JP4502991B2 - 酸素センサ - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の内燃機関における空気と燃料の比率を制御するための酸素センサに関するものであり、具体的にはセンサ基板とヒータ基板を固定し係結した酸素センサに関する。
現在、自動車等の内燃機関においては、排出ガス中の酸素濃度を検出して、その検出値に基づいて内燃機関に供給する空気および燃料供給量を制御することにより、内燃機関からの有害物質、例えばCO、HC、NOxを低減させる方法が採用されている。
このような酸素濃度を検出する酸素センサとして、図5に示すように酸素イオン導電性を有するジルコニアを主分とする固体電解質41に白金電極42を形成し、固体電解質41内部にPt等の発熱体43を埋設した薄いセラミック絶縁層44からなるヒータ45を一体化した酸素センサが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。一方、図6に示すように、酸素イオン導電性を有するジルコニアを主分とする固体電解質51に白金電極52が形成されたセンサ基板53と、発熱体54を有するアルミナからなるヒータ基板55とをセラミック多孔質層56を介して接合したものも提案されている。このような酸素センサにおいては発熱体54による熱がセラミック多孔質層56を伝わりセンサ基板53が加熱される仕組みとなっている。
このセラミック多孔質層56は、センサ基板53とヒータ基板55の隙間にグリーンシートで挿入するか、またはペーストを充填した後、センサ基板53とヒータ基板55とセラミック多孔質層56とを同時に焼成して作製される。
特開平2−276957号公報
しかしながら、上述のようなヒータを焼成一体化した図5の酸素センサでは、セラミック絶縁層44の絶縁性が低いため、漏れ電流の影響により検出精度が悪くなるという問題があった。
また、センサ基板53とヒータ基板55とをセラミック多孔質層56で接合した図6の酸素センサでは、電気絶縁性は優れるものの、アルミナは熱伝導が優れるため発熱体面積が小さくなり、その結果、センサ基板53に形成されたセンサ部の温度分布が不均一になりガス応答性が悪いという欠点があった。
従って、本発明は、センサ基板とヒータ基板とを積層、固定された酸素センサにおいて、ヒータ基板からセンサ基板に効率よく熱を伝達して、センサ基板の温度を均一にすることにより、ガス応答性に優れ、さらには所定の温度到達までの時間や活性化までの時間を短縮した酸素センサを提供することを目的とする。
本発明者は、上記問題について検討した結果、ジルコニア固体電解質基体の少なくとも内外面の対向する位置に基準電極と測定電極を形成してなるセンサ基板と、発熱体を内蔵するアルミナ絶縁体からなるヒータ基板とを積層、固定してなり測定電極の表面にセラミック多孔質層が形成されているとともに、発熱体は、長手方向の両端が測定電極の長手方向の両端を越えるように形成されており、かつ測定電極の長手方向の長さをa、発熱体の長手方向の長さをbとした時、b/aが1.05〜1.5を満足することによって、基板同士の熱膨張係数の差に起因する熱応力を回避し、さらにセンサ基板の温度分布を均一にすることができることを見出した。
また、前記セラミック多孔質層が、気孔率が10〜50%のジルコニア、アルミナ、γ−アルミナおよびスピネルの群から選ばれる少なくとも1種によって形成されていることが望ましい。
また、前記発熱体は、W、Mo、Reの少なくとも1種の導体から形成することによって、該発熱体をアルミナ絶縁体と同時焼成によって形成することができる。
さらに、発熱体からセンサ基板が固定される側のヒータ基板表面までの距離を100〜600μmとすることによってヒータ基板の耐熱衝撃性を高め、さらにヒータ基板の少なくともセンサ基板に固定される側の角部に、0.2mm以上のC面、または半径Rが0.1mm以上のR面を設けることによって熱衝撃に対する耐久性を高めることができる。また、センサ基板およびヒータ基板の反りを0.2mm以下とし、また、センサ基板とヒータ基板とを0.5mm以下の隙間をもって積層することによって、センサ部に対する加熱効率を高めることができる。
さらに、センサ基板とヒータ基板とを無機接着剤によって接着することによって、センサ基板とヒータ基板との熱膨張差による破壊を防止しつつ、両者を固定することができる。
以下、本発明の酸素センサの基本構造の一例を図1に示す。図1は、一般的に理論空撚比センサ(λセンサ)と呼ばれるもので、この酸素センサは、センサ基板1とヒータ基板2とから構成されている。
センサ基板1は、ジルコニアからなる酸素イオン導電性を有するセラミックスの固体電解質基板3と、この固体電解質基板3の対向する表面には、基準電極4、測定電極5とが形成されており、酸素濃度を検知するセンサを形成している(以下、センサ形成部Aという)。
即ち、固体電解質基板3は先端が封止された平板状の中空形状からなり、この中空部が大気導入孔3aを形成している。そして、この中空内壁に、空気などの基準ガスと接触する基準電極4が被着形成され、この基準電極4と対向する固体電解質基板3の外面に、排気ガスなどの被測定ガスと接触する測定電極5が形成されている。
基準電極4および測定電極5はいずれも多孔質の白金電極からなる。排気ガスによる電極の被毒を防止する観点から、測定電極5表面には電極保護層としてセラミック多孔質層6が形成されている。
一方、ヒータ基板2は、上記のセンサ基板1と同様に、平板形状を有しており、アルミナを主成分とするセラミック絶縁体7中には、W、Mo、Reの群から選ばれる少なくとも1種からなる発熱体8が埋設され、発熱体形成部Bを形成している。また、セラミック絶縁体7内には、適宜、発熱体8に接続するリード部(図示せず)が埋設、形成されている。
本発明によれば、図1に示すように、発熱体8が測定電極5を長さ方向の両端において越えるように形成し、センサ基板1におけるセンサ形成部Aの長さ、言い換えれば、測定電極5の長手方向の長さをa、発熱体形成部B、言い換えれば、発熱体8の長手方向の長さをbとした時、b/aで表される比率を1.05〜1.5とすることによって、センサ基板1のセンサ形成部Aにおける温度分布を均一にすることができる。
つまり、この比率がb/aが1.05より小さいと、センサ形成部Aの温度が不均一になりガス応答性が悪くなり、逆に、b/aが1.5を超えると、発熱体8の電気容量が大きくなりセンサ形成部Aの温度が高くなり、さらにはセンサ基板1の強度劣化が大きく熱衝撃により破壊しやすくなる。b/aの値としては1.1〜1.3が特に好ましい。
また、測定電極5および発熱体8の幅方向に対しては、基板の端面の近傍であるために均熱性は比較的保たれることから、特に限定するものではないが、望ましくは、測定電極5の幅方向の長さa’と発熱体の幅方向の長さb’は、基本的に同じか、望ましくは、b’>a’であることが同様な理由から望ましい。
また、本発明においては、センサ形成部Aを効率良く加熱するために、発熱体8からセンサ基板1に接するヒータ基板2表面までの距離Lが100〜600μmであることが好ましい。この距離Lが100μmより薄いとヒータ基板2の耐熱性、耐熱衝撃性が悪くなり、また、距離Lが600μmを超えるとヒータ基板2からセンサ形成部Aへの熱の伝達が悪くなり、その結果、酸素センサのガス応答性が低下する傾向があるからである。発熱体8からヒータ基板2表面までの距離Lとしては、特に300〜400μmが望ましい。
また、本発明の酸素センサにおいては、ヒータ基板2からセンサ基板1に効率よく熱が伝達されることに伴い、ヒータ基板2を急速昇温することが可能となる。その結果、ヒータ基板2は高い熱衝撃性を有することが望まれる。そのような熱衝撃性を高める方法として、前記ヒータ基板2の少なくともセンサ基板1に接する側の角部が、0.2mm以上のC面、または半径Rが0.1mm以上のR面を設けることが望ましい。C面またはR面の大きさとしては、C面の場合0.4mm以上、R面の場合0.2mm以上が特に望ましい。
また、本発明のセンサ基板1とヒータ基板2のそれぞれの反りは、熱伝達効率を高めるため0.2mm以下、特に0.1mm以下にすることが望ましい。また、センサ基板1とヒータ基板2の発熱体形成部Bおよびセンサ形成部Aにおける両基板の隙間Sが0.5mm以下、特に0.1mm以下、さらには0.07mm以下の隙間をもって積層されていることが望ましい。
上記の反りが0.2mmを超えると、隙間が0.5mmよりも大きくなり、センサ基板1のヒータ基板2の発熱体形成部Bによる加熱効率が低下し、センサ形成部Aにおける温度分布が悪くなりガス応答性が低下する傾向がある。
また、センサ基板1の全体厚さt1としては、素子強度と熱伝達の観点から0.6〜1.5mm、特に0.8〜1.2mmの大きさが好ましい。また、ヒータ基板2の全体厚さt2としては0.7〜2mm、特に1〜1.5mmが強度の観点から好ましい。ヒータ基板2の厚さt2が0.7mmより薄くなると基板強度が低くなり、2mmを超えるとヒータ基板2およびそれに隣接するセンサ基板1を加熱するため大きな電気量が必要になるためである。
また、本発明の酸素センサは、図2に示すような広域空燃比センサ(A/Fセンサ)に対しても適用される。図2は、その代表的な構造を説明するための概略断面図である。なお、図1の酸素センサと同じ機能を有する部分には、同じ符号を付した。この図2の酸素センサによれば、図1のセンサ基板1の固体電解質基板3における測定電極5の上面に、固体電解質基板11によって空間部12が形成されており、この固体電解質基板11には排気ガスを取り込みための0.1〜0.5mmの大きさの拡散孔13と呼ばれる小さな孔が開けられており、その両面に一対の電極14、14が形成されている。
かかる酸素センサにおいては、固体電解質基板3と測定電極5、基準電極4によってセンシングセルが形成され、固体電解質基板11と一対の電極14、14によってポンピングセルが形成されている。かかる構造の酸素センサによって、A/Fセンサを形成している。なお、上記空間部12内には素子の強度を持たせるため多孔質のセラミックスを充填することもできる。
かかる酸素センサにおいても、発熱体8が測定電極5を長さ方向の両端において越えるように形成し、センシングセルにおける測定電極5の長さをa、発熱体8の長さをbとした時、b/aの比率を1.05〜1.5、特に1.1〜1.3の比率とすることによって、上記と同様の効果が発揮される。
さらに、本発明の酸素センサにおいては、他の例として、図2のA/Fセンサにおいて、電極14、14を形成しない酸素センサにおいても同様に適用することができる。
(固体電解質)本発明の酸素センサにおいて用いられる固体電解質基板3は、ZrOを含有するセラミックスからなり、安定化剤として、YおよびYb、Sc、Sm、Nd、Dy等の希土類酸化物を酸化物換算で1〜30モル%、好ましくは3〜15モル%含有する部分安定化ZrOあるいは安定化ZrOが用いられている。また、ZrO中のZrを1〜20原子%をCeで置換したZrOを用いることにより、イオン導電性が大きくなり、応答性がさらに改善されるといった効果がある。さらに、焼結性を改善する目的で、上記ZrOに対して、AlやSiOを添加含有させることができるが、多量に含有させると、高温におけるクリープ特性が悪くなることから、AlおよびSiOの添加量は総量で5重量%以下、特に2重量%以下であることが望ましい。
(電極)固体電解質基板3や固体電解質基板11の表面に被着形成される基準電極4、測定電極5、さらには電極14は、いずれも白金、あるいは白金と、ロジウム、パラジウム、ルテニウムおよび金の群から選ばれる1種との合金が用いられる。また、センサ動作時の電極中の金属の粒成長を防止する目的と、応答性に係わる金属粒子と固体電解質と気体との、いわゆる3相界面の接点を増大する目的で、上述のセラミック固体電解質成分を1〜50体積%、特に10〜30体積%の割合で上記電極中に混合してもよい。また、電極形状としては、四角形でも楕円形でもよい。また、電極の厚さは、3〜20μm、特に5〜10μmが好ましい。
(アルミナ絶縁体)一方、発熱体8を埋設するアルミナ絶縁体7としては、アルミナセラミックスからなる相対密度が80%以上、開気孔率が5%以下の緻密質なセラミックスによって構成されており、焼結性を改善する目的でMg、Ca、Siを総和で1〜10重量%含有していてもよいが、Na、K等のアルカリ金属は、マイグレーションしてヒータ基板2の電気絶縁性を悪くするため酸化物換算で0.1重量%以下に制御することが望ましい。また、相対密度を上記の範囲とすることによって、基板強度が高くなる結果、酸素センサ自体の機械的な強度を高めることができるためである。
(セラミック多孔質層)また、測定電極5の表面に形成されるセラミック多孔質層6は、厚さ10〜800μmで、気孔率が10〜50%のジルコニア、アルミナ、γ−アルミナおよびスピネルの群から選ばれる少なくとも1種によって形成されていることが望ましい。この多孔質層6の厚さが10μmより薄いか、あるいは気孔率が50%を超えると、電極被毒物質P、Si等が容易に電極に達して電極性能が低下する。それに対して、多孔質層6の厚さが800μmを超えるか、あるいは気孔率が10%より小さくなるとガスの多孔質層6中の拡散速度が遅くなり、電極のガス応答性が悪くなる。特に、多孔質層6の厚さとしては気孔率にもよるが100〜500μmが適当である。
(発熱体)ヒータ基板2に埋設された発熱体8は、耐熱性と製造コストの関係からW、Mo、Reの群から選ばれる少なくとも1種から構成されることが望ましい。発熱体8の組成は、発熱容量と昇温速度により好適に選択すればよい。この場合、発熱体8とリード部の抵抗比率は室温において、9:1〜7:3の範囲に制御することが好ましい。発熱体8の構造としては、左右で折り返す構造と長手方向で折り返す構造のいずれも用いることが可能である。
なお、ヒータ基板2における発熱体8の発熱パターンとしては、後述する図3に示されるように、長手方向に伸び、長手方向の端部で折り返した構造のみならず、図4に示すようなミアンダ構造であってもよい。
(製造方法1)次に、本発明の酸素センサの製造方法について、図1の酸素センサの製造方法を例にして説明する。
まず、センサ基板1の作製方法について説明する。まず、ジルコニアのグリーンシート20を作製する。このグリーンシート20は、ジルコニアの酸素イオン導電性を有するセラミック固体電解質粉末に対して、適宜、成形用有機バインダーを添加してドクターブレード法や、押出成形や、静水圧成形(ラバープレス)あるいはプレス形成などの周知の方法により作製される。
次に、上記のグリーンシート20の両面に、それぞれ測定電極5および基準電極4となるパターン21やリードパターン22などを例えば、白金を含有する導電性ペーストを用いてスラリーデッィプ法、あるいはスクリーン印刷、パット印刷、ロール転写で印刷形成する。なお、この時に測定電極5となるパターンの表面に、多孔質層6を形成するための多孔質スラリーを印刷塗布形成する。
次に、上記パターン21、22を印刷したグリーンシート20に対して、大気導入孔23を形成したグリーンシート24、さらにグリーンシート25をアクリル樹脂や有機溶媒などの接着剤を介在させるか、あるいはローラ等で圧力を加えながら機械的に接着することによりセンサ基板1の積層体を作製する。その後、このセンサ基板1用の積層体を焼成する。この焼成は、大気中または不活性ガス雰囲気中、1300℃〜1500℃の温度範囲で1〜10時間行う。この際、焼成時のセンサ基板1の反りを抑制するため、錘として平滑なアルミナ等の基板を積層体の上に置くことにより反り量を低減することができる。
次に、ヒータ基板2の作製法について説明する。アルミナ組成物に、適宜、成形用有機バインダーを添加してドクターブレード法や、押出成形や、静水圧成形(ラバープレス)あるいはプレス形成などの周知の方法によりアルミナグリーンシート26、27を作製する。そして、グリーンシート27の表面に、W、Mo、Reの群から選ばれる少なくとも1種を含有する導電性ペーストを用いてスラリーデッィプ法、あるいはスクリーン印刷、パット印刷、ロール転写で発熱体8のパターン28や、リードパターン29に印刷塗布した後、アクリル樹脂や有機溶媒などの接着剤を介在させてグリーンシート26、27を接着させるか、あるいはローラ等で圧力を加えながら機械的に接着することによりヒータ基板2の積層体を作製し、これを焼成する。
ヒータ基板2の焼成は、発熱体8の酸化を防止する観点から水素等を含有するフォーミング等の還元ガス雰囲気中、1400℃〜1600℃の温度範囲で5〜10時間行う。この際、焼成時のヒータ基板2の反りを抑制するため、錘として平滑なアルミナ等の基板を積層体の上に加重を加えるように置くことにより反り量を低減することができる。
この後、別体で作製した上記センサ基板1とヒータ基板2とを位置合わせして積層し、必要に応じてガラスなどの接着剤によって貼り合わたり、治具を用いて単に積層した状態で固定することによって、図1の酸素センサを作製することができる。
各酸素センサにおける発熱体に12Vを印加したした時のセンサ基板1表面の測定電極5の4コーナーと電極中央部の温度測定を赤外感熱温度計を用いて行い、電極内の温度分布を求め、その最低温度と最高温度との温度差を表1に示した。また、素子を700℃になるようにして、水素、メタン、窒素、酸素の混合ガスを用いて空燃比を、14から15に変化させた時の素子の起電力変化に対して、起電力が初期値の63%になるまでの時間をガス応答性の時間として求め、結果を表1に示した。なお、本実験では比較のため、市販の平板型のヒータが一体化されたλセンサについても同様の測定を行った。
その後、図3の製造方法と同様に、上記の別途作製されたヒータ基板2とを位置合わせして積層し、必要に応じてガラスなどの接着剤によって貼り合わせたり、治具を用いて単に積層した状態で固定することによって、図2の酸素センサを作製することができる。
実施例1
図1に示すλセンサを図3に基づき、以下のようにして作製した。まず、市販のSi、Mg、Caを5重量%含むアルミナ粉末と、Siを0.1重量%含む5モル%Y含有のジルコニア粉末と、8モル%のイットリアからなるジルコニア粉末を30体積%含有する白金粉末と、W粉末をそれぞれ準備した。
まず、5モル%Y含有のジルコニア粉末にポリビニルアルコール溶液を添加して坏土を作製し、押出成形により焼結後厚さが0.4mmになるようなジルコニアのグリーンシート20を作製した。その後、グリーンシート20の両面にジルコニア粉末を含有する白金をスクリーン印刷して、測定電極5と基準電極4のパターン21、リードパターン22を印刷形成した後、大気導入孔23を形成したグリーンシート24、およびグリーンシート25をアクリル樹脂の密着剤により積層した。その後、この積層体を大気中1500℃で1時間焼成して、センサ基板1を作製した。
なお、測定電極5と発熱体8の長手方向の長さa、bによるb/aを表1のように設定した。また、測定電極5と発熱体8の幅方向の長さa’、b’については、同一長さに設定した。また、長手方向の長さは基準電極4は、測定電極5と同じとした。なお、焼成の際、積層体には重さの異なる平滑なアルミナ基板を乗せて焼成した。基板の反りは表面粗さ計を用いて測定した。
一方、アルミナ粉末にポリビニルアルコール溶液を添加して坏土を作製し、厚さが焼成後0.1〜0.8mmの厚さに成るように押出し成形で種々アルミナのグリーンシート26、27を作製した。この後、グリーンシート27に発熱体8の長さbの異なるW発熱体を約40μmの厚さになるようスクリーン印刷で印刷した後、さらにアクリルの密着剤を用いてアルミナのグリーンシート26を重ねて積層体を形成した後、1500℃で10時間水素を10%含む窒素ガス中で焼結し、ヒータ基板2を作製した。この時ヒータの抵抗は、室温で約3オームであった。なお、このヒータ基板2のセンサ基板1と接合される側の角部を0.4mmのC面加工を施した。
この後、上記のセンサ基板1とヒータ基板2を積層しセンサ形成部Aとは反対の端部付近でガラスを用いて固定し酸素センサを作製した。
各酸素センサにおける発熱体に12Vを印加したした時のセンサ基板1表面の測定電極5の4コーナーと電極中央部の温度測定を赤外感熱温度計を用いて行い、電極内の温度分布を求め、その最低温度と細孔温度との温度差を表1に示した。また、素子を700℃になるようにして、水素、メタン、窒素、酸素の混合ガスを用いて空燃比を、14から15に変化させた時の素子の起電力変化に対して、起電力が初期値の63%になるまでの時間をガス応答性の時間として求め、結果を表1に示した。なお、本実験では比較のため、市販の平板型のヒータが一体化されたλセンサについても同様の測定を行った。
実施例2
図2に示す空燃比センサ素子を図4に基づき以下のようにして酸素センサを作製した。実施例1と同様にして作製したジルコニアグリーンシート33の両面に、ジルコニア粉末を含有する白金をスクリーン印刷して、ポンピング電極14として外側電極と内側電極のパターン31、リードパターン32、さらに排気ガスを取り込むための拡散孔13を形成した。また、グリーンシート30に対して空間部12を形成した。そして、実施例1と同様にして、グリーンシート20、24、25とともにアクリル樹脂の密着剤により積層し、大気中1500℃で1時間焼成して、センサ基板を作製した。
一方、実施例1で作製したアルミナのグリーンシート27に発熱体の長さbの異なるW発熱体8を約40μmの厚さになるようスクリーン印刷で印刷した後、さらにアクリルの接着剤を用いてアルミナグリーンシート26を重ねて積層体を形成した後、1500℃で10時間水素を10%含む窒素ガス中で焼結し、ヒータ基板を作製した。この時ヒータの抵抗は、室温で約3オームであった。なお、このヒータ基板のセンサ基板と接合される側の角部を半径0.2mmのR面加工を施した。
この後、実施例1と同様にして、測定電極5における温度分布とガス応答性を測定した。また、本実験では比較のため、市販の平板型のヒータが一体化されたA/Fセンサについても同様の測定を行った。
Figure 0004502991
表1の結果からb/aが1.05より小さな試料No.2、10では、電極内の温度分布が市販のセンサ素子に比べて悪く、その結果、ガス応答性が遅かった。また、b/aが1.5を超える試料No.8、15では実験終了時にセンサ基板素子にクラックが発生した。
実施例3
実施例1のNo.4のλセンサにおいて、ヒータ基板2におけるグリーンシート26の厚さを変更することによって、発熱体8とヒータ基板2表面までの距離Lを種々変更した。また、センサ基板1およびヒータ基板2を焼成するにあたり、積層体に重さの異なる平滑なアルミナ基板を乗せて焼成し、反り量を種々変化させた。なお、センサ基板1およびヒータ基板2の反りは表面粗さ計を用いて測定した。なお、上記距離Lおよび反り量を変化させる以外は、全く同様な酸素センサである。
かかる酸素センサに対して、発熱体に12Vを印加したした時のセンサ基板の電極中央部の温度測定を行い、中央部の温度が400℃に達するまでの到達時間を求めた。また、本実験では比較のため、市販のヒータが一体化された酸素センサについても同様の測定を行った。結果を表2に示す。
Figure 0004502991
表2の結果から、到達時間の観点からは、発熱体8とヒータ基板2表面までの距離Lが600μm以下において市販のヒータ一体化酸素センサと同等以上の到達時間を有することがわかる。また、センサ基板1およびヒータ基板2の反りが0.2mm以下において到達時間10秒以下の良好な特性が得られた。
実施例4
実施例3の試料No.21と同一作製ロットの試料10個を用いて、800℃まで30秒で昇温し、800℃で1分間保持した後、室温まで空冷する温度サイクルを1サイクルとして、これを10万回繰り返した時のヒータ基板2またはセンサ基板1の破損率を求めた。比較のため、市販のヒータ一体化酸素センサ10個についても同様な実験を行った。その結果、本発明の酸素センサの破損率は10%以下であった。それに対して、市販のヒータ一体化酸素センサの破損率は60%であった。これより、本発明は急激な熱衝撃に対して、優れた特性を有することが分かる。
実施例5
実施例3のNo.21の酸素センサにおいて、この後、上記のセンサ基板1とヒータ基板2をガラスの厚さを調製して隙間を表3のように変化させた。センサ基板1とヒータ基板2の隙間Sは、側面から写真を撮影して写真から測定した。
そして、空燃比が14と15の混合ガス中を2Hzの周期で変えながら、ヒータに12Vを印加して素子の温度を上昇させ、素子の起電力が初めて0.6Vと0.3Vを示すまでの時間を活性化時間と測定した。また、実験では比較のため、市販のNo.16の酸素センサについても同様な測定を行った。
Figure 0004502991
表3の結果から、センサ基板とヒータ基板の間の隙間Sが0.5mm以下において、活性化時間は10秒以下と良好な特性を示した。
以上詳述した通り、本発明によれば、測定電極の長さとヒータ基板の発熱体の長さを制御することによって、測定電極内での温度分布を均一化できることによってガス応答性に優れた酸素センサを提供することができる。また、発熱体からヒータ基板表面までの距離L、各基板の反りやセンサ基板とヒータ基板との隙間を制御することによって、酸素センサにおける所定温度までの到達時間を短縮することができるとともに、活性化時間をも短縮した高い性能の酸素センサを提供することができる。
本発明の酸素センサの一例を説明するための概略断面図である。 本発明の酸素センサの他の例を説明するための概略断面図である。 図1の酸素センサを製造する方法を説明するための分解斜視図である。 図2の酸素センサを製造する方法を説明するための分解斜視図である。 従来の酸素センサの一例を示す概略断面図を示す。 従来の酸素センサの他の例を示す概略断面図を示す。
符号の説明
1 センサ基板
2 ヒータ基板
3 固体電解質基板
4 基準電極
5 測定電極
7 アルミナ絶縁体
8 発熱体
A センサ形成部
B 発熱体形成部

Claims (8)

  1. ジルコニア固体電解質基板の少なくとも内外面の対向する位置に基準電極および測定電極を形成してなるセンサ基板と、該センサ基板を加熱する発熱体を内蔵するアルミナ絶縁体からなるヒータ基板とを、前記基準電極と前記測定電極のうち前記基準電極を前記ヒータ基板側に位置させて積層、固定してなり、前記測定電極の表面にセラミック多孔質層が形成されているとともに、前記発熱体は、長手方向の両端が前記測定電極の長手方向の両端を越えるように形成されており、かつ前記測定電極の長手方向の長さをa、前記発熱体の長手方向の長さをbとした時、b/aが1.05〜1.5を満足することを特徴とする酸素センサ。
  2. 前記セラミック多孔質層が、気孔率が10〜50%のジルコニア、アルミナ、γ−アルミナおよびスピネルの群から選ばれる少なくとも1種によって形成されていることを特徴とする請求項1記載の酸素センサ。
  3. 前記発熱体が、W、Mo、Reの少なくとも1種の導体から形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の酸素センサ。
  4. 前記発熱体から前記センサ基板が固定される側のヒータ基板表面までの距離が100〜600μmであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか記載の酸素センサ。
  5. 前記ヒータ基板の少なくともセンサ基板が固定される側の角部に、0.2mm以上のC面、または半径Rが0.1mm以上のR面を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか記載の酸素センサ。
  6. 前記センサ基板および前記ヒータ基板の反りがそれぞれ0.2mm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか記載の酸素センサ。
  7. 前記センサ基板と前記ヒータ基板とが0.5mm以下の隙間をもって積層されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか記載の酸素センサ。
  8. 前記センサ基板と前記ヒータ基板とが、無機接着剤によって接着されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか記載の酸素センサ。
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