JP6602250B2 - ガスセンサ - Google Patents
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Description
この種のガスセンサとして、排気管に固定される筒状の主体金具(ハウジング)内に板状のセンサ素子を保持し、その一端を被測定ガスに晒す構成が知られている。そして、検出素子(センサ素子)を主体金具に安定して保持すると共に、排気ガスのガスセンサ内部への漏洩を防止するため、滑石粉末と結晶化ガラス層とを併用した構造のセンサが開発されている(特許文献1参照)。
このセンサは、アルミナ製の内筒の内側に検出素子を収容し、内筒と検出素子との隙間に滑石粉末を充填し、滑石粉末の後端側に結晶化ガラス層を充填して焼成することで、検出素子を内筒に気密に固定している。
一方、検出素子を固定した内筒を主体金具の内側に収容し、両者の隙間に滑石粉末を圧縮充填して内筒と主体金具の間をシールしている。
又、特許文献1記載のセンサでは、検出出力を外部に取り出すリード線を検出素子に接合し、その接合部も結晶化ガラス層の内部に埋設しているが、結晶化ガラス層の使用量が多くなってコストアップになると共に、検出素子の後端部に電極パッドを設けた構造に適用することが困難である。
一方、水分の発生を防止しようとして結晶化ガラス層の下側の滑石粉末を省略すると、焼成時に結晶化ガラス層が溶融して液状となるため、検出素子を内筒の内側にまっすぐ保持することが困難となり、検出素子が斜めに固定される可能性がある。この場合、検出素子の電極パッドと、検出素子の後端側のセパレータに配置された端子金具との電気的接続が不良となったり、検出素子の後端部が斜めにセパレータに挿入されて検出素子が破損するおそれがある。
そこで、本発明は、ガラス部材のシール性の低下を抑制して外部ガスのガスセンサ内部への漏洩を防止したガスセンサを提供することを目的とする。
一方、ガラス部材は焼成時に溶融して液状となるため、このときにセンサ素子をセラミックホルダ内で保持(仮固定)する必要がある。そこで、保持に適度な量の第2の圧縮粉末体が充填されていることで、上述の水分量を低減しつつ、センサ素子をセラミックホルダ内で安定して保持できる。
また、長さL1はL2より長いので、セラミックホルダと主体金具との間に十分な量の第1の圧縮粉末体が充填され、セラミックホルダと主体金具の間を十分にシールし、セラミックホルダをしっかり固定することができる。
さらに、センサ素子の後端部がガラス部材よりも後端側へ突出しているので、センサ素子全体をガラス部材の内部に埋設した場合に比べ、ガラス部材の使用量を低減してコストダウンを図ることができる。また、ガラス部材の後端側へ露出したセンサ素子の後端部に電極パッドを設けることができるので、電極パッドを設けた構造のセンサ素子にも適用可能となる。
このガスセンサによれば、第2の圧縮粉末体によってセンサ素子をセラミックホルダ内で軸線方向にまっすぐ保持できるので、電極パッドと端子金具との電気的接続が不良となったり、検出素子の後端部が斜めにセパレータに挿入されて検出素子が破損することを抑制できる。
さらに、外部ガスのガスセンサ内部への漏洩が生じると、ガス中の水分が結露し、セパレータ内で隣接する端子金具同士が導通してしまうおそれがあるが、このような不具合を抑制できる。
又、本発明のガスセンサにおいて、前記ガラス部材の後端は空間と接していてもよい。
本発明のガスセンサにおいて、前記軸線方向に、前記第1の圧縮粉末体の内側に前記第2の圧縮粉末体が配置されていてもよい。
図1は本発明の実施形態に係るガスセンサ(酸素センサ)1の長手方向(軸線O方向)に沿う断面図である。
そして、外側段部35bよりも後端側で、セラミックホルダ35の外面と、主体金具30の内面との間に、滑石からなる第1の圧縮粉末体37と、金属リング34とが先端側から順に配置されている。主体金具30の後端部30eは径方向内側に向かって折り曲げるように加締められ、後端部30eは金属リング34を介して第1の圧縮粉末体37を先端側に押圧している。これにより、第1の圧縮粉末体37は金属リング34と外側段部35bとの間で圧縮充填され、セラミックホルダ35と主体金具30との間のシール及び固定を行うようになっている。
さらに、第2の圧縮粉末体38の後端に接した状態で、センサ素子100の外面と、セラミックホルダ35の内面との間をガラス部材39がシール(封止)している。ここで、本実施形態では、ガラス部材39はセラミックホルダ35の後端よりも先端側に設けられ、センサ素子100の後端部100eはガラス部材39よりも後端側へ突出している。
さらに、セパレータ50の後端側には、外筒25の後端側の開口部25bを閉塞するための略円柱状のゴムキャップ52が配置されている。このゴムキャップ52は、外筒25の開口部25b内に装着された状態で、外筒25の外周を径方向内側に向かって加締めることにより、外筒25に固着されている。ゴムキャップ52にも、リード線11〜15をそれぞれ挿入するための通孔52aが先端側から後端側にかけて貫設されている。
図1に示すように、第1の圧縮粉末体37の軸線O方向の長さL1は、第2の圧縮粉末体38の軸線O方向の長さL2よりも長くなっている。これにより、第2の圧縮粉末体38の量が少なくなるので、第2の圧縮粉末体38に接して配置されるガラス部材39を焼成した際、加熱された第2の圧縮粉末体38の成分(滑石粉末)に含まれる水和物から脱離する水分の量も少なくなる。そのため、この水分が気泡となってガラス部材39に取り込まれてガラス部材39のシール性が低下することを抑制できる。また、第2の圧縮粉末体38の量が少なくなっても、第2の圧縮粉末体38よりもシール性に優れるガラス部材39によってセンサ素子100とセラミックホルダ35との間を十分にシールするので、外部ガスのガスセンサ1内部への漏洩を防止できる。
一方、ガラス部材39は焼成時に溶融して液状となるため、このときにセンサ素子100をセラミックホルダ35内で保持(仮固定)する必要がある。そこで、シールには不十分であっても保持に適度な量の第2の圧縮粉末体38が充填されていることで、上述の水分量を低減しつつ、センサ素子100をセラミックホルダ35内で安定して保持できる。特に、後述するように、センサ素子100の電極パッド100pと、セパレータ50内の端子金具16を電気的に接続する場合には、センサ素子100がセラミックホルダ35内で軸線O方向にまっすぐ保持されている必要があるので、第2の圧縮粉末体38による保持が重要となる。
なお、セラミックホルダ35と主体金具30との隙間は、例えば円形断面とすることで、第1の圧縮粉末体37を等方的に圧縮して上記隙間に確実に充填することができ、シールが確実になる。これに対し、センサ素子100とセラミックホルダ35との隙間はセンサ素子100側が矩形断面となるため、第2の圧縮粉末体38が等方的に圧縮され難く、シールが不十分となる。そこで、ガラス部材39によりシール性を確保することで、板状のセンサ素子100であってもシールが確実になる。
また、ガラス部材39の後端側へ露出したセンサ素子100の後端部100eに電極パッド100pを設けることができるので、電極パッド100pを設けた構造のセンサ素子100にも適用可能となる。なお、電極パッド100pに端子金具16を電気的に接続する場合、外部ガスのガスセンサ1内部への漏洩が生じると、ガス中の水分が結露し、セパレータ50内で隣接する端子金具16同士が導通してしまうおそれがある。従って、このタイプの構造のガスセンサ1に本発明はさらに有効となる。
又、ガラス部材39の組成としては、ZnO,B2O3,SiO2,MgOとすることが好ましい。ガラス部材39は金属である主体金具30と熱膨張率が大幅に異なるため、ガラス部材39で主体金具30を直接シールすることは困難である。そこで、主体金具30とガラス部材39との間にセラミックホルダ35を介在させることで、ガラス部材39とセラミックホルダ35の間を確実にシールすることができる。このような観点からは、セラミックホルダ35をアルミナとすることが好ましい。
まず、セラミックホルダ35とセンサ素子100の間に、圧縮前の第2の圧縮粉末体38を充填し、センサ素子100を第2の圧縮粉末体38及びセラミックホルダ35に挿通する。ここで、図3に示すように、圧縮前の第2の圧縮粉末体38として、セラミックホルダ35とセンサ素子100の隙間に類似した断面形状に予め成形した成形体38xを用いると、第2の圧縮粉末体38を均等に圧縮し易くなり、シール性が向上するので好ましい。具体的には図3の例では、成形体38xは拡孔35h2よりやや小径の略正方形断面の箱形状で、中心にセンサ素子100を挿通するための矩形孔38hが貫通している。
そして、第2の圧縮粉末体38を後端側から押圧して十分に圧縮充填することで、センサ素子100をセラミックホルダ35内に保持(仮固定)する。次に、ガラス部材39の粉末を、圧縮後の第2の圧縮粉末体38の後端側に接するようにして、拡孔35h2内のセラミックホルダ35とセンサ素子100の間に充填する。
さらに、主体金具30内に第1素子ユニットを配置し、セラミックホルダ35と主体金具30との間に、圧縮前の第1の圧縮粉末体37と、金属リング34とを先端側から順に配置する。そして、主体金具30の後端部30eを径方向内側に向かって折り曲げて加締め、金属リング34を介して第1の圧縮粉末体37を十分に圧縮充填する。これにより、センサ素子100がセラミックホルダ35及び主体金具30と一体となった第2素子ユニットが形成される。
例えば、セラミックホルダの形状は上記実施形態に限定されず、図4に示すような形状とすることもできる。図4において、セラミックホルダ350は、図1のセラミックホルダ35の拡孔35cと同径の軸孔350hを有し、軸孔350hは軸線O方向にストレートに延び、先端部350aが細孔35h1と同径に縮径している。そして、軸孔350hの内部に細孔35h1と同径の挿通孔を有するセラミックスリーブ360が挿入され、セラミックスリーブ360の先端向き面が先端部350aの後端向き面に係止されている。センサ素子100は軸孔350h及びセラミックスリーブ360に挿通され、先端部350aからセンサ素子100の先端が突出している。
そして、センサ素子100の外面と、セラミックホルダ350の内面との間には、セラミックスリーブ360の後端に接した状態で第2の圧縮粉末体38とガラス部材39とが先端側から順に配置されている。
16 接続端子
30 主体金具
35 セラミックホルダ
37 第1の圧縮粉末体
38 第2の圧縮粉末体
39 ガラス部材
50 セパレータ
100 センサ素子
100e センサ素子の後端部
100p 電極パッド
O 軸線
L1 第1の圧縮粉末体の軸線方向の長さ
L2 第2の圧縮粉末体の軸線方向の長さ
Claims (4)
- 軸線方向に延びる板状をなし、先端側にガスを検知する検知部が形成されたセンサ素子と、
当該センサ素子の前記検知部を露出させた状態で、前記センサ素子が挿通される筒状のセラミックホルダと、
前記セラミックホルダの径方向周囲を取り囲みつつ、自身の内側に前記セラミックホルダを保持する筒状の主体金具と、
前記セラミックホルダの外面と、前記主体金具の内面との間に充填されている第1の圧縮粉末体と、
前記センサ素子の外面と、前記セラミックホルダの内面との間に充填され、水和物を含む第2の圧縮粉末体と、
前記第2の圧縮粉末体の後端に接した状態で、前記センサ素子の外面と、前記セラミックホルダの内面との間をシールするガラス部材と、
を備えたガスセンサであって、
前記センサ素子の後端部が前記ガラス部材よりも後端側へ突出し、
前記第1の圧縮粉末体の前記軸線方向の長さL1は、前記第2の圧縮粉末体の前記軸線方向の長さL2よりも長くなっているガスセンサ。 - 前記センサ素子の前記後端部に電極パッドが配置され、
前記センサ素子よりも後端側に、前記電極パッドと電気的に接続する接続端子を有するセパレータが配置されている請求項1に記載のガスセンサ。 - 前記ガラス部材の後端は空間と接している請求項1又は2に記載のガスセンサ。
- 前記軸線方向に、前記第1の圧縮粉末体の内側に前記第2の圧縮粉末体が配置されている請求項1〜3のいずれか一項に記載のガスセンサ。
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