JP4721593B2 - 酸素センサ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の内燃機関における空気と燃料の比率を制御するための酸素センサに関するものであり、具体的にはセンサ基板とヒータ基板を接合、固定した酸素センサに関する。
【0002】
【従来技術】
現在、自動車等の内燃機関においては、排出ガス中の酸素濃度を検出して、その検出値に基づいて内燃機関に供給する空気および燃料供給量を制御することにより、内燃機関からの有害物質、例えばCO、HC、NOxを低減させる方法が採用されている。
【0003】
このような酸素濃度を検出する酸素センサとして、図6に示すように酸素イオン導電性を有するジルコニアを主分とする固体電解質41に白金電極42を形成し、固体電解質41内部にPt等の発熱体43を埋設した薄いセラミック絶縁層44からなるヒータ45を一体化した酸素センサが提案されている。(特開平2−276857号公報等) 一方、図7に示すように、酸素イオン導電性を有するジルコニアを主分とする固体電解質51に白金電極52が形成されたセンサ基板53と、発熱体54を有するアルミナからなるヒータ基板55とをセラミック多孔質層56を介して接合したものも提案されている。このような酸素センサにおいては発熱体54による熱がセラミック多孔質層56を伝わりセンサ基板53が加熱される仕組みとなっている。
【0004】
このセラミック多孔質層56は、センサ基板53とヒータ基板55の隙間にグリーンシートで挿入するか、またはペーストを充填した後、センサ基板53とヒータ基板55とセラミック多孔質層56とを同時に焼成して作製される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のようなヒータ45を焼成一体化した図6の酸素センサでは、セラミック絶縁層44の絶縁性が低いため、漏れ電流の影響により検出精度が悪くなると云う問題があった。
【0006】
また、センサ基板53とヒータ基板55とをセラミック多孔質層56で接合した図7の酸素センサでは、電気絶縁はすぐれるものの、ヒータ基板55からセンサ基板53への熱伝達が悪く、その結果、センサ基板53に形成されたセンサ部の温度分布が不均一になりガス応答性が悪いという欠点があった(特開昭60−129661号公報等)。
【0007】
さらに、ヒータ基板とセンサ基板とを積層一体化した酸素センサにおいては、ヒータ基板によって高温に加熱されることによって、各基板の熱膨張の不均衡等によって基板に反りが発生し、このヒータ基板とセンサ基板との間に隙間が発生し、ヒータ基板によるセンサ基板の加熱効率が低下するという問題があった。
【0008】
従って、本発明は、センサ基板とヒータ基板とを積層、固定された酸素センサにおいて、高温下においてもヒータ基板からセンサ基板に効率よく熱を伝達して、センサ基板の温度のバラツキを抑え、均一な温度分布にすることが可能となり、ガス応答性優れ、さらには所定の温度到達までの時間や活性化までの時間を短縮した酸素センサを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記問題について検討した結果、一端が封止された大気導入孔を有する長尺状の固体電解質基板と、該固体電解質基板の一端側近傍における一方の外表面に測定電極を、該測定電極と対向する前記大気導入孔側内面に基準電極を有するセンサ部を形成してなるセンサ基板と、長尺状のセラミック絶縁基板の一端側近傍に発熱体を埋設した発熱部を形成してなるヒータ基板とを具備し、ヒータ基板を前記センサ基板の測定電極が形成された外表面と反対側の外表面に積層、固定してなる酸素センサにおいて、前記固体電解質基板の他端と前記セラミック絶縁基板の他端とを離間するとともに、前記センサ基板と前記ヒータ基板の、前記センサ部および前記発熱部を互いに押圧付勢した状態とし、前記センサ部およ前記発熱部以外の部分で両基板を接合固定したことによって、各基板が高温下で反り等が発生した場合においても、ヒータ基板とセンサ基板とが押圧した状態であることから、その反りを押圧が吸収し、ヒータ基板とセンサ基板との間に隙間が発生するのを防止することができ、その結果、上記目的が達成できることを見出した。
【0011】
また、前記センサ基板および前記ヒータ基板を他端側から全長の0.8倍以下の領域内でガラスによって接合固定すること、前記ガラスによる接合層の他端側厚みが0.5mm以下であることが耐久性を高める上で好適である。
【0012】
また、前記固体電解質がジルコニアを主成分とするセラミックスからなり、前記ヒータ基板のセラミック絶縁基板が、Al23を主成分とするセラミックスからなり、前記発熱体が、W、Mo、Reの少なくとも1種の導体からなることが好適であり、かかる場合、ガラスの室温〜600℃の熱膨張係数が8〜11×10-6/℃であることによって、前記ヒータ基板と前記センサ基板との熱膨張係数の差に起因する熱応力による破壊を回避することができる。
【0013】
また、前記ヒータ基板内のセラミック絶縁基板内の発熱体から前記センサ基板が固定される側のヒータ基板表面までの距離が200〜600μmであることによって、ヒータ基板の耐熱衝撃性を高め、センサ部に対する加熱効率を高めることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の酸素センサの基本構造の一例を図1に示す。この酸素センサは、センサ基板1とヒータ基板2とから構成されている。
【0015】
センサ基板1は、一端が封止された大気導入孔3aを有する長尺状の固体電解質基板3と、該基板3の一端側近傍における一方の外表面に測定電極5を、該測定電極5と対向する前記大気導入孔3a側内面に基準電極4を有するセンサ部Aとが形成されている。
【0016】
即ち、固体電解質基板3は先端が封止された平板状の中空形状からなり、この中空部が大気導入孔3aを形成している。そして、この大気導入孔3a内壁に、空気などの基準ガスと接触する基準電極4が被着形成され、この基準電極4と対向する固体電解質基板3の外面に、排気ガスなどの被測定ガスと接触する測定電極5が形成されている。
【0017】
基準電極4および測定電極5はいずれも多孔質の白金電極からなり、排気ガスによる電極の被毒を防止する観点から、測定電極5表面には電極保護層として、または拡散律速層として、セラミック多孔質層6が形成されている。
【0018】
一方、ヒータ基板2は、上記のセンサ基板1と同様に、平板形状を有しており、セラミック絶縁基板7中には、発熱体8が埋設され、発熱部Bを形成している。また、セラミック絶縁基板7内には、発熱体8に接続するリード部(図示せず)が埋設、形成されている。
【0019】
本発明によれば、図1に示すように、センサ基板1とヒータ基板2のセンサ部Aおよび発熱部Bとを互いに押圧付勢した状態とし、センサ部Aおよび発熱部B以外の部分で両基板を接合固定することが大きな特徴である。具体的には、ヒータ基板2の発熱部Bとセンサ基板1のセンサ部Aとを互いに押圧し、このセンサ部A、発熱部B以外の部分で両基板をガラス接合層9を介して接合固定されている。
【0020】
このようにセンサ基板1とヒータ基板2のセンサ部Aおよび発熱部Bとを互いに押圧付勢した状態で接合固定することによって、高温下で基板1、2に反りが発生した場合においても、押圧力が反りによる応力を緩和し、基板1、2の反りによって、センサ基板1とヒータ基板2とのセンサ部Aと発熱部Bとが離間し、加熱効率が低下するのを防止することができる。
【0021】
また、センサ基板1とヒータ基板2とを接合する領域は、センサ部Aおよび発熱部Bが形成された一端側xとは反対側の他端側yからの距離Wが全長Lの0.8倍以下、特に0.7倍以下の領域内で接合されていることが望ましい。この接合領域が他端側から全長の0.8倍を超えると、発熱部Bによってガラス接合層9が高温となるために、センサ基板1とヒータ基板2との熱膨張差等によって発生する応力が大きくなりその応力によって、ガラス接合層9やセンサ基板1、あるいはヒータ基板2にクラックが発生したり、基板が割れたりする等の問題が発生するおそれがある。
【0022】
また、センサ基板1およびヒータ基板2を接合しているガラス接合層9の両基板の他端側の厚みvが0.05〜0.5mm、特に0.1〜0.4mmであることが望ましく、厚みvが0.05mmよりも小さいと、接合力が小さく、また、0.5mmよりも大きいと、センサ部Aと発熱部Bを形成した部分での両基板の隙間が大きくなり加熱効率が低下し、また、センサ基板1とヒータ基板2との熱膨張差によってガラス接合層9にクラックが発生する。
【0023】
また、ガラス接合層9の長手方向の長さmは、センサ基板1、ヒータ基板2の全長Lの0.2〜0.8倍、特に0.3〜0.7倍であることが望ましい。このmが0.2倍よりも小さいと、接合固定力が不十分となり外れやすく、0.8倍よりも長いと、熱膨張差に起因する応力が大きくなり、クラック等が発生しやすくなる。
【0024】
特に、固体電解質基板3がジルコニアを主成分とするセラミックスからなり、ヒータ基板2のセラミック絶縁基板7が、Al23を主成分とするセラミックスからなり、前記発熱体8が、W、Mo、Reの少なくとも1種の導体からなる場合において、この構造体の熱膨張差に起因する応力を低減し、繰り返し熱サイクルに対する耐久性を高める上で接合層を形成するガラスの室温〜600℃の熱膨張係数が8〜11×10-6/℃、特に8.2〜10.5×10-6/℃であることが望ましい。特に、このようなガラスとしては、BaOを45〜56質量%、SiO2を36〜45質量%、Al23およびZrO2を0.1〜20質量%の割合で含有するバリウム珪酸系ガラスであることが好適であり、ガラスは特にBaO・2SiO2の結晶を析出する結晶化ガラスであることがガラスの強度を高める上で望ましい。また、Al23およびZrO2の組成比および添加量を調整することにより、熱膨張率を9〜11×10-6/℃の範囲に調整することができる。
【0025】
また、本発明においては、センサ部Aを効率良く過熱するために、発熱体8からセンサ基板1に接するヒータ基板2表面までの厚さSが200〜600μmであることが好ましい。この厚さSが200μmより薄いとヒータ基板2の耐熱性、耐熱衝撃性が悪くなり、また、厚さSが600μmを超えるとヒータ基板2からセンサ部Aへの熱の伝達が悪くなり、その結果、酸素センサのガス応答性が低下する傾向があるからである。発熱体8からヒータ基板2表面までの厚さSとしては、特に300〜400μmが望ましい。
【0026】
また、センサ基板1の全体厚さt1としては、素子強度と熱伝達の観点から0.6〜1.5mm、特に0.8〜1.2mmの大きさが好ましい。また、ヒータ基板2の全体厚さt2としては0.7〜2mm、特に1〜1.5mmが強度の観点から好ましい。ヒータ基板2の厚さt2が0.7mmより薄くなると基板2の強度が低くなり、2mmを超えるとヒータ基板2およびそれに隣接するセンサ基板1を加熱するため大きな電気量が必要になるためである。
【0027】
また、本発明の酸素センサは、図2に示すような構造の広域空燃比センサ(A/Fセンサ)に対しても適用される。図2は、その代表的な構造を説明するための概略断面図である。なお、図1の酸素センサと同じ機能を有する部分には、同じ符号を付した。この図2の酸素センサによれば、図1のセンサ基板1の固体電解質基板3における測定電極5の上面に、固体電解質基板11によって空間部12が形成されており、この固体電解質基板11には排気ガスを取り込みための0.1〜0.5mmの大きさの拡散孔13と呼ばれる小さな孔が開けられており、その両面に一対の電極14、14が形成されている。
【0028】
かかる酸素センサにおいては、固体電解質基板3と測定電極5、基準電極4によってセンシングセルが形成され、固体電解質基板11と一対の電極14、14によってポンピングセルが形成されている。かかる構造の酸素センサによって、A/Fセンサを形成している。なお、上記空間部12内には素子の強度を持たせるため多孔質のセラミックスを充填することもできる。
【0029】
かかる酸素センサにおいても、センシングセルにおける測定電極5が形成された面とは反対側の外表面において、センサ基板1とヒータ基板2とを互いに押圧付勢した状態とすることによって、上記と同様の効果が発揮される。
【0030】
なお、この酸素センサにおいては、電極14、14は必ずしも必要ではなく、固体電解質基板3と拡散孔13によってガスの拡散律速を行うことによってA/Fセンサを構成することもできる。
【0031】
本発明の酸素センサにおいて用いられる固体電解質基板3は、ZrO2を含有するセラミックスからなり、安定化剤として、Y23およびYb23、Sc23、Sm23、Nd23、Dy23等の希土類酸化物を酸化物換算で1〜30モル%、好ましくは3〜15モル%含有する部分安定化ZrO2あるいは安定化ZrO2が用いられている。また、ZrO2中のZrを1〜20原子%をCeで置換したZrO2を用いることにより、イオン導電性が大きくなり、応答性がさらに改善されるといった効果がある。さらに、焼結性を改善する目的で、上記ZrO2に対して、Al23やSiO2を添加含有させることができるが、多量に含有させると、高温におけるクリープ特性が悪くなることから、Al23およびSiO2の添加量は総量で5質量%以下、特に2質量%以下であることが望ましい。
【0032】
固体電解質基板3や固体電解質基板11の表面に被着形成される基準電極4、測定電極5、さらには電極14は、いずれも白金、あるいは白金と、ロジウム、パラジウム、ルテニウムおよび金の群から選ばれる1種との合金が用いられる。また、センサ動作時の電極中の金属の粒成長を防止する目的と、応答性に係わる金属粒子と固体電解質と気体との、いわゆる3相界面の接点を増大する目的で、上述のセラミック固体電解質成分を1〜50体積%、特に10〜30体積%の割合で上記電極中に混合してもよい。また、電極形状としては、四角形でも楕円形でもよい。また、電極の厚さは、3〜20μm、特に5〜10μmが好ましい。
【0033】
一方、発熱体8を埋設するセラミック絶縁基板7としては、アルミナセラミックスからなる相対密度が80%以上、開気孔率が5%以下の緻密質なセラミックスによって構成されていることが望ましく、焼結性を改善する目的でMg、Ca、Siを総和で1〜10質量%含有していてもよいが、Na、K等のアルカリ金属は、マイグレーションしてヒータ基板2の電気絶縁性を悪くするため酸化物換算で0.1質量%以下に制御することが望ましい。また、相対密度を上記の範囲とすることによって、基板強度が高くなる結果、酸素センサ自体の機械的な強度を高めることができるためである。
【0034】
また、測定電極5の表面に形成されるセラミック多孔質層6は、厚さ10〜800μmで、気孔率が10〜50%のジルコニア、アルミナ、γ−アルミナおよびスピネルの群から選ばれる少なくとも1種によって形成されていることが望ましい。この多孔質層6の厚さが10μmより薄いか、あるいは気孔率が50%を超えると、電極被毒物質P、Si等が容易に電極に達して電極性能が低下する。それに対して、多孔質層6の厚さが800μmを超えるか、あるいは気孔率が10%より小さくなるとガスの多孔質層6中の拡散速度が遅くなり、電極のガス応答性が悪くなる。特に、多孔質層6の厚さとしては気孔率にもよるが100〜500μmが適当である。
【0035】
ヒータ基板2に埋設された発熱体8は、耐熱性と製造コストの関係からW、Mo、Reの群から選ばれる少なくとも1種から構成されることが望ましい。発熱体8の組成は、発熱容量と昇温速度により好適に選択すればよい。この場合、発熱体8とリード部の抵抗比率は室温において、9:1〜7:3の範囲に制御することが好ましい。発熱体8の構造としては、左右で折り返す構造と長手方向で折り返す構造のいずれも用いることが可能である。
【0036】
なお、ヒータ基板2における発熱体8の発熱パターンとしては、後述する図3に示されるように、長手方向に伸び、長手方向の端部で折り返した構造のみならず、図5に示すようなミアンダ構造であってもよい。
【0037】
次に、本発明の酸素センサの製造方法について、図1の酸素センサの製造方法を図3の分解斜視図をもとに説明する。
【0038】
まず、センサ基板1の作成方法について説明する。まず、ジルコニアのグリーンシート20を作成する。このグリーンシート20は、ジルコニアの酸素イオン導電性を有するセラミック固体電解質粉末に対して、適宜、成型用有機バインダーを添加してドクターブレード法や、押出成形、静水圧成形(ラバープレス)あるいはプレス成型などの周知の方法により作成される。次にグリーンシート20の両面に、それぞれ測定電極5および基準電極4となるパターン21やリードパターン22などを例えば、白金を含有する導電性ペーストを用いてスラリーデッィプ法、あるいはスクリーン印刷、パット印刷、ロール転写で印刷形成する。なお、この時に測定電極5となるパターンの表面に、多孔質層6を形成するための多孔質スラリーを印刷塗布形成してもよい。
【0039】
次に、上記パターン21、22を印刷したグリーンシート20に対して、大気導入孔23を形成したグリーンシート24、さらにグリーンシート25をアクリル樹脂や有機溶媒などの接着剤を介在させるか、あるいはローラ等で圧力を加えながら機械的に接着することによりセンサ基板の積層体を作製する。その後、このセンサ基板用の積層体を焼成する。この焼成は、大気中または不活性ガス雰囲気中、1300℃〜1500℃の温度範囲で1〜10時間行う。
【0040】
次に、ヒータ基板2の作製法について説明する。アルミナ組成物に、適宜、成形用有機バインダーを添加してドクターブレード法や、押出成形や、静水圧成形(ラバープレス)あるいはプレス形成などの周知の方法によりアルミナグリーンシート26、27を作製する。そして、グリーンシート27の表面に、W、Mo、Reの群から選ばれる少なくとも1種を含有する導電性ペーストを用いてスラリーデッィプ法、あるいはスクリーン印刷、パット印刷、ロール転写で発熱体8のパターン28や、リードパターン29に印刷塗布した後、アクリル樹脂や有機溶媒などの接着剤を介在させてグリ−ンシート26、27を接着させるか、あるいはローラ等で圧力を加えながら機械的に接着することによりヒータ基板の積層体を作製し、これを焼成する。
【0041】
ヒータ基板2の焼成は、発熱体8の酸化を防止する観点から水素等と含有するフォーミング等の還元ガス雰囲気中、1400℃〜1600℃の温度範囲で5〜10時間行う。
【0042】
この後、別体で作製した上記センサ基板とヒータ基板とを位置合わせして積層し、ガラスによって接合固定するが、本発明によれば、この時、図4に示すように、センサ基板1およびヒータ基板2の所定箇所に接合用のガラス34を配置し、センサ部Aおよび発熱部Bの部分に重り等によって荷重を印加した状態で、ガラス34の溶融温度まで昇温し接合を行うことによって、センサ基板をヒータ基板とのセンサ部および発熱部とを互いに押圧付勢した状態で接合固定することができる。なお、ガラス接合部において、所定の隙間を確保するためにスペーサ35を介在させておくことが望ましい。なお、この時の荷重は2〜25Nとすることが適当である。
【0043】
また図2の酸素センサを作製する場合には、図5に示すように、図3のパターン21、22が形成されたグリーンシート20の上面に、空間部12を形成したグリーンシート30、拡散孔13、および両面にポンピング電極14用のパターン31やリードパターン32が形成されたグリーンシート33を積層して、グリーンシート24、25とともに上記と同様な条件で焼成することによってセンサ基板を作製することができる。なお、排気ガスを導入するための拡散孔13は、焼成前の積層体を作製する時点で作製してもよいし、焼成後に超音波加工やレーザ加工により形成してもよい。
【0044】
その後、図4と同様に、センサ基板1およびヒータ基板2の所定箇所に接合用のガラス34を配置し、センサ部および発熱部の部分に重り等によって荷重を印加しながら、ガラスによって接合することによって、センサ基板およびヒータ基板とを互いに押圧付勢した状態で接合固定することができる。
【0045】
【実施例】
実施例1
図1に示す酸素センサを図3、図4に基づき、以下のようにして作製した。まず、市販のSi、Mg、Caを5質量%含むアルミナ粉末と、Siを0.1質量%含む5モル%Y23含有のジルコニア粉末と、8モル%のイットリアからなるジルコニア粉末を30体積%含有する白金粉末と、W粉末をそれぞれ準備した。
(センサ基板の作製)
まず、5モル%Y23含有のジルコニア粉末にポリビニルアルコール溶液を添加して坏土を作製し、押出成形により焼結後厚さが0.4mmになるようなジルコニアのグリーンシート20を作製した。その後、グリーンシート20の両面にジルコニア粉末を含有する白金をスクリーン印刷して、測定電極と基準電極のパターン21、リードパターン22を印刷形成した後、大気導入孔23を形成したグリーンシート24、およびグリーンシート25をアクリル樹脂の密着剤により積層した。その後、この積層体を大気中1500℃で1時間焼成して、全長が70mmのセンサ基板を作製した。
【0046】
なお、測定電極5と発熱体8については、基板先端から1mmのブランクを設け、長手方向に8mmの長さの測定電極、13mmの長さの発熱体8をそれぞれ形成した。また、長手方向の長さ基準電極は、測定電極と同じ大きさとした。
(ヒータ基板の作製)
一方、アルミナ粉末にポリビニルアルコール溶液を添加して坏土を作製し、厚さが焼成後0.5mmの厚さに成るように押出し成形で種々アルミナのグリーンシート26、27を作製した。この後、グリーンシート27に発熱体8の長さbの異なるW発熱体を約40μmの厚さになるようスクリーン印刷で印刷した後、さらにアクリル樹脂の密着剤を用いてアルミナのグリーンシート26を重ねて積層体を形成した後、1500℃で10時間水素を10%含む窒素ガス中で焼結し、ヒータ基板2を作製した。この時ヒータの抵抗は、室温で約3オームであった。
【0047】
この後、センサ基板1およびヒータ基板2の間に、長さMが20mmで、SiO240質量%、BaO51質量%、Al233.5質量%、ZrO25.5質量%の組成からなる室温〜600℃の熱膨張係数が8.5×10-6/℃のバリウム珪酸ガラスを配置し、センサ部および発熱部の部分に表1の荷重で表面が平滑なアルミナ基板を載せて、1000℃で加熱することによって、センサ基板とヒータ基板とのセンサ部および発熱部とを互いに押圧付勢した状態で接合固定した。なお、ガラス接合層の端部の厚さは0.2〜0.7mmとした。
【0048】
各酸素センサにおける発熱体に12Vを印加した時のセンサ基板表面の測定電極の4コーナーと電極中央部の温度測定を赤外感熱温度計を用いて行い、電極内の温度分布を求め、その最低温度と最高温度との温度差を温度分布として表1に示した。また、素子を700℃になるようにして、水素、メタン、窒素、酸素の混合ガスを用いて空燃比(A/F)を、14から15に変化させた時の素子の起電力変化に対して、起電力が初期値の63%になるまでの時間をガス応答性の時間として求め、結果を表1に示した。なお、本実験では比較のため、市販の平板型のヒータが一体化された酸素センサについても温度分布とガス応答性の評価を行った。
【0049】
【表1】
Figure 0004721593
【0050】
表1の結果から、押圧付勢していない試料No.1では、センサ基板およびヒータ基板それぞれに反りが見られ、センサ部および発熱部付近でセンサ基板とヒータ基板とが離間しているのが確認された。そのために、測定電極内の温度分布が悪く、その結果、ガス応答性が遅いものであった。
【0051】
これに対して、本発明に押圧付勢した試料No.2〜7の酸素センサは、700℃に加熱した状態でもセンサ基板とヒータ基板との離間は認められず、測定電極内の温度分布も均一化しており、ガス応答性も高いものであった。
実施例2
実施例1のNo.4のλセンサにおいて、ガラス接合層の端部yからの距離wの全長Lに対する比率、ガラス接合層の他端側の厚みT、さらに熱膨張係数の異なるガラスを用いる以外は、全く同様な酸素センサである。
【0052】
かかる酸素センサに対して、800℃まで30秒で昇温し、800℃で1分間保持した後、室温まで空冷する温度サイクルを1サイクルとして、これを1万回繰り返したヒータ基板またはセンサ基板の耐久評価を行った。耐久評価では、各試料につき50個のサンプルについてクラックまたはセンサ基板とヒータ基板の剥離等の発生数を示した。
【0053】
【表2】
Figure 0004721593
【0054】
表2の結果からガラス接合層を形成した領域が、全長Lの0.8倍を超える酸素センサ、ガラス他端部の厚みが0.5mmをえる酸素センサは、サイクル耐久評価後に多数のクラックの発生や剥離が見られたが、接合領域が全長Lの0.8倍以下、ガラス他端部の厚みが0.5mm以下の酸素センサは、試験後においてもクラックや剥離の発生は大きく減少した。
【0055】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明によれば、センサ基板とヒータ基板のセンサ部および発熱部とを互いに押圧付勢した状態でセンサ部および発熱部が形成された部分以外の部分で両基板を接合固定したことによって、測定電極内での温度分布を均一化できることによってガス応答性に優れた酸素センサを提供することができる。また、ガラス接合層の位置、ガラス接合層の他端部における厚み、およびガラスの熱膨張係数を制御することによって、耐久性に優れた酸素センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸素センサの一例を説明するための概略断面図である。
【図2】本発明の酸素センサの他の例を説明するための概略断面図である。
【図3】図1の酸素センサを製造する方法を説明するための分解斜視図である。
【図4】センサ基板とヒータ基板との接合方法を説明するための図である。
【図5】図2の酸素センサを製造する方法を説明するための分解斜視図である。
【図6】従来の酸素センサの一例を示す概略断面図を示す。
【図7】従来の酸素センサの他の例を示す概略断面図を示す。
【符号の説明】
1 センサ基板
2 ヒータ基板
3 固体電解質基板
4 基準電極
5 測定電極
7 アルミナ絶縁基板
8 発熱体
9 ガラス接合層
A センサ部
B 発熱部

Claims (6)

  1. 一端が封止された大気導入孔を有する長尺状の固体電解質基板と、該固体電解質基板の一端側近傍における一方の外表面に測定電極を、該測定電極と対向する前記大気導入孔側内面に基準電極を有するセンサ部を形成してなるセンサ基板と、長尺状のセラミック絶縁基板の一端側近傍に発熱体を埋設した発熱部を形成してなるヒータ基板とを具備し、ヒータ基板を前記センサ基板の測定電極が形成された外表面と反対側の外表面に積層、固定してなる酸素センサにおいて、前記固体電解質基板の他端と前記セラミック絶縁基板の他端とを離間するとともに、前記センサ基板と前記ヒータ基板の、前記センサ部および前記発熱部を互いに押圧付勢した状態とし、前記センサ部およ前記発熱部以外の部分で両基板を接合固定したことを特徴とする酸素センサ。
  2. 前記センサ基板および前記ヒータ基板を他端側から全長Lの0.8倍以下の領域内でガラスによって接合固定したことを特徴とする請求項1記載の酸素センサ。
  3. 前記ガラスによる接合層の他端側厚みが0.5mm以下である請求項2に記載の酸素センサ。
  4. 前記固体電解質基板がジルコニアを主成分とするセラミックスからなり、前記ヒータ基板のセラミック絶縁基板が、Alを主成分とするセラミックスからなり、前記発熱体が、W、Mo、Reの少なくとも1種の導体からなる請求項1乃至請求項のいずれか記載の酸素センサ。
  5. 前記ガラスの室温〜600℃の熱膨張係数が8〜11×10−6/℃であることを特徴とする請求項2に記載の酸素センサ。
  6. 前記ヒータ基板の前記発熱体から前記センサ基板が固定される側のヒータ基板表面までの距離が200〜600μmであることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか記載の酸素センサ。
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