JP2004117098A - 酸素センサ素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】グリーンシートの取り扱いや積層処理時における細い電極リードの断線を防止し、歩留まり良く製造可能な酸素センサ素子を提供する。
【解決手段】長尺状のジルコニア固体電解質基板1の少なくとも対向する両面に、基準電極2aと測定電極3aとード2b,3bをそれぞれ設けたセンサ部を具備する酸素センサ素子において、基準電極用電極リード2b表面に厚みが1〜50μmのアルミナ、ジルコニア、スピネル、フォルステライトなどのセラミック保護層6を設ける。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素センサ素子に関し、特に自動車等の内燃機関における空気と燃料の比率を制御するための酸素センサ素子に関するものである。
【0002】
【従来技術】
現在、自動車等の内燃機関においては、排出ガス中の酸素濃度を検出して、その検出値に基づいて内燃機関に供給する空気および燃料供給量を制御することにより、内燃機関からの有害物質、例えばCO、HC、NOxを低減させる方法が採用されている。
【0003】
この検出素子として、主として酸素イオン導電性を有するジルコニアを主分とする固体電解質からなり、一端が封止された円筒管の外面および内面にそれぞれ一対の電極層(外面:測定電極、内面:基準電極)が形成された固体電解質型の酸素センサが用いられている。
【0004】
このような酸素センサにおいて、一般に、空気と燃料の比率が1付近の制御に用いられている、いわゆる理論空燃比センサ(λセンサ)としては、測定電極の表面に、保護層としてセラミック多孔質層が設けられており、所定温度で円筒管両側に発生する酸素濃度差を検出し、エンジン吸気系の空燃比の制御が行われている。この際、理論空燃比センサは約700℃付近の作動温度までに加熱する必要があり、そのために、円筒管の内側には、センサ部を作動温度まで加熱するため棒状ヒータが挿入されている。
【0005】
しかしながら、近年排気ガス規制の強化傾向が強まり、エンジン始動直後からのCO、HC、NOxの検出が必要になってきた。このような要求に対して、上述のように、ヒータを円筒管内に挿入してなる間接加熱方式の円筒型酸素センサでは、センサ部が活性化温度に達するまでに要する時間(活性化時間)が遅いために排気ガス規制に充分対応できないという問題があった。
【0006】
近年、この問題を回避する方法として、図5の概略断面図に示すように、大気導入孔21aを形成した平板状の固体電解質基板21の外面および内面に測定電極22と基準電極23をそれぞれ設けると同時に、セラミック絶縁層25の内部に白金ヒータ26を埋設したヒータ一体型の酸素センサ素子が提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平2−276857号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このヒータ一体型酸素センサは、電極や電極リードをグリーンシート表面に印刷した後、複数枚のグリーンシートを積層し、焼成することによって作製されるが、上記グリーンシートの取り扱い時や積層時において、非常に細い電極リードが断線してしまい、センサ素子の製造歩留まりを大きく低下させていた。
【0009】
従って、本発明は、グリーンシートの取り扱いや積層処理時における細い電極リードの断線を防止し、歩留まり良く製造可能な酸素センサ素子を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の問題について検討した結果、電極リード表面をセラミック保護層で覆うことによって、細い電極リードが積層中に切断されることを防ぐことができることを見出し、本発明に至った。
【0011】
即ち、本発明の酸素センサ素子は、長尺状のジルコニア固体電解質基板の少なくとも対向する両面に、白金から成る測定電極と基準電極と電極リードをそれぞれ設けたセンサ部を具備する酸素センサ素子において、前記基準電極と接続される電極リード表面に厚みが1〜50μmのセラミック保護層を設けることによって、上記目的が達成できることを見出した。
【0012】
かかる酸素センサ素子においては、前記セラミック保護層としては、アルミナ、ジルコニア、スピネル、フォルステライトの群から選ばれる少なくとも1種の絶縁性セラミックスが適当である。
【0013】
また、本発明の酸素センサ素子においては、セラミック絶縁層中に白金発熱体を埋設したヒータ部を具備することが望ましく、このヒータ部は、前記センサ部と同時焼成して形成されてなるか、またはそれぞれ別体で形成された後、接合材によって接合し一体化されたものでもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の酸素センサ素子の基本構造の例を、図面をもとに説明する。図1は、本発明の酸素センサ素子の一例を説明するための(a)概略斜視図、(b)(a)におけるx−x断面図である。図2は、図1の酸素センサ素子の(a)Y−Y断面図、(b)Y−Y断面図、および(b)Y−Y断面図である。この酸素センサ素子は、一般的に理論空撚比センサ素子と呼ばれるものであり、センサ部Aとヒータ部Bを具備するものである。また、図3は、本発明の酸素センサ素子の他の例を説明するための(a)基準電極形成部分の横断面図と、(b)電極リード形成部分の横断面図である。
【0015】
図1の酸素センサ素子においては、ジルコニアからなる酸素イオン導電性を有する固体電解質基板1と、この固体電解質基板1の対向する両面には、空気に接する基準電極2aと、排気ガスと接する測定電極3aとが形成されており、酸素濃度を検知する機能を有するセンサ部Aを形成している。
【0016】
即ち、固体電解質基板1は先端が封止された平板状の中空形状からなり、この中空部が大気導入孔4を形成している。そして、この中空内壁に、空気などの基準ガスと接触する基準電極2aが被着形成され、この基準電極2aと対向する固体電解質基板1の外面に、排気ガスなどの被測定ガスと接触する測定電極3aが形成されている。
【0017】
また、基準電極2aは、大気導入孔4の内壁面に長手方向に形成された電極リード2b、ビア導体2cを経由して基準電極用の電極パッド2dと接続されている。また、測定電極3aは、固体電解質基板1の外面に形成された電極リード3bを経由して測定電極用の電極パッド3cと接続されている。
【0018】
また、排気ガスによる電極の被毒を防止する観点から、測定電極3a,電極リード3bの表面には保護層としてセラミック多孔質層5が形成されている。
【0019】
本発明によれば、このうちの大気導入孔4内壁に形成された基準電極用の電極リード2bの表面に、セラミック保護層6を設けることが重要である。
【0020】
このように、基準電極用の電極リード2bの表面にセラミック保護層6を設けることによって、電極リード2bの強化を図ることができ、酸素センサ素子作成時のグリーンシート積層工程中における電極リード2bの断線などの発生を効果的に防止することができるとともに、電圧印加試験においても耐久性を高めることができる。
【0021】
ここで用いられるセラミック保護層6は、アルミナ、ジルコニア、スピネル、フォルステライトの群から選ばれる少なくとも1種からなり、その厚み、つまり、電極リード2b上における厚みは、1〜50μm、特に2〜20μm、さらには5〜15μmであることが好ましい。厚みを上記の範囲にしたのは、1μmよりも薄いと、積層時の曲げや圧力に対する耐久性を高めることができず、また50μmよりも大きいと、セラミック保護層6による積層時の凹凸が大きくなりすぎて積層間にクラックが生じ、エンジン中での耐熱衝撃性が低下してしまうためである。
【0022】
また、このセラミック保護層6は、相対密度が90%以上の緻密体から構成されていることが望ましく、これによって耐久性を高めることができる。
【0023】
一方、ヒータ部Bは、電気絶縁性を有するセラミック絶縁層7中に白金発熱体8aが埋設された構造からなり、図1、2の酸素センサ素子においては、ヒータ部Bは、センサ部Aとともに焼成によって一体化された構造からなる。白金発熱体8aは、リード8bおよびビア導体8cを経由して電極パッド8dに接続されている。
【0024】
また、センサ部Aとヒータ部Bとは、一体化にあたっては、図3の酸素センサ素子に示される通り、それぞれ別体で形成し、接合材9によって接合された構造であってもよい。
【0025】
特に、センサ部Aの固体電解質基板1とヒータ部Bのセラミック絶縁層7との熱膨張係数差が大きい場合には、図3の構造からなることが望ましく、特に、接合箇所は、使用時において、温度の低い一部分で互いに接合することが望ましい。
【0026】
また、接合全面にて接合する場合には、センサ部Aとヒータ部Bとの熱膨張係数の違いによる応力を緩和するため、センサ部Aの固体電解質基板1とヒータ部Bのセラミック絶縁層7との複合材料などを介在させることもできる。
【0027】
本発明の酸素センサ素子において用いられる固体電解質基板1は、ZrOを含有するセラミックスからなり、安定化剤として、YおよびYb、Sc、Sm、Nd、Dy等の希土類酸化物を酸化物換算で1〜30モル%、好ましくは3〜15モル%含有する部分安定化ZrOあるいは安定化ZrOが好適に用いられている。
【0028】
さらに、焼結性を改善する目的で、上記ZrOに対して、AlやSiOを添加含有させることができるが、多量に含有させると、高温におけるクリープ特性が悪くなることから、AlおよびSiOの添加量は総量で5重量%以下、特に2重量%以下であることが望ましい。
【0029】
固体電解質基板1の表面に被着形成される基準電極2a、測定電極3aは、いずれも白金、あるいは白金と、ロジウム、パラジウム、ルテニウムおよび金の群から選ばれる1種との合金が好適に用いられる。
【0030】
また、電極形状としては、四角形でも楕円形でもよい。また、電極の厚さは、3〜20μm、特に5〜10μmが好ましい。
【0031】
また、電極リード2b,3bの幅は、いずれも線幅が150〜400μm程度の細い線によって形成されていることが適当であり、また、その厚みは5〜15μm、特に8〜10μmが適当である。これにより、電極リードの低抵抗化を図りつつ、白金の使用量を削減し素子の低コスト化を図ることができる。
【0032】
一方、白金発熱体8を埋設するセラミック絶縁層7としては、アルミナセラミックスからなる相対密度が80%以上、開気孔率が5%以下の緻密質なセラミックスによって構成されていることが望ましい。
【0033】
この際、焼結性を改善する目的でMg、Ca、Siを総和で1〜10質量%含有していてもよいが、Na、K等のアルカリ金属の含有量としては、マイグレーションによりヒータ部Bの電気絶縁性を悪くするため、酸化物換算で50ppm以下に制御することが望ましい。また、相対密度を上記の範囲とすることによって、基板強度が高くなる結果、酸素センサ自体の機械的な強度を高めることができる。
【0034】
また、測定電極3aの表面に形成されるセラミック多孔質層5は、電極被毒物質P、Si等が容易に電極に達して電極性能が低下するのを防止するとともに、ガス応答性を高める上で、厚さ10〜800μmで、特に100〜500μm、気孔率が10〜50%のジルコニア、アルミナ、γ−アルミナおよびスピネルの群から選ばれる少なくとも1種によって形成されていることが望ましい。
【0035】
ヒータ部21におけるセラミック絶縁層26内に埋設された白金発熱体27aは、金属として白金単味、あるいは白金とロジウム、パラジウム、ルテニウムの群から選ばれる1種との合金を用いることが好適である。
【0036】
なお、ヒータ部Bにおける発熱体8aの発熱パターンとしては、長手方向に伸び、長手方向の端部で折り返した構造のみならず、ミアンダ構造であってもよい。
【0037】
また、本発明の酸素センサ素子は、素子全体の厚さとしては、0.8〜1.5mm、特に1.0〜1.2mm、素子の長さとしては45〜55mm、特に45〜50mmが急速昇温性と素子のエンジン中への取付け具合との関係から好ましい。
【0038】
次に、本発明の酸素センサ素子の製造方法について、図1の酸素センサ素子の製造方法を例にして図4の分解斜視図をもとに説明する。
【0039】
まず、固体電解質のグリーンシート11を作製する。このグリーンシート11は、例えば、ジルコニアの酸素イオン導電性を有するセラミック固体電解質粉末に対して、適宜、成形用有機バインダーを添加してドクターブレード法や、押出成形や、静水圧成形(ラバープレス)あるいはプレス形成などの周知の方法により作製される。
【0040】
次に、上記のグリーンシート11の両面に、それぞれ基準電極2aおよび測定電極3aとなるパターン12a、13aや、電極リード2b、3bとなるリードパターン12b、13b、スルーホール12c、電極パッド2d、3cとなるパットパターン12d、13cなどを例えば、白金を含有する導電性ペーストを用いてスラリーディップ法、あるいはスクリーン印刷、パット印刷、ロール転写で印刷形成する。
【0041】
そして、基準電極パターン12aと接続されるリードパターン12bの表面に、アルミナ、あるいはジルコニア、スピネル、フォルステライトの群から選ばれる少なくとも1種のペーストを1〜50μmの厚みで塗布してセラミック保護層12eを印刷した。
【0042】
その後、大気導入孔14を形成したグリーンシート15およびグリーンシート16をアクリル樹脂や有機溶媒などの接着剤を介在させるか、あるいはローラ等で圧力を加えながら機械的に接着することによりセンサ部A用の積層体を作製する。
【0043】
なお、この時に測定電極パターン13aの表面に、セラミック多孔質層5を形成するための多孔質スラリーを印刷塗布形成してもよい。
【0044】
次に、図4に示すようにジルコニアグリーンシート17表面にアルミナ粉末からなるペーストをスラリーデッィプ法、あるいはスクリーン印刷、パット印刷、ロール転写で印刷し、セラミック絶縁層18aを形成する。
【0045】
次に、セラミック絶縁層18aの表面に、発熱体パターン19およびリードパターン20を印刷塗布する。また、ジルコニアグリーンシート17にビア導体21を形成し、シート17の裏面に電極パッド22を印刷塗布する。そして、アルミナなどの絶縁性ペーストを発熱体パターン19上に塗布してセラミック絶縁層18bを印刷塗布することにより、ヒータ部B用の積層体を作製する。
【0046】
なお、上記のヒータ部用の積層体Bを作製するにあたり、セラミック絶縁層18a、18bは、上記のように絶縁性ペーストの印刷塗布によって形成する他に、アルミナなどのセラミックスラリーを用いてドクターブレード法などのシート成形方法によって絶縁性シートを形成して積層することもできる。
【0047】
この後、センサ部A用の積層体とヒータ部B用の積層体をアクリル樹脂や有機溶媒などの接着剤を介在させるか、あるいはローラ等で圧力を加えながら両者を機械的に接着することにより接着一体化した後、これらを焼成する。
【0048】
焼成は、大気中または不活性ガス雰囲気中、1300℃〜1700℃の温度範囲で1〜10時間焼成する。なお、焼成時には、焼成時のセンサ部Aの反りを抑制するため、錘として平滑なアルミナ等の基板を積層体の上に置くことにより反り量を低減することができる。
【0049】
また、センサ部Aの積層体とヒータ部Bの積層体とを同時焼成して一体化する場合には、両者の熱膨張係数差による応力の発生を低減するために、例えば、センサ部を形成する固体電解質成分とヒータ部のセラミック絶縁層を形成する絶縁成分との複合材料を介在させることが望ましい。
【0050】
その後、必要に応じて、焼成後の測定電極の表面に、プラズマ溶射法等により、アルミナ、ジルコニア、スピネルの群から選ばれる少なくとも1種のセラミックスを形成することによってヒータ部が一体化された酸素センサ素子を形成することができる。
【0051】
なお、上記の方法では、ヒータ部Aはセンサ部Bと同時焼成して形成した場合について説明したが、センサ部Aとヒータ部Bとはそれぞれ別体で焼成した後、ガラスなどの適当な無機接合材によって接合することによって図3の酸素センサ素子のように一体化することも可能である。
【0052】
【実施例】
図1に示す理論空燃比センサを、図4に従い以下のようにして作製した。まず、5モル%Y含有のジルコニア粉末にポリビニルアルコール溶液を添加してスラリーを作製し、押出成形により焼結後の厚さが0.4mmになるようなジルコニアのグリーンシート11を作製した。
【0053】
その後、グリーンシート11の両面に、平均粒子径が0.1μmの白金粉末を含有する導電性ペーストをスクリーン印刷して、測定電極のパターン13aと基準電極のパターン12a、リードパターン12b、13b、スルーホール12c、パット゛パターン12d、13cをスクリーン印刷で印刷形成する。
【0054】
そして、基準電極側リードパターン12b上に、ジルコニアペーストをスクリーン印刷して焼成後に0.5μm〜100μmの厚みとなるようにセラミック保護層12eを形成した。そして、大気導入孔14を形成したグリーンシート15、およびグリーンシート16をアクリル樹脂の接着剤により積層し、センサ部A用積層体を得た。
【0055】
次に、ジルコニアグリーンシート17表面に上述のアルミナ粉末からなるペーストを用いてスクリーン印刷してセラミック絶縁層18aを焼成後約10μmになるように形成した後、発熱パターン19およびリードパターン20を、アルミナを含有する白金を含有する導電性ペーストを用いてスクリーン印刷で印刷形成し、さらにこの表面にもう一度アルミナ粉末からなるペーストをスクリーン印刷してセラミック絶縁層18bを形成することにより、ヒータ部B用積層体を作製した。
【0056】
この後、前述の製造方法に従いセンサ部A用積層体とヒータ部B用積層体を接合してヒータ一体型センサ素子の積層体を1500℃、1時間焼成してヒータ一体型センサ素子を作製した。
【0057】
また、基準電極用の電極リードのセラミック保護層6として、上記ジルコニアペーストに代えて、平均粒径が1〜2μmのアルミナ、スピネル、フォルステライトのペーストを用いる以外は上記と同様にして酸素センサ素子を作成した。
【0058】
作成した本発明の酸素センサ素子の断面を観察した結果、基準電極用の電極リード表面には、気孔率(面積比)が5%以下のアルミナセラミック絶縁層が形成されていた。
【0059】
各50本ずつ作製した酸素センサ素子について、基準電極用の電極パッド2dと基準電極2aとを通電させて抵抗の測定を行い、1kΩ以上をNGとして導通歩留まりを計算した。
【0060】
また、水素、メタン、窒素、酸素の混合ガスを用いて空燃比(A/F)を12と23の混合ガスを0.5秒間隔で交互にセンサ素子に吹き付けながら、100時間、素子のヒータに12V印加させることにより、素子の破損の有無を確認した。結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
Figure 2004117098
【0062】
表1の結果より、基準電極用の電極リードに保護層のない従来の試料No.1と保護層厚が1μmよりも薄い試料No.2は、導通がないか、あるいは抵抗値が1kΩ以上となる試料が多く、いずれも導通歩留まりが10%以下であった。
【0063】
また、基準電極用の電極リードの保護層が50μmより厚い試料No.9、10はいずれも導通歩留まりは改善されているものの、素子のヒータに12V印加して急速昇温させることにより、かかる保護層積層界面よりクラックが発生し、破損した。
【0064】
一方、リードに対して適切な厚みでセラミック保護層を形成した本発明品は、いずれも歩留まりが高く、12V印加試験によっても破損することがない素子であった。
【0065】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明によれば、基準電極の電極リード表面をセラミック保護層で所定厚みで覆うことによって、細い電極リードが積層中に切断されることを防ぎ、歩留まり良く安価な酸素センサ素子を製造できるとともに、電圧印加試験でも破損が生じることがない安定性に優れた酸素センサ素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸素センサ素子の一例を説明するための(a)概略斜視図、(b)(a)におけるx−x断面図である。
【図2】図1の酸素センサ素子の(a)Y−Y断面図、(b)Y−Y断面図、および(b)Y−Y断面図である。
【図3】本発明の酸素センサ素子の他の例を説明するための(a)基準電極形成部分の横断面図と、(b)電極リード形成部分の横断面図である。
【図4】図1の酸素センサ素子の製造方法を説明するための分解斜視図である。
【図5】従来の酸素センサ素子の構造を説明するための概略断面図である。
【符号の説明】
1  ・・・固体電解質基板
2a・・・基準電極
2b・・・電極リード
3a・・・測定電極
2b・・・電極リード
4・・・大気導入孔
5・・セラミック多孔質層
6・・・セラミック保護層
7・・・セラミック絶縁層
8・・・発熱体
A センサ部
B ヒータ部

Claims (5)

  1. 長尺状のジルコニア固体電解質基板の少なくとも対向する両面に、基準電極と、測定電極と、各電極と接続する電極リードをそれぞれ設けたセンサ部を具備する酸素センサ素子において、前記基準電極と接続される電極リード表面に厚みが1〜50μmのセラミック保護層を設けたことを特徴とする酸素センサ素子。
  2. 前記セラミック保護層が、アルミナ、ジルコニア、スピネル、フォルステライトからなることを特徴とする請求項1記載の酸素センサ素子。
  3. セラミック絶縁層中に白金からなる発熱体を埋設したヒータ部を具備する請求項1又は請求項2記載の酸素センサ素子。
  4. 前記センサ部と前記ヒータ部とが同時焼成して形成されてなることを特徴とする請求項3記載の酸素センサ素子。
  5. 前記センサ部と、前記ヒータ部とそれぞれ別体で形成された後、接合材によって接合し一体化されていることを特徴とする請求項3記載の酸素センサ素子。
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