JP6239360B2 - ガスセンサ - Google Patents
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Description
一般に、このようなガスセンサは、長尺の検出素子の中央部付近を保持した主体金具を排気管等に取付け、検出素子先端の検出部が排気管内に露出してガスを検知できるようになっている。又、検出素子の後端側には検出部からの出力信号を取出すためのリードや端子が設けられ、端子はコネクタ等を介して外部回路に接続されている。従って、検出素子の後端側を覆うと共にリードや端子を保持するため、主体金具の後端部に筒状の外筒が接合されている。
そして、通常、主体金具と外筒の接合は、主体金具の後端部外側に外筒を遊嵌して重ね合わせ、加締めた後、重ね合わせ部の全周にわたってレーザ溶接して行われる(特許文献1参照)。
一方、検出素子の先端側を覆うため、主体金具の先端部に有底筒状で金属製のプロテクタが接合されている。主体金具とプロテクタの接合は、主体金具の先端部外側にプロテクタを嵌合した後、嵌合部を全周溶接して行われる。
一方、主体金具に外筒をきつく嵌合させて仮止めする場合、加締め工程は不要となるが、嵌合時の圧入抵抗が大きくなり、やはり生産性の低下を招く。さらに、プロテクタのように肉厚が薄い部材を主体金具に圧入する場合、プロテクタの変形を防止するため圧入荷重を小さくする必要があり、その結果としてプロテクタの嵌合深さが不足する半圧入となることがある。
従って、本発明は、主体金具への外筒又はプロテクタの取り付けを容易にし、生産性や歩留まりを向上させたガスセンサの提供を目的とする。
このガスセンサによれば、主体金具の後端部と外筒との少なくとも一部は凸状部で接するので、両者が全面接触する場合に比べて接触面積が小さくなり、嵌合時の圧入抵抗が小さくなって生産性や歩留まりが向上する。又、上記接触長さを、主体金具の外周円の長さの50%以下とすることで、主体金具と外筒との接触面積が確実に小さくなり、嵌合時の圧入抵抗が小さくなる。
さらに、前記断面において、前記凸状部を除く前記外筒の厚みをt(mm)とし、前記外筒と前記主体金具との最大間隔をG(mm)としたとき、G≦0.4×tと規定することにより、外筒の板厚に比べ、外筒と主体金具との間隔が小さくなるので、溶接時に外筒の溶融した材料が主体金具側へ確実に流れ込み、液密な溶接が安定して形成される。
このガスセンサによれば、主体金具の後端部とプロテクタとの少なくとも一部は凸状部で接するので、両者が全面接触する場合に比べて接触面積が小さくなり、嵌合時の圧入抵抗が小さくなって生産性や歩留まりが向上する。又、上記接触長さを、主体金具の外周円の長さの50%以下とすることで、主体金具とプロテクタとの接触面積が確実に小さくなり、嵌合時の圧入抵抗が小さくなる。
さらに、前記断面において、前記凸状部を除く前記プロテクタの厚みをt(mm)とし、前記プロテクタと前記主体金具との最大間隔をG(mm)としたとき、G≦0.4×tと規定することにより、プロテクタの板厚に比べ、プロテクタと主体金具との間隔が小さくなるので、溶接時にプロテクタの溶融した材料が主体金具側へ確実に流れ込み、液密な溶接が安定して形成される。
このガスセンサによれば、複数の凸状部が対称な位置に配置されるので、外筒又はプロテクタを、主体金具に嵌合するときに偏心しづらく、確実に嵌合することができる。
図1は、本発明の実施形態に係るガスセンサ1の外観斜視図である。ガスセンサ1は、軸線方向Oに沿って先端側から、それぞれ筒状のプロテクタ8、プロテクタ8の後端に接続される主体金具50、及び主体金具50の後端に接続される外筒65を有しており、ガスセンサ1内には図示しない検出素子10が保持されている。
外筒65は、主体金具50の後端部の外周に嵌合されて嵌合部67を形成し、嵌合部67のうち軸線O方向の一部が全周にわたって溶接されて溶接部99が形成されている。
又、外筒65の内面には、径方向内側に突出する凸状部66が径方向に部分的に(本実施形態では4個)形成されている。なお、凸状部66は外筒65をプレス加工して形成されているため、外筒65の外面には凸状部66と相補的な凹部として見える。
又、本実施形態では、軸線方向Oに沿って凸状部66が嵌合部67よりも後端側まで延びているが、軸線方向Oに凸状部66が嵌合部67と面一であってもよい。つまり、凸状部66が主体金具50の外周(後述する後端部57)に接する部分が、嵌合部67の少なくとも一部を構成していればよい。
なお、図2の下側(矢印F側)をガスセンサ1の先端側とし、図2の上側をガスセンサ1の後端側とする。
さらに、主体金具50は、軸線方向Oに貫通する貫通孔58を有し、貫通孔58の径方向内側に棚部54が突出し、棚部54は、軸線方向Oに垂直な平面に対して傾きを有する内向きのテーパ面として形成されている。
従って、検出素子10の先端側が貫通孔58の先端側から突出し、電極パッド16が貫通孔58の後端側から突出した状態で、検出素子10が主体金具50に保持される。
なお、セラミックスリーブ27と主体金具50の加締め部53との間には、セラミックスリーブ27の肩部28に沿って加締めパッキン29が配置されており、加締めパッキン29を介して加締め部53を下方(先端側)へ加締めることにより、セラミックスリーブ27が先端側に押し付けられ、シール材22、26を押し潰している。
なお、セパレータ60と外筒65の間に筒状金属製の保持金具70が配置され、保持金具70の後端が内側に折り曲げられて支持部71を形成している。そして、セパレータ60の後端側に設けた拡径の鍔部62を支持部71に係止させて、セパレータ60が保持金具70に保持される。保持金具70は、外筒65と共に内側へ向かって加締められて外筒65の所定位置に固定される。
さらに、外筒65の後端開口部をグロメット75が閉塞し、各リード線64はグロメット75を軸線方向に貫通するリード線挿通孔76を通って気密に挿通され、外部に引き出される。グロメット75は外筒65と共に内側へ向かって加締められて外筒65の後端に固定され、さらにセパレータ60の後面を先端側へ押圧している。
図3において、主体金具の後端部57に外筒65の先端部を嵌合すると、外筒の内面65aから径方向内側に突出する凸状部66が後端部57に接する。このとき、主体金具の後端部57と外筒65とは凸状部66で接するので、両者が全面接触する場合に比べて接触面積が小さくなり、嵌合時の圧入抵抗が小さくなって生産性や歩留まりが向上する。
そして、嵌合部67のうち軸線O方向の一部を全周にわたって溶接(例えばレーザ溶接)することにより、外筒65と主体金具の本体部57とに跨って全周にわたって液密な溶接部99が形成される。
なお、溶接位置が軸線O方向にずれても、嵌合部67のうち軸線O方向の一部が全周溶接されていれば足りるので、溶接部99は嵌合部67のうち軸線O方向の一部に溶接されることになる。従って、嵌合部67には非溶接部も存在している。
図4において、凸状部66を含む外筒65と主体金具(の本体部57)との接触長さが、主体金具(の本体部57)の外周円57pの長さの50%以下である。ここで、本実施形態では、凸状部66は外筒65の内面の周方向に等間隔で4個設けられており、嵌合部67において外筒65と主体金具50とは、凸状部66でのみ接している。従って、上記接触長さは、各凸状部66と主体金具50との接触長さC1、C2、C3、C4の合計長さである。
上記接触長さを外周円57pの長さの50%以下とすることで、主体金具50と外筒65との接触面積が小さくなり、嵌合時の圧入抵抗が小さくなって生産性や歩留まりが向上する。
上記接触長さが外周円57pの長さの50%を超えると、嵌合時の圧入抵抗が大きくなって生産性や歩留まりが低下すると共に、加締め(例えば八方丸加締め)によって主体金具50に外筒65を固定した場合と区別が付かなくなる。
なお、上記接触長さ、及び外周円57pの長さは、図4の断面において画像解析して求めることができる。
上述のように、凸状部66を設けることで主体金具50と外筒65との接触面積が小さくなる。つまり、主体金具50と外筒65との間には非接触部も存在し、非接触部では主体金具50と外筒65とが離間していることになる。一方、外筒65と主体金具50との接合部分からガスセンサ1内部に水が浸入すると検出素子10が破損するおそれがあることから、溶接部99を全周溶接して液密とする必要がある。
ここで液密な溶接は、溶接熱によって溶けた外筒65の材料が主体金具の本体部57側へ流れて主体金具と一体になることで行われる。従って、外筒65と主体金具50との間隔が大き過ぎると、外筒65の溶融した材料が主体金具の本体部57側へ流れ込むことができず、溶接部位に隙間が生じて液密な溶接が形成できなくなる。又、外筒65から溶融する材料の量は、外筒65の厚みtが小さいほど少なく、主体金具側へ流れ込む材料の量もより少なくなるから、両者の間隔が小さくても溶接部位に隙間が生じ易くなる。
このようなことから、G≦0.4×tと規定した。G≦0.4×tであれば、外筒65の溶融した材料が主体金具の本体部57側へ確実に流れ込み、液密な溶接が安定して形成される。
なお、凸状部66を除く外筒65の厚みtは次のようにして求める。図4のように凸状部66が複数個設けられている場合は、隣接する凸状部66の間の外筒65の周方向の中点の厚みを測定する。図4の場合、凸状部66は4個あり、中点も4つあるから、4つの中点の厚みt1、t2、t3、t4が得られる。よって、これら4つの中点の平均値を厚みtとして求める。以下の図5のように、凸状部66が1個設けられている場合については後述する。
例えば、図5に示すように、嵌合部67において外筒65と主体金具50とは、凸状部66以外の部分でも接していてもよい。図5の例では、凸状部66が1個設けられており、軸心を介して凸状部66の反対側では、外筒65と主体金具50とが直接接している。つまり、外筒65は、凸状部66を介して主体金具(の本体部57)と接触長さC5で接する一方、凸状部66の反対側では主体金具(の本体部57)と片当たりしながら接触長さC6で接している。
図5の場合においては、外筒65が主体金具(の本体部57)に片当たりしながら嵌合しているため、両者の接触面積が小さくなり、嵌合時の圧入抵抗が小さくなっている。
なお、図5の例では凸状部66が1個しか設けられていないので、凸状部66を起点として外筒65の周方向の中点の厚みt5を厚みtとみなす。
又、本発明は、外筒のみならず、プロテクタにも適用可能である。
又、本発明は、主体金具に対して凸状部を設けることでも成立する。
8 プロテクタ
10 検出素子
11 検出部
50 主体金具
57 主体金具の後端部
57p 主体金具の外周円
65 外筒
65a 外筒の内面
66 凸状部
67 嵌合部
99 溶接部
O 軸線方向
C1〜C6 接触長さ
Claims (6)
- 軸線方向に延び、先端側に検出部を有する検出素子と、
前記検出部が突出するように、前記検出素子を自身の内側に挿通して保持する主体金具と、
前記主体金具の後端部の外周に嵌合されて嵌合部を形成し、自身の内側に前記検出素子の後端側を収容する筒状の外筒と、を備えたガスセンサにおいて、
前記嵌合部における前記外筒の内面または前記主体金具の外面には、前記軸線方向に延び、前記主体金具に前記外筒を圧入するための凸状部が径方向に部分的に形成され、
前記嵌合部のうち前記軸線方向の一部に全周にわたって溶接部が形成されてなり、
前記嵌合部のうち、前記溶接部を除き、前記凸状部を含む部分を軸線方向に垂直な面で切断した断面において、前記凸状部を含む前記外筒と前記主体金具との接触長さが、前記主体金具の外周円の長さの50%以下であるガスセンサ。 - 前記断面において、前記凸状部を除く前記外筒の厚みをt(mm)とし、前記外筒と前記主体金具との最大間隔をG(mm)としたとき、G≦0.4×tである請求項1に記載のガスセンサ。
- 軸線方向に延び、先端側に検出部を有する検出素子と、
前記検出部が突出するように、前記検出素子を自身の内側に挿通して保持する主体金具と、
前記主体金具の先端部の外周に嵌合されて嵌合部を形成し、自身の内側に前記検出部を収容する筒状のプロテクタと、を備えたガスセンサにおいて、
前記嵌合部における前記プロテクタの内面または前記主体金具の外面には、前記軸線方向に延び、前記主体金具に前記プロテクタを圧入するための凸状部が径方向に部分的に形成され、
前記嵌合部のうち前記軸線方向の一部に全周にわたって溶接部が形成されてなり、
前記嵌合部のうち、前記溶接部を除き、前記凸状部を含む部分を軸線方向に垂直な面で切断した断面において、前記凸状部を含む前記プロテクタと前記主体金具との接触長さが、前記主体金具の外周円の長さの50%以下であるガスセンサ。 - 前記断面において、前記凸状部を除く前記プロテクタの厚みをt(mm)とし、前記プロテクタと前記主体金具との最大間隔をG(mm)としたとき、G≦0.4×tである請求項3に記載のガスセンサ。
- 複数の前記凸状部が、前記外筒の内面、又は前記主体金具の外面の周方向に等間隔で複数設けられている請求項1又は2に記載のガスセンサ。
- 複数の前記凸状部が、前記プロテクタの内面、又は前記主体金具の外面の周方向に等間隔で複数設けられている請求項3又は4に記載のガスセンサ。
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