JP2001183333A - ヒータ一体型広域空燃比センサ素子 - Google Patents
ヒータ一体型広域空燃比センサ素子Info
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Abstract
が一体化されてなるとともに、活性化時間が短く、且つ
応答性に優れ、また消費電力が小さく、正確に空燃比を
検出できるヒータ一体型広域空燃比センサ素子を得る。 【解決手段】酸素イオン導電性を有するセラミック固体
電解質からなり一端が封止された円筒管2と、円筒管2
の内面および外面の対向する位置にそれぞれ形成された
基準電極3および測定電極4と、測定電極4の一部また
は全部が露出するように開口部6、6’が形成され、且
つ開口部6、6’の周囲に発熱体7、7’を埋設してな
るセラミック絶縁層5と、少なくとも開口部6、6’を
覆うように被着形成された拡散抵抗層10とを具備して
なるとともに、開口部6、6’内の測定電極4を被覆す
る拡散抵抗層10の厚みを測定電極4の全部の領域で4
50〜600μmに一定とする。
Description
関における空気と燃料の比率を制御するためのヒータ一
体型広域空燃比センサ素子に関するものであり、具体的
には発熱体と検知部が一体化されてなり、活性化時間が
短く応答性の良いヒータ一体型広域空燃比センサ素子に
関する。
出ガス中の酸素濃度を検出して、その検出値に基づいて
内燃機関に供給する空気および燃料供給量を制御するこ
とにより、内燃機関からの有害物質、例えばCO、H
C、NOxを低減させる方法が採用されている。この検
出素子として、主として酸素イオン導電性を有するジル
コニアを主分とする固体電解質からなり、一端が封止さ
れた円筒管の外面および内面にそれぞれ一対の電極層が
形成された固体電解質型の酸素センサが用いられてい
る。
/Fセンサ)は、理論空燃比センサ(λセンサ)に比べ
広範囲の空燃比を制御するために用いられ、測定電極3
3の表面に微細な細孔を有する拡散抵抗層となるセラミ
ック多孔質層34を設け、固体電解質からなる円筒管3
1に一対の電極32、33を通じて印加電圧を加え、そ
の際、得られる限界電流値を測定して希薄燃焼領域の空
燃比を制御するものである。
700℃付近の作動温度までに加熱する必要があり、そ
のために、円筒管の内側には、センシング部を作動温度
まで加熱するため棒状ヒータ35が挿入されている。
気ガス規制の強化傾向が強まり、エンジン始動直後から
のCO、HC、NOxの検出が必要になってきた。この
ような要求に対して、上述のように、ヒータ35を円筒
管31内に挿入してなる間接加熱方式の円筒型酸素セン
サでは、センシング部が活性化温度に達するまでに要す
る時間(以下、活性化時間という。)が遅いために排気
ガス規制に充分対応できないという問題があった。
質からなる円筒管の内面および外面に基準電極、測定電
極が設けられ、測定電極の表面に、ガス透過性の多孔性
の絶縁層を設け、さらにその中のガス透過性の低いガス
非透過層中に白金発熱体を設けた円筒型のヒータ一体型
広域空燃比センサ素子も特開平10−206380号公
報に記載されている。
にセラミック固体電解質からなり一端が封止された円筒
管36の内面および外面に基準電極37および測定電極
38を形成してなるセンサ素子と、測定電極38が露出
するように前記円筒管36の外面に測定電極38形成部
に開口部39を設けたセラミック絶縁層40を積層形成
し、測定電極38がその開口部39から露出するように
し、その少なくとも露出している測定電極38の周囲の
セラミック絶縁層40内に発熱体41を埋設し、また開
口部39内の測定電極38の表面に拡散抵抗層42を形
成したヒータ一体型の広域空燃比センサ素子を提案し
た。
は、拡散抵抗層42の厚みが測定電極38の面内の位置
によって異なり、その結果、ガスの拡散経路の長さが測
定電極38の位置によって不均一となるため、応答性が
低下したり限界電流値が発現しないなどの問題があっ
た。
サ素子に対してヒータが一体化されてなるとともに、急
速昇温が可能で応答性に優れたヒータ一体型広域空燃比
センサ素子を提供することを目的とするものである。
について検討した結果、酸素イオン導電性を有するセラ
ミック固体電解質からなり一端が封止された円筒管と、
該円筒管の内面および外面の対向する位置にそれぞれ形
成された基準電極および測定電極と、前記測定電極の一
部または全部が露出するように開口部が形成され、且つ
開口部の周囲に発熱体を埋設してなるセラミック絶縁層
とを具備する広域空燃比センサ素子に対して、拡散抵抗
層を形成するにあたり、拡散抵抗層を少なくとも前記開
口部を覆うように被着形成するとともに、前記開口部内
の前記測定電極を被覆する前記拡散抵抗層の厚みを前記
測定電極の全部の領域で450〜600μmとなるよう
に拡散抵抗層の表面形状を制御することによって、上記
目的が達成できることを見いだした。
燃比センサ素子においては、前記開口部内に測定電極が
形成された開口部を前記円筒管の相対向する箇所に2つ
形成することによってセンサ素子の耐久性を向上させる
ことができる。また、この前記開口部の円筒管の中心か
らの広がり角度は、いずれも30〜90度であることが
耐久性を向上し、発熱体による加熱効率を高める上で望
ましい。
子によれば、セラミック固体電解質からなる円筒管の外
面に測定電極を形成し、開口部の周囲に発熱体を内蔵し
たセラミック絶縁層を測定電極が露出するように配置し
たことによって、発熱体によるセンシング部の加熱効率
を高め、急速昇温を行うことができる結果、センサ活性
化時間を短縮することができる。
散抵抗層を形成するにあたり、上記開口部全体を覆うよ
うに拡散抵抗層を形成することによって、開口部内の測
定電極表面の拡散抵抗層の厚みを容易に制御することが
可能となり、それによって、測定電極表面におけるすべ
ての領域における拡散抵抗層の厚みを450〜600μ
mの範囲に制御することによってガスの拡散経路の長さ
を均一化でき、安定な限界電流値が得られるともに、高
い応答性が得られる。
された開口部を円筒管の相対向する位置にそれぞれ形成
することによって、セラミック絶縁層の開口部の周囲に
発生する急速昇温時のセンサ素子内の温度勾配に起因す
る熱応力を互いに相殺させることによって緩和すること
ができ、その結果、センサ素子の熱衝撃性を向上させる
ことができる。
ンサ素子は、製造にあたって、固体電解質からなる円筒
管を具備するセンサ素体の表面に、セラミック絶縁層内
に発熱体を埋設したヒータ素体を巻き付け、ヒータ素体
とセンサ素体とを同時焼成して作製できるため、従来の
ように、酸素センサとヒータとをそれぞれ個別に作製し
た後、酸素センサ内にヒータを勘合して使用する広域空
燃比センサ素子に比べて製造コストが極めて安価にな
り、経済性の観点からも優れている。
空燃比センサ素子の一例を図1の概略斜視図(a)およ
びX1−X1断面図(b)をもとに説明する。
1は、酸素イオン導電性を有するセラミック固体電解質
からなり、先端が封止された、即ち断面がU字状の円筒
管2の内面に、第1の電極として、空気などの基準ガス
と接触される基準電極3が被着形成され、また、円筒管
2の基準電極3と対向する外面には、第2の電極とし
て、排気ガスなどの被測定ガスと接触する測定電極4が
形成されている。
円筒管2の外面に形成された測定電極4の表面またはそ
の周囲にはセラミック絶縁層5が被着形成されている。
そして、このセラミック絶縁層5には、測定電極4が露
出するように第一の開口部6が形成されており、開口部
6の周囲のセラミック絶縁層5中には発熱体7が埋設さ
れている。また、発熱体7は、リード電極8を経由して
端子電極9と接続されており、これらを通じて発熱体7
に電流を流すことにより発熱体7が加熱され、円筒管
2、基準電極3および測定電極4とからなる素子部を発
熱体を埋設したセラミック絶縁層5からなる加熱部によ
って加熱する仕組みとなっている。上記の検知部と加熱
部とによって1つのセンシング部Aが形成されている。
グ部Aの形成位置に対して、円筒管2の相対向する位置
に、同様の構造からなるセンシング部Bが形成されてい
る。
向する内面および外面に、基準電極3’、測定電極4’
が形成されており、測定電極4’の表面またはその周囲
にはセラミック絶縁層5が被着形成されている。そし
て、このセラミック絶縁層5には、測定電極4’が露出
するように第2の開口部6’が形成されており、開口部
6’の周囲のセラミック絶縁層5中には発熱体7’が埋
設されている。また、発熱体7’は、リード電極8を経
由して端子電極9と接続されており、これらを通じて発
熱体7’に電流を流すことにより発熱体7’が加熱さ
れ、円筒管2、基準電極3’および測定電極4’とから
なる検知部を発熱体7’を埋設したセラミック絶縁層5
からなる加熱部によって加熱される。
を相対向する位置に形成することによって、円筒状の酸
素センサ素子において外的な熱衝撃等が加わった場合に
おいても、センシング部が1つしか存在しない場合に比
較して応力の集中を抑制するとともに、発生する熱応力
を相殺して応力を低減することができる結果、とりわ
け、開口部付近でのクラックの発生などを防止すること
ができる。
この開口部6,6’を覆うようにして溶射等によって拡
散抵抗層10が被着形成されている。
4,4’を被覆する拡散抵抗層10の厚みは測定電極
4,4’の全部の領域で450〜600μmであること
が重要である。これは、厚みが450μm未満の場合、
拡散経路が短くポンピング電流が大きいため限界電流が
発現せず、600μmを超えると拡散時間が長くなり検
知ガスに対する応答性が低下するためである。この拡散
抵抗層10の厚みは、480〜520μmが最適であ
る。
3〜6mm、特に3〜4mmとすることにより、消費電
力を低減するとともに、センシング性能を高めることが
できる。 (固体電解質材質)本発明において用いられるセラミッ
ク固体電解質は、ZrO2を含有するセラミックスから
なり、具体的には、Y2O3およびYb2O3、Sc2O3、
Sm2O3、Nd2O3、Dy2O3等の希土類酸化物を酸化
物換算で1〜30モル%、好ましくは3〜15モル%含
有する部分安定化ZrO2あるいは安定化ZrO2が用い
られている。
をCeで置換したZrO2を用いることにより、酸素イ
オン導電性が大きくなり、応答性がさらに改善されると
いった効果がある。
rO2に対して、Al2O3やSiO2を添加含有させるこ
とができるが、多量に含有させると、高温におけるクリ
ープ特性が悪くなることから、Al2O3およびSiO2
の添加量は総量で5重量%以下、特に2重量%以下であ
ることが望ましい。 (セラミック絶縁層)一方、発熱体7を埋設するセラミ
ック絶縁層5としては、アルミナ、スピネル、フォルス
テライト、ジルコニア、ガラス等のセラミック材料が好
適に用いられる。この時、セラミック絶縁層としてジル
コニアを用いる場合には、ジルコニア自体が固体電解質
であり、発熱体7からのもれ電流が酸素濃度検知に影響
を及ぼすことがないように、円筒管2との間に、アルミ
ナ、スピネル、フォルステライトなどの中間層を形成す
ることが望ましい。さらに、セラミック絶縁層5として
ガラス絶縁層にはガラスを用いることができるが、この
場合は耐熱性の観点から、BaO、PbO、SrO、C
aO、CdOのうちの少なくとも1種を5重量%以上含
有するガラス、特に、結晶化ガラスであることが望まし
い。
度が80%以上、開気孔率が5%以下の緻密質なセラミ
ックスによって構成されていることが望ましい。これ
は、セラミック絶縁層5が緻密質であることにより絶縁
層の強度が高くなる結果、広域空燃比センサ素子自体の
機械的な強度を高めることができるためである。 (発熱体)また、上記セラミック絶縁層5の内部に埋設
される発熱体7としては、白金、ロジウム、パラジウ
ム、ルテニウムの群から選ばれる1種の金属、または2
種以上の合金からなることが望ましく、特に、セラミッ
ク絶縁層5との同時焼結性の点で、そのセラミック絶縁
層5の焼成温度よりも融点の高い金属または合金を選択
することが望ましい。
結防止と絶縁層との接着力を高める観点からアルミナ、
スピネル、アルミナ/シリカの化合物、フォルステライ
トあるいは上述の電解質となり得るジルコニア等を体積
比率で10〜80%、特に30〜50%の範囲で混合す
ることが望ましい。 (ヒータ部構造)セラミック絶縁層5の内部に発熱体7
を埋設してなるヒータ部の構造は、図1(b)の断面図
に示すように、固体電解質からなる円筒管2の表面に内
部に発熱体7が埋設されたセラミック絶縁層5を積層し
た構造の他に、図2の要部拡大断面図(a)〜(c)に
示すように、円筒管2の外面に、内部に発熱体7が埋設
されたアルミナ、スピネル、フォルステライト等のセラ
ミック絶縁層5を形成し、さらにそのセラミック絶縁層
5の外面に、ジルコニア層11を形成することができ
る。このジルコニア層11は、固体電解質とセラミック
絶縁層5間の熱膨張差や焼成収縮差等に起因する応力を
緩和させ、熱応力をできる限り小さくするためのもので
ある。
図2(a)のように、セラミック絶縁層5内部に埋設で
きる他、図2(b)に示すように、ジルコニア層10中
に埋設したり、図2(c)に示すように、セラミック絶
縁層5とジルコニア層11との間に配設することもでき
る。
筒管2や電極に対して直接接することなく、アルミナな
どの固体電解質性能を有さないセラミック絶縁層5を介
して配設されていることが必要であって、円筒管2と発
熱体7の間のセラミック絶縁層5の厚みは少なくとも2
μm以上であることが望ましい。 (電極)円筒管2の表面に被着形成される基準電極3、
測定電極4は、いずれも白金、ロジウム、パラジウム、
ルテニウムおよび金の群から選ばれる1種、または2種
以上の合金が用いられる。またセンサ動作時、電極中の
金属の粒成長を防止する目的と、応答性に係わる金属粒
子と固体電解質と気体との、いわゆる3相界面の接点を
増大する目的で、上述のセラミック固体電解質成分を1
〜50体積%、特に10〜30体積%の割合で上記電極
中に混合してもよい。また、本発明においては、この第
1の開口部6に露出している測定電極4の形状として
は、図1(a)に示すような縦長の長方形状、または図
3に示すように、楕円形状から構成されていることが望
ましい。
に形成される基準電極3は、測定電極4の前記開口部6
より露出する部分に対向する内面部分に形成されていれ
ばよく、測定電極4の露出部面積よりも大きい面積、例
えば、円筒管2の内面全面に形成されていてもよい。 (開口部)開口部6,6’の形状としては、上述のよう
に長方形状あるいは楕円形状でもよいが、セラミック絶
縁層5の第1および第2開口部6,6’とも形状が長方
形状の場合は、その開口部角部は緩やかな曲線とするか
c面をとった構造とすることが、開口部6,6’の角部
への熱応力の集中を緩和する観点から好ましい。
の形状とは同じ形状であることが望ましいが、異なる形
状であってもよい。その場合、第2開口部の大きさとし
ては、第1開口部の面積の50%以上、150%以下で
あることが望ましい。
4’が形成されている第1の開口部6,および第2の開
口部6’とも、図1(b)に示すように、円筒管2中心
xからの広がり角度θ1、θ2は30〜90度の範囲が
優れている。広がり角度が30度より小さいと開口部
6、6’の周囲への熱応力が発生しやすく、広がり角度
が90度を越えると、加熱部による検知部の加熱効率が
低くなり、検知部を均一に加熱するためのヒータ容量を
大きくする必要がある。この開口部の広がり角度として
は40〜70度の範囲が最適である。
2の開口部6、6’は、相対向する位置に形成されてい
るが、第1および第2の開口部6、6’の各開口部中心
を結ぶ線分が、円筒管2の中心軸を通過することが最も
望ましいが、その開口部のずれ角度が10度以内であれ
ば、特に問題はない。 (拡散抵抗層)本発明の広域空燃比センサ素子における
拡散抵抗層10は、気孔率が5〜30%、特に10〜2
0%の微細な細孔を有するジルコニア、アルミナ、スピ
ネル、マグネシアまたはγ−アルミナの群から選ばれる
少なくとも1種によって形成することが望ましい。これ
らの中でも特にスピネルが熱的安定性の点で望ましい。
らに排気ガスの被毒を防止する観点から、ジルコニア、
アルミナ、スピネル、マグネシア、γ−アルミナの群か
ら選ばれる少なくとも1種からなるセラミック保護層を
設けることが望ましい。 (製造方法)次に、本発明の酸素センサ素子の製造方法
について、図1のヒータ一体型酸素センサ素子の製造方
法を例にして図4をもとに説明する。
封止された中空の円筒管12を作製する。この円筒管1
2は、ジルコニア等の酸素イオン伝導性を有するセラミ
ック固体電解質粉末に対して、適宜、成形用有機バイン
ダーを添加して押出成形や、静水圧成形(ラバープレ
ス)あるいはプレス形成などの周知の方法により作製さ
れる。
は、ジルコニア粉末に対して、安定化剤としてY2O3お
よびYb2O3、Sc2O3、Sm2O3、Nd2O3、Dy2
O3等の希土類酸化物粉末を酸化物換算で1〜30モル
%、好ましくは3〜15モル%の割合で添加した混合粉
末、あるいはジルコニアと上記安定化剤との共沈原料粉
末が用いられる。また、ZrO2中のZrを1〜20原
子%をCeで置換したZrO2粉末、または共沈原料を
用いることもできる。さらに、焼結性を改善する目的
で、上記固体電解質粉末に、Al2O3やSiO2を5重
量%以下、特に2重量%以下の割合で添加することも可
能である。
筒管12の相対向する内面および外面に、基準電極およ
び測定電極となるパターン13,13’,14,14’
を、例えば、白金を含有する導電性ペーストを用いてス
ラリーデッィプ法、あるいはスクリーン印刷、パット印
刷、ロール転写で形成する。この時、円筒管12内面へ
の基準電極の印刷は、導体ペーストを充填して排出し
て、内面全面に塗布形成することが効率がよい。このよ
うにしてセンサ素体Xを作製する。
タ素体Yを形成する。ヒータ素体Yは、まず、アルミ
ナ、スピネル、フォルステライト、ジルコニア、ガラス
等のセラミック粉末を用いて、適宜成形用有機バインダ
ーを添加してスラリーを調製し、このスラリーを用いて
ドクターブレード法、押し出し成形法、プレス法などに
より所定厚さのセラミック絶縁層を形成するためのグリ
ーンシート15を作製する。グリーンシート1枚の厚み
は、シートの取り扱いの観点から50〜500μm、特
に100〜300μmの範囲が特に好ましい。
の後述するセンサ素体Xへの巻き付けによって相対向す
る位置に白金粉末を含む導電性ペーストをスクリーン印
刷法、パット印刷法、ロール転写法等により印刷して発
熱体パターン16、16’を塗布した後、その上にさら
にもう1枚の上記グリーンシート15を積層するか、ま
たはセラミック粉末のスラリーを印刷法あるいは転写法
で塗布して、発熱体を埋設したシート状の積層体を得
る。その後、適宜、第1および第2の開口部17,1
7’をパンチングなどによって形成することにより作製
される。
記円筒状のセンサ素体Xの表面に、ヒータ素体Yを巻き
付けて円筒状積層体を作製する。この際、ヒータ素体Y
をセンサ素体Xに巻き付けるには、ヒータ素体Yとセン
サ素体Xとの間にアクリル樹脂や有機溶媒などの接着剤
を介在させて接着させたり、あるいはローラ等で圧力を
加えながら機械的に接着することができる。この時、巻
き付けされたヒータ素体Bの合わせ目は、焼成時の収縮
を考慮し、シート端部同志を重ねるか、あるいは所定の
間隔をおいて接着してもよい。
サ素体Xを構成する固体電解質からなる円筒管12およ
びヒータ素体Yにおけるセラミック絶縁層を形成するグ
リーンシート15が同時に焼成可能な温度で焼成するこ
とにより、センサ素体Xとセンサ素体Yとを一体化する
ことができる。例えば、固体電解質としてジルコニアを
用いた場合には、アルゴンガス等の不活性雰囲気中ある
いは大気中1300〜1700℃で1〜10時間程度焼
成することによりヒータ素体Yとセンサ素体Xとを同時
焼成することができる。 (他の製造方法)なお、他の製造方法としては、電極を
有しない円筒管12の表面に上記(3)によって形成し
たヒータ素体Yを巻き付けて円筒状積層体を作製した
後、円筒状積層体に対して、電極ペーストをスクリーン
印刷、パット印刷、ロール転写法あるいは浸漬法によっ
て円筒管12の内面およびヒータ素体Yにおける開口部
17内の円筒管表面に塗布した後、上記(5)のように
して同時焼成することもできる。
しない円筒管12の表面に上記(3)によって形成した
ヒータ素体Yを巻き付けて円筒状積層体を作製した後、
これを円筒管12の内面およびヒータ素体Yにおける開
口部17内に電極ペーストを印刷して焼き付け処理する
か、またはスパッタ法やメッキ法にて形成することもで
きる。 (拡散抵抗層の形成法)次に、上記のようにして作製し
たセンサ素子に対して拡散抵抗層を形成するが、この拡
散抵抗層を形成する方法としては、以下の方法が挙げら
れる。
の粉末をゾルゲル法、スラリーディップ法、印刷法など
によって印刷塗布し、焼き付け処理する。
いはプラズマ溶射法により被覆して拡散抵抗層を形成す
る。
少なくとも開口部を覆うように形成するが、生産性を考
慮すれば、円筒状のセンサ素子の開口部を含む周面全体
に拡散抵抗層を形成することが測定電極表面における拡
散抵抗層の厚みを一定にする上で望ましい。
浸漬して引き上げした後、焼き付け処理する。なお、拡
散抵抗層の測定電極表面の厚みは、スラリーの粘度によ
って容易に制御できる。
低速で円筒管の長手方向の軸を中心に回転させながら、
蒸着源に対して円筒管の側面が対向するように配置して
スパッタを行なう。拡散抵抗層の厚みはスパッタ時間に
よって容易に制御できる。
すように、センサ素子を高速で円筒管の長手方向の軸を
中心に回転させながら、センサ素子の側面にセラミック
粒子をプラズマ溶射することにより形成することもでき
る。拡散抵抗層の厚みは溶射時間によって容易に制御で
きる。
のジルコニア粉末と、白金粉末をそれぞれ準備した。ま
ず、5モル%Y2O3含有のジルコニア粉末にポリビニル
アルコール溶液を添加して坏土を作製し、押出成形によ
り焼結後外径が約4mm、内径が1mmになるように一
端が封じた円筒状成形体を作製し、その相対向する位置
の表面に、白金ペーストからなる長方形状の測定電極パ
ターンおよびリードパターンを印刷塗布するとともに、
成形体の内部全面にも白金ペーストを塗布して基準電極
を形成した。なお、測定電極および基準電極の厚みは焼
成後に約5μmとなるように調整した。
末にポリビニルアルコール溶液を加えてスラリーを作製
し、厚みが約200μmのグリーンシートを作製した。
このグリーンシートに前記測定電極の形状と一致する長
方形状の種々の大きさを有する第1開口部と反対側に位
置するように同じ大きさと同じ形状の第2開口部をパン
チングによってそれぞれ開けた。
を約10μmの厚みに塗布した後、白金粉末を含む導体
ペーストを第1および第2の開口部の周囲に発熱体パタ
ーンを厚みが約10μmになるようにスクリーン印刷
し、さらにその上にアルミナ粉末を約10μmとなるよ
うに塗布し発熱体を埋設した図4(b)に示す構造のヒ
ータ素体を作製した。
接着剤としてアクリル系樹脂を用いて上記ヒータ素体を
巻き付け円筒状積層体を作製した。その後、この円筒状
積層体を大気中にて、1500℃で2時間焼成し、焼成
一体化して、円筒型のヒータ一体型センサ素子を作製し
た。
心に1000rpmの速度で回転させながら、センサ素
子の開口部を含む周面全体にプラズマ溶射によりスピネ
ル、ジルコニア、アルミナ、マグネシアからなる気孔率
が7〜25%の拡散抵抗層を表1の厚みで形成して広域
空燃比センサ素子を作製した。
が、図5(a)(b)(c)のいずれかになるように溶
射を施した。
Air/Fuel=7のガスからAir間で、印加電圧
(V)に対するポンピング電流(Ip)の変化(V−I
p特性)により限界電流の発現の有無を調べた。また応
答性について、Air/Fuel=14およびAir/
Fuel=15の2種のガスを2秒間に1回の周期で切
り換え、出力の変化が全変化量の63%となるまでの所
要時間をもって評価した。結果を表1に示す。
において、拡散が律速されている領域の勾配は検知電極
(測定電極)の引き出し部と大気電極(基準電極)との
間で双方向に漏洩する電流によるものである。拡散の律
速が不十分であると、この電流に加え、拡散抵抗層を介
した酸素によるポンピング電流が生じるためにリーク抵
抗が低下してしまう。このような原理から、リーク抵抗
を測定しその結果を表1に示した。
測定電極のみに溶射法によって拡散抵抗層を形成した試
料No.1、センサ素子の周面に溶射したもののその拡
散抵抗層に盛り上がり部が形成される試料No.2で
は、いずれも拡散抵抗層のガスの拡散経路が測定電極の
全体で一定でなく、試料No.1の形状(a)では拡散
経路が著しく短いところがあるために限界電流が得られ
なかった。また、試料No.2の形状(b)では、拡散
抵抗層の厚みが著しく厚い部位があるために応答性が著
しく粗悪となった。
全体で一定でも拡散抵抗層の厚みが450μmよりも薄
い試料No.3は、拡散抵抗層の厚みが薄いために限界
電流が得られない。また、拡散抵抗層の厚みが600μ
mよりも厚い試料No.8では逆に拡散抵抗層の厚みが
厚すぎるために応答性が低下した。
7、9、10、11、12、13はいずれも安定した限
界電流が発現し、良好な応答性を示した。特に、拡散抵
抗層の厚みが480〜520μmの試料No.5、1
1、12、13は、限界電流の安定性、応答性ともに優
れていた。試料No.5について、広域空燃比センサ素
子の700℃における限界電流値と空燃比との関係を図
6に示した。
型広域空燃比センサ素子によれば、円筒型の固体電解質
の外面に測定電極と、その周囲に発熱体を内蔵したセラ
ミック絶縁層を介して発熱体を形成させ、これを測定電
極の周囲に配置し、測定電極表面に所定の厚さの拡散抵
抗層を形成したことによって、発熱体によるセンシング
部の加熱効率を高め、急速昇温を行うことができる。ま
た、拡散抵抗層表面と電極表面との間の拡散経路を所定
の厚みで一定にすることにより、応答性の良い安定した
出力を得ることができ、少ない消費電力でセンサ素子を
活性化させることができるために、正確に酸素濃度を検
出ることができる。しかも、本発明のセンサ素子は発熱
体を内蔵するセラミック絶縁層とを同時焼成して作製で
きるため、製造コストが極めて安価になり、経済性の観
点からも優れている。
るための(a)一部切り欠き斜視図と(b)(a)のX
1−X1断面図を示す。
断面図である。
するための概略斜視図である。
製造方法の一例として、図1のセンサ素子を製造する方
法を説明するための工程図である。
るための要部拡大断面図であって、(a)(b)は比較
例、(c)は本発明品を示す。
℃における限界電流値と空燃比との関係を示す。
斜視図を示す。
概略断面図を示す。
Claims (3)
- 【請求項1】酸素イオン導電性を有するセラミック固体
電解質からなり一端が封止された円筒管と、該円筒管の
内面および外面の対向する位置にそれぞれ形成された基
準電極および測定電極と、前記測定電極の一部または全
部が露出するように開口部が形成され、且つ開口部の周
囲に発熱体を埋設してなるセラミック絶縁層と、少なく
とも前記開口部を覆うように被着形成された拡散抵抗層
とを具備してなるとともに、前記開口部内の前記測定電
極を被覆する前記拡散抵抗層の厚みが前記測定電極の全
部の領域で450〜600μmであることを特徴とする
ヒータ一体型広域空燃比センサ素子。 - 【請求項2】前記開口部内に測定電極が形成された開口
部が、前記円筒管の相対向する箇所に2つ形成されてい
ることを特徴とする請求項1記載のヒータ一体型広域空
燃比センサ素子。 - 【請求項3】前記開口部の円筒管の中心からの広がり角
度がそれぞれ30〜90度であることを特徴とする請求
項1または請求項2記載のヒータ一体型広域空燃比セン
サ素子。
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JP2001289818A (ja) * | 2000-01-31 | 2001-10-19 | Kyocera Corp | 空燃比センサ素子 |
-
1999
- 1999-12-22 JP JP36502499A patent/JP3694626B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2001289818A (ja) * | 2000-01-31 | 2001-10-19 | Kyocera Corp | 空燃比センサ素子 |
JP4565739B2 (ja) * | 2000-01-31 | 2010-10-20 | 京セラ株式会社 | 空燃比センサ素子 |
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