JP2003344350A - 酸素センサ素子 - Google Patents

酸素センサ素子

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JP2003344350A
JP2003344350A JP2002154412A JP2002154412A JP2003344350A JP 2003344350 A JP2003344350 A JP 2003344350A JP 2002154412 A JP2002154412 A JP 2002154412A JP 2002154412 A JP2002154412 A JP 2002154412A JP 2003344350 A JP2003344350 A JP 2003344350A
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sensor element
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ceramic
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Masahide Akiyama
雅英 秋山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大気導入孔を経由した水分の侵入が少なく、急
速昇温が可能で、素子強度の高い酸素センサ素子を提供
する。 【解決手段】大気導入孔3を有するセラミック固体電解
質からなる板状の基体2と、大気導入孔3の内壁に形成
された基準電極4と、基準電極4と対向する基体2外表
面に形成された測定電極5とを具備し、さらにはセラミ
ック絶縁層7中に発熱体6を埋設したヒータ部を具備す
る酸素センサ素子1であって、大気導入孔3にアルミ
ナ、ジルコニア、スピネルを主成分とするセラミックス
から成る気孔率が30〜70%の多孔質セラミックス9
を充填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の内燃機
関における空気と燃料の比率を制御するための酸素セン
サ素子に関するものである。
【0002】
【従来技術】現在、自動車等の内燃機関においては、排
出ガス中の酸素濃度を検出して、その検出値に基づいて
内燃機関に供給する空気および燃料供給量を制御するこ
とにより、内燃機関からの有害物質、例えばCO、H
C、NOxを低減させる方法が採用されている。
【0003】この検出素子として、主として酸素イオン
導電性を有するジルコニアを主分とする固体電解質から
なり、一端が封止された円筒管の外面および内面にそれ
ぞれ一対の電極層が形成された固体電解質型の酸素セン
サが用いられている。この酸素センサの代表的なものと
しては、図4に示すように、ZrO2固体電解質からな
り、先端が封止された円筒管31の内面には、センサ部
として白金からなり空気などの基準ガスと接触する基準
電極32が、また円筒管31の外面には排気ガスなどの
被測定ガスと接触される測定電極33が形成されてい
る。
【0004】このような酸素センサにおいて、一般に、
空気と燃料の比率が1付近の制御に用いられている、い
わゆる理論空燃比センサ(λセンサ)としては、測定電
極33の表面に、セラミック保護層34が設けられてお
り、所定温度で円筒管両側に発生する酸素濃度差を検出
し、エンジン吸気系の空燃比の制御が行われている。上
記理論空燃比センサにおいては、センサ部を約700℃
付近の作動温度までに加熱する必要があり、そのため
に、円筒管の内側には、センサ部を作動温度まで加熱す
るため棒状ヒータ35が挿入されている。
【0005】しかしながら、近年排気ガス規制の強化傾
向が強まり、エンジン始動直後からのCO、HC、NO
xの検出が必要になってきた。このような要求に対し
て、上述のように、棒状ヒータ35を円筒管31内に挿
入してなる間接加熱方式の円筒型酸素センサでは、セン
サ部が活性化温度に達するまでに要する時間(以下、活
性化時間という。)が遅いために排気ガス規制に充分対
応できないという問題があった。
【0006】近年、この問題を回避する方法として、図
5に示すように大気導入孔36を有する平板型の固体電
解質の基体37の外面および内面に基準電極38と測定
電極39それぞれ設けると同時に、セラミック絶縁体4
0の内部に白金からなる発熱体41を埋設し、測定電極
39の表面にセラミック保護層42を形成したヒータ一
体型の酸素センサ素子が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5に
示すような平板型の酸素センサ素子は、大気導入孔36
は空気を導入するという役割から、外界に向かって開孔
しているため、外界から水分が侵入しやすい。その結
果、水分が大気導入孔に存在すると、センサ素子の温度
を作動温度まで昇温する際に,水によるヒートショック
でセンサ素子が破壊するという問題があった。
【0008】さらに、このような固体電解質基体37に
大気導入孔36のような開孔部が形成されているセンサ
素子構造は、センサ素子の強度が低いという問題もあっ
た。
【0009】本発明は、水分の侵入が少なく、急速昇温
が可能で、素子強度の高い酸素センサ素子を提供するこ
とを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の二つ
の問題について検討した結果、固体電解質基体に形成さ
れている大気導入孔中に多孔質のセラミックスを充填す
れば、外界からの水分の侵入を防止できるばかりでな
く、合わせて素子強度を向上させることが出来ることを
見出し、本発明に至った。
【0011】即ち、本発明の酸素センサ素子は、大気導
入孔を有するセラミック固体電解質からなる板状の基体
と、前記大気導入孔の内壁に形成された基準電極と、該
基準電極と対向する基体外表面に形成された測定電極と
を具備する酸素センサ素子であって、前記大気導入孔に
多孔質セラミックスを充填したことを特徴とするもので
ある。
【0012】この際、大気導入孔中に充填する多孔質セ
ラミックスとしては、アルミナ、ジルコニア、スピネル
を主成分とするセラミックから成ることが好ましく、さ
らに、水分の外界からの侵入を防止し、所定のガス応答
性を保持しつつ、且つ素子強度を向上させるためには多
孔質セラミックスの気孔率としては、30〜70%であ
ることが望ましい。
【0013】また、前記多孔質セラミックスは、前記固
体電解質基体と、前記測定電極と、前記基準電極ととも
に、同時に焼成して形成することが望ましい。
【0014】さらに、本発明の酸素センサ素子は、上記
の構成に加え、セラミック絶縁層中に白金ヒータを埋設
したヒータ部を具備することによって酸素センサ素子の
ガス応答性をより高めることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の酸素センサ素子の一例に
ついて、図1の(a)概略平面図と、(b)X−X線断
面図をもとに説明する。図1の酸素センサ素子1によれ
ば、板状の固体電解質からなる基体2は一端が封止され
た中空の大気導入孔3が設けられており、その大気導入
孔3の内壁の一部には基準電極4が被着形成され、その
基準電極4と対向する固体電解質基体2の外側表面に
は、被測定ガスと接触する測定電極5が形成されてお
り、センサ部Aを形成している。また、基体2の表面ま
たは大気導入孔3の内壁には、一端が基準電極4や測定
電極5と電気的に接続された電極リード51や電極パッ
ド52が形成されている。
【0016】一方、基体2の大気導入孔3の基準電極3
が形成されていない側の基体2の内部には、発熱体6を
内蔵したセラミック絶縁層7が設けられており、この発
熱体6およびセラミック絶縁層7によってヒータ部Bを
形成している。
【0017】また、排気ガスによる電極の被毒を防止す
る観点から、測定電極5表面には電極保護層としてセラ
ミック多孔質からなるセラミック保護層8が形成されて
いる。
【0018】本発明によれば、大気導入孔3の内部に、
多孔質セラミックス9を充填することが重要である。大
気導入孔3の開放端の付近だけに形成することも可能で
あるが、素子強度を高める上では、多孔質セラミックス
9は、大気導入孔3全体に充填することが望ましい。
【0019】充填されるセラミックスの種類としては、
ジルコニア、アルミナ、スピネルの群から選ばれる少な
くとも1種を主成分とするセラミックスが望ましく、特
に、固体電解質の基体2と熱膨張係数差が2×10-6
℃以下であることが大気導入孔3の信頼性を高める上で
望ましい。かかる観点から、基体2がジルコニアセラミ
ックスからなる場合、多孔質セラミックス9もジルコニ
アセラミックスによって形成することが望ましい。その
場合、ジルコニアセラミックスは、Y、Yb、Sc、N
dの少なくとも1種の希土類元素(RE)をRE23
算で1.5〜7モル%含有し、正方晶を含有するジルコ
ニアセラミックスからなることが強度を高める上で望ま
しい。
【0020】また、多孔質セラミックス9の気孔率は、
30〜70%、特に40〜60%が優れる。多孔質セラ
ミックス9の気孔率を30%以上とすることによって、
空気の基準電極4への到達の時間を短縮し、所定の起電
力が得られやすくすることができる。また、気孔率を7
0%以下とすることによって、外界からの水の侵入をよ
り効果的に抑制するとともに、センサ素子の強度もさら
に高めることができる。
【0021】なお、本発明における気孔率は、多孔質セ
ラミックス9の断面を走査型電子顕微鏡(3000倍)
で写真撮影を行い、写真から求めたセラミック保護層の
断面積に対する気孔の総面積の割合である。
【0022】また、本発明によれば、製造コストを安価
にするため、多孔質セラミックス9は、固体電解質基体
2と、測定電極5と、基準電極4と同時焼成して形成す
ることが望ましい。
【0023】本発明の酸素センサ素子1において、基体
2を形成するのに用いられる固体電解質は、ZrO2
含有するセラミックスからなり、安定化剤として、Y2
3およびYb23、Sc23、Sm23、Nd23
Dy23等の希土類酸化物を酸化物換算で1〜30モル
%、好ましくは3〜15モル%含有する部分安定化Zr
2あるいは安定化ZrO2が用いられる。さらに、焼結
性を改善する目的で、上記ZrO2に対して、Al23
やSiO2を添加含有させることができるが、多量に含
有させると、高温におけるクリープ特性が悪くなること
から、Al23およびSiO2の添加量は総量で5重量
%以下、特に2重量%以下であることが望ましい。
【0024】固体電解質基体2の表面に被着形成される
基準電極4、測定電極5、さらには電極リード51は、
いずれも白金、あるいは白金と、ロジウム、パラジウ
ム、ルテニウムおよび金の群から選ばれる1種との合金
が用いられる。
【0025】また、センサ動作時の電極中の金属の粒成
長を防止する目的と、応答性に係わる金属粒子と固体電
解質と気体との、いわゆる3相界面の接点を増大する目
的で、上述のセラミック固体電解質成分を1〜50体積
%、特に10〜30体積%の割合で上記電極中に混合し
てもよい。また、電極形状としては、四角形でも楕円形
でもよい。また、各電極の厚さは、3〜20μm、特に
5〜10μmが好ましい。
【0026】一方、発熱体6を埋設するセラミック絶縁
層7としては、相対密度が80%以上、開気孔率が5%
以下の緻密質なセラミックスによって構成されているこ
とが望ましい。この際、焼結性を改善する目的でMg、
Ca、Siを総和で1〜10重量%含有していてもよい
が、Na、K等のアルカリ金属の含有量としては、マイ
グレーションしてヒータ基体2の電気絶縁性を悪くする
ため酸化物換算で50ppm以下に制御することが望ま
しい。また、相対密度を上記の範囲とすることによっ
て、基体強度が高くなる結果、酸素センサ自体の機械的
な強度を高めることができるためである。なお、セラミ
ックスとしては、アルミナセラミックス、AlとMgと
の複合酸化物を主体とするセラミックス、Alと希土類
元素との複合酸化物を主体とするセラミックスの群から
選ばれる少なくとも1種からなるなることが耐食性、高
強度化の点で望ましい。
【0027】セラミック絶縁層7内に埋設された発熱体
6としては、白金が用いられるが、場合によっては白金
とロジウム、パラジウム、ルテニウムの群から選ばれる
1種との合金を用いることができる。この場合、発熱体
6とリード部の抵抗比率は室温において、9:1〜7:
3の範囲に制御することが好ましい。なお、ヒータ基体
2における発熱体6の発熱パターンとしては、ミアンダ
(波型)構造のみならず、長手方向に伸び、長手方向の
端部で折り返したU字構造であってもよい。
【0028】上記の図1では、理論空燃比酸素センサ
(λセンサ)について例示したが、本発明は、ワイドレ
ンジセンサ素子に対しても適用される。図2は、その代
表的な構造を説明するための概略断面図である。この図
2の酸素センサ素子によれば、基体2aの対向する面に
基準電極4、測定電極5の電極対が形成され、測定電極
5の上側には基体2bによって空間部10が形成されて
いる。また、この空間部10は、基体2cによって閉塞
されており、この基体2cには、排気ガスを取り込むた
めの0.1〜0.5mmの大きさの拡散孔11が開けら
れている。このような構成によれば、拡散孔11を通過
した排気ガス中の酸素濃度に対応して電極対間に流れる
電流を制御して排気ガス中の空燃比を制御する。なお、
かかる酸素センサにおいては、基体2cを挟む両面に一
対の電極を形成してこれをポンピングセルとして機能さ
せてもよい。
【0029】本発明によれば、図2に示すような酸素セ
ンサ素子においても、大気導入孔3に図1で説明したよ
うな多孔質セラミックス9を充填することによって、外
気からの水分の侵入とともに、酸素センサ素子の強度を
高めることができる。
【0030】なお、上記空間部10内においても素子の
強度を持たせるため大気導入孔3に充填する多孔質セラ
ミックス9と同様の多孔質セラミックスを充填すること
もできる。また、上記の拡散孔11は、素子上面の他、
側面や先端に形成することもできる。さらには、拡散孔
11は空間内に一定の排気ガスを取り込むための孔とし
て機能すればよく、そのため、拡散孔11は、多数個の
孔で形成してもよいし、またセラミック多孔質層で形成
してもよい。
【0031】次に、本発明の酸素センサ素子の製造方法
について、図1の酸素センサ素子を例に取りその製造方
法を図3をもとに説明する。
【0032】まず、図3に示すようにジルコニアのグリ
ーンシート20を作製する。このグリーンシート20
は、ジルコニアの酸素イオン導電性を有するセラミック
固体電解質粉末に対して、適宜、成形用有機バインダー
を添加してドクターブレード法や、押出成形や、静水圧
成形(ラバープレス)あるいはプレス形成などの周知の
方法により作製される。
【0033】次に、上記のグリーンシート20の両面
に、それぞれ測定電極パターン21、基準電極パターン
22、リードパターン23、電極パッド24やスルーホ
ール25などを例えば、白金を含有する導電性ペースト
を用いてスラリーデッィプ法、あるいはスクリーン印
刷、パット印刷、ロール転写で印刷形成する。
【0034】次に、上記グリーンシート20の基準電極
パターン22を形成した側に、大気導入孔27を形成し
たグリーンシート28およびグリーンシート29をアク
リル樹脂や有機溶媒などの接着剤を介在させるか、ある
いはローラ等で圧力を加えながら機械的に接着してセン
サ積層体Aを形成する。
【0035】本発明によれば、上記センサ積層体Aを形
成する際に、大気導入孔27内に、多孔質セラミックス
形成剤を充填する。多孔質セラミックス形成剤は、所定
のセラミック粉末に対して、焼成中に燃焼して消失する
か、または高温度で昇華するような有機物からなる気孔
形成剤を混合したもので、スラリー化したものを大気導
入孔27内に充填するか、上記混合物を用いてドクター
ブレード法等によってシート化したセラミックシート3
0を大気導入孔27内にはめ込むことによって充填する
ことができる。なお、多孔質セラミックスの気孔率は、
気孔形成剤の含有量を調整することによって容易に制御
できる。
【0036】また、上記センサ部とともにヒータ部を同
時焼成して形成する場合には、例えば、以下のようにし
てヒータ積層体Bを形成する。まず、ジルコニアグリー
ンシート31表面に、例えば、アルミナなどの絶縁性セ
ラミックグリーンシート32aを積層形成する。この
後、このセラミックグリーンシート32aの表面に白金
を含有する導電性ペーストを用いて発熱体パターン33
およびリードパターン34をスラリーデッィプ法、ある
いはスクリーン印刷、パット印刷、ロール転写で印刷形
成し、さらにこの表面にもう一度、絶縁性セラミックグ
リーンシート32bを積層形成する。
【0037】上記絶縁性セラミックグリーンシート32
a、32bを積層する代わりに、ア絶縁性ペーストをス
ラリーデッィプ法、あるいはスクリーン印刷、パット印
刷、ロール転写で印刷形成することもできる。
【0038】なお、グリーンシート31の裏面には、電
極パッド35が設けられ、リード部34と、グリーンシ
ート31や32aに形成されたスルーホール36を通じ
て、電極パッド35と接続されている。
【0039】次に、上述のセンサ積層体Aとヒータ積層
体Bをアクリル樹脂や有機溶媒などの接着剤を介在させ
るか、あるいはローラ等で圧力を加えながら両者を機械
的に接着することにより接着して積層体ABを作製す
る。
【0040】その後、この積層体ABを、大気中または
不活性ガス雰囲気中、1300℃〜1700℃の温度範
囲で1〜10時間焼成する。この際、焼成時の反りを抑
制するため、錘として平滑なアルミナ等の基板を積層体
の上に置くことにより反り量を低減することができる。
【0041】また、センサ積層体Aとヒータ積層体Bと
を同時焼成して一体化する場合には、両者の熱膨張係数
差による応力の発生を低減するために、例えば、センサ
部を形成する固体電解質成分とヒータ部のセラミック絶
縁層を形成する絶縁成分との複合材料を積層体間に介在
させることが望ましい。
【0042】その後、必要に応じて、焼成後の測定電極
の表面に、プラズマ溶射法等により,アルミナ、ジルコ
ニア、スピネルの群から選ばれる少なくとも1種のセラ
ミックスを形成することによってヒータ部が一体化され
た酸素センサ素子を形成することができる。
【0043】なお、上記の方法では、センサ積層体Aと
ヒータ積層体Bとを同時焼成して形成した場合について
説明したが、センサ積層体Aとヒータ積層体Bとはそれ
ぞれ別体で焼成した後、ガラスなどの適当な無機接合材
によって接合することによって一体化することも可能で
ある。
【0044】
【実施例】図1に示すλセンサを、図3に従い以下のよ
うにして作製した。
【0045】まず、市販の純度が99.9%アルミナ粉
末と、Siを0.1重量%含む5モル%Y23含有のジ
ルコニア粉末と、平均粒子径が0.1μmで8モル%の
イットリアからなるジルコニアを30体積%含有する白
金粉末と、アルミナ粉末を20体積%含有する白金粉
末をそれぞれ準備した。
【0046】まず、5モル%Y23含有のジルコニア粉
末にポリビニルアルコール溶液を添加してスラリーを作
製し、押出成形により焼結後の厚さが0.4mmになる
ようなジルコニアのグリーンシート20を作製した。そ
の後、グリーンシート20の両面に、白金粉末を含有
する導電性ペーストをスクリーン印刷して、測定電極と
基準電極のパターン21,22、リードパターン23を
印刷形成した。
【0047】一方、5モル%Y23含有のジルコニア粉
末と、気孔形成剤として有機物からなる大きさが約20
μmのフロービーズ(商品名)を20体積%〜100体
積%添加混合したものにポリビニルアルコール溶液を添
加してスラリーを作製し、押出成形により焼結後の厚さ
が0.4mmになるような多孔質用グリーンシート30
を作製した。そして、前記電極などのパターンを形成し
たグリーンシート20に、パンチングによって大気導入
孔27を形成したジルコニアグリーンシート28および
ジルコニアグリーンシート29を積層するとともに、大
気導入孔27内に、前記多孔質用グリーンシート30を
はめ込み、をアクリル樹脂の接着剤により積層しセンサ
積層体Aを得た。
【0048】次に、上記のジルコニアグリーンシート3
1表面に上述のアルミナ粉末からなるペーストを用いて
スクリーン印刷してセラミック絶縁層32aを焼成後約
10μmになるように形成した後、一方の発熱体パター
ン33およびリードパターン34を、アルミナを含有す
る白金を含有する導電性ペーストを用いてスクリーン印
刷で印刷形成し、さらにこの表面にもう一度アルミナ粉
末からなるペーストをスクリーン印刷してセラミック絶
縁層32bを形成しヒータ積層体Bを作製した。また、
ジルコニアグリーンシート31の裏面には、上記導電性
ペーストを用いて電極パッド35を形成するとともに、
スルーホール36によってリードパターン34と接続し
た。
【0049】この後、センサ積層体Aとヒータ積層体B
を接合してヒータ一体化センサ素子の積層体を得、これ
を1500℃で1時間焼成してヒータ一体化酸素センサ
素子を作製した。
【0050】また、比較のため、大気導入孔27に多孔
質セラミックスを充填しない酸素センサ素子も合わせて
作製した。
【0051】作製した各酸素センサ素子について、大気
導入孔27に向かって20cmの距離から直径が約0.
1mmの液滴を0.5秒間噴霧した後、センサ素子表面
の水滴をふき取った。その後、ヒータに12Vを印加し
て、素子の温度を約700℃まで10秒間で上げ、1分
間温度を保持した後、通電を止めて1分間で室温まで冷
却し、この操作を1サイクルとして、これを繰り返し行
い、素子が破損するまでの回数を求めた。
【0052】この際、大気導入孔27に充填されたセラ
ミックスの気孔率は、充填物の断面を2000倍の走査
型電子顕微鏡写真を撮影して、断面積に占める気孔の全
面積の割合とした。
【0053】また、センサのヒータに12V印加し、素
子を700℃に加熱して、素子の測定電極に起電力が8
00mVを示す混合ガス(水素、酸素、窒素、炭酸ガ
ス)を吹き付け、素子が示す起電力を測定し、表1に示
した。
【0054】また、上記の素子5個について、スパン4
0mmのJIS16013点曲げ試験を行い、強度測定
を行い、表1にその平均強度を示した。
【0055】
【表1】
【0056】表1より、大気導入孔に多孔質セラミック
スを充填した本発明の試料は、何も充填しない場合に比
較して大気導入孔を経由した水分の浸入が防止され、安
定した耐熱性を示すとともに強度も高くなることが分か
る。特に、気孔率30〜70%では、起電力も800m
V以上、強度が40MPa以上と高く、1000サイク
ル以上の高い耐熱性を示した。気孔率は、40〜60%
が特に優れることがわかる。また、本発明品における大
気導入孔に充填した多孔質セラミックスについてX線回
折測定を行った結果、いずれも正方晶ZrO2の結晶が
確認された。
【0057】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明によれば、
大気導入孔内に多孔質セラミックスを充填することによ
って、水分の侵入を防止するとともに、素子強度を高め
ることができ、信頼性の高い長寿命の酸素センサ素子を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸素センサ素子の一例を説明するため
の(a)概略平面図と、(b)x−x断面図である。
【図2】本発明の酸素センサ素子の他の例を説明するた
めの概略断面図である。
【図3】図1の本発明の酸素センサ素子の製造方法を説
明するための分解斜視図である。
【図4】従来の円筒型のヒータ一体型酸素センサ素子の
構造を説明するための概略断面図である。
【図5】従来の平板型のヒータ一体型酸素センサ素子の
構造を説明するための概略断面図である。
【符号の説明】
1 酸素センサ素子 2 基体 3 大気導入孔 4 基準電極 5 測定電極 6 発熱体 7 セラミック絶縁層 9 多孔質セラミックス

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】大気導入孔を有するセラミック固体電解質
    からなる板状の基体と、前記大気導入孔の内壁に形成さ
    れた基準電極と、該基準電極と対向する基体外表面に形
    成された測定電極とを具備する酸素センサ素子であっ
    て、前記大気導入孔に多孔質セラミックスを充填したこ
    とを特徴とする酸素センサ素子。
  2. 【請求項2】前記多孔質セラミックスが、アルミナ、ジ
    ルコニア、スピネルを主成分とするセラミックスから成
    ることを特徴とする請求項1記載の酸素センサ素子。
  3. 【請求項3】前記多孔質セラミックスの気孔率が30〜
    70%であることを特徴とする請求項1および2記載の
    酸素センサ素子。
  4. 【請求項4】前記多孔質セラミックスが、前記固体電解
    質基体と、測定電極と、基準電極とともに、同時に焼成
    して形成されたものである請求項1乃至請求項3のいず
    れか記載の酸素センサ素子。
  5. 【請求項5】セラミック絶縁層中に白金ヒータを埋設し
    たヒータ部を具備する請求項1乃至請求項4のいずれか
    記載の酸素センサ素子。
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