JP3660116B2 - ガスセンサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素センサ、HCセンサ、NOXセンサなど、測定対象となるガス中の被検出成分を検出するためのガスセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、上述のようなガスセンサとして、外筒の内側に主体金具を配し、その外筒の内側に測定対象となるガス中の被検出成分を検出する検出素子を配置した構造を有するものが知られている。このような構造のガスセンサにおいては、一般に、検出素子の外面と主体金具の内面との間がガラス等の封着材層で封着される。また、該ガスセンサの取付け態様としては、例えば図10に示すように、主体金具103の外周面にフランジ部104を形成し、主体金具103を取付け用の筒状部150内に挿入してその端面にフランジ部104を当接させ、さらに外筒105の外側に挿通した袋ナット151を筒状部150の外周に形成された雄ねじ部に締め込むことにより、フランジ部104を筒状部150の端面と袋ナット151との間でクランプして止める構造が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような構造のガスセンサは、例えば自動車用の酸素センサの場合、エキゾーストマニホルドや車両の足周り部分に近い排気管などに取り付けられことが多く、作動中はかなりの高温となる。一方、排気管等の外に露出する袋ナットや外筒は雨天走行時等においては水しぶき等がかかりやすく、この場合は高温状態から急冷される形となるので熱衝撃が生じやすい。また、図10に示すように、袋ナット151と主体金具103との間には隙間Gが形成されており、水しぶき等がかかると、水滴がこの隙間Gから主体金具103側に流れ込むことがある。
【0004】
そして、従来の酸素センサは、主体金具103と外筒105とは、フランジ部104の端面から突出する筒状の突出部106を外筒105の端部内側に嵌め込み、両者の間をレーザー溶接することにより接合されていたのであるが、高温のフランジ部104の端面が隙間Gに露出した形になるために、流れ込んだ水滴等がこれにかかると大きな熱衝撃が発生し、内側のガラス封着材層107や検出素子を痛めやすい問題がある。
【0005】
また、主体金具103と外筒105とは、その接合部が隙間G内に露出しており、しかもろう材層(図示せず)を介して広い面積で密着一体化していることから、この部分でも水滴との接触による急冷が生じやすく、同様の問題を生ずる心配がある。
【0006】
本発明の課題は、高温状態で水しぶき等がかかった場合でも主体金具側に強い熱衝撃が生じにくく、ひいては封着材層や検出素子にその影響が及びにくい構造のガスセンサを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
本発明のガスセンサは、筒状の主体金具と、先端部に検出部が形成されて該検出部を前記主体金具の一方の端部から突出させる形態で該主体金具の内側に配置され、測定対象となるガス中の被検出成分を検出する検出素子と、軸方向一端側に形成された開口部から前記主体金具の他方の端部が軸方向に挿入され、当該主体金具との間に重なり部を形成する外筒と、前記重なり部において前記主体金具と前記外筒とを気密状態に結合する結合部とを備え、前記他方の端部側において前記主体金具の外周面には、外向きに突出する突出部が周方向に沿って形成され、前記外筒の前記開口部側の端部がその突出部の表面の少なくとも一部を覆うものとされ、前記突出部は、前記主体金具の外周面から周方向に沿って鍔状に突出形成されるフランジ部であり、前記主体金具の軸線方向において前記検出部の突出側を前方側とし、これと反対側を後方側として、前記外筒の前記開口部側の端部は、前記フランジ部の後方側端面を少なくとも覆うものであることを特徴とする。
【0008】
主体金具の突出部は、例えばガスセンサを取付け用の孔部等に挿入して取り付ける際に、その孔部開口縁と当接してガスセンサが孔部内に落ち込むことを防止するとともに、検出素子の取付け位置を決めるストッパ部として機能するものであり、例えば主体金具の外周面から周方向に沿って鍔状に突出形成されるフランジ部とすることができる。また、主体金具の内面と検出素子の外面との間は、無機系の封着材層(例えばガラスを主体とするもの)で封着することができる。
【0009】
上記本発明のガスセンサの構成によれば、主体金具の突出部外面の少なくとも一部を、外筒の開口部側の端部で覆うようにしたから、その覆われた部分においては、水滴等が突出部の外面に直接付着することが防止される。これにより、水しぶき等がかかっても主体金具側に強い熱衝撃が生じにくく、ひいては封着材層や検出素子にその影響が及びにくくなって、その寿命を延ばすことができる。
【0010】
なお、外筒と主体金具との結合部はレーザー溶接や抵抗溶接等の溶接により形成したり、あるいはろう付けにより形成することができる。この場合、レーザー溶接により結合部を形成した場合、外筒と主体金具との密着・一体化領域の面積をろう付けと比較して小さくすることができ、ひいては水滴等が結合部に付着したときの急冷作用をより効果的に抑制することができるので、本発明に特に好適であるといえる。
【0011】
突出部を前述のフランジ部とする場合、主体金具の軸線方向において検出部の突出側を前方側とし、これと反対側を後方側として、外筒の開口部側の端部は、フランジ部の後方側端面を少なくとも覆うものとすることができる。該フランジ部の後方側端面は、センサ取付け状態において水滴等を特に受けやすい部分であり、これを外筒端部で覆うことで主体金具への熱衝撃をより効果的に緩和することができる。
【0012】
この場合、外筒の開口部側の端部により、フランジ部の後方側端面とともに該フランジ部の外周面も覆うようにすれば、外筒によるフランジ部の被覆面積が増大し、主体金具等への熱衝撃の緩和をより効果的に図ることができる。この場合、前述の結合部を、そのフランジ部の外周面に沿って円環状に形成することができる。結合部は、外筒と主体金具とが密着・一体化する領域であるから、水滴付着による主体金具の急冷が特に生じやすく、内側の封着材層に対する熱衝撃の影響等も大きくなりがちとなる。しかし、これをフランジ部の外周面に形成することで、該結合部における冷却はフランジ部の半径方向に伝播した後に内側の封着材層に至る形となるので、それによる熱衝撃の影響も一層及びにくくなる効果が達成される。また、フランジ部の後端面には、特に結合部を形成しない構成とすれば、該後端面とこれを覆う外筒端部とは一体化せずに単に接触するのみとなるか、あるいはわずかな隙間が形成される形となるので、主体金具の該部分における熱衝撃の発生をさらに効果的に防止ないし抑制することができるようになる。
【0013】
次に、外筒は、開口部側の端部寄りにおいてその軸方向中間に段付部を形成してそれよりも先端側を拡径することができ、その外筒の拡径部にフランジ部を段付部に当たる位置まで挿入する構成とすることができる。外筒の拡径部にフランジ部を挿入し、段部にその後端面を当てて止めるようにすることで、外筒の主体金具に対する組付の位置決めが行いやすくなる。また、結合部がフランジ部の外周面又は後端面に対応する位置に形成される場合は、フランジ部の後端面を主体金具の対応する端面と面一に形成することができる。これにより、主体金具の製造が容易になる。
【0014】
主体金具の内面と検出素子の外面との間がガラスを主体とする封着材層によって封着される場合、軸線方向においてその封着材層の後端位置を、フランジ部の後端面位置よりも前方に位置させることが望ましい。こうすることにより、例えばフランジ部後端面側に水滴等が付着した場合も、封着材層の後端位置がフランジ部後端面よりも前方に位置することで、その急冷による熱衝撃等が封着材層に伝わりにくくなる。なお、封着材層の後端位置は、より望ましくはフランジ部の前端面よりも前方側に位置させるのがよい。
【0015】
また、本発明のガスセンサは、次のような形態で取付部に主体金具を取り付ける構成とすることができる。すなわち、外周面に雄ねじ部が形成された筒状の取付部内に主体金具を挿入して、その取付部の端面に突出部を当接させた状態とする。そして、両端が開口するねじ孔を有して該ねじ孔の後端側開口縁に沿って内向きに突出する張出部が形成されたナット部材を、外筒に対しその後端側から外挿し、さらにこれを取付部の雄ねじ部に螺合させることにより、突出部を取付部の端面とナット部材の張出部との間で挟み付けて保持する。
【0016】
本発明のガスセンサにおいて、このような取付け構造を採用することで、以下に述べる種々の効果が達成される。
▲1▼突出部表面を覆う外筒の開口部側端部を、ナット部材の張出部と突出部との間に挟み込む形にすることで、ナット部材の貫通孔内面と外筒の外周面との間に形成される隙間に、突出部の表面(例えばフランジ部の後端面)が直接露出しなくなり、水滴等の付着による主体金具への熱衝撃がより効果的に緩和される。
▲2▼突出部をフランジ部として外筒の開口部側端部により突出部の後端面及び外周面を覆い、さらに結合部をフランジ部の外周面に対応する位置に形成する構成では、結合部が形成されるフランジ部外周面がナット部材により覆われる形となるから、該部分に水滴等が極めて進入しにくくなり、ひいては主体金具に対する熱衝撃を一層効果的に防止ないし抑制することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例を参照して説明する。
図1には、この発明のガスセンサの一実施例として、自動車等の排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサ1を示している。この酸素センサ1は通称λセンサあるいはO2センサと呼ばれるもので、長尺のセラミック素子2(検出素子)を備え、その先端側が排気管内を流れる高温の排気ガスに晒される。
【0018】
セラミック素子2は方形状断面を有する細長い板状に形成されており、図2(a)に示すように、それぞれ横長板状に形成された酸素濃淡電池素子21と、該酸素濃淡電池素子21を所定の活性化温度に加熱するヒータ22とが積層されたものとして構成されている。酸素濃淡電池素子21は、酸素イオン伝導性を有する固体電解質により構成されている。そのような固体電解質としては、Y23ないしCaOを固溶させたZrO2が代表的なものであるが、それ以外のアルカリ土類金属ないし希土類金属の酸化物とZrO2との固溶体を使用してもよい。また、ベースとなるZrO2にはHfO2が含有されていてもよい。一方、ヒータ22は、高融点金属あるいは導電性セラミックで構成された抵抗発熱体パターン23をセラミック基体中に埋設した公知のセラミックヒータで構成されている。
【0019】
酸素濃淡電池素子21には、その長手方向における一方の端部(主体金具3の先端より突出する部分)寄りにおいてその両面に、酸素分子解離能を有した多孔質電極25,26が形成されており、それら電極25,26及びそれらの間に挟まれる固体電解質部分とが検出部Dを形成することとなる。
【0020】
各多孔質電極25,26からは、該酸素濃淡電池素子21の長手方向に沿って酸素センサ1の取付基端側に向けて延びる電極リード部25a,26aがそれぞれ一体に形成されている。このうち、ヒータ22と対向しない側の電極25からの電極リード部25aは、その末端が電極端子部7として使用される。一方、ヒータ22に対向する側の電極26の電極リード部26aは、図2(c)に示すように、酸素濃淡電池素子21を厚さ方向に横切るビア26bにより反対側の素子面に形成された電極端子部7と接続されている。すなわち、酸素濃淡電池素子21は、両多孔質電極25,26の電極端子部7が電極25側の板面末端に並んで形成される形となっている。上記各電極、電極端子部及びビアは、Pt又はPt合金など、酸素分子解離反応の触媒活性を有した金属粉末のペーストを用いてスクリーン印刷等によりパターン形成し、これを焼成することにより得られるものである。
【0021】
一方、ヒータ22の抵抗発熱体パターン23に通電するためのリード部23aは、図2(d)に示すように、ヒータ22の酸素濃淡電池素子21と対向しない側の板面末端に形成された電極端子部7,7に、それぞれビア23bを介して接続されている。
【0022】
図2(b)に示すように、酸素濃淡電池素子21とヒータ22とは、ZrO2系セラミックあるいはAl23系セラミック等のセラミック層27を介して互いに接合される。そして、その接合側の多孔質電極26には、電極リード部26a(これも多孔質である)が接合されるとともに、反対側の多孔質電極25との間には、多孔質電極26側に酸素が汲み込まれる方向に微小なポンピング電流が印加され、そのポンピングされた酸素は電極リード部26aを経て大気中に放出される。これにより、多孔質電極26内の酸素濃度は大気よりも若干高い値に保持され、酸素基準電極として機能することとなる。一方、反対側の多孔質電極25は排気ガスと接触する検出側電極となる。
【0023】
このようなセラミック素子2が、図1に示すように、主体金具3に形成された挿通孔31に挿通されるとともに、挿通孔31の内面とセラミック素子2の外面との間には両者の間を気密状態に封着するガラス等の封着材層32が形成される。そして、セラミック素子2は、上記封着材層32により、先端の検出部Dが、排気管に固定される主体金具3の先端より突出した状態で該主体金具3内に固定される。主体金具3の先端外周には、セラミック素子2の突出部分を覆う金属製のプロテクトカバー6がレーザー溶接あるいは抵抗溶接(例えばスポット溶接)等によって固着されている。このカバー6は、キャップ状を呈するもので、その先端や周囲に、排気管内を流れる高温の排気ガスをカバー6内に導く開口6aが形成されている。なお、本明細書では、主体金具3の軸線方向において検出部Dの突出側を前方側とし、これと反対側を後方側としている。
【0024】
主体金具3の後端部外周面にはその周方向に沿って、外向きに突出する突出部としてのフランジ部15が形成されている。外筒18の軸方向先端寄りには段付部18aが形成され、その段付部18aよりもさらに先端側が拡径部18bとされている。そしてフランジ部15は拡径部18bの内側に挿入され、その後端面が段付部18a内面に当たって止められるとともに、その外周面において周方向に環状に形成された結合部としてのレーザー溶接部35により、拡径部18bと気密接合されている。ここで、溶接部35の幅はフランジ部15の外周面幅よりも狭く設定されている。また、主体金具3の軸線方向において、封着材層32の後端位置は、フランジ部15の後端面位置よりも前方に位置している(フランジ部15の前端面位置よりも前方に位置させてもよい)。なお、結合部として溶接部35は、レーザー溶接に代えて環状のかしめ部により形成してもよいが、特に高い防水性が望まれる用途に使用する場合は、レーザー溶接の方が液密性に優れているのでより望ましいといえる。
【0025】
図1に示すように、主体金具3のフランジ部15の外側にはナット部材5が取付けられている。ナット部材5の内周面にはねじ部5aが形成されるとともに、その後端側開口縁には内向きに突出して周方向の張出部5cが形成され、該張出部5cの内周面が貫通孔5bとなっている。該ナット部材5は、貫通孔5aにおいて外筒18に対し後端側から外挿され、後述する取付け用の筒状部E3の雄ねじ部E2(図3)に締め込まれる。
【0026】
図1に示すように、セラミック素子2の各電極端子部7(4極を総称する)には、導線部材としてそれぞれ裸の導線(長手状金属薄板)8が圧入リングAにより電気的に接続され、それらの導線8はさらにセパレータ13を介して、樹脂被覆されたリード線14に電気的に接続されている。各リード線14は収束状態で保護チューブ17により一体的に覆われている。そして保護チューブ17により覆われた各リード線14は外筒18の末端側を貫通して外部に延び、それらの先端に図示しないコネクタプラグが連結される。なお、外筒18の末端側は保護チューブ17の先端部を覆うように縮径され、その外周には溶接あるいはカシメ等の結合部が形成されている。
【0027】
図3は、酸素センサ1の車両の排気管Eへの取付状態の一例を示すものである。排気管Eには、酸素センサ1の取付位置に対応して該センサ1の先端部(検出部D)を挿通するための挿通孔E1が形成されている。また、その挿通孔E1の周縁に対応して排気管Eには、外周面に雄ねじ部E2が形成された筒状部E3が突出形態でこれと一体に形成されている。この筒状部E3の内径は、主体金具3の外径よりは少し大きく、フランジ部15の外径よりは小さく設定されている。取付け時においては、酸素センサ1を挿通孔E1において排気管E内に挿入し、フランジ部15の前端面を筒状部E3の上端面と当接させる。そして、この状態でナット部材5のねじ部5aをねじ部E2においてフランジ部15側に締め込むことにより、筒状部E3とナット部材5の張出部5cとの間でフランジ部15が挾圧・保持され、酸素センサ1は排気管Eに取り付られた状態となる。
【0028】
以下、酸素センサ1の作動について説明する。
すなわち、図1の酸素センサ1は、図3に示すようにナット部材5のねじ部5aにおいて車両の排気管Eに固定され、またコネクタプラグが図示しないコントローラに接続されて使用に供される。そして、その検出部Dが排気ガスに晒されると、酸素濃淡電池素子21の多孔質電極25(図2)が排気ガスと接触し、酸素濃淡電池素子21には該排気ガス中の酸素濃度に応じた酸素濃淡電池起電力が生じる。この起電力が、電極リード部25a及び26aを経て電極端子部7,7、さらにはリード線14,14を介してセンサ出力として取り出される。この種のλセンサ(あるいはO2センサ)は、排気ガス組成が理論空燃比となる近傍で濃淡電池起電力が急激に変化する特性を示すことから、空燃比検出用に広く使用されるものである。
【0029】
ここで、酸素センサ1の、例えば自動車における取り付け位置は、エキゾーストマニホルドや車両の足周り部分に近い排気管等であり、管外に露出するナット部材5及び外筒18には、高温状態で水しぶき等がかかったりするなど、熱衝撃が加わりやすい。
【0030】
そして、上記酸素センサ1の構成によれば、図4(a)に示すように、主体金具3のフランジ部15の外周部分が外筒18の拡径部18bにより覆われているため、図4(b)に示すように、水滴W等がナット部材5の貫通孔5bから内側へ侵入した場合でも、外筒18の拡径部18bが存在することにより、その熱衝撃が主体金具3ひいては封着材層32に伝わりにくくなり、熱衝撃による封着材層32の損傷等を防止することができる。
【0031】
また、従来の酸素センサでは、例えば外筒18の先端部内側とフランジ部15の表面とが、ろう付け等により広い領域で密着一体化されていたことから、熱衝撃が外筒18から主体金具3へ伝わりやすい欠点があった。しかしながら、上記酸素センサ1では、フランジ部15の外周面と拡径部18bとを環状のレーザー溶接部35で接合する構成としたので、外筒18と主体金具3との一体化領域は溶接部35のみとなり、それ以外の部分では一体化せず単なる接触状態となるか、又はわずかに隙間を生じた状態となる。その結果、熱衝撃が主体金具3へさらに伝わりにくくなり、封着材層32への影響を緩和することができる。
【0032】
なお、図5(a)に示すように、拡径部18bの内側にフランジ部15を挿入し、フランジ部15の後端面15aと段付部18aの内面との重なり部において円環状の溶接部35を形成することにより、外筒18と主体金具3とを気密接合する構成としてもよい。この場合、図5(b)に示すように、外筒18の拡径部18bを省略してもよい。
【0033】
また、図6に示すように、主体金具3には、フランジ部15の後端面15aから軸方向後方側へ突出する筒状の突出部3fを形成することができる。この場合、レーザー溶接部35は、突出部3fの外周面に対応した位置に形成するようにしてもよい。
【0034】
次に、図7に示すように、ガラス等で構成された封着材層32に対し、セラミック素子2の軸線方向において、その少なくとも一方の端部側に、多孔質無機物質で構成された緩衝層38を設けることもできる。該緩衝層38は、例えばタルク(滑石)等の無機物質粉末の圧粉成形体あるいは多孔質仮焼体として形成される。セラミック素子2に対し機械的あるいは熱的な衝撃力が作用しても、該セラミック素子2の封着材層32に覆われている部分とそうでない部分との上記境界付近に過度な応力が集中しにくくなり、素子の寿命を延ばすことができる。この場合、緩衝層38は、素子2の封着材層32に覆われていない部分を支持し、これが軸線と交差する向きに変位すること、ひいては強い曲げ応力が加わることを抑制する働きをしているものと推測される。また、ガラス封着工程で加熱/冷却を受けた場合に、封着材層32を構成するガラス、セラミック素子2、主体金具3あるいは絶縁体4等の収縮差に起因してセラミック素子2に加わろうとする径方向の圧縮力あるいは曲げ応力等を緩和する働きを有しているとも考えられる。これにより、ガラス封着時におけるセラミック素子2の耐久性も向上し、ひいてはセンサの製造歩留まりを高めることを可能となる。この場合、溝部33の底面は、セラミック素子2の軸線方向において封着材層32の対応する端面よりも先端側に位置するものとされている。
【0035】
なお、以上の実施例ではガスセンサは、検出素子(セラミック素子)として酸素濃淡電池素子のみを用いるλセンサとして構成されていたが、これを他のタイプのガスセンサ素子として構成することも可能である。以下、いくつかの例を示す。まず、図8は全領域酸素センサ素子とした場合の概念図である。この場合、セラミック素子60はそれぞれ酸素イオン伝導性固体電解質で構成される酸素ポンプ素子61と酸素濃淡電池素子62とが測定室65を挟んで対向配置された構造を有し、排気ガスは多孔質セラミック等で構成された拡散孔67を通って測定室65に導入される。なお、69は酸素ポンプ素子61と酸素濃淡電池素子62とを加熱するヒータである。そして、酸素濃淡電池素子62は、素子内に埋設された電極63を酸素基準電極として、測定室65側の電極64との間に生ずる濃淡電池起電力により、測定室65内の酸素濃度を測定する。一方、酸素ポンプ素子61には電極66及び68を介して図示しない外部電源により電圧が印加され、その電圧の向きと大きさにより定まる速度で、測定室65に対し酸素を汲み込む又は汲み出すようになっている。そして、該酸素ポンプ素子61の作動は、酸素濃淡電池素子62が検知する測定室65内の酸素濃度に基づいて図示しない制御部により、該測定室65内の酸素濃度が一定に保持されるように制御され、このときの酸素ポンプ素子61のポンプ電流に基づいて排気ガスの酸素濃度を検出する。
【0036】
また、図9は、セラミック素子を2チャンバー方式のNOXセンサ素子とした場合の例を示している。セラミック素子70はZrO2等の酸素イオン伝導性固体電解質で構成され、その内部には第一及び第二の測定室71,72が隔壁71aを挟んで形成されるとともに、上記隔壁71aには多孔質セラミック等で構成されてそれらを互いに連通させる第二拡散孔73が形成されている。また、第一測定室71は第一拡散孔74により周囲雰囲気と連通している。そして、第一測定室71に対しては電極76及び77を有する第一酸素ポンプ素子75が、また、第二測定室72に対しては電極79及び80を有する第二酸素ポンプ素子78が、それぞれ壁部71aに関して反対側に位置している。また、隔壁71aには、第一測定室71内の酸素濃度を検出する酸素濃淡電池素子83(隔壁71a内の酸素基準電極81と、第一測定室71に面する対向電極82を有する)が形成されている。なお、86は、第一酸素ポンプ素子75、第二酸素ポンプ素子78及び酸素濃淡電池素子83を加熱するヒータである。
【0037】
その作動であるが、まず第一測定室71内に周囲雰囲気のガスが第一拡散孔74を通って導入される。そして、その導入されたガスから酸素が第一酸素ポンプ素子75により汲み出される。なお、測定室内の酸素濃度は酸素濃淡電池素子83により検出され、その検出値に基づいて図示しない制御部により第一の酸素ポンプ素子75は、第一測定室71内のガス中の酸素濃度が、NOXの分解を起こさない程度の一定値となるように、その酸素汲み出しのための作動が制御される。このようにして酸素が減じたガスは第二測定室72へ第二拡散孔73を通って移動し、そこでガス中のNOXと酸素とが完全に分解するように、第二酸素ポンプ素子78により酸素が汲み出される。このときの第二酸素ポンプ素子78のポンプ電流に基づいてガス中のNOXの濃度を検出する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスセンサの一例を示す酸素センサの縦断面図。
【図2】その検出素子としてのセラミック素子の構造を示す説明図。
【図3】ガスセンサの排気管への取付状態の一例を示す説明図。
【図4】図1の拡大部分断面図。
【図5】溶接部の形成位置の変形例を示す説明図。
【図6】同じく別の変形例を示す説明図。
【図7】封着材層と隣接して緩衝層が形成される酸素センサの例を示す縦断面図。
【図8】セラミック素子が全領域酸素センサ素子で構成される例を示す断面模式図。
【図9】同じくNOXセンサ素子で構成される例を示す断面模式図。
【図10】従来の酸素センサの図。
【符号の説明】
1 酸素センサ(ガスセンサ)
2,60,70 セラミック素子(検出素子)
3 主体金具
5 ナット部材
15 フランジ部(突出部)
18 外筒
18a 段付部
31 挿通孔
32 封着材層
33 溝部(空隙部)
35 レーザー溶接部(結合部)

Claims (5)

  1. 筒状の主体金具と、先端部に検出部が形成されて該検出部を前記主体金具の一方の端部から突出させる形態で該主体金具の内側に配置され、測定対象となるガス中の被検出成分を検出する検出素子と、軸方向一端側に形成された開口部から前記主体金具の他方の端部が軸方向に挿入され、当該主体金具との間に重なり部を形成する外筒と、前記重なり部において前記主体金具と前記外筒とを気密状態に結合する結合部とを備え、前記他方の端部側において前記主体金具の外周面には、外向きに突出する突出部が周方向に沿って形成され、前記外筒の前記開口部側の端部がその突出部の表面の少なくとも一部を覆うものとされ
    前記突出部は、前記主体金具の外周面から周方向に沿って鍔状に突出形成されるフランジ部であり、前記主体金具の軸線方向において前記検出部の突出側を前方側とし、これと反対側を後方側として、前記外筒の前記開口部側の端部は、前記フランジ部の後方側端面を少なくとも覆うものであることを特徴とするガスセンサ。
  2. 前記外筒の前記開口部側の端部は、前記フランジ部の後方側端面とともに該フランジ部の外周面も覆うものとされ、前記結合部はそのフランジ部の外周面に沿って円環状に形成されている請求項1記載のガスセンサ。
  3. 前記外筒には、前記開口部側の端部寄りにおいてその軸方向中間に段付部が形成されてそれよりも先端側が拡径され、前記フランジ部は、その後端面が前記主体金具の対応する端面と面一に形成され、前記外筒の前記拡径部には該フランジ部が前記段付部に当たる位置まで挿入されている請求項2記載のガスセンサ。
  4. 前記主体金具の内面と前記検出素子の外面との間がガラスを主体とする封着材層によって封着されており、前記軸線方向においてその封着材層の後端位置が、前記フランジ部の後端面位置よりも前方に位置している請求項1ないし3のいずれかに記載のガスセンサ。
  5. 外周面に雄ねじ部が形成された筒状の取付部内に前記主体金具を挿入して、その取付部の端面に前記突出部を当接させた状態とし、両端が開口するねじ孔を有して該ねじ孔の後端側開口縁に沿って内向きに突出する張出部が形成されたナット部材を、前記外筒に対しその後端側から外挿し、さらにこれを前記取付部の前記雄ねじ部に螺合させることにより、前記突出部を前記取付部の端面と前記ナット部材の前記張出部との間で挟み付けて保持することにより、前記取付部に前記主体金具を取り付けるようにした請求項1ないし4のいずれかに記載のガスセンサ。
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