JP2001242128A - リード線封止構造、その製造方法及びリード線封止構造を用いたガスセンサ - Google Patents

リード線封止構造、その製造方法及びリード線封止構造を用いたガスセンサ

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JP2001242128A
JP2001242128A JP2000054934A JP2000054934A JP2001242128A JP 2001242128 A JP2001242128 A JP 2001242128A JP 2000054934 A JP2000054934 A JP 2000054934A JP 2000054934 A JP2000054934 A JP 2000054934A JP 2001242128 A JP2001242128 A JP 2001242128A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱樹脂製のグロメットを構成するにあた
り、熱収縮の際にグロメットと筒状部との間に隙間を生
ずることなく、さらに、グロメットの熱融着によって、
グロメットを筒状部に対して確実に封着してシール性を
確保できるリード線封止構造、その製造方法及びリード
線封止構造を用いたガスセンサを提供する。 【解決手段】 グロメット51は、筒状部18の開口部
18cと同心状に設けられ、リード線14が軸線方向に
挿通されるリード線挿通孔51aを有する本体部51A
と、本体部51Aと一体的に連結され、自身の内周面が
筒状部18の外周面に接する側方部51Bとを有する。
耐熱樹脂製のグロメット51の側方部51Bの内周面が
筒状部18の外周面に対して熱融着するので、グロメッ
ト51の熱収縮は筒状部18の外面側に生じることにな
る。その結果、熱収縮の際にグロメット51の側方部5
1Bの内周面と筒状部18の外周面との間に隙間が生じ
にくく、熱融着により安定したシール性を確保すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば各種ガスセ
ンサを始めとして、セラミックヒータ、グロープラグ等
のように、高温下で使用される応用電子機器に適用され
るリード線封止構造及びその製造方法に関する。また、
本発明は、例えば酸素センサ、HCセンサ、NOxセン
サ等のように、リード線が測定対象となるガス中の被検
出成分を検出するための検出素子に導通し、かつ上記リ
ード線封止構造を用いたガスセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より応用電子機器の一例として、例
えば自動車等の内燃機関から排出される排ガス中の酸素
濃度を検出する酸素センサが知られている。このような
酸素センサでは、ジルコニア(ZrO)等の固体電解
質や金属酸化物半導体により構成された検出素子(電気
素子)が用いられている。検出素子は開口部を有する金
属製の筒状部の内側に配置され、その出力は検出素子に
接続されたリード線により筒状部の外側に取り出され
る。また、リード線が引き出される筒状部の開口部内側
には、筒状部内へ水等が浸入することを阻止するために
ゴム製のグロメットがはめ込まれ、リード線はこのグロ
メットに形成されるリード線挿通孔を貫いて筒状部の外
側に延出されている。そして、グロメットの弾性力によ
りリード線と筒状部との間を封止(シール)していた。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】ここで、上記酸素センサは作動温度が30
0℃以上と高く、ヒータにより検出素子を強制加熱する
構造が一般に採用されている。その結果、ヒータによる
発熱にエンジンや排ガスからの熱も重なって筒状部の温
度が上昇し、筒状部からの熱伝導を受けてグロメットも
高温(例えば200℃前後)に晒される。そのため、ゴ
ム製のグロメットは高温下に長時間晒されると熱劣化を
起こすことがあり、シール性が低下してしまうおそれが
あった。
【0004】そこで、ゴム製に代わり、例えばフッ素系
樹脂等の耐熱性樹脂を用いてグロメットを構成すること
が考えられてきている。しかしながら、封止構造自体は
依然として、筒状部の開口部内側にグロメットを配置す
る従来からの方式を踏襲している。このため、グロメッ
トが高温状態から冷却される際に筒状部の開口部内側に
て熱収縮を起こし、グロメットの外周面と筒状部の開口
部内周面との間に隙間が生じて両面間のシール性が不充
分となることが懸念される。
【0005】本発明の第一の課題は、耐熱樹脂製のグロ
メットを構成するにあたり、熱収縮の際にグロメットと
筒状部との間に隙間を生ずることなく、さらに、グロメ
ットの熱融着によって、グロメットを筒状部に対して確
実に封着してシール性を確保できるリード線封止構造及
びそれを用いたガスセンサを提供することにある。ま
た、本発明の第二の課題は、耐熱樹脂製のグロメット成
形体を用いて、熱融着により上記のようなシール性を有
するリード線封止構造が容易に実現できる製造方法を提
供することにある。さらに、本発明の第三の課題は、筒
状部よりも大なる熱膨張率を有するグロメットを筒状部
に対して外側から密着させて、充分なシール性が得られ
るリード線封止構造及びそれを用いたガスセンサを提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】本発明者
らは、上記諸課題を解決すべく、グロメットの熱収縮が
筒状部の外面側に生じるよう、グロメットの少なくとも
一部を筒状部の外面側に配置することを着想し、以下に
述べるような本願各発明を完成させるに至ったのであ
る。
【0007】すなわち、上記第一の課題を解決するため
に第一番目の発明に係るリード線封止構造(以下、単に
封止構造ともいう)は、筒状部の端に形成された開口部
が耐熱樹脂製のグロメットにより封止され、かつリード
線が前記筒状部の内方側から前記グロメットを貫いて外
部に延出する構造を有するとともに、前記グロメット
が、前記開口部に対応して配置されるとともに、前記リ
ード線の挿通孔が形成された本体部と、該本体部に一体
化されるとともに、該開口部の縁を経て前記筒状部の外
周面側に回り込む形で配置される側方部とを有し、前記
側方部の内周面が前記筒状部の外周面に直接又は他部材
を介して間接的に熱融着されていることを特徴とする。
【0008】上記第一番目の発明に係るリード線封止構
造によれば、耐熱樹脂製のグロメットの側方部(側方部
の内周面)が筒状部の外周面に対して熱融着するので、
グロメットの熱収縮は筒状部の外周面側に向かって生じ
ることになる。その結果、熱収縮の際にグロメットの側
方部の内周面と筒状部の外周面との間に隙間が生じにく
く、この熱融着によって耐熱樹脂性のグロメットによる
安定したシール性を確保することができる。
【0009】なお、本明細書において「主体」とは、最
も重量含有率の高い成分を意味し、必ずしも「50重量
%以上を占める成分」を意味するものではない。また、
本明細書において「熱融着」には、「グロメットを加熱
・冷却により軟化・硬化させて筒状部外周面へ封着する
こと」を意味する場合と、「グロメットとリード線の外
被とを加熱・冷却により軟化・硬化させて両者を接合さ
せること」を意味する場合とがある。
【0010】本発明のグロメットを構成する耐熱性樹脂
は、軟化温度が200℃以上のものを使用することがで
きる。ここで軟化温度は、JIS K7206に準じて
測定されたビカット軟化温度を用いるものとする。
【0011】さらに本発明では、グロメットの側方部の
内周面と筒状部の外周面との間に補助層を形成すること
ができる。例えばグロメットを樹脂製とし筒状部を金属
製とする場合のように両者を異種の材質で構成するとき
には、両者が密着しにくいことがある。このようなとき
でも、補助層がグロメットの側方部の内周面の凹凸と筒
状部の外周面の凹凸との間に形成される微小な隙間を少
なくとも部分的に埋めるように入り込んでそのアンカー
効果により両者の馴染みを良くし、グロメットの側方部
の内周面と筒状部の外周面との融着強度を向上させてシ
ール性を向上させることができる。なお、補助層の形成
は、筒状部の外周面又は側方部の内周面への樹脂や金属
のコーティング、メッキ、溶射等による他、密着補助部
材を側方部の内周面と筒状部の外周面との間に介挿させ
てもよい。
【0012】この補助層は、テトラフルオロエチレン−
パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(パーフ
ルオロアルコキシアルカン;以下、PFAと略記する)
樹脂又はポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFE
と略記する)樹脂を主体として形成することができる。
補助層に使用されるこれらの樹脂は耐熱性に優れ、グロ
メットを構成する樹脂に匹敵する融点を有するので、例
えば上記酸素センサ使用時においても補助層は軟化せ
ず、グロメットの側方部の内周面と筒状部の外周面との
シール性を高温下においても長期にわたって維持でき
る。
【0013】なお、PFA樹脂はPTFE樹脂よりも融
解しやすく流動性もよいので、グロメットの側方部の内
周面の凹凸及び/又は筒状部の外周面の凹凸に入り込み
やすくアンカー効果が大きいと考えられる。PFA樹脂
は、化1に示す一般構造式を有する。ただし、(−O−
Rf)は(−O−CF)、(−O−C)等のア
ルキルエーテル基(パーフルオロアルコキシ基)であ
る。
【0014】
【化1】
【0015】さらに本発明では、筒状部の外周面のう
ち、少なくともグロメットの側方部の内周面にて覆われ
る部分に面荒らし処理を施すことができる。これによっ
て側方部の内周面が、筒状部の外周面に面荒らしによっ
て形成された粗面部の凹凸に食い込みやすくなり、その
アンカー効果により融着強度を向上させてシール性を向
上させることができる。また上記補助層が側方部の内周
面と筒状部の外周面との間に形成される場合には、補助
層が両面の凹凸に入り込みやすくなり、グロメットの側
方部の内周面と筒状部の外周面とのシール性がさらに強
固になる。なお、筒状部表面の面荒らし処理としては、
ショットブラストのほか、ねじ切り、ローレット、スプ
ライン、セレーション等も採用できる。
【0016】さらに本発明の筒状部の端部には、グロメ
ットの少なくとも側方部を外側から覆う形で保護カバー
が配置されていてもよい。側方部の外周面を覆う保護カ
バーにより外部からの衝撃による側方部の損傷が防止で
きるとともに、グロメットが高温下に晒された際の側方
部の径方向外側への熱膨張を保護カバーにより抑制する
ことで、グロメットの側方部と筒状部の外周面との間に
隙間が生じにくく、安定したシール性が確保される。
【0017】ここで、保護カバーには、少なくとも保護
カバーの内周面と側方部の外周面とを圧着するグロメッ
ト加締め部を形成することができる。グロメット加締め
部の形成により側方部の内周面と筒状部の外周面との間
のシール性がより一層安定し、かつこのシール性が長期
にわたって維持できる。
【0018】また、筒状部の軸線方向において開口部に
向かう側を後方側として、保護カバーの前端部が、グロ
メットの側方部の縁よりも前方側に位置し、前端部にお
いて保護カバーの内周面が筒状部の外周面に対し前方加
締め部によって圧着されることにより、グロメットの側
方部を保護する保護カバーの固定を確実なものとするこ
とができる。
【0019】さらに本発明のリード線は芯線と、その芯
線の外側を覆う外被とを有し、グロメットのリード線挿
通孔の内周面と外被の外周面とが直接又は他部材を介し
て間接的に熱融着させることができる。これによって、
グロメットの側方部を筒状部の外周面に対して熱融着さ
せてシール性を確保するときに、グロメットのリード線
挿通孔内面とリード線の外被の外周面との間のシール
性、すなわちリード線周りのシール性をも同時に確保す
ることが可能となる。つまり、1回の加熱・冷却操作で
グロメットの側方部の内周面と筒状部の外周面との間の
シール性確保と、グロメットのリード線挿通孔内面とリ
ード線の外被の外周面との間のシール性確保とが同時に
達成される。
【0020】なお、グロメットのリード線挿通孔の内周
面とリード線の外被の外周面との間に、例えばPFA樹
脂を主体とする封着樹脂層を介在させ、この封着樹脂層
をリード線挿通孔の内周面及びリード線の外被の外周面
に対し熱融着させることができる。このように構成すれ
ば、封着樹脂層がリード線挿通孔の内周面の凹凸に食い
込んでそのアンカー効果により、融着強度が向上してリ
ード線周りのシール性が強固となる。
【0021】そして、グロメットとリード線の外被とは
同材質の耐熱性樹脂(例えばPTFE樹脂を主体とする
耐熱性樹脂)で構成することができる。グロメット本体
部とリード線の外被とが同じ材質であれば、上記した軟
化が略同時に進行し、かつ両者は一体となった形態で熱
融着されるので、グロメット本体部のリード線挿通孔の
内周面とリード線の外被の外周面との間のシール性、す
なわちリード線周りのシール性は強固となる。
【0022】そして本発明にいう耐熱性樹脂として、フ
ッ素系樹脂又はポリイミド(以下、PIと略記する)樹
脂を主体とするものが好適に使用される。このような耐
熱樹脂製グロメットを所定温度(例えば軟化温度以上)
に加熱すれば、これらの樹脂にある程度の流動性(例え
ば、溶融粘度にて10〜10ポアズ程度)が付加さ
れて側方部の内周面の凹凸が筒状部の外周面の凹凸に食
い込みやすくなる。それより、アンカー効果が高められ
て、筒状部の外周面に対してグロメットの側方部の内周
面を隙間なく止め付ける(熱融着)ことができる。ま
た、グロメットを構成するこれらの樹脂は耐熱性にも優
れ、その融点は、例えば上記酸素センサ使用時における
グロメットの上昇温度よりも高いので、グロメットによ
る筒状部の開口部のシール性を高温下においても長期に
わたって維持できる。
【0023】なお、グロメットを構成する耐熱性樹脂と
して、次のようなフッ素系樹脂を例示できる。 ・ポリテトラフルオロエチレン(PTFE) ・テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニ
ルエーテル共重合体(パーフルオロアルコキシアルカ
ン;PFA) ・テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン
共重合体(FEP) ・ポリクロロ−トリフルオロエチレン(PCTFE) ・エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETF
E) ・クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(E
CTFE) ・ポリふっ化ビニリデン(ポリビニリデンフルオライ
ド;PVDF) ・ポリふっ化ビニル(ポリビニルフルオライド;PV
F)
【0024】これらの中でもPTFE樹脂は、「テフロ
ン」(デユポン社商標)等の商品名でも知られ、融点3
27℃、連続使用温度260℃以上と、フッ素系樹脂の
中でもとりわけ耐熱性に優れ、化学的に安定であるの
で、本発明のグロメットを構成する耐熱性樹脂として好
適に使用できる。
【0025】次に、上記第二の課題を解決するために第
二番目の発明に係るリード線封止構造の製造方法は、前
記グロメットの前記本体部となるべき本体成形部と、同
じく前記側方部となるべき側方成形部とが一体連結され
たグロメット成形体を前記耐熱性樹脂により形成し、該
グロメット成形体の前記本体成形部に前記リード線を挿
通する一方、前記側方成形部の内側に前記筒状部の前記
開口部側の端部を挿入して組立体を構成し、該組立体を
前記耐熱性樹脂の軟化温度以上に加熱し、その後冷却す
ることにより、前記側方成形部を前記筒状部の外周面に
熱融着させることを特徴とする。
【0026】上記第二番目の発明に係るリード線封止構
造の製造方法によれば、グロメットの本体部が筒状部の
開口部を少なくとも外側から塞ぐとともに、その側方部
が筒状部の外周面を覆うことによって、筒状部の開口部
を封止して、良好なシール性を有するリード線封止構造
が容易に得られる。なお、1回の加熱・冷却操作で、2
カ所の熱融着(すなわち、グロメットの側方部の筒状部
の外周面への熱融着と、グロメットの本体部とリード線
の外被との熱融着)が同時に完成できる場合がある。こ
の場合には、2カ所のシール性確保(すなわち、グロメ
ットの側方部の内周面と筒状部の外周面との間のシール
性確保と、グロメットの本体部のリード線挿通孔内周面
とリード線の外被の外周面との間のシール性確保)が同
時に達成されるので製造コストを低く抑えることができ
る。
【0027】そして、本発明方法は、グロメット成形体
の外側に、少なくとも側方成形部の外周面を覆う保護カ
バーを被せ、側方成形部を加熱により径方向に熱膨張さ
せ、その後冷却することにより、側方成形部を筒状部の
外周面に熱融着させることができる。側方成形部の径方
向の外方側と内方側への熱膨張によって、筒状部の外周
面と保護カバーの内周面との間が封着される。そして、
側方成形部の外方側への熱膨張は、保護カバーでせき止
められるため、冷却過程において反転して内方側に作用
(収縮作用)し、その結果、側方部の内周面と筒状部の
外周面とは隙間なく密着(熱融着)することができる。
【0028】さて、上記第三の課題を解決するために第
三番目の発明に係るリード線封止構造は、筒状部の端に
形成された開口部が、該筒状部よりも大なる熱膨張率を
有するグロメットにより封止され、かつリード線が前記
筒状部の内方側から前記グロメットを貫いて外部に延出
する構造を有するとともに、前記グロメットが、前記開
口部に対応して配置されるとともに、前記リード線の挿
通孔が形成された本体部と、該本体部に一体化されると
ともに、該開口部の縁を経て前記筒状部の外周面側に回
り込んでこれに接する側方部とを有することを特徴とす
る。
【0029】上記第三番目の発明に係るリード線封止構
造によれば、本体部と側方部とを有するグロメットを用
いて、筒状部の開口部を少なくとも外側から上記本体部
にて塞ぐとともに、筒状部の外周面を上記側方部にて覆
うことによって、開口部に対してグロメットをキャップ
状に被冠させている。これにより、筒状部の開口部はグ
ロメットの本体部と側方部とによって全体として包み込
まれるように封止されている。そして、グロメットは筒
状部よりも熱膨張率が大きい材質で構成されるため、熱
収縮の際に側方部の内周面が筒状部の外周面に対して外
側から充分に密着させて封止することができる。
【0030】そして、筒状部の端部にグロメットの少な
くとも側方部を外側から覆う形で保護カバーが配置さ
れ、保護カバーに形成された周方向のグロメット加締め
部において、グロメットの側方部が保護カバーと筒状部
との間で挟圧されることにより、これら保護カバーと筒
状部との間を封着することができる。グロメット加締め
部を形成することにより、グロメットが熱収縮する際の
側方部の内周面と筒状部の外周面との密着がさらに確実
になる。
【0031】また、上記第一及び第三の課題を解決する
ために第四番目の発明に係るガスセンサは、上記リード
線封止構造を有し、かつ前記リード線は測定対象となる
ガス中の被検出成分を検出するための検出素子に導通し
ていることを特徴とする。
【0032】上記第四番目の発明に係るガスセンサによ
れば、既に第一又は第三発明において述べた如く、グロ
メットの側方部の内周面と筒状部の外周面との間に隙間
が生じにくく、安定したシール性が確保できるリード線
封止構造を有している。とりわけガスセンサが自動車用
として使用される場合には、その取り付け場所が車両の
足回り部分に近い排気管等であるため、雨中走行時や洗
車時等に水滴を浴びることがあるが、上記リード線封止
構造を有することにより、筒状部内への水滴の浸入を防
止できる。したがって、検出素子は作動不良や作動不能
に陥ることなく機能することができ、検出素子からの電
気的出力が安定した状態で得られるようになる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に示す実施例を参照して説明する。図1には、この発明
のリード線封止構造を用いて構成された応用電子機器の
一実施例として、自動車等の内燃機関から排出される排
気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサ1を示してい
る。この酸素センサ1はλ型酸素センサと通称されるガ
スセンサの代表的なもので、検出素子2(電気素子)
が、筒状の主体金具3の内側に設けられた軸状の挿通孔
31内にて固定された構造を有している。そして、主体
金具3の外周面に形成された取付ねじ部3aにより、検
出素子2の先端側の検出部Dが排気管内に位置するよう
に取り付けられ、排気管内を流れる高温の排気ガスに晒
される。なお、主体金具3には、挿通孔31の軸線方向
においてその中間部に所定幅で、かつ外周面から突出す
る形態で六角断面形状の鍔部3dが形成されている。よ
って、この鍔部3dにレンチ等の工具を嵌合させ回転さ
せると、酸素センサ1はガスケット3bを介して取付ね
じ部3aにより排気管内の所定位置に取り付けられる。
【0034】検出素子2は方形状断面を有する長尺状の
もので、図2(a)に示すように、それぞれ横長板状に
形成された酸素濃淡電池素子20と、酸素濃淡電池素子
20を所定の活性化温度に加熱するセラミックヒータ2
2とが積層されたものとして構成されている。酸素濃淡
電池素子20は、酸素イオン伝導性を有する固体電解質
により構成された素子本体層21を有する。そのような
固体電解質としては、YないしCaOを固溶させ
たZrOが代表的なものであるが、それ以外のアルカ
リ土類金属ないし希土類金属の酸化物とZrOとの固
溶体を使用してもよい。また、ベースとなるZrO
はHfOが含有されていてもよい。
【0035】一方、セラミックヒータ(以下、単にヒー
タともいう)22は、高融点金属あるいは導電性セラミ
ックで構成された抵抗発熱体パターン23をセラミック
基体中に埋設した構成を有する。具体的には、ヒータ2
2は、第一絶縁層24と、抵抗発熱体パターン23と、
第一ヒータ本体層28及び第二ヒータ本体層29とを備
えた多層構造となっている。このうち、第一絶縁層24
は、絶縁性セラミックとしてのアルミナを主体とするア
ルミナ系セラミックにより、ヒータ22の板厚方向中間
位置に形成されている。また、抵抗発熱体パターン23
は、第一絶縁層24中に埋設される形でヒータ22の板
面方向に沿って形成されている。そして、第一ヒータ本
体層28及び第二ヒータ本体層29は、第一絶縁層24
を厚さ方向両側から挟む形で形成されるとともに、それ
ぞれジルコニアを主成分とする酸素イオン伝導性固体電
解質で構成されている。
【0036】酸素濃淡電池素子20には、その長手方向
における一方の端部(主体金具3の先端より突出する部
分)寄りにおいてその両面に、酸素分子解離能を有した
多孔質電極25,26が形成されている。そして、それ
ら電極25,26及びそれらの間に挟まれる固体電解質
部分とが検出部Dを形成することとなる。なお、以下の
記載において、検出素子2の軸方向(長手方向)におけ
る主体金具3から突出する側を「前方側(あるいは先端
側)」、これと反対側を「後方側(あるいは後端側)」
として説明を行う。
【0037】酸素濃淡電池素子20において、多孔質電
極25,26には、素子本体層21の長手方向に沿って
酸素センサ1の取付基端側(後端側)に向けて延びる電
極リード部25a,26aがそれぞれ一体に形成されて
いる。このうち、ヒータ22と対向しない側の電極25
からの電極リード部25aは、その末端が電極端子部7
として使用される。一方、ヒータ22に対向する側の電
極26の電極リード部26aは、図2(c)に示すよう
に、素子本体層21を厚さ方向に横切るビア26bによ
り反対側の素子面に形成された電極端子部7と接続され
ている。すなわち、酸素濃淡電池素子20は、両多孔質
電極25,26の電極端子部7が電極25側の板面末端
に並んで形成される形となっている。上記各電極25,
26、電極端子部7及びビア26bは、Pt又はPt合
金など、酸素分子解離反応の触媒活性を有した金属粉末
のペーストを用いてスクリーン印刷等によりパターン形
成し、これを焼成することにより得られるものである。
【0038】一方、ヒータ22の抵抗発熱体パターン2
3に通電するためのリード部23a,23aも、図2
(d)に示すように、ヒータ22の酸素濃淡電池素子2
0と対向しない側の板面末端に形成された電極端子部
7,7に、それぞれビア23bを介して接続されてい
る。
【0039】図2(b)に示すように、ヒータ22は、
第一ヒータ本体層28側において、アルミナ系セラミッ
クにより構成される第二絶縁層27を介して、酸素濃淡
電池素子20の多孔質電極26側に接合されている。そ
して、その接合側の多孔質電極26には、電極リード部
26aの一端が接続されるとともに、反対側の多孔質電
極25との間には、多孔質電極26側に酸素が汲み込ま
れる方向に微小なポンピング電流が印加される。ここ
で、電極リード部26aは接合された酸素濃淡電池素子
20とヒータ22との間に挟まれる形で、セラミック素
子2の内部に位置し、その末端面はセラミック素子2の
取付基端側の端面に露出して、ガス放出口を形成してい
る。そして、上記ポンピングされた酸素は電極リード部
26aを経てガス放出口から大気中に放出される。これ
により、多孔質電極26内の酸素濃度は大気よりも若干
高い値に保持され、酸素基準電極として機能することと
なる。一方、反対側の多孔質電極25は排気ガスと接触
する測定電極となる。
【0040】このような検出素子2が、図1に示すよう
に、主体金具3に形成された挿通孔31に挿通されると
ともに、挿通孔31の内面と検出素子2の外面との間
が、ガラス(例えば結晶化亜鉛シリカほう酸系ガラス)
を主体に構成される封着材層32により封着されてい
る。そして、検出素子2は、上記封着材層32等によ
り、先端の検出部Dが、排気管に固定される主体金具3
の先端より突出した状態で該主体金具3内に固定され
る。主体金具3の先端部3h外周には、検出素子2の突
出部分を覆う金属製の二重のプロテクトカバー6a、6
bがレーザー溶接等によって固着されている。このカバ
ー6a、6bは、キャップ状を呈するもので、その先端
や周囲に、排気管内を流れる高温の排気ガスをカバー6
a、6b内に導く開口6c、6dが形成されている。一
方、主体金具3の後端部はステンレススチール等の金属
製外筒18(筒状部)の前端部18A内側に挿入され、
その重なり部において周方向に環状に形成された結合部
としての溶接部(例えばレーザー溶接部)35により互
いに気密状態で接合されている。
【0041】検出素子2の各電極端子部7(4極を総称
する)には、第一コネクタA、導線8(長手状金属薄
板)、さらに第二コネクタ部13を介して、リード線1
4が電気的に接続されている。そして、都合4本のリー
ド線14は、外筒18の後端に形成された開口部18c
に対してキャップ状に被冠されてこれを封止するグロメ
ット51を貫通して外筒18の外側に延び、それらの後
端に図示しないコネクタプラグが連結されている。さら
に各リード線14のグロメット51より外部に延びる部
分には、これらを収束して保護する保護チューブ17が
被せられている。
【0042】図3に、リード線封止構造50の一例を示
す。図3の実施例では、封止構造50は、グロメット5
1、補助層52及び保護カバー53等より構成される。
グロメット51は、本体部51Aと環状に形成された側
方部51B(以下、環状部51Bという)とを有し、全
体としてキャップ状を呈する。グロメット51の本体部
51Aは、リード線14が挿通されるリード線挿通孔5
1aを軸方向に貫通した形態で有し、外筒18の開口部
18cと同心状に設けられている。側方部51Bは、本
体部51Aと一体的に連結され、その内周面が外筒18
の後端部18C外周面に接している。一方、外筒18は
上記前端部18Aと、前端部18Aの後方に位置する中
間部18Bと、後端に開口部18cを有する後端部18
Cと、中間部18Bと後端部18Cとを連結する縮径部
18Dとを有し、全体として細長い筒状を呈する。後端
部18Cは、中間部18Bよりも小径に形成され、その
外周面がグロメット51の環状部51Bの内周面に接し
つつグロメット51の軸線方向に挿入されている。
【0043】そして、グロメット51の本体部51Aが
外筒18の開口部18cを少なくとも外側から塞ぐとと
もに、環状部51Bの内周面が外筒18の後端部18C
の外周面と接することによって、グロメット51が開口
部18cに対してキャップ状に被冠されて開口部18c
を封止している。
【0044】グロメット51の本体部51Aと環状部5
1Bとは、外筒18の後端部18Cの外側において一体
的に連結されており、かつ、PTFE樹脂を用いた加圧
成形によって一体構成されている。PTFE樹脂は、融
点327℃でフッ素系樹脂の中でも耐熱性が良好で、化
学的にも安定であるといった優れた物性を備えており、
加熱によりある程度の流動性を付加できる。
【0045】外筒18は、自身の後端部18C外周面が
グロメット51の環状部51Bの内周面と接しながら、
グロメット51と中心軸線同士が略一致する形態で挿入
されて、外筒18の後端部18C内周面の内側には広い
内部空間181(空間部)が形成されている。この内部
空間181には、検出素子2の各電極端子部7とリード
線14とを接続するために、既に述べた第一コネクタ
A、導線8、第二コネクタ部13等が収容され、これら
の組立用又は配置用のスペースとして利用される。な
お、組立時のグロメット51の環状部51Bの内径と外
筒18の後端部18Cの外径とのはめ合いが締まりばめ
で行われる場合に、外筒18の後端部18C外周面が環
状部51Bの内周面にスムーズに挿入されるように、外
筒18の外周面後端にその周方向に沿ってアール状(曲
面状)又はテーパ状(平面状)の面取り18eを設けて
いる。
【0046】そして、このように外筒18が挿入された
グロメット51を軟化温度以上に加熱すれば、PTFE
樹脂に流動性が付加されて環状部51Bの内周表面部分
の凹凸が外筒18の外周表面部分の凹凸に食い込みやす
くなり、アンカー効果が高められて、加熱後に冷却され
ることで外筒18に対してグロメット51の環状部51
Bを熱融着させることができる。そして、PTFE樹脂
(グロメット51)はステンレススチール(外筒18)
よりも熱膨張率が大きいので、グロメット51の環状部
51Bは、加熱後の冷却時の熱収縮の際外筒18との熱
膨張率の差により外筒18の外周面を隙間なく覆い、環
状部51Bの内周面と外筒18の外周面との接触部にお
いて、安定したシール性が確保される。さらに、グロメ
ット51をPTFE樹脂で構成しているので、その熱融
着によってグロメット51の環状部51B内周面と外筒
18の外周面との密着性が確保され、外筒18の開口部
18cを容易に封止することができる。なお熱収縮の際
グロメット51には、外筒18との熱膨張率の差に基づ
き外筒18の外周面を加圧するように、詳しくは外筒1
8の外周面を径方向内側に加圧するように作用する収縮
力(締付力)が発生する場合がある。この収縮力によっ
ても、環状部51Bの内周面と外筒18の外周面との接
触部において、一層安定したシール性が確保される。
【0047】次に図3(b)に示すように、リード線1
4は都合4本あり、それぞれのリード線14は、芯線1
4Aの外側をPTFE樹脂チューブ製の外被14Bで覆
った形態である。グロメット51の本体部51Aには、
各リード線14が個別に挿通される4個のリード線挿通
孔51aがそれぞれ軸方向に貫通し、かつリード線挿通
孔51aの軸直交断面において、各リード線14の中心
が単一のピッチ円P上に等間隔で配置されている。そし
て、リード線外被14Bはグロメット51と同材質のP
TFE樹脂で構成されている。
【0048】各リード線挿通孔51aの内面とこれに対
応するリード線14の外被14B外面とは熱融着されて
いる。グロメット本体部51Aとリード線外被14Bと
についてはがともにPTFE樹脂製なので、グロメット
51を所定温度(例えば軟化温度以上)に加熱した後冷
却すると、軟化が両者略同時に進行し、かつ両者は熱融
着され、グロメット本体部51Aのリード線挿通孔51
a内面とリード線14の外被14B外面との間のシール
性が強固となる。
【0049】外筒18の後端部18C外周面のうちグロ
メット51の環状部51Bの内周面に覆われる部分の表
面にショットブラストによる面荒らし処理を施し、粗面
部18d(面荒らし部)を形成している。これによって
環状部51Bの内周面が外筒18の外周面の粗面部18
dの凹凸に食い込みやすくなり、そのアンカー効果によ
り熱融着による融着強度を向上させている。
【0050】なお、上記アンカー効果を高めるためには
これらの面荒らし処理によって、外筒18の粗面部18
dの表面粗さが最大高さRで15μmR以上(基準
長さと評価長さとはいずれもJIS B0601−1994
の標準値を採用)とするのが好ましい。
【0051】外筒18の粗面部18dにはPFA樹脂の
補助層52がコーティングされている。この補助層52
は、環状部51B(樹脂製)と外筒18(金属製)とで
材質を異にするときでも、補助層52が環状部51Bの
内周面の凹凸と外筒18の粗面部18dの凹凸との間に
形成される微小な隙間を埋めるように入り込んで両者の
馴染みが良くなり、アンカー効果が発揮され、熱融着に
よる融着強度が向上する。このとき、PFA樹脂はPT
FE樹脂よりも軟化しやすく流動性もよいので、グロメ
ット51の環状部51Bの内周表面の凹凸及び外筒18
の外周表面の凹凸に入り込みやすくアンカー効果が大き
くなると予測される。
【0052】グロメット51の外側には、グロメット5
1の本体部51Aの後端面の一部と環状部51Bの外周
面とを覆い、全体としてキャップ状を呈する保護カバー
53が被せられている。そして、保護カバー53の後端
寄りには、保護カバー53の内周面と環状部51Bの外
周面とを圧着する、断面円環状のグロメット加締め部5
3aを保護カバー53の周方向に沿って全周にわたり連
続的に形成している。また、保護カバー53の前端部が
さらに前方に延びて外筒18の中間部18B外周面を覆
うとともに、グロメット加締め部53aの前方側におい
て、保護カバー53の内周面と外筒18の中間部18B
外周面とを圧着する、断面円環状の外筒加締め部53b
(前方加締め部)を保護カバー53の周方向に沿って全
周にわたり連続的に形成している。
【0053】グロメット51の環状部51Bの外周面と
外筒18の中間部18Bの外周面とを覆う保護カバー5
3を設けることにより、外部からの衝撃による環状部5
1Bの損傷が防止されるとともに、環状部51Bが高温
下に晒された際に径方向外側へ向かって熱膨張するのを
抑制している。そして、グロメット加締め部53aの形
成によりグロメット51の環状部51Bの内周面と外筒
18の後端部18Cの外周面との間のシール性が向上
し、かつこのシール性が長期にわたって維持できる。ま
た、外筒加締め部53bを形成することにより、保護カ
バー53の固定を確実なものにすることができる。
【0054】なお、グロメット加締め部53aと外筒加
締め部53bとはともに断面円環状に形成したが、断面
多角形状に形成してもよい。断面円環状の場合には、保
護カバー53と環状部51B又は外筒18との接触面が
円筒状面になるのでシール性(気密性)に優れており、
断面多角形状の場合には、保護カバー53と環状部51
B又は外筒18との接触面が角筒状面になるので接触面
でのズレ(相対回転)が生じにくい利点がある。したが
って、両者の長所を活かすため、グロメット加締め部5
3aと外筒加締め部53bとで断面円環状と断面多角形
状とを組み合わせて使用してもよい。また、両加締め部
53a,53bは周方向に沿って断続的に形成すること
もできるが、保護カバー53の固定を確実にするため、
全周にわたり形成するのが望ましい。
【0055】このような封止構造50は、例えば次のよ
うな製造工程によって形成することができる。<成形工
程>まず、グロメット51は、PTFE樹脂粉末Tの加
圧一体成形により形成される。図4(a)に示すよう
に、金型Mの中央部に形成された加圧室に下部パンチL
Pを挿入し、グロメット51を構成する樹脂として、P
TFE粉末Tを金型Mの加圧室に充填する。充填完了後
金型Mの加圧室に上部パンチUPを上方から挿入する。
このとき、台座Bに固定された4本のピンFPがPTF
E粉末Tの充填層を貫通し、この固定ピンFPは下部パ
ンチLP及び加圧室を経て上部パンチUPをも貫通して
いる。各々の固定ピンFPは、リード線14を挿通する
ためのリード線挿通孔51aに対応する形状を有してい
る。
【0056】そして上部パンチUPを加圧すると、図4
(b)に示すように、全体がPTFE樹脂で構成され、
キャップ状形態のグロメット成形体511が得られる。
このグロメット成形体511は、4個のリード線挿通孔
51aを有する本体成形部511Aと、その本体成形部
511Aと一体的に形成される環状成形部511B(側
方成形部)とから構成されている。
【0057】<外筒挿入工程>次いで、図5(a)に示
すように、グロメット成形体511の環状成形部511
Bの内周面と外筒18の後端部18C外周面とを接触さ
せながら、外筒18をグロメット成形体511に中心軸
線同士が略一致するようにして挿入する。このとき、外
筒18の後端部18C外周面には、ショットブラストに
よる面荒らし処理を施し粗面部18dを形成するととも
に、この粗面部18dにPFA樹脂の補助層52がコー
ティングされている。また、加熱後の常温での締め代を
確保するために、図5(a)におけるグロメット成形体
511の環状成形部511Bの内径と外筒18の後端部
18Cの外径とのはめ合いを締まりばめで行う場合があ
る。そこで、外筒18の外周面後端にその周方向に沿っ
てアール状(曲面状)又はテーパ状(平面状)の面取り
18eを設け、外筒18の後端部18C外周面が環状成
形部511Bの内周面にスムーズに挿入されるようにし
ている。
【0058】<リード線挿通工程>さらに、図5(b)
に示すように、グロメット成形体511の本体成形部5
11Aに形成された4個のリード線挿通孔51aに、芯
線14Aの外側をPTFE樹脂チューブ製の外被14B
で覆った形態の4本のリード線14をそれぞれ軸方向に
挿通する。これにより、グロメット成形体511に外筒
18とリード線14とが組み合わされて組立体600と
なる。なお、外筒18の後端部18C内周面の内側には
内部空間181が形成されている。
【0059】<保護カバー被覆及び加締め工程>次に、
図6(a)に示すように、グロメット成形体511に対
してキャップ状形態の保護カバー53を軸線方向後方外
側から被せる。そして、保護カバー53の後端寄りに、
断面円環状のグロメット加締め部53aを保護カバー5
3の周方向に沿って形成し、保護カバー53の内周面と
環状部51Bの外周面とを圧着する。また、グロメット
加締め部53aの前方側において、断面円環状の外筒加
締め部53bを保護カバー53の周方向に沿って形成
し、保護カバー53の内周面と外筒18の中間部18B
外周面とを圧着する。以上により、組立体600に保護
カバー53が被せられるとともに保護カバー53には加
締め部53a,53bが形成され、加締め組立体650
ができあがる。
【0060】<熱融着工程>以上のようにして組み立て
られた加締め組立体650を、加熱炉においてPTFE
樹脂の軟化温度以上(例えば340〜350℃)に所定
時間(例えば2〜3時間)加熱し、その後徐冷すると、
封止構造50が完成する。これによって、図6(b)に
示すように、グロメット成形体511はPTFE粉末T
が軟化して焼結しグロメット51となる。このとき、補
助層52のPFA樹脂はPTFE樹脂よりも軟化しやす
く流動性もよいので、環状部51Bの内周面の凹凸と外
筒18の粗面部18dの凹凸との間に形成される微小な
隙間を埋めるように入り込んで両者の馴染みを良くし、
アンカー効果を発揮する。さらに、PTFE樹脂はステ
ンレススチールよりも熱膨張率が大きいので、グロメッ
ト51の環状部51Bは、熱収縮の際熱膨張率の差によ
り外筒18の外周面を隙間なく覆い、環状部51Bの内
周面と外筒18の外周面との接触部(熱融着部)におい
て、安定したシール性が確保される。なお、この収縮作
用によってグロメット51の環状部51Bは外筒18に
対して締まりばめ状態となる場合もある。また、グロメ
ット51の本体部51Aとリード線14の外被14Bと
がともにPTFE樹脂製なので、熱融着により両者は一
体となっている。
【0061】この熱融着工程における挙動をさらに詳細
に示したのが、図14である。図14(a)の加締め組
立体650において、環状成形部511Bの内周面と外
筒18の外周面(又は補助層52のコーティング外面)
との間には、外筒18の環状成形部511Bへの挿入に
伴い径方向の隙間t1(以下、内側の隙間という)が形
成される。一方、環状成形部511Bの外周面と保護カ
バー53の内周面との間には、保護カバー53による組
立体600の被覆及びグロメット加締め部53aの形成
に伴う径方向の隙間t2(以下、外側の隙間という)が
形成されている。なお、外筒挿入工程において、環状成
形部511Bの内径と外筒18の後端部18Cの外径と
のはめ合いを締まりばめ(圧入)で行う場合は、内側の
隙間t1は0となる。ただし、内外の隙間t1,t2に
は、それぞれ粗面部18dに代表されるような表面上の
凹凸の山と谷の間の空間等も含まれるものとする。
【0062】加熱炉におけるPTFE樹脂の軟化温度以
上への加熱によって、グロメット成形体511は軟化し
て焼結し、図14(b)に示すグロメット51となる。
このときグロメット51の環状部51Bは、熱膨張によ
り上記隙間t1,t2を埋めて外筒18の外周面と保護カ
バー53の内周面との間を封着(熱融着)する。しか
も、外側の隙間t2を埋めてさらに外側へ熱膨張しよう
とする環状部51Bは、保護カバー53でせき止められ
るため内側の隙間t1を埋めるように作用する。したが
って、環状部51Bの内側へ向かう上記膨張力と、補助
層52の介在とが、環状部51Bの熱融着に相乗的に作
用して、内側の隙間t1は、面荒らしによる粗面部18
d等の表面の凹凸を含めて確実に埋められ、環状部51
Bの内周面と外筒18の外周面とは隙間なく密着する。
【0063】その後の冷却によっても、グロメット51
と外筒18との熱膨張率の差により、環状成形部51B
の内周面と外筒18の外周面との間には隙間は発生せ
ず、図14(c)に示すように両面が密着した状態を維
持する。なお、環状部51Bの外周面と保護カバー53
の内周面との間には、グロメット51の熱収縮に伴う径
方向の隙間t2’が再び形成される場合があるが、この
隙間t2’は酸素センサ1の気密性とは関係しないの
で、加締め組立体650から保護カバー53が外れたり
しない限り問題とはならない。
【0064】例えば、グロメット加締め部53aの形成
によって内側の隙間t1を充分小さくできれば、外筒挿
入工程において、環状成形部511Bの内径と外筒18
の後端部18Cの外径とのはめ合いを締まりばめ(圧
入)で行わなくても済む場合がある。また例えば、保護
カバー53による組立体600の被覆によって外側の隙
間t2を充分小さくできれば、グロメット加締め部53
aの形成を省略できる場合がある。このように、グロメ
ットに用いる材料(材質)の選定、グロメットの形状及
び外筒とのはめ合い等の工夫により、総熱膨張代tと内
外の隙間t1,t2とを適切に管理すれば、製造工程を簡
略化することができる。
【0065】以上の製造工程において、図5(a)の<
外筒挿入工程>と、図5(b)の<リード線挿通工程>
とは順序を入れ替えても差し支えない。また、<保護カ
バー被覆工程>は、<外筒挿入工程>及び<リード線挿
通工程>の少なくとも一方よりも先行して実施すること
ができる。なお、図4(b)において、グロメット成形
体511の4個のリード線挿通孔51aは、型成形時に
固定ピンFPを貫通させておく以外に、型成形後にドリ
ル等によって穴開けしてもよい。
【0066】次に、図1に戻り、検出素子2の軸線方向
において、封着材層32の少なくとも一方の側に隣接す
る形で(本実施例では封着材層32の、検出部Dに近い
端面側に隣接して)、多孔質無機物質で構成された緩衝
層38が形成されている。該緩衝層38は、層32から
軸方向に突出するセラミック素子2を外側から包むよう
に支持し、過度の曲げ応力や熱応力が検出素子2に加わ
るのを抑制する役割を果たす。
【0067】また、挿通孔31の内面と外筒18の内面
との間には、封着材層32の周囲を取り囲む空隙部33
が、主体金具3の一部を切り欠く形態で形成されてい
る。上記空隙部33は、主体金具3の挿通孔31の周方
向に形成された環状形態をなし、かつ主体金具3の肉厚
方向中間部において挿通孔31の形成方向に延びる溝部
とされている(以下、溝部33という)。なお、本実施
例において溝部33の底面33aは、検出素子2の軸線
方向において封着材層32の対応する端面よりも先端側
に位置するものとされている。
【0068】この溝部(空隙部)33は、センサ1に急
激な温度変化等が加わった場合に断熱層の役割を果た
し、その熱衝撃の影響が封着材層32に及びにくくな
る。また、溝部33の外側壁部を形成する主体金具部分
3gが、自身の変形により衝撃を吸収する緩衝部として
作用しうるので、封着材層32への影響を緩和すること
ができる。溝部33の底面33aは、検出素子2の軸線
方向において、主体金具3の鍔部3dの後端縁3eより
も先端側に延びて形成されている。これにより溝部33
は、主体金具3の後端側の外筒18が接合される肉薄部
分3fの全長に渡るように形成されることとなる。この
場合、溝部33の底面33aは、検出素子2の軸線方向
において溶接部35よりも先端側に位置するものとな
る。
【0069】図7〜図13に、図3のリード線封止構造
及び図4〜図6の製造工程の変形例を示す。まず第一変
形例について、図7にその封止構造を、図8及び図9に
その製造工程の変更部分をそれぞれ示す。図7のリード
線封止構造60では、図3のグロメット51の形状を次
のように変更している。すなわち、グロメット51の本
体部51Aが軸方向前方側に延長され、外筒18の開口
部18c内に深く入り込んでいる。さらに、外筒18の
後端部18Cがグロメット51の軸線方向に挿入される
と、外筒18の後端部18C内周面とグロメット51の
本体部51A外周面との間には、内部空間181に代わ
って環状の隙間182が形成される。この環状の隙間1
82は、酸素センサ1が長時間高温下に晒されたりある
いは熱サイクルが繰返し付加されたりしてグロメット本
体部51Aが熱膨張したときの膨張代として機能する。
また、グロメット51の本体部51Aが外筒18の開口
部18c内に深く入り込んでいるので、リード線挿通孔
51aを長く設けることができ、リード線14同士の短
絡や絡みつき等をより確実に防止できる。図7(a)で
は、リード線挿通孔51aを第二コネクタ部13の収納
スペースとしても利用した場合を例示している。なお、
図3の実施例と共通する部分には同一符号を付して説明
を省略する。
【0070】図7のリード線封止構造60を得るため、
図4及び図5の製造工程を図8及び図9の如く変更して
いる。図4(a)における金型Mの加圧室の形状を図8
(a)の如く変更すると、図8(b)に示すように本体
成形部511Aが軸方向に延長された形状のグロメット
成形体511が得られる。グロメット成形体511の環
状成形部511Bの内周面と密着させながら、外筒18
の後端部18C外周面をグロメット成形体511の軸線
方向後方側に挿入すると、外筒18の後端部18C内周
面とグロメット成形体511の本体成形部511A外周
面との間に環状の隙間182が形成される。なお、以後
の組立は図6と同様に行う(図9参照)。
【0071】次に第二変形例について、図10にその封
止構造を、図11にその製造工程の変更部分をそれぞれ
示す。図10のリード線封止構造70では、図3のグロ
メット51の形状を次のように変更している。すなわ
ち、グロメット51の本体部51Aが軸方向前方側に延
長され、本体部51Aの一部が外筒18の開口部18c
に入り込んでいる。したがって、外筒18の後端部18
Cがグロメット51の軸線方向に挿入されると、外筒1
8の後端部18C内周面とグロメット51の本体部51
A外周面との間には、内部空間181に代わって環状の
隙間182が形成される。図10の環状の隙間182も
図7と同様に、グロメット本体部51Aが熱膨張したと
きの膨張代として機能する。なお、図3の実施例と共通
する部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0072】図10のリード線封止構造70を得るた
め、図5の製造工程を図11の如く変更している。図4
で得られたグロメット成形体511の環状成形部511
Bは、図11(a1)に示すように、その本体成形部5
11Aと環状成形部511Bとの連結部を中心として外
側方向へ略180度にわたってラッパ状に開くように曲
げ(折り返し)加工される。その結果、図11(a2)
に示すように本体成形部511Aが軸方向に延長された
形状のグロメット成形体511が得られる。グロメット
成形体511の環状成形部511Bの内周面と密着させ
ながら、外筒18の後端部18C外周面をグロメット成
形体511の軸線方向後方側に挿入すると、外筒18の
後端部18C内周面とグロメット成形体511の本体成
形部511A外周面との間に環状の隙間182(図10
参照)が形成される。なお、以後の組立は図5(b)及
び図6と同様に行う。
【0073】さらに第三変形例について、図12にその
封止構造を、図13にその製造工程の変更部分をそれぞ
れ示す。図12のリード線封止構造80では、図3のグ
ロメット51の形状を次のように変更している。すなわ
ち、グロメット51の本体部51Aが軸方向前方側に延
長され、本体部51Aの一部が外筒18の開口部18に
入り込んでいる。したがって、外筒18の後端部18C
がグロメット51の軸線方向に挿入されると、外筒18
の後端部18C内周面とグロメット51の本体部51A
外周面との間には、内部空間181に代わって環状の隙
間182が形成される。図12の環状の隙間182も図
10と同様に、グロメット本体部51Aが熱膨張したと
きの膨張代として機能する。ただし、図12における環
状の隙間182の径方向寸法(外筒18の後端部18C
内周面とグロメット51の本体部51A外周面との間の
距離)は図10よりも小に形成されている。なお、図3
の実施例と共通する部分には同一符号を付して説明を省
略する。
【0074】図12のリード線封止構造80を得るた
め、図5の製造工程を図13の如く変更している。図1
3(a)に示すように、図4で得られたグロメット成形
体511の環状成形部511Bの内周面と密着させなが
ら、外筒18の後端部18C外周面をグロメット成形体
511の軸線方向後方側に挿入するとき、外筒18の後
端がグロメット成形体511の本体成形部511Aの前
方側端面よりもさらに後方側に至る迄挿入する(図13
(b))。すなわち、外筒18の後端はグロメット成形
体511の本体成形部511Aに刺さり込むまで挿入さ
れる。そして、組立後の加熱・徐冷の際、外筒18(ス
テンレススチール)とグロメット成形体511(PTF
E樹脂)との熱膨張率の差に応じて、外筒18の後端部
18C内周面とグロメット51の本体部51A外周面と
の間に環状の隙間182(図12参照)が形成される。
なお、以後の組立は図6と同様に行う。
【0075】以上の各実施例において、側方部51Bは
円環状を呈する環状部として形成したが、外筒18の外
形に対応して角筒状、楕円筒状等他の形状であってもよ
い。
【0076】なお、第四番目の発明は、酸素センサ以外
にHCセンサ、NOxセンサ、COセンサ、COセン
サ等他のガスセンサにも適用できる。さらに、第一番目
ないし第三番目の発明が適用される応用電子機器として
は、これらのガスセンサの他、セラミックヒータ、グロ
ープラグ等が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリード線封止構造が適用される応
用電子機器の一実施例である酸素センサの一例を示す縦
断面図。
【図2】図1における検出素子の構造を示す説明図。
【図3】リード線封止構造の一例を示す縦半断面図及び
横断面図。
【図4】図3のリード線封止構造の製造工程の説明図。
【図5】図4に続く説明図。
【図6】図5に続く説明図。
【図7】リード線封止構造の第一変形例を示す縦半断面
図。
【図8】図7のリード線封止構造の製造工程の説明図。
【図9】図8に続く説明図。
【図10】リード線封止構造の第二変形例を示す縦半断
面図。
【図11】図10のリード線封止構造の製造工程の説明
図。
【図12】リード線封止構造の第三変形例を示す縦半断
面図。
【図13】図12のリード線封止構造の製造工程の説明
図。
【図14】図6(b)における熱融着工程の詳細説明
図。
【符号の説明】
1 酸素センサ(ガスセンサ;応用電子機器) 2 検出素子(電気素子) 20 酸素濃淡電池素子 22 セラミックヒータ(ヒータ) 14 リード線 14A 芯線 14B 外被 18 外筒(筒状部) 181 内部空間(空間部) 182 隙間 18c 開口部 18d 粗面部(面荒らし部) 50,60,70,80 リード線封止構造 51 グロメット 51a リード線挿通孔 51A 本体部 51B 環状部(側方部) 52 補助層 53 保護カバー 53a グロメット加締め部 53b 外筒加締め部(前方加締め部) 511 グロメット成形体 511A 本体成形部 511B 環状成形部(側方成形部) 600 組立体

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状部の端に形成された開口部が耐熱樹
    脂製のグロメットにより封止され、かつリード線が前記
    筒状部の内方側から前記グロメットを貫いて外部に延出
    する構造を有するとともに、 前記グロメットが、前記開口部に対応して配置されると
    ともに、前記リード線の挿通孔が形成された本体部と、
    該本体部に一体化されるとともに、該開口部の縁を経て
    前記筒状部の外周面側に回り込む形で配置される側方部
    とを有し、 前記側方部の内周面が前記筒状部の外周面に直接又は他
    部材を介して間接的に熱融着されていることを特徴とす
    るリード線封止構造。
  2. 【請求項2】 前記グロメットを構成する前記耐熱性樹
    脂は、軟化温度が200℃以上のものが使用される請求
    項1記載のリード線封止構造。
  3. 【請求項3】 前記グロメットの前記側方部の内周面と
    前記筒状部の外周面との間に補助層が形成されている請
    求項1又は2記載のリード線封止構造。
  4. 【請求項4】 前記筒状部の外周面のうち、少なくとも
    前記グロメットの前記側方部の内周面にて覆われる部分
    に面荒らし処理が施されている請求項1ないし3のいず
    れかに記載のリード線封止構造。
  5. 【請求項5】 前記筒状部の端部には、前記グロメット
    の少なくとも前記側方部を外側から覆う形で保護カバー
    が配置されている請求項1ないし4のいずれかに記載の
    リード線封止構造。
  6. 【請求項6】 前記保護カバーには、少なくとも該保護
    カバーの内周面と前記側方部の外周面とを圧着するグロ
    メット加締め部が形成されている請求項5記載のリード
    線封止構造。
  7. 【請求項7】 前記筒状部の軸線方向において前記開口
    部に向かう側を後方側として、前記保護カバーの前端部
    が、前記グロメットの前記側方部の縁よりも前方側に位
    置し、当該前端部において前記保護カバーの内周面が前
    記筒状部の外周面に対し前方加締め部によって圧着され
    ている請求項5又は6記載のリード線封止構造。
  8. 【請求項8】 前記リード線は芯線と、その芯線の外側
    を覆う外被とを有し、前記グロメットの前記リード線挿
    通孔の内周面と前記外被の外周面とが直接又は他部材を
    介して間接的に熱融着されている請求項1ないし7のい
    ずれかに記載のリード線封止構造。
  9. 【請求項9】 前記グロメットと前記外被とが同材質の
    耐熱性樹脂にて構成されている請求項8記載のリード線
    封止構造。
  10. 【請求項10】 前記耐熱性樹脂は、フッ素系樹脂又は
    ポリイミド樹脂を主体とするものである請求項1ないし
    9のいずれかに記載のリード線封止構造。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし10のいずれかに記載
    のリード線封止構造の製造方法であって、 前記グロメットの前記本体部となるべき本体成形部と、
    同じく前記側方部となるべき側方成形部とが一体連結さ
    れたグロメット成形体を前記耐熱性樹脂により形成し、 該グロメット成形体の前記本体成形部に前記リード線を
    挿通する一方、前記側方成形部の内側に前記筒状部の前
    記開口部側の端部を挿入して組立体を構成し、 該組立体を前記耐熱性樹脂の軟化温度以上に加熱し、そ
    の後冷却することにより、前記側方成形部を前記筒状部
    の外周面に熱融着させることを特徴とするリード線封止
    構造の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記グロメット成形体の外側に、少な
    くとも前記側方成形部の外周面を覆う保護カバーを被
    せ、前記側方成形部を前記加熱により径方向に熱膨張さ
    せ、その後冷却することにより、 前記側方成形部を前記筒状部の外周面に熱融着させる請
    求項11記載のリード線封止構造の製造方法。
  13. 【請求項13】 筒状部の端に形成された開口部が、該
    筒状部よりも大なる熱膨張率を有するグロメットにより
    封止され、かつリード線が前記筒状部の内方側から前記
    グロメットを貫いて外部に延出する構造を有するととも
    に、 前記グロメットが、前記開口部に対応して配置されると
    ともに、前記リード線の挿通孔が形成された本体部と、
    該本体部に一体化されるとともに、該開口部の縁を経て
    前記筒状部の外周面側に回り込んでこれに接する側方部
    とを有することを特徴とするリード線封止構造。
  14. 【請求項14】 前記筒状部の端部に前記グロメットの
    少なくとも前記側方部を外側から覆う形で保護カバーが
    配置され、該保護カバーに形成された周方向のグロメッ
    ト加締め部において、前記グロメットの前記側方部が前
    記保護カバーと前記筒状部との間で挟圧されることによ
    り、これら保護カバーと筒状部との間を封着している請
    求項13記載のリード線封止構造。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし10、13及び14の
    いずれかに記載のリード線封止構造を有し、かつ前記リ
    ード線は測定対象となるガス中の被検出成分を検出する
    ための検出素子に導通していることを特徴とするガスセ
    ンサ。
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