JP4693304B2 - 酸素センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の内燃機関における空気と燃料の比率を制御するための酸素センサに関するものであり、具体的にはセンサ素子基板とヒータ素子基板とが積層固定された酸素センサに関する。
【0002】
【従来技術】
現在、自動車等の内燃機関においては、排出ガス中の酸素濃度を検出して、その検出値に基づいて内燃機関に供給する空気および燃料供給量を制御することにより、内燃機関からの有害物質、例えばCO、HC、NOxを低減させる方法が採用されている。
【0003】
このような酸素濃度を検出する酸素センサとして、従来、図5に示すように酸素イオン導電性を有するジルコニアを主分とする固体電解質1に白金電極3を形成し、固体電解質1内部にPt等の発熱体5を埋設した薄いセラミック絶縁層6からなるヒータ9を一体化した酸素センサが知られている。
【0004】
また、図6に示すように、酸素イオン導電性を有するジルコニアを主分とする固体電解質の対向面に白金電極12が形成されたセンサ素子基板11と、発熱部15を有するアルミナからなるヒータ素子基板17とが、多孔質セラミック層19を介して接合された酸素センサが知られている。このような酸素センサにおいては発熱部15による熱が多孔質セラミック層19を伝わりセンサ素子基板11が過熱される仕組みとなっている。
【0005】
この多孔質セラミック層19は、センサ素子基板11とヒータ素子基板17の隙間にセラミックのグリーンシートを挿入するか、またはセラミックのペーストを充填した後、センサ素子基板11とヒータ素子基板17と多孔質セラミック層19とを同時に焼成して作製される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のようなヒータを一体化した図5の酸素センサでは、セラミック絶縁層6の絶縁性が低いため、漏れ電流の影響により検出精度が悪くなるという問題があった。
【0007】
また、センサ素子基板11とヒータ素子基板17とを多孔質セラミック層19で接合した図6の酸素センサでは、電気絶縁性は優れるものの、センサ素子基板11を構成するジルコニアと、ヒータ素子基板17を構成するアルミナとの熱膨張係数が大きく異なるため、使用時に温度サイクルを受けると破壊しやすいという問題があった。
【0008】
このようなセンサ素子基板を構成するジルコニアと、ヒータ素子基板を構成するアルミナとの熱膨張係数差による破損を抑制するため、特開平10−300717号公報には、ヒータ素子基板の発熱部が肉厚に形成され、リード部が肉薄に形成されており、センサ素子基板は、ヒータ素子基板の肉厚部分に対応する肉薄部分と、ヒータ素子基板の肉薄部分に対応する肉厚部分とを有しており、センサ素子基板とヒータ素子基板が一体に積層されている酸素センサが開示されている。
【0009】
このような酸素センサでは、センサ素子基板とヒータ素子基板とは接合されていないので、熱膨張係数差による破損を防止することができるものの、酸素センサをケースに組み込む際に、センサ素子基板とヒータ素子基板の位置がずれやすいという問題があった。
【0010】
本発明は、センサ素子基板とヒータ素子基板の熱膨張係数差による破壊を抑制できるとともに、センサ素子基板とヒータ素子基板の組み立てが容易な酸素センサを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の酸素センサは、固体電解質からなり酸素濃度検出部を有するセンサ素子基板と、前記酸素濃度検出部を加熱する発熱部及びそのリード部を内蔵するヒータ素子基板とが積層された酸素センサにおいて、前記ヒータ素子基板の前記発熱部から離れたリード部形成位置に形成された凸部又は凹部に、前記センサ素子基板に形成された凹部又は凸部を係合せしめてなるとともに、前記凹部は、側面が前記ヒータ素子基板または前記センサ素子基板の外側面にまで達していない閉じられた凹部であることを特徴とする。
【0012】
本発明の酸素センサでは、ヒータ素子基板の発熱部から離れたリード部形成位置に形成された凸部又は凹部に、センサ素子基板に形成された凹部又は凸部を係合させるため、センサ素子基板とヒータ素子基板の熱膨張係数差による破壊を抑制できるとともに、凹部は、側面がヒータ素子基板またはセンサ素子基板の外側面にまで達していない閉じられた凹部であることから、センサ素子基板とヒータ素子基板の位置ずれがなく、センサ素子基板とヒータ素子基板の組み立てが容易であり、例えば、ケース内に組み付ける場合にも、センサ素子基板とヒータ素子基板を確実に位置決めした状態でセットできる。
【0014】
さらに、本発明では、ヒータ素子基板のリード部形成位置に凹部が形成され、この凹部に対応するセンサ素子基板の位置に凸部が形成されていることが望ましい。このような酸素センサでは、ヒータ素子基板の発熱部からの熱が、凹部により遮断され、ヒータ素子基板の端部への無駄な熱伝達を抑制できる。
【0015】
また、本発明では、ヒータ素子基板の凸部又は凹部は、前記ヒータ素子基板の端部に形成されており、前記ヒータ素子基板の凸部又は凹部と、センサ素子基板の凹部又は凸部とが接合していることが望ましい。
【0016】
ヒータ素子基板のリード部側の端部には発熱部からの熱伝達が小さいため、ヒータ素子基板端部の凸部又は凹部と、センサ素子基板の凸部又は凹部との熱膨張係数差は小さく、破損することがない。また、このようにヒータ素子基板とセンサ素子基板とが接合されているため、取り扱いが容易になり、また、ケースへの組み付けをさらに容易に行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の酸素センサの基本構造の一例を図1及び図2に示す。図1及び図2は、一般的に理論空撚比センサ(λセンサ)と呼ばれるもので、この酸素センサは、センサ素子基板31とヒータ素子基板32とから構成されている。
【0018】
センサ素子基板31は、ジルコニアからなる酸素イオン導電性を有するセラミック固体電解質33と、この固体電解質33の内外面の対向する表面に形成された基準電極35、測定電極37とから構成されている。この固体電解質33の対向する表面に基準電極35、測定電極37を形成した部分が酸素濃度検出部とされている。
【0019】
即ち、固体電解質33は先端が封止された平板状の中空形状であり、この中空内部に、空気などの基準ガスと接触する基準電極35が被着形成され、この基準電極35と対向する固体電解質33の外面に、排気ガスなどの被測定ガスと接触する測定電極37が形成されている。
【0020】
基準電極35および測定電極37はいずれも多孔質の白金電極からなる。この場合、排気ガスによる電極の被毒を防止する観点から、測定電極37表面には電極保護層としてセラミック多孔質層39が形成されている。
【0021】
一方、ヒータ素子基板32は、上記のセンサ素子基板31と同じ平板状を有しており、アルミナを主成分とするセラミック絶縁体41中にW、Mo、Re等からなる発熱部43と、この発熱部43に接続するリード部44を埋設して構成されている。
【0022】
本発明においては、酸素濃度検出部を効率良く加熱するために、ヒータ素子基板32のセンサ素子基板31側の面と発熱部43との距離Lは200〜600μmであることが好ましい。Lが200μmより薄いとヒータ素子基板32の耐熱性が悪くなる。また、Lが600μmを超えるとヒータ素子基板32からセンサ素子基板31への熱の伝達が悪くなり、その結果酸素センサのガス応答性が低下する傾向があるからである。発熱体43からヒータ素子基板32表面までの距離Lとしては、特に300〜400μmが望ましい。
【0023】
また、本発明のセンサ素子基板31とヒータ素子基板32のそりとしては、熱伝達効率を高めるため0.2mm以下、特に0.1mm以下にすることが望ましい。そりが0.2mmを超えると、センサ素子基板31の温度が低下する傾向があり、温度分布が悪くなりガス応答性が低下する傾向がある。
【0024】
センサ素子基板31の厚みとしては、素子強度と熱伝達の観点から0.6〜1.5mm、特に0.8〜1.2mmが好ましい。また、ヒータ素子基板32の厚みとしては0.7〜2mm、特に1〜1.5mmが素子強度の観点から好ましい。ヒータ素子基板32が0.7mmより薄くなると基板の強度が低くなり、2mmを超えるとヒータ素子基板32およびそれに隣接するセンサ素子基板31を加熱するため大きな電気量が必要になる。
【0025】
そして、本発明では、図2に示したように、センサ素子基板31のヒータ素子基板32側の面に、底面が矩形状の凸部47が形成され、ヒータ素子基板32のセンサ素子基板31側の面には、底面が矩形状の凹部49が形成されており、センサ素子基板31の凸部47がヒータ素子基板32の凹部49内に挿入され、係合し、これにより、ヒータ素子基板32上にセンサ素子基板31が積層固定されている。底面が矩形状の凸部47と凹部49を形成したので、発熱部43の位置に酸素濃度検出部を容易に位置決めできる。
【0026】
センサ素子基板31の凸部47、ヒータ素子基板32の凹部49は、それぞれ一個ずつでも良いが、2個以上形成することが位置決めという点から望ましい。また、凸部47の高さ(凹部49の深さ)は少なくとも0.1mm以上、特に0.2mm以上あることが固定の安定性から好ましい。
【0027】
ヒータ素子基板32の凹部49は、リード部44形成位置に形成されている。即ち、発熱部43はヒータ素子基板32の先端側から、ヒータ素子基板32の長さLの1/3までに形成されるため、リード部44形成位置は、ヒータ素子基板32の反対側の端面から長さ2L/3の部分であり、この部分に凹部49が形成されている。
【0028】
凹部49形成位置は、発熱部43から離れている方が望ましいが、特にヒータ素子基板32の温度が500℃以下になる部分、さらには、図3に示すようにヒータ素子基板32の端部に形成されていることが望ましい。この場合には、センサ素子基板31と、ヒータ素子基板32の熱膨張差による影響が最小となるため、センサ素子基板31の凸部47をヒータ素子基板32の凹部49に接着剤等で接合することもできる。このようにセンサ素子基板31の凸部47をヒータ素子基板32の凹部49に接着剤等で接合することにより、酸素センサの取り扱いが容易となるとともに、ケース内への組み込みも容易に行うことができる。
【0029】
次に、酸素センサの構成エレメントについて具体的に説明する。
(セラミック多孔質層)
本発明の酸素センサによれば、排気ガスと直接接する測定電極37表面には排気ガス中の被毒物質から電極37を保護する役目と、もう一つは空燃比センサ素子のように固体電解質で囲まれた空間内へのガスの拡散量を制御する目的で厚さ10〜800μmで、気孔率が10〜50%のジルコニア、アルミナ、γ−アルミナまたはスピネル等からなるセラミック多孔質層39が設けられている。この多孔質層39の厚みが10μmより薄いか、あるいは気孔率が50%を超えると、電極被毒物質P、Si等が容易に測定電極37に達して電極性能が低下する。それに対して、多孔質層39の厚みが800μmを超えるか、あるいは気孔率が10%より小さくなるとガスの多孔質層39中の拡散速度が遅くなり、電極37のガス応答性が悪くなる。特に、多孔質層39の厚みとしては気孔率にもよるが100〜500μmが優れる。
【0030】
(電極)
固体電解質の表面に被着形成される基準電極35、測定電極37は、いずれも白金、あるいは白金と、ロジウム、パラジウム、ルテニウムおよび金の群から選ばれる1種との合金が用いられる。また、センサ動作時の電極中の金属の粒成長を防止する目的と、応答性に係わる金属粒子と固体電解質と気体との、いわゆる3相界面の接点を増大する目的で、上述のセラミック固体電解質成分を1〜50体積%、特に10〜30体積%の割合で上記電極35、37中に混合してもよい。
【0031】
電極35、37の形状としては、四角形でも楕円形でもよい。また、電極35、37の厚みとしては、3〜20μm、特に5〜10μmが好ましい。
【0032】
(発熱体)
ヒータ素子基板32に埋設された発熱部43は、耐熱性と製造コストの関係からW、Mo、Reの一種以上から構成されることが望ましい。発熱部43の組成は、発熱容量と昇温速度により好適に選択すればよい。この場合、発熱部43とリード部44の抵抗比率は室温において、9:1〜7:3の範囲に制御することが好ましい。発熱部43の構造としては、左右で折り返す構造と長手方向で折り返す構造のいずれも用いることが可能である。
【0033】
(ヒータ素子基板を構成するセラミック絶縁体)
ヒータ素子基板を構成するセラミック絶縁体41としては、アルミナを主成分とし、焼結性を改善する目的でMg、Ca、Siを総和で1〜10重量%添加含有することが望ましいが、Na、K等はマイグレーションしてセラミック絶縁体41の電気絶縁性を悪くするため0.1重量%以下に制御する必要がある。
【0034】
(製造方法)
(イ)センサ素子基板
まず、図1に示すような一端が封止された中空の平板状のセンサ素子基板31を作製する方法について図2を用いて詳述する。ジルコニアのグリーンシートを、ジルコニア等の酸素イオン導電性を有するセラミック固体電解質粉末に対して、適宜、成形用有機バインダーを添加してドクターブレード法や、押出成形や、静水圧成形(ラバープレス)あるいはプレス形成などの周知の方法により作製する。
【0035】
この時、用いられる固体電解質粉末としては、ジルコニア粉末に対して、安定化剤としてY2O3、Yb2O3、Sc2O3、Sm2O3、Nd2O3、Dy2O3等の希土類酸化物粉末を酸化物換算で1〜30モル%、好ましくは3〜15モル%の割合で添加した混合粉末、あるいはジルコニアと上記安定化剤との共沈原料粉末が用いられる。また、ZrO2中のZrをCeで1〜20原子%置換したZrO2粉末、または共沈原料を用いることもできる。さらに、焼結性を改善する目的で、上記固体電解質粉末に、Al2O3やSiO2を5重量%以下、特に2重量%以下の割合で添加することも可能である。
【0036】
次に、上記グリーンシートの両面に、それぞれ測定電極、基準電極、リード部となるパターンを、例えば、白金を含有する導電性ペーストを用いてスラリーデッィプ法、あるいはスクリーン印刷、パット印刷、ロール転写で形成した後、図2では省略したが、排気ガスと直接接する測定電極37表面に、電極を保護するためジルコニア、アルミナ、γ−アルミナおよびスピネル等からなるセラミック多孔質層39を、同様にスラリーデッィプ法、あるいはスクリーン印刷、パット印刷、ロール転写で形成する。
【0037】
この後、上記の電極等を印刷したグリーンシートと、中空部を形成するグリーンシートと、最下層のグリーンシートを、図2に従いアクリル樹脂や有機溶媒などの接着剤をグリーンシート間に介在させるか、あるいはローラ等で圧力を加えながら機械的に接着することによりセンサ素子基板の積層成形体を作製する。この際、凸部を形成するにはシートを貼り付け、また凹部はパンチなどによりグリーンシートに孔を設ける。
【0038】
センサ素子基板31の焼成は、大気中または不活性ガス雰囲気中、1300℃〜1500℃の温度範囲で1〜10時間行う。この際、焼成時のセンサ素子基板31のそりを抑制するため、錘として平滑なアルミナ等の基板を積層成形体の上に置くことによりそり量を低減することが出来る。
(ロ)ヒータ素子基板
次に、図2に示すヒータ素子基板32の作製法について説明する。先ず、アルミナのグリーンシートを、アルミナ粉末に、適宜、成形用有機バインダーを添加してドクターブレード法や、押出成形や、静水圧成形(ラバープレス)あるいはプレス形成などの周知の方法により作製する。この際、アルミナ粉末としては、アルミナを主成分として、焼結性を改善する目的でMg、Ca、Siを総和で1〜10重量%添加した粉末が好適に用いられる。
【0039】
上記のグリーンシートの片面にW、Mo、Re等を含有する導電性ペーストを用いてスラリーデッィプ法、あるいはスクリーン印刷、パット印刷、ロール転写で発熱体パターン形成した後、アクリル樹脂や有機溶媒などの接着剤を介在させてグリ−ンシートを接着させるか、あるいはローラ等で圧力を加えながら機械的に接着することによりヒータ素子基板の積層成形体を作製する。この際、凸部を形成するにはグリーンシートを貼り付け、また凹部はパンチなどによりグリーンシートに孔を設ける。
【0040】
ヒータ素子基板の焼成は、発熱体の酸化を防止する観点から水素等を含有するフォーミング等の還元ガス雰囲気中、1400℃〜1600℃の温度範囲で5〜10時間行う。この際、焼成時のヒータ素子基板のそりを抑制するため、錘として平滑なアルミナ等の基板を積層成形体の上に加重を加えるように置くことによりそり量を低減することができる。
【0041】
以上のように構成された酸素センサでは、センサ素子基板31に形成された凸部47に、ヒータ素子基板32に形成された凹部49を係合させるため、センサ素子基板31とヒータ素子基板32が、熱膨張係数が異なるジルコニア、アルミナで形成されていたとしても、熱膨張による破損を低減できる。また、センサ素子基板31とヒータ素子基板32の組み立てが容易であり、例えば、ケース内に組み付ける場合にも、センサ素子基板31とヒータ素子基板32を確実に位置決めでき、位置ズレした状態でケース内にセットされることがない。
【0042】
また、ヒータ素子基板32の凹部49を、リード部形成位置に形成することにより、最も高温となる発熱部43には凹部49が形成されないため、センサ素子基板31とヒータ素子基板32の熱膨張係数差による影響を低減でき、熱膨張差による破壊を抑制できる。さらに、凹部49により発熱部43による熱の伝達を抑制することもできる。
【0043】
尚、図1の酸素センサでは、センサ素子基板31に凸部47を、ヒータ素子基板32に凹部49を形成したが、センサ素子基板に凹部を、ヒータ素子基板に凸部を形成しても良い。
【0044】
また、図1では、底面が矩形状の凸部47と凹部49を形成したが、底面が楕円形状、三角形状であっても、発熱部43の位置に酸素濃度検出部を容易に位置決めできる。また、底面が円形状であっても凸部47と凹部49をそれぞれ2個以上形成することにより位置決めを容易に行うことができる。
【0045】
さらに、凹部49形成位置を端部に形成しない場合に、センサ素子基板31の凸部47をヒータ素子基板32の凹部49に接着剤等で接合しても、従来のようなセンサ素子基板の底面にヒータ素子基板を接合する場合よりも熱膨張差の影響は受けにくい。
【0046】
本発明の空燃比センサとして用いる酸素センサの他の例を図4に示す。この酸素センサでは、センサ素子基板51が、ポンピングセル53とセンシングセル55を有している。ポンピングセル53が、固体電解質に排気ガスを取り込むための拡散孔57と呼ばれる小さな孔が開けられており、その両面に一対の白金電極59を形成して構成され、センシングセル55は、固体電解質の両面に白金電極61を形成して構成されている。センサ素子基板51は、図1と同様のヒータ素子基板62上に配置されている。
【0047】
そして、この酸素センサにおいても、センサ素子基板51に凸部63が形成され、ヒータ素子基板62に凹部64が形成され、これらの凸部63と凹部64が係合している。このような酸素センサでも、上記例と同様の効果を得ることができる。
【0048】
本発明は、平板状のセンサ素子基板と平板状のヒータ素子基板を別体で作製し、その後両者を固定した酸素センサであって、センサ素子基板およびヒータ素子基板の形状、寸法等が異なる場合においても、また、酸素センサ素子はもちろん、他にNOxセンサ素子やCOセンサ素子であっても平板状のセンサ素子基板と平板状のヒータ素子基板に固定のための凸凹が設けられたものであれば本発明に含まれることは言うまでもない。
【0049】
【発明の効果】
本発明の酸素センサでは、ヒータ素子基板の発熱部から離れたリード部形成位置に形成された凸部又は凹部に、センサ素子基板に形成された凹部又は凸部を係合させるため、熱膨張差による破壊を抑制できるとともに、凹部は、側面がヒータ素子基板またはセンサ素子基板の外側面にまで達していない閉じられた凹部であることから、センサ素子基板とヒータ素子基板の組み立てが容易であり、例えば、ケース内に組み付ける場合にも、センサ素子基板とヒータ素子基板を確実に位置決めした状態でセットできる。また、ヒータ素子基板の凸部又は凹部を、リード部形成位置に形成することにより、最も高温となる発熱部に凸部又は凹部が形成されないため、センサ素子基板とヒータ素子基板の熱膨張係数差による影響をさらに低減でき、熱膨張差による破壊をさらに抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸素センサを示す断面図である。
【図2】図1の分解斜視図である。
【図3】ヒータ素子基板の端部に凹部を形成した酸素センサの断面図である。
【図4】本発明の酸素センサの他の例を示す断面図である。
【図5】従来のヒータを一体化した酸素センサを示す断面図である。
【図6】従来のセンサ素子基板とヒータ素子基板を接合した酸素センサを示す断面図である。
【符号の説明】
31、51・・・センサ素子基板
43・・・発熱部
44・・・リード部
32、62・・・ヒータ素子基板
47、63・・・凸部
49、64・・・凹部
Claims (3)
- 固体電解質からなり酸素濃度検出部を有するセンサ素子基板と、前記酸素濃度検出部を加熱する発熱部及びそのリード部を内蔵するヒータ素子基板とが積層された酸素センサにおいて、前記ヒータ素子基板の前記発熱部から離れたリード部形成位置に形成された凸部又は凹部に、前記センサ素子基板に形成された凹部又は凸部を係合せしめてなるとともに、前記凹部は、側面が前記ヒータ素子基板または前記センサ素子基板の外側面にまで達していない閉じられた凹部であることを特徴とする酸素センサ。
- 前記ヒータ素子基板のリード部形成位置に前記凹部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の酸素センサ。
- 前記ヒータ素子基板の凸部又は凹部は、前記ヒータ素子基板の端部に形成されており、前記ヒータ素子基板の凸部又は凹部と、前記センサ素子基板の凹部又は凸部とが接合していることを特徴とする請求項1又は2記載の酸素センサ。
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