JP6886880B2 - ガスセンサ - Google Patents
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Description
このようなことから、加締め部の外表面に補強部(リブ)となる凹凸を形成し、スプリングバックを低減した技術が開発されている(特許文献1)。
従って、本発明は、加締め部の軸線方向のスプリングバックを低減すると共に、加締め力をより向上させてシール性を向上させたガスセンサの提供を目的とする。
又、加締め部の少なくとも外表面に形成された凹部又は凸部が補強部(リブ)となって加締め部の強度が高くなるので、加締め部がスプリングバックにより後端側へ戻ることを抑制し、軸線方向の加締め力を向上させることができる。さらに、凹部又は凸部は、少なくとも加締め部の径方向の先端から重心までの領域に形成されている。このため、重心よりも径方向内側で他部材に接する加締め部の部位の強度を確実に高くし、上述の力をより強く生じさせることで、加締め力をより向上させてシール性を向上させることができる。
このガスセンサによれば、重心よりも径方向内側で他部材への加締め力をさらに確実に向上させ、上述の力をさらに増大させて、加締め力をさらに確実に向上させてシール性を向上させることができる。
このガスセンサによれば、加締め部の強度がさらに高くなる。
図1は、本発明の実施形態に係るガスセンサ100を、軸線O方向に沿う面で切断した断面構造を示す。この実施形態において、ガスセンサ100は自動車の排気管内に挿入されて先端が排気ガス中に曝され、排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサになっている。センサ素子3は、酸素イオン伝導性の固体電解質体に一対の電極を積層した酸素濃淡電池を構成し、酸素量に応じた検出値を出力する公知の酸素センサ素子である。
なお、図1の下側をガスセンサ100の先端側とし、図1の上側をガスセンサ100の後端側とする。
主体金具20の後端部には、センサ素子3の後端側に設けられたリード線や端子(後述)を保持し、センサ素子3の後端部を覆う筒状の外筒40が接合されている。さらに、センサ素子3の後端側の外筒40の内側には、絶縁性で円柱状のセパレータ121が加締め固定されている。一方、センサ素子3先端の検出部はプロテクタ7で覆われている。そして、このようにして製造されたガスセンサ100の主体金具20の雄ねじ部20dを排気管等のネジ孔に取付けることで、センサ素子3先端の検出部を排気管内に露出させて被検出ガス(排気ガス)を検知している。なお、主体金具20の中央付近には、六角レンチ等を係合するための多角形の鍔部20cが設けられ、鍔部20cと雄ねじ部20dとの間の段部には、排気管に取付けた際のガス抜けを防止するガスケット14が嵌挿されている。
さらに、鍔部3aの後端側におけるセンサ素子3と主体金具20との径方向の隙間に、筒状の滑石粉末6、及び筒状のセラミックスリーブ10が配置されている。そして、セラミックスリーブ10の後端側に金属リング30を配置し、主体金具20の後端部を内側に屈曲して加締め部20aを形成することにより、セラミックスリーブ10が先端側に押し付けられる。これにより滑石粉末6を押し潰し、セラミックスリーブ10及び滑石粉末6が加締め固定されるとともに、センサ素子3と主体金具20の隙間がシールされている。
なお、金属リング30が特許請求の範囲の「他部材」に相当する。
セパレータ121の後端側の外筒40内側には筒状のグロメット131が加締め固定され、グロメット131の4個の挿通孔からそれぞれ2個のリード線41、及び2個のヒータリード線43が外部に引き出されている。
なお、グロメット131の中心には貫通孔131aが形成され、センサ素子3の内部空間に連通している。そして、グロメット131の貫通孔131aに撥水性の通気フィルタ140が介装され、外部の水を通さずにセンサ素子3の内部空間に基準ガス(大気)を導入するようになっている。
ここで、加締め部20aの「径方向の」先端20fとは、加締め部20aのうち径方向の最も内側の部位であり、加締め部20a自身の先端部20sと同一とは限らない。
金属リング30の径方向の断面とは、金属リング30の中心から外縁へ向かう面で切断した断面である。
一方、加締め部20aは、金属リング30の外周側から、重心Gを超えて径方向内側までの領域R2で金属リング30に接している。
このため、図5に示すように、重心Gよりも径方向内側で金属リング30に先端側への押圧力Pが掛かり、金属リング30に重心Gを中心として時計回りのモーメントが働くが、金属リング30の後端側の外周部20eは加締め部20aの基端で保持されている。従って、金属リング30の先端側の内周部から先端側へ向かう力F1が優勢となり、加締め力をより向上させてシール性を向上させることができる。
このため、重心Gよりも径方向外側で金属リング30に先端側への押圧力Pが掛かり、金属リング30に重心Gを中心として反時計回りのモーメントが働くが、金属リング30の後端側の重心Gよりも径方向内側には加締め部20wが介在しない。従って、金属リング30の後端側の内周部から後端側へ向かう力F2が優勢となり、金属リング30が浮いて加締め力が低下してしまう。
さらに、凹凸20uは、少なくとも加締め部20aの径方向の先端20fから重心Gまでの領域R1に形成されている。このため、重心Gよりも径方向内側で金属リング30に接する加締め部20aの部位の強度を確実に高くし、図5に示したように力F1をより強く生じさせることで、加締め力をより向上させてシール性を向上させることができる。
つまり、加締め部20aの内表面20ayに、凹凸20uの凹部または凸部それぞれに対応する凸部又は凹部として凹凸20vが現れる。凹凸20vが特許請求の範囲の「第2の凸部または第2の凹部」に相当する。
図7は、加締め部20aを加締め加工する加締め金型200を先端側から見た部分断面斜視図である。加締め金型200は中心孔200hを有する略円筒状に形成され、加締め金型200の先端向き面200aは、径方向外側で平坦面を有すると共に、径方向内側では後端側へ向けて狭まる滑らかなテーパ状になっていて、このテーパ面に金型部凹凸200uが形成されている。金型部凹凸200uは、凹部と凸部が周方向に交互に形成されている。
次に、加締め金型200の中心孔200hにセンサ素子3を挿入し、加締め金型200先端側へ向かって押圧して加締め部20aとなる加締め素形部を径方向内側に曲げつつ先端側へ向かって押圧して加締め、加締め部20aを形成する。先端向き面200aには、上述の金型部凹凸200uが形成されているので、加締めによって加締め部20aの外表面に凹凸20uが型押しされる。
本発明は、自動車や各種内燃機関の排ガス中や、ボイラ等の燃焼ガス中の酸素濃度を測定する全領域空燃比センサ等の酸素センサに適用することができるが、これらの用途に限られない。例えば、NOxガス濃度検出用ガスセンサや、NOX以外のガス(例えばCOXやH2O、HCなど)の濃度を測定するためのセンサ素子を有するガスセンサに対して適用することもできる。
又、筒型に限らず板状のセンサ素子に対して本発明を適用することもできる。
又、凹凸20uは、加締め部20aの周方向の全周に形成されていることが好ましいが、周方向の一部に形成されていてもよい。又、図4に示すように、加締め部20aの内表面20yに、凹凸20uと相補的な凹凸20vが形成されていると、加締め部20aの強度がさらに高くなるので好ましいが、加締め部20aの内表面20yに凹凸20vが形成されていなくてもよい。加締め部20aの内表面20yに凹凸20vを形成する方法としては、金型部凹凸200uの高低差、加締め荷重、又は加締め部20aの厚みを調整することが挙げられる。
凹凸20uの形状も上記に限定されず、例えば図8に示すように、凸部と凹部の曲率を変更した波形状(図8(a))、加締め部20aの外表面20xのみに凹凸20uを付けた形状(図8(b))、加締め部20aの外表面20xに幅狭の深い凹を付け、内表面20yに相補的な突起を付けた形状(図8(c))等とすることもできる。
20 主体金具
20a 加締め部
20f 加締め部の径方向の先端
20ax 加締め部の外表面
20ay 加締め部の内表面
30 他部材(金属リング)
20u 凹部又は凸部
20v 第2の凹部または第2の凸部
100 ガスセンサ
O 軸線
G 他部材の径方向の断面における重心
R1 加締め部の径方向の先端から重心までの領域
Claims (3)
- 自身の後端側に加締め部を有する筒状の主体金具と、軸線方向に延びて前記主体金具内に保持されるセンサ素子と、前記加締め部に固定されるリング状の他部材とを少なくとも有するガスセンサにおいて、
前記他部材は、前記加締め部に覆われ、
前記加締め部は、径方向内側に曲げられて前記他部材を前記主体金具の前記軸線方向に沿う中央側へ向かって押圧し、前記加締め部の径方向の先端が、前記他部材の径方向の断面における重心よりも径方向内側に延び、
かつ、前記加締め部は、少なくとも前記重心よりも径方向内側で前記他部材に接し、
前記加締め部の少なくとも外表面に軸線方向に高低差を有すると共に径方向に延びる凹部又は凸部が形成され、該凹部又は該凸部は、少なくとも前記加締め部の前記先端から前記重心までの領域に形成されていることを特徴とするガスセンサ。 - 前記加締め部の前記先端が前記他部材よりも径方向内側に延びている請求項1記載のガスセンサ。
- 前記加締め部の内表面に、前記加締め部の前記外表面に形成される前記凹部または前記凸部のそれぞれに対応する凸部又は凹部として現れる第2の凸部または第2の凹部が形成されている請求項1又は2記載のガスセンサ。
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