内径がφ1.6〜1.7mmの貫通孔16がセンサ
1の軸線方向から見て、等角度間隔で4か所設けられて
おり、リード線(外径φ約1.5mm)を挿通した際の
間隙が、0.1〜0.2mmとなるように設定されてい
る。
【0019】シール材12の下面側に配置されている閉
塞部材(以下、下部閉塞部材ともいう)13は、本例で
はアルミナ製とされ、上部断面が凸状をなし、シール材
12と同様にリード線15を貫通させる貫通孔(φ1.
6〜1.7mm)17を備えた段付き円柱(円筒)状に
形成されている(図2参照)。ただし、その上端面18
の外径はシール材12の外径と略同径かそれよりやや大
きめとされ、その下方には、保護外筒5の内径よりやや
小さめの外径をもつフランジ19が周設され、周縁に段
部20を備え、このフランジ19の下方には上端面18
の外径と略同径をもつ縮径円筒部21を備えている。な
お、この縮径円筒部21の内側であってリード線の貫通
孔17に連なる下方は、拡径された貫通孔22を備え、
リード線15の端部15aが位置するように設定されて
おり、そのさらに下方は図3に示したように横断面にお
いて略十字状をなす空孔に形成されている。本例では、
この下部閉塞部材13は、縮径円筒部21を内筒4に内
挿し、フランジ19の下面にフッ素樹脂製のパッキング
23を介して内筒4の上端面上にて支持されている。
【0020】一方、シール材12の上面側に配置されて
いる閉塞部材(以下、上部閉塞部材ともいう)14は、
PTFE製で、リード線15を貫通させる貫通孔(φ
1.6〜1.7mm)24を備えて逆椀状(断面凹状)
をなし、その内側(凹部)にシール材12を収納するよ
うにして配置され、外周側の下端部25が下部閉塞部材
13の段部20つまりその上端面18の外周にほぼ隙間
なく外嵌され、本例では、下部閉塞部材13と上部閉塞
部材14との間にシール材12を閉塞状に配置するよう
形成されている。ただし本例では、センサ1の軸線方向
に両閉塞部材13,14を圧縮することによりシール材
12をその厚さ(図1上下)方向に圧縮し、これをリー
ド線15の被覆膜に押付けるよう設定されている。な
お、この圧縮前、上部閉塞部材14の外周側の下端面2
6と下部閉塞部材13の段部20との間に若干の隙間
(シール材12の圧縮代)kが保持されるように設定さ
れている。
【0021】そして、シール材12を閉塞してなる両閉
塞部材13,14の外側及び内筒4の上端部外側には、
上端部周縁が内側にカールされ、内径が内筒4の外径よ
り僅かに大きく円筒状に形成された保護外筒5が外装さ
れている。保護外筒5は、上下の両閉塞部材13,14
をセンサ1の軸線方向に上記圧縮代k分圧縮するように
内筒4との間で加圧され、その下で、内筒4とともに保
護外筒5の下端部寄り部位が縮径状に加締められて一体
的に固着されている。
【0022】なお、本例におけるリード線15は、詳し
くは図示しないが素子6の内外周面の電極に接続される
2本と、素子6加熱用のヒータ27に接続される2本の
計4本であり、リード線15の各端部15aに接続され
ている接続端子28を介して、それぞれ素子6の内外周
面に形成された電極、ヒータの通電用の各端末に嵌込み
或いはロー付けなどにより接続されている。図上、ヒー
タ用のリード線15は1本省略されている。
【0023】このように構成された本例センサのリード
線シール構造の製法をさらに詳述すると、次のようであ
る。すなわち、まず、図2右側に示したように、シール
材12を上下の両閉塞部材13,14で挟み込む形と
し、各リード線15の端部15aをそれらの貫通孔1
6,24,17に貫通させ、上部閉塞部材14の外周側
の下端部25を下部閉塞部材13の段部20に嵌込んで
シール材12を閉塞状に保持する(図4参照)。そし
て、各リード線15のセンサ内部側の端部15aには所
定の接続端子(及びヒータ)28を接続する。なお、外
側には図4中、2点鎖線で示したように、保護外筒5を
予め遊挿し、半組立て体(組立て仕掛品)としておく。
なお、この半組立て体以外の、素子6を含む内筒4以下
の部位も、別途、半組立て体としておく。
【0024】しかして、本例では、素子6の内側にヒー
タ27を挿入するとともに、素子用の端子28を素子6
の各電極に接続し、さらに、下部閉塞部材13の外周面
のフランジ19の下面と内筒4の上端部との間にフッ素
樹脂製のパッキング23を介在させ、その下で、内筒4
の上端部内側に下部閉塞部材13の縮径円筒部21を内
挿し、しかる後、保護外筒5の内側上部に閉塞部材1
3,14によって閉塞されてなるシール材12を収納
し、その保護外筒5を内筒4の外側にスライド状に嵌合
して押し込む(図5左側参照)。しかる後、図5左側
中、実線矢印で示すように保護外筒5の上端部を軸線方
向に、本例では、100kgf/cm2 で圧縮する。す
ると、保護外筒5の上端部及び上部閉塞部材14の肩部
14aを介して作用する圧縮力により、図5右側に示し
たようにシール材12は押し潰されるように圧縮変形す
る。この際、シール材12は、閉塞部材13,14によ
り閉塞状とされているために、外方にはみ出したり逃げ
たりできず、シール材12の貫通孔16の内周面がリー
ド線15の外周面に押付けられる。本例では、この圧縮
下、ヒートガンなどの熱風発生装置にてシール材12を
融点以下、300〜310℃で加熱し、上部閉塞部材1
4の外周側の下端面26が下部閉塞部材13の段部20
に当接するまで変形させた。これにより、PFA(融点
310℃)からなるシール材12は変形しつつ、その貫
通孔16の内周面の一部など表面が部分的に溶融してリ
ード線15の被覆膜に強く押付けられる。そして、その
状態のまま、保護外筒5の下端部寄り部位を内筒4とと
もに、図5左側中、2点鎖線で示すように半径方向から
絞り込むようにして加締めることにより、図1に示した
本例の酸素センサが得られる。
【0025】かくして得られたセンサは、シール材12
が閉塞部材13,14にて閉塞された状態で圧縮されて
おり、しかもそのシール材12を含む部位を所定時間、
所定温度に加熱されている。このように、本例のシール
材12はこの製造過程で熱変形してリード線15の絶縁
用の被覆膜(PTFE)の外周面に強く押し付けられて
密着しており、その界面のシールを確保している。因み
に、下部閉塞部材13と内筒4との接合面のシール(防
水)は、パッキング23により確保されており、素子6
の内側の基準ガスは、リード線15の芯線の隙間を通っ
て内外に流通するように設定されている。
【0026】このように、本例では、シール材12が上
下の閉塞部材13,14によって閉塞されているので圧
縮されても外方にはみ出さない。したがって、その分、
圧縮力がリード線15の外周面に効率よく加わるので、
確実性の高い気(液)密性をもつリード線シール構造を
得ることができる。しかも、シール材12は圧縮の際に
加熱されているために、クリープにより変形が容易とさ
れている。したがって、比較的小さい圧力でもって高性
能のリード線シール構造を得ることができる。また、た
とえシール材12が一部溶融しても、閉塞部材13,1
4によって閉塞されているので外部に流出することはほ
とんどない。なお本例では、閉塞部材13,14の貫通
孔17,24とリード線15とは隙間嵌めとしたが、組
立て上(リード線を貫通させる際)の支障のない限りな
るべく締まり嵌め状態にして貫通させておくとよい。こ
のようにすれば、より高いシールが得られると共に、溶
融したシール材の流出が効果的に防止されるからであ
る。
【0027】上記実施例ではシール材12はPFA製と
しが、本発明においてはこのものや、PTFE或いはF
EPのようにシール材使用温度でも変形したりガスの発
生を生じない耐熱性、すなわち高い連続最高使用温度を
有する材質とするのが好ましい。とくに、不燃性、或い
は、低温でも割れが生じない特性、耐化学薬品性、絶縁
性等の電気的特性を備えているものがセンサの性能上や
耐久性の点から好ましい。シール材使用温度、閉塞部材
の材質ないしその融点(耐熱性)などに応じて選択すれ
ばよい。なお、本発明におけるシール材の形状は、上記
実施例のものに限定されるものではない。
【0028】図6は、シール材及び閉塞部材の形状につ
いての別の実施例である。ただし、このものは、前例に
対して、シール材32の上部外側面32aを先細り状の
テーパーとし、かつ上部閉塞部材34の内側をちょうど
そのシール材32が略隙間なく嵌合するように形成した
点のみ相違するだけである。したがって、同一部位には
同一の符号を付して説明を省略するが、このものにおい
ては、上下の閉塞部材34,13でシール材32を圧縮
する際、テーパーをなす上部外側面32aの部位がシー
ル材32の半径中心方向に積極的に押付けられるので、
シール材32はリード線15により効率よく密着する。
したがって、シール材を圧縮することによってのみシー
ルを保持する場合には特に好適である。
【0029】本発明において、シール材を圧縮下で加熱
する場合、その温度は閉塞部材の融点以下で、好ましく
は前例のようにシール材の融点以下その近傍の温度、つ
まりシール材の表面が溶融し始める程度以下の温度であ
る。ただし、シール材を圧縮下で加熱する場合、閉塞部
材の融点未満で、シール材の融点以上に加熱して溶融す
ることによってリード線の外周面に密着させることによ
り、リード線の外周面とシール材との界面のシールを保
持することもできる。このようにしても、シール材は閉
塞されているため、外部にほとんど流出せず、しかも圧
縮されているので、シール不良の低減ないし製品の歩留
まりの向上を図ることができる。なお、リード線と閉塞
部材との界面には間隙ができないよう、締まり嵌め状と
するのが好ましい。
【0030】なお、シール材の圧縮力は、上記実施例で
は100kgf/cm2 としたが、これは要求されるシ
ール性(耐圧性)及びシール材や閉塞部材の材質或い
は、製造過程における加熱の有無、或いは、加熱温度や
加熱時間を考慮して、適宜に設定すればよい。因みに、
加熱するとき、その温度を低くめに設定する場合には、
圧縮力を大きく、及び/又は加熱時間を長くするとよ
い。逆に、加熱温度を高めに設定する場合には、圧縮力
を小さく、及び/又は加熱時間を短めとすることができ
る。なお、シール材を、PFA、PTFE、又はFEP
とする場合、リード線の被覆膜は高融点のPTFEとす
るとよい。被覆膜を溶融させないためである。ただし、
本発明においてシール材を貫通する部位のリード線は、
必ずしも被覆膜は要せず、絶縁が確保される状態にあれ
ば裸線であってもよい。すなわち、シール材はリード線
の外周面の被覆膜に密着させることなく、リード線自体
の外周面に密着させてもよい。
【0031】上記において閉塞部材は、下部閉塞部材1
3がセラミック(アルミナ)製で上部閉塞部材14がP
TFE製としたが、これに限定されるものではない。上
部閉塞部材がセラミック製で下部閉塞部材がPTFE製
でもよく、また、両方ともこのいずれかで形成してもよ
い。センサの使用最高温度に絶え得る材質であり、しか
も、シール材より変形しにくい材質などから適宜選択し
て使用することができる。ただし、シール材を圧縮と共
に加熱する場合には、シール材より融点が高いものとす
る。なお、下部閉塞部材及び上部閉塞部材ともにセラミ
ック製とした場合には、その強度ないし剛性により、シ
ール材の圧縮力を著しく大きいものとすることができる
ので、シール材を加熱することなく常温(冷間)で圧
縮、変形させてリード線の外周面に密着させる場合に好
適とされる。さらに、こうしたセラミックを用いる場合
には、シール材を常温で圧縮、変形させ、内部に応力を
残留させた下で、ヒートガンによりシール材を含む部位
を加熱してクリープにより熱変形させ、リード線の外周
面に密着させることもできる。
【0032】
【0033】なお、シール材とリード線との密着性を向
上させるため、リード線の被覆膜の表面に微細な凹凸を
形成したり、例えばPFA、FEP等のシール材のディ
スバージョンのような表面活性処理を施しておいてもよ
い。また、上記においては、リード線が4本の酸素セン
サにおいて具体化したが、その本数に限定されるもので
はないし、酸素センサ以外の高温雰囲気下で使用される
センサ(触媒温度検出用の温度センサなど自動車の排気
系に装着される各種のセンサ)においても具体化でき
る。なお、本発明は、上記実施例に限定されるものでは
なく、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、各種の態様で
具体化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリード線シール構造を具体化した
センサの部分破断正面図及びその要部を示す拡大断面
図。
【図2】図1に使用したシール材及び閉塞部材を説明す
る分解斜視図及びそのセット状態を説明する縦断正面
図。
【図3】図2におけるA−A線断面図。
【図4】閉塞部材によってシール材を挟んで閉塞状に保
持してリード線を貫通させて保護外筒を組付ける状態を
説明する縦断面図。
【図5】図4に示したものをセンサの内筒に組付け、シ
ール材を圧縮する状態を説明する縦断正面図。
【図6】リード線シール構造の別の実施例のシール材を
圧縮する状態を説明する縦断正面図。
【符号の説明】
1 センサ 12,32 シール材 15 リード線 13,14,34 閉塞部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 康弘 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特 殊陶業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−164728(JP,A) 特開 平4−285849(JP,A) 実開 平2−140353(JP,U) 実開 昭60−21963(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/409 G01N 27/12 G01N 27/41 G01N 27/419

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シール材を貫通するリード線の外周面に
    該シール材が圧縮変形されて密着されることによって前
    記リード線の外周面と該シール材との界面のシールが保
    持されてなるセンサのリード線シール構造において、 前記シール材が、その上下及び側部を、下部閉塞部材と
    上部閉塞部材との間において外方にはみ出したり逃げた
    りできないように閉塞状に配置され、その2つの閉塞部
    材の間において上下方向に圧縮されてなることを特徴と
    するセンサのリード線シール構造。
  2. 【請求項2】 前記閉塞部材が、前記シール材の融点よ
    り高い融点をもつ材質からなることを特徴とする請求項
    1記載のセンサのリード線シール構造。
  3. 【請求項3】 前記シール材が、フッ素樹脂からなるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載のセンサのリード線
    シール構造。
  4. 【請求項4】 シール材を貫通するリード線の外周面に
    該シール材が密着されることによって前記リード線の外
    周面と該シール材との界面のシールが保持されてなるセ
    ンサのリード線シール構造の製造方法において、前記シ
    ール材を圧縮可能に、該シール材の上下及び側部を下部
    閉塞部材と上部閉塞部材との間において外方にはみ出し
    たり逃げたりできないように閉塞状に配置しておき、そ
    の下で、前記シール材を前記2つの閉塞部材の間におい
    て上下に圧縮することによって前記リード線の外周面に
    前記シール材を密着させて前記リード線の外周面と前記
    シール材との界面のシールを保持するようにしたことを
    特徴とするセンサのリード線シール構造の製造方法。
  5. 【請求項5】 シール材を貫通するリード線の外周面に
    該シール材が密着されることによって前記リード線の外
    周面と該シール材との界面のシールが保持されてなるセ
    ンサのリード線シール構造の製造方法において、前記シ
    ール材を圧縮可能に、該シール材の上下及び側部を、該
    シール材の融点より高い融点をもつ材質からなる下部閉
    塞部材と上部閉塞部材との間において外方にはみ出した
    り逃げたりできないように閉塞状に配置しておき、その
    下で、前記シール材を前記2つの閉塞部材の間において
    上下に圧縮しかつ該シール材の融点を超えない温度に加
    熱することによって前記リード線の外周面に前記シール
    材を密着させて前記リード線の外周面と前記シール材と
    の界面のシールを保持するようにしたことを特徴とする
    センサのリード線シール構造の製造方法。
  6. 【請求項6】 シール材を貫通するリード線の外周面に
    該シール材が密着されることによって前記リード線の外
    周面と該シール材との界面のシールが保持されてなるセ
    ンサのリード線シール構造の製造方法において、前記シ
    ール材を圧縮可能に、該シール材の上下及び側部を、該
    シール材の融点より高い融点をもつ材質からなる下部閉
    塞部材と上部閉塞部材との間において外方にはみ出した
    り逃げたりできないように閉塞状に配置しておき、その
    下で、前記シール材を前記2つの閉塞部材の間において
    上下に圧縮しかつ該シール材の融点以上で前記閉塞部材
    の融点より低い温度に加熱して該シール材を溶融し、こ
    の溶融されたシール材を前記リード線の外周面に密着さ
    せて前記リード線の外周面と前記シール材との界面のシ
    ールを保持するようにしたことを特徴とするセンサのリ
    ード線シール構造の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記シール材が、フッ素樹脂からなるこ
    とを特徴とする請求項4、5又は6記載のセンサのリー
    ド線シール構造の製造方法。
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