JP2004241148A - セラミックヒータ構造体および検出素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】長尺平板状のセラミック基体1と、セラミック基体1中に埋設された発熱体2とを具備するセラミックヒータ構造体Aにおいて、発熱体2と平行なセラミック基体2の外表面までの最小厚みLminを250μm以上とする。また、発熱体2中のセラミック絶縁体構成成分を10〜60体積%含有すること、発熱体2中およびセラミック絶縁体中のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の総含有量がそれぞれ50ppm以下とする。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の内燃機関における空気と燃料の比率を制御するための酸素センサ素子に適した、長尺平板型のセラミック基体中に発熱体を埋設したセラミックヒータ構造体とそれを用いた検出素子に関する。
【0002】
【従来技術】
従来より、絶縁性セラミックスからなる絶縁基板の内部に発熱体を埋設したセラミックヒータが知られており(特許文献1参照)、車両用のガスセンサの過熱ヒータや、半導体基板の加熱ヒータの他、温水ヒータや、石油ファンヒータとして用いられている。
【0003】
一方、自動車等の内燃機関においては、排出ガス中の酸素濃度を検出して、その検出値に基づいて内燃機関に供給する空気および燃料供給量を制御することにより、内燃機関からの有害物質、例えばCO、HC、NOxを低減させる方法が採用されている。
【0004】
この検出素子として、主として酸素イオン伝導性を有するジルコニアを主成分とする固体電解質基板の外面および内面にそれぞれ一対の電極層が形成された固体電解質型の酸素センサが用いられている。
【0005】
この酸素センサの代表的なものとしては、図6に示すように、平板状の固体電解質基板31の外面および内面に基準電極32と測定電極33をそれぞれ設けると同時に、セラミック絶縁体34の内部に白金からなる発熱体35を埋設したセラミックヒータを一体型した酸素センサが提案されている(例えば、特許文献2、3)。このセラミックヒータを一体化した酸素センサは、セラミックヒータによって直接加熱されることによって検知部は800〜1000℃の高温まで急速昇温されるメリットを有する。
【0006】
【特許文献1】
特開平3−149791号公報
【0007】
【特許文献2】
特開2002−540399号公報
【0008】
【特許文献3】
特開2002−236104号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなセラミックヒータに対して、上記の高温加熱を連続通電して行うと発熱体の抵抗が次第に増加し、最終的に発熱体が断線するという問題があった。
【0010】
この原因の大きな原因として、セラミック絶縁体の内部に略対称的に埋設された一対の発熱体の間で、セラミック絶縁体内にNaやKなどのアルカリ金属、アルカリ土類金属が、一対の発熱体間でマイグレーションを起しているためであることがわかった。
【0011】
かかる課題に対してはセラミックヒータを構成する材料として高純度の原料を用い、アルカリ金属、アルカリ土類金属を数ppm以下程度まで低減すればマイグレーションの発生を防止できるが、そのような高純度原料はコストが高く、ヒータのコストを高め、高温発熱型のヒータの普及を阻害する要因となる。
【0012】
従って、本発明は、一対の発熱体間でのマイグレーションの発生を防止し、連続通電状態での耐久性に優れたセラミックヒータ構造体と、それを用いた検出素子を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の問題について検討した結果、低純度原料を用いた場合において、アルカリ金属、アルカリ土類金属が存在する場合であっても、発熱体からセラミックヒータ構造体における外表面までの厚みを所定以上に厚くすれば、マイグレーションによる影響を極力低減できることを突き止めた。
【0014】
即ち、本発明のセラミックヒータ構造体は、長尺平板状のセラミック基体と、該基体中に埋設された発熱体とを具備するセラミックヒータ構造体において、前記発熱体と平行な該構造体の外表面までの最小厚みLminが250μm以上であることを特徴とするものである。
【0015】
即ち、上記のように、前記発熱体と平行な該構造体の外表面までの最小厚みLminを250μm以上とすることによって、Naなどによってマイグレーションが発生し、万一、クラック等が発熱体付近で発生してもそのクラックがセラミックヒータ構造体の外表面に達する確率を大幅に低減できる結果、セラミックヒータ構造体の強度が安定に保たれ、耐久性を高めることができる。
【0016】
なお、このセラミックヒータ構造体においては、このセラミックヒータ構造体全体がセラミック絶縁体で形成されており、その中に発熱体が埋設されていてもよいが、固体電解質などの非絶縁性材料からなる場合であっても、該構造体内にセラミック絶縁体を形成し、その絶縁体中に発熱体を埋設すればよい。
【0017】
また、前記発熱体中には、前記セラミック絶縁体の成分を10〜60体積%含有することが望ましい。これによって、発熱体とセラミック絶縁体との熱膨張差が収縮挙動などの特性を近似できる結果、クラックなどの発生を低減することができる。
【0018】
具体的には、前記セラミック絶縁体がアルミナを50質量%以上含有するセラミックスからなることが強度および耐久性の点で望ましく、また、発熱体が、白金を主体とすることが望ましい。
【0019】
なお、前記発熱体中および前記セラミック絶縁体中のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の総含有量は、許される限り低減することが望ましく、特にそれぞれ50ppm以下であることによってマイグレーションの発生を低減できる。
【0020】
また、上記セラミックヒータ構造体の応用例としては、セラミックヒータ構造体の一部に凹部が長手方向に形成され、且つ該凹部の開口部を塞ぐように固体電解質基板が形成されており、該固体電解質基板の両面に一対の電極を形成することによって、酸素センサなどの検出素子を形成することができ、上記セラミックヒータを具備することによって、検出素子の精度の向上と検出の安定性、耐久性を高めることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のセラミックヒータ構造体の基本構造を図1の(a)概略平面図、(b)のx−x断面図を元に説明する。図1によれば、このセラミックヒータ構造体Aは、長尺平板状のセラミック絶縁体からなる長尺平板状のセラミック基体1の内部には、発熱体2と、この発熱体2に通電するためのリード3が埋設されている。また、構造体1の終端付近の表面には、一対の電極4が被着形成されており、リード3を経由して発熱体2に電力が供給される。
【0022】
本発明によれば、かかるセラミックヒータ構造体Aにおいて、発熱体2からセラミックヒータ構造体Aの発熱体2と平行なセラミック基体1の外表面までの最小厚みLminがいずれも250μm以上であることが重要である。
【0023】
これにより、通電時に発熱体2のマイナス極側にNa、Caなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属が拡散して濃縮しマイグレーションが発生した場合においても、発熱体2付近でクラック等が発生してもそのクラックがセラミック基体1の外表面に達する確率を大幅に低減できる結果、セラミックヒータ構造体の強度が安定に保たれ、耐久性を高めることができる。
【0024】
従って、上記の最小厚みLminが250μmより短いと、マイグレーション発生によってクラックがセラミック基体1の外表面まで容易に達成して、結果として電気絶縁性を悪くする。上記最小厚みLminは、350μm以上、さらには500μm以上であることが望ましい。
【0025】
また、かかるセラミックヒータ構造体Aにおいては、発熱体2がセラミック絶縁体形成成分を10〜60体積%含有することによって、発熱特性に大きな影響を及ぼすことなく、発熱体2の周囲のセラミック基体1との熱膨張特性を近似させることができる結果、クラックの発生を低減することができる。この含有量は、特に20〜50体積%、さらに30〜45体積%とすることが望ましい。
【0026】
また、発熱体2中およびセラミック基体1を形成するセラミック絶縁体中のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の総含有量がそれぞれ50ppm以下であることが望ましい。このアルカリ金属およびアルカリ土類金属量は可能な限り低減することが望ましいが、50ppm以下であれば、数ppm以下まで低減させることなく、同等の耐久性を維持できる。上記含有量は、それぞれ40ppm以下、低コスト化を考慮すれば10ppm以上であることが望ましい。
【0027】
かかるセラミック基体1を構成するセラミック絶縁体としては、Al2O3を50質量%以上含有するセラミックス、具体的には、アルミナセラミックス、AlとMgとの複合酸化物(例えば、スピネル)を主体とするセラミックス、Alと希土類元素との複合酸化物(例えば、YAG)を主体とするセラミックスの群から選ばれる少なくとも1種からなることが耐食性、高強度化の点で望ましい。また、相対密度が80%以上、開気孔率が5%以下の緻密質なセラミックスによって構成されることによって強度が高くなる結果、セラミックヒータ構造体自体の機械的な強度を高めることができる。
【0028】
一方、発熱体2は、前記セラミック絶縁体との同時焼結性および耐久性の点から、白金またはタングステンを主成分とすることが望ましい。また白金を主成分とする場合は、白金と、ロジウム、パラジウム、ルテニウムの群から選ばれる少なくとも1種との合金を用いて抵抗の調整を図ることもできる。特に、大気などの酸化性雰囲気中で焼成しても酸化しない白金を主体とすることが望ましい。
【0029】
また、発熱体2中には前述した通り、セラミック絶縁体構成成分を10〜60体積%含有することが望ましいが、この場合、セラミック絶縁体構成成分としては、セラミック絶縁体を構成する組成物と同じ組成物のみならず、無添加の場合から両者の熱膨張係数を近似させることができるものであれば、セラミック絶縁体中に含まれる成分のうちの1種または2種以上であってもよい。
【0030】
また、発熱体2に電力を供給するリード3も発熱体2と類似な材料で形成されることが同時焼結性の点で望ましいが、発熱体2とリード3の抵抗比率は室温において、9:1〜7:3の範囲に制御することが好ましい。発熱体2のパターン構造としては、図1(b)に示すように、長手方向に対して直交するように折り曲げる他、長手方向に平行に折り返すようなパターンであってもよい。
【0031】
本発明のセラミックヒータ構造体Aを製造するには、例えば、まず、図2に示すように、絶縁性セラミック組成物を用いて所定のシート成形方法によって絶縁性グリーンシート11a、11bを作製する。
【0032】
そして、上記絶縁性グリーンシートのうち、グリーンシート11bの表面に、発熱体用のペーストを用いて発熱体パターン12およびリードパターン13を印刷塗布する。また、グリーンシート11bの下面には、一対の電極14を印刷塗布する。なお、電極14とリードパターン13とは、各グリーンシート11bを貫通するビア導体15によって電気的に接続される。
【0033】
そして、上記発熱体パターン12やリードパターン13を印刷した絶縁性グリーンシート11bの上面にグリーンシート11aを積層圧着した後、焼成することによって本発明のセラミックヒータ構造体Aを作製することができる。このときの焼成温度は絶縁性セラミックスとしてAl2O3を50質量%以上含有するセラミック絶縁体を用いた場合には、1300〜1600℃が適当である。
【0034】
上記図1、図2のセラミックヒータ構造体Aは酸素センサなどの検出素子における検知部加熱用として特に好適に用いられる。そこで、本発明のセラミックヒータ構造体Aを酸素センサBに適用した場合の一例について図3の概略断面図をもとに説明する。
【0035】
図3によれば、図1のセラミック基体1の上面に長手方向に延びる凹部5が形成されている。この凹部5の一端は封止され、他端はセラミック基体1の端面にて開放されている。そしてこの凹部5の開口部を塞ぐように、ジルコニア固体電解質基板6が設けられている。このジルコニア固体電解質基板6の表面側に白金からなる測定電極7が、凹部5側内壁に白金からなる基準電極8が形成されている。かかる固体電解質基板6と一対の電極7、8によって酸素濃度を検知するセンサ部を形成している。また、排気ガスによる電極の被毒を防止する観点から、測定電極7表面には電極保護層としてセラミック多孔質層9が形成されている。
【0036】
かかる構造によれば、セラミックヒータ構造体の一部に検知部が形成されることによってこの検知部を効率的に加熱することができる。
【0037】
この酸素センサBの場合においても、発熱体2と平行なセラミック基体1の外表面までのセラミック絶縁体の最小厚みLminを250μm以上とすることによって、前述したような理由から耐久性を高めることができる。
【0038】
また、この図3の酸素センサBでは、ジルコニア固体電解質基板6を除く部分がすべてセラミック絶縁体からなるものであるが、本発明は、これに限定されることなく、例えば、図4の酸素センサCに示すように、セラミック基体1全体をジルコニアセラミックスなどによって形成し、その一部分にアルミナなどのセラミック絶縁体10を形成し、そのセラミック絶縁体10の内部に発熱体2を埋設することもできる。
【0039】
かかる場合においても、発熱体2と平行なセラミック基体1の外表面までのセラミック絶縁体10およびジルコニアセラミックスとの合計厚みLminを250μm以上とすることによって、前述したような理由から耐久性を高めることができる。
【0040】
上記において用いられるジルコニア固体電解質は、ZrO2を含有するセラミックスからなり、安定化剤として、Y2O3およびYb2O3、Sc2O3、Sm2O3、Nd2O3、Dy2O3等の希土類酸化物を酸化物換算で1〜30モル%、好ましくは3〜15モル%含有する部分安定化ZrO2あるいは安定化ZrO2が用いられている。また、ZrO2中のZrを1〜20原子%をCeで置換したZrO2を用いることにより、イオン導電性が大きくなり、応答性がさらに改善されるといった効果がある。さらに、焼結性を改善する目的で、上記ZrO2に対して、Al2O3やSiO2を添加含有させることができるが、多量に含有させると、高温におけるクリープ特性が悪くなることから、Al2O3およびSiO2の添加量は総量で5質量%以下、特に2質量%以下であることが望ましい。
【0041】
固体電解質基板6の表面に被着形成される基準電極8、測定電極7、さらにはこの電極7、8と接続されるリード(図示せず)は、いずれも白金、あるいは白金と、ロジウム、パラジウム、ルテニウムおよび金の群から選ばれる1種との合金が用いられる。
【0042】
また、測定電極7の表面に形成されるセラミック多孔質層9は、厚さ10〜800μmで、気孔率が10〜50%のジルコニア、アルミナ、γ−アルミナおよびスピネルの群から選ばれる少なくとも1種によって形成されていることが望ましい。
【0043】
次に、図4の酸素センサの製造方法について、図5の分解斜視図に基づき説明する。
【0044】
まず、固体電解質のグリーンシート20を作製する。このグリーンシート20は、例えば、ジルコニアの酸素イオン伝導性を有するセラミック固体電解質粉末に対して、適宜、成形用有機バインダーを添加してドクターブレード法や、押出成形や、静水圧成形(ラバープレス)あるいはプレス形成などの周知の方法により作製する。尚、薄く作製したグリーンシートを所定の厚みになるように複数枚重ねて積層したものを使用することもできる。
【0045】
次に、上記のグリーンシート20の両面に、それぞれ測定電極7および基準電極8となるパターン21やリードパターン22や電極パッドパターン23などを例えば、白金を含有する導電性ペーストを用いてスラリーデッィプ法、あるいはスクリーン印刷、パット印刷、ロール転写で印刷形成する。また、グリーンシート20には適宜、スルーホール(図示せず)等を形成して導電性ペーストを充填し、シート表裏間の電極パッドパターン23間の接続を行う。
【0046】
次に、大気導入孔24を形成したジルコニアのグリーンシート25を作製する。大気導入孔24は、グリーンシート25にパンチング等によって開口するか、またはプレス成形によって大気導入孔24を形成した型を用いてプレス成形することもできる。
【0047】
そして、大気導入孔24の反対側を塞ぐために、前記ジルコニアグリーンシート20と同一の材質からなるジルコニアグリーンシート26を配置する。
【0048】
次に、例えば、アルミナ、ムライト、スピネルの群から選ばれる少なくとも1種の絶縁性セラミックスからなるセラミック絶縁層27の間に発熱体パターン28を埋設したヒータ部を配置する。
【0049】
ヒータ部の形成にあたっては、例えば、ジルコニアグリーンシート29の表面に絶縁性セラミックスのスラリーを所定の厚みで塗布してセラミック絶縁層27aを形成した後、白金などの導体ペーストを用いてセラミック絶縁層27aの表面に発熱体パターン28を印刷塗布し、再度、絶縁性セラミックスのスラリーを所定の厚みで塗布してセラミック絶縁層27bを形成する。
【0050】
また、他の方法としては、絶縁性セラミックスのスラリーを用いてドクターブレード法によって所定厚みに成形した絶縁性グリーンシート27a、27bを形成し、その一方のグリーンシート表面に白金などの導体ペーストを用いて発熱体パターン28を印刷塗布し、積層することもできる。
【0051】
そして、上記の各グリーンシートをアクリル樹脂や有機溶媒などの接着材を介在させるか、あるいはローラやプレスにより1.0〜100MPaの圧力を加えながら機械的に積層、接着して一体化する。
【0052】
また、ジルコニアグリーンシート29、セラミック絶縁層27aには、発熱体パターン28を外部に導出するための電極パッド30や、これと接続するための導体ビア31を形成することもできる。
【0053】
この後、この積層体を大気中または不活性ガス雰囲気中、1300℃〜1700℃の温度範囲で1〜10時間焼成する。なお、焼成時には、焼成時の反りを抑制するため、錘として平滑なアルミナ等の基板を積層体の上に置くことにより反りをさらに低減することができる。
【0054】
その後、必要に応じて、焼成後の測定電極21の表面に、プラズマ溶射法等により、アルミナ、ジルコニア、スピネルの群から選ばれる少なくとも1種のセラミック多孔質層を形成することによって、センサ部とヒータ部が一体化された酸素センサを形成することができる。
【0055】
本発明の検出素子は、素子全体の厚さとしては、0.8〜1.5mm、特に1.0〜1.2mm、素子の長さとしては45〜55mm、特に45〜50mmが急速昇温性と素子のエンジン中への取付け具合との関係から好ましい。
【0056】
【実施例】
図4に示すセラミックヒータ構造体を、図5に従い以下のようにして作製した。
【0057】
アルミナとシリカをそれぞれ0.1質量%含む5モル%Y2O3含有のジルコニア粉末にポリビニルアルコール溶液を添加してスラリーを作製し、押出成形により焼結後の厚さが0.4mmになるようなジルコニアグリーンシート20を作製した。
【0058】
その後、ジルコニアグリーンシート20の両面に、平均粒子径が0.1μmで8モル%のイットリアからなるジルコニアを30体積%結晶内に含有する白金粉末を含有する導電性ペーストをスクリーン印刷して、測定電極と基準電極のパターン21、リードパターン22を印刷形成した後、大気導入孔24を形成したジルコニアグリーンシート25をアクリル樹脂の接着剤により積層し検知部用積層体を得た。
【0059】
次に、アルミナに焼結助剤としてMgO、CaO、SiO2の酸化物を総和で7質量%含有したものに、溶媒としてトルエンを、さらに、成型用有機バインダーとしてアクリル樹脂を加え混合してアルミナ絶縁性ペーストを調製し、ジルコニアグリーンシート29の表面に、焼成後の厚みが20μmとなるようスクリーン印刷してアルミナセラミック絶縁層27aを形成した。そして、その表面にアルミナを10〜70質量%含有する白金粉末のペーストを用いて発熱体パターン28をスクリーン印刷した。
【0060】
その後、この発熱体パターン28の表面に、上記アルミナ絶縁性ペーストを焼成後20μmになるようにスクリーン印刷してアルミナセラミック絶縁層27bを形成し、その上に再度、前記ジルコニアグリーンシート26を積層して、ヒータ部用積層体を作製した。
【0061】
その後、センサ部用積層体とヒータ部用積層体とを積層し、1500℃で1時間焼成して、ヒータを一体化した酸素センサを作製した。
【0062】
なお、上記酸素センサ素子において、ジルコニアグリーンシート29の厚みを種々変化させて、発熱体と平行な構造体の外表面までの最小厚みLminが表1の通りの数種の酸素センサを作製した。
【0063】
なお、アルカリ金属、アルカリ土類金属含有量は、発熱体中において43ppm、アルミナセラミック絶縁体中で35ppmであった。
【0064】
この実施条件それぞれにつき、各50本ずつ作製したセラミックヒータ構造体について、電圧を印加することにより発熱体を1100℃にし、20時間後、50時間後、100時間後の絶縁性とクラックの発生について評価を行った。
【0065】
絶縁性評価では、セラミックヒータ構造体の発熱部を25℃の水中に浸漬し、発熱体に500V通電し、発熱体と水間における抵抗を測定した。5000MΩ以上を絶縁抵抗OKとした。また、クラックの発生有無は、レッドチェックにて判定した。結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
表1の結果より、発熱体からセラミック基体表面までの最小厚みLminが250μmより短い試料(No.1〜4)は、絶縁抵抗の低下がみられ、発熱体部にクラックが発生した試料が多かった。
【0067】
一方、本発明品はいずれも絶縁抵抗の変化はほとんどなく、クラック発生割合も10%以下であり、耐久性に優れたセラミックヒータであった。
【0068】
また、発熱体中のアルミナ量を10〜60体積%とすること、さらにはアルカリ金属、アルカリ土類金属量を50ppm以下とすることでさらに耐久性が向上した。
【0069】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明によれば、発熱体からセラミック基体の外表面までの最小厚みLminを制御することによって、アルカリ金属やアルカリ土類金属によるマイグレーションを有効に防止することができる結果、セラミックヒータの寿命を飛躍的に改善することができるとともに、酸素センサなどの検出素子の長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミックヒータの(a)概略平面図と(b)x−x断面図を示す。
【図2】図1のセラミックヒータの製造方法を説明するための分解斜視図を示す。
【図3】本発明におけるセラミックヒータを用いた検出素子の一例を説明するための概略断面図である。
【図4】本発明におけるセラミックヒータを用いた検出素子の他の例を説明するための概略断面図である。
【図5】図4の検出素子の製造方法を説明するための分解斜視図である。
【図6】従来のセラミックヒータを用いた酸素センサの概略断面図である。
【符号の説明】
1 セラミック基体
2 発熱体
3 リード
4 電極
5 凹部
A セラミックヒータ構造体
Claims (7)
- 長尺平板状のセラミック基体と、該構造体中に埋設された発熱体とを具備するセラミックヒータ構造体において、前記発熱体と平行な該基体の外表面までの最小厚みLminが250μm以上であることを特徴とするセラミックヒータ構造体。
- 前記発熱体が、セラミック絶縁体中に埋設されてなることを特徴とする請求項1記載のセラミックヒータ構造体。
- 前記発熱体が、セラミック絶縁体構成成分を10〜60体積%含有することを特徴とする請求項2記載にセラミックヒータ構造体。
- 前記セラミック絶縁体が少なくともAl2O3を50質量%以上含有するセラミックスからなる請求項2または請求項3記載のセラミックヒータ構造体。
- 前記発熱体が白金またはタングステンを主体とする請求項1乃至請求項4のいずれか記載のセラミックヒータ構造体。
- 前記発熱体中および前記セラミック絶縁体中のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の総含有量がそれぞれ50ppm以下であることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか記載のセラミックヒータ構造体。
- 請求項1乃至請求項6のいずれか記載のセラミックヒータ構造体におけるセラミック基体の一部に凹部が長手方向に形成され、且つ該凹部の開口部を塞ぐように固体電解質基板が形成されており、該固体電解質基板の両面に一対の電極を形成してなることを特徴とする検出素子。
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