JP4610127B2 - 空燃比センサ素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の内燃機関における空気と燃料の比率を制御するための空燃比センサ素子に関するものであり、具体的には発熱体とセンサ部が一体化されてなり、熱衝撃性に優れた活性化時間の短いヒータ一体型の空燃比センサ素子に係わる。
【0002】
【従来技術】
現在、自動車等の内燃機関においては、排出ガス中の酸素濃度を検出して、その検出値に基づいて内燃機関に供給する空気および燃料供給量を制御することにより、内燃機関からの有害物質、例えばCO、HC、NOxを低減させる方法が採用されている。
【0003】
この検出素子として、主として酸素イオン伝導性を有するジルコニアを主分とする固体電解質からなり、一端が封止された円筒管の外面および内面にそれぞれ一対の電極層が形成された固体電解質型の酸素センサ素子が用いられている。
【0004】
このような酸素センサにおいて、一般に、空気と燃料の比率が1付近の制御に用いられる、いわゆる理論空燃比センサ(λセンサ)では、外側の測定電極の表面に保護層となる多孔質層が設けられており、所定温度で円筒管両側に発生する酸素濃度差を検出し、エンジン吸気系の空燃比の制御が行われている。
【0005】
一方、広範囲の空燃比を制御するために用いられている、いわゆる広域空燃比センサ(A/Fセンサ)は、測定電極の表面に微細な細孔を有するガス拡散律速層となるセラミック多孔質層を設け、固体電解質からなる円筒管に一対の電極に通じて印加電圧を加え、その際得られる限界電流値を測定して空燃比を直接制御するものである。
【0006】
上記理論空燃比センサおよび広域空燃比センサともセンシング部を約700℃付近の作動温度までに加熱する必要があり、そのために、円筒管からなる酸素センサ素子の内側には、センシング部を作動温度まで加熱するため棒状のセラミックヒータが挿入されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年排気ガスの規制強化の傾向が強まり、エンジン始動直後からのCO、HC、NOxの検出が必要になってきた。このような要求に対して、上述のように、セラミックヒータを円筒管内に挿入してなる間接加熱方式の円筒型酸素センサ素子では、センシング部が活性化温度に達するまでに要する時間(以下、活性化時間という。)が遅いために排気ガス規制に充分対応できないという問題があった。
【0008】
その問題を回避する方法として、図17に示すようにヒータを一体化した平板状の固体電解質を用いた酸素センサ素子(以下、平板型素子という。)が提案されている。図17によれば平板型素子50では、平板状の固体電解質51には、排気ガスを取り込むための拡散孔と呼ばれる小さな孔61が開けられており、その両面に一対の電極52、53が形成され、さらに周囲がセラミック絶縁層60からなる空間部54を挟んでもう一枚の平板状の固体電解質55が成形されている。その固体電解質の両面には一対の電極56、57が形成されており、場合によっては、平板状の固体電解質の間には拡散律速層が形成されている。また、電極以外のセラミック絶縁体58中には発熱体59が埋設されている。さらに電極57は、大気ガス供給口62を通じて大気と接触される。
【0009】
このような平板型素子においては、前者の固体電解質をポンプセルとして、後者の固体電解質を濃淡電池セルとして作用させている。
【0010】
しかしながら、この平板型素子は従来の間接加熱方式と異なり、直接加熱方式であるために急速昇温が可能ではあるが、平板状で素子の矢印で示したエッジ部分に熱応力が発生しやすく急速昇温によってセンサ素子が破壊しやすく、信頼性の点で欠けるという問題があった。
【0011】
従って、本発明は、発熱体を一体的に具備してなるともに、急速昇温などの熱衝撃性に対しても優れた耐久性を具備する空燃比センサ素子を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の問題について検討した結果、酸素イオン伝導性を有するセラミック固体電解質からなる円筒管の外面に所定の空間を介して固体電解質層を設け、前記円筒管の内面および外面の互いに対向する位置に一対の電極を形成し、且つ前記空間の周囲に素子を加熱するための発熱体を埋設した円筒形状の構造を採用することにより、従来の素子では得られない急速昇温などの熱衝撃性に優れたヒータ一体型空燃比センサ素子が提供できることを見出し本発明に至った。
【0013】
即ち、本発明の空燃比センサ素子は、酸素イオン伝導性を有する固体電解質からなり一端が封止された円筒管と、該円筒管の内面および外面の互いに対向する位置に形成された内側電極と外側電極からなる一対の電極と、前記円筒管の外側表面に形成され、前記外側電極の一部または全部が露出するような空間部を具備し且つ該空間部の周囲に発熱体を埋設してなるセラミック層と、前記空間部を閉塞するように設けられた酸素イオン伝導性を有する固体電解質層と、閉塞された空間部内に被測定ガスを取り込むための拡散孔、とを具備することを特徴とするものである。
【0014】
なお、上記の酸素センサ素子によれば、前記拡散孔は、前記固体電解質層または前記セラミック層に形成することが望ましい。
【0015】
さらに、前記セラミック層および前記固体電解質層は、前記円筒管の表面の一部に巻き付け形成されていることが望ましい。
【0016】
また、発熱体は、非酸素イオン伝導性のセラミック層中に埋設されてなり、空間部の側壁は、該空間部を閉塞する固体電解質層と実質的に同質のセラミック材料からなるセラミック層に形成されてなることが空間部を閉塞する固体電解質層の強度を高める上で望ましい。
【0017】
本発明の空燃比センサ素子は、酸素イオン伝導性を有するセラミック固体電解質からなり一端が封止された円筒管の外側に空間を介して固体電解質層を設け、前記円筒管の内面および外面の対向する位置に一対の電極対を形成すると同時に、空間を介して固体電解質層が形成され、且つ前記空間や電極対の周囲に素子を加熱するための発熱体を埋設した素子構造からなる。
【0018】
そのため、本発明の空燃比センサ素子は、センサ素子全体が円筒型を有しているために、熱応力が素子全体に渡り均等に分散されるため、熱応力の集中が防止され、平板型素子では得られない優れた熱衝撃性が得られる。
【0019】
また、本発明の空燃比センサ素子によれば、空間部や電極対の周囲のセラミック層内に発熱体を埋設したことによって、固体電解質からなる円筒管の外面の空間部付近に形成した電極対を効率的に加熱することができる結果、急速昇温を行うことができ、センサの活性化時間、即ち、所定の温度までの到達時間を短縮することができる。
【0020】
なお、本発明の空燃比センサ素子は、後述するように、製造にあたって、固体電解質からなる円筒管を具備するセンサ素体の表面に、発熱体を埋設した前記セラミック層や前記固体電解質層を巻き付けて、同時焼成して作製することができるために、従来のように、センサ素子とヒータ素子とをそれぞれ個別に作製し、円筒状の酸素センサ素子中にセラミックヒータを挿入して使用する従来の酸素センサ素子に比べて、組み立て工程が少なく、製造コストが極めて安価になり、経済性の観点からも優れている。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の空燃比センサ素子の一例の概略斜視図を示す図1、図1におけるX1−X1縦断面図である図2、図1におけるX2−X2横断面図である図3をもとに説明する。
【0022】
図1乃至図3の空燃比センサ素子1によれば、酸素イオン伝導性を有するセラミック固体電解質からなり一端が封止された、言い換えれば縦断面がU字状の円筒管2には、センサ素子を構成するための一対の内側電極3と外側電極4からなる電極対が形成されている。具体的には、円筒管2の内面に、空気などに接触される内側電極3と、またそれと対向する外面には排気ガスなどの被測定ガスと接触する外側電極4が形成されて、ポンピングセルが形成されている。
【0023】
また、円筒管2の外側表面には、電極4の一部または全部が露出するような空間部5が形成されており、且つその空間部5の周囲に発熱体6が埋設されたセラミック層7が設けられている。
【0024】
そして、この空間部5の上面には、この空間部5を閉塞するように、酸素イオン伝導性を有する固体電解質層8が形成されており、さらにこの固体電解質層8には、被測定ガスとなる排気ガスを取りこむための小さな拡散孔11が形成されている。
【0025】
また、セラミック層7中に配設された発熱体6は、リード電極12を経由して端子電極13と接続されており、これらを通じて発熱体6に電流を流すことにより発熱体6が加熱され、内側電極3および外側電極4を具備する固体電解質からなる円筒管を加熱する仕組みとなっている。
【0026】
本発明の上記センサ素子においては、上記の拡散孔11を通して、所定量の排気ガスが固体電解質層8によって形成された空間部5内に導入され、さらに排気ガス中の酸素ガスは酸素イオンとしてポンピングセル中を拡散した後、円筒管2の内部に酸素ガスとして放出される仕組みになっている。この際、前述の固体電解質層8は、ポンピングセル表面に小さな空間を形成することによって、空間部5内の酸素ガス濃度を均一にすることによりポンピングセル中での酸素イオンの流れを均一にする作用を有するとともに、上記の発熱体6を埋設したセラミック層7との熱膨張係数の差に起因する内部応力を緩和する機能を有している。
【0027】
本発明の空燃比センサ素子の全体の大きさとしては、外径を3〜6mm、特に3〜4mmに、また内径は少なくとも0.5mm以上、好ましくは1mm以上とすることにより、素子の消費電力を低減するとともに、センシング性能を高めることができる。
【0028】
また、本発明においてはセンサ素子の熱衝撃性を改善する目的で、素子の周囲に50〜600μmの多孔質体を被覆することも出来る。
(固体電解質)
本発明において用いられるセラミック固体電解質は、ZrO2を含有するセラミックスからなり、安定化剤として、Y23およびYb23、Sc23、Sm23、Nd23、Dy23等の希土類酸化物を酸化物換算で1〜30モル%、好ましくは3〜15モル%含有する部分安定化ZrO2あるいは安定化ZrO2が用いられている。
【0029】
また、ZrO2中のZrを1〜20原子%をCeで置換したZrO2を用いることにより、電子伝導性が大きくなり、応答性がさらに改善されるといった効果がある。
【0030】
さらに、焼結性を改善する目的で、上記ZrO2に対して、Al23やSiO2を添加含有させることができるが、多量に含有させると、高温におけるクリープ特性が悪くなることから、Al23およびSiO2の添加量は総量で5重量%以下、特に2重量%以下であることが望ましい。
(セラミック層)
一方、発熱体6を埋設するセラミック層7としては、アルミナ、スピネル、フォルステライト、ジルコニア、ガラスの群から選ばれる少なくとも1種の絶縁性セラミック材料が好適に用いられる。さらに、セラミック層7をガラスによって形成する場合には、耐熱性の観点から、BaO、PbO、SrO、CaO、CdOのうちの少なくとも1種を5重量%以上含有するガラスであり、特に結晶化ガラスであることが望ましい。
【0031】
また、このセラミック層7は、相対密度が80%以上、開気孔率が5%以下の緻密質なセラミックスによって構成されていることが望ましい。これは、セラミック層7が緻密質であることにより絶縁層の強度が高くなる結果、酸素センサ素子自体の機械的な強度を高めることができるためである。
【0032】
さらに、このセラミック層7は、後述する図7のように、上記のセラミック材料のうち少なくとも2種のセラミック材料の組み合わせて多層構造によって形成することもできる。
(発熱体)
また、上記セラミック層7の内部に埋設される発熱体6としては、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウムの群から選ばれる1種の金属、または2種以上の合金からなることが望ましく、特に、セラミック層7との同時焼結性の点で、そのセラミック層7の焼成温度よりも融点の高い金属または合金を選択することが望ましい。
【0033】
また、発熱体6中には上記の金属の他に焼結防止と絶縁層との接着力を高める観点からアルミナ、スピネル、アルミナ/シリカの化合物、フォルステライトあるいは上述の電解質となり得るジルコニア等を体積比率で10〜80%、特に30〜50%の範囲で混合することが望ましい。
(固体電解質層)
空間部5を閉塞する固体電解質層8は、円筒管2と同様の固体電解質によって構成される。特に、この固体電解質層8は、円筒管2を構成する固体電解質と同一の材質からなることが望ましい。
【0034】
また、セラミック層7の外表面に形成された固体電解質層8は、発熱体6からの熱の放散を防止する役目を有する。また、セラミック層7の上下面に同様の固体電解質が形成されることになる結果、固体電解質からなる円筒管2とセラミック層7間の熱膨張差や焼成収縮差等に起因する応力を緩和させ、熱応力をできる限り小さくする作用もなす。
【0035】
なお、発熱体6は、円筒管2や空間部5上部の固体電解質層8に対して直接接することなく、セラミック層7内に埋設されていることが必要であって、発熱体6と円筒管2および固体電解質層8との間のセラミック層7の厚みは少なくとも2μm以上、好ましくは5μm以上であることが望ましい。
(空間部)
空間部5の形状としては、特に限定するものではないが、円筒管2の外面に形成する上で、円筒管2の長手方向の長さが長い長方形状あるいは楕円形状であることが好ましいが、円形であってもかまわない。空間部5が長方形状の場合は、その隅部は緩やかな曲面によって形成することによって空間部5の隅部への熱応力の集中を緩和することができる。
(拡散孔)
図1乃至図3の空燃比センサ素子において、空間部5の上部に形成した固体電解質層8に形成した拡散孔11は、直径が100〜500μmであることが望ましく、この拡散孔11は、1個または2個以上形成してもよい。
【0036】
なお、この図1乃至図3の空燃比センサ素子においては、拡散孔11を固体電解質層8に形成したが、この拡散孔11は、空間部5内に被測定ガスを導入できるものであれば、その形成場所は問わない。例えば、図4に示すように、拡散孔11をセラミック層7に対して、円筒管2の長手方向に拡散孔11を形成して、空燃比センサ素子1の先端部付近から拡散孔11を経由して空間部5内に被測定ガスを導入することができる。
【0037】
また、他の形態として、図5に示すように、空間部5から先端側にガス透過性を有する多孔質体14を形成し、この多孔質体14内の気孔を拡散孔11として空間部5に被測定ガスを導入することができる。
(電 極)
本発明の空燃比センサ素子1における内側電極3、外側電極4は、いずれも白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウムおよび金の群から選ばれる1種、または2種以上の合金、特に白金が好適に用いられる。
【0038】
また、センサ動作時の電極中の金属の粒成長を防止する目的と、応答性に係わる金属粒子と固体電解質とガスとの、いわゆる3相界面の接点を増大する目的で、上述の円筒管2または固体電解質層8を構成する固体電解質成分を1〜50体積%、特に10〜30体積%の割合で上記電極中に混合することが望ましい。
(電極保護層)
外側電極4を保護するために、図6に示すように、拡散孔11の直下に、円柱体からなる多孔質体16を配置して、拡散孔11を通過した排気ガスが直接、外側電極4に触れないようにする必要がある。また、この多孔質体16は、空間部5へのガスの拡散を制御するために用いることも可能である。
【0039】
さらには、この空間部5内には、上記の外側電極4を保護する役目と、空間部5の強度を高めるために、空間部5内部全体に多孔質体を充填することも可能である。
【0040】
また、上記図1乃至図6では、発熱体6を埋設するセラミック層7を単層構造によって形成したが、このセラミック層7の開口部を塞ぐように形成される固体電解質層8とセラミック層7との接合部では熱膨張差などに起因して応力が発生しやすく、また固体電解質層8が非常に薄いために固体電解質層8が破損しやすい。
【0041】
そこで、図7の(a)概略縦断面図と(b)横断面図に示すように、発熱体6を埋設する部分をアルミナ、スピネル、フォルステライト、ガラスなどの非酸素イオン伝導性のセラミック層7aによって形成し、さらに開口部5を形成するとともにその開口面に固体電解質層8が形成される部分をジルコニアなどの固体電解質層8と実質的に同質材料からなるセラミック層7bによって形成することが望ましい。
【0042】
また、さらに他の構造としては、図8の(a)概略縦断面図、(b)概略横断面図に示すように、3層構造として、発熱体6を埋設するセラミック層7aと、ジルコニアなどの固体電解質層8と実質的に同質材料からなるセラミック層7b、7cによって形成することも可能である。
(製造方法)
次に、本発明の空燃比センサ素子の製造方法について、図1乃至図3の空燃比センサ素子の製造方法を例にして、図9乃至図15をもとに説明する。
【0043】
まず円筒管2を形成するために、一端が封止された中空の円筒管素体20を作製する。この円筒管素体20は、ジルコニア等の酸素イオン伝導性を有するセラミック固体電解質粉末に対して、適宜、成形用有機バインダーを添加して押出成形や、静水圧成形(ラバープレス)あるいはプレス形成などの周知の方法により作製される(図9(a))。
【0044】
そして、上記固体電解質からなる円筒管素体20の内面および外面に、電極対として内側電極3および外側電極4となる電極パターン21、22を例えば、白金を含有する導電性ペーストを用いてスラリーデッィプ法、あるいはスクリーン印刷、パット印刷、ロール転写で形成して、センサ素体Aを作製する(図9(b))。この時、円筒管素体20内面への電極22の印刷は、円筒管素体20内部に導体ペーストを充填して排出して内面全面に塗布形成することが効率がよい。
【0045】
次に、固体電解質を形成するセラミック粉末に成形用有機バインダーを添加したスラリーをドクターブレード法、押出し成形法、金型プレス法などにより、50〜500μm、特に100〜300μmの厚さの固体電解質層8を形成するためのグリーンシート23を作製する(図10(a))。
【0046】
そして、上記グリーンシート23の表面に発熱体6を内蔵するセラミック層7を形成するために、非酸素イオン伝導性セラミック粉末に、成形用有機バインダーを添加して絶縁体スラリーを調製し、このスラリーを空間部形成部を除くグリーンシート23の片面にスクリーン印刷等でセラミック層26を塗布する(図10(b))。その後、セラミック層26表面に白金粉末を含む導電性ペーストを印刷してリード部を含む発熱体パターン27を形成する(図10(c))。そして、再度、上記絶縁体スラリーを塗布してセラミック層28形成して、セラミック層26、28中に発熱体パターン27を埋設させる(図10(d))。また、同時に、グリーンシート23に、拡散孔11となる貫通孔29を穿孔する。このようにして、図11の概略斜視図に示すようなヒータ素体Bを作製する。
【0047】
次に、図12に示すように、上記円筒状のセンサ素体Aの表面に、ヒータ素体Bを巻き付けて円筒状積層体を作製する。この際、ヒータ素体Bをセンサ素体Aに巻き付けるには、ヒータ素体Bとセンサ素体Aとの間にアクリル樹脂や有機溶媒などの接着剤を介在させて接着させたり、あるいはローラ等で圧力を加えながら機械的に接着することができる。
【0048】
この巻き付け処理において、ヒータ素体Bの合わせ目は、ヒータ素体Bの両端部が重なることなく、図3に示すように所定の間隔が開いていることが望ましく、特にこの円筒管2における巻き付けられていない領域30の横断面における中心角θが5〜50度、特に10〜25度であることが望ましい。これは上記中心角が5度より小さいと、ヒータ素体Bの大きさおよびセンサ素体Aの製造ばらつきによってヒータ素体Bの端面が一部重なり合う場合が発生しやすくなり、素子の歩留まりが悪い。また、中心角が50度を越えると、焼成時に素子が楕円形に変形しやすくなり、熱衝撃性が低下するおそれがある。
【0049】
そして、上記の円筒状積層体をセンサ素体Aを構成する固体電解質からなる円筒管素体20およびヒータ素体Bにおけるセラミック層26、28および固体電解質のグリーンシート23、並びに各電極が同時に焼成可能な温度で焼成することにより、センサ素体Aとセンサ素体Bとを一体化することができる。
【0050】
例えば、固体電解質としてジルコニア、発熱体6を埋設するセラミック層としてアルミナを用いた場合には、アルゴンガス等の不活性雰囲気中あるいは大気中で1300〜1700℃で1〜10時間程度焼成することによりヒータ素体Aとセンサ素体Bとを同時焼成することができる。
【0051】
なお、拡散孔11の形成は、上記の製造工程においては、図10(d)に示したように、巻き付け処理前のヒータ素体Bのグリーンシート23に形成したが、その他、焼成後の固体電解質層にマイクロドリル等を用いて孔を開けてもよいが、作業性および歩留まりの観点からは前者が望ましい。また、図4のように、拡散孔11をセラミック層7に対して円筒管2の長手方向に形成するには、上記図10のセラミック層26、28に長手方向に拡散孔11となる溝を形成すればよい。
【0052】
さらに、図5のように多孔質体14によって拡散孔11を形成する場合には、前記図7のセラミック層7a、7bを積層形成する過程で、先端側に、焼成後、10〜40%の気孔率を有する多孔質体を形成するようなアルミナ、スピネル、フォルステライト、ジルコニア、ガラス等のセラミック粉末を塗布すればよい。
(素子の他の製造方法)
また、本発明の空燃比センサ素子の他の製造方法として、図13に示すように、前記ヒータ素体Bを作製するにあたって、セラミック層7を形成するためにセラミック粉末を用いて2枚のグリーンシート31、32を作製し、グリーンシート32の表面に白金などのペーストを印刷して発熱体パターン33を形成した後、前述のグリーンシート23にグリーンシート31、32を積層圧着してヒータ素体Bを作製する。そして、前記製造方法と同様にしてセンサ素体Aに巻き付け処理し、焼成することによっても作製することができる。
【0053】
また、さらに他の製造方法として、図14に示すように、固体電解質粉末を用いて作製されたグリーンシート36に、図10(d)のヒータ素体Bを積層して積層体B’を作製する。一方、図9(b)のセンサ素体Aにおいて、電極パターン22を形成していない、電極パターン21のみを形成したセンサ素体A’を作製し、センサ素体A’の表面に積層体B’のグリーンシート36の測定電極パターン35を形成していない側とセンサ素体A’の外表面が接触するように巻き付け処理して、同時焼成することも可能である。
【0054】
また、さらに他の製造方法として、図7の酸素センサを作製するには、図15に示すように、非酸素イオン伝導性のセラミック材料からなるグリーンシート37a、37b間にリードパターンを含む発熱体パターン38を形成し、そのグリーンシート37a、37bに開口39を形成し、開口39内に固体電解質のセラミック層40を充填する。そして、セラミック層40の表面に電極パターン41と適宜、拡散律速層42を形成する。さらに、その上に開口43を有する固体電解質からなるグリーンシート44を積層し、さらに拡散孔45を形成した固体電解質グリーンシート46をグリーンシート44の開口43を閉塞するように積層し一体化して積層体を形成する。
【0055】
その後、この積層体を図14で説明したのと同様に、測定電極を有しないセンサ素体A’の表面に、上記のようにして作製した積層体のグリーンシート37側をセンサ素体A’の表面に巻き付け処理して、同時焼成することによって形成することができる。また、開口39内に固体電解質のセラミック層40を充填する際に、開口39のみならず、グリーンシート37a、37bの表面まで被覆すれば、図8のような構造の酸素センサが得られる。
【0056】
【実施例】
(実施例1)
市販のアルミナ粉末と、5モル%Y23含有のジルコニア粉末と、白金粉末をそれぞれ準備した。
【0057】
まず、5モル%Y23含有のジルコニア粉末にポリビニルアルコール溶液を添加して坏土を作製し、押出成形により焼結後、外径が約4mm、内径が1mmになるように一端が封じた円筒管素体を作製し、その外表面に、外側電極として白金ペーストからなる長方形状の電極パターンおよびリードパターンを印刷塗布するとともに、成形体の内部全面にも白金ペーストを塗布して内側電極を形成してセンサ素体Aを作製した。なお、内側電極および外側電極の厚みは焼成後にそれぞれ約10μmとなるように調整した。
【0058】
また、5モル%Y23含有のジルコニア粉末にアクリル系バインダーとトルエン溶液を加えてスラリーを作製し、ドクターブレード法により厚みが約200μmのジルコニアグリーンシートを作製した。このジルコニアグリーンシートを用い開口部を形成する部分の中心に、マイクロドリルにより焼成後の直径が0.3mmになるように拡散孔を形成した。
【0059】
その後、このジルコニアグリーンシートの開口部を形成する部分以外の領域に、アルミナ粉末を含むスラリーをスクリーン印刷で焼成後に約10μmの厚みになるように塗布後、そのアルミナ層の表面に白金ペーストを用いて発熱体パターンを焼成後に10μmの厚みになるように印刷形成し、再度、その上にアルミナスラリーを塗布して、アルミナ層内に発熱体パターンを埋設して、ヒータ素体Bを作製した。
【0060】
そして、上記センサ素体Aの表面に、上記ヒータ素体Bを巻き付けて円筒状積層体を作製した。なお、巻き付けにあたって接着剤としてアクリル系バインダを用いた。
【0061】
その後、この円筒状積層体を1500℃、大気中で2時間焼成して、図1に示す本発明の空燃比センサ素子を完成させた。この際、最終的に作製したセンサ素子における円筒管における巻き付けられていない領域の円筒管の横断面における中心角は20度とした。
【0062】
作製した空燃比センサ素子の評価は、室温から1000℃まで20秒で昇温し、1000℃から室温まで空冷するという温度サイクルを1サイクルとし、これを20万回繰り返し素子が破損する確率を求めた。この際、比較のため図17に示すような市販のヒータが一体化した平板型の素子についても同様な試験を行った。また、用いた素子の数量はそれぞれ50個とした。
【0063】
その結果、本発明の空燃比センサ素子の破損率は18%であったのに対して、市販の平板型素子では破損率が92%と極めて高かった。これより、本発明の円筒状の素子の耐熱衝撃性が優れたものであることが理解される。
(実施例2)
実施例1の本発明の空燃比センサ素子を用い、700℃において電極間に0.3V印加した時の空燃比に対するポンピング電流を測定しその関係を図16に示す。この図16より、空燃比が10から60の範囲においてポンピング電流と空燃比が単一の曲線で表わされることがわかる。これにより本発明の空燃比センサは広範囲の燃焼領域においても空気と燃料の比率を検出する充分な機能を有することが分かる。
【0064】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の空燃比センサ素子によれば、従来の素子では得られない急速昇温などの熱衝撃性に優れた空燃比センサ素子が提供でき、また、その結果、センサ活性化時間を短縮することもできる。しかも、本発明のセンサ素子は発熱体を内蔵するセラミック層とを同時焼成して作製できるため、製造コストが極めて安価になり、経済性の観点からも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空燃比センサ素子の一例を説明するための概略斜視図である。
【図2】図1の空燃比センサ素子におけるX1−X1縦断面図である。
【図3】図1の空燃比センサ素子におけるX2−X2横断面図である。
【図4】本発明の空燃比センサ素子の他の例を説明するための概略縦断面図である。
【図5】本発明の空燃比センサ素子のさらに他の例を説明するための概略縦断面図である。
【図6】本発明の空燃比センサ素子のさらに他の例を説明するための概略縦断面図である。
【図7】本発明の空燃比センサ素子のさらに他の例を説明するための(a)概略縦断面図と(b)検知部の横断面図である。
【図8】本発明の空燃比センサ素子のさらに他の例を説明するための(a)概略縦断面図と(b)検知部の横断面図である。
【図9】本発明の空燃比センサ素子の製造方法を説明するための図であって、センサ素体を作製する工程を示す図である。
【図10】本発明の空燃比センサ素子の製造方法を説明するための図であって、ヒータ素体を作製する工程を示す図である。
【図11】図8によって作製されたヒータ素体Bの概略斜視図である。
【図12】ヒータ素体Bをセンサ素体Aに巻き付ける工程を示す図である。
【図13】本発明の空燃比センサ素子の他の製造方法を説明するための図であって、ヒータ素体Bを作製する工程を示す図である。
【図14】本発明の空燃比センサ素子の他の製造方法を説明するための図であって、ヒータ素体Bを作製する工程を示す図である。
【図15】本発明の空燃比センサ素子の他の製造方法を説明するための図であって、ヒータ素体Bを作製する工程を示す図である。
【図16】実施例2の空燃比センサ素子における空燃比に対するポンピング電流の関係を示す図である。
【図17】従来の平板型空燃比センサ素子を説明するための概略断面図である。
【符号の説明】
1 空燃比センサ素子
2 円筒管
3 内側電極
4 外側電極
5 空間部
6 発熱体
7 セラミック層
8 固体電解質層
11 拡散孔

Claims (6)

  1. 酸素イオン伝導性を有する固体電解質からなり一端が封止された円筒管と、該円筒管の内面および外面の互いに対向する位置に形成された内側電極と外側電極からなる一対の電極と、前記円筒管の外側表面に形成され、前記外側電極の一部または全部が露出するような空間部を具備し且つ該空間部の周囲に発熱体を埋設してなるセラミック層と、前記空間部を閉塞するように設けられた酸素イオン伝導性を有する固体電解質層と、閉塞された空間部内に被測定ガスを取り込むための拡散孔、とを具備することを特徴とする空燃比センサ素子。
  2. 前記拡散孔が、前記固体電解質層に形成されてなる請求項1記載の空燃比センサ素子。
  3. 前記拡散孔が、前記セラミック層に形成されてなる請求項1または請求項2記載の空燃比センサ素子。
  4. 前記セラミック層、または前記固体電解質層が、前記円筒管に巻き付け形成されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか記載の空燃比センサ素子。
  5. 前記発熱体が、非酸素イオン伝導性のセラミック層中に埋設されてなる請求項1乃至請求項4のいずれか記載の空燃比センサ素子。
  6. 前記空間部の側壁が、該空間部を閉塞する固体電解質層と実質的に同質のセラミック材料からなるセラミック層に形成されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか記載の空燃比センサ素子。
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