JP3655454B2 - センサのリード線封止構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素センサ、HCセンサあるいはNOxセンサ等の各種センサに適用されるリード線封止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば自動車の排ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサとして、ジルコニア等の固体電解質や金属酸化物半導体を検出素子として用いるものが知られている。検出素子は金属製の外筒の内側に配置され、その出力は素子に接続されたリード線により外筒の外側に取り出される。また、リード線が引き出される外筒の開口部には、外筒内へ水等が進入することを阻止するためにゴム製のグロメットがはめ込まれ、リード線はこのグロメットを貫いて外筒の外側に延出することにより、両者の間が封止される。
【0003】
ここで、上記酸素センサは作動温度が300℃以上と高く、ヒータにより検出素子を強制加熱する構造が一般に採用されている。その結果、ヒータによる発熱にエンジンからの発熱も重なって、酸素センサはかなりの高温度にさらされる。そこで、一般にはグロメットをフッ素ゴム等の耐熱性ゴムで構成して、高温での気密性を確保することが行われている。他方、より高温シール性に優れた方式として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂製のグロメットにリード線を挿通し、その外側に筒状のゴムシール部材を配置して、外筒をそのシール部材に向けて加締めることにより封止する構造も採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の封止構造においては、グロメットの材質であるPTFE樹脂の熱膨張率がかなり大きく、高温下ではその膨張したグロメットと外筒との間でゴムシール部材に過度の圧縮力が働き、ゴムシール部材が損傷してリーク等のトラブルにつながる場合がある。また、ゴムシール部材には強い加締め力が作用しており、加熱状態でこれにグロメットからの膨張力も付加されると、ゴムシール部材に永久変形が生じやすい状態となる。そして、このような熱サイクルが繰返し付加された場合は、上記永久変形が蓄積されてシールの緩み等につながる場合もある。
【0005】
本発明の課題は、高温にさらされたり、あるいは熱サイクルが繰返し付加された場合でも、良好なシール状態を長期に渡って維持することができるセンサのリード線封止構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記課題を解決するための本発明のセンサのリード線封止構造(以下、単に封止構造ともいう)は、少なくとも一端に開口部が形成された金属製の外筒の内側に検出素子が配置され、その検出素子からの出力を取り出すリード線が、開口部から外側に延出するとともに、外筒の開口部が形成されている端部内側に、リード線と外筒内面との間を封止する封止部が形成されるとともに、その封止部が、フッ素系樹脂と該フッ素系樹脂よりも熱膨張率の小さい無機材料粒子との複合材料にて構成され、検出素子からの各リード線が挿通されるリード線挿通孔が軸方向に貫通して形成され、外筒の後端側の開口部に対しその内側に配置されるグロメットと、
そのグロメットと外筒内面との間に配置され、該グロメットよりも軟質の弾性材料で構成されるとともに、グロメットの外周面と外筒内面との間をシールする弾性シール部材とを備えていることを特徴とする。
【0007】
上記本発明の封止構造によれば、リード線が挿通されるグロメットが、フッ素系樹脂と、そのフッ素系樹脂よりも熱膨張率の小さい無機材料粒子との複合材料にて構成されているので、フッ素樹脂単体でグロメットを構成した場合に比べて全体の平均的な膨張率を小さくすることができる。これにより、高温にさらされたり、あるいは熱サイクルが繰返し付加された場合でも、グロメットの外側に配置される弾性シール部材に対して過度な圧縮力が作用しなくなり、弾性シール部材に損傷や永久変形等が生じにくくなる。すなわち、苛酷な使用環境下でも良好なシール状態を長期に渡って維持することができるようになる。また、フッ素系樹脂に無機材料粒子を配合することにより、グロメットの耐熱性をさらに向上させることができる。
【0008】
グロメットを構成するフッ素系樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと略記する)樹脂を主体とするものとすることができる。PTFE樹脂はフッ素系樹脂のなかでもとりわけ耐熱性に優れ、化学的に安定であるので、本発明に好適に使用できる。
【0009】
一方、無機材料粒子は、各種セラミック粒子(あるいは粉末)とすることができる。具体的には、炭化珪素粒子及びアルミナ粒子の少なくともいずれかを主体とするものとすることができる。これらのセラミック粒子は熱膨張率が特に小さく、グロメット全体の高温での膨張を抑制する効果に優れる。また、化学的にも極めて安定であり吸湿性も小さいので、例えばグロメット製造のためフッ素系樹脂と混合して加熱成形する際に分解や気泡発生を生じにくく、緻密で耐久性に優れたグロメットを構成できる。
【0010】
なお、炭化珪素粒子を使用する場合には、複合材料中の炭化珪素粒子の配合比率は5〜25重量%の範囲で調整するのがよい。炭化珪素粒子の配合比率が5重量%未満になると、所期の熱膨張防止効果が得られない場合がある。炭化珪素粒子の配合比率は、より望ましくは10〜20重量%の範囲で調整するのがよい。また、25重量%を超えると成形性が悪化し、健全なグロメットを得られなくなる場合がある。同様に、アルミナ粒子を使用する場合には、その配合比率は5〜50重量%、望ましくは15〜25重量%の範囲で調整するのがよい。
【0011】
また、配合する無機材料粒子の平均粒径は1〜5μmの範囲で調整するのがよい。平均粒径が1μm以下になると複合材料中に粒子を均一分散させることが困難となり、得られるグロメットに欠陥等を生じたりしてシール性が損なわれる場合がある。他方、平均粒径が5μmを超えた場合も欠陥が生じやすくなり、同様にシール性の低下につながる場合がある。
【0012】
次に、弾性シール部材はフッ素系ゴムにより構成することができる。これにより、封止部の高温でのシール性をさらに高めることができる。なお、フッ素系ゴムとしては、フッ化ビニリデン系ゴム(フッ化ビニリデンと、6フッ化プロピレン、5フッ化プロピレンあるいは3フッ化塩化エチレン等との共重合体を主成分とするもの)、四フッ化エチレン−プロピレンゴム、四フッ化エチレン−フルオロメチルビニルエーテルゴム、フォスファゼン系ゴム、フッ化アクリレート系ゴム、フッ化ポリエステル系ゴム等が使用できる。
【0013】
外筒には、弾性シール部材に向けて加締めることにより加締め部を形成することができ、弾性シール部材はその加締め部において外筒とグロメットとの間で圧縮されることにより、両者の間をシールするものとすることができる。加締め部の形成により、弾性シール部材はより大きく弾性変形し、シール性をより良好なものとすることができる。また、このような加締めによる圧縮力が加わった状態でも、内側のグロメットが前述の複合材料で構成されて熱膨張が抑さえられているので、弾性シール部材の損傷等が生じにくい。
【0014】
次に、本発明の封止構造においては、リード線を樹脂製の外被により覆い、その状態でグロメットのリード線挿通孔に挿通することができる。この場合、そのリード線挿通孔の内面とリード線の外被外面との間を、グロメットに含有されるフッ素系樹脂よりも軟化温度の低いフッ素系樹脂を主体に構成された封着樹脂層により封着することができる。このような構造とすることにより、リード線挿通孔におけるグロメットとリード線との間の気密性(すなわちシール性)を格段に高めることができる。
【0015】
この場合、封着樹脂層は、リード線挿通孔の内面及びリード線の外被外面に対し熱溶着により接合することができる。すなわち、従来のように、ゴム製のグロメットを用いて外筒に加締め部を形成することによりシールする場合は、加締め圧力が各リード線挿通孔の周囲に必ずしも均一に付加されるとは限らず、気密性に影響を生ずることもあった。しかしながら、封着樹脂層の熱溶着によりシールする構成とすれば、そのような加締め圧力の不均一の影響はほとんど生じず、気密性の高いシール状態を確実に得ることが可能となる。
【0016】
上記封着樹脂層は、加熱によりある程度の流動性(例えば、溶融粘度にて103〜105ポアズ程度)を付加できるタイプのフッ素系樹脂を使用するのが、熱溶着によるシール効果を高める上で都合がよい。このようなフッ素系樹脂としては、例えばテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(以下、PFAと略記)樹脂を主体とするものを例示できる。これは、化1に示す一般構造式を有する。
【0017】
【化1】
【0018】
ただし、(−O−Rf)は(−O−CF3)、(−O−C2F5)等のアルキルエーテル基(パーフルオロアルコキシ基)である。また、これ以外では、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリトリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフルオライド等の使用が可能である。
【0019】
また、外被に覆われたリード線が複数設けられる場合は、グロメットには、それらリード線が個別に挿通される複数のリード線挿通孔を形成することができ、封着樹脂層は、それら各リード線挿通孔の内面と、対応するリード線の外被外面との間をそれぞれ封着する形で形成することができる。すなわち、各リード線毎に個別にリード線挿通孔を設けて、両者の間をそれぞれ封着樹脂層で封着することにより、リード線とグロメットとの間の気密性を一層確実なものとすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例を参照して説明する。
図1には、この発明のリード線封止構造を用いて構成されたガスセンサの一実施例として、自動車等の排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサ1を示している。この酸素センサ1は通称λセンサあるいはO2センサと呼ばれるもので、長尺のセラミック素子2(検出素子)を備え、その先端側が排気管内を流れる高温の排気ガスに晒される。
【0021】
セラミック素子2は方形状断面を有する長尺状のもので、図2(a)に示すように、それぞれ横長板状に形成された酸素濃淡電池素子21と、該酸素濃淡電池素子21を所定の活性化温度に加熱するヒータ22とが積層されたものとして構成されている。酸素濃淡電池素子21は、酸素イオン伝導性を有する固体電解質により構成されている。そのような固体電解質としては、Y2O3ないしCaOを固溶させたZrO2が代表的なものであるが、それ以外のアルカリ土類金属ないし希土類金属の酸化物とZrO2との固溶体を使用してもよい。また、ベースとなるZrO2にはHfO2が含有されていてもよい。一方、ヒータ22は、高融点金属あるいは導電性セラミックで構成された抵抗発熱体パターン23をセラミック基体中に埋設した公知のセラミックヒータで構成されている。
【0022】
酸素濃淡電池素子21には、その長手方向における一方の端部(主体金具3の先端より突出する部分)寄りにおいてその両面に、酸素分子解離能を有した多孔質電極25,26が形成されており、それら電極25,26及びそれらの間に挟まれる固体電解質部分とが検出部Dを形成することとなる。
【0023】
各多孔質電極25,26からは、該酸素濃淡電池素子21の長手方向に沿って酸素センサ1の取付基端側に向けて延びる電極リード部25a,26aがそれぞれ一体に形成されている。このうち、ヒータ22と対向しない側の電極25からの電極リード部25aは、その末端が電極端子部7として使用される。一方、ヒータ22に対向する側の電極26の電極リード部26aは、図2(c)に示すように、酸素濃淡電池素子21を厚さ方向に横切るビア26bにより反対側の素子面に形成された電極端子部7と接続されている。すなわち、酸素濃淡電池素子21は、両多孔質電極25,26の電極端子部7が電極25側の板面末端に並んで形成される形となっている。上記各電極、電極端子部及びビアは、Pt又はPt合金など、酸素分子解離反応の触媒活性を有した金属粉末のペーストを用いてスクリーン印刷等によりパターン形成し、これを焼成することにより得られるものである。
【0024】
一方、ヒータ22の抵抗発熱体パターン23に通電するためのリード部23a,23aも、図2(d)に示すように、ヒータ22の酸素濃淡電池素子21と対向しない側の板面末端に形成された電極端子部7,7に、それぞれビア23bを介して接続されている。
【0025】
図2(b)に示すように、酸素濃淡電池素子21とヒータ22とは、ZrO2系セラミックあるいはAl2O3系セラミック等のセラミック層27を介して互いに接合される。そして、その接合側の多孔質電極26には、電極リード部26a(これも多孔質である)が接合されるとともに、反対側の多孔質電極25との間には、多孔質電極26側に酸素が汲み込まれる方向に微小なポンピング電流が印加され、そのポンピングされた酸素は電極リード部26aを経て大気中に放出される。これにより、多孔質電極26内の酸素濃度は大気よりも若干高い値に保持され、酸素基準電極として機能することとなる。一方、反対側の多孔質電極25は排気ガスと接触する検出側電極となる。
【0026】
このようなセラミック素子2が、図1に示すように、主体金具3に形成された挿通孔31に挿通されるとともに、挿通孔31の内面とセラミック素子2の外面との間には両者の間を気密状態に封着するガラス等の封着材層32が形成される。そして、セラミック素子2は、上記封着材層32等により、先端の検出部Dが、排気管に固定される主体金具3の先端より突出した状態で該主体金具3内に固定される。主体金具3の先端外周には、セラミック素子2の突出部分を覆う金属製の二重のプロテクトカバー6a、6bがレーザー溶接あるいは抵抗溶接(例えばスポット溶接)等によって固着されている。このカバー6a、6bは、キャップ状を呈するもので、その先端や周囲に、排気管内を流れる高温の排気ガスをカバー6a、6b内に導く開口6c、6dが形成されている。
【0027】
セラミック素子2の各電極端子部7(4極を総称する)には、導線部材としてそれぞれ裸の導線(長手状金属薄板)8が第一コネクタAにより電気的に接続され、それらの導線8はさらに第二コネクタ部13を介して、リード線14に電気的に接続されている。本実施例ではリード線14は都合4本あり、それぞれ芯線14aの外側をPTFE樹脂チューブ製の外被14bで覆ったものである。そして、これらリード線14は外筒18の末端開口部18cの内側に嵌め込まれた封止部15を貫通して外部に延び、それらの先端に図示しないコネクタプラグが連結されている。
【0028】
封止部15は、本発明のリード線封止構造(以下、単に封止構造という)100の要部をなすものであり、フッ素系樹脂としてのPTFE樹脂91と、PTFE樹脂91よりも熱膨張率の小さいセラミック粒子(無機材料粒子)90との複合材料にて構成されたグロメット51と、そのグロメット51と外筒18の内面との間に配置され、グロメット51の外周面と外筒18の内面との間をシールする例えばフッ素ゴム製の弾性シール部材52とを有する。グロメット51には、各リード線14が個別に挿通されるれるリード線挿通孔51aが軸方向に貫通して形成されている。
【0029】
グロメット51を構成する上記複合材料中の無機材料粒子90は、例えば炭化珪素粒子あるいはアルミナ粒子で構成される。このうち、炭化珪素粒子を使用する場合には、複合材料中の炭化珪素粒子の配合比率は5〜25重量%(望ましくは10〜20重量%:例えば15重量%)の範囲で調整される。また、アルミナ粒子を使用する場合には、その配合比率は5〜50重量%(望ましくは15〜25重量%:例えば20重量%)の範囲で調整される。また、無機材料粒子90の平均粒径は1〜5μm(例えば1〜2μm程度)の範囲で調整される。
【0030】
上記複合材料からなるグロメット51は、例えばPTFE樹脂粉末と無機材料粉末とを所定の比率で混合して複合粉末を作り、これを金型プレスにより所期のグロメット形状に成形した後、PTFE樹脂の軟化点以上で焼結する方法、あるいは金型中で加圧しながら加熱して、成形と焼結とを同時に行う方法により製造できる。
【0031】
外筒18には、この封止部15に対応して周方向の環状の加締め部18aが、例えば外筒18の軸方向において2ケ所に形成されている。弾性シール部材52は、その加締め部18aにおいて外筒18とグロメット51との間で圧縮されることにより、両者の間をシールする。
【0032】
次に、グロメット51に形成された各リード線挿通孔51aの内面と、これらにそれぞれ挿通されるリード線14の外被14bの外面との間は、グロメット51(の複合材料)に含有されるPTFE樹脂よりも軟化温度の低いフッ素系樹脂、例えばPFA樹脂により構成された封着樹脂層53により封着されている。この封着樹脂層53は、リード線挿通孔51aの内面及び外被14bの外面に対し熱溶着により接合された形となっている。このような構造とすることにより、リード線挿通孔51aにおけるグロメット51とリード線14との間の気密性(すなわちシール性)が格段に高めるられる。なお、リード線挿通孔51aは、外筒18の開口部18cに近い端部側が縮径しており、封着樹脂層53もこの縮径部に対応して、開口部18c側に近づくほど徐々にその厚みを減少させている。
【0033】
このような封止構造100は、例えば次のようにして形成することができる。まず、図3(a)に示すように、形成すべき封着樹脂層53(図1)に対応するPFA樹脂チューブ53’を用意する。そして、これらPFA樹脂チューブ53’を各リード線14に対し、外被14bの外側に装着する。なお、本実施例では、PFA樹脂チューブ53’の孔内径は、リード線14の挿通を容易として作業能率を向上させる観点から、リード線14の外径よりも多少大きく設定されている。他方、PFA樹脂チューブ53’の孔内径をリード線14の外径よりも少し小さく設定しておくこともできる。この場合は、PFA樹脂チューブ53’をリード線14上の所定位置に対し、摩擦により容易に位置決めすることができる利点が生ずる。
【0034】
次に、図3(b)に示すように、PFA樹脂チューブ53’を装着した各リード線14を、それぞれグロメット51のリード線挿通孔51aに挿入する。このとき、各PFA樹脂チューブ53’はリード線14とともにリード線挿通孔51aに入り込むとともに、リード線挿通孔51aの先端に形成された縮径部に当たって止められる。これによって、グロメット51がリード線14に対して位置決め装着される。なお、PFA樹脂チューブ53’の位置決めに際しては、その孔内径をリード線14の外径よりも少し小さく設定しておくことが有利であるが、本実施例では前述の通り、リード線14挿通の作業能率を確保するために、上記孔内径をリード線14の外径よりも多少大きく設定している。
【0035】
この状態で、図4(a)に示すように、全体をPFA樹脂の軟化点以上(例えば300〜350℃)に加熱する。これによりPFA樹脂チューブ53’はリード線挿通孔51aの内面と、リード線14の外被14bの外面とにそれぞれ融着し、封着樹脂層53となる。次いで、図4(b)に示すように、筒状の弾性シール部材52をグロメット51の外側に装着する。ここで、グロメット51の外周面の一方の端部側(すなわちリード線14の基端側)に、例えば鍔状の突出部51bを設けておけば、装着した弾性シール部材52の抜けを防止でき、組み立てが容易となる。
【0036】
そして、図4(c)に示すように、弾性シール部材52の外側から外筒18を被せ、グロメット51の端面と外筒18の開口部18cと位置合わせする。そして、その状態で外筒18を、弾性シール部材52の軸方向両端部にそれぞれ対応する位置において、弾性シール部材52に向けて環状に加締めることにより、図1に示すように加締め部18aが形成され、封止構造100が完成する。
【0037】
次に、図1に戻り、セラミック素子2の軸線方向において、封着材層32の少なくとも一方の側に隣接する形で(本実施例では封着材層32の、検出部Dに近い端面側に隣接して)、多孔質無機物質で構成された緩衝層38が形成されている。該緩衝層38は、例えばタルク(滑石)等の無機物質粉末の圧粉成形体あるいは多孔質仮焼体として形成されており、封着材層32から軸方向に突出するセラミック素子2を外側から包むように支持し、過度の曲げ応力や熱応力がセラミック素子2に加わるのを抑制する役割を果たす。
【0038】
また、挿通孔31の内面と外筒18の内面との間には、封着材層32の周囲を取り囲む空隙部33が、主体金具3の一部を切り欠く形態で形成されている。上記空隙部33は、主体金具3の挿通孔31の周方向に形成された環状形態をなし、かつ主体金具3の肉厚方向中間部において挿通孔31の形成方向に延びる溝部とされている(以下、溝部33という)。なお、本実施例において溝部33の底面は、セラミック素子2の軸線方向において封着材層32の対応する端面よりも先端側に位置するものとされている。
【0039】
この溝部(空隙部)33は、センサ1に急激な温度変化等が加わった場合に断熱層の役割を果たし、その熱衝撃の影響が封着材層32に及びにくくなる。また、溝部33の外側壁部を形成する主体金具部分3gが、自身の変形により衝撃を吸収する緩衝部として作用しうるので、封着材層32への影響を緩和することができる。
【0040】
また、主体金具3の後端部は外筒18の先端部内側に挿入され、その重なり部において周方向に環状に形成された結合部としての溶接部(例えばレーザー溶接部)35により互いに気密状態で接合されている。
【0041】
主体金具3はねじ部3aにおいて、図示しない車両の排気管(取付部)にシール部材3bを介して取り付けられるが、その取り付け操作を行なうための六角断面形状の操作部3dが、挿通孔31の軸線方向においてその中間部に所定幅で、かつ外周面から突出する形態で形成されている。そして、上記溝部33の底面33aは、セラミック素子2の軸線方向において操作部3dの該溝部開口側の端縁3eよりも先端側に延びて形成されている。これにより溝部33は、主体金具3の後端側(溝部33の開口端面側)の、外筒18が接合される肉薄部分3fの全長に渡るように形成されることとなる。この場合、溝部33の底面33aは、セラミック素子2の軸線方向において溶接部35よりも先端側に位置するものとなる。
【0042】
以下、酸素センサ1の作動と封着構造100の作用について説明する。
すなわち、酸素センサ1は、前述の通り主体金具3のねじ部3aにおいて車両の排気管等に固定され、またコネクタプラグ(図示せず)を介して各リード線14がコントローラに接続されて使用に供される。そして、その検出部Dが排気ガスに晒されると、酸素濃淡電池素子21の多孔質電極25(図2)が排気ガスと接触し、酸素濃淡電池素子21には該排気ガス中の酸素濃度に応じた酸素濃淡電池起電力が生じる。この起電力が、電極リード部25a及び26aを経て電極端子部7,7、さらにはリード線14,14を介してセンサ出力として取り出される。この種のλセンサ(あるいはO2センサ)は、排気ガス組成が理論空燃比となる近傍で濃淡電池起電力が急激に変化する特性を示すことから、空燃比検出用に広く使用されるものである。
【0043】
ここで、酸素センサ1の、例えば自動車における取り付け位置は、エキゾーストマニホルドや車両の足周り部分に近い排気管等であり、かなりの高温となるほか、水しぶき等もかかりやすい。そして、上記封止構造100においては、リード線14が挿通されるグロメット51が、PTFE樹脂と炭化珪素あるいはアルミナ等のセラミック粒子との複合材料にて構成されている。PTFE樹脂は熱膨張率が大きく、例えばグロメット51をPTFE樹脂単体で構成すると、センサ1が高温となったときに熱膨張して弾性シール部材52を外筒18との間で過度に圧縮し、該シール部材52を痛めるおそれがある。
【0044】
しかしながら、PTFE樹脂よりも熱膨張率の小さいセラミック粒子を配合することで、グロメット51全体の平均的な膨張率を小さくすることができる。これにより、封止構造100の部分が高温にさらされたり、あるいは熱サイクルが繰返し付加された場合でも、グロメット51の外側に配置される弾性シール部材51に対して過度な圧縮力が作用しなくなり、苛酷な使用環境下でも良好なシール状態を長期に渡って維持することができるようになる。
【0045】
なお、図5に示すように、グロメット51の中央にやや大径のリード線挿通孔51aを形成し、ここに複数のリード線14を一括して挿通するとともに、それら各リード線14の各外面と、リード線挿通孔51aの内面とを一体の封着樹脂層53により封着する構成としてもよい。
【0046】
なお、以上の実施例ではガスセンサは、検出素子(セラミック素子)として酸素濃淡電池素子のみを用いるλセンサとして構成されていたが、これを他のタイプのガスセンサ素子として構成することも可能である。以下、いくつかの例を示す。まず、図6は全領域酸素センサ素子とした場合の概念図である。この場合、セラミック素子60はそれぞれ酸素イオン伝導性固体電解質で構成される酸素ポンプ素子61と酸素濃淡電池素子62とが測定室65を挟んで対向配置された構造を有し、排気ガスは多孔質セラミック等で構成された拡散孔67を通って測定室65に導入される。なお、69は酸素ポンプ素子61と酸素濃淡電池素子62とを加熱するヒータである。そして、酸素濃淡電池素子62は、素子内に埋設された電極63を酸素基準電極として、測定室65側の電極64との間に生ずる濃淡電池起電力により、測定室65内の酸素濃度を測定する。一方、酸素ポンプ素子61には電極66及び68を介して図示しない外部電源により電圧が印加され、その電圧の向きと大きさにより定まる速度で、測定室65に対し酸素を汲み込む又は汲み出すようになっている。そして、該酸素ポンプ素子61の作動は、酸素濃淡電池素子62が検知する測定室65内の酸素濃度に基づいて図示しない制御部により、該測定室65内の酸素濃度が一定に保持されるように制御され、このときの酸素ポンプ素子61のポンプ電流に基づいて排気ガスの酸素濃度を検出する。
【0047】
また、図7は、セラミック素子を2チャンバー方式のNOXセンサ素子とした場合の例を示している。セラミック素子70はZrO2等の酸素イオン伝導性固体電解質で構成され、その内部には第一及び第二の測定室71,72が隔壁71aを挟んで形成されるとともに、上記隔壁71aには多孔質セラミック等で構成されてそれらを互いに連通させる第二拡散孔73が形成されている。また、第一測定室71は第一拡散孔74により周囲雰囲気と連通している。そして、第一測定室71に対しては電極76及び77を有する第一酸素ポンプ素子75が、また、第二測定室72に対しては電極79及び80を有する第二酸素ポンプ素子78が、それぞれ壁部71aに関して反対側に位置している。また、隔壁71aには、第一測定室71内の酸素濃度を検出する酸素濃淡電池素子83(隔壁71a内の酸素基準電極81と、第一測定室71に面する対向電極82を有する)が形成されている。なお、86は第一の酸素ポンプ素子75、第二酸素ポンプ素子78及び酸素濃淡電池素子83を加熱するヒータである。
【0048】
その作動であるが、まず第一測定室71内に周囲雰囲気のガスが第一拡散孔74を通って導入される。そして、その導入されたガスから酸素が第一酸素ポンプ素子75により汲み出される。なお、測定室内の酸素濃度は酸素濃淡電池素子83により検出され、その検出値に基づいて図示しない制御部により第一の酸素ポンプ素子75は、第一測定室71内のガス中の酸素濃度が、NOXの分解を起こさない程度の一定値となるように、その酸素汲み出しのための作動が制御される。このようにして酸素が減じたガスは第二測定室72へ第二拡散孔73を通って移動し、そこでガス中のNOXと酸素とが完全に分解するように、第二酸素ポンプ素子78により酸素が汲み出される。このときの第二酸素ポンプ素子78のポンプ電流に基づいてガス中のNOXの濃度を検出する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリード線封着構造を採用した酸素センサの一例を示す縦断面図及びそのA−A断面図。
【図2】その検出素子としてのセラミック素子の構造を示す説明図。
【図3】リード線封止構造の組立工程の説明図。
【図4】図3に続く説明図。
【図5】リード線封止構造の変形例を示す縦断面図。
【図6】セラミック素子が全領域酸素センサ素子で構成される例を示す断面模式図。
【図7】同じくNOXセンサ素子で構成される例を示す断面模式図。
【符号の説明】
1 酸素センサ(ガスセンサ)
2,60,70 セラミック素子(検出素子)
3 主体金具
14 リード線
14b 外被
15 封止部
18 外筒
51 グロメット
51a リード線挿通孔
52 弾性シール部材
53 封着樹脂層
90 セラミック粒子(無機材料粒子)
91 PTFE樹脂(フッ素系樹脂)
100 リード線封止構造
Claims (8)
- 少なくとも一端に開口部が形成された金属製の外筒の内側に検出素子が配置され、その検出素子からの出力を取り出すリード線が、前記開口部から外側に延出するとともに、前記外筒の前記開口部が形成されている端部内側に、前記リード線と前記外筒内面との間を封止する封止部が形成されるとともに、その封止部は、
フッ素系樹脂と該フッ素系樹脂よりも熱膨張率の小さい無機材料粒子との複合材料にて構成され、前記検出素子からの各リード線が挿通されるリード線挿通孔が軸方向に貫通して形成され、前記外筒の前記開口部に対しその内側に配置されるグロメットと、
そのグロメットと前記外筒内面との間に配置され、該グロメットよりも軟質の弾性材料で構成されるとともに、前記グロメットの外周面と前記外筒内面との間をシールする弾性シール部材とを備えていることを特徴とするセンサのリード線封止構造。 - 前記グロメットを構成するフッ素系樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂を主体とするものであり、前記無機材料粒子は炭化珪素粒子及びアルミナ粒子の少なくともいずれかを主体とするものである請求項1記載のセンサのリード線封止構造。
- 前記弾性シール部材はフッ素系ゴムにより構成されている請求項1又は2に記載のセンサのリード線封止構造。
- 前記外筒には、前記弾性シール部材に向けて加締めることにより加締め部が形成されており、前記弾性シール部材はその加締め部において前記外筒と前記グロメットとの間で圧縮されることにより、両者の間をシールするものである請求項1ないし3のいずれかに記載のセンサのリード線封止構造。
- 前記リード線は樹脂製の外被により覆われた状態で前記グロメットの前記リード線挿通孔に挿通されており、そのリード線挿通孔の内面と前記外被の外面との間が、前記グロメットに含有されるフッ素系樹脂よりも軟化温度の低いフッ素系樹脂を主体に構成された封着樹脂層により封着されている請求項1ないし4のいずれかに記載のセンサのリード線封止構造。
- 前記封着樹脂層は、前記リード線挿通孔の内面及び前記リード線の外被外面に対し熱溶着により接合されている請求項5記載のセンサのリード線封止構造。
- 前記封着樹脂層は、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル樹脂を主体とするものである請求項6記載のセンサのリード線封止構造。
- 前記外被に覆われた前記リード線が複数設けられ、前記グロメットには、それらリード線が個別に挿通される複数の前記リード線挿通孔が形成されており、
前記封着樹脂層は、それら各リード線挿通孔の内面と、対応するリード線の外被外面との間をそれぞれ封着する形で形成されている請求項7記載のセンサのリード線封止構造。
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