JP2003222606A - ガスセンサ - Google Patents
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Abstract
ールを金属パッキンのみで実現したガスセンサを提供す
ること。 【解決手段】 素子側絶縁碍子3と,環状の金属パッキ
ン11を介して気密的に挿通される筒状のハウジング1
0とを有し,ハウジング10の内側面は受け面103を
有し,素子側絶縁碍子3は,小径部と径大に構成された
大径部となり,小径部側面から径方向外側に延びるテー
パー面33を有し,上記受け面103は,金属パッキン
11を介して上記テーパー面33を支承し,上記テーパ
ー面33と上記金属パッキン11とは,テーパー面33
の外周端部において当接し,両者の当接形状は線接触で
ある。
Description
特定ガス濃度等を測定するガスセンサに関する。
置し,排気ガス中で酸素濃度やNOx濃度等を測定し
て,エンジンの燃焼制御に利用することがある。このガ
スセンサは,例えば,ガスセンサ素子と該ガスセンサ素
子を気密的に挿通する筒状の素子側絶縁碍子と,該素子
側絶縁碍子を環状の金属パッキンを介して気密的に挿通
する筒状のハウジング等より構成する。
端を覆うように被測定ガス側カバーを設ける。被測定ガ
ス側カバーの内部は被測定ガス側雰囲気である。ハウジ
ングの基端側に大気側カバーを設ける。大気側カバーの
内部は大気側雰囲気である。上記ガスセンサ素子と上記
素子側絶縁碍子,上記素子側絶縁碍子と上記ハウジング
は互いに気密的に当接する。
する被測定ガス側電極と基準ガスとなる大気と接する基
準電極とを有し,両者間に生じるイオン電流や電位差を
基に被測定ガス中の特定ガス濃度を測定する。よって,
ガスセンサ素子の被測定ガス側電極を被測定ガス側雰囲
気に,基準電極を大気側雰囲気に曝すが,大気側雰囲気
と被測定ガス側雰囲気との間の気密シール性が不充分で
あると正確な特定ガス濃度の測定が難しくなる。大気側
雰囲気と被測定ガス側雰囲気の境目となる個所はガスセ
ンサ内にいくつかあるが,その中のひとつが素子側絶縁
碍子とハウジングとの間にある。
すごとく,素子側絶縁碍子3とハウジング10との間の
気密性は,素子側絶縁碍子3のテーパー面33と該テー
パー面33を受けるハウジング10の受け面103と両
者間に配置する環状の金属パッキン11とが担ってい
た。金属パッキン11は受け面103及びテーパー面3
3に対してほぼ全面当接し,金属パッキン11の下面1
12−受け面103間,金属パッキン11の上面111
−テーパー面33間は面接触の状態にあった。
ー面33が金属パッキン11に対して当接する当接面の
形状のばらつきが大きく,テーパー面33と金属パッキ
ン11との間で気密不良の生じることが多かった。その
ため,金属パッキン11に粉末シール材等の別のシール
材を併用して,被測定ガス側雰囲気と大気側雰囲気との
気密分離を実現することが多かった。
されたもので,素子側絶縁碍子とハウジングとの間の気
密シール性を金属パッキンのみで実現したガスセンサを
提供しようとするものである。
と該板状ガスセンサ素子が気密的に挿通される筒状の素
子側絶縁碍子と,該素子側絶縁碍子が環状の金属パッキ
ンを介して気密的に挿通される筒状のハウジングとを有
し,上記ハウジングの内側面は,金属パッキンを介して
上記素子側絶縁碍子を支承し,ガスセンサ軸方向と交差
する環状平面からなる受け面を有し,上記素子側絶縁碍
子は,小径部と該小径部より径大に構成された大径部と
なり,かつ上記素子側絶縁碍子の外側面は,ガスセンサ
軸方向に立ち上がる小径部側面と,該小径部側面から径
方向外側に延びるテーパー面と,該テーパー面から再び
ガスセンサ軸方向に立ち上がる大径部側面とを有し,上
記受け面は,金属パッキンを介して上記テーパー面を支
承し,上記テーパー面と上記金属パッキンとは,上記テ
ーパー面の外周端部において当接し,両者の当接形状は
線接触であることを特徴とするガスセンサにある(請求
項1)。
状ガスセンサ素子が気密的に挿通される筒状の素子側絶
縁碍子と,該素子側絶縁碍子が環状の金属パッキンを介
して気密的に挿通される筒状のハウジングとを有し,上
記ハウジングの内側面は,金属パッキンを介して上記素
子側絶縁碍子を支承し,ガスセンサ軸方向と交差する環
状平面からなる受け面を有し,上記素子側絶縁碍子は,
小径部と該小径部より径大に構成された大径部となり,
かつ上記素子側絶縁碍子の外側面は,ガスセンサ軸方向
に立ち上がる小径部側面と,該小径部側面から径方向外
側に延びるテーパー面と,該テーパー面から再びガスセ
ンサ軸方向に立ち上がる大径部側面とを有し,上記受け
面は,金属パッキンを介して上記テーパー面を支承し,
上記テーパー面と上記金属パッキンとは,上記テーパー
面の内周端部において当接し,両者の当接形状は線接触
であることを特徴とするガスセンサにある(請求項
5)。
状ガスセンサ素子が気密的に挿通される筒状の素子側絶
縁碍子と,該素子側絶縁碍子が環状の金属パッキンを介
して気密的に挿通される筒状のハウジングとを有し,上
記ハウジングの内側面は,金属パッキンを介して上記素
子側絶縁碍子を支承し,ガスセンサ軸方向と交差する環
状平面からなる受け面を有し,上記素子側絶縁碍子は,
小径部と該小径部より径大に構成された大径部となり,
かつ上記素子側絶縁碍子の外側面は,ガスセンサ軸方向
に立ち上がる小径部側面と,該小径部側面から径方向外
側に延びるテーパー面と,該テーパー面から再びガスセ
ンサ軸方向に立ち上がる大径部側面とを有し,上記受け
面は,金属パッキンを介して上記テーパー面を支承し,
上記テーパー面と上記金属パッキンとは,上記テーパー
面の外周端部において当接し,両者の当接形状は線接触
であり,上記テーパー面の開き角をα,上記受け面の開
き角をβとすると,α>β及びα−βは0より大きく,
40°以下であることを特徴とするガスセンサにある
(請求項8)。
説明する。テーパー面の外周端部や内周端部は,テーパ
ー面の他の部分と比較して真円に近い形状である(後述
する図5,図13参照)。そのため金属パッキンと外周
端部や内周端部とが当接する場合,両者間の接触状態は
気密シール性が高く,安定した線接触状態となる。
ハウジングとの間の気密シールを金属パッキンのみで実
現したガスセンサを提供することができる。
側絶縁碍子は小径部と大径部とを備えた円筒形状で,セ
ラミック等よりなる。小径部と大径部との間は段状に構
成され,この段状となった部分にテーパー面がある(図
2等参照)。小径部からテーパー面へと切り替わるコー
ナー部を曲面に構成することができる。また,テーパー
面から大径部へと切り替わるコーナー部を面取りして斜
面状とすることもできる(図4等参照)。
センサにおける中心軸と平行方向であり,上記テーパー
面は,上記ガスセンサの中心軸と垂直に交わる方向に広
がる環状平面として構成することができる。また,上記
テーパー面は,適当な角度で上記ガスセンサの中心軸と
交わる方向に広がる環状平面として構成することもでき
る。前者の場合,後述するテーパー面の開き角が180
°となる。
部はテーパー面から再びガスセンサ軸方向に立ち上がる
大径部側面との境界となるコーナー部である。このコー
ナー部が上述したように面取りされている場合は,より
内側の端部を指す。また,内周端部とは,小径部側面と
テーパー面との境界となるコーナー部で,このコーナー
部が上述したように曲面である場合は,曲面の終了す
る,より外周側を採用する。詳細は後述する実施形態例
1の図4等に記載した。
ンサ素子を挿通する穴を設けた環状板で,断面形状はハ
字状等となる。金属パッキンの上面は素子側絶縁碍子の
テーパー面に,下面は受け面に当接する。上面と下面は
平行に構成することもできるが,非平行に構成すること
もある。
で,内側面に素子側絶縁碍子を支持するための受け面を
有する。上記受け面は径方向内側に突出する段部等から
構成する。
スセンサ素子とは,被測定ガスに接する被測定ガス側電
極と基準ガスとなる大気と接する基準電極とを有し,両
者間に生じるイオン電流や電位差を基に被測定ガス中の
特定ガス濃度を測定する素子である。板状の固体電解質
体や絶縁板等を積層して構成され,ヒータを一体的に設
けることもある。また,この板状ガスセンサ素子は例え
ば被測定ガス中の酸素濃度,NOx濃度,CO濃度,H
C濃度等を測定する。また,複数のガス濃度を測定する
こともできる。また,第1〜第3の発明にかかるガスセ
ンサは,車両の内燃機関の排気系に設置して内燃機関の
燃焼制御に使用することができる。
は,該開き角を上述のように構成することで,素子側絶
縁碍子の外周端部が確実に金属パッキンに当接すること
となり,安定した線接触状態を維持して,高い気密性を
確保することができる。α−βが40°を越えた場合
は,金属パッキンに素子側絶縁碍子が必要以上に食い込
み金属パッキンの破断が生じるおそれがある。
角βは144〜157°であることが好ましい。開き角
βが157°より大きい場合は金属パッキンの変形を誘
発し,接触状態が面接触となって,気密シール性が低下
するおそれがある。144°未満である場合は,ハウジ
ング面に対する垂直分力が低下し,ハウジングに対して
金属パッキンを押し付ける力がかかりにくくなり,ロス
が大となるおそれがある。
面積が狭くなりやすく(特に金属パッキンの内周側に隙
間が発生する等して),気密シール可能な径方向の幅が
狭くなり,被測定ガスによる腐食で気密シール性が低下
しやすくなるおそれがある。また,金属パッキンの下面
に加わる圧力,つまり面圧が上昇し,金属パッキンにク
リープが発生するおそれがある。また,より好ましい角
度は145〜155°であり,更に好ましくは149〜
151°である。
面と,上記受け面とは非平行であることが好ましい(請
求項2)。これにより,素子側絶縁碍子の外周端部が確
実に金属パッキンに当接することになり,安定した線接
触状態を確保して,高い気密シール性を得ることができ
る。
上記テーパー面の開き角をα,上記受け面の開き角をβ
とすると,α>β及びα−β=5〜20°であることが
好ましい(請求項3)。
く,ガスセンサの中心軸を通る断面で,テーパー面をガ
スセンサ中心軸の方向へ延長した場合,一方の側からの
延長面とこれと反対側からの延長面とが形成する角度
で,ガスセンサの基端側に開いた部分を開き角とする。
受け面の開き角の定義も同様である。
示すように径方向外側から内側に向かって,ガスセンサ
先端側(図面下方がガスセンサの先端側となる)に傾斜
する。開き角を上述のように構成することで,安定した
線接触状態を得て,高い気密性を確保することができ
る。
面接触に近くなり気密シール性が低下するおそれがあ
る。20°を越えた場合は,金属パッキンに対する垂直
分力が低下して,ハウジングに対して金属パッキンを押
し付ける力がかかりにくくなり,気密シール性が低下す
るおそれがある。
上記テーパー面の開き角をα,上記受け面の開き角をβ
とすると,α>β及びα−βは0より大きく,40°以
下であることが好ましい(請求項4)。開き角を上述の
ように構成することで,安定した線接触状態を得て,高
い気密性を確保することができる。また,α−βが40
°を越えた場合は,金属パッキンに素子側絶縁碍子が必
要以上に食い込み金属パッキンの破断が生じるおそれが
ある。また,内傾きは,後述する図9に示すように径方
向内側から外側に向かって,ガスセンサ先端側(図面下
方がガスセンサの先端側となる)傾斜する状態を示す。
57°であることが好ましい。開き角βが157°より
大きい場合は金属パッキンの変形を誘発し,接触状態が
面接触となって,気密シール性が低下するおそれがあ
る。144°未満である場合は,ハウジング面に対する
垂直分力が低下し,ハウジングに対して金属パッキンを
押し付ける力がかかりにくくなり,ロスが大となるおそ
れがある。
面積が狭くなりやすく(特に金属パッキンの内周側に隙
間が発生する等して),気密シール可能な径方向の幅が
狭くなり,被測定ガスによる腐食で気密シール性が低下
しやすくなるおそれがある。また,金属パッキンの下面
に加わる圧力,つまり面圧が上昇し,金属パッキンにク
リープが発生するおそれがある。そしてより好ましい角
度は145〜155°で,更に好ましくは149〜15
1°である。
面と,上記受け面とは非平行であることが好ましい(請
求項6)。これにより,素子側絶縁碍子の内周端部が確
実に金属パッキンに当接することになり,安定した線接
触状態を確保して,高い気密性を得ることができる。
上記テーパー面の開き角をα,上記受け面の開き角をβ
とすると,α<β及びβ−αは5°より大きく,20°
以下であることが好ましい(請求項7)。開き角を上述
のように構成することで,安定した線接触状態となり,
高い気密性を得ることができる。
面接触に近くなり,気密シール性が低下するおそれがあ
る。20°を越えた場合は,金属パッキンに対する垂直
分力が低下し,ハウジングに対して金属パッキンを押し
付ける力がかかりにくくなり,気密シール性が低下する
おそれがある。なお受け面の開き角の好ましい値は上述
と同様に144〜157°であり,より好ましい角度は
145〜155°,更に好ましくは149〜151°で
ある。
接触において接触幅は10〜100μmであることが好
ましい(請求項9)。これにより,安定した線接触状態
を得て,高い気密性を確保することができる。接触幅が
10μm未満である場合は,テーパー面と金属パッキン
との間の安定接触が困難となり,100μmより広い場
合は,面接触の場合と同様,真円度の安定しない場所で
テーパー面と金属パッキンとの接触が生じ,気密シール
性が低下するおそれがある。
面と上記金属パッキンとの接触形状は環であり,環の9
8%以上が連続していることが好ましい(請求項1
0)。テーパー面と金属パッキンはテーパー面の全周,
金属パッキンの全周に渡って両者が当接していることが
もっとも望ましいが,少なくとも周方向に98%以上当
接すれば実質的な気密シール性を得ることができる。9
8%未満である場合は,気密シール性が低下し,気密漏
れが生じるおそれがある。
は50〜200Hvであることが好ましい(請求項1
1)。これにより,金属パッキンが素子側絶縁碍子とハ
ウジングとの間で適度に変形して,高い気密シール性を
得ることができる。
凹凸が存在する場合は,この凹凸を埋めるように変形す
ることができるため,金属パッキンとハウジング受け面
との間に生じる微小隙間を埋めて気密シール性の向上を
図ることができる。
ッキンが柔らかすぎ,テーパー面と金属パッキンとの間
の安定的な線接触が困難となるおそれがある。硬度が2
00Hvより大きい場合,硬すぎるために金属パッキン
とハウジングとの間に生じる微小隙間を,金属パッキン
の変形によって埋めることが難しくなり,気密シール性
が低下するおそれがある。
金,純ニッケル,ステンレス等の耐腐食性材料,ステン
レスに対しニッケルまたは銅のメッキを施したメッキ材
料より構成することができる。また,上記金属パッキン
は厚さ0.1ミリ以上とすることが好ましい。これによ
り安定的な線接触状態を確保して,高い気密性を確保す
ることができる。
部または内周端部の形状は環であり,該外周端部または
内周端部の真円度={(環の最大径−環の最小径)/
2}は0.1以下であることが好ましい(請求項1
2)。これにより,金属パッキンと外周端部または内周
端部とが確実に安定して線接触することができるように
なり,金属パッキンと素子側絶縁碍子との間に高い気密
シール性を得ることができる。真円度が0.1より大き
い場合は,安定した線接触状態が確保できなくなるおそ
れがある。また,外周端部や内周端部が真円である場合
は,真円度は0となる。
て説明する。 (実施例1)本発明にかかるガスセンサについて,図1
〜図8を用いて説明する。本例のガスセンサ1は,図1
〜図4に示すごとく,板状ガスセンサ素子15と該板状
ガスセンサ素子15が気密的に挿通される筒状の素子側
絶縁碍子3と,該素子側絶縁碍子3が環状の金属パッキ
ン11を介して気密的に挿通される筒状のハウジング1
0とを有する。上記ハウジング10の内側面は,金属パ
ッキン11を介して上記素子側絶縁碍子3を支承し,ガ
スセンサ軸方向と交差する環状平面からなる受け面10
3を有する。
小径部31より径大に構成された大径部32となり,か
つ上記素子側絶縁碍子3の外側面は,ガスセンサ軸方向
に立ち上がる小径部側面310と,該小径部側面310
から径方向外側に延びるテーパー面33と,該テーパー
面33から再びガスセンサ軸方向に立ち上がる大径部側
面32とを有する。
スセンサ1の中心軸と平行な方向で,図1〜図4では図
面の縦方向に相当する。また,先端側とはガスセンサで
被測定ガス側カバーのあるほうで図1〜図4では図面下
方,基端側はその反対で図面上方である。
介して上記テーパー面33を支承し,上記テーパー面3
3と上記金属パッキン11とは,上記テーパー面33の
外周端部331において当接し,両者の当接形状は線接
触である。
センサ1は自動車エンジンの排気系に取付けて排気ガス
の酸素濃度から空燃比を検出し,エンジンの空燃比制御
に利用する。図1に示すごとく,ハウジング10の先端
側は外側カバー131,内側カバー132よりなる二重
構造の被測定ガス側カバー13がある。両カバー13
1,132は被測定ガスを導入するための被測定ガス導
入穴130を有し,ここから被測定ガスを導入して,内
側カバー132の内部に被測定ガス側雰囲気141を形
成する。
バー12がある。大気側カバー12の基端側の外周面に
撥水フィルタ122を介して外側カバー121を設け
る。大気側カバー12,外側カバー121は共に撥水フ
ィルタ122と対面する位置に大気導入穴120を有す
る。
径に,先端側はより大径であり,径の大きさが切り替わ
る部分に段部129がある。大気側カバー12内は上記
大気導入穴120から大気を導入して大気側雰囲気14
2となる。
は径方向内側に向かう二ヶ所の突出部101,102を
有する。基端側の突出部101での受け面103は素子
側絶縁碍子3のテーパー面33を支承する。両者の間に
は環状の金属パッキン11が介在し,該金属パッキン1
1は純度99%のニッケル材料より構成する。そして,
受け面103,金属パッキン11,テーパー面33が当
接する部分で,ガスセンサ1内の大気側雰囲気142と
被測定ガス側雰囲気141とが気密的に分離される。
大気側絶縁碍子22が配置され,該大気側絶縁碍子22
と大気側カバー12の段部129との間には皿バネ22
0がある。大気側絶縁碍子22の内部には4本のリード
部16が配置され,板状ガスセンサ素子15と電気的導
通が取れるように両者は接触する。なお,板状ガスセン
サ素子15は積層型の酸素濃度測定用のヒータ内蔵素子
で,センサ出力取出し用の電極を2つ,内蔵されたヒー
タ通電用の電極を2つ,合計4つの外部導出用の電極端
子を有する(図示略)。上記4本のリード部16はこれ
らの電極端子とそれぞれ導通するよう接触する。
子22の外部において,コネクタ部17を介してリード
線18と接続する。リード線18は大気側カバー12の
基端側に設けた弾性絶縁部材23を通じてガスセンサ1
外部へ通じる。
縁碍子3は円筒状のセラミックで,先端側は小径部3
1,基端側は小径部31より径大の大径部32である。
小径部31と大径部32との間に径方向外側に延びるテ
ーパー面33があり,小径部側面310とテーパー面3
3との間のコーナー部34は曲面状に,テーパー面33
と大径部側面320との間のコーナー部35は面取りさ
れて斜面状である。図3,図4に示すごとく,テーパー
面33と受け面103とは非平行である。
33と,上記受け面103とは非平行であり,テーパー
面33は外傾きに構成し,上記テーパー面33の開き角
をα,上記受け面103の開き角をβとすると,α>β
及びα−β=8°である。なお,開き角αはテーパー面
33をガスセンサ中心軸の方向へ延長した場合,一方の
側からの延長面Aとこれと反対側から延長した延長面B
とが形成する角度で,ガスセンサ1の基端側が開き角α
である。また,受け面103の開き角βも同様に延長面
Cと延長面Dとが形成する角度と定義する。
03と面接触する。また,金属パッキン11の上面11
1はテーパー面33の外周端部331と線接触する。ま
た,図2(b)に示すごとく,上記外周端部331はほ
ぼ真円である。真円度については後述する。
状ガスセンサ素子15が挿通され,素子側絶縁碍子3の
内側面との間はガラス材よりなるシール材219を充填
する。このシール材219のある部分でも大気側雰囲気
142と被測定ガス側雰囲気141とが気密的に分離さ
れる。
いて説明する。素子側絶縁碍子3に板状ガスセンサ素子
15を挿入し,シール材219でシールしながら両者を
固定する。次いで,素子側絶縁碍子3をハウジング10
に挿入するが,このとき受け面103とテーパー面33
との間に金属パッキン11を配置する。また,予めリー
ド線18と板状ガスセンサ素子15の電極端子に導通す
るよう接触したリード部16を配置した大気側絶縁碍子
22を皿バネ220と共に大気側カバー12に挿入す
る。
押圧しながら,大気側絶縁碍子22の先端側を素子側絶
縁碍子3の基端側と当接させる。上記段部129に加わ
る押圧力は間接的に素子側絶縁碍子3からテーパー面3
3,金属パッキン11,受け面103を押圧する。な
お,この三者に加わる押圧力は5.89kNである。そ
して,大気側カバー12の先端側をハウジング10の基
端側に差し込んで,両者の重なり合った部分を溶接す
る。その後,ハウジング10の先端側に被測定ガス側カ
バー13を溶接して組み立てる。
縁碍子3のテーパー面33に押しつける。これでハウジ
ング10の受け面103の形状に合わせて金属パッキン
11が変形して密着し,両者は面接触状態となる。反対
にテーパー面33と金属パッキン11は外周端部331
において接するため,両者は線接触状態となる。
周端部331の真円度を測定した。まず,素子側絶縁碍
子3を22個準備して,それぞれについて,マイクロメ
ーターで外周端部331(図2(b)参照)の最大径と
最小径とを測定し,ここから真円度を算出し,図5に記
載した。また,同様にテーパー面33の径方向の中央を
通る環の真円度を得て,図5に記載した。同図より知れ
るごとく,外周端部331の真円度のばらつきは小さ
く,テーパー面33の中央の真円度のばらつきは大きか
った。
ール性能を次の方法で測定した。測定しようとするガス
センサ1を図6に示す測定装置に組み込んで,大気側雰
囲気と被測定ガス側雰囲気との間に生じる気密漏れを測
定した。この測定装置はエア供給を制御するバルブ71
を設けた気密漏れ量測定器72とガスセンサ取付治具7
4と,両者を結ぶパイプに設けたバルブ73とよりな
る。
具74にガスセンサ1を取り付けて大気側雰囲気と被測
定ガス側雰囲気とを気密的に分離する。この状態でバル
ブ71,73を開放し,エアを取付治具74内のエアの
溜まり740に供給する。ガスセンサ1のハウジング1
0と取付治具74との間はゴムパッキンでシールする。
との間のシールが不十分であれば,両者間からエアが同
図の矢線に示すごとくリークする。よって,時間の経過
と共にエア溜まり740に圧力降下が生じる。この測定
装置を用いてエア溜まり740に所定量のエア(4気
圧)を供給し,10秒経過後にエア溜まり740の圧力
を測定した。この値から気密漏れ量(cm3)が分かっ
た。ただし,その他の個所からの気密漏れがないことを
予め予備試験で確認しておく。
開き角βは145°,149°,152°,155°,
159°,164°のものを準備した。いずれもテーパ
ー面の開き角αは160°とした。また,各開き角につ
いてガスセンサ1は20本づつ準備し,結果を図7に記
載した。同図に示すごとく,テーパー面の開き角αとの
差が5°を越えた場合に気密漏れ量が10cm3/mi
n以下となった。気密もれ量が10cm3/min以下
である場合は,ガスセンサの性能に殆ど影響がないこと
は予備試験で確認済みである。
ガスセンサ1でテーパー面33の外周端部331は,テ
ーパー面33の他の部分と比較して真円に近い形状であ
る(図5参照)。そのため金属パッキン11と外周端部
331とが当接する場合,両者間の接触状態は気密シー
ル性が高く,安定した線接触状態となる。
°,受け面103の開き角βは152°で,両者の差は
8°である。また,テーパー面33は外傾きで,該テー
パー面33と受け面103とは非平行である。よって,
安定した線接触状態となり,高い気密シール性を得るこ
とができる。
ウジングとの間の気密シール性を金属パッキンのみで実
現したガスセンサを得ることができる。
ガスセンサ19がある。このガスセンサ19は,筒状の
ハウジング10の内側面が段状に構成され,この段の一
箇所が金属パッキン11を介して素子側絶縁碍子3のテ
ーパー面を支承する受け面となる。素子側絶縁碍子3も
筒状で,内部はリング151,152によって,ガスセ
ンサ素子15が気密シールの状態で固定される。
ほぼ同様の構造で,素子側絶縁碍子3のテーパー面の外
周端部で金属パッキン11を線接触させることで上記と
同様の効果を得ることができる。
1と同様の構成であるが,テーパー面33が内傾きに構
成されている。図9,図10に示すごとく,本例のテー
パー面33は径方向内側から外側に向かって,ガスセン
サ先端側(図面下方がガスセンサの先端側となる)に傾
斜する。金属パッキン11の上面111は,テーパー面
33の外周端部331と線接触で当接する。また,テー
パー面33の開き角αは210°で,受け面の開き角β
は160°である。その他詳細は実施例1と同様であ
り,同様の作用効果を有する。
1と同様の構成であるが,テーパー面33の内周端部で
金属パッキンが当接する。図11,図12に示すごと
く,本例のテーパー面33は径方向外側から内側に向か
って,ガスセンサ先端側(図面下方がガスセンサの先端
側となる)に傾斜する。金属パッキン11の上面111
はテーパー面33の内周端部332と線接触の状態で当
接する。また,テーパー面33の開き角αは130°
で,受け面の開き角βは160°となり,テーパー面3
3と受け面103とは非平行である。また,本例の素子
側絶縁碍子3の形状は実施例1のものと同じである。
2個準備し,実施例1と同様に内周端部332の環の最
大径と最小径とを測定し,ここから真円度を算出し,図
13に記載した。また,同様にテーパー面33の径方向
の中央を通る環の真円度を得て,図13に記載した。
真円度のばらつきは小さく,テーパー面33の中央の真
円度のばらつきは大きかった。よって,金属パッキン1
1とテーパー面33の内周端部332は,テーパー面3
3の他の部分と比較して真円に近い形状であり,金属パ
ッキン11と内周端部332とが当接する場合,両者間
の接触状態は気密シール性が高く,安定した線接触状態
となる。その他詳細は実施例1と同様であり,同様の作
用効果を有する。
1と同様の構成で,テーパー面33の外周端部で金属パ
ッキン11が当接する。図14,図15に示すごとく,
本例のテーパー面33は径方向外側から内側に向かっ
て,ガスセンサ先端側(図面下方がガスセンサの先端側
となる)に傾斜する。金属パッキン11の上面111
は,テーパー面33の外周端部331と線接触で当接す
る。また,テーパー面33の開き角αは160°で,受
け面の開き角βは160°である。また,金属パッキン
11は上面111と下面112とが非平行である。その
他詳細は実施例1と同様であり,同様の作用効果を有す
る。
図。
け面の開き角を示す説明図。
ン,受け面の当接状態を示す説明図。
面の外周端部,中央の真円度を示す線図。
置の説明図。
示す線図。
断面説明図。
角及び受け面の開き角を示す説明図。
パッキン,受け面の当接状態を示す説明図。
受け面の開き角を示す説明図。
金属パッキンとが当接する,テーパー面,金属パッキ
ン,受け面の当接状態を示す説明図。
ー面の内周端部,中央の真円度を示す線図。
受け面の開き角を示す説明図。
ン,受け面の当接状態を示す説明図。
受け面の当接状態を示す説明図。
Claims (12)
- 【請求項1】 板状ガスセンサ素子と該板状ガスセンサ
素子が気密的に挿通される筒状の素子側絶縁碍子と,該
素子側絶縁碍子が環状の金属パッキンを介して気密的に
挿通される筒状のハウジングとを有し,上記ハウジング
の内側面は,金属パッキンを介して上記素子側絶縁碍子
を支承し,ガスセンサ軸方向と交差する環状平面からな
る受け面を有し,上記素子側絶縁碍子は,小径部と該小
径部より径大に構成された大径部となり,かつ上記素子
側絶縁碍子の外側面は,ガスセンサ軸方向に立ち上がる
小径部側面と,該小径部側面から径方向外側に延びるテ
ーパー面と,該テーパー面から再びガスセンサ軸方向に
立ち上がる大径部側面とを有し,上記受け面は,金属パ
ッキンを介して上記テーパー面を支承し,上記テーパー
面と上記金属パッキンとは,上記テーパー面の外周端部
において当接し,両者の当接形状は線接触であることを
特徴とするガスセンサ。 - 【請求項2】 請求項1において,上記テーパー面と,
上記受け面とは非平行であることを特徴とするガスセン
サ。 - 【請求項3】 請求項1または2において,上記テーパ
ー面は外傾きに構成し,上記テーパー面の開き角をα,
上記受け面の開き角をβとすると,α>β及びα−β=
5〜20°であることを特徴とするガスセンサ。 - 【請求項4】 請求項1または2において,上記テーパ
ー面は内傾きに構成し,上記テーパー面の開き角をα,
上記受け面の開き角をβとすると,α>β及びα−βは
0より大きく,40°以下であることを特徴とするガス
センサ。 - 【請求項5】 板状ガスセンサ素子と該板状ガスセンサ
素子が気密的に挿通される筒状の素子側絶縁碍子と,該
素子側絶縁碍子が環状の金属パッキンを介して気密的に
挿通される筒状のハウジングとを有し,上記ハウジング
の内側面は,金属パッキンを介して上記素子側絶縁碍子
を支承し,ガスセンサ軸方向と交差する環状平面からな
る受け面を有し,上記素子側絶縁碍子は,小径部と該小
径部より径大に構成された大径部となり,かつ上記素子
側絶縁碍子の外側面は,ガスセンサ軸方向に立ち上がる
小径部側面と,該小径部側面から径方向外側に延びるテ
ーパー面と,該テーパー面から再びガスセンサ軸方向に
立ち上がる大径部側面とを有し,上記受け面は,金属パ
ッキンを介して上記テーパー面を支承し,上記テーパー
面と上記金属パッキンとは,上記テーパー面の内周端部
において当接し,両者の当接形状は線接触であることを
特徴とするガスセンサ。 - 【請求項6】 請求項5において,上記テーパー面と,
上記受け面とは非平行であることを特徴とするガスセン
サ。 - 【請求項7】 請求項5または6において,上記テーパ
ー面は内傾きに構成し,上記テーパー面の開き角をα,
上記受け面の開き角をβとすると,α<β及びβ−αは
5°より大きく,20°以下であることを特徴とするガ
スセンサ。 - 【請求項8】 板状ガスセンサ素子と該板状ガスセンサ
素子が気密的に挿通される筒状の素子側絶縁碍子と,該
素子側絶縁碍子が環状の金属パッキンを介して気密的に
挿通される筒状のハウジングとを有し,上記ハウジング
の内側面は,金属パッキンを介して上記素子側絶縁碍子
を支承し,ガスセンサ軸方向と交差する環状平面からな
る受け面を有し,上記素子側絶縁碍子は,小径部と該小
径部より径大に構成された大径部となり,かつ上記素子
側絶縁碍子の外側面は,ガスセンサ軸方向に立ち上がる
小径部側面と,該小径部側面から径方向外側に延びるテ
ーパー面と,該テーパー面から再びガスセンサ軸方向に
立ち上がる大径部側面とを有し,上記受け面は,金属パ
ッキンを介して上記テーパー面を支承し,上記テーパー
面と上記金属パッキンとは,上記テーパー面の外周端部
において当接し,両者の当接形状は線接触であり,上記
テーパー面の開き角をα,上記受け面の開き角をβとす
ると,α>β及びα−βは0より大きく,40°以下で
あることを特徴とするガスセンサ。 - 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか一項において,
上記線接触において接触幅は10〜100μmであるこ
とを特徴とするガスセンサ。 - 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか一項におい
て,上記テーパー面と上記金属パッキンとの接触形状は
環であり,環の98%以上が連続していることを特徴と
するガスセンサ。 - 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか一項におい
て,上記金属パッキンのビッカース硬度は50〜200
Hvであることを特徴とするガスセンサ。 - 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか一項におい
て,上記金属パッキンと当接する外周端部または内周端
部の形状は環であり,該外周端部または内周端部の真円
度={(環の最大径−環の最小径)/2}は0.1以下
であることを特徴とするガスセンサ。
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