JP4486523B2 - ガスセンサの製造方法およびガスセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、ガスセンサに関し、特に、有底筒状または板状をなすガス検出素子のうちで被測定ガスに晒される部位を覆うプロテクタを備えるガスセンサに関する。
従来より、自動車の空燃比制御を行うにあたって、排気ガス中の特定ガス成分の濃度に応じて電気的特性が変化するガス検出素子を備えたガスセンサが用いられている。このようなガスセンサとしては、酸素センサ、NOxセンサ、HCセンサなどの各種センサが知られている。ところで、このようなガスセンサは、ガス検出素子の先端部を突出させる形で、主体金具の内側に同ガス検出素子を保持させた構造を有しており、ガス検出素子の先端部を排気ガス等の被測定ガスに晒すことで、被測定ガス中の特定ガス成分(例えば、酸素)を検出する。
そして、多くのガスセンサにおいては、ガス検出素子のうちで被測定ガスに晒される先端部を被水等から保護するために、該先端部を覆う金属製のプロテクタが主体金具に装着されている。このプロテクタには複数のガス流通孔が形成されており、被測定ガスは、このガス流通孔からプロテクタ内に導かれてガス検出素子の先端部と接触することになる。そして、近年では、ガス検出素子の先端部の保護性能を高めるため、プロテクタを内側カバー部と外側カバー部の2つの部材からなる二重構造としたものも多く用いられている。例えば、特許文献1〜特許文献3に、このようなプロテクタを有するガスセンサが開示されている。
特開平9−304332号公報 特開2000−28571号公報 特開2001−99807号公報
ところで、このプロテクタと主体金具との固定は種々の手法にて実施されているが、両者の固定を確実に行うべく、主体金具の先端部の径方向外側に筒状のプロテクタを嵌合し、その嵌合部に対して溶接部(例えば、レーザー溶接部)を形成する方法が採用されることも多い。そして、上記したように、主体金具の先端部外方にプロテクタを嵌合する場合には、プロテクタの内周面と主体金具の先端部外周面との間で生じる摩擦を軽減して嵌合を円滑に行うために、主体金具の表面に油剤を付着させ、この油剤の潤滑作用を利用してプロテクタを嵌合するようにしている。なお、主体金具の表面に油剤を形成するにあたっては、量産性を考慮して、主体金具の全表面に油剤を付着する処理が行われることが通常である。また、プロテクタを主体金具の先端部に嵌合するにあたっては、その固定を確実にするために圧入を行うことが通常である。
しかしながら、主体金具の表面に油剤を付着してプロテクタを嵌合した後、その嵌合部に対して溶接(重ね溶接)を行うと、溶接入熱により気化した油剤成分のガスの逃げ場がないために、ブローホール等の溶接欠陥が生じることがあった。そこで、主体金具の表面に油剤を付着させた後、溶接部の形成が予定される部位の表面に付着した油剤だけを選択的に除去することも考えられるが、このような選択的な除去処理には多くの工程管理が必要となるために製造効率が低下し、その上コスト負担も増大するという問題があった。
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものであり、表面に油剤を付着させた主体金具に対して筒状のプロテクタを嵌合し、その後溶接部を形成した場合にも、ブローホール等の溶接欠陥がなく、さらに油剤を選択的に除去する等の特別な処理を不要して製造効率の向上に寄与するガスセンサの製造方法を提供することを目的とする。
さらには、安定した溶接部が形成され、プロテクタと主体金具とが強固に固定された高品質な特性を有するガスセンサを提供することを目的とする。
そしてその解決手段は、軸線方向に延び、先端側が被測定ガスに晒されるガス検出素子と、
前記ガス検出素子を自身の先端側から突出した状態で、該ガス検出素子の径方向外側を取り囲む筒状の主体金具と、
前記主体金具の先端部の外周に装着されると共に、前記ガス検出素子の先端側を覆う筒状のプロテクタと、
を備えるガスセンサの製造方法であって、
前記先端部の外周に油剤を付着させた前記主体金具を準備する金具準備工程と、
前記油剤が付着された前記主体金具と前記プロテクタとの少なくともいずれかを互いに近づく方向に移動させて、前記主体金具の前記先端部と前記プロテクタとが嵌合する嵌合部と、前記主体金具の先端部と前記プロテクタとが環状空間を介して重なる空間形成部とが軸線方向に沿って生ずるように、該主体金具と該プロテクタとを組み付ける組み付け工程と、
前記プロテクタの外周から、前記環状空間を貫く溶接部を形成し、該主体金具と該プロテクタとを溶接する溶接工程と、を含むことを特徴とするガスセンサの製造方法である。
本発明のガスセンサの製造方法では、主体金具の先端部外周に油剤を付着させた状態で、プロテクタを主体金具の先端部の特定部位に嵌合して両者を組み付ける組み付け工程、主体金具とプロテクタとを溶接する溶接工程を順に行う。
ここで、本発明のガスセンサの製造方法における組み付け工程では、主体金具の先端部とプロテクタとが嵌合する嵌合部と、主体金具の先端部とプロテクタとが環状空間を介して重なる空間形成部とを軸線方向に沿って生じさせている。そして、組み付け工程に続く溶接工程では、プロテクタの外周から、環状空間を貫く溶接部を形成するようにしている。
このように主体金具とプロテクタとの間に環状空間を意図的に形成し、この環状空間を貫く溶接部を形成することで、溶接工程時に主体金具の先端部に油剤が付着していたとしても、気化した油剤成分のガスを、この環状空間を通じてプロテクタの後端側あるいは先端側から外部に逃がすことができる。これにより、本発明のガスセンサの製造方法によれば、主体金具の全表面に油剤を付着させた場合にも、溶接部の形成が予定される部位の油剤を選択的に除去する等の特別な処理を行うことなく、良好な溶接部形成が得られるようになり、ひいてはガスセンサの製造効率および歩留まり向上が達成される。また、本発明のガスセンサの製造方法によれば、プロテクタと主体金具との固定を行うにあたって、嵌合による位置決めと溶接の両立を安定して図ることができ、高品質な特性を有するガスセンサを製造することができる。
なお、上記金具準備工程は、少なくとも先端部の外周に油剤を付着させた主体金具を準備するものであり、所定の形状に形成された主体金具の表面に対して所定量(狙い量)油剤が付着されるものであれば良く、その付着手法は特に限定されない。例えば、ガスセンサ向けの主体金具は、機械加工(塑性加工や切削加工、研削加工等)を通じて所定の形状に成形されるものであるが、その加工時に潤滑や冷却のために使用した油剤(潤滑油剤や切削油剤、研削油剤等)が残留油剤として付着していることがある。そこで、この残留油剤が付着した主体金具の表面に対して、所定量の油剤が最終的に付着されるように、残留油剤を減少させたり新たな油剤を付加したりすれば良い。また、これとは別に、残留油剤が付着した主体金具を脱脂、洗浄して全ての残留油剤を除去した後、所定量の油剤を主体金具の表面に付着させるようにしても良い。
上記溶接工程における溶接部は、レーザー溶接やプラズマ溶接、電子ビーム溶接といった高密度エネルギービームを用いた溶接にて形成することが好ましく、その中でもレーザー溶接を用いることが、製造効率や製造コストを考慮した場合に、最も好ましい。また、この溶接部は、周方向にわたって連続的に形成される全周溶接部であっても良いし、周方向に対して断続的に形成されるスポット溶接部であっても良いが、プロテクタ−主体金具間の強固な溶接強度を得るには全周溶接部であることが好ましい。
さらに、本発明において、ガス検出素子の先端側を覆うように主体金具に装着されるプロテクタは、一重構造に限定されず、二つ以上の筒状部材を用いて形成する複数構造をなしていても良い。例えば、プロテクタを、外側カバー部と、この外側カバー部よりも内側に配置される内側カバー部との二重構造をなすものとし、互いのカバー部の後端部を重ね合わせた状態で主体金具の先端側外周に装着し、主体金具の先端部と互いのカバーの三者を一体に溶接した構成を採用しても良い。あるいは、上記と同様にプロテクタを、外側カバー部と内側カバー部の二重構造をなすものとし、外側カバー部と内側カバー部とをいずれかの部位で予め固着させた状態で、いずれかのカバーのみを主体金具の先端部外周に装着し、主体金具の先端部といずれかのカバーを一体に溶接した構成を採用しても良い。
また、上記ガスセンサの製造方法であって、前記主体金具のうちで前記空間形成部を形成する部位の外径をA、前記プロテクタのうちで前記空間形成部を形成する部位の内径をBとしたときに表される前記環状空間の大きさB−Aが、0.06mm以上0.2mm以下であるガスセンサの製造方法とすると良い。
空間形成部を構成する主体金具とプロテクタとの間に形成される環状空間の大きさ(上記B−Aにて表される大きさ)を0.06mm以上とすることで、良好なガス抜き効果を得ることができ、安定した溶接部を形成することができる。上記環状空間の大きさが、0.06mm未満であると、ガス抜き効果を十分に得ることができないおそれがある。なお、この環状空間の大きさ(上記B−Aにて表される大きさ)の上限は、主体金具やプロテクタの材質、プロテクタに肉厚等を考慮して、溶接時に溶融金属の溶け落ちが生じない大きさに適宜設定すればよく、具体的には0.2mm以下に設定すれば良い。
さらに、上記いずれかに記載のガスセンサの製造方法であって、前記主体金具の前記先端部は、大径部およびこの大径部よりも小さい外径を有する小径部を含み、前記嵌合部は、前記大径部と前記プロテクタとが嵌合することで形成される一方、前記空間形成部は、前記小径部と前記プロテクタとが前記環状空間を介して重なることで形成されるガスセンサの製造方法とすると良い。
本発明では、予め、プロテクタの装着が予定される先端部に、大径部およびこの大径部よりも小さい外径を有する小径部を有する主体金具を用意しておく。そして、組み付け工程において、主体金具の小径部外周面とプロテクタ内周面との間に環状空間が形成されるように、主体金具の大径部に対してプロテクタを嵌合することにより、上記嵌合部および空間形成部を容易に生じさせることができる。
また、いずれかに記載のガスセンサの製造方法であって、上記前記プロテクタのうちで前記主体金具の前記先端部の外周に装着される部位は、小径部およびこの小径部よりも内径が大きい大径部とを含み、前記嵌合部は、前記小径部と前記主体金具の前記先端部とが嵌合することで形成される一方、前記空間形成部は、前記大径部と前記主体金具の前記先端部とが前記環状空間を介して重なることで形成されるガスセンサの製造方法とすると良い。
本発明では、予め、主体金具の先端部への装着が予定される部位に、小径部およびこの小径部よりも大きい内径を有する大径部を有するプロテクタを用意しておく。そして、組み付け工程において、プロテクタの大径部内周面と主体金具の先端部外周面との間に環状空間が形成されるように、主体金具の先端部に対してプロテクタの小径部を嵌合することにより、上記嵌合部および空間形成部を容易に生じさせることができる。
さらに、上記いずれかに記載のガスセンサの製造方法であって、前記嵌合部の軸線方向の長さが、0.8mm以上であるガスセンサの製造方法とすると良い。
プロテクタと主体金具の先端部とが嵌合される嵌合部の軸線方向の長さを0.8mm以上に設定することで、組み付け工程において、主体金具の先端部に対するプロテクタの嵌合による位置決め固定を良好に得ることができ、溶接工程への搬送時等にプロテクタが主体金具からずれたり、脱落したりすることを防止することができる。なお、この嵌合部の軸線方向の長さの上限値は特に制限はない。
さらに、上記いずれかに記載のガスセンサの製造方法であって、前記嵌合部は、前記主体金具の前記先端部に前記プロテクタを圧入することで形成されるガスセンサの製造方法とすると良い。上記嵌合部を、主体金具の先端部とプロテクタとの圧入によって形成することで、組み付け工程において、主体金具とプロテクタとの固着強度を良好に得ることができる。
さらに、上記のガスセンサの製造方法であって、前記主体金具の前記大径部の表面には、径方向内側に窪んだ凹部であって、該大径部の先端縁から後端縁まで連続した前記凹部が少なくとも1つ以上設けられているガスセンサの製造方法とすると良い。
主体金具の大径部に上記した凹部が1つ以上形成された主体金具を用いることで、主体金具の小径部とプロテクタとの間に形成される環状空間を貫く溶接部を形成する際に、気化した油剤成分のガスをこの環状空間を通じて外部に逃がすと共に、上記凹部内を経由して外部に逃がすことができる。これにより、溶接工程時により確実なガス抜き効果がもたらされ、ブローホール等の溶接欠陥の発生をより確実に抑えることができる。なお、この凹部は、主体金具成形時に付与させても良いし、成形後の主体金具にローレット加工等を施して付与させても良い。
また、他の解決手段である本発明のガスセンサは、軸線方向に延び、先端側が被測定ガスに晒されるガス検出素子と、前記ガス検出素子を自身の先端側から突出した状態で、該ガス検出素子の周囲を取り囲む筒状の主体金具と、前記主体金具の先端部の外周に装着されると共に、前記ガス検出素子の先端側を覆う筒状のプロテクタと、を備えるガスセンサであって、前記主体金具の前記先端部と前記プロテクタとが嵌合する嵌合部と、前記主体金具の前記先端部と前記プロテクタとが環状空間を介して重なる空間形成部とを有し、前記プロテクタは、前記環状空間を貫くようにして形成される溶接部により、前記主体金具に溶接されていることを特徴とするガスセンサである。
本発明のガスセンサでは、主体金具の先端部と筒状のプロテクタとの装着部位をみたときに、両者が嵌合する嵌合部と、環状空間を介して重なる空間形成部を有している。そして、プロテクタは、主体金具の先端部との間に介在する環状空間を貫くようにして形成される溶接部により、主体金具に溶接されている点が注目すべき点である。これにより、本発明のガスセンサは、例えば上記の優れた製造方法により効率良く製造することができ、安定した溶接部が形成され、プロテクタと主体金具とが強固に固定された高品質な特性を得ることができる。なお、この溶接部は、主体金具の先端部外周面とプロテクタ内周面との間の防水性を確保する観点から、周方向にわたって形成されていることが好ましい。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
本実施形態に係るガスセンサ101の断面図を図1に、要部の断面図を図2に示す。また、プロテクタ151の内部構造を示す説明図を図3に示す。なお、図1〜図3においては、下方が先端側、上方が後端側となる。このガスセンサ101は、内燃機関の排ガス管に取り付けて、被測定ガスである排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサである。ガスセンサ101は、図1および図2に示すように、軸線C方向に延びるガス検出素子103と、このガス検出素子103の周囲を取り囲む筒状の主体金具121と、ガス検出素子103のうちで排気ガスに晒される先端部105を覆うプロテクタ151とを備える。
このうち、ガス検出素子103は、先端105Sが閉塞した有底筒状をなし、イットリアを安定化剤として固溶させた部分安定化ジルコニアを主体に形成されている。このガス検出素子103の内周面には、そのほぼ全面を覆うようにPtあるいはPt合金により多孔質状に形成された内部電極層108が形成され、外周面には同様な多孔質状の外部電極層106が設けられている。また、このガス検出素子103の軸線方向の略中間位置には、径方向外側に向かって突出する係合フランジ部111が設けられている。この係合フランジ部111は、後述するように、このガス検出素子103を主体金具121に保持するために利用される。また、このガス検出素子103の内側には、棒状に形成されると共に、内部に発熱抵抗体を有するセラミックヒータ109が挿設されている。
主体金具121は、SUS430からなる筒状をなしており、プロテクタ151内に挿入される先端部123を有する。また、主体金具121の内周には、先端部123より後端側の位置に、ガス検出素子103を軸線C方向に保持するための棚部(支持面)125が設けられている。さらに、棚部125よりも後端側にも段付部127が形成されている。一方、主体金具121の外周には、先端部123よりも後端側の位置に、このガスセンサ101を排ガス管に取り付けるための取付ネジ部129が設けられている。また、この取付ネジ部129の後端側には、このガスセンサ101を排ガス管に取り付ける際に利用される六角フランジ部131(工具係合部)が設けられている。
主体金具121の先端部123は、上記したようにプロテクタ151内に挿入される部位であって、この先端部123は、プロテクタ151(詳細には、後述する外側カバー部173)との間で重なり部301を生ずる部位にあたる。ここで、主体金具121のうちプロテクタ151との間で重なり部301を生ずる(重なり部301を生ずることが予定される)先端部123は、大径部303(外径12.15mm)と、この大径部303よりも後端側であって取付ネジ部129よりも先端側の位置に、大径部303よりも小径の小径部305(外径12.03mm)を有しており、二段構造となっている。
この主体金具121は、ガス検出素子103の先端部105が自身の先端面から突出した状態で、ガス検出素子103を同軸状に保持している。具体的には、図1に示すように、主体金具121の棚部125上には、第1板パッキン133が配置されている。さらに、その上には、内周に段付部136を有する筒状の第1固定部材135(アルミナ製)が配置されている。ガス検出素子103は、この第1固定部材135に挿通され、ガス検出素子103の係合フランジ部111が、第2板パッキン137を介して、第1固定部材135の段付部136に係合している。第1固定部材135の後端側には、ガス検出素子103の外周面と主体金具121の内周面とによって形成される間隙に、滑石が圧縮充填された充填封止層139が配置されている。
さらに、この充填封止層139の後端側には、内側をガス検出素子103が貫通する筒状の第2固定部材141(アルミナ製)が配置されている。第2固定部材141の後端側には加締めリング145が配置され、主体金具121の後端部132が径方向内側に加締められることで、ガス検出素子103は、主体金具121内に気密状態で保持されている。
プロテクタ151は、ガス検出素子103の先端部105を間隙を介して覆う筒状の内側カバー部153と、この内側カバー部153の外周に配置された筒状の外側カバー部173とを有する二重構造をなす。
このうち、外側カバー部173は、肉厚0.5mmのSUS310Sからなり、外径13.15mmの外側筒状部175と、この先端側に位置する外側底部177とからなる。外側筒状部175には、排気ガスを外部から外側カバー部175の内側に導入可能な外側ガス流通孔176が6ヵ所に設けられている。外側ガス流通孔176は、それぞれ長円形状をなし、各々の外側ガス流通孔176は、軸線C方向に見て中央よりも先端側の位置に、周方向に等間隔で形成されている。また、外側底部177には、その中央に、プロテクタ151よりも先端方向外部に繋がる円形状の外側先端流通孔179が設けられている。
内側カバー部153は、肉厚0.3mmのSUS310Sからなり、外径8.50mmの内側筒状部155と、この先端側に位置する内側底部175とからなる。内側筒状部155は、上記外側筒状部175と異なり、ガス流通孔を有していない。一方、内側底部157には、その中央に、プロテクタ151よりも先端方向外部に繋がる円形状の内側先端流通孔159が設けられている。
また、プロテクタ151は、図2および図3に示すように、内側カバー部153の内側筒状部155と外側カバー部173の外側筒状部175との間のカバー部間空間171のうち、外側ガス流通孔176よりも後端側において、カバー部間空間171を周方向に間欠的に遮る遮り部181を有する。本実施形態の遮り部181は、内側筒状部155の後端から6ヵ所で径方向外側に突出する鍔部183からなる。なお、外側ガス流通孔176の開口面積に対する遮り部181(鍔部183)の面積(遮り部181を軸線方向に投影したときの投影面積)は、約30%とされている。この鍔部183には、この径方向外側端からそれぞれ軸線C方向後端側に突出する6本の脚部185が設けられている。
内側カバー部153と外側カバー部173は、内側底部157と外側底部177が、内側先端通気孔159の周囲部157Wと外側先端流通孔179の周囲部177Wにおいて、4ヵ所で部分的にスポット溶接されることにより、約0.1mmの隙間を介して互いに固着されている。これにより、内側先端流通孔159と外側先端流通孔179とが連通している。
このようなプロテクタ151は、図2に示すように、外側カバー部173の後端部180(外側筒状部175の後端部)が、主体金具121の先端部123の大径部303に圧入固定されると共に、同先端部123の小径部305に環状空隙Sを介在させた状態でレーザー溶接されている。
このプロテクタ151と主体金具121との固定構造は、本発明の主要部にあたるため、より詳細に説明することにする。
主体金具121のうちで、プロテクタ151の外側カバー部173の後端部180との間で重なり部301を生ずる先端部123は、上記した大径部303と小径部305を有しており、外側カバー部173は、大径部303に嵌合(本実施形態では、圧入)されている。また、この外側カバー部173は自身の内周面と小径部303の外周面との間に環状空間Sが形成されており、この環状空間Sを貫くようにしてレーザー溶接に形成された溶接部Wが外側カバー部173の周方向にわたって形成されている。つまり、プロテクタ151(外側カバー部173)と主体金具121とは、圧入固定とレーザー溶接によって固定されている。また、遮り部181と繋がった脚部185が主体金具121の先端部123の先端面123Sと当接している。なお、本実施形態のガスセンサ101では、大径部303と外側カバー部173とが嵌合する部位が、嵌合部501をなしており、小径部303と外側カバー部173とが環状空間Sを介して重なる部位が、空間形成部503をなしている。
本実施形態のガスセンサ101においては、主体金具121の小径部305の外径(最大外径)をA、この小径部305の径方向外側に位置するプロテクタ151(外側カバー部173)の内径(最小内径)をBとしたときに表される環状空間Sの大きさB−Aは、0.12mm(=12.15mm−12.03mm)である。また、外側カバー部173と主体金具121の大径部303との嵌合(圧入)による位置決めが良好に行われるように、嵌合部501の軸線C方向の長さ、即ち大径部303の先端縁から後端縁までの軸線C方向の長さD(図4参照)が1mmとなっている。
これらにより、主体金具121の先端部123と、外側筒状部175と、内側筒状部155とは、外側ガス流通孔176から導入された被測定ガス(排気ガス)を、内側カバー部153とガス検出素子103の先端部105との間の空隙に導く内側ガス導入路191を構成している。より具体的には、内側ガス導入路191は、外側ガス流通孔176から導入された被測定ガスを、外側筒状部175と内側筒状部155との間を通過させ、後端側に導く。その後、排気ガスを、主体金具121の先端部123のうち、内周面と外周面との間を結ぶ連結面(先端面)の内周面側端縁123STよりも軸線C方向に見て先端側で、内側筒状部155の後端を越えさせる。そして、被測定ガスを、内側カバー部153とガス検出素子103の先端部105との間の空隙に導き、内側先端流通孔159及び外側先端流通孔179を介してプロテクタ151の外部に排出する。
ついで、図1に戻り、主体金具121のうち、六角フランジ部131の後端側は、筒状の金属外筒201の先端部201Sが外側から全周レーザー溶接により固定されている。また、金属外筒201の後端側開口部201Kには、フッ素ゴムにて構成されたグロメット203が内挿され、金属外筒201を径方向内側に向かって加締めることにより、金属外筒201に気密状態で固定されている。グロメット203の中央部には貫通孔が設けられ、この貫通孔に、大気を金属外筒201の内側に導入する一方、水分の侵入を防ぐフィルタ部材205が配置されている。また、グロメット203の先端側には、絶縁性のアルミナからなるセパレータ207が配置されている。そして、グロメット203及びセパレータ207を貫通してセンサ出力リード線211、212およびヒータリード線213、214が配置されている。また、セパレータ207内には、第1、第2センサ端子金具215、216のコネクタ部215B、216B及びヒータ端子金具217、218が互いに絶縁されつつ配置されると共に、セラミックヒータ109の後端側が収容されている。
第1センサ端子金具215は、そのコネクタ部215Bがセンサ出力リード線211を加締めにより把持してこれに電気的に接続すると共に、挿入部215Cがガス検出素子103の有底孔内に挿入され、内部電極層108と電気的に接続している。また、第2センサ端子金具216は、そのコネクタ部216Bがセンサ出力リード線121を加締めにより把持してこれに電気的に接続すると共に、把持部216Cがガス検出素子103の後端付近の外周を把持して、外部電極層106と電気的に接続している。また、2本のヒータ端子金具217は、ヒータリード線213(なお、1本のヒータリード線については、図1が断面図であるため省略されている)とそれぞれ電気的に接続すると共に、セラミックヒータ109の一対の電極パッド部109Bと接合されることによりそれぞれ電気的に接続している。
なお、セパレータ207には、径方向外側に向かって突出する鍔部207Cが形成されている一方、金属外筒201には、周方向に沿って等間隔に4ヶの内側凸部201Cが形成されている。そして、この内側凸部201Cに鍔部207Cの後端面を当接させた状態で、付勢部材219を用いて鍔部207Cを後方側に付勢することにより、セパレータ207は金属外筒201内に保持されている。なお、付勢部材219は、筒状をなすと共に自身の弾性力によりセパレータ207に保持され、自身の径方向外側に位置する金属外筒201が径方向内側に加締められることで変形し、セパレータ207の鍔部207Cを後方側に付勢するように構成されている。
このガスセンサ101は、以下のように製造される。
まず、SUS430の鋼材に対して塑性加工および切削加工を施し、六角フランジ部131、取付ネジ部129、棚部133、先端部123等を有する筒状の主体金具121を成形する。このとき、プロテクタ151(外側カバー部173)との間で重なり部301を生じることが予定される先端部123に、大径部303と、この大径部303よりも後端側に位置し大径部303よりも小さい外径の小径部305とが形成されるように、主体金具121が成形される。
ついで、この主体金具121の表面に所定量の油剤を付着する。以下に、本実施形態における油剤付着方法について説明する。上述した主体金具121の成形(塑性加工、切削加工)時には、潤滑や冷却のために油剤が使用されており、成形後の主体金具121の表面には残留油剤が付着している。そこで、まずこの残留油剤が付着した主体金具121を脱脂液に浸漬し、脱脂液から出して水洗し、主体金具121に付着した残留油剤の全部を除去する。そして、この水洗した主体金具121を、水に水溶性油剤を溶解した油剤液(例えば、アルキルアミンオキサイドの約30%水溶液)に浸漬し、油剤液から出して乾燥して自身の表面に新規に油剤を付着させた主体金具121を得る。なお、上記油剤液の濃度を適宜調整しておくことにより、主体金具121の表面に所定量の油剤を付着させることができる。このようにして、所定形状をなし、先端部123を含む表面に油剤が付着された主体金具121が準備される。
一方、所定寸法に予め成形されたSUS310S製の有底筒状をなす外側カバー部173と内側カバー部153を準備する。そして、内側先端流通孔159の周囲部157Wと外側先端流通孔179の周囲部177Wにおいて、4ヵ所でスポット溶接を行うことにより、内側カバー部153と外側カバー部173とを同軸状に固着し、プロテクタ151を得る。
そして、図4(a)に示すように、主体金具123の先端側よりプロテクタ151を移動させて、取付ネジ部129の先端面に外側カバー部173の後端が当接するまでプロテクタ151を移動させることで、外側カバー部173の後端部180を、主体金具121の先端部123外方に装着する。このとき、主体金具121の先端部123の大径部303に対して、外側カバー部173は嵌合(本実施形態では圧入)されることになるが、主体金具121の表面には油剤が付着されているため、円滑に圧入を行うことができる。また、取付ネジ部129の先端面に外側カバー部173の後端が当接するまでプロテクタ151を移動(圧入)するため、先端部123の小径部305と外側カバー部173との間には、環状空間Sが形成されることになる。なお、本実施形態では、この環状空間Sの大きさB−Aが、0.12mmとなるように、主体金具121の小径部305の外径を上記成形時に調整している。これにより、大径部303と外側カバー部173とが嵌合する嵌合部501と、小径部305と外側カバー部173とが環状空間Sを介して重なる空間形成部503とが形成される。
ついで、図4(b)に示すように、主体金具121の小径部305の径方向外側に位置する外側カバー部173の外周面からレーザー光を照射して、環状空間Sを貫くようにして溶接部Wを全周にわたって形成し、プロテクタ151と主体金具121とをレーザー溶接する。これにより、プロテクタ151と主体金具121とは、圧入固定とレーザー溶接により強固に固定される。
ここで、この溶接工程時においては、主体金具121の小径部305の表面には油剤が付着しているため、レーザー溶接による入熱により油剤成分が気化することになる。しかし、本実施形態においては、環状空間Sを介在させて上記レーザー溶接を実行していることから、油剤成分が気化したガスは、外側カバー部173の後端側から外部に逃げることになる。そのため、溶接部Wにおいては、このガス発生に起因したブローホール等の溶接欠陥が生じることが抑制され、安定した溶接部W形成がもたらされる。なお、本実施形態においては、主体金具121の取付ネジ部129の先端面に外側カバー部173の後端を当接させるものであるが、この当接部分には、少なからず微小な隙間(約0.03mm)が存在することになるため、外側カバー部173の後端側からガス抜きを行うことは可能となる。
そして、このプロテクタ151を固定した主体金具121の内部に、第1板パッキン133、第1固定部材135、第2板パッキン137、ガス検出素子103、充填封止層139となる滑石リング、第2固定部材141、加締めリング145を順に挿入する。その後、主体金具121の後端部132を径方向内側に加締めて、滑石リングを圧縮充填させて充填封止層139を形成しつつ、主体金具121内にガス検出素子103を保持させて下部組立体401(図5参照)が作製される。
ついで、第1、第2センサ端子金具215、216および2本のヒータ端子金具217に、それぞれセンサ出力リード線211、212およびヒータリード線213を接続し、セラミックヒータ109を第1センサ端子金具215内に位置させた状態で、各リード線211、212、213(残り1本については、図示省略)をセパレータ207内に挿通する。なお、セパレータ207の鍔部207Cよりも先端側周囲には、付勢部材219を予め装着させておく。このように内部にリード線211、212、213を挿通したセパレータ207を、金属外筒201内に挿入する。ついで、各リード線211、212、213をグロメット203に形成したリード線挿通孔に挿通し、このグロメット203を金属外筒201の後端側開口部201Kに嵌め込む。これにより、上部組立体402(図5参照)が作製される。
そして、図5に示すように、この上部組立体402を下部組立体401に向けて移動させ、金属外筒201の先端部201Sが主体金具121の六角フランジ部131に当接するまで上部組立体402を移動させる。このとき、ヒータ15はガス検出素子103の内部に挿入されることになる。その後、金属外筒201の先端部201Sとこの内側に位置する主体金具121とを、金属外筒201を先端側に押圧しながら、加締め治具によって加締めて仮接続する。
ついで、金属外筒201のうちで、付勢部材219の径方向外側に位置する部位を径方向内側に向かって加締めて、付勢部材219を変形させつつ、付勢部材219と内側凸部201Cとの間でセパレータ207の鍔部207Cを挟持させる。これにより、セパレータ207が金属外筒201内に保持される。その後、金属外筒201のうち、グロメット203の径方向外側に位置する部位を径方向内側に向かって加締めて、グロメット203を金属外筒201に気密状態に固定する。そして、既に仮接続した金属外筒201の先端部201Sと主体金具121とを全周レーザー溶接することにより、ガスセンサ101を完成させる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態のガスセンサ601について説明する。なお、ガスセンサ601の要部の断面図を図6に示す。このガスセンサ601は、上記第1実施形態のガスセンサ101と同様に、排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサであるが、主体金具121の先端部123とプロテクタ151(詳細には、外側カバー部173)との装着部分の構造が異なる。従って、以下では第1実施形態のガスセンサ101と異なる部分を中心に説明し、同様な部分について同じ記号や番号を付し、説明は省略あるいは簡略化する。
本実施形態のガスセンサ601では、プロテクタ151の外側カバー部173のうちで、主体金具の先端部123との間で重なり部301を生ずる後端部180は、プロテクタ側小径部611およびこのプロテクタ側小径部611よりも内径が大きいプロテクタ側大径部613を有している。また、主体金具121の先端部123は、上記第1実施形態のように大径部303および小径部305を有しておらず、外径が略同一に形成されている。
そして、外側カバー部173のプロテクタ側小径部611が主体金具121の先端部に嵌合(本実施形態では圧入)されていると共に、外側カバー部173のプロテクタ側大径部613の内周面と主体金具121の先端部123の外周面との間に環状空間Sが形成されており、この環状空間Sを貫くようにしてレーザー溶接により形成された溶接部Wが外側カバー部173の周方向にわたって形成されている。つまり、本実施形態のガスセンサ601においては、プロテクタ側小径部611と主体金具121の先端部123とが嵌合する部位が、嵌合部651をなしており、プロテクタ側大径部613と主体金具121の先端部123とが環状空間Sを介して重なる部位が、空間形成部653をなしている。
なお、本実施形態のガスセンサ601においては、外側カバー部173のプロテクタ側大径部613の内径(最小内径)をB、このプロテクタ側大径部613の径方向内側に位置する主体金具121の先端部123の外径をAとしたときに表される環状空間Sの大きさB−Aは、0.10mm(=12.25mm−12.15mm)である。また、主体金具121の先端部123と外側カバー部173のプロテクタ側小径部611との嵌合(圧入)による位置決めが良好に行われるように、嵌合部651の軸線C方向の長さ、即ちプロテクタ側小径部611の先端縁から後端縁までの軸線C方向の長さが0.8mmとなっている。
このガスセンサ601は、以下のように製造される。
まず、上記第1実施形態と同様に、SUS430の鋼材に対して塑性加工および切削加工を施し、筒状の主体金具121を成形する。ついで、この主体金具121の表面に所定量の油剤を付着する。主体金具121への油剤付着方法については、上記第1実施形態と同様である。
一方、所定寸法に予め成形されたSUS310S製の有底筒状をなす外側カバー部173と内側カバー部153を準備する。このとき、主体金具121の先端部123との間で重なり部301を生じることが予定される後端部180に、プロテクタ側小径部611と、このプロテクタ側小径部611よりも後端側に位置しプロテクタ側小径部611よりも大きい内径のプロテクタ側大径部613とが形成されるように、外側カバー部173が成形される。そして、内側カバー部153と外側カバー部173とを同軸状に固着し、プロテクタ151を得る。
そして、主体金具123の先端側よりプロテクタ151を移動させて、取付ネジ部129の先端面に外側カバー部173の後端が当接するまでプロテクタ151を移動させることで、外側カバー部173の後端部180を、主体金具121の先端部123外方に装着する。このとき、主体金具121の先端部123に対して、外側カバー部173のプロテクタ側小径部611は圧入されることになるが、主体金具121の表面には油剤が付着されているため、円滑に圧入を行うことができる。また、取付ネジ部129の先端面に当接するまでプロテクタ151を移動するため、先端部123と外側カバー部173のプロテクタ側大径部613との間には、環状隙間Sが形成されることになる。
ついで、外側カバー部173のプロテクタ側大径部613の外周面からレーザー光を照射して、環状隙間Sを貫くようにして溶接部Wを全周にわたって形成し、プロテクタ151と主体金具121とをレーザー溶接する。なお、この溶接工程時においては、主体金具121の先端部123の表面には油剤が付着しているため、レーザー溶接による入熱により油剤成分が気化することになる。しかし、本実施形態においては、環状空間Sを介在させて上記レーザー溶接を実行していることから、油剤成分が気化したガスは、外側カバー部173の後端側から外部に逃げることになる。そして、主体金具121の先端部123にプロテクタ151を装着した後、上記第1実施形態と同様の工程を経ることにより、ガスセンサ601を完成させる。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、ガス検出素子103として先端105Sを閉じた形状の素子を用いたが、検知対象などに応じて形状を適宜変更しても良く、板状のガス検出素子を用いることもできる。
また、上記実施形態では、外側カバー部173と主体金具121の小径部305とのレーザー溶接時に、油剤成分のガスを環状空間Sからプロテクタ151(外側カバー部173)の後端から外部に逃がすようにしていたが、主体金具121の先端側からも逃がすようにしても良い。具体的には、塑性加工、切削加工を経て上記所定形状の主体金具121を成形した後に、先端部123の大径部303の表面に溝切り加工またはローレット加工を施し、大径部303の先端縁から基端縁まで連続形成される複数の凹部を形成する。
そして、大径部303の表面に複数の凹部を形成した主体金具121の表面に油剤を付着させた後、上述した手順でプロテクタ151を圧入して、小径部305とプロテクタ151(外側カバー部173)とを環状空間Sを貫くようにして溶接部Wをレーザー溶接により形成する。これにより、主体金具121の小径部305の表面に油剤が付着していても、気化した油剤成分のガスを、環状空間Sを通じてプロテクタ151(外側カバー部173)の後端から外部に逃がすことができると共に、上記複数の凹部内の空間を通じて主体金具121の先端側から外部に逃がすことができる。これにより、主体金具121の小径部305と外側カバー部173との溶接工程時において、より確実にガス抜き効果がもたらされ、より安定した溶接部Wを形成することができる。
さらに、上記実施形態では、主体金具121の先端部123に大径部303を形成しつつ、この大径部303の後端側に小径部305を形成したが、大径部303の先端側に小径部305を形成するようにしても良い。この場合、大径部303に外側カバー部173を嵌合することで、小径部305と外側カバー部173との間に環状空間Sが形成されることになり、環状空間Sを貫く溶接部W形成時に発生する油剤成分のガスは、環状空間Sを通じてプロテクタ151の先端側から外部に逃がされることになる。
実施形態にかかるガスセンサの全体断面図である。 実施形態にかかるガスセンサの要部にあたるプロテクタと主体金具との固定構造を示す断面図である。 実施形態にかかるガスセンサのうち、二重構造をなすプロテクタを示す説明図である。 (a)プロテクタを主体金具の先端部外方に装着する様子を示す説明図と、(b)主体金具の小径部とプロテクタの外側カバー部とをレーザー溶接する様子を示す説明図である。 主体金具内にガス検出素子を保持させた状態の下部組立体に対し、上部組立体を組み付ける様子を示す説明図である。 第2実施形態にかかるガスセンサの要部にあたるプロテクタと主体金具との固定構造を示す断面図である。
符号の説明
101、601・・・ガスセンサ、103・・・ガス検出素子、106・・・外部電極層、108・・・内部電極層、109・・・セラミックヒータ、121・・・主体金具、123・・・(主体金具の)先端部、129・・・取付ネジ部、151・・・プロテクタ、153・・・内側カバー部、173・・・外側カバー部、201・・・金属外筒、301・・・重なり部、303・・・大径部、305・・・小径部、501、651・・・嵌合部、503、653・・・空間形成部、611・・・プロテクタ側小径部、613・・・プロテクタ側大径部、S・・・環状空間、W・・・溶接部

Claims (12)

  1. 軸線方向に延び、先端側が被測定ガスに晒されるガス検出素子と、
    前記ガス検出素子を自身の先端側から突出した状態で、該ガス検出素子の径方向外側を取り囲む筒状の主体金具と、
    前記主体金具の先端部の外周に装着されると共に、前記ガス検出素子の先端側を覆う筒状のプロテクタと、
    を備えるガスセンサの製造方法であって、
    前記先端部の外周に油剤を付着させた前記主体金具を準備する金具準備工程と、
    前記油剤が付着された前記主体金具と前記プロテクタとの少なくともいずれかを互いに近づく方向に移動させて、前記主体金具の前記先端部と前記プロテクタとが嵌合する嵌合部と、前記主体金具の先端部と前記プロテクタとが環状空間を介して重なる空間形成部とが軸線方向に沿って生ずるように、該主体金具と該プロテクタとを組み付ける組み付け工程と、
    前記プロテクタの外周から、前記環状空間を貫く溶接部を形成し、該主体金具と該プロテクタとを溶接する溶接工程と、を含む
    ことを特徴とするガスセンサの製造方法。
  2. 請求項1に記載のガスセンサの製造方法であって、
    前記主体金具のうちで前記空間形成部を形成する部位の外径をA、前記プロテクタのうちで前記空間形成部を形成する部位の内径をBとしたときに表される前記環状空間の大きさB−Aが、0.06mm以上0.2mm以下であるガスセンサの製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載のガスセンサの製造方法であって、
    前記主体金具の前記先端部は、大径部およびこの大径部よりも小さい外径を有する小径部とを含み、
    前記嵌合部は、前記大径部と前記プロテクタとが嵌合することで形成される一方、前記空間形成部は、前記小径部と前記プロテクタとが前記環状空間を介して重なることで形成されるガスセンサの製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載のガスセンサの製造方法であって、
    前記プロテクタのうちで前記主体金具の前記先端部の外周に装着される部位は、小径部およびこの小径部よりも内径が大きい大径部とを含み、
    前記嵌合部は、前記小径部と前記主体金具の前記先端部とが嵌合することで形成される一方、前記空間形成部は、前記大径部と前記主体金具の前記先端部とが前記環状空間を介して重なることで形成されるガスセンサの製造方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のガスセンサの製造方法であって、
    前記嵌合部の軸線方向の長さが、0.8mm以上であるガスセンサの製造方法。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のガスセンサの製造方法であって、
    前記嵌合部は、前記主体金具の前記先端部に前記プロテクタを圧入することで形成されるガスセンサの製造方法。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のガスセンサの製造方法であって、
    前記溶接部は、レーザー溶接により形成されるガスセンサの製造方法。
  8. 請求項3に記載のガスセンサの製造方法であって、
    前記主体金具の前記大径部の表面には、径方向内側に窪んだ凹部であって、該大径部の先端縁から後端縁まで連続した前記凹部が少なくとも1つ以上設けられているガスセンサの製造方法。
  9. 軸線方向に延び、先端側が被測定ガスに晒されるガス検出素子と、
    前記ガス検出素子を自身の先端側から突出した状態で、該ガス検出素子の周囲を取り囲む筒状の主体金具と、
    前記主体金具の先端部の外周に装着されると共に、前記ガス検出素子の先端側を覆う筒状のプロテクタと、
    を備えるガスセンサであって、
    前記主体金具の前記先端部と前記プロテクタとが嵌合する嵌合部と、前記主体金具の前記先端部と前記プロテクタとが環状空間を介して重なる空間形成部とを有し、
    前記プロテクタは、前記環状空間を貫くようにして形成される溶接部により、前記主体金具に溶接されている
    ことを特徴とするガスセンサ。
  10. 請求項に記載のガスセンサであって、
    前記プロテクタと前記主体金具とは、周方向にわたって形成される前記溶接部により溶接されているガスセンサ。
  11. 請求項9又は10に記載のガスセンサであって、
    前記主体金具の前記先端部は、大径部と、この大径部よりも小さい外径を有する小径部とを含み、
    前記大径部と前記プロテクタとが嵌合して前記嵌合部をなし、前記小径部と前記プロテクタとが前記環状空間を介して重なって前記空間形成部をなすガスセンサ。
  12. 請求項9又は10に記載のガスセンサであって、
    前記プロテクタのうちで前記主体金具の前記先端部の外周に装着される部位は、小径部と、この小径部よりも内径が大きい大径部とを含み、
    前記小径部と前記主体金具の前記先端部とが嵌合して前記嵌合部をなし、前記大径部と前記主体金具の前記先端部とが前記環状空間を介して重なって前記空間形成部をなすガスセンサ。
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